JP4391022B2 - 溶融金属を含有するコンテナ用のスライディング・ゲート・バルブ - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、請求項1の前特徴部分に記載のスライディング・ゲート・バルブ、および関連するスライダ・ユニットに関する。
【0002】
欧州特許EP−A−0277146公報に開示されている公知のスライディング・ゲート・バルブにおいては、耐火性バルブ・プレートを収納したスライディング・キャリッジとしての構造であり、長手方向の動きができるように両側にローラをもつ長手方向に摺動可能なスライダ・ユニットが提供されている。設置状態においては、スライディング・キャリッジがフレーム上のガイド・トラック上をローラによって長手方向に案内される。そのローラは複数のスプリング・エレメントによって、ハウジングの上側部分に垂直方向に動くことができるように取り付けられている。ハウジング上部のその部分が取外し可能となるように、溶融金属を運ぶコンテナの出口に固定されている。
【0003】
スライダ・ユニットは、フレームおよびハウジングの上側部分から取外すことができて、特に、プレート交換時には、スプリング・エレメントを緩める高さを通してガイド・トラックが下がる開閉位置外の位置へスライダ・ユニットを動かすことができ、それによってスライダ・ユニットを取り外すことができる。ガイド・トラックを具備したフレームはハウジングと同じ構造となるので容積が嵩張り、比較的複雑な構造となり、その結果製造するには費用がかかる。
【0004】
このような背景に対して、本発明の目的は簡単な構造で、かつさらに経済的に製作できる上記で説明した種類のスライディング・ゲート・バルブを提供することである。
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴部分の形態によって本発明に従って達成される。
【0006】
本発明によるスライディング・ゲート・バルブは、同じストローク、同じプレートサイズの上記で説明した公知のバルブに比較して、特に長さおよび幅に関して寸法的に小型になる。さらに、ハウジングフレームが不要となることから、さらに経済的に製作できるものである。
【0007】
しかし、例えば、ハウジング上部からの自動取り外しおよびハウジング上部への自動クランプなどの公知のスライディング・ゲート・バルブの長所は、本発明によるスライディング・ゲート・バルブに充分に取り入れられている。
【0008】
本発明によるスライディング・ゲート・バルブのさらなる実質的な長所は、ハウジング部から取外し後、ハウジング部の一方または他方の外側に設けられた、スライド方向と平行に延びる回転軸回りのヒンジによってスライダ・ユニットが回動可能に取り付けられていることにある。したがって、効果的な取鍋の多数の取付け条件によって、スライダ・ユニットを水平および非垂直方向に揺動することができる。
【0009】
本発明を例証する実施形態および長所を以下の図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0010】
図1は、溶融金属を内部に有するコンテナの出口でのスライディング・ゲート・バルブ20を示す。耐火性材料で配置されているこのコンテナの外側鋼製殻13および耐火ノズルブリック17しか示されていない。特に、このコンテナは溶融金属が導入される連続鋳造設備に使われる取鍋である。耐火性スリーブ11がスライディング・ゲート・バルブ20のハウジング部14内に固定されている。上側の耐火性バルブ・プレート22にごく接近してコンテナの出口開口部12を形成している。長手方向に動くことができるスライダ・ユニット30内に取り付けられた耐火性バルブ・プレート23が、スプリング・エレメント26によって上側のプレート22に押し付けられている。交換可能な耐火性出口スリーブ16は耐火性バルブ・プレート23に隣接している。このプレート23は、バルブ20を開閉する働きをし、この働きのためにプレート23は、プレート23を保持するスライダ・ユニット30とともにドライブ・エレメントによって摺動できるように配置されている。
【0011】
本発明によると、スライダ・ユニット30は、長手方向に垂直に延びた複数の取付け手段40によってハウジング部14に長手方向に動けるように取り付けられている。これら取付け手段40はハウジング部14に取り付けられていて、さらにスライダ・ユニット30に形成された各ガイド・トラックを摺動するガイド手段を具備している。
【0012】
2つの取付け手段40は、バルブ・プレート22、23の両側にコンテナの出口開口部12に対して対称に配置されている。それぞれの取付け手段は、ハウジング14とスライダ・ユニット30の長手方向に垂直に延びる釘形の接続部材25を有している。これら接続部材25はハウジング部14内に接続部材25の軸方向に動くことができるように設けられている。圧縮スプリングとして構成されるスプリング・エレメント26が上部ヘッドプレート25’に作用するように設けられている。これらのスプリングはスリーブ28内に封入されている。それぞれの接続部材25の下端に2つのスライド・ローラ27が回転可能に取り付けられていて、ガイド手段を構成している。このガイド手段でスライダ・ユニット30が長手方向に案内される。この目的のために、スライダ・ユニット30は、それに取り付けられるバルブ・プレート23の両側に、可動方向に延びているT溝形窪み33を有し、この内部に2つのガイド・トラック36が形成されている。一対のスライド・ローラが、スプリング・エレメント26によって生じる付勢力の作動線に対して対称に配置されているので、取付け手段40からスライダ・ユニット30さらにはプレート22、23へ最適力を伝達でき、プレート22、23が互いに押し付けられるようになる。
【0013】
図2に示されるように、詳細は見えないがスライダ・ユニット30内でT溝形窪み33はそれぞれ中心と端部とに拡張開口部33’が形成されている。その拡張開口部33’は、接続部材25がスライド・ローラ27とともに摺動してこの開口部33’内へ入ることで、開口部から取り外せるような構造および寸法となっている。
【0014】
図3は、開口部33’の近くにある端部にそれぞれ傾斜部36’を有するガイド・トラック36を示している。ガイドトラック36は、スプリング・エレメント26がそこを走るときには動作圧力が加えられ、離れると完全に緩和される高さである。傾斜部36’が外れるためには、スライダ・ユニット30をバルブ20の開閉位置から外れる位置へ動かし、この位置で開口部33’がサイド・ローラ27の上部になり、その後解放されるまでスライダ・ユニットはスプリング圧力から解放される。スライダ・ユニット30の側部に配置されたヒンジ・エレメント37は、それらのボアとともに、ハウジング部14の対応するヒンジ・ペグ38中に移動し、それによりスライダ・ユニット30が外向きに揺動することができる。スライダ・ユニット30は、油圧シリンダの形態に構成されたドライブ・エレメント19のプッシュ・ロッド42に爪41などによって結合される。さらなる長所として、この爪結合によってスライダ・ユニット30をプッシュ・ロッド42から自動的に解放することができる。
【0015】
ヒンジ37、38はスライダ・ユニット30の他の側部またはドライブから離れた短辺側に配置することもできる。したがって、スライダ・ユニットは、取鍋出口上のバルブの位置に応じて、3つの側部のうちの1つの上で揺動することができる。多数の用途において、設置位置でのスライダ・ユニットの動きの方向は垂直方向に延びるので、スライダ・ユニットは、小さい力を加えることで、図示されている配置における水平方向に揺動することができる。
【0016】
バルブ・プレート22、23の片側に位置する2つの取付け手段40は、発生する曲げ力に対する安定化のために少なくとも1つの接続ロッド31、32によって補強されており、それらはキャリッジ形状とされている。この場合に設けられている2つの接続ロッド31、32は窪み33の中央部に位置している。それらは、窪み33中へ入れたり、そこから取り出すことができるように接続部材25の幅にほぼ対応する幅を有している。接続部材25はまた2つに分割され、舌および溝接続部25”などによってともに接続されている。これらの接続ロッド31、32は原理上省略することもできる。スライド・ローラ27の代わりにスライディング・ブロックを使用することもできる。
【0017】
さらなる長所として、本発明の範囲内で、スライダ・ユニット30が外側に揺動したとき、取付け手段40をユニットとしてハウジング部14から側方へ取外すことができる。このために、取付け手段をその中に嵌合式に滑り込ませることできるハウジング部14中には適切な開口部15が存在する。スプリング・エレメント26のバイアス力の頻繁に必要なテストのために、スプリング・エレメント26を開口部から迅速に取外し、再び挿入することができる。
【0018】
図4に示すように、横方向および長手方向リブ30’はスライダ・ユニット30の中央部においてそれに結合されており、この中央部は歪および捩れ力に対してスライダ・ユニット30を補強する働きをする。スライディング・ゲート・バルブ20はこの場合には閉じ位置に示されている。
【0019】
図5は、基本的に図1のものと同様に構成されている修正されたスライディング・ゲート・バルブ50を示す。したがって以下では、その違いについてのみ詳細に説明する。同様に、スライディング・ゲート・バルブ50はハウジング部54を有しており、ハウジング部54はコンテナに固定されており、その中には静止耐火バルブ・プレート22が入っている。バルブ20との大きな違いは、取付け手段65がハウジング部54内に固定されているのではなく、スライダ・ユニット60に固定されていることである。軸方向に動くことができる接続部材55は、スライダ・ユニット60内の窪み61中で複数のプレート・スプリングによって構成されたスプリング・エレメント66とともに取り付けられている。同じくガイド手段として4つであることが有利である接続部材55には、それぞれのスライド・ローラ68が結合されており、このスライド・ローラ68は水平方向シャフト69上で回転可能であり、図3のものと同様にして構成されたハウジング54のガイド・トラック71上を摺動する。ハウジング部の側方に設けられた2つのガイド・トラック71はスライダ・ユニットの動きの方向に延び、傾斜部が設けられている。この傾斜部は詳細に示されておらず、スプリング・エレメント66に負荷を与えかつ負荷を取り除く働きをする。
【0020】
上記で論じた本発明によるスライディング・ゲート・バルブ20、50では、ハウジング部14、54とスライダ・ユニット30、60はどちらもプレートと同様な構造を有しており、動作状態では平行に、互いに小さい間隔を置いて配置される。したがってこれらのスライディング・ゲート・バルブ20、50は、構造的な高さ、またその長さおよび幅に関して、本発明によるこの構成の結果として寸法的にできるだけ小さく保持することができる。その結果、その製造がより経済的になる。このバルブは、100トンまでの保持能力をもつより小さい取鍋に対してより小さい寸法で製造できるだけでなく、300トンの取鍋に対してより大きい寸法で製造できる。
【0021】
原理上、耐火プレートを互いに押し付けるために必要なスプリング・パケットは、スライディング・プレートとスライダ・ユニットの間でそれ自体知られている形で設けることもできる。したがって取付け手段は、ハウジング部内またはスライダ・ユニット内で動かないように配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスライディング・ゲート・バルブの断面図である。
【図2】 図1に示すスライディング・ゲート・バルブの底面図である。
【図3】 スライダ・ユニットが一点鎖線で示されている図1に示すスライディング・ゲート・バルブの側面図である。
【図4】 図1のスライディング・ゲート・バルブの長手方向断面図である。
【図5】 スライディング・ゲート・バルブの修正構造の断面図である。

Claims (12)

  1. コンテナに固定することができるハウジング部(14、54)と、コンテナに対して長手方向に動くことができるスライダ・ユニット(30、60)とを含む溶融金属を入れるコンテナ用のスライディング・ゲート・バルブであって、スライダ・ユニット(30、60)内にはそれぞれの耐火バルブ・プレート(22、23)を挿入することができ、耐火バルブ・プレート(22、23)はスプリング・エレメントによって互いに押し付けられてスライディング・ゲート・バルブ(20)を開閉する働きをし、スライダ・ユニット(30、60)は、スライダ・ユニット(30、60)に上下方向に垂直に配置された複数の取付け手段(40、65)によってハウジング部(14、54)に長手方向に動くように取り付けられており、取付け手段(40、65)は、ハウジング部(14)またはスライダ・ユニット(60)のいずれかに固定されており、かつスライダ・ユニット(30)上またはハウジング部(54)上に構成されたそれぞれのガイド・トラック(36、71)上を摺動するガイド手段を有し、
    ハウジング部(54)またはスライダ・ユニット(30)はバルブ・プレート(22、23)の両側にそれぞれのガイド・トラック(36、71)を有し、取付け手段(40)のガイド・エレメントがガイド・トラック(36、71)を案内され、
    ガイド・トラック(36)は、ガイド・トラックの長さ方向の端部部分が、このガイド・トラックとスライダ・ユニットとの接触面から傾斜して高くなるように構成され、スライダ・ユニット(30、60)が移動して、この高さの差によりスプリング・エレメントが緩まり、スライダ・ユニット(30、60)がハウジング部(14、54)から離れた後で解放されるようになることを特徴とするスライディング・ゲート・バルブ。
  2. それぞれハウジング部(14)またはスライディング・ユニット(60)の長手方向範囲に上下方向に垂直に延びる釘形接続部材(25、55)を有する2つのそれぞれの取付け手段(40、65)、および接続部材(25、55)に支持されたガイド手段がバルブ・プレート(22、23)の両側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  3. 各接続部材(25)は、軸方向に動くことができるようにハウジング部(14)内またはスライダ・ユニット(30)内に取り付けられており、圧縮スプリングとして構成されるスプリング・エレメント(26)によって作動し、スプリング・エレメント(26)によってバルブ・プレートが互いに押し付けられることを特徴とする請求項2に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  4. バルブ・プレート(22、23)の片側に位置する2つの取付け手段(40)が、少なくとも1つの接続ロッド(31、32)によって互いに接続されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  5. 4つの取付け手段(40)は、ハウジング部(14)内でコンテナの出口開口部(12)に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  6. 取付け手段(40)は、スプリング・エレメント(26)と一体に取り外すことができるように、ハウジング部(14)内またはスライダ・ユニット(30)内に配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  7. スライダ・ユニット(30)は、それが長方形のハウジング部(14)から解放される位置において、2つの長手方向側部の1つまたは長方形のハウジング部(14)の短い方の側部に設けられたヒンジ(37、38)によって構成された回転軸に取り付けられることを特徴とする前記請求項1から6のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  8. スライダ・ユニット(30)は、カップリングによってドライブ・エレメント(19)のプッシュ・ロッド(42)に結合され、カップリングは自動的にスライダ・ユニット(30)の解放揺動位置で解放または結合されるように、カップリングが構成されていることを特徴とする請求項7に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  9. 取付け手段(65)は、スライダ・ユニット(60)に固定され、シャフト(69)およびシャフト上に回転可能なスライド・ローラ(68)を含むガイド手段を有しており、ガイド手段はハウジング部(54)上に形成される各ガイド・トラック(71)上を摺動することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  10. ハウジング部(14、54)およびスライダ・ユニット(30、60)はそれぞれ平坦な形状をしていて、スライディング・ゲート・バルブを寸法的にできるだけより小さくするために、作動状態では平行でかつ互いに間隔を有していないような状態で配置されていることを特徴とする前記請求項1から9のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  11. スライダ・ユニット(30)は動きの方向に延びるそれぞれのT溝形窪み(33)を両側に有しており、ガイド・トラック36が、接続部材の軸方向に対して対称に回転可能に取り付けられた2つのスライド・ローラ(27)とともに取付け手段の長手方向への案内が行えるように設けられていることを特徴とする前記請求項1から10のいずれか一項に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
  12. スライダ・ユニット(30)内の側方に配置されたT溝形窪み33はそれぞれ、中央部と端部に拡張開口部(33’)を備えており、その中に接続部材(25)をスライド・ローラ(27)とともに滑り込ませることができかつそこから取り外せるように互いに関して寸法決定されかつ構成されていることを特徴とする請求項11に記載のスライディング・ゲート・バルブ。
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