JP4391326B2 - 熱硬化性樹脂シートの切断加工方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂シートの切断加工方法 Download PDF

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本発明は、主として、種々のワークを相互に圧着する用途などに用いられる熱硬化性樹脂シートを所要の大きさおよび形状に切断加工する方法に関するものである。
一般に、種々のワークを相互に圧着するに際しては、熱硬化性樹脂層の両面に保護フィルムシートをそれぞれ剥離可能に仮貼付けしてなる熱硬化性樹脂シートが使用されており、図9(a)〜(c)に示すような工程を経て二つのワークが相互に圧着される。すなわち、図9(a)に示すように、熱硬化性樹脂層2の両面にそれぞれ保護フィルムシート3(一方のみ図示)が剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シート1は、図の左右方向に延びる長尺形状に形成されており、先ず、熱硬化性樹脂層2の一面(図の下面)側の保護フィルムシート(図示せず)を剥離した状態として、残存する保護フィルムシート3を切断しないようにして、一面側の保護フィルムシートの剥離により露出した熱硬化性樹脂層2のみが所要の長さとなるように切断される。この状態で、熱硬化性樹脂シート1は、図の右方へ向け移送されながら、熱硬化性樹脂層2における所要の長さに切断された部分が第1のワーク41に対向した時点で移送が停止され、所要長さの熱硬化性樹脂層2が、圧着ツール40により加熱されながら加圧されて、第1のワーク41に仮圧着される。
つぎに、図9(b)に示すように、圧着ツール40を上昇させるとともに熱硬化性樹脂シート1も上昇させることにより、保護フィルムシート3が熱硬化性樹脂層2から剥がされる。なお、この保護フィルムシート3は巻き取りリール(図示せず)に巻き取られる。続いて、図9(c)に示すように、露出した熱硬化性樹脂層2の上面には、保持機能を有する圧着ツール42に保持された第2のワーク43が、圧着ツール42により加熱されながら加圧される。これにより、両ワーク41,43は熱硬化性樹脂層2を介在して相互に圧着される。
上述のように熱硬化性樹脂層2を介在して二つのワーク41,43を相互に圧着する場合には、熱硬化性樹脂シート1を圧着すべき二つのうちの形状の小さい方のワーク43の形状に対応した長さに切断加工する必要があり、この切断加工に際しては、以下のような方法が提案されている。
すなわち、第1の切断加工方法は、図8(a)に示すように、熱硬化性樹脂シート1が、一面側(図の下面側)の保護フィルムシート(図示せず)を剥離した状態で、矢印で示す図の右方へ向け移送されながら、所定位置で移送を停止されて、転写ヘッド44が下降してその下方に突設されたチップ47により保護フィルムシート3を介して熱硬化性樹脂層2が受台48上の転写紙部材49に押し付けられることにより、熱硬化性樹脂層2におけるチップ47で押圧された一部分が熱圧着により転写紙部材49上に転写される。これにより、保護フィルムシート3は切断されることなく、熱硬化性樹脂層2のみは、所定の間隔で一部分が除去された切断部2aが形成されることにより、所定の長さに切断される(例えば、特許文献1参照)。
第2の切断加工方法は、図8(b)に示すように、熱硬化性樹脂シート1が、一面側(図の下面側)の保護フィルムシート(図示せず)を剥離した状態で、矢印で示す図の右方へ向け移送されながら、所定位置で移送を停止されて、高温に加熱された切断用ツール50が熱硬化性樹脂層2に押し付けられることにより、熱硬化性樹脂層2の切断用ツール50が押し付けられた一部分が用溶断されて、熱硬化性樹脂層2が所定の寸法に切断される。(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−117285号公報 特開平2−293721号公報
しかしながら、上述の従来の熱硬化性樹脂シート1の切断加工方法では、長尺形状とした熱硬化性樹脂シート1を、これの長手方向に沿った一方向に向け移送しながら、熱硬化性樹脂層2の一部分を溶断または転写により除去する工程を経て切断するようにしているので、長尺形状の熱硬化性樹脂層2における長手方向に対し直交する幅寸法の大小により適応できるワークが限定される問題がある。したがって、形状の異なる多品種のワークに対しタイムリーに対応するためには、長尺形状の熱硬化性樹脂シート1として、圧着すべき二つのうちの小さい方のワークの形状に対応した幅寸法を有する多くの種類のものを用意する必要があり、これら多種類の熱硬化性樹脂シート1の保管や管理が煩雑となるだけでなく、圧着すべきワークの種類が変わる毎に行う熱硬化性樹脂シート1の交換作業の頻度が高くなって生産性が低下する問題がある。
また、上述のように切断加工された熱硬化性樹脂層2を介在して二つのワーク41,43を相互に圧着した場合には、図9(c)に2点鎖線で示すように、二つのワーク41,43を介して熱硬化性樹脂層2に対し厚み方向の両側から加わる圧力により、熱硬化性樹脂層2における切断端面部分にはワーク43の側方に食み出す樹脂食み出し部2bが形成される不具合もある。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、熱硬化性樹脂シートを圧着すべきワークに対応した任意の形状に切断することができるとともに、熱硬化性樹脂層を切断した後に残存する保護フィルムシートの剥離を容易に行えるように切断でき、さらに、切断後の熱硬化性樹脂層を加熱および加圧した際にワークからの熱硬化性樹脂層の食み出し量を抑制できる形態に切断することのできる熱硬化性樹脂シートの切断加工方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の熱硬化性樹脂シートの切断加工方法は、熱硬化性樹脂層の両面にそれぞれ保護フィルムシートが剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シートを所要の形状に切断加工する方法であって、回転刃を、相互に圧着すべきワークに対応した所要形状に沿って移動させて前記一方の保護フィルムシートの側から切断し、前記回転刃の回転により発生する摩擦熱による加熱により、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂層の切断面を、熱硬化性樹脂層が最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ前記熱硬化性樹脂層が硬化し始めるガラス転移温度以下の温度範囲に保持して前記一方の保護フィルムシートおよび前記熱硬化性樹脂層を切断したのち、前記他方の保護フィルムシートに対し一部深さまで切断することを特徴としている。
請求項2に係る発明の熱硬化性樹脂シートの切断加工方法は、熱硬化性樹脂層の両面にそれぞれ保護フィルムシートが剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シートを所要の形状に切断加工する方法であって、回転刃を、相互に圧着すべきワークに対応した所要形状に沿って移動させて前記一方の保護フィルムシートの側から切断し、前記回転刃の回転により発生する摩擦熱による加熱により、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂層の切断面を、熱硬化性樹脂層が最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ前記熱硬化性樹脂層が硬化し始めるガラス転移温度以下の温度範囲に保持し、前記一方の保護フィルムシートおよび前記熱硬化性樹脂層を切断したのち、前記他方の保護フィルムに対しこれの厚みの1/4以上で、且つ3/4以下に達する深さ位置まで切断することを特徴としている。
請求項3に係る発明の熱硬化性樹脂シートの切断加工方法は、熱硬化性樹脂層の両面にそれぞれ保護フィルムシートが剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シートを所要の形状に切断加工する方法であって、回転刃を、相互に圧着すべきワークに対応した所要形状に沿って移動させて前記一方の保護フィルムシートの側から切断し、前記回転刃の回転により発生する摩擦熱による加熱により、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂層の切断面を、熱硬化性樹脂層が最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ前記熱硬化性樹脂層が硬化し始めるガラス転移温度以下の温度範囲に保持し、一方の保護シートおよび前記熱硬化性樹脂層を切断したのち、前記他方の保護フィルムに対しこれの厚みの1/4以上で、且つ1/2以下に達する深さ位置まで切断する部分と、前記他方の保護フィルムに対しこれの厚みの1/2以上で、且つ3/4以下に達する深さ位置まで切断する部分との段差部を切断先端部に設けるようにしたことを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、切断手段としての回転刃は、回転しながら、倣い制御により任意の方向に移動させることが可能であり、他の切断手段であるレーザ光も任意の方向に移動させることが可能であるから、これら切断手段を、熱硬化性樹脂シートに対し幅方向に沿って移動されたのちに長手方向に沿って移動するように倣い制御するようにすれば、熱硬化性樹脂シートを、相互に圧着すべき二つのうちの小さい方のワークに対応した形状に恰も切り出すように切断できる。したがって、この切断加工方法では、熱硬化性樹脂シートとして、互いに圧着すべき二つのワークのうちの小さい方における最も大きな形状のワークに対応できる幅を有するものを1種類だけ用意するだけで、多品種のワークの圧着に対応できる形状に切断することが可能となるから、熱硬化性樹脂シートの保管や管理が容易となって、その分だけコストダウンできるとともに、圧着すべきワークの種類が変わっても熱硬化性樹脂シートの交換が不要となり、生産性の向上を図ることができる。
また、熱硬化性樹脂層は熱を加えながら切断されるので、切断加工後の熱硬化性樹脂層における切断面およびこれの近傍箇所には樹脂硬化部が形成され、この樹脂硬化部は、二つのワークを相互に圧着する際に熱硬化性樹脂層に圧力が加えられた場合のワークからの食み出し量を抑制するように機能する。
さらに、熱硬化性樹脂層の形成材料である熱硬化性樹脂は、熱を加えて温度が上昇するにしたがって常温時の粘度から最低粘度まで一旦低下したのちに、温度上昇に伴って再び粘度が高くなって硬化する性質を有している。したがって、熱硬化性樹脂に、最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ熱硬化性樹脂が硬化し始めるガラス転移温度以下となる温度範囲に保持しながら切断することにより、熱硬化性樹脂層に樹脂硬化部を極めて効果的に形成することができ、前記目的を達成することができる。しかも、他方の保護フィルムシートを一部のみ切断するので、熱硬化性樹脂層により二つのワークを相互に圧着する際に、破断することなしに熱硬化性樹脂層2から容易に剥離できるようにすることができる。
請求項に係る発明によれば、請求項1に係る発明の場合に加え、さらに、切断加工した熱硬化性樹脂シートを用いて二つのワークを相互に圧着する工程において、切断加工した熱硬化性樹脂シートを、一方の保護フィルムシートを剥がしたのち、熱硬化性樹脂層における一方の保護フィルムシートの剥離により露出された面を一方のワークに仮圧着したのち、残存する他方の保護フィルムシートを引っ張ることにより、他方の保護フィルムシートが、全体の厚みに対し1/4以上の切断深さに設定された切欠きを介して確実に二つ折り状態となったのち、熱硬化性樹脂層との圧着面に沿った方向に引っ張り力を付与したときに、他方の保護フィルムシートが全体の厚みに対し3/4以下の深さに切断されていることにより、引っ張り力によって破断することがない。これにより、他方の保護フィルムシートを熱硬化性樹脂層からスムーズに剥離することができる。
請求項に係る発明によれば、請求項1、2に係る発明に加え、さらに、他方の保護フィルムシートに2段形状の切欠きを形成することができるので、この保護フィルムシートを熱硬化性樹脂層から剥離する際には、引っ張り力に抗して破断することなしに一層容易に二つ折り状態とすることができるので、他方の保護フィルムシートを熱硬化性樹脂層から一層容易に、且つ確実に剥離することができる。
請求項6に係る発明によれば、熱硬化性樹脂層の切断を容易、且つ確実に行うことができるとともに、熱硬化性樹脂層に仮貼付け状態で残存する保護フィルムシートに熱硬化性樹脂層に向けて拡開形状となる切欠きを形成できるから、上記保護フィルムシートの熱硬化性樹脂層からの剥離を一層容易に行うことができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る熱硬化性樹脂シート1の切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図、同図(b)は熱硬化性樹脂シート1の平面図である。(a)に示すように、熱硬化性樹脂シート1は、熱硬化性樹脂層2の両面に第1および第2保護フィルムシート3,4が剥離可能に仮貼付けされた構造を有しており、熱硬化性樹脂層2と第1保護フィルムシート3の圧着面23および熱硬化性樹脂層2と第2保護フィルムシート4の圧着面24は、共に移送上において簡単に剥離しない程度の圧着力を有して仮貼付けされている。ここで、第1の保護フィルムシート3と熱硬化性樹脂層2との圧着面23の圧着力は第2の保護フィルムシート4と熱硬化性樹脂層2との圧着面との圧着面24の圧着力よも若干大きく設定されている。
そして、この切断加工方法では、(b)に示すように、熱硬化性樹脂シート1を、図の左右方向に長い長尺状とする点において従来と同様であるが、長手方向に対し直交する幅Wを、互いに圧着すべき二つのうちの小さい方のワークにおける最も大きな形状のワークに対応できる寸法を有していることを特徴の一つとしている。
上記熱硬化性樹脂シート1の切断加工を行うに際しては、第1保護フィルムシート3が下方に位置する配置で熱硬化性樹脂シート1を台座7上に載置固定して、回転刃8により第2保護フィルムシート4および熱硬化性樹脂層2および第1保護フィルムシート3の一部を切断する。回転刃8は、回転しながら、倣い制御により任意の方向に移動させることが可能である。図1(b)に2点鎖線で切断軌跡を示したように、熱硬化性樹脂シート1は、回転刃8が幅W方向に沿って移動されたのちに長手方向に沿って移動するように倣い制御されることにより、圧着すべき二つのうちの小さい方のワークに対応した形状に恰も切り出すように切断される。したがって、この切断加工方法では、熱硬化性樹脂シート1として、互いに圧着すべき二つのワークの小さい方における最も大きな形状のワークに対応できる幅Wを有するものを1種類だけ用意するだけで、多品種のワークの圧着に対応できる形状に切断することが可能となる。そのため、この熱硬化性樹脂シート1の切断加工方法では、熱硬化性樹脂シート1の保管や管理が容易となって、その分だけコストダウンできるとともに、圧着すべきワークの種類に拘わらず熱硬化性樹脂シート1の交換が不要となり、生産性の向上を図ることができる。
また、上記切断加工方法では、切断加工の際に回転刃8と熱硬化性樹脂層2との間に発生する摩擦熱により、熱硬化性樹脂層2における切断面およびこれの近傍箇所に樹脂硬化部21が形成され、この樹脂硬化部21は、後述する二つのワークを相互に圧着する際に熱硬化性樹脂層2に圧力が加えられた場合のワークからの食み出し量を抑制するように機能する。但し、樹脂硬化部21を効果的に形成させるためには、回転刃8と熱硬化性樹脂層2との間に所定温度の摩擦熱が発生するように設定する必要がある。
図2は、熱硬化性樹脂層2の形成材料である熱硬化性樹脂の温度と粘度の関係を示した特性図である。熱硬化性樹脂は、熱を加えて温度が上昇するにしたがって常温時の粘度V2から最低粘度V1まで一旦低下したのちに、温度上昇に伴って再び粘度が高くなって硬化する。上記回転刃8により切断する際の摩擦熱によって熱硬化性樹脂層2に前記目的を達成するための樹脂硬化部21を効果的に形成するためには、熱硬化性樹脂が最低粘度V1となる最低粘度到達温度T1を超えたのち、常温時の粘度V2と同粘度に達する温度T2以上で、且つ熱硬化性樹脂が硬化し始めるガラス転移温度T3以下となる温度範囲の摩擦熱を発生させることが好ましい。そこで、回転刃8は、熱硬化性樹脂層2との間に上記温度範囲の摩擦熱が発生する回転数となるように回転制御される。
また、第1保護フィルムシート3を一部のみ切断するのは、後述の熱硬化性樹脂層2により二つのワークを相互に圧着する際に、破断することなしに熱硬化性樹脂層2から容易に剥離できるようにするためであり、そのために、所要の深さまで切断しておく必要がある。すなわち、図3に示すように、第1保護フィルムシート3の切断深さtは、保護フィルムシート3の全体の厚みTに対し1/4以上で、且つ3/4以下に設定する。この切断深さtに設定して一部切断した第1保護フィルムシート3には、一部切断した箇所に所要深さの切欠きが形成される。
つぎに、上述のように切断加工した熱硬化性樹脂シート1を用いて二つのワークを相互に圧着する工程について、図4を参照しながら説明する。先ず、図4(a)に示すように、上述のように切断加工した熱硬化性樹脂シート1は、上面側の第2の保護フィルムシート4を剥がしたのち、上下反転させた配置として、熱硬化性樹脂層2における第2保護フィルムシート4の剥離により露出された面を一方のワーク9に加熱しながら加圧して仮圧着する。そののち、残存する第1保護フィルムシート3を矢印で示す方向に引っ張ると、第1保護フィルムシート3は、保護フィルムシート3の全体の厚みTに対し1/4以上の切断深さtに設定された切欠き3aを介して確実に二つ折り状態となったのち、熱硬化性樹脂層2との圧着面23に沿った方向に引っ張り力が作用することにより、熱硬化性樹脂層2からスムーズに剥離される。このとき、切欠き3aは、保護フィルムシート3の全体の厚みTに対し3/4以下の切断深さtに設定されていることにより、引っ張り力によって破断することがない。
つぎに、図4(b)に示すように、保持機能を有する圧着ツール11に保持された他方のワーク10を、熱硬化性樹脂層2における第1保護フィルムシート3の剥離により露出した面に、加熱しながら加圧することにより、図4(c)に示すように、熱硬化性樹脂層2を介在して二つのワーク9,10が相互に圧着される。このとき、熱硬化性樹脂層2は、二つのワーク9,10に挟まれた状態で両側から加圧されるが、切断面とその近傍箇所に樹脂硬化部21が形成されていることにより、小さい方のワーク10から側方への食み出し量が確実に抑制される。
図5は上記第1の実施の形態の変形例の切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図である。この切断加工工程では、回転刃12の刃先を2段形状として、第1保護フィルムシート3に2段形状の切欠きを形成するようにしたものであり、その他は第1の実施の形態と同様である。第1保護フィルムシート3に形成する2段形状の切欠きは、第1段目深さt1を保護フィルムシート3の全体の厚みTに対し1/4以上で、且つ1/2以下に設定するとともに、第2段目深さt2を保護フィルムシート3の全体の厚みTの1/2以上で、且つ3/4以下に設定する。このような2段形状の切欠きを形成した第1保護フィルムシート3は、図3の切断加工工程により形成した切欠きの場合に比較して、引っ張り力に抗して破断することなしに一層容易に二つ折り状態とすることができるので、熱硬化性樹脂層2からさらに容易に剥離することができる。
図6は本発明の第2の実施の形態に係る熱硬化性樹脂シート1の切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図である。この実施の形態では、第1の実施の形態の回転刃8に代えて、レーザ光Lを切断手段として用いた点が異なるのみで、熱硬化性樹脂シート1の形状などは第1の実施の形態と同様である。
レーザ加工機13からは、熱硬化性樹脂シート1における切断すべき箇所にレーザ光Lを集光して照射される。このレーザ光Lが照射された熱硬化性樹脂シート1の熱硬化性樹脂層2および第1および第1保護フィルムシート3,4は、レーザ光Lを吸収して高温に加熱される結果、形成材料の溶融および蒸発が発生して切断される。
この実施の形態においても、切断手段としてのレーザ光Lを任意の方向に向け移動させながら切断することが可能であるから、第1の実施の形態と同様に、熱硬化性樹脂シート1として、互いに圧着すべき二つのワークの小さい方における最も大きな形状のワークに対応できる幅を有するものを1種類だけ用意するだけで、多品種のワークの圧着に対応できる形状に切断することが可能である。さらに、この実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、熱硬化性樹脂層2の切断箇所が図2で説明した温度範囲となるようにレーザ光を調整するとともに、第1保護フィルムシート3が図3で説明した深さまで切断されるようにレーザ光Lの集光点を調整する。
この切断加工方法では、第1の実施の形態と同様の効果が得られるのに加えて、回転刃8を倣い制御により移動させる場合に比較して、レーザ光Lの移動制御が容易であるから、切断加工を能率的に行って生産性の向上を図れる利点がある。また、レーザ光Lは、熱硬化性樹脂シート1の表面の直交方向に対する角度θが1度〜45度の範囲内となるように集光することが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂層2の切断を容易、且つ確実に行うことができるとともに、第1保護フィルムシート3に熱硬化性樹脂層2に向けて拡開形状となる切欠きが形成されるから、第1保護フィルムシート3の熱硬化性樹脂層2からの剥離を一層容易に行うことができる。
図7は本発明の第3の実施の形態に係る熱硬化性樹脂シート1の切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図である。この実施の形態では、第1の実施の形態の回転刃8に代えて、圧着すべき二つのうちの小さい方のワークに対応した形状の切断刃14aを先端部に有する切断型14を切断手段として用いるとともに、この切断型14をヒータなどの加熱手段17で加熱するようにした点が異なるのみで、熱硬化性樹脂シート1の形状などは第1の実施の形態と同様である。
上記切断型14は、加熱手段17により所定の温度に加熱された状態で、熱硬化性樹脂シート1に対し上方から加圧して切断刃14aが所定深さに達するまで切り込まれる。この実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、切断刃14aは、熱硬化性樹脂層2の切断箇所が図2で説明した温度範囲となるように加熱手段17により加熱されるとともに、切断型14は、切断刃14aの先端が第1保護フィルムシート3が図3で説明した深さまで達するように下降ストロークを設定して上下動される。
この切断加工方法では、第1の実施の形態と同様の効果が得られるのに加えて、回転刃8の倣い制御による移動またはレーザ光Lを移動制御する場合に比較して、切断型14を上下動させるだけでワークに対応した形状に即座に切り出すように切断することができるから、切断加工を一層能率的に行って生産性を格段に向上させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂シートの切断加工方法は、熱硬化性樹脂シートを圧着すべきワークに対応した任意の形状に切断することができるとともに、熱硬化性樹脂層を切断した後に残存する保護フィルムシートの剥離を容易に行えるように切断でき、さらに、切断後の熱硬化性樹脂層を加熱および加圧した際に熱硬化性樹脂層のワークからの食み出し量を抑制できる形態に切断することができるので、例えば、任意の二つのワークを相互に圧着する場合や、回路基板と半導体素子などの電子部品を接続する際の補強手段などに適用して、コストダウンおよび生産性の向上を図ることができる。
(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る熱硬化性樹脂シートの切断加工方法の切断加工工程を示す概略断面図、(b)は熱硬化性樹脂シートの平面図。 同上の熱硬化性樹脂シートにおける熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂の温度と粘度の関係を示した特性図。 同上の実施の形態における熱硬化性樹脂シートの第1保護フィルムシートの切断深さを説明するための概略断面図。 (a)〜(c)は同上の実施の形態により切断加工した熱硬化性樹脂シートを用いて二つのワークを互いに圧着する過程を工程順に示した概略断面図。 同上の第1の実施の形態の変形例の切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る熱硬化性樹脂シートの切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図。 本発明の第3の実施の形態に係る熱硬化性樹脂シートの切断加工方法を具現化した切断加工工程を示す概略断面図。 (a),(b)は何れも従来の熱硬化性樹脂シートを切断加工する工程を示す概略断面図。 (a)〜(c)は従来の熱硬化性樹脂シートにより二つのワークを相互に圧着する工程を順に示す概略断面図。
符号の説明
1 熱硬化性樹脂シート
2 熱硬化性樹脂層
3,4 保護フィルムシート
8,12 回転刃
9,10 ワーク
14 切断型
14a 切断刃
L レーザ光
V1 最低粘度
T1 最低粘度到達温度
T2 常温時の粘度と同粘度に達する温度
T3 ガラス転移温度

Claims (3)

  1. 熱硬化性樹脂層の両面にそれぞれ保護フィルムシートが剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シートを所要の形状に切断加工する方法であって、
    回転刃を、相互に圧着すべきワークに対応した所要形状に沿って移動させて前記一方の保護フィルムシートの側から切断し、前記回転刃の回転により発生する摩擦熱による加熱により、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂層の切断面を、熱硬化性樹脂層が最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ前記熱硬化性樹脂層が硬化し始めるガラス転移温度以下の温度範囲に保持して前記一方の保護フィルムシートおよび前記熱硬化性樹脂層を切断したのち、前記他方の保護フィルムシートに対し一部深さまで切断することを特徴とする熱硬化性樹脂シートの切断加工方法。
  2. 熱硬化性樹脂層の両面にそれぞれ保護フィルムシートが剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シートを所要の形状に切断加工する方法であって、
    回転刃を、相互に圧着すべきワークに対応した所要形状に沿って移動させて前記一方の保護フィルムシートの側から切断し、前記回転刃の回転により発生する摩擦熱による加熱により、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂層の切断面を、熱硬化性樹脂層が最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ前記熱硬化性樹脂層が硬化し始めるガラス転移温度以下の温度範囲に保持し、前記一方の保護フィルムシートおよび前記熱硬化性樹脂層を切断したのち、前記他方の保護フィルムに対しこれの厚みの1/4以上で、且つ3/4以下に達する深さ位置まで切断することを特徴とする熱硬化性樹脂シートの切断加工方法。
  3. 熱硬化性樹脂層の両面にそれぞれ保護フィルムシートが剥離可能に仮貼付けされてなる熱硬化性樹脂シートを所要の形状に切断加工する方法であって、
    回転刃を、相互に圧着すべきワークに対応した所要形状に沿って移動させて前記一方の保護フィルムシートの側から切断し、前記回転刃の回転により発生する摩擦熱による加熱により、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂層の切断面を、熱硬化性樹脂層が最低粘度となる最低粘度到達温度を超えたのちに常温時の粘度と同粘度に達する温度以上で、且つ前記熱硬化性樹脂層が硬化し始めるガラス転移温度以下の温度範囲に保持し、一方の保護
    シートおよび前記熱硬化性樹脂層を切断したのち、前記他方の保護フィルムに対しこれの厚みの1/4以上で、且つ1/2以下に達する深さ位置まで切断する部分と、前記他方の保護フィルムに対しこれの厚みの1/2以上で、且つ3/4以下に達する深さ位置まで切断する部分との段差部を切断先端部に設けるようにしたことを特徴とする熱硬化性樹脂シートの切断加工方法。
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