図1は本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置1の機械的構成を示す側断面図であって、図2は上面図である。また、図3は本実施の形態に係る組合せ計量装置1の全体構成を示すブロック図である。以下に、図1〜3を参照して本実施の形態に係る組合せ計量装置1について説明する。
<組合せ計量装置1の構成>
図1〜3に示されるように、組合せ計量装置1は、分散フィーダ2と、例えば24個のヘッド40と、集合排出シュート7と、リモコン10と、計量制御部30と、カメラ50とを備えている。
ヘッド40は上面視において環状に配置されている。そして、24個のヘッド40には1〜24までの番号が上面視での反時計回りの順に割り当てられており、ヘッド40は1番ヘッド40−1から24番ヘッド40−24までで構成されている。つまり、1番ヘッド40−1〜24番ヘッド40−24は、番号順に反時計回りに配置されている。ここで本明細書中の「環状」とは、円環状や多角形環状などを含む概念である。本実施の形態では、一例として円環状に配置されたヘッド40について説明する。
ヘッド40のそれぞれは、放射フィーダ3と、プールホッパ4と、計量ホッパ5と、ブースタホッパ6とを備えている。従って、放射フィーダ3、プールホッパ4、計量ホッパ5、及びブースタホッパ6も上面視においてそれぞれ環状に配置されている。なお図3では、1番ヘッド40−1〜24番ヘッド40−24に属する放射フィーダ3をそれぞれ放射フィーダ3−1〜3−24として示している。同様にして、1番ヘッド40−1〜24番ヘッド40−24に属するプールホッパ4をそれぞれプールホッパ4−1〜4−24として示し、計量ホッパ5をそれぞれ計量ホッパ5−1〜5−24として示し、ブースタホッパ6をそれぞれブースタホッパ6−1〜6−24として示している。
分散フィーダ2は扁平な円錐状の部材であって、その上方に設けられた供給コンベア90によって被計量物が供給される。分散フィーダ2は、その下部に設けられた図示しない電磁石によって上面が振動し、当該上面に供給された被計量物を周方向に分散させながら径方向に搬送し、各放射フィーダ3に被計量物を供給する。
放射フィーダ3は、それぞれステンレス鋼版を折り曲げて成形した板金製の部材であり、分散フィーダ2の周囲に沿って放射状に配置されている。各放射フィーダ3は、その下部に設けられた図示しない電磁石によって搬送面が振動し、その振動によって供給された被計量物を外方へ搬送する。そして、それ自身が属するヘッド40のプールホッパ4に被計量物を供給する。このように、各放射フィーダ3は被計量物を搬送する搬送部として機能する。放射フィーダ3の搬送能力は、搬送面での振動強度(振動振幅)及び振動時間によって調整することができる。従って、振動強度及び振動時間を調整することによって、各プールホッパ4に供給される被計量物の重量を所定範囲内にすることができる。なお、分散フィーダ及び放射フィーダの振動は計量制御部30によって制御される。
各プールホッパ4は、対応する放射フィーダ3の先端部の下方に配置されており、その放射フィーダから供給される被計量物を一時的に保持したり、排出したりする。各プールホッパ4には、その底部を開放及び閉鎖するゲート4aと、当該ゲート4aを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられており、当該ゲート4aは計量制御部30がステッピングモータを制御することによって開閉動作を行う。各プールホッパ4は、ゲート4aが閉じている状態ではその内部に被計量物を保持し、ゲート4aが開いている状態ではそれが属するヘッド40の計量ホッパ5に被計量物を排出する。
各計量ホッパ5は、対応するプールホッパ4の直下に配置されており、そのプールホッパ4から供給される被計量物を保持してその重量を計量する。具体的には、各計量ホッパ5にはロードセル20が設けられており、かかるロードセル20で被計量物の重量を計量する。各ロードセル20は計量した重量を計量信号として計量制御部30に出力する。なお図3では、1番ヘッド40−1〜24番ヘッド40−24に属する計量ホッパ5のロードセル20をそれぞれロードセル20−1〜20−24で示している。
また各計量ホッパ5には、その底部を開放及び閉鎖するゲート5a,5bと、当該ゲート5a,5bを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられており、当該ゲート5a,5bは計量制御部30がステッピングモータを制御することによって開閉動作を行う。各計量ホッパ5は、ゲート5a,5bがともに閉じている状態ではその内部に被計量物を保持する。そしてゲート5aが開いている状態では集合排出シュート7に被計量物を排出し、ゲート5bが開いている状態ではそれが属するヘッド40のブースタホッパ6に被計量物を排出する。
各ブースタホッパ6は、対応する計量ホッパ5の、若干組合せ計量装置1の中心寄りの下方に配置されており、その計量ホッパ5から供給された被計量物を一時的に保持したり、排出したりする。各ブースタホッパ6には、その底部を開放及び閉鎖するゲート6aと、当該ゲート6aを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられており、当該ゲート6aは計量制御部30がステッピングモータを制御することによって開閉動作を行う。各ブースタホッパ6は、ゲート6aが閉じている状態ではその内部に被計量物を保持し、ゲート6aが開いている状態では集合排出シュート7に被計量物を排出する。
集合排出シュート7は、後述する組合せ演算により選択された計量ホッパ5あるいはブースタホッパ6から排出される被計量物を、一箇所に集合して下方に排出する。そして、集合排出シュート7から排出された被計量物は、後続の包装装置等へ供給される。
計量制御部30は、24個の増幅器21と、CPU31と、ROM32と、RAM33と、マルチプレクサ34と、A/D変換器35と、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)36とを備えている。CPU31は、主として組合せ計量装置1での計量動作を制御する。増幅器21は、ロードセル20のそれぞれに対応して個別に設けられており、ロードセル20からの計量信号を増幅してマルチプレクサ34に出力する。マルチプレクサ34は、DSP36の命令に従って、各増幅器21から受け取った増幅後の計量信号のうちから一つを選択してA/D変換器35に出力する。A/D変換器35は、アナログ信号である計量信号をデジタル信号に変換してDSP36に出力する。DSP36は、主にデジタル信号に変換後の計量信号に対してフィルタリングを行い、フィルタリング後の計量信号をCPU31に出力する。そしてCPU31は、受け取った計量信号をRAM33に記憶する。なお、CPU31、ROM32、RAM33、及びDSP36は相互にバス接続されており、ROM32にはCPU31が動作するための動作プログラム等が記憶されている。
リモコン10は、タッチパネル11と表示制御部12とを備えている。タッチパネル11は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であって、画像を表示する表示部と、オペレータが組合せ計量装置1に関する各種設定を行う操作部とを兼用している。オペレータは、タッチパネル11に表示されるボタンを押すことにより組合せ計量装置1に対して各種入力を行うことができる。表示制御部12は、タッチパネル11の表示制御を行ったり、タッチパネル11から入力されるデータをCPU31に出力したりする。
カメラ50は、ヘッド40の動作状況を撮影し、撮影した映像を画像データとして表示制御部12に出力する。表示制御部12は、受け取った画像データに基づいてタッチパネル11を駆動し、ヘッド40の動作状況をリアルタイムにタッチパネル11に表示させる。なお、この点については後で詳細に説明する。
<組合せ計量装置1の計量動作>
次に、上述のような構成を有する組合せ計量装置1の計量動作について説明する。まず被計量物は供給コンベア90から落下し、分散フィーダ2上に供給される。このとき、分散フィーダ2はCPU31の指示により振動しているため、被計量物は分散フィーダ2から振動を受けて、分散フィーダ2上を外方へと移動する。そして、被計量物は各放射フィーダ3に到達する。
CPU31は、24個のプールホッパ4−1〜4−24のうち、空となるプールホッパ4−n(1≦n≦24)が存在する場合には、当該プールホッパ4−nに対応する放射フィーダ3−nの搬送面を振動させる。被計量物は、この振動を受けて放射フィーダ3−n上を外方へと移動し、空のプールホッパ4−n内に送られる。同様にして、プールホッパ4−n以外のプールホッパ4にも被計量物が供給される。
またCPU31は、24個の計量ホッパ5−1〜5−24のうち、空となる計量ホッパ5−m(1≦m≦24)が存在する場合には、当該計量ホッパ5−mの上方に位置するプールホッパ4−mのゲート4aを開くことによって、当該計量ホッパ5−mへ被計量物を送る。それと同時に、計量ホッパ5−mに被計量物を供給した旨をDSP36に通知する。
計量ホッパ5−mは、被計量物を受け取って保持すると、その保持する被計量物の重量をロードセル20−mにより計量する。そして計量ホッパ5−mは、計量した重量を計量信号として対応する増幅器21に出力し、増幅器21により増幅された計量信号は、マルチプレクサ34に入力される。同様にして、計量ホッパ5−m以外の計量ホッパ5からも計量信号が出力されて、増幅後マルチプレクサ34に入力される。
DSP36は、マルチプレクサ34に対して、ロードセル20−mからの計量信号を選択するように指示し、マルチプレクサ34はその指示に従って、入力される計量信号のうち、ロードセル20−mからの計量信号を選択してA/D変換器35に出力する。A/D変換器35は、DSP36から送られるタイミング信号に従ってアナログ信号である計量信号をデジタル信号に変換し、DSP36に出力する。DSP36は、デジタル信号の計量信号をフィルタリングしてCPU31へ出力し、CPU31は、フィルタリング後の計量信号を計量ホッパ5−mに保持される被計量物の重量としてRAM33に記憶する。
そしてCPU31は、ブースタホッパ6−mが空になると、計量ホッパ5−mのゲート5bを開けて、計量ホッパ5−m内の被計量物をブースタホッパ6mに供給する。同時に、RAM33に記憶されている計量ホッパ5−m内の被計量物の重量(計量信号)を、ブースタホッパ6−m内の被計量物の重量としてRAM33に記憶し、それまでRAM33に記憶されていた、計量ホッパ5−m内の被計量物の重量をリセットする。その後、計量ホッパ5−m内に被計量物が供給されると、RAM33は同様にしてその重量を記憶する。
このようにして、RAM33には、各計量ホッパ5に保持されている被計量物の重量と、各ブースタホッパ6に保持されている被計量物の重量とが記憶される。
またCPU31は、RAM33に記憶されている被計量物の各重量の組合せ演算を行う。具体的には、RAM33に記憶されている、各計量ホッパ5内の被計量物の重量及び各ブースタホッパ6内の被計量物の重量の中から、予め設定された許容範囲内の合計重量となるような重量の組合せを求める。そしてCPU31は、計量ホッパ5及びブースタホッパ6の中から、求めた組合せを構成する重量の被計量物を保持する各ホッパを選択し、それらのゲートを開ける。なお、計量ホッパ5が選択される場合には、ゲート5a,5bのうちゲート5aのみが開けられる。これにより、組合せ演算の結果から選択された各ホッパ内の被計量物が集合排出シュート7に供給されて、所定の許容範囲内の重量を示す被計量物が包装装置等に送られる。以後、組合せ演算の結果により選択された各ホッパから排出される被計量物の合計重量を「組合せ重量」と呼ぶ。
本実施の形態に係る組合せ計量装置1は、分散フィーダ2及びヘッド40を複数のチャネルに分割することにより、1台で複数種類の組合せ演算を行うことも可能である。例えば、仕切りを設けるなどして分散フィーダ2を2つの領域に分割し、さらに24個のヘッド40も、1番ヘッド40−1〜12番ヘッド40−12までと、13番ヘッド40−13〜24番ヘッド40−24までとに分割する。そして、分散フィーダ2の2つの領域に異なった種類の被計量物を供給し、一方の領域に供給された被計量物を1番ヘッド40−1〜12番ヘッド40−12までに供給し、他方の領域に供給された被計量物を13番ヘッド40−13から24番ヘッド40−24までに供給する。CPU31は、1番ヘッド40−1〜12番ヘッド40−12までに供給された被計量物の各重量の組合せ演算と、13番ヘッド40−13〜24番ヘッド40−24までに供給された被計量物の各重量の組合せ演算とをそれぞれ独立して行い、それらの演算結果に基づいて、被計量物を排出するホッパを選択する。これにより、分散フィーダ2の一方の領域及び1番ヘッド40−1〜12番ヘッド40−12で構成されるチャネルと、分散フィーダ2の他方の領域及び13番ヘッド40−13〜24番ヘッド40−24で構成されるチャネルとから、所定の許容範囲内の重量を有する被計量物がそれぞれ排出される。
<タッチパネル11での表示内容>
次に、組合せ計量装置1のタッチパネル11での表示内容について説明する。図4はタッチパネル11の表示画面の一例を模式的に示す図である。以下に、図4を参照してタッチパネル11の表示内容について説明する。なお、以下の図4を参照して説明する例においては、本組合せ計量装置1は2つのチャネルC1,C2を備えており、チャネルC1は、2つに分割された一方の分散フィーダ2と13番ヘッド40−13〜24番ヘッド40−24とで構成されており、チャネルC2は、他方の分散フィーダ2と1番ヘッド40−1〜12番ヘッド40−12とで構成されている。
図4に示されるように、タッチパネル11には、チャネル番号を示す文字列100a,100bと、チャネルC1から排出される被計量物の組合せ重量を示す文字列101aと、チャネルC2から排出される被計量物の組合せ重量を示す文字列101bと、動画像102と、ヘッド40の動作パラメータに関する情報を示すレーダーグラフ103とが表示されている。更にタッチパネル11には、表示ボタン150〜153と、設定ボタン154,155と、表示切換ボタン156とが表示されている。
動画像102は、カメラ50で撮影されたヘッド40の動画像であって、ヘッド40の動作状況をリアルタイムに示している。また、動画像102はタッチパネル11の画面の約左半分に示されている。本例では、カメラ50は分散フィーダ2の上方に設置されており、分散フィーダ2と放射フィーダ3とを撮影することが可能となっている。従って、動画像102は、分散フィーダ2及び放射フィーダ3の動作状況をリアルタイムに示している。この動画像102のライブ表示は、表示制御部12がカメラ50から送られてきた画像データに基づいてタッチパネル11を駆動することによって実現される。なお図4では、動画像102を模式的に示しており、図面の煩雑さを避けるために、実際には表示される被計量物の図示を省略している。
レーダーグラフ103は、タッチパネル11の画面の約右半分に示されており、動画像102の横に並んで表示されている。レーダーグラフ103は、同心円状に配置された、半径の異なる6つの円103aと、これらの6つの円103aの中心Oから径方向に沿って最も外側の円103aまで延び、かつ周方向に等間隔で並ぶ24本の直線103bとを含んで構成されている。そして、それぞれが、互いに隣り合う2本の直線103bと最も外側の円103aとで囲まれる24個の扇形領域103cは放射状に配置されており、第1ヘッド40−1〜第24ヘッド40−24までと反時計回りの順でそれぞれ対応している。つまり、24個の扇形領域103cは、対応するヘッド40の番号の順に反時計回りに配置されている。
また、扇形領域103cの一部である領域103dのそれぞれは、互いに隣り合う2本の直線103bと、最も外側の円103aと、外側から2番目の円103aとで囲まれており、オペレータがヘッド40に関する設定を行う際に使用する設定ボタン157として機能する。各設定ボタン157には対応するヘッド40の番号が示されており、オペレータは設定ボタン157を押すことによって、その番号が示すヘッド40に関する設定、本画面では放射フィーダ3での振動時間や振動強度の設定を行うことが可能となる。このヘッド40に関する設定については後で詳細に説明する。
また、扇形領域103cのそれぞれには、対応するヘッド40の動作パラメータに関する情報が示されている。ここで、ヘッド40の動作パラメータとは、タッチパネル11で設定されたヘッド40に関する設定値や予めROM32に記憶されているヘッド40に関する設定値の初期値などを含む動作条件パラメータ(入力パラメータ)、あるいは放射フィーダ3での実働による搬送量や各チャンネルでの組合せ重量などを含む動作状況パラメータ(出力パラメータ)、あるいはその両方を含むものである。
図4の例では、扇形領域103cのそれぞれには、対応するヘッド40の動作条件パラメータ及び動作状況パラメータに関する情報がともに示されている。動作条件パラメータに関する情報としては、放射フィーダ3での振動時間と振動強度の値がそれぞれ丸印103e及び三角印103fでプロットされており、隣り合う2つの扇形領域103cの丸印103eと、隣り合う2つの扇形領域103cの三角印103fとはそれぞれ直線で結ばれている。以後、丸印103eとそれらを結ぶ直線とで構成される図形を「振動時間グラフBT」と呼び、三角印103fとそれらを結ぶ直線とで構成される図形を「振動強度グラフBA」と呼ぶ。
また本例では、動作状況パラメータに関する情報としては、放射フィーダ3での実働による搬送量に関する情報(以後、「搬送量情報」と呼ぶ)が示されている。より具体的には、扇形領域103cのそれぞれには、搬送量情報として、対応するヘッド40での被計量物の移動平均重量(以後、「ヘッド平均重量」と呼ぶ)の値が四角印103gでプロットされており、隣り合う2つの扇形領域103cの四角印103gは直線で結ばれている。ここで、ヘッド平均重量とは、計量ホッパ5で計量された被計量物の重量を計量サイクル毎に計算した移動平均重量である。なお以後、四角印103gとそれらを結ぶ直線とで構成される図形を「ヘッド平均重量グラフHW」と呼ぶ。
更に、チャネルC1を構成する13番ヘッド40−13〜24番ヘッド40−24に対応する扇形領域103cには、チャネルC1全体での被計量物の平均重量の値が中心Oを中心とする半円孤の曲線103hで示されており、チャネルC2を構成する1番ヘッド40−1〜12番ヘッド40−12に対応する扇形領域103cには、チャネルC2全体での被計量物の平均重量の値が中心Oを中心とする半円孤の曲線103iで示されている。ここで、チャネル全体での被計量物の平均重量(以後、「チャネル平均重量」と呼ぶ)とは、計量ホッパ5で計量された被計量物の重量をチャネル全体の平均値で表したものである。なお、曲線103h,103iをあわせて「チャネル平均重量グラフCW」と呼ぶことがある。
上述の本組合せ計量装置1の計量動作の説明からも理解できるように、ヘッド平均重量は放射フィーダ3での実働による搬送量によって変化するため、各チャネルのチャネル平均重量も、それぞれを構成するヘッド40個々の放射フィーダ3での搬送量によって変化する。従って、チャネル平均重量の値も、ヘッド平均重量の値と同様に放射フィーダ3の搬送量情報であると言える。つまり各チャネルのチャネル平均重量の値は、それぞれを構成する複数のヘッド40に共通の搬送量情報であって、各チャネルを構成するヘッド40に対応する扇形領域103cのそれぞれには、共通の搬送量情報が示されている。
なお、レーダーグラフ103において示されている値は、中心Oから径方向に遠ざかる程大きい値を意味している。また、外側から3番目の円103aと、4番目の円103aとで囲まれている、右上がりの斜線で示された適正領域103jは、チャネル平均重量の値の適正範囲を示しており、チャネル平均重量グラフCW(曲線103h,103i)がこの適正領域103jに入っていれば、放射フィーダ3での振動時間及び振動強度は一応適正であると判断される。また、レーダーグラフ103においては、振動時間グラフBT、振動強度グラフBA、ヘッド平均重量グラフHW、及びチャネル平均重量グラフCWは互いに異なった表示色で示される。
表示ボタン150〜153は、振動時間グラフBT,振動強度グラフBA,ヘッド平均重量グラフHW,チャネル平均重量グラフCWを表示させる際にそれぞれ使用されるボタンであって、オペレータが各表示ボタン150〜153を押すと、それに対応するグラフがタッチパネル11上に表示され、再度同じ表示ボタンを押すと、対応するグラフは表示されなくなる。
設定ボタン154,155は、ヘッド40に関する設定値を変更する際に使用されるボタンである。図4に示される画面では、ヘッド40に関する設定としては、放射フィーダ3での振動時間及び振動強度の設定を行うことが可能である。放射フィーダ3での振動時間を設定する場合には、まず表示ボタン150を押して振動時間グラフBTをレーダーグラフ103上に表示させる。次に、設定対象のヘッド40に対応した設定ボタン157を押す。これによって、押された設定ボタン157の表示色が変化して、他の設定ボタン157とは異なるようになり、設定対象のヘッド40が選択される。このとき、複数の設定ボタン157を押すことによって、設定対象のヘッド40を複数同時に選択することができる。そして、振動時間を増加させたい場合には設定ボタン154を押し、減少させたい場合には設定ボタン155を押す。これによって、放射フィーダ3での振動時間を所定量増加させたり、減少させたりすることができる。なお、設定ボタン157を複数押した場合には、放射フィーダ3での振動時間の設定が複数ヘッド同時に行われる。
また、放射フィーダ3での振動強度を設定する場合には、まず表示ボタン151を押して振動強度グラフBAを表示させる。次に、設定対象のヘッド40に対応した設定ボタン157を押して、設定対象のヘッド40を選択する。そして、振動強度を増加させたい場合には設定ボタン154を押し、減少させたい場合には設定ボタン155を押す。これによって、放射フィーダ3での振動強度を所定量増加させたり、減少させたりすることができる。この場合でも、振動時間を設定する場合と同様に、設定ボタン157を複数押した場合には、放射フィーダ3での振動強度の設定が複数ヘッド同時に行われる。なお図4では、ヘッド2,3,5〜7,16,20に対応する設定ボタン157が押された状態のレーダーグラフ103が示されており、押された設定ボタン157と、それら以外の設定ボタンとの表示色の差異を示すために、図4では押された設定ボタン157とそれ以外の設定ボタン157とに異なったハッチングを施している。
表示切換ボタン156はタッチパネル11の表示画面を切り換える際に使用されるボタンであって、オペレータがこの表示切換ボタン156を押すと、タッチパネル11の表示画面が、図4に示される画面から上述の特許文献1の図11に示される画面へと切り替わる。このような表示切換ボタン156を設けることによって、特許文献1の図11に示される形態での画面表示に慣れ親しんでいるオペレータにとっても操作性の優れた組合せ計量装置1を提供することができる。なお特許文献1の技術では、ヘッド数が16個であるため、図11に示される画面ではヘッド番号が16番までしか表示されていないが、本実施の形態の組合せ計量装置1では24個のヘッド40を設けているため、ヘッド番号は24番まで表示されることになる。
以上のような文字列100a,100b,101a,101b、レーダーグラフ103、表示ボタン150〜153、設定ボタン154,155及び表示切換ボタン156は、表示制御部12の働きによってタッチパネル11に表示される。まず、文字列100a,100b,101a.101bの表示方法について説明すると、表示制御部12はチャネル番号とその番号のチャネルでの組合せ重量とをチャネルごとにCPU31から受け取り、それらの情報に基づいて文字列100a,100b,101a,101bのもとになる画像データを生成する。そして、その画像データに基づいてタッチパネル11を駆動することによって、文字列100a,100b,101a,101bが表示される。
また、レーダーグラフ103を表示する際には、まず表示制御部12は、各計量ホッパ5内の被計量物の重量と、各ブースタホッパ6内の被計量物の重量とをCPU31から受け取り、それらをもとに各ヘッド40におけるヘッド平均重量の値と、各チャネルにおけるチャネル平均重量の値を求める。更に表示制御部12は、ROM32に予め記憶されている、各放射フィーダ3での振動時間及び振動強度の初期値をCPU31から受け取る。そして表示制御部12は、これらの値を利用してレーダーグラフ103のもとになる画像データを生成し、この画像データに基づいてタッチパネル11を駆動する。これにより、タッチパネル11にはレーダーグラフ103が表示される。
また表示制御部12は、各計量ホッパ5内の被計量物の重量と各ブースタホッパ6内の被計量物の重量とをCPU31から新たに受け取ると、それらをもとにしてヘッド平均重量の値とチャネル平均重量の値を新たに計算し、ヘッド平均重量グラフHWの表示とチャネル平均重量グラフCWの表示を更新する。これにより、レーダーグラフ103上の、ヘッド40の動作状況パラメータに関する情報は、ヘッド40の動作状況に応じてリアルタイムで更新される。
また表示制御部12は、オペレータによって設定ボタン157が押されると、その情報をタッチパネル11から受け取って、押された設定ボタン157の表示色を変化させる。そして、続いて設定ボタン154あるいは設定ボタン155がオペレータによって押されると、表示制御部12は、タッチパネル11からその情報を受け取り、現在設定している放射フィーダ3での振動時間あるいは振動強度の値を所定量変化させて、変化後の振動時間あるいは振動強度の値に基づいて振動時間グラフBTの表示あるいは振動強度グラフBAの表示を更新する。これと同時に、表示制御部12は、変更後の振動時間あるいは振動強度をCPU31に通知し、それを受け取ったCPU31は、変更後の振動時間あるいは振動強度に基づいて放射フィーダ3の動作制御を行う。
また表示制御部12は、表示ボタン150〜153のいずれかが押されると、その情報をタッチパネル11から受け取って、押された表示ボタンに対応するグラフをタッチパネル11に表示させたり、非表示させたりする。また表示制御部12は、表示切換ボタン156が押されると、その情報をタッチパネル11から受け取って、表示画面を変化させる。
以上のようにして、タッチパネル11には、文字列100a等の各種情報と、表示ボタン150等の各種ボタンとが表示される。なお、図4に示される表示画面では、動画像102は、第1ヘッド40−1に属する放射フィーダ3−1が画像中で下側に位置するように表示されており、またレーダーグラフ103は、第1ヘッド40−1に対応する扇形領域103cがグラフ中で下側に位置するように表示されている。つまり、動画像102中において第1ヘッド40−1に属する放射フィーダ3が占める位置と、レーダーグラフ103中において第1ヘッド40−1に対応する扇形領域103cが占める位置とは対応している。そして、同様のことが、第2ヘッド40−2から第24ヘッド40−24についても言える。従って、動画像102中において第1ヘッド40−1〜第24ヘッド40−24に属する放射フィーダ3が占める位置と、レーダーグラフ103中において第1ヘッド40−1〜第24ヘッド40−24に対応する扇形領域103cが占める位置とはそれぞれ対応している。
次に、本実施の形態に係るタッチパネル11での他の表示画面について説明する。図5は、計量ホッパ5のステッピングモータに駆動エラーが発生した場合のタッチパネル11での表示画面を模式的に示す図である。図5に示されるように、計量ホッパ5のステッピングモータに駆動エラーが発生すると、組合せ計量装置1のイラスト200が画面の左半分に表示される。イラスト200では、本組合せ計量装置1の側面図が模式的に示されており、エラー発生箇所を示す部分が他の部分とは異なる色、例えば赤色で表示されている。本例では、計量ホッパ5のステッピングモータに駆動エラーが発生しているため、計量ホッパ5を示す部分が赤色で表示される。これにより、オペレータはエラー発生箇所を視覚的に迅速に認識することができる。
またタッチパネル11には、文字列201〜204と、対処ボタン210が画面右側に表示される。文字列201,202はエラー名を示す文字列であって、文字列201で概略のエラー名を表示し、文字列202で詳細なエラー名を表示している。本例では、文字列201として「WH エラー」が表示されており、文字列202として「ステッピングモータ駆動エラー」が表示されている。
文字列203はエラーが発生した箇所を示す文字列である。例えば、第1ヘッド40−1〜第24ヘッド40−24に属する計量ホッパ5にエラーが発生した場合には、文字列203としてそれぞれ「WH1」〜「WH24」が表示される。本例では、第1ヘッド40−1に属する計量ホッパ5にエラーが発生したため、図5に示されるように文字列203として「WH1」が表示されている。また、文字列204は対処ボタン210の機能を説明する文字列である。なお、文字列201〜203は赤色で表示される。
本実施の形態では、エラー名の概略を示す文字列201を、他の文字列202〜204よりも大きく表示している。これにより、オペレータは現在発生しているエラーの概略を迅速に認識することができ、効率的なトラブル対処を実行できる。
対処ボタン210は、オペレータがトラブルシューティングを行う際に使用するボタンである。対処ボタン210がオペレータによって押されると、タッチパネル11の画面は例えばトラブルシューティング方法を表示する画面に切り換わり、オペレータはこの画面に表示された方法に従ってトラブル対処を行うことができる。また、対処ボタン210が押されると、実際にエラーが発生している箇所の調整画面を表示しても良い。本例では、ステッピングモータの調整画面に表示を切り換えても良い。このような対処ボタン210を設けることによって、素早いトラブル対処が可能になる。
なお、頻繁に生じるエラーに対する対処方法やエラー現象については写真等によってWebサイトで閲覧できるようにしても良い。この場合には、対処ボタン210が押下されると、予め搭載されているブラウザーが起動し、オペレータは対処方法やエラー現象が掲載されたサイトを閲覧できるようになる。これにより、対処方法やエラー現象に関するより詳細な情報をオペレータに提示することができ、オペレータは効率良くトラブル対処が実行できる。
また、エラー発生箇所が詳細に特定されている場合には、図6に示されるように、イラスト200の替わりにイラスト300を表示しても良い。イラスト300では、分散フィーダ、計量ホッパ5及びブースタホッパ6の斜視図が模式的に示されており、エラー発生箇所を示す部分が他の部分とは異なる色、例えば赤色で表示されている。本例では、第1ヘッド40−1に属する計量ホッパ5のステッピングモータに駆動エラーが発生しているため、かかる計量ホッパ5を示す部分が赤色表示されている。ここでイラスト300において、計量ホッパ5及びブースタホッパ6を示す部分に付された数字は、それらが属するヘッド40の番号を示している。このように、エラー発生箇所をより具体的にイラスト表示することによって、より効率的なトラブル対処を実行できる。なお、図5,6に示すような表示は、CPU31からエラー情報を受け取った表示制御部12が、そのエラー情報に基づいて画像データを生成し、生成した画像データに基づいてタッチパネル11を駆動することによって実現できる。
以上のように、本実施の形態に係る組合せ計量装置1では、対応するヘッド40の番号の順に反時計回りに配置され、かつ中心を共通としている複数の扇形領域103cのそれぞれには、対応するヘッド40の動作パラメータに関する情報が丸印や曲線などの図形によって表示されている。そして、円環状に設けられた複数のヘッド40は、それぞれに割り当てられた番号の順に反時計回りに配置されている。
このように、本組合せ計量装置1では、複数のヘッド40の動作パラメータに関する情報は、ヘッド40の実際の配置に対応した並びでグラフィック表示されている。そのため、特許文献1のように動作パラメータに関する情報を文字情報で表示する場合よりも、すべてのヘッド40の動作パラメータに関する情報や、動作パラメータに関する情報とヘッド40との対応関係を視覚的に認識しやすくなる。従って、ヘッド40の動作パラメータに関する情報を参照してヘッド40の調整が行いやすくなる。
例えば、特定のヘッド40における放射フィーダ3の振動強度を調整する必要が生じた場合、レーダーグラフ103を参照することによって、その調整対象のヘッド40の放射フィーダ3における現在の振動強度の設定値を迅速に認識することができるし、ヘッド40全体における振動強度のバランスを考慮して、対象ヘッド40の放射フィーダ3を調整することができる。
また本組合せ計量装置1では、ヘッド40の動作パラメータに関する情報が表示された状態で、設定ボタン157等を利用してタッチパネル11でのヘッド40に関する設定が可能であるため、ヘッド40の動作パラメータに関する情報をタッチパネル11で確認しながらヘッドの設定が行える。例えば、各ヘッド40でのヘッド平均重量を確認しながら、放射フィーダ3での振動強度の調整を行うことができる。その結果、ヘッド40の調整が行いやすくなる。
また本組合せ計量装置1では、放射フィーダ3での振動時間の設定値等のヘッド40に関する設定値と、ヘッド平均重量等の放射フィーダ3での搬送量情報とが同時に表示され、かつこの状態で設定ボタン157等を利用してヘッド40の設定が行える。そのため、オペレーターは、実際の搬送量情報と現在の設定値とをタッチパネル11で同時に確認しながらヘッド40の設定を行うことができる。従って、ヘッド40の調整が容易になる。
また本組合せ計量装置1では、カメラ50で撮影されたヘッド40の動作状況をリアルタイムで示す動画像102が表示され、かつこの状態でヘッド40の設定が行えるため、ヘッド40の実際の動作状況をタッチパネル11で確認しながらヘッド40の設定が行える。従って、ヘッド40の調整が行いやすくなる。例えば、各放射フィーダ3での被計量物の搬送状況をタッチパネル11の動画像102で確認しながら、放射フィーダ3での振動時間や振動強度などを設定することができる。
また、複数の設定ボタン157を押すことによって、複数のヘッド40に関する設定を同時に行うことができるため、ヘッド40個々に設定を行う場合よりも設定に必要な時間を短縮することができる。その結果、作業性が向上する。
なお、本実施の形態に係る組合せ計量装置1では、動作パラメータに関する情報をレーダーグラフ103で表示したが、色の濃淡や色の違いによってグラフィック表示しても良い。例えば、図4に示される各扇形領域103cに、対応するヘッド40における放射フィーダ3での振動時間の設定値を表示する場合、値が大きくなるほど色が濃くなるように各扇形領域103cを色分けしても良い。また、温度を表示する際に良く採用される表示方法と同様に、値が大きくなるにつれて青色から赤色に色相が変化するように各扇形領域103cを色分けしても良い。
また本実施の形態では、放射フィーダ3での搬送状況を動画像102でリアルタイムに表示した状態で、放射フィーダ3での振動時間及び振動強度の設定が可能であるように構成したが、同様にして、カメラ50をプールホッパ4や計量ホッパ5、あるいはブースタホッパ6のゲートが撮影できる位置に配置し、当該ホッパのゲートの開閉状況をリアルタイムに表示した状態で、ゲートの開閉時間の設定が可能になるように構成しても良い。これにより、実際のゲートの開閉状況をタッチパネル11で確認しながらゲート開閉時間を設定することができ、ヘッドの調整が容易になる。
また本実施の形態に係る組合せ計量装置1では、ヘッドに関する設定を行う設定部と画像を表示する表示部とを兼用するタッチパネル11が設けられているが、かかる設定部と表示部とを個別に設けてよい。例えば、設定部としてキーボードを、表示部としてCRTをそれぞれ設けても良い。