JP4392115B2 - 金属板の平坦度制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄、アルミニウム,チタン等金属板のトップ部(長さ方向先端)巾方向エッジ部において、巾方向の温度偏差が原因となって発生する耳波を、圧延最終段に付与する幅方向残留応力の制御により防止し、かつ金属板の平坦度を制御する方法及び装置に関し、特に熱延鋼板や厚板鋼板の平坦度制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属材料、特に鋼材は、圧延工程から次工程の冷却工程を経て冷却後に発生する鋼板波(耳波)は、熱間圧延機、或いは圧延後の熱間矯正機で幅方向中央部に若干の鋼板波(中波)を発生させることにより、鋼板波を過補償して防止する方法を採用していた。また、この方法でも鋼板波制御が十分でない場合は、別途精整工程で矯正加工を施すことが必要であった。このようなことから、これまで鋼板波を防止するための方法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特開平5−269527号公報では金属ストリップの平坦度形状制御方法として、冷却完了後に金属ストリップを巻き取る前にテンションレベラーを設置して平坦度矯正を行う方法に於いて、テンションレベラーの最終ロール直前のロールを金属ストリップの張力の巾方向分布が測定可能な形状検出ロールとし、形状検出ロールからの金属ストリップの平坦度情報を基に形状検出ロールの押し込み量設定を変更して金属ストリップの平坦度形状を制御する方法が提案されている。また、特開平10−263658号公報では熱間仕上圧延機の出側に設置した平坦度計による平坦度情報と巻き取り機前に設置した平坦度計によって測定される巻き付く前の平坦度情報より、伸び率差を求めて仕上圧延機のベンダー制御にフィードバックすることによって金属ストリップの平坦度形状を制御する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平5−269527号公報或いは特開平10−263658公報記載の金属ストリップの平坦度形状制御方法では、平坦度形状制御の基準となる情報が平坦度或いは伸び歪み差であり、板巾方向にわたる温度分布情報に基づいたものではない。圧延工程で常温近くまで冷却すれば板巾方向にわたる温度分布はフラットであるが、通常、殆どの材料は材質の作り込みのために高温で巻き取るために、板巾方向に亘る温度分布は板端部が中央部に比べて低くなる温度偏差が発生する。従って、一旦このような方法で伸び歪み差が解消されたとしても、この時点での温度偏差が常温になる熱応力として残留してしまうため、平坦度の改善には結びつかない。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の有する問題点を解決するもので、金属材料のトップ部に対し、冷却後の金属板の巾方向エッジ部に発生する耳波を防止し、平坦度を向上させる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)熱間タンデムミルである仕上げ圧延機間で又は仕上げ圧延機出側において、金属ストリップの表面温度を測定し、表面温度が幅方向でエッジ部以外において低温部を有する温度差がつき、当該金属ストリップの表面温度の幅方向温度分布が板幅センターを中心に対称で、かつエッジ部を除く温度の高低差が10〜100℃であり、かつエッジ部を除く高温部の山の数は板全巾に対し2以上であり、ピッチは50mm以上であるように前記金属ストリップの上部及び/又は下部から冷却することを特徴とする金属板の平坦度制御方法。
(2)熱間リバーシングミルである仕上げ圧延機の入側或いは出側において、金属板の表面温度を測定し、表面温度が幅方向でエッジ部以外において低温部を有する温度差がつき、当該金属板の表面温度の幅方向温度分布が板幅センターを中心に対称で、かつエッジ部を除く温度の高低差が10〜100℃であり、かつエッジ部を除く高温部の山の数は板全巾に対し2以上であり、ピッチは50mm以上であるように前記金属板の上部及び/又は下部から冷却することを特徴とする金属板の平坦度制御方法。
(3)金属ストリップ或いは金属板の幅方向表面温度差をつける装置であり、前記(1)又は(2)の金属板の平坦度制御方法に係る機能を有する装置であって、タンデムミルである仕上げ圧延機間又はリバーシングミルである仕上げ圧延機の入側若しくは出側において、通板する板幅に基づき個別に開閉の制御可能な冷却ノズルを幅方向に3つ以上有することを特徴とする金属板の平坦度制御装置。
(4)金属ストリップ或いは金属板の幅方向表面温度差をつける装置であり、前記(1)又は(2)の金属板の平坦度制御方法に係る機能を有する装置であって、通板する板幅に基づき移動自在な圧延機入側或いは出側サイドガイドに冷却ノズル又は冷却ノズルを有する冷却ヘッダーを取り付けたことを特徴とする金属板の平坦度制御装置。
(5)熱間タンデムミルである仕上げ圧延機の間で、または仕上げ圧延機出側において、金属ストリップ又は金属板の表面温度を測定し、前記表面温度に基づき常温時に発生する熱応力残留応力を推定し、その熱応力残留応力が波形状を発生させないように幅方向で冷却ヘッダーのノズルの開閉を行い、かつ仕上げ圧延機に付与する幅方向残留応力分布を制御することを特徴とする前記(1)又は(2)の金属板の平坦度制御方法。
(6)前記(1)又は(2)の金属板の平坦度制御方法に係る機能を有する装置であって、金属ストリップ又は金属板の仕上げ圧延機入側又は出側に幅方向の温度測定手段を有し、仕上げ圧延機の前及び/又は後に幅方向のノズルの開閉が個別に可能な冷却ヘッダーを設置し,前記幅方向の測定温度に基づき常温時に発生する熱応力残留応力を計算し、前記熱応力残留応力が波形状を発生させないように前記冷却ヘッダーのノズルの開閉を決定し、前記ノズルの開閉により幅方向に付与する残留応力を計算する演算手段と、前記幅方向の残留応力を打ち消すように仕上げ圧延機に付与する幅方向残留応力分布を制御する制御手段を有することを特徴とする金属板の平坦度制御装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、平坦度悪化のメカニズム及び向上させるための方策について種々の検討を行った。以下、図面に基づいて、本発明の原理について説明する。
本発明者らは熱延鋼板の製造工程において金属板の平坦度悪化のメカニズムを把握するために実機実験を実施した。図1は熱延鋼板の製造工程における仕上げ圧延機以降の製造設備概要図である。まず、熱延鋼板6は仕上げ最終前圧延機7を通り、事前に圧延板巾サイズに合わせた開度で待機中のサイドガイド8によってガイドされながら、仕上げ最終圧延機1を経て所定の製造サイズに圧延され、温度計5で幅方向温度分布が測定され、ランアウトテーブル(ROT)2によって通板され、所定の材質に作り込むためにROT冷却装置3によって所定の板温度まで冷却され、コイラー4によってコイル状に巻き取られる。
【0008】
巻き取る板温度は材質によって色々異なるが100〜750℃まであり、本発明において問題としている平坦度は、このコイル温度が室温まで下がった時点で巻き解くとエッジ部に耳波と呼ばれる波状の面外変形を起こした場合である。多くの熱延鋼板において起る平坦度悪化は耳波であり、本発明は、この耳波を改善することを意図している。それ以外の場合は、コイラー4の軸やピンチロール(PR)が凸で、巻き取り張力が異常に大きい場合は、エッジではなくセンター部に波の出る中波が発生する場合があるが、これは本発明の対象外である。
【0009】
図2に耳波の定義を示す。エッジ部の波高さHを波のピッチLで割り、100倍して、パーセント表示で表す。
板の波形状は、板C断面(圧延直角方向断面)に垂直に作用する圧縮応力に対する座屈強度と座屈した後の大たわみ問題と解釈出来る。即ち、C断面内の座屈強度(限界)を向上させ、更に凸凹に座屈した後の応力釣り合いで面外変形を生じさせないように予め意図的に、幅方向の表面温度に温度差(冷却ムラ)を与えることによって前述の作用を引き出すことを考えた。例として板幅方向にセンター部からエッジ部までの温度分布を図3に示し、これが常温に冷やされた際の金属材料の板幅方向にセンター部からエッジ部までの残留応力(板厚分布は平均)を図4に示す。また、図3のような5山パターンの温度差を付け高温部と低温部の温度差の変化で形状がどのように変化するかを図5に示す。その結果、急峻度が小さいということはピッチが同じであれば耳波の高さが小さいということなので、温度差が大きいと形状の改善効果が、向上することが判明した。
【0010】
(1)の発明は、この原理をストリップに適用したものである。幅方向でエッジ部以外に低温部を有するように冷却することにより、相対的にセンターとエッジ部の温度差が小さくなる点と圧縮応力が幅方向に分割した形になることより、見かけ上の波形状発生限界の臨界座屈応力が向上することにより、冷却後の形状(平坦度)が改善される。金属ストリップの表面温度の測定は,冷却後の金属材料の残留応力が圧延後の温度分布に依存するため、正確な平坦度予測をするために残留応力を極力小さく制御しうる冷却前のタンデムミルである仕上げ圧延機間で実施し、好ましくは最終圧延機とその1段前の圧延機間で実施する。また、設備の取り合いや既に設置しているなら、仕上げ圧延機出側で測温しても良い。測温は放射温度計、サーモビュアー等により実施できる。
【0011】
温度差を付けるための冷却は冷却水による金属材の通板性の阻害を極力小さくするためと、温度差をつけた時点で残留応力を極力小さく若しくは制御を可能とするため、タンデムミルである仕上げ圧延機間で実施し、好ましくは最終圧延機とその1段前の圧延機間で実施する。また、設備の取り合いによっては、仕上げ圧延機出側で冷却しても良い。幅方向で高低の温度差が付けば金属ストリップへの冷却は金属ストリップの上部及び/又は下部の何れで実施しても構わない。冷却は冷却ノズル、冷却ヘッダーに連通された冷却ノズル等によって実施することができる。
【0012】
(2)の発明は、(1)の発明を厚板等のシート圧延に適用した場合である。金属板の表面温度の測定は,正確な平坦度予測をするために仕上げ圧延機最終スタンド前後の冷却前、リバーシングミルである仕上げ圧延機の入側又は出側で実施する。温度差を付けるための冷却は冷却水による金属材の通板性の阻害を極力小さくするためと温度差をつけた時点で残留応力を極力小さく若しくは制御を可能とするため、リバーシングミルである仕上げ圧延機の入側又は出側で実施する。その他の要件及び限定理由は上記(1)の発明と同様である。
【0013】
(1)及び(2)の発明は本発明において必須とする温度差の範囲を示している。この発明の効果としては、図5に示すように10℃以上温度差があれば温度差をつけない場合に比べ急峻度が10%以上減少する効果が得られ、100℃以下とすれば急峻度はほぼ0%となるので温度差は10〜100℃と規定する。幅方向残留応力分布が板幅センターを中心に対でないと左右の残留応力の不釣り合いが生じるため、平坦度悪化となるので、幅方向残留応力分布が板幅センターを中心に対であることとする。ここで、対称とは高温部のそれぞれの山から板幅センターまでの距離の差が板幅の25%以内にあることと定義する。
【0014】
また、(1)及び(2)の発明は高低の温度分布の山数及びピッチを定義している。高低の温度分布の効果を享受するため、山数はエッジ部以外に板全巾に対し2以上であることが必須である。山数の上限は特に定めることなく本発明の効果を得ることができるが、多くなれば急峻度は若干改善されるので、冷却手段を設置するコストと効果のバランスから山数は10以下とすることが好ましい。また、ピッチが小さくなり過ぎると板厚にもよるが冷却による温度偏差が付き難くなるので総じて50mm以上は必要である。一方、ピッチの上限は特に定めることなく本発明の効果を得ることができるが、生産板幅サイズの1/以下とすることが好ましい。
【0015】
(3)の発明は様々な圧延材料の幅サイズにおいても幅によって効果が変動することにないように、予め板幅を知り、それに併せて、ノズル一本一本が開閉制御出来る冷却ヘッダーを用いて、冷却することが可能な冷却装置である。また以上のヘッダーでのノズルの開閉制御を行うことにより板幅位置毎の冷却能力を見かけ上変化させることによって残留応力の大きさを制御することが可能となる。通板する板幅は仕上げ圧延機の入り側又は出側において、予め生産ラインに据え付けられているプロセスコンピュータより検知し、又は生産指示書による値とし、ノズル1本1本の開閉はプロセスコンピュータの指示に従い油圧や電磁弁等により実施することができる。
【0016】
また、(3)の発明は生産サイズが変化しても形状改善の効果を保つため、幅方向の冷却ノズルのノズルピッチを変えた冷却ヘッダーを圧延方向に複数有するものである。個々の幅方向の冷却ノズルのノズルピッチを50〜通板板幅サイズの1/と変えた冷却ヘッダーを圧延方向に複数配置してもよいし、幅方向の冷却ヘッダー毎に一定のノズルピッチを50〜1000mmの範囲で変えたものを圧延方向に複数配置しても良い。
【0017】
)の発明は圧延材料の幅変化によって冷却ポイントがずれることを防止するためと、設備コストを下げるために圧延機に付属の既存の圧延機入り側又は出側サイドガイドに冷却ノズル又は冷却ノズルを有する冷却ヘッダーを設置する。エッジ部が幅中央部より温度が高くなるように冷却しても良い。幅方向に移動自在な前記サイドガイドを利用するため、設備コストの上昇を抑えながら幅が変化してもエッジ部を高精度に冷却できる。
【0018】
また、(4)の発明では冷却ノズルを前記サイドガイド間に幅方向に1又は2以上板幅センターを中心に対称に配置することによりローコストで本技術が実現できる。()の発明では、冷却ノズルの開閉に加え、仕上げ圧延機に付与する幅方向応力の制御を行う。
【0019】
次に本発明における金属板の形状評価方法と制御モデルについて説明する。
<形状評価方法>
仕上げ圧延機に付与する幅方向の応力制御は下記の要領で実施できる。
測温した温度分布に基づく常温時ユニットテンションの無い場合の各温度測定点の熱残留応力は下記(1)〜(4)式により計算できる。
【0020】
σf (x)=α×E×T(x) …(1)
F =Σ(σf(x)×bb(x)×t)…(2)
σave =F/(B×t) …(3)
σf'(x)=σf (x)− σave …(4)
また、測定点以外でも応力分布を必要とする場合は温度測定点の間の値は内挿する。
(記号、単位の説明)
σf (x)[kg/mm2]:幅方向位置xにおける常温時の熱歪みによる予測発生応力
α [1/ ℃] :熱膨張係数 =11.6×10-6
E [kg/mm2] :ヤング率 =21000
T [℃] :幅方向位置xにおける温度
t [mm] :金属材料の板厚
F [kg] :板幅方向断面に働く力の総和
bb(x)[mm] :幅方向位置xにおける温度測定点のピッチ
σave [kg/mm2] :板幅方向断面に働く平均応力
B [mm] :板幅
σf'(x)[kg/mm2]:ユニットテンション無し時の各温度測定点の予測熱残留応力
従って、この温度分布から推定される冷間残留応力に最終パスの圧延機による残留応力を加え、熱残留応力に重ね合わせることで圧延機によって波形状を隆起させないように積極的に板断面内の長手方向の塑性歪み(残留応力)を加える方法が有効であることが判明した。前述のものは最終圧延機によって残留応力を加えるが、その残留応力の見積もりには圧延機出側板形状計で形状を測り、残留応力を2〜6次のべき乗関数に置き換えることで残留応力を定義し、制御を行う。
【0021】
本発明は、ROT冷却前の鋼板幅方向表面温度分布を板厚の0.5〜10倍のピッチ等間隔で測定することがこのましく、その測定ピッチに対応する冷間時の熱歪みを板長手方向の残留応力σとして推定する。以下は図6〜図8を対比しながら説明する。
<モデル>
1.制御用の固有応力は、σK(x)=−σf'(B)β×(x/B)4 …(5)
で定義し、その際のβを制御パラメータと置く。一般に圧延機で式で示したように制御固有歪みをσK(x) [kg/mm2] を2〜6次の形で与えることは圧延機のベンダー機能やペアクロスミルによる圧延の制御によって可能である(非対称成分を加えてもよい)。ここで、Bは圧延時の板幅サイズの半幅長であり、xは板センター部を0とした幅方向の位置を示しており、鋼板の板幅温度測定点と同じ位置を代入して計算する。またσf'(B)[kg/mm2]は前述の式(4)に示すように測温したポイントB[mm](板幅最エッジ部)でのユニットテンション無し時の各温度測定点の予測熱残留応力である。図6に例としてユニットテンション無し時の各温度測定点の予測熱残留応力を示す。
2.圧延機で加える制御歪みは幅方向に分布のある歪みは加えても幅方向に積分すれば±0となるような歪みしか金属材料の圧延方向には掛けられないため、上述の制御用の固有応力σK(x) [kg/mm2] についてはその板幅方向の応力の積分が0となるように書き換えて制御の評価操作を進める(オフセット分を除く)。σK'(x) [kg/mm2]は巾方向で積分すると0となる圧延機から加わる制御用の固有応力σK(x)である。制御用の固有応力を単位巾当たりに定義するとすれば、
FF=Σ(σK (x)×t) …(6)
σKave=FF/(B×t) …(7)
σK'(x) =σK(x)−σKave …(8)
FF[kg]:板幅方向断面に働く力の総和
σKave[kg/mm2]:板幅方向断面に働く平均応力
σK'(x) の例を図7に示す。
3.圧延後温度測温によって予測される冷却完了後の熱残留応力σf'(x)に対し、 冷却完了後の熱残留応力の応力偏差を小さくするために制御用の固有応力を重ね合わせることによって制御が加わった最終的な残留応力分とする。σ'(x) [kg/mm2] は形状制御された結果、予測される冷却完了後の熱残留応力である。
【0022】
σ'(x)=σf'(x)+σK'(x) …(9)
上述のσ'(x)を3次元FEMによって波形状の座屈解析を行い、合応力と波形状の評価から波形状が発生しない又は最小となるように加える制御固有応力σK(x)を決定する。例えば制御パラメータをβとして上下に振らせることにより制御固有応力σK(x)を任意に決定することができる。例として、その際の合応力が冷却して予測される最終的な熱残留応力例を図8に示す。
4.また、実際に固有応力は実ライン上では判らず形状として表れるので形状計で実際に加わった歪みを推定する。形状計はレーザー変位計で直接3次元的な測定し、幅方向の伸び歪み差として固有応力とするのがBESTであり、具体的には下記ように計算する。
【0023】
例えば、フラットな板平面に対し、図1に記載した位置の温度計5で測定した3次元的に測定した板形状は図9のようになっている。この板形状に対し、板巾センターを基準位置0[mm]と置いた場合、各板巾方向位置x[mm]で圧延方向に断面で切り取ると波になる図10に示した波を線積分し、フラット板の圧延方向長さL[mm]に対する線積分長さL’[mm]を用いて巾方向位置x[mm]での歪みを表す。
【0024】
ε(x)=(L‘―L)/L …(10)
σ' ‘(x) =ε(x)×E(x) …(11)
ここでE(x)は温度に依存したヤング率[kg/mm2]、σ' ‘(x[kg/mm2]は実際に加わった制御歪みの値である。
しかし、一般的にはセンターと両エッジの3点の金属材料移動速度と変位を測ることによって長手方向に対してセンターを基準にした波高さ或いはエッジ部を基準にした波高さを計測することが出来る。この状態が計測できれば、センターを基準にしたエッジ部の伸び歪み差或いはエッジ部を基準にしたセンター部の伸び歪み差を計算し、その3点の結果から2次以上のべき乗で制御歪みを近似することも可能である。この場合原理的には例えば耳波の場合、移動速度と経過時間より、板圧延方向位置y[mm]が決まり、それに合わせて板の変位が観測される。これはあたかも巾方向位置をエッジ部を示すx=Bと置いたときの図10のようになる。これを式(10)のようにx=Bとして計算し、その値から導き出されるε(B)=(L‘―L)/Lを使って、歪み分布を例えば2次で仮定すれば式(12)のようになると仮定できる。応力は(11)式から導かれる。
ε(x)=ε(B)×(x/B)2 …(12)
5.実際はこの形状計の結果である全巾に亘るσ' ‘(x) を受けて計算して出したσ'(x)の差異を無くすようにフィードバック制御で最終圧延機で形状を加える。
【0025】
個々の内容は以上説明したとおりであるが、制御のアルゴリズムを図11に示し、その構成となる機器の配置の例を図12に示す。
上記により計算した残留応力σK(x)を圧延機のベンダー装置により付与することにより、常温に冷却されたとき波形状が発生しない金属材料を得ることができる。
【0026】
前記()の発明は前記()の制御方法を具現化する装置である。
【0027】
【実施例】
本実施例について図1,図13を用いて説明する。本発明者らは、仕上げ圧延機最終圧延機1と仕上げ最終前圧延機7との間にあるサイドガイド8に図13に示す冷却ノズル9を据え付けて意図的に鋼板幅方向表面に温度ムラを作って操業を行った。具体的には図13にはノズルとサイドガイドの取り合いを示す。サイドガイドは両端から幅250mmのストリップをコの字に囲っており、操業時にはストリップをまっすぐに通板させるために事前に制御で板幅に合った開度を持っている。そこでセンターと最エッジから200mmの3箇所上下からノズルで冷却した。
【0028】
幅方向の表面温度測定結果を図3に示す。その結果、急峻度1.5%の耳波の発生率は1000コイル中10であった。仕上げ圧延機1間のフライングウェービング高さは5mmで、加熱操作や装置には悪影響を及ぼす事は無くなった。比較例として、上記実施例の中で凸凹冷却装置を設けなかった場合には、平坦度1.5%の耳波の発生率は1000コイル中350であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、金属材料のトップ部に対し、冷却後の金属板の巾方向エッジ部に発生する耳波を防止し、平坦度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延鋼板の製造工程概略図及び本発明の実施例を示した図。
【図2】平坦度の定義を説明するための図。
【図3】冷却ムラをさせた場合の金属材料の巾方向位置における温度を示した図。
【図4】冷却ムラをさせた場合の金属材料の巾方向位置における残留応力を示した。
【図5】温度差と急峻度の関係を示した図。
【図6】各巾方向位置で測温した温度をもとに予測した予測熱残留応力図である。
【図7】圧延機から加わる制御用の固有応力分布図である。
【図8】予測熱残留応力と制御用の固有応力分布を重ね合わせた合応力図である。
【図9】3次元的に測定した板形状を示した図。
【図10】任意の板巾方向位置で圧延方向に断面で切り取った図。
【図11】本発明の制御アルゴリズム図。
【図12】本発明の構成となる機器の配置を示したものである。
【図13】本発明の構成の1つであるサイドガイドに取り付けた冷却ノズルの取り合いを示した図である。
【符号の説明】
1…仕上げ最終圧延機
2…ランアウトテーブル(ROT)
3…ROT冷却装置
4…コイル
5…温度計
6…熱延鋼板
7…仕上げ最終前圧延機
8…サイドガイド
9…冷却ノズル

Claims (6)

  1. 熱間タンデムミルである仕上げ圧延機間で又は仕上げ圧延機出側において、金属ストリップの表面温度を測定し、表面温度が幅方向でエッジ部以外において低温部を有する温度差がつき、当該金属ストリップの表面温度の幅方向温度分布が板幅センターを中心に対称で、かつエッジ部を除く温度の高低差が10〜100℃であり、かつエッジ部を除く高温部の山の数は板全巾に対し2以上であり、ピッチは50mm以上であるように前記金属ストリップの上部及び/又は下部から冷却することを特徴とする金属板の平坦度制御方法。
  2. 熱間リバーシングミルである仕上げ圧延機の入側或いは出側において、金属板の表面温度を測定し、表面温度が幅方向でエッジ部以外において低温部を有する温度差がつき、当該金属板の表面温度の幅方向温度分布が板幅センターを中心に対称で、かつエッジ部を除く温度の高低差が10〜100℃であり、かつエッジ部を除く高温部の山の数は板全巾に対し2以上であり、ピッチは50mm以上であるように前記金属板の上部及び/又は下部から冷却することを特徴とする金属板の平坦度制御方法。
  3. 金属ストリップ或いは金属板の幅方向表面温度差をつける装置であり、請求項1又は2に記載の金属板の平坦度制御方法に係る機能を有する装置であって、タンデムミルである仕上げ圧延機間又はリバーシングミルである仕上げ圧延機の入側若しくは出側において、通板する板幅に基づき個別に開閉の制御可能な冷却ノズルを幅方向に3つ以上有することを特徴とする金属板の平坦度制御装置。
  4. 金属ストリップ或いは金属板の幅方向表面温度差をつける装置であり、請求項1又は2に記載の金属板の平坦度制御方法に係る機能を有する装置であって、通板する板幅に基づき移動自在な圧延機入側或いは出側サイドガイドに冷却ノズル又は冷却ノズルを有する冷却ヘッダーを取り付けたことを特徴とする金属板の平坦度制御装置。
  5. 熱間タンデムミルである仕上げ圧延機の間で、または仕上げ圧延機出側において、金属ストリップ又は金属板の表面温度を測定し、前記表面温度に基づき常温時に発生する熱応力残留応力を推定し、その熱応力残留応力が波形状を発生させないように幅方向で冷却ヘッダーのノズルの開閉を行い、かつ仕上げ圧延機に付与する幅方向残留応力分布を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属板の平坦度制御方法。
  6. 請求項1又は2に記載の金属板の平坦度制御方法に係る機能を有する装置であって、金属ストリップ又は金属板の仕上げ圧延機入側又は出側に幅方向の温度測定手段を有し、仕上げ圧延機の前及び/又は後に幅方向のノズルの開閉が個別に可能な冷却ヘッダーを設置し,前記幅方向の測定温度に基づき常温時に発生する熱応力残留応力を計算し、前記熱応力残留応力が波形状を発生させないように前記冷却ヘッダーのノズルの開閉を決定し、前記ノズルの開閉により幅方向に付与する残留応力を計算する演算手段と、前記幅方向の残留応力を打ち消すように仕上げ圧延機に付与する幅方向残留応力分布を制御する制御手段を有することを特徴とする金属板の平坦度制御装置。
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