JP4392002B2 - スペアタイヤ収納構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体の後部に応急用タイヤを収納するスペアタイヤ収納構造に関するものである。
車両は、一般的に応急用タイヤ(スペアタイヤ)を車両後部に備えている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平7−35261号公報(第2頁、図1)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の車両のスペアタイヤ格納部構造201は、リヤフロア202に形成されたスペアタイヤ格納用凹陥部203の前方に後輪操舵装置204用のブラケット205が取付けられている。その結果、後面衝突にてスペアタイヤ206が前方に移動して、前壁面207が変形すると、ブラケット205に当接するので、ブラケット205が補強部材となり、スペアタイヤ206を確実に跳ね上げることができる。
しかし、特許文献1の車両のスペアタイヤ格納部構造201では、スペアタイヤ格納用凹陥部203の前方にブラケット205などの補強部材を取付けるので、補強部材を取付ける大きなスペースを確保する必要があるという問題がある。
仮に、ブラケット205などの補強部材を取付けない構造では、例えば、前壁面207の角度αを小さくすることも可能であるが、大きなスペースを確保する必要がある。
また、特許文献1では、スペアタイヤ格納用凹陥部203の前壁面207の角度αが大きい場合、前壁面207にスペアタイヤ206は干渉して、跳ね上がらないおそれがあるという問題がある。
本発明は、スペアタイヤの上方への移動を損なうことなく、スペアタイヤ収納凹部の前壁の補強部材を配置するスペースを省いて設計の自由度を高めたスペアタイヤ収納構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両のスペアタイヤを車両後部の収納凹部に収納するとともに、収納凹部の前壁部を車両の前方へ倒して傾斜させているスペアタイヤ収納構造において、収納凹部に沿う形状に、スペアタイヤより摩擦係数の小さい材料により成形された樹脂製スペアタイヤケースを備え、スペアタイヤケースは、収納凹部の底部の中央に重なる中央盤部と、中央盤部に連なり、収納凹部の前壁部へ向け延ばしたタイヤ載せ部と、タイヤ載せ部に連なって前壁部に載っている滑り周壁部と、を備えていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、スペアタイヤケースは、スペアタイヤケースの位置決めを行う方位位置決め部を有することを特徴とする。
請求項1に係る発明では、スペアタイヤ収納構造は、スペアタイヤを収納する収納凹部の前壁部を車両の前方へ倒して傾斜させて、収納凹部に沿う形状に、スペアタイヤより摩擦係数の小さい材料により成形された樹脂製スペアタイヤケースを備え、スペアタイヤケースは、収納凹部の底部の中央に重なる中央盤部と、中央盤部に連なり、収納凹部の前壁部へ向け延ばしたタイヤ載せ部と、タイヤ載せ部に連なって前壁部に載っている滑り周壁部と、を備えている。その結果、車両の後面に荷重が加わると、リヤバンパを介した力は、樹脂製スペアタイヤケースに載せたスペアタイヤを前方へ押し始め、スペアタイヤは、前方へ移動して、樹脂製スペアタイヤケースの滑り周壁部を前方へ押す。前方へ押された滑り周壁部が収納凹部の前壁部を滑って上方へ移動するので、樹脂製スペアタイヤケースを用いずにスペアタイヤを滑らせる力に比べ小さな力で樹脂製スペアタイヤケースとともにスペアタイヤを上方へ移動させることができる。従って、スペアタイヤを上方へ移動させる力を小さくすることができるという利点がある。
また、スペアタイヤ収納構造では、スペアタイヤを滑らせる力に比べ小さな力で樹脂製スペアタイヤケースとともにスペアタイヤは上方へ移動するので、スペアタイヤ収納凹部の前壁部を補強部材で補強する必要がなく、補強部を配置するスペースを省いて、車体や付属部品の設計の自由度を高めることができるという利点がある。
さらに、スペアタイヤ収納構造では、スペアタイヤを滑らせる力に比べ小さな力で樹脂製スペアタイヤケースとともにスペアタイヤは上方へ移動するので、スペアタイヤ収納凹部の前壁部を補強部で補強する必要がなく、軽量化を図ることができるという利点がある。
請求項2に係る発明では、スペアタイヤケースは、スペアタイヤケースの位置決めを行う方位位置決め部を有するので、収納凹部内にスペアタイヤケースをセットするとともに方位位置決め部を車両側に嵌合すると、収納凹部の前半のみの範囲にスペアタイヤケースを小さくしても、収納凹部内の所定位置にスペアタイヤケースをセットするのは容易になる。
また、スペアタイヤケースは、スペアタイヤケースの位置決めを行う方位位置決め部を有するので、収納凹部内にスペアタイヤケースをセットするとともに方位位置決め部を車両側に嵌合すると、収納凹部の前半のみの範囲にスペアタイヤケースを小さくしても、スペアタイヤケースは収納凹部内で回転(移動)せず、収納凹部内でのスペアタイヤケースの回転(移動)を防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明のスペアタイヤ収納構造を説明する車両の側面図であり、車両の側面を一部破断にして示している。
スペアタイヤ収納構造11は、車両12の車体13の後部に採用されたもので、スペアタイヤ(応急用タイヤ)15を収納している収納凹部であるところのスペアタイヤ収納凹部16と、スペアタイヤ収納凹部16に取付けられた樹脂製スペアタイヤケース17と、を備える。具体的には後で説明する。
図2は、本発明のスペアタイヤ収納構造にスペアタイヤを収納している状態を説明する図である。図1を併用して説明する。
車体13は、床部をなすアンダボデー21と、アンダボデー21のリヤフレーム22並びにフロアパネル23と、車室24と、荷物室25と、リヤボデー26と、リヤボデー26の後部開口を覆うテールゲート27と、リヤボデー26並びにリヤフレーム22に取付けられているリヤバンパ31と、を備える。
スペアタイヤ収納構造11は、フロアパネル23のリヤフロアパン34に凹状にスペアタイヤ収納凹部16が成形され、スペアタイヤ収納凹部16内に樹脂製スペアタイヤケース17が取付けられるとともに、樹脂製スペアタイヤケース17の方位位置決め部35がジャッキ固定ブラケット36に嵌合して、スペアタイヤ(応急用タイヤ)15がスペアタイヤ着脱部材37で着脱自在に固定されている。41はジャッキ固定ブラケット36に取付けて保管しているジャッキである。
図3は、図2の3−3線断面図であり、スペアタイヤ収納構造11の断面を示している。
図4は、本発明のスペアタイヤ収納構造の斜視図である。
スペアタイヤ収納凹部16は、リヤフロアパン34に連ねて周壁部44が成形され、周壁部44に連ねて底部45が成形されている。
周壁部44は、車両12の前方(矢印a1の方向)に向いている前壁部47と、車両12の後方に向いている後壁部48と、を有する。
前壁部47は、中央の位置52で前傾角度θで成形した部位である。
スペアタイヤ着脱部材37は、スペアタイヤ収納凹部16の底部45の中央に溶接で取付けられた掛止ブラケット55と、掛止ブラケット55に着脱自在に取付けて、スペアタイヤ(応急用タイヤ)15を押えている押圧部材56と、からなる。
掛止ブラケット55は、押圧部材56がねじ込まれるめねじと、樹脂製スペアタイヤケース17が掛止される掛止部57とを有する。
樹脂製スペアタイヤケース17は、掛止ブラケット55に掛止しているとともに、スペアタイヤ(応急用タイヤ)15のホイール61の下方に位置している中央盤部62が成形され、中央盤部62に連なり、スペアタイヤ収納凹部16の前壁部47へ向け延ばしてスペアタイヤ15のタイヤ63を載せているタイヤ載せ部64が成形され、タイヤ載せ部64に連なってスペアタイヤ収納凹部16の周壁部44に載っている滑り周壁部65が成形され、滑り周壁部65に方位位置決め部35が成形されている。
図5(a)〜(c)は、本発明のスペアタイヤ収納構造が備える樹脂製スペアタイヤケースの詳細図である。(a)は樹脂製スペアタイヤケース17の斜視図、(b)は(a)のb矢視図、(c)は(a)のc−c線断面図である。図3及び図4を併用して説明する。
樹脂製スペアタイヤケース17は、既に説明したように、中央盤部62と、タイヤ載せ部64と、滑り周壁部65と、方位位置決め部35とからなる。
樹脂製スペアタイヤケース17の材質は、樹脂(ゴムを除く)であり、樹脂の特性は任意であるが、摩擦係数の小さいものが望ましい。例えば、フッ素樹脂(商品名 テフロン(登録商標))を挙げることができる。鋼とゴムの組合わせの摩擦係数は約0.9μで、鋼とテフロン(登録商標)の組合わせの摩擦係数は約0.06μであり、ゴムに比べ、樹脂製スペアタイヤケース17は小さな力で滑る。
中央盤部62は、掛止ブラケット55に被せるセンター部67が成形されている。
滑り周壁部65は、スペアタイヤ収納凹部16の周壁部44に倣った形状で前部73並びに右部74が成形され、上部にスペアタイヤ15の中心Csに向かって(矢印a2の方向)突出した凸部75が成形されている。凸部75を形成することで、凸部75にスペアタイヤ15が当接して、滑り周壁部65にスペアタイヤ15から力を伝えることができる。
なお、前部73の中央の位置76は前傾角度θで成形され、右部74の周端上縁77に方位位置決め部35が成形されている。
方位位置決め部35は、スペアタイヤ収納凹部16の底部45にほぼ平行で、スペアタイヤ15の半径方向外方に伸して断面コ字状の本体78が開口を下方に向けて成形され、本体78の両下端に補強部81が成形され、方位基準位置A(図4も参照)にセットされる。
図6は、本発明のスペアタイヤ収納構造が備える樹脂製スペアタイヤケースの方位位置決め部をジャッキ固定ブラケットに嵌合させる状態を説明する図である。
ジャッキ固定ブラケット36は、方位基準位置Aに取付けられるベース脚部83が成形され、ベース脚部83の縁に受け部84が成形され、受け部84とリヤフロアパン34との間にジャッキ41を固定している。
ベース脚部83は、方位位置決め部35が矢印a3のように嵌る位置決め凹部85を有する。
樹脂製スペアタイヤケース17は、ジャッキ固定ブラケット36の位置決め凹部85に方位位置決め部35を嵌めることで、樹脂製スペアタイヤケース17の回転(図5(a)C軸方向)を防止することができる。
次に、本発明のスペアタイヤ収納構造11の作用を説明する。
図7は、本発明のスペアタイヤ収納構造の機構を説明する図である。図1を併用して説明する。
図1に示すように、車両12の後面88に荷重Fが加わると、リヤバンパ31を介した力は、図7に示すように、スペアタイヤ収納凹部16に伝わり、スペアタイヤ収納凹部16の後部から変形を生じさせるとともに、スペアタイヤ15を車両12の前方(矢印a1の方向)へ矢印a4のように押し始めるので、スペアタイヤ15は、前方へ移動して、力Fpで樹脂製スペアタイヤケース17の滑り周壁部65を前方(矢印a1の方向)へ押す。その際、樹脂製スペアタイヤケース17は、スペアタイヤ収納凹部16の中央からスペアタイヤ収納凹部16の前壁部47まで載っているので、図7に示す通りスペアタイヤ収納凹部16の後部(後壁部48)とともに変形しない。引き続き、力Fpによって、前方へ押された滑り周壁部65がスペアタイヤ収納凹部16の前壁部47を滑って上方(矢印a5の方向)へ移動するので、樹脂製スペアタイヤケース17を用いずにスペアタイヤ15を滑らせる力に比べ小さな力Fpで樹脂製スペアタイヤケース17とともにスペアタイヤ15を上方(矢印a5の方向)へ移動させることができる。従って、スペアタイヤ15を上方(矢印a5の方向)へ移動させる力を小さくすることができる。
また、スペアタイヤ収納構造11では、スペアタイヤ15を滑らせる力に比べ小さな力Fpで樹脂製スペアタイヤケース17とともにスペアタイヤ15は上方(矢印a5の方向)へ移動するので、スペアタイヤ収納凹部16の前壁部47を補強部材で補強する必要がなく、補強部を配置するスペースを省いて、車体や付属部品の設計の自由度を高めることができる。
さらに、スペアタイヤ収納構造11では、スペアタイヤ15を滑らせる力に比べ小さな力Fpで樹脂製スペアタイヤケース17とともにスペアタイヤ15は上方(矢印a5の方向)へ移動するので、スペアタイヤ収納凹部16の前壁部47を補強部で補強する必要がなく、軽量化を図ることができる。
本発明のスペアタイヤ収納構造は、四輪車に好適である。
本発明のスペアタイヤ収納構造を説明する車両の側面図 本発明のスペアタイヤ収納構造にスペアタイヤを収納している状態を説明する図 図2の3−3線断面図 本発明のスペアタイヤ収納構造の斜視図 本発明のスペアタイヤ収納構造が備える樹脂製スペアタイヤケースの詳細図 本発明のスペアタイヤ収納構造が備える樹脂製スペアタイヤケースの方位位置決め部をジャッキ固定ブラケットに嵌合させる状態を説明する図 本発明のスペアタイヤ収納構造の機構を説明する図 従来の技術の基本構成を説明する図
符号の説明
11…スペアタイヤ収納構造、12…車両、15…スペアタイヤ、16…収納凹部(スペアタイヤ収納凹部)、17…樹脂製スペアタイヤケース、35…方位位置決め部。

Claims (2)

  1. 車両のスペアタイヤを車両後部の収納凹部に収納するとともに、前記収納凹部の前壁部を車両の前方へ倒して傾斜させているスペアタイヤ収納構造において、
    前記収納凹部に沿う形状に、前記スペアタイヤより摩擦係数の小さい材料により成形された樹脂製スペアタイヤケースを備え
    前記スペアタイヤケースは、前記収納凹部の底部の中央に重なる中央盤部と、該中央盤部に連なり、前記収納凹部の前壁部へ向け延ばしたタイヤ載せ部と、該タイヤ載せ部に連なって前記前壁部に載っている滑り周壁部と、を備えていることを特徴とするスペアタイヤ収納構造。
  2. 前記スペアタイヤケースは、スペアタイヤケースの位置決めを行う方位位置決め部を有することを特徴とする請求項1記載のスペアタイヤ収納構造。
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