以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」に示す)に具体化した一実施形態を図1〜図15に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出を行う装飾ランプ(演出装置)16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく音声演出を行うスピーカ(演出装置)17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(演出装置)20を備えた表示装置21が配設されている。可変表示器20では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。可変表示器20の表示領域Hには、特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2が設けられている(図2に示す)。特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2では、表示演出に関連して、複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われる。特別図柄表示領域H1には、図柄組み合わせゲームで3列の特別図柄による図柄組み合わせが表示される。また、飾り図柄表示領域H2には、図柄組み合わせゲームで3列の飾り図柄による図柄組み合わせが表示される。図柄組み合わせゲームでは、特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2において夫々図柄変動が開始し、特別図柄による図柄組み合わせと飾り図柄による図柄組み合わせが夫々表示される。なお、飾り図柄は、図柄組み合わせゲームで導出される図柄組み合わせに規則性を持たせる(例えば、連続する複数回の図柄組み合わせゲームで同じ図柄組み合わせを表示する)など、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2は、表示領域Hにおいて飾り図柄表示領域H2の方が特別図柄表示領域H1よりも大きく形成されている。従って、遊技中の遊技者は、飾り図柄表示領域H2に表示される図柄を常時視認し、飾り図柄表示領域H2に最終的に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識している。飾り図柄表示領域H2に表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせから大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせとなる。大当りの図柄組み合わせが表示された場合、遊技者には、大当り遊技状態(特別遊技状態)が付与される。なお、飾り図柄表示領域H2に大当りの図柄組み合わせが表示された場合には、特別図柄表示領域H1にも大当りの図柄組み合わせが表示される。以下、大当りの図柄組み合わせを「大当り図柄」とも言う。
また、飾り図柄表示領域H2に最終的に表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。なお、飾り図柄表示領域H2にはずれの図柄組み合わせが表示された場合には、特別図柄表示領域H1にもはずれの図柄組み合わせが表示される。また、飾り図柄表示領域H2には、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示される。そして、遊技者は、左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせからリーチを認識できる。以下、リーチを形成し得るはずれの図柄組み合わせを「はずれリーチ図柄」とも言い、リーチを形成し得ないはずれの図柄組み合わせを単に「はずれ図柄」とも言う。
また、図1に示すように、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、1台のパチンコ機10で、演出内容の異なる複数種類の遊技演出を実行可能に構成されている。「演出内容が異なる遊技演出」とは、遊技演出における演出主体(主題、思想、テーマ)が異なることを示す。演出主体の異なる遊技演出を実行可能にパチンコ機10を構成することにより、遊技演出の種類毎に異なる遊技性(ゲーム性)が付与されることとなる。そして、遊技者は、1台のパチンコ機10でありながら、異なる遊技性の遊技を行うことができる。本実施形態では、遊技演出の種類(遊技演出種)として、演出主体を「花札ゲーム」とした遊技演出と、演出主体を「麻雀ゲーム」とした遊技演出と、演出主体を「将棋ゲーム」とした遊技演出の3種類が用意されている。以下、演出主体を「花札ゲーム」とした遊技演出を「花札遊技」と示し、演出主体を「麻雀ゲーム」とした遊技演出を「麻雀遊技」と示し、演出主体を「将棋ゲーム」とした遊技演出を「将棋遊技」と示す。花札遊技では、図2(a)に示すように、花札を模した飾り図柄によって図柄組み合わせゲームが行われる。麻雀遊技では、図2(b)に示すように、麻雀牌を模した飾り図柄によって図柄組み合わせゲームが行われる。将棋遊技では、図2(c)に示すように、将棋の駒を模した飾り図柄によって図柄組み合わせゲームが行われる。なお、特別図柄は、図2(a)〜(c)に示すように、遊技演出種に関係なく共通の数字図柄(本実施形態では漢数字図柄)である。
また、図1に示すように、上球皿15の前面側略中央には、遊技者が「花札遊技」、「麻雀遊技」又は「将棋遊技」の何れかの遊技演出を選択操作するための選択操作部26が設けられている。選択操作部26には、遊技演出の選択時に操作する押し釦形式の遊技者選択スイッチ(遊技演出種選択装置)27が設けられている。また、選択操作部26には、選択されている遊技演出種を報知するゲーム種表示器28が設けられている。ゲーム種表示器28は、7セグメントLED式の表示器とされている。ゲーム種表示器28では、選択されている遊技演出が「花札遊技」の場合に「0」が表示され、「麻雀遊技」の場合に「1」が表示され、「将棋遊技」の場合に「2」が表示される。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り予告(予告演出)が実行可能に構成されている。大当り予告は、図柄組み合わせゲームが大当りとなる可能性を示唆する演出である。また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り予告を、複数回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続させて実行可能に構成されている。そして、大当り予告は、遊技演出種に応じて異なる演出内容で実行されるようになっている(即ち、遊技演出種に応じて演出内容が変更される)。
次に、パチンコ機10の制御構成を図3に従って説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板(主制御装置)30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板(統括制御装置)31と、表示制御基板(演出制御装置)32と、音・ランプ制御基板(演出制御装置)33とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33とを統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器20の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像)を制御する。音・ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)と、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)とを制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33の具体的な構成を説明する。
主制御基板30には、メインCPU34と、ROM35と、RAM36とが設けられている。メインCPU34には、ROM35と、RAM36と、始動口センサSE1とが接続されている。メインCPU34は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ左図柄用乱数、はずれ中図柄用乱数、はずれ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新している。そして、メインCPU34は、更新後の値をRAM36の設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。大当り図柄用乱数、はずれ左図柄用乱数、はずれ中図柄用乱数、及びはずれ右図柄用乱数は、何れも特別図柄を決定する際に用いる乱数である。
ROM35には、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラム(図4〜図6のフローチャートで示す各種処理の内容を含む)や、複数種類の変動パターン(演出パターン)が記憶されている。変動パターンは、図柄組み合わせゲームが開始してから該ゲームが終了する迄の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に遊技演出の演出時間が定められている。そして、変動パターンは、大当り演出用と、リーチありのはずれ演出用(はずれリーチ演出用)と、リーチなしのはずれ演出用とに分類されている。大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。リーチありのはずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。リーチなしのはずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。
また、ROM35には、大当り判定値(本実施形態では「7,13,29」の3個)とリーチ判定値(本実施形態では「7」の1個)が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かを判定する大当り判定時に用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る値(本実施形態では「0〜946(全947通りの整数)」の中から定められている。また、リーチ判定値は、リーチ演出を行うか否かを判定するリーチ判定時に用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る値(本実施形態では「0〜12(全13通りの整数)」の中から定められている。また、ROM35には、予告判定値(本実施形態では「7,13,67,117」の4個)が記憶されている。予告判定値は、大当り予告を実行するか否かを判定する予告判定時に用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る値の中から定められている。本実施形態では、予告判定値「7,13,67,117」のうち、予告判定値「7,13」が大当り判定値(「7,13」)と同値に定められ、予告判定値「67,117」が大当り判定値とは異値に定められている。また、RAM36には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(始動保留球の記憶数、各種乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
統括制御基板31には、統括CPU37と、ROM38と、RAM39とが設けられている。統括CPU37には、ROM38と、RAM39と、遊技者選択スイッチ27と、ゲーム種表示器28とが接続されている。ROM38には、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33とを統括的に制御するための統括制御プログラム(図7〜図13のフローチャートで示す各種処理の内容を含む)が記憶されている。また、RAM39には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(制御フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
表示制御基板32には、サブCPU40と、ROM41と、RAM42とが設けられている。サブCPU40には、ROM41と、RAM42とが接続されている。ROM41には、表示演出を制御するための表示演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM41には、各種の画像データ(特別図柄と飾り図柄の画像データ、背景の画像データ、登場キャラクタの画像データなど)が記憶されている。また、RAM42には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(制御フラグ、タイマの値など)が記憶(設定)されるようになっている。
音・ランプ制御基板33には、サブCPU43と、ROM44と、RAM45とが設けられている。サブCPU43には、ROM44と、RAM45とが接続されている。ROM44には、音声演出と発光演出を制御するための音・発光演出制御プログラムが記憶されている。また、RAM45には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(制御フラグ、タイマの値など)が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33にて実行される制御内容について説明する。
主制御基板30のメインCPU34は、所定の周期毎(本実施形態では4ms毎)にタイマ割込み処理(図示しない)を実行する。タイマ割込み処理において、メインCPU34は、メイン側入力処理(図4)やメイン側変動開始処理(図5,図6)などの各種処理を実行する。メイン側入賞処理は、始動入賞口23に入賞した遊技球の入賞検知に係る処理である。メイン側変動開始処理は、図柄組み合わせゲームを開始させるための処理であり、図柄組み合わせゲームが行われていない時に実行される。
最初に、メイン側入力処理を図4に従って説明する。
メインCPU34は、遊技球の入賞検知がなされたか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11においてメインCPU34は、遊技球の入賞検知時に始動口センサSE1が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS11の判定結果が否定の場合、メインCPU34は、メイン側入力処理を終了する。ステップS11の判定結果が肯定の場合、メインCPU34は、RAM36に記憶されている始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。保留記憶数は、保留中の図柄組み合わせゲームの回数を示す。ステップS12の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、メインCPU34は、メイン側入力処理を終了する。
ステップS12の判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、メインCPU34は、保留記憶数を+1(1加算)し、保留記憶数を書き換える(ステップS13)。続いて、メインCPU34は、大当り判定用乱数の値をRAM36から読み出して取得し(ステップS14)、該値を保留記憶数に対応付けられたRAM36の所定の記憶領域に設定する(ステップS15)。ステップS14においてメインCPU34は、大当り判定用乱数の値と共に大当り図柄用乱数の値をRAM36から読み出して取得し、ステップS15において大当り図柄用乱数の値を大当り判定用乱数の値と共にRAM36に設定する。
続いて、メインCPU34は、大当り判定用乱数の値と予め定めた予告判定値とを比較し、大当り予告を実行するか否かを判定する(ステップS16)。このステップS16の判定が予告判定となり、当該予告判定は、入賞検知を契機に(入賞検知された遊技球が始動保留球として記憶される毎に)行われる。ステップS16の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値≠予告判定値)の場合、メインCPU34は、メイン側入力処理を終了する。
一方、ステップS16の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値=予告判定値)の場合、メインCPU34は、書き換え後の保留記憶数を確認し、その保留記憶数と同数を予告実行回数としてRAM36に設定する(ステップS17)。予告実行回数は、大当り予告を実行させることが可能な回数を示すものである。ステップS17で設定された予告実行回数が複数回(2回以上、4回以下)の場合には、大当り予告を複数回の図柄組み合わせゲームを跨いで実行させることが可能となる。例えば、予告判定(ステップS16)が肯定判定された時の保留記憶数が「4」であれば、メインCPU34は予告実行回数として「4」を設定する。この場合には、連続する4回の図柄組み合わせゲームが大当り予告の実行対象となる。ステップS17で設定された予告実行回数は、該回数の設定後、図柄組み合わせゲームが開始される毎に−1(1減算)される。そして、メインCPU34は、大当り予告の実行を指示すると共に、RAM36に設定した予告実行回数を指示する予告コマンドをRAM36にセットし、統括制御基板31の統括CPU37に出力する(ステップS18)。その後、メインCPU34は、メイン側入力処理を終了する。
次に、メイン側変動開始処理を図5及び図6に従って説明する。
メインCPU34は、保留記憶数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定(保留記憶数=0)の場合、メインCPU34は、保留中の図柄組み合わせゲームが存在しないことから、メイン側変動開始処理を終了する。一方、ステップS21の判定結果が否定(保留記憶数≠0)の場合、メインCPU34は、保留記憶数を−1(1減算)し、保留記憶数を書き換える(ステップS22)。続いて、メインCPU34は、予告実行回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23にてメインCPU34は、RAM36に予告実行回数が設定されていないか否かを判定する。ステップS23の判定結果が肯定の場合、メインCPU34は、RAM36の記憶領域に記憶(設定)されている大当り判定用乱数のうち、最初に記憶領域に記憶(設定)された大当り判定用乱数の値を読み出し(ステップS24)、その値と大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定が大当り判定となり、当該大当り判定は、図柄組み合わせゲームの開始時に行われる。メインCPU34は、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
ステップS25の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値=大当り判定値)の場合、メインCPU34は、大当りを決定する。そして、メインCPU34は、変動パターン振分乱数の値をRAM36から読み出して取得し、該値に基づき大当り演出用の変動パターンを選択決定する(ステップS26)。また、メインCPU34は、特別図柄による大当り図柄を生成する(ステップS27)。ステップS27にてメインCPU34は、大当り判定用乱数の値と共にRAM36に設定した大当り図柄用乱数の値を読み出し、該値に基づき全列の特別図柄(停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右)が同一種類となるように生成する。その後、メインCPU34は、ステップS33に移行する。
一方、ステップS25の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値≠大当り判定値)の場合、メインCPU34は、はずれを決定する。そして、メインCPU34は、RAM36からリーチ判定用乱数の値を読み出して取得し、該値とリーチ判定値とを比較してリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28の判定がリーチ判定となり、大当り判定(ステップS25)が否定判定された場合に行われる。メインCPU34は、リーチの抽選確率(リーチ演出が行われる確率)を13分の1としてリーチ判定を行う。
ステップS28の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値=リーチ判定値)の場合、メインCPU34は、変動パターン振分乱数の値をRAM36から読み出して取得し、該値に基づきリーチありのはずれ演出用の変動パターンを選択決定する(ステップS29)。また、メインCPU34は、特別図柄によるはずれリーチ図柄を生成する(ステップS30)。ステップS30にてメインCPU34は、はずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値をRAM36から読み出して取得し、はずれ左図柄用乱数の値に基づき停止図柄左と停止図柄右を生成すると共に、はずれ中図柄用乱数の値に基づき停止図柄中を生成する。具体的には、停止図柄左と停止図柄右が同一種類となるように生成し、停止図柄中を停止図柄左と停止図柄右とは異なる種類となるように生成する。その後、メインCPU34は、ステップS33に移行する。
一方、ステップS28の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値≠リーチ判定値)の場合、メインCPU34は、変動パターン振分乱数の値をRAM36から読み出して取得し、該値に基づきリーチなしのはずれ演出用の変動パターンを選択決定する(ステップS31)。また、メインCPU34は、特別図柄によるはずれ図柄を生成する(ステップS32)。ステップS32にてメインCPU34は、はずれ左図柄用乱数の値と、はずれ中図柄用乱数の値と、はずれ右図柄用乱数の値とをRAM36から読み出して取得する。そして、メインCPU34は、はずれ左図柄用乱数の値に基づき停止図柄左を、はずれ中図柄用乱数の値に基づき停止図柄中を、はずれ右図柄用乱数の値に基づき停止図柄右を生成する。具体的には、停止図柄左と停止図柄右が同一種類とならないように生成し、停止図柄中を適宜生成する。その後、メインCPU34は、ステップS33に移行する。
ステップS33に移行したメインCPU34は、ステップS26、ステップS29又はステップS31で選択決定した変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドをRAM36にセットし、出力する(ステップS33)。変動パターン指定コマンドは、統括制御基板31の統括CPU37と、表示制御基板32のサブCPU40と、音・ランプ制御基板33のサブCPU43とに出力される。なお、変動パターン指定コマンドは、図柄組み合わせゲームの開始を指示するコマンドでもある。また、メインCPU34は、ステップS27、ステップS30又はステップS32で生成した特別図柄を指示する特図指定コマンドをRAM36にセットし、出力する(ステップS34)。特図指定コマンドは、統括制御基板31の統括CPU37と表示制御基板32のサブCPU40とに出力される。その後、メインCPU34は、メイン側変動開始処理を終了する。
一方、ステップS23の判定結果が否定(予告実行回数>0)の場合、メインCPU34は、ステップS24,S25と同様に大当り判定用乱数の値をRAM36から読み出し(ステップS35)、大当り判定を行う(ステップS36)。ステップS36の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値=大当り判定値)の場合、メインCPU34は、ステップS26,S27と同様に大当り演出用の変動パターンを選択決定し(ステップS37)、大当り図柄を生成する(ステップS38)。その後、メインCPU34は、ステップS44に移行する。
ステップS36の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値≠大当り判定値)の場合、メインCPU34は、予告実行回数が「1」であるか否かを判定する(ステップS39)。ステップS39の判定結果が肯定(予告実行回数=1)の場合、メインCPU34は、ステップS29,S30と同様にリーチありのはずれ演出用の変動パターンを選択決定し(ステップS40)、はずれリーチ図柄を生成する(ステップS41)。その後、メインCPU34は、ステップS44に移行する。また、ステップS39の判定結果が否定(予告実行回数>1)の場合、メインCPU34は、ステップS31,S32と同様にリーチなしのはずれ演出用の変動パターンを選択決定し(ステップS42)、はずれ図柄を生成する(ステップS43)。その後、メインCPU34は、ステップS44に移行する。
ステップS44に移行したメインCPU34は、予告実行回数を−1(1減算)する。そして、メインCPU34は、減算後の予告実行回数をRAM36に設定し、予告実行回数を書き換える(ステップS45)。続いて、メインCPU34は、ステップS37、ステップS40又はステップS42で選択決定した変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドをRAM36にセットし、出力する(ステップS46)。また、メインCPU34は、ステップS38、ステップS41又はステップS43で生成した特別図柄を指示する特図指定コマンドをRAM36にセットし、出力する(ステップS47)。その後、メインCPU34は、メイン側変動開始処理を終了する。なお、メインCPU34は、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了時に予告実行回数を0(零)クリアする。
メイン側変動開始処理のステップS39にてメインCPU34は、ステップS17で設定された予告実行回数分の図柄組み合わせゲームのうち、残り1回の図柄組み合わせゲームが開始されるか否かを判定する。そして、ステップS39の判定結果が肯定、即ち、残り1回の図柄組み合わせゲームが開始される場合、メインCPU34は、当該図柄組み合わせゲームにおいてリーチ演出を実行させるべく、リーチ判定を行うことなくステップS40,S41にてリーチありのはずれ演出用の変動パターンを選択決定し、はずれリーチ図柄を生成する。一方、メインCPU34は、ステップS39の判定結果が否定の場合、残り1回の図柄組み合わせゲームが開始される迄の間、リーチ演出が実行されないようにステップS42,S43にてリーチなしのはずれ演出用の変動パターンを選択決定し、はずれ図柄を生成する。
次に、統括制御基板31の処理内容を図7〜図13に示すフローチャートに従って説明する。統括制御基板31の統括CPU37は、所定の割込み周期毎(本実施形態では2ms毎)に、設定処理(図7)、統括側入力処理(図8)、統括側変動開始処理(図9〜図12)、遊技演出終了処理(図13)を実行する。
最初に、図7の設定処理を説明する。設定処理は、遊技者選択スイッチ27の選択操作による遊技演出種の切換えに伴う処理である。なお、統括CPU37は、電源投入時、「花札遊技」を初期設定する。
統括CPU37は、遊技演出種の切換えがなされたか否かを判定する(ステップS51)。ステップS51にて統括CPU37は、遊技者選択スイッチ27からの信号が有るか否かを判定し、遊技者選択スイッチ27が「OFF」から「ON」に切換わるとステップS51を肯定判定し、「OFF」のままであれば否定判定する。ステップS51の判定結果が否定、即ち、遊技演出種が切換えられていない場合、統括CPU37は、設定処理を終了する。
一方、ステップS51の判定結果が肯定、即ち、遊技演出種が切換えられた場合、統括CPU37は、切換え後の遊技演出種をRAM39に設定する(ステップS52)。ステップS52にて統括CPU37は、ステップS51が肯定判定された時にRAM39に「花札遊技」が設定されている場合、遊技演出種を「花札遊技」から「麻雀遊技」に切換えるため、遊技演出種としてRAM39に新たに「麻雀遊技」を設定する。また、ステップS52にて統括CPU37は、ステップS51が肯定判定された時にRAM39に「麻雀遊技」が設定されている場合、遊技演出種を「麻雀遊技」から「将棋遊技」に切換えるため、遊技演出種としてRAM39に新たに「将棋遊技」を設定する。また、ステップS52にて統括CPU37は、ステップS51が肯定判定された時にRAM39に「将棋遊技」が設定されている場合、遊技演出種を「将棋遊技」から「花札遊技」に切換えるため、遊技演出種としてRAM39に新たに「花札遊技」を設定する。
続いて、統括CPU37は、切換え後の遊技演出種をゲーム種表示器28に表示させる信号を出力する(ステップS53)。ステップS53にて出力された信号を入力したゲーム種表示器28では、その表示内容が変更される。例えば、遊技演出種が「花札遊技」から「麻雀遊技」に切換わると、ゲーム種表示器28の表示内容は、「0(花札遊技)」から「1(麻雀遊技)」に変更される。その後、統括CPU37は、設定処理を終了する。なお、統括CPU37は、メインCPU34が出力した予告コマンドを入力し、予告回数を設定している場合(図8の統括側入力処理のステップS61,S62)、該予告回数が「0」になるまで遊技演出種の切換えを無効とする。即ち、統括CPU37は、大当り予告の実行中、遊技演出種を切換えない。遊技演出種の切換えを無効とする場合、統括CPU37は、ステップS51を否定判定する、又はステップS51を肯定判定してもステップS52にて遊技演出種を設定しない。
次に、図8の統括側入力処理を説明する。統括側入力処理は、予告コマンドの入力に伴う処理である。
統括CPU37は、予告コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS61)。予告コマンドは、メインCPU34が実行するメイン側入力処理(図4)の予告判定(ステップS16)が肯定判定された時に出力されるコマンドである。ステップS61の判定結果が否定の場合、統括CPU37は、統括側入力処理を終了する。ステップS61の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、予告コマンドで指示された予告実行回数に基づき予告回数をRAM39に設定する(ステップS62)。例えば、予告コマンドで指示された予告実行回数が「4」の場合、統括CPU37は、予告回数として「4」を設定する。続いて、統括CPU37は、RAM39に設定されている遊技演出種が「将棋遊技」であるか否かを判定する(ステップS63)。ステップS63の判定結果が肯定(「将棋遊技」)の場合、統括CPU37は、ステップS62で設定した予告回数を指示する予告回数コマンドをRAM39にセットし、表示制御基板32のサブCPU40と音・ランプ制御基板33のサブCPU43に出力する(ステップS64)。その後、統括CPU37は、統括側入力処理を終了する。一方、ステップS63の判定結果が否定(「花札遊技」又は「麻雀遊技」)の場合、統括CPU37は、統括側入力処理を終了する。なお、統括CPU37は、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了時に予告回数を0(零)クリアする。
次に、図9の統括側変動開始処理を説明する。統括側変動開始処理は、図柄組み合わせゲームの開始に伴って実行される処理である。
統括CPU37は、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS71)。ステップS71の判定結果が否定の場合、統括CPU37は、統括側変動開始処理を終了する。一方、ステップS71の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、予告回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS72)。ステップS72にて統括CPU37は、RAM39に予告回数が設定されていないか否かを判定する。ステップS72の判定結果が肯定(予告回数=0)の場合、統括CPU37は、入力した特図指定コマンドに基づいて飾り図柄を生成する(ステップS73)。ステップS73にて統括CPU37は、大当り図柄が指示されている場合には飾り図柄を大当り図柄で生成し、はずれ図柄が指示されている場合には飾り図柄をはずれ図柄で生成し、はずれリーチ図柄が指示されている場合には飾り図柄をはずれリーチ図柄で生成する。そして、統括CPU37は、ステップS73で生成した飾り図柄を指示する飾図指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS74)。飾図指定コマンドは、表示制御基板32のサブCPU40に出力される。その後、統括CPU37は、統括側変動開始処理を終了する。
一方、ステップS72の判定結果が否定(予告回数>0)の場合、統括CPU37は、RAM39に設定されている遊技演出種を確認する(ステップS75)。そして、統括CPU37は、ステップS75で確認した遊技演出種に応じた処理を実行する(ステップS76)。ステップS76にて統括CPU37は、遊技演出種が「将棋遊技」の場合には将棋遊技処理(図10)を実行し、遊技演出種が「麻雀遊技」の場合には麻雀遊技処理(図11)を実行し、遊技演出種が「花札遊技」の場合には花札遊技処理(図12)を実行する。ステップS76の処理を実行した後、統括CPU37は、予告回数を−1(1減算)する(ステップS77)。また、統括CPU37は、減算後の予告回数をRAM39に設定し、予告回数を書き換える(ステップS78)。その後、統括CPU37は、統括側変動開始処理を終了する。
以下、ステップS76にて実行される将棋遊技処理(図10)と、麻雀遊技処理(図11)と、花札遊技処理(図12)について詳しく説明する。
最初に、将棋遊技にて実行される大当り予告の演出内容と将棋遊技処理(図10)について説明する。
遊技演出種が「将棋遊技」の場合には、大当り予告の対象となる全ての図柄組み合わせゲームにて大当り予告が実行される。「将棋遊技」では、大当り予告の演出として、2種類の予告キャラクタY1,Y2の何れかが可変表示器20に画像表示される。本実施形態では、予告キャラクタY1(図14(a)に示す)を「雀(すずめ)」とし、予告キャラクタY2(図示しない)を「燕(つばめ)」としている。また、予告キャラクタY1,Y2が画像表示されると、予告キャラクタY1,Y2の出現と共に装飾ランプ16による発光演出とスピーカ17による音声演出が実行される。このとき、発光演出(装飾ランプ16の点滅)と音声演出(「パタパタ(羽ばたく音)」)は、表示演出の演出内容(予告キャラクタY1,Y2の種類)に関係なく、同一の演出態様で実行される。「将棋遊技」の場合には、大当り予告時に表示演出と共に発光演出と音声演出が実行されるが、発光演出と音声演出は表示演出の演出内容と関連付けられていない(即ち、1対1の関係にはなっていない)。従って、「将棋遊技」の大当り予告では、表示演出の演出内容に対応付けて発光演出と音声演出の演出内容を決定する必要がなく、各制御基板32,33側にて大当り予告の演出内容がそれぞれ決定される。「将棋遊技」の大当り予告の演出は、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17の各演出装置に単独で実行させるので、「単独演出」となる。即ち、大当り予告の演出は、複数の演出装置を関連付けずに実行される。
そして、将棋遊技処理(図10)にて統括CPU37は、統括側変動開始処理(図9)のステップS73と同様に飾り図柄を生成する(ステップS80)。続いて、統括CPU37は、ステップS80で生成した飾り図柄を指示する飾図指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS81)。その後、統括CPU37は、将棋遊技処理を終了し、統括側変動開始処理(図9)のステップS77に移行する。即ち、将棋遊技の場合、統括CPU37は、大当り予告の演出内容を決定しない。
次に、麻雀遊技にて実行される大当り予告の演出内容と麻雀遊技処理(図11)について説明する。
遊技演出種が「麻雀遊技」の場合には、大当り予告の対象となる図柄組み合わせゲームのうち、残り1回の図柄組み合わせゲームにて大当り予告が実行される。「麻雀遊技」では、大当り予告の演出としてすべり変動演出又は図柄書換え演出の何れかが可変表示器20に画像表示される。すべり変動演出は、所定列の図柄を表示させる際に、その所定列の変動速度を一旦低速に落とし、所定の表示位置に図柄を表示するかのように見せ掛けた上で変動速度を再び高速に変更して変動させた後、図柄を前記表示位置に表示させる演出である。図柄書換え演出は、一旦図柄を表示した後、その図柄の種類を他の種類の図柄に変更し、表示させる演出である。そして、本実施形態では、大当り予告の対象となる図柄組み合わせゲームのうち、残り1回の図柄組み合わせゲームにてリーチ演出が行われる。このため、すべり変動演出が画像表示される場合には、飾り図柄表示領域H2において右列をすべり変動させ、その後にリーチが形成される。その一方で、図柄書換え演出が画像表示される場合には、飾り図柄表示領域H2において右列の図柄を一旦表示させてから該図柄を他の種類の図柄に書換え、その後にリーチが形成される。なお、「麻雀遊技」の場合、残り1回の図柄組み合わせゲームが開始される迄の間、大当り予告の演出は実行されない。
また、すべり変動演出又は図柄書換え演出が画像表示されると、各演出に関連付けて装飾ランプ16による発光演出とスピーカ17による音声演出が同調して実行される。従って、「麻雀遊技」の大当り予告では、表示演出の演出内容(すべり変動演出又は図柄書換え演出)に対応付けて発光演出と音声演出の演出内容を決定する必要があるので、統括制御基板31側にて大当り予告の演出内容が決定される。そして、決定された演出内容は、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33に指示される。「麻雀遊技」の大当り予告の演出は、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17からなる複数の演出装置を関連させて実行させるので、「関連演出」となる。
そして、麻雀遊技処理(図11)にて統括CPU37は、統括側変動開始処理(図9)のステップS73と同様に飾り図柄を生成する(ステップS83)。続いて、統括CPU37は、ステップS83で生成した飾り図柄を指示する飾図指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS84)。続いて、統括CPU37は、RAM39に設定されている予告回数が「1」であるか否かを判定する(ステップS85)。ステップS85にて統括CPU37は、大当り予告の対象となる図柄組み合わせゲームのうち、残り1回の図柄組み合わせゲームが開始されるか否かを判定する。ステップS85の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、大当り予告の演出内容(すべり変動演出又は図柄書換え演出)を決定する(ステップS86)。
続いて、統括CPU37は、ステップS86にて決定した大当り予告の演出内容を指示する予告演出指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS87)。本実施形態では、2種類の予告演出指定コマンドが用いられ、ステップS86にて決定した大当り予告の演出内容に応じた予告演出指定コマンドを出力する。以下の説明では、2種類の予告演出指定コマンドを、「予告演出A指定コマンド」と「予告演出B指定コマンド」と示し、すべり変動演出を指示する場合には「予告演出A指定コマンド」が出力され、図柄書換え演出を指示する場合には「予告演出B指定コマンド」が出力されるものとする。予告演出指定コマンドは、表示制御基板32のサブCPU40と音・ランプ制御基板33のサブCPU43に出力される。その後、統括CPU37は、麻雀遊技処理を終了し、統括側変動開始処理(図9)のステップS77に移行する。一方、ステップS85の判定結果が否定の場合、統括CPU37は、予告演出指定コマンドを出力せずに、麻雀遊技処理を終了し、ステップS77に移行する。
次に、花札遊技にて実行される大当り予告の演出内容と花札遊技処理(図12)について説明する。
遊技演出種が「花札遊技」の場合には、大当り予告の対象となる全ての図柄組み合わせゲームにて大当り予告が実行される。「花札遊技」では、大当り予告の演出としてチャンス目演出が可変表示器20に画像表示される。チャンス目演出は、リーチを形成し得ないはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)であって、予め定めた種類の図柄が所定の配列をなして形成されたはずれの図柄組み合わせを表示させる演出である。チャンス目演出は、チャンス目となる図柄組み合わせが表示された後、リーチに発展する可能性を持たせた演出であり、大当りの前兆を示唆する演出である。本実施形態では、チャンス目となる図柄組み合わせを「後ぞろ目」又は「並び目(順子目)」の図柄組み合わせとしている。「後ぞろ目」とは、中図柄と右図柄が同一種類の図柄であって、この両図柄が左図柄と異なる種類の図柄からなる図柄組み合わせ(例えば、[122][366]など)である。「並び目(順子目)」とは、左図柄→中図柄→右図柄の順に数字の大きい図柄が並べられた図柄組み合わせ(例えば、[123][456]など)である。そして、本実施形態では、大当り予告の対象となる全ての図柄組み合わせゲームにおいてチャンス目となる図柄組み合わせを連続的に表示させ、残り1回の図柄組み合わせゲームにてチャンス目からリーチに発展させるようになっている。なお、チャンス目演出の開始時に、「後ぞろ目」を決定した場合には「後ぞろ目」となる図柄組み合わせが連続的に表示され、「並び目(順子目)」を決定した場合には「並び目」となる図柄組み合わせが連続的に表示される。
また、チャンス目演出が画像表示されると、該演出にて表示されるチャンス目の種類(「後ぞろ目」又は「並び目」)に関連付けて装飾ランプ16による発光演出とスピーカ17による音声演出が同調して実行される。従って、「花札遊技」の大当り予告では、表示演出の演出内容(「後ゾロ目」のチャンス目演出又は「並び目」のチャンス目演出)に対応付けて発光演出と音声演出の演出内容を決定する必要があるので、統括制御基板31側にて大当り予告の演出内容が決定される。そして、決定された演出内容は、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33に指示される。「花札遊技」の大当り予告の演出は、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17からなる複数の演出装置を関連付けて実行させるので、「関連演出」となる。
そして、花札遊技処理(図12)にて統括CPU37は、大当り予告の演出内容(「後ぞろ目」のチャンス目演出又は「並び目」のチャンス目演出)を既に決定済みか否かを判定する(ステップS88)。なお、統括CPU37は、大当り予告の演出内容を決定した場合(ステップS89)、その種類を示す演出種フラグをRAM39に設定し、ステップS88において演出種フラグの有無によって判定を行う。ステップS88の判定結果が否定の場合、統括CPU37は、大当り予告の演出内容が決定されていないことから、大当り予告の演出内容を決定し(ステップS89)、ステップS90に移行する。一方、ステップS88の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、決定されている演出内容と同一の演出内容で大当り予告を実行させることから、新たに大当り予告の演出内容を決定せず、ステップS90に移行する。
ステップS90に移行した統括CPU37は、RAM39に設定されている予告回数が「1」であるか否かを判定する。ステップS90にて統括CPU37は、大当り予告の対象となる図柄組み合わせゲームのうち、残り1回の図柄組み合わせゲームが開始されるか否かを判定する。ステップS90の判定結果が否定(予告回数>1)の場合、統括CPU37は、大当り予告の演出内容と入力した特図指定コマンドに基づいて飾り図柄を生成する(ステップS91)。ステップS91にて統括CPU37は、まず、特図指定コマンドにて大当り図柄が指定されていないか否かを判定する。この判定の結果が肯定の場合、統括CPU37は、統括側変動開始処理(図9)のステップS73と同様に飾り図柄を生成し、ステップS93に移行する。一方、前記判定の結果が否定(大当り図柄ではない)の場合、統括CPU37は、特図指定コマンドで指示された特別図柄による図柄組み合わせが、大当り予告の演出内容に対応するチャンス目(後ぞろ目又は並び目)を形成しているか否かを判定する。この判定の結果が否定(チャンス目を形成していない)の場合、統括CPU37は、飾り図柄による図柄組み合わせがチャンス目となるように飾り図柄を生成する。一方、前記判定の結果が肯定(チャンス目を形成している)の場合、統括CPU37は、特図指定コマンドで指定された特別図柄と同一種類の飾り図柄を生成する。その後、統括CPU37は、ステップS93に移行する。
一方、ステップS90の判定結果が肯定(予告回数=1)の場合、統括CPU37は、統括側変動開始処理(図9)のステップS73と同様に飾り図柄を生成する(ステップS92)。その後、統括CPU37は、ステップS93に移行する。ステップS93に移行した統括CPU37は、ステップS91又はステップS92で生成した飾り図柄を指示する飾図指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS93)。続いて、統括CPU37は、ステップS89で決定した大当り予告の演出内容を指示する予告演出指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS94)。ステップS94にて統括CPU37は、前述した麻雀遊技処理(図11)のステップS87と同様に、大当り予告の演出内容に応じて「予告演出A指定コマンド」又は「予告演出B指定コマンド」の何れかを出力する。即ち、統括CPU37は、大当り予告の演出内容を指示する際、「麻雀遊技」と「花札遊技」とで共通の制御コマンドを用いる。本実施形態では、「後ぞろ目」のチャンス目演出を指示する場合には「予告演出A指定コマンド」が出力され、「並び目」のチャンス目演出を指示する場合には「予告演出B指定コマンド」が出力されるものとする。予告演出指定コマンドは、表示制御基板32のサブCPU40と音・ランプ制御基板33のサブCPU43に出力される。その後、統括CPU37は、花札遊技処理を終了し、統括側変動開始処理(図9)のステップS77に移行する。
次に、図13の遊技演出終了処理を説明する。遊技演出終了処理は、図柄組み合わせゲームの終了時に実行される処理であり、統括制御基板31側で管理している遊技演出種を表示制御基板32と音・ランプ制御基板33に指示する処理である。
統括CPU37は、全図柄停止コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS100)。全図柄停止コマンドは、図柄組み合わせゲームの終了時にメインCPU34から出力されるコマンドである。メインCPU34は、図柄組み合わせゲームの開始時に指定した変動パターンに対応する演出時間の経過時に全図柄停止コマンドを出力する。ステップS100の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、図柄組み合わせゲームが終了することから停止時フラグに「1」を設定する(ステップS101)。停止時フラグは、RAM39に設定される。続いて、統括CPU37は、停止時タイマの値をセットする。停止時タイマの値は、RAM39にセットされ、図柄組み合わせゲーム終了後の時間、即ち、インターバル期間中の時間を計測するタイマである。本実施形態では、ステップS102にて停止時タイマの値として「204(ms)」をセットする。その後、統括CPU37は、遊技演出終了処理を終了する。
インターバル期間とは、図柄組み合わせゲームの終了後、次の図柄組み合わせゲームが始動保留球に基づき行われる場合に、該ゲームが開始する迄の期間(例えば、1秒(1000ms))である。インターバル期間中、可変表示器20では、図柄組み合わせゲームが待機状態とされ、前回の図柄組み合わせゲームで確定表示された図柄組み合わせが継続的に画像表示されている。なお、大当り遊技終了後(エンディング演出終了後)、次の図柄組み合わせゲームが開始する迄の期間もインターバル期間となる。
一方、ステップS100の判定結果が否定の場合、統括CPU37は、停止フラグに「1」が設定されているか否か判定する(ステップS103)。ステップS103の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、停止時タイマの値を減算する(ステップS104)。ステップS104にて統括CPU37は、割込み時間(2ms)分の値を停止時タイマの値から減算する。続いて、統括CPU37は、停止時タイマの値が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105の判定結果が肯定の場合、統括CPU37は、RAM39に設定されている遊技演出種を確認する(ステップS106)。そして、統括CPU37は、ステップS106で確認した遊技演出種を指示する遊技演出種指定コマンドをRAM39にセットし、出力する(ステップS107)。遊技演出種指定コマンドは、表示制御基板32のサブCPU40と音・ランプ制御基板33のサブCPU43に出力される。その後、統括CPU37は、遊技演出終了処理を終了する。
遊技演出種処理により、統括CPU37は、RAM39に設定されている遊技演出種を指示する遊技演出種指定コマンドを図柄組み合わせゲームが終了する毎に出力することとなる。より詳しく言えば、統括CPU37は、図柄組み合わせゲームの終了後、インターバル期間を利用し、ステップS102で停止時タイマの値に設定された時間(204ms)の経過時に遊技演出種指定コマンドを出力する。即ち、図7に示す設定処理のステップS52で設定された遊技演出種は、インターバル期間中に表示制御基板32と音・ランプ制御基板33に指示される。なお、遊技演出種指定コマンドは、図柄組み合わせゲームの終了時に加えて、電源投入時や大当り遊技終了時(エンディング演出終了時)にも出力される。
次に、表示制御基板32の制御内容を説明する。
表示制御基板32のサブCPU40は、電源投入による起動開始時(又はサブCPU40単体でのリセット時)に遊技演出種として「花札遊技」をRAM42に初期設定する。また、サブCPU40は、遊技演出種指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示された遊技演出種をRAM42に設定する。このとき、サブCPU40は、既に設定されている遊技演出種を消去し、入力した遊技演出種指定コマンドで指示された遊技演出種に書き換える。遊技演出種の書き換え後、サブCPU40は、遊技演出種が変更されたか否か(書き換え前の遊技演出種と書き換え後の遊技演出種が異なる種類であるか否か)を判定する。遊技演出種が変更された場合、サブCPU40は、変更後の遊技演出種に対応する画像をROM41に記憶されている画像データを用いて生成し、可変表示器20に表示させる。この処理は、遊技演出種指定コマンドがインターバル期間中に入力されることから、サブCPU40の処理負担が軽いときに行われる。
また、サブCPU40は、図柄組み合わせゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、RAM42に設定されている現在の遊技演出種を確認する。そして、サブCPU40は、表示演出制御プログラムに基づき、図柄組み合わせゲームの表示演出に係る制御を開始させる。詳しく言えば、サブCPU40は、遊技演出種と変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づき、図柄組み合わせゲームの具体的な演出内容(表示演出の演出内容)を特定する。具体的な演出内容は、例えば、図柄の動作、登場キャラクタの種類や動作などであり、この演出内容は予めパターン化され、変動パターン毎に対応付けられている。そして、サブCPU40は、特定した演出内容に基づき、画像データを用いて画像を生成し、その生成した画像を可変表示器20に表示させる。この制御により、可変表示器20の特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2では、図柄変動が開始して図柄組み合わせゲームが開始する。そして、図柄組み合わせゲームの開始後、変動パターンに対応付けられた演出時間の経過時に、特別図柄表示領域H1には、特図指定コマンドで指定された特別図柄による図柄組み合わせが表示されると共に、飾り図柄表示領域H2には、飾図指定コマンドで指定された飾り図柄(遊技演出種に対応する図柄)による図柄組み合わせが表示される。
また、サブCPU40は、予告回数コマンドを入力すると、その予告回数コマンドで指示された予告回数をRAM42に設定する。予告回数コマンドは、統括CPU37が統括側入力処理(図8)にて出力するコマンドである。そして、サブCPU40は、変動パターン指定コマンドを入力した際、遊技演出種が「将棋遊技」であり、かつ、予告回数がRAM42に設定されている場合(即ち、予告回数>0)、大当り予告を実行させることから、大当り予告の演出内容(表示演出)を決定する。本実施形態では、図柄組み合わせゲーム中に画像表示させる予告キャラクタを、予告キャラクタY1(「雀」)又は予告キャラクタY2(「燕」)の何れかから決定する。サブCPU40は、予告キャラクタを決定する際、該予告キャラクタを既に決定済みか否かを判定し、この判定の結果が否定の場合に予告キャラクタを決定する。予告キャラクタを決定したサブCPU40は、決定した予告キャラクタの種類を示すキャラクタ種フラグをRAM42に設定する。前記判定の結果が肯定の場合、サブCPU40は、キャラクタ種フラグに基づき予告キャラクタを特定する。
そして、サブCPU40は、予告キャラクタの画像を生成し、図柄組み合わせゲームの開始後、所定時間の経過時(本実施形態では全列が図柄変動中)に予告キャラクタ(予告キャラクタY1又は予告キャラクタY2の何れか)を画像表示させて大当り予告を実行させる。サブCPU40は、予告回数を設定した後、変動パターン指定コマンドを入力する毎に予告回数を−1(1減算)し、その予告回数が「0(零)」になる迄、大当り予告を実行させる。なお、サブCPU40は、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了時に予告回数を0(零)クリアする。また、サブCPU40は、予告回数が「0(零)」になると、キャラクタ種フラグをクリアする。
また、サブCPU40は、予告演出指定コマンド(予告演出A指定コマンド又は予告演出B指定コマンド)を入力すると、次のように制御を実行する。即ち、サブCPU40は、予告演出指定コマンドを入力した際、RAM42に設定されている現在の遊技演出種を確認する。そして、サブCPU40は、現在の遊技演出種が「麻雀遊技」の場合、予告演出指定コマンドの種類(予告演出A指定コマンド又は予告演出B指定コマンド)に応じた演出を実行させることから、図柄組み合わせゲームの開始後、前記演出を画像表示させ、大当り予告を実行させる。予告演出A指定コマンドを入力している場合には、すべり変動演出を画像表示させる一方で、予告演出B指定コマンドを入力している場合には、図柄書換え演出を画像表示させる。なお、すべり変動演出又は図柄書換え演出によって表示される右列の飾り図柄は、飾図指定コマンドで指定された右列の飾り図柄である。
一方、サブCPU40は、現在の遊技演出種が「花札遊技」の場合、予告演出指定コマンドの種類(予告演出A指定コマンド又は予告演出B指定コマンド)に応じたチャンス目演出を実行させることから、図柄組み合わせゲームの開始後、前記チャンス目演出を画像表示させ、大当り予告を実行させる。チャンス目演出を実行させる際、サブCPU40は、飾図指定コマンドで指定された飾り図柄から、大当り予告の対象となる図柄組み合わせゲームのうち、残り1回の図柄組み合わせゲームの開始か否かを判定する。この判定は、飾図指定コマンドで指定された飾り図柄によってリーチが形成される場合に肯定判定され、「チャンス目」が形成される場合に否定判定される。そして、前記判定を否定判定した場合、サブCPU40は、チャンス目演出を実行させる。
一方、サブCPU40は、前記判定を肯定判定した場合、チャンス目演出を実行させるために、該演出にて一旦表示(仮停止)させるチャンス目を形成する飾り図柄を予告演出指定コマンドの種類に応じて生成する。即ち、図12の花札遊技処理のステップS91と同様に飾り図柄を生成する。なお、サブCPU40は、残り1回の図柄組み合わせゲームの開始時にはずれリーチ図柄又は大当り図柄を指示する飾図指定コマンドを入力するので、チャンス目演出の実行に際して仮停止させる飾り図柄を生成する。そして、サブCPU40は、図柄組み合わせゲームの開始後、順次各列の飾り図柄を表示させ、チャンス目となる図柄組み合わせ(仮停止の飾り図柄)を一旦表示させた後、リーチを形成し、リーチ演出を画像表示させる。
次に、音・ランプ制御基板33について説明する。
音・ランプ制御基板33のサブCPU43は、電源投入による起動開始時(又はサブCPU43単体でのリセット時)に遊技演出種として「花札遊技」をRAM45に初期設定する。また、サブCPU43は、遊技演出種指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示された遊技演出種をRAM45に設定する。このとき、サブCPU43は、既に設定されている遊技演出種を消去し、入力した遊技演出種指定コマンドで指示された遊技演出種に書き換える。
また、サブCPU43は、図柄組み合わせゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、RAM45に設定されている現在の遊技演出種を確認する。そして、サブCPU43は、音・発光演出制御プログラムに基づき、図柄組み合わせゲームの発光演出と音声演出に係る制御を開始させる。詳しく言えば、サブCPU43は、遊技演出種と変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づき、図柄組み合わせゲームの具体的な演出内容(発光演出と音声演出の演出内容)を特定する。具体的な演出内容は、例えば、装飾ランプ16の発光パターンや、スピーカ17からの音声出力パターンなどであり、この演出内容は予めパターン化され、変動パターン毎に対応付けられている。そして、サブCPU43は、特定した演出内容に基づき、装飾ランプ16を発光させると共に、スピーカ17から音声を出力させる。この制御により、装飾ランプ16とスピーカ17では、可変表示器20の表示演出(図柄組み合わせゲーム)に同調して発光演出と音声演出が行われる。
また、サブCPU43は、予告回数コマンドを入力すると、その予告回数コマンドで指示された予告回数をRAM45に設定する。そして、サブCPU40は、変動パターン指定コマンドを入力した際、遊技演出種が「将棋遊技」であり、かつ、予告回数がRAM45に設定されている場合(即ち、予告回数>0)、大当り予告を実行させることから、大当り予告の演出内容(発光演出と音声演出)を決定する。このとき、サブCPU43は、可変表示器20にて実行される大当り予告の演出内容(表示演出)に関係なく決定する。そして、サブCPU43は、図柄組み合わせゲームの開始後、所定時間の経過時に、可変表示器20にて実行される大当り予告(表示演出)に係る発光演出と音声演出を実行させる。サブCPU43は、予告回数を設定した後、変動パターン指定コマンドを入力する毎に予告回数を−1(1減算)し、その予告回数が「0(零)」になる迄、大当り予告を実行させる。なお、サブCPU43は、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了時に予告回数を0(零)クリアする。
また、サブCPU43は、予告演出指定コマンド(予告演出A指定コマンド又は予告演出B指定コマンド)を入力すると、次のように制御を実行する。即ち、サブCPU43は、予告演出指定コマンドを入力した際、RAM45に設定されている現在の遊技演出種を確認する。そして、サブCPU43は、現在の遊技演出種が「麻雀遊技」の場合、予告演出指定コマンドの種類に応じた演出を実行させる。即ち、サブCPU43は、予告演出A指定コマンドを入力した場合、可変表示器20にてすべり変動演出が画像表示されるので、そのすべり変動演出に対応する発光演出と音声演出を実行させる。また、サブCPU43は、予告演出B指定コマンドを入力した場合、可変表示器20にて図柄書換え演出が画像表示されるので、その図柄書換え演出に対応する発光演出と音声演出を実行させる。
一方、サブCPU43は、現在の遊技演出種が「花札遊技」の場合、予告演出指定コマンドの種類に応じた演出を実行させる。即ち、サブCPU43は、予告演出A指定コマンドを入力した場合、可変表示器20にて「後ぞろ目」のチャンス目演出が画像表示されるので、その「後ぞろ目」のチャンス目演出に対応する発光演出と音声演出を実行させる。また、サブCPU43は、予告演出B指定コマンドを入力した場合、可変表示器20にて「並び目」のチャンス目演出が画像表示されるので、その「並び目」のチャンス目演出に対応する発光演出と音声演出を実行させる。
以下、本実施形態のパチンコ機10で実行される大当り予告の態様について図14及び図15に従って説明する。図14(a)には、「将棋遊技」で実行される大当り予告の態様(予告キャラクタY1(雀))が示されている。また、図14(b)には、「花札遊技」で実行される大当り予告の態様(「後ぞろ目」のチャンス目演出)が示されている。また、図15には、「麻雀遊技」で実行される大当り予告の態様(すべり変動演出)が示されている。また、図14及び図15では、予告判定が肯定判定された際に予告実行回数として「3」が決定され、3回の図柄組み合わせゲームを対象として大当り予告が実行される態様を示している。また、図14及び図15では、可変表示器20の飾り図柄表示領域H2に表示される図柄を単なる数字で表して簡略化すると共に、特別図柄表示領域H1を省略している。また、図14及び図15において、下向きの実線矢印は「飾り図柄の変動中」を示し、下向きの白抜き矢印はすべり変動を示している。
最初に、「将棋遊技」で実行される大当り予告の態様を図14(a)に従って説明する。
「将棋遊技」の場合、主制御基板30では予告実行回数を管理すると共に、統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33では予告回数を管理する。そして、図柄組み合わせゲームが開始される毎に(統括CPU37、サブCPU40及びサブCPU43は変動パターン指定コマンドを入力する毎に)、メインCPU34は予告実行回数を−1し、統括CPU37、サブCPU40及びサブCPU43は予告回数を−1する。また、変動パターン指定コマンドの入力時、統括CPU37は予告回数のみを管理し、サブCPU40とサブCPU43は予告回数の管理と共に大当り予告の演出内容(サブCPU40では予告キャラクタY1)を決定する。
この制御により「将棋遊技」では、大当り予告が複数回(図14(a)では、3回)の図柄組み合わせゲームを跨いで連続的に実行される。即ち、1回目、2回目及び3回目の各図柄組み合わせゲームにて、各ゲームの開始後、所定時間の経過時に予告キャラクタY1が可変表示器20に画像表示される。また、各ゲームでは、予告キャラクタY1の出現と共に、装飾ランプ16の発光演出とスピーカ17の音声演出が行われる。そして、3回目の図柄組み合わせゲームでは、リーチ([7↓7]、「↓」は変動中を示す)が形成され、リーチ演出が行われる。なお、3回目の図柄組み合わせゲームでは、メイン側入力処理(図4)の予告判定(ステップS16)が大当り判定値と同値の予告判定値と一致して肯定判定されている場合、リーチ演出を経て大当り図柄が特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2に表示される。その一方で、前記予告判定が大当り判定値と異値の予告判定値と一致して肯定判定されている場合には、リーチ演出を経てはずれリーチ図柄が特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2に表示される。
次に、「花札遊技」で実行される大当り予告の態様を図14(b)に従って説明する。
「花札遊技」の場合、主制御基板30では予告実行回数を管理すると共に、統括制御基板31では予告回数を管理する。表示制御基板32と音・ランプ制御基板33では予告回数を管理しない。そして、図柄組み合わせゲームが開始される毎に(統括CPU37は変動パターン指定コマンドを入力する毎に)、メインCPU34は予告実行回数を−1し、統括CPU37は予告回数を−1する。また、変動パターン指定コマンドの入力時、統括CPU37は予告回数の管理と共に大当り予告の演出内容(「後ぞろ目」のチャンス目演出)を決定する。
この制御により「花札遊技」では、大当り予告が複数回(図14(b)では、3回)の図柄組み合わせゲームを跨いで連続的に実行される。即ち、1回目、2回目及び3回目の各図柄組み合わせゲームにて、各ゲームの開始後、所定時間の経過時にチャンス目(後ぞろ目)が可変表示器20に表示される。そして、3回目の図柄組み合わせゲームでは、チャンス目からリーチに発展し、リーチ([7↓7]、「↓」は変動中を示す)が形成され、リーチ演出が行われる。また、各ゲームでは、チャンス目演出に同調して装飾ランプ16の発光演出とスピーカ17の音声演出が行われる。
次に、「麻雀遊技」で実行される大当り予告の態様を図15に従って説明する。
「麻雀遊技」の場合、主制御基板30では予告実行回数を管理すると共に、統括制御基板31では予告回数を管理する。表示制御基板32と音・ランプ制御基板33では予告回数を管理しない。そして、図柄組み合わせゲームが開始される毎に(統括CPU37は変動パターン指定コマンドを入力する毎に)、メインCPU34は予告実行回数を−1し、統括CPU37は予告回数を−1する。また、変動パターン指定コマンドの入力時、統括CPU37は予告回数の管理と共に大当り予告の演出内容(すべり変動演出)を決定する。
この制御により「麻雀遊技」の場合には、大当り予告が3回目の図柄組み合わせゲーム(残り1回の図柄組み合わせゲーム)にて実行される。即ち、1回目及び2回目の図柄組み合わせゲームでは、大当り予告が実行されず、各ゲームの開始後、所定時間の経過時にはずれ図柄が可変表示器20に表示される。そして、3回目の図柄組み合わせゲームでは、該ゲームの開始後、右列の図柄を表示させる際にすべり変動演出が可変表示器20に画像表示されてリーチ([7↓7]、「↓」は変動中を示す)が形成され、リーチ演出が行われる。また、すべり変動演出に同調して装飾ランプ16の発光演出とスピーカ17の音声演出が行われる。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17に実行させる演出の演出内容を関連付ける必要がある場合には、その演出内容を統括制御基板31にて決定する。その一方で、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17に実行させる演出の演出内容を関連付ける必要がない場合には、その演出内容を統括制御基板31ではなく、可変表示器20を制御する表示制御基板32又は装飾ランプ16とスピーカ17を制御する音・ランプ制御基板33にて決定するようにした。即ち、遊技演出(図柄組み合わせゲーム)を開始させるに際して、統括制御基板31側で決定すべき事項と表示制御基板32や音・ランプ制御基板33側で決定しても良い事項とを分け、遊技演出の制御に係る処理を分担することで、統括制御基板31への負担増を抑制することができる。逆に、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17に実行させる演出の演出内容を関連付ける必要がある場合には、統括制御基板31が演出内容を決定するので、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33との間で実行する演出内容を調整する必要がなく、表示制御基板32や音・ランプ制御基板33への負担増を抑制することができる。また、統括制御基板31、表示制御基板32又は音・ランプ制御基板33にて演出内容を決定するので、遊技演出を開始させるに際して主制御基板30は変動パターンを決定するだけで良く、主制御基板30への負担増を抑制することができる。
(2)大当り予告(関連演出)の演出内容を決定した統括制御基板31は、遊技演出種に関係なく共通の制御コマンド(予告演出指定コマンド)を用いて演出内容を指示し、該制御コマンドを受信した表示制御基板32と音・ランプ制御基板33が記憶している遊技演出種に対応する演出内容を選択し、大当り予告の演出を実行させるようにした。このため、統括制御基板31では、大当り予告の演出内容を指示するための制御コマンドを遊技演出種毎に記憶し、演出内容を指示する度に複数の制御コマンドの中から対応する制御コマンドを選択し、出力する必要がない。従って、統括制御基板31への負担増をさらに抑制することができる。
(3)表示制御基板32や音・ランプ制御基板33は、遊技演出種の指示をノイズなどの影響を受けて受信できない場合や、遊技中の制御負担増が原因で処理が追い付かずにリセットが掛かり、記憶した遊技演出種を初期設定してしまう場合がある。このため、統括制御基板31が遊技演出種を決定した時のみに遊技演出種を指示する構成とした場合には、遊技演出種に対応する演出内容で遊技演出を実行させることができない。その結果、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17の演出内容を関連付ける(同調させる)必要がある場合においては、演出内容が整合しなくなる。これに対し、本実施形態では、統括制御基板31が遊技演出種を決定した時のみならず、定期的に遊技演出種を指示するので、表示制御基板32や音・ランプ制御基板33が遊技演出種を把握できていない状況に陥っても、その状態を遊技中に是正することができる。即ち、遊技演出種の切換えが行われなくても、統括制御基板31側と表示制御基板32側との間、及び統括制御基板31と音・ランプ制御基板33との間で遊技演出種を整合させることができる。また、統括制御基板31は、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33の全ての制御基板に遊技演出種を指示するので、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33との間での遊技演出種の食い違いも是正することができる。
(4)統括制御基板31が、1回の遊技演出(図柄組み合わせゲーム)の終了毎に遊技演出種を指示する。このため、複数回の図柄組み合わせゲームを跨いで統括制御基板31と表示制御基板32との間、統括制御基板31と音・ランプ制御基板33との間、及び表示制御基板32と音・ランプ制御基板33との間で遊技演出種が食い違うことを回避できる。即ち、遊技演出種の食い違いを早期に是正できる。
(5)表示制御基板32(サブCPU40)は、最も複雑な制御を行っており、制御負担が強いられている。このため、統括制御基板31(統括CPU37)が、サブCPU40の画像生成中を外して遊技演出種を指示することにより、サブCPU40では該指示を確実に入力することができ、遊技演出種を正確に把握することができる。
(6)遊技演出種の決定、切り換えを統括制御基板31にて行う。このため、表示制御基板32や音・ランプ制御基板33の処理負担を軽減できる。また、統括制御基板31にて遊技演出種を決定するので、決定した遊技演出を一元管理でき、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33の制御によって同一の遊技演出種による遊技演出(同一種類の遊技演出)を確実に行わせることができる。即ち、表示演出では、花札遊技が行われているにも拘わらず、例えば、音声演出では、麻雀遊技の効果音が流れることなどを回避できる。また、遊技演出種の決定、遊技演出種の指示を統括制御基板31にて行うので、主制御基板30の処理負担を軽減できる。
(7)表示制御基板32と音・ランプ制御基板33は、電源投入時、所定の遊技演出種(本実施形態では「花札遊技」)を初期設定する。このため、電源投入時に表示制御基板32と音・ランプ制御基板33が統括制御基板31からの遊技演出種コマンドを入力できなかった場合であっても、初期設定された遊技演出種の演出内容で図柄組み合わせゲームを行わせることができる。
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、統括CPU37が1回の図柄組み合わせゲームの終了毎に遊技演出種指定コマンドを出力しているが、複数回の図柄組み合わせゲームの終了毎に遊技演出種指定コマンドを出力しても良い。例えば、5回、10回、又は100回の図柄組み合わせゲームの終了毎に遊技演出種指定コマンドを出力しても良い。
・前記実施形態において、統括CPU37が、遊技演出種指定コマンドの出力後、所定時間が経過する毎に遊技演出種指定コマンドを出力しても良い。例えば、1分、10分、又は1時間の経過毎に遊技演出種指定コマンドを出力しても良い。
・前記実施形態において、遊技演出種は3種類に限らず、2種類、4種類などに変更しても良い。また、遊技演出の演出主体を、「自動車レース」「野球」などに変更しても良い。
・前記実施形態において、統括制御基板31の役割を、例えば、音・ランプ制御基板33に行わせ、その音・ランプ制御基板33が表示制御基板32に遊技演出種指定コマンド、予告演出指定コマンドなどを出力しても良い。この場合、音・ランプ制御基板33は、統括制御装置と演出制御装置とを兼用する。
・前記実施形態において、大当り予告の演出内容を変更しても良い。例えば、「将棋遊技」では、予告キャラクタの種類を3種類、4種類、5種類に変更しても良い。また、「麻雀遊技」や「花札遊技」において、演出の種類(例えば、チャンス目の種類)を増やしても良い。
・前記実施形態において、遊技演出を実行する演出装置を変更しても良い。例えば、可変表示器20、装飾ランプ16及びスピーカ17に加えて、可動体を遊技盤13の遊技領域13aに設け、遊技演出を実行させても良い。
・前記実施形態において、遊技演出種を決定する際の指標となる演出モードを設けても良い。例えば、演出モードとしては、遊技演出種が固定されるモード(例えば、花札遊技モード、将棋遊技モードなど)、大当り遊技終了後に遊技演出種がランダム又は予め定めた順番で切換るモードを設けても良い。これらの演出モードは、例えば、パチンコ機10の機裏側に設けられた演出モード設定装置(切換えスイッチ)の設定によって変更する。演出モード設定装置を有する場合、統括CPU37は、演出モード設定装置の設定状態に応じて遊技演出種を決定する。なお、演出モード設定装置は、統括制御基板31に設けられることが好ましい。
・前記実施形態において、可変表示器20とスピーカ17の2つの演出装置を関連付けて演出を実行させ、この演出内容を統括制御基板31で決定しても良い。また、装飾ランプ16又はスピーカ17などの演出装置に単独で演出を実行させ、この演出内容を音・ランプ制御基板33で決定しても良い。
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記統括制御装置は、1回の遊技演出が終了する毎に記憶した前記遊技演出種を前記各演出制御装置に指示する。
(ロ)前記関連演出の演出内容と前記単独演出の演出内容は、特定のはずれ図柄を表示させる演出の演出内容及び当否の可能性を示唆する大当り予告演出の演出内容のうち、少なくともいずれか一方である。
(ハ)前記統括制御装置は、前記遊技演出種を決定する際の指標となる複数の演出モードを設定可能な演出モード設定装置の設定状態に応じて前記遊技演出種を決定する、又は遊技機の機前面側に設けられ、遊技者が遊技演出種を選択操作可能な遊技演出種選択装置の操作状態に応じて遊技演出種を決定する。
10…パチンコ遊技機、16…装飾ランプ、17…スピーカ、20…可変表示器、27…遊技者選択スイッチ、30…主制御基板、31…統括制御基板、32…表示制御基板、33…音・ランプ制御基板。