JP4391017B2 - 微生物の溶解方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物を溶解する方法であって、一般に微生物、特には一以上の細胞の膜を破壊して、少なくとも一の興味ある核材料、例えばデオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)等の処理、特には分析するためのものを放出することを可能にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
資料US−C−5,643,767は、液体中で溶解して細胞のDNA又はRNAを分離する方法を開示している。この目的のために容器を使用するが、これにはRNA又はDNAを抽出するための溶媒、及び直径が0.1乃至1mmの複数の粒子、更に直径が3乃至5mmの少なくとも一のより大型の粒子が含まれている。このようにして充填されている容器に運動、即ち振動を与える。この資料においては、この運動は、ミキサー又は別のホモジナイザーで作り出される回転運動であることが好ましいことが明確に記載されているが、これは回転運動によれば、細胞は単純に同じ方向に回転して、それぞれが互いに衝突せず、ビーズと一緒にすればそれらの間で押しつぶされるからである。
【0003】
資料US−C−4,295,613は、細菌を破壊する装置を開示しているが、これによれば、細胞を含んだ試料をチューブ内に微小なビーズと接触させて置く。このビーズは、70乃至110μmのオーダーの直径を有するが、これを、処理する試料及び必要な緩衝溶液とともにチューブ内に導入し、次いで振動運動を当該容器又はチューブに対して水平軸に沿って適用し、これによって、溶液状の亜細胞性構成物、例えば酵素、蛋白質、炭水化物等を得る。
【0004】
資料FR−A−1,576,299は、植物及び動物の細胞を破壊する方法を開示しているが、これによれば粒子サイズが直径において0.05乃至1mmの粒子材料を使用しており、これは鋼製又は別の同様な物質製の粒子とすることができる。
【0005】
資料EP−A−0,317,803は、水性媒体をカプセル化している多層状リポソームを作製する方法を開示している。この方法は、脂質と、カプセル化する水性媒体とを混合し、この混合物を容器内で直径が3mm未満、好ましくは50乃至100μmの粒子の存在下で撹拌して直径が約150乃至3000ナノメートルのリポソームを得ることからなるものである。
【0006】
資料EP−A−0,796,917は、粒子を生物学的試料(細胞を含む)中に放出する装置を開示している。試料を撹拌又は超音波処理する場合に、この装置は当該粒子を十分な期間保持し、次いでそれを放出して細胞を破壊するためのパーティションを具備しているが、これにより核酸をアクセス可能にする。このパーティションにより保持される粒子はガラス製、プラスチック、又はジルコニウム等の金属製であるが、これは異なる形状を有することができ、また約0.1乃至0.15mmの直径を有することができる。一の粒子が当該パーティションを破壊するために割り当てられていて、これは約1乃至4mm、好ましくは3mmの直径を有している。この交互の運動にかける装置は、Biospecの商標の撹拌機である。
【0007】
資料EP−A−0,288,618は、細胞(微生物を含む)を溶解し、亜細胞性構成物(DNA及びRNAを含む)を溶液中に放出させるための方法を開示している。生物学的試料を、異なるサイズの粒子が入った容器内に入れる。次いでこの容器を細胞がその構成物を放出するまで超音波処理にかける。超音波により粒子が試料中において振動し、これによって剪断による細胞の破壊が起きる。粒子は0.05乃至1mmの直径のガラス製ビーズである。超音波の時間は室温で10分間である。
【0008】
資料US−C−5,464,773は、亜細胞性の構成物を破壊することなく、細胞を溶解して、特にハイブリダイズさせるためのRNA及びDNAを放出させる装置を開示している。使用する容器は、二つのサイズのビーズであって、ジルコニウム、ガラス、又はプラスチック製等のものを含んでいる。好ましい態様においては、この容器にはサイズと重量が異なる二つのジルコニウム粒子、例えば0.7gで直径が0.1mmのものと、0.65gで直径が0.5mmのものが400μl含まれている。この容器に適用する運動は、振動(vibrating)タイプのもの、特には揺動(oscillatory)タイプの運動である。
【0009】
資料US−C−4,666,850は、血液試料を遠心中に溶解する装置及び方法を開示している。血液試料を入れる容器には、プラスチック製又はガラス製の粒子又はビーズが含まれているが、これは細菌が遠心中にチューブの底に沈殿するのを防止しないサイズでなくてはならない。
【0010】
資料EP−A−0,341,215は、遺伝的に形質転換した酵母に由来する異種蛋白質を産生する方法を開示している。蛋白質の量を評価するためには、細胞を溶解し、当該酵母をガラス製ビーズとともに含んだ生物学的試料を震盪して機械的剪断力を適用するとだけ記載されている。
【0011】
資料EP−A−0,284,044は、酵母中の蛋白質の産生を増大させる方法を開示している。これには、蛋白質の量を分析する細胞(酵母)を、ガラス製のビーズであって直径が450乃至500μmのものとともに、好ましくは渦動タイプの運動を最大スピードで1分間、連続して三回、当該生物学的試料に適用して溶解すると記載されている。
【0012】
資料US−C−4,775,622は、酵母培養物に由来する蛋白質の発現及び回収方法を開示している。
この方法は、少なくとも一の微生物を具備する生物学的試料を溶解するために一般に使用されているが、特に少なくとも一の興味ある核酸を放出するために使用されていて、これは以下の従来技術によるものを必須としている:
−液体媒体中の生物学的試料であって、溶解する微生物を具備したものを容器中に配置する;
−少なくとも一の粒子材料で相対的に硬く、核材料に対して実質的に不活性であるものを前記容器内に配置する;
−生物学的試料、及び粒子材料の混合物を、運動を引き起こすのに選択した技術又は装置に応じて、種々の強度、及び/又は規則性運動の場合には種々の周波数での交互運動に必ずかける。
【0013】
使用されるこれらの方法は、いくらかの不利益を有している。これらは十分に効果的ではなく、特に細胞溶解は核材料の放出のために量及び質において不適切であることが証明されている。
更にこれらは溶解に抵抗性のあるとされている細胞を必ずしも溶解するわけではなく、特にグラム陽性細菌、例えばマイコバクテリアなどの場合はそうである。
同様に、これらの方法を使用すると、例えば酵素及び/又は界面活性剤等の添加剤を添加することがしばしば必要になる。
【0014】
本発明によれば、米国特許第5,643,767号に開示された教示に反し、渦動タイプの回転運動が、微生物を溶解して、興味ある核材料を直接的に放出させるのに特に適することが判明したが、これは特に容器との関係における、この運動のある種の変数を選択する必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の主題は、少なくとも一の微生物を具備する生物学的試料を完全に、効率良く、しかも単純に溶解する方法であって、方法の使用中に如何なる試薬も如何なる付加的操作工程をも不要とする方法である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
従って本発明の第一の主題は、少なくとも一の細菌タイプの微生物を含む生物学的試料を溶解して、当該微生物に属する少なくとも一の興味ある核材料を放出させる方法であって、これによれば:
−液体媒体中の当該生物学的試料を容器内に配置し;
−少なくとも一の粒子材料であって相対的に硬く、核材料に対して実施的に不活性であるものを当該容器内に配置し;
−生物学的試料と粒子材料の混合物を運動にかける方法であり:
組み合わせにおいて、
選択する前記の運動が渦動タイプのものであり、以下の条件:
−粒子材料は90乃至150μmの直径を有するビーズからなり、
−当該ビーズの見掛け容量であるVb、及び液体試料の容量であるVeは、Ve=α.Vbの関係にある(但し容器が管形である場合にはαは1.4乃至10の間であり、容器がディスク形である場合にはαは2.1以下である)
に相当するものであることを特徴とし、
これによって、試薬及び/又は付加的操作工程を更に要することなく、核材料を直接的に天然型で、且つ如何なる試薬もがアクセスできる状態で液体媒体中に放出される上記の方法である。
【0017】
本発明の第二の主題は、少なくとも一の酵母タイプの微生物を具備する生物学的試料を溶解して、少なくとも一の興味ある核材料であって当該微生物に属するものを放出させる方法であるが、これによれば:
−液体媒体中の当該生物学的試料を容器内に配置し、
−少なくとも一の粒子材料であって相対的に硬く、核材料に対して実質的に不活性であるものを当該容器内に配置し、
−生物学的試料と粒子材料との混合物を運動にかける方法であって、
組み合わせにおいて、
選択する前記の運動が渦動タイプのものであり、以下の条件:
−粒子材料は約500μmの直径を有するビーズからなり、
−当該ビーズの見掛け容量であるVb、及び液体試料の容量であるVeは、Ve=α.Vbの関係にある(但し容器が管形である場合にはαは1.4乃至10の間であり、容器がディスク形である場合にはαは2.1以下である)
に相当するものであることを特徴とし、
これによって、試薬及び/又は付加的操作工程を更に要することなく、核材料を直接的に天然型で、且つ如何なる試薬もがアクセスできる状態で液体媒体中に放出される上記の方法である。
【0018】
本発明の方法を使用すると、核材料が天然の状態で得られるが、このことはそれが全く分解されていない、例えば変性していないこと、又はそれが抽出された細胞又は生物の中で有していた全ての性質又は特徴を保存していることを意味する。
【0019】
更に、本発明の方法は、単一の微生物を十分効果的に溶解するものであり、これは数多くの生物学的分析、特に核プローブのハイブリダイゼーションによる増幅又は分析の技術にとって特に重要である。
【0020】
核材料に関しては、本発明は、それに関して引き続いて行う如何なるプロトコル、例えば一以上の増幅プライマー、一以上のハイブリダイゼーションプローブ等に対してもアクセス可能な直接的方法でもって当該物質を放出する決定的な利点を提供するするものである。
【0021】
従って本発明によれば、得られた溶解済生物学的試料は、直接的に処置することができ、即ち、放出された興味ある核材料についての如何なる操作工程においても、例えば適切な核試薬等を使用して行う増幅や分析等の中間的な操作工程は一切不要であり、また付加的試薬も一切不要である。
【0022】
本発明の第一の主題の好ましい態様によれば、細菌タイプの微生物の場合、粒子材料は、約100μmの直径を有するビーズからなる。
【0023】
本発明の第一又は第二の主題の別の態様によれば、渦動タイプの運動は、更に以下の関係を満たしている:
Vb<Ve<Vc、但し
Vc=β.Veであり、βは2.5以上であり、Vcは容器の有効容量である。
【0024】
本発明において使用が可能な容器は、異なる構造のものであってもよく、例えば管形又はディスク形とすることができる。
容器は管形であることが好ましく、更にU字形底を有するものが好ましい。この好ましい態様においては、βは2.5と30の間の数である。
【0025】
本発明の更に別の態様においては、容器はU字形底を有するか(例えばファルコン(商標)タイプ)、又はフルストコニカル底を有する(例えばエッペンドルフ(商標)タイプ)管形及びディスク形のものである。
容器がディスク形の場合、αは2.1以下の数であり、好ましくは1.4以下であり、βは9.3以上の数である。
容器はエッペンドルフチューブ等のフルストコニカル底を有し、αは1.4乃至10の間、好ましくは1.4と3.3の間であることが好ましく、βは2.5と30の間、好ましくは2.5と15の間、更に好ましくは3.75と15の間であることが好ましい。
容器はまた、ファルコンチューブ等のU字形底を有するチューブであることが好ましく、αは1.4と10の間、好ましくは1.4と3.3の間、更に好ましくは3.3であることが好ましく、βは3と30の間、好ましくは12と30の間、更に好ましくは20であることが好ましい。
【0026】
本発明の更に別の態様においては、粒子材料は、前記ビーズのものよりも大きい直径を有する他のビーズを具備する。好ましくは容器は最大で16、好ましくは10の他のビーズを有する。更に好ましくはこれらの他のビーズは、約2乃至3mmの直径を有する。
【0027】
本発明の方法のこの付加的特徴により、同等の効率でもって生物学的試料の溶解に必要な時間を低減又は制限することが特に可能になる。
この付加的特徴は又、例えば生組織等の複雑な生物学的試料を、実際の溶解前に破壊することをも可能にする。
【0028】
本発明の更に別の態様においては、消泡剤物質を当該生物学的試料中に添加して最終濃度を液体試料の容量Veの0.01乃至1重量%、好ましくは0.5乃至1重量%とすることができる。
【0029】
別の態様によれば、アニオン性タイプの界面活性剤を生物学的試料中に、最終濃度で液体試料の容量Veの2.5重量%まで添加することも可能である。
【0030】
本発明の第一の主題における好ましい態様においては、渦動タイプの運動にかける時間は、少なくとも10秒間、好ましくは20秒間、有益には1乃至5分間の間である。
渦動にかける時間は、溶解率が少なくとも20%以上になるように調節する。使用する溶解プロトコルの特異性によれば、より大きな直径のビーズを添加する場合には特に、渦動タイプの運動にかける時間は約2分であることが好ましい。
【0031】
本発明の第二の主題の好ましい態様においては、渦動タイプの運動にかける時間は8分と20分との間である。
【0032】
得られる溶解物により、興味ある核材料を直接的に検出、及び/又は定量、及び/又は増幅することが可能になるので、本発明は又、興味ある核材料を具備する一の微生物を具備する生物学的試料を処理する方法であって、
a)以下を備えた溶解工程:
−液体媒体中の生物学的試料を容器内に配置する;
−少なくとも一の粒子材料であって相対的に硬く、核材料に対して実質的に不活性であるものを当該容器内に配置する;そして
−生物学的試料と粒子材料との混合物を渦動タイプの運動にかける:但しこれは組み合わせにおいて以下の通りである:
−細菌タイプの微生物の場合には90と150μmの間の直径を有するビーズであり、及び酵母タイプの微生物の場合には約500μmのものである;
−当該ビーズの見掛け容量であるVbと、液体試料の容量であるVeとの間には、Ve=α.Vbの関係がある(但し容器が管形である場合にはαは1.4と10の間であり、容器がディスク形である場合にはαは2.1以下である);
b)溶解した生物学的試料を、溶解用の粒子材料とともに又はそれなしで、興味ある核材料に特に関連した操作プロトコルに直接かけて、例えば核酸の増幅及び/又は検出及び/又は定量する工程
を具備する方法である。
従って、例えば増幅後には、少なくとも1×102細胞/mlを検出することができる。
【0033】
本発明の第三の主題は、単一使用用の容器であって、上記した方法を実施するためのものであって、あらかじめ決定しておいた生物学的試料の容量に応じた、上記した方法の実施に直接的に使用するのに適当な粒子材料を搭載することを特徴とするものである。
【0034】
「生物学的試料」とは、単純又は複雑な生物学的物質の如何なる試料、検体、又は画分をも意味し、例えば生組織又は体の流動物又は体液などである。この生物学的試料には、微生物を構成する構造物につていの前処理、例えば組織の構成の破壊とともに、又はそれなしで溶解する少なくとも一の微生物が含まれている。
【0035】
「微生物」とは、閉じた膜又はエンベロ−プ、当該膜又はエンベロ−プの内部に閉じられている一以上の興味ある亜細胞性の生物学的構成物、即ち核構成物(DNA又はRNA)を天然に具備した如何なる生物学的物質をも意味するものと理解される。例えば、細菌や古細菌などの原核性生物、植物や動物の細動、酵母や菌類等の真核生物、又、種々の生組織や更にウイルス粒子までももちろん挙げることができる。
【0036】
「溶解」という用語は、上記した膜又はエンベロ−プを破壊して興味ある核材料を完全な又は不完全な形態でもって放出するための如何なるプロセスをも意味するものと理解される。
【0037】
以下の図及び実施例により、本発明の主題を例示することが可能になるが、これらはその範囲を限定するものでは決してない。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の溶解方法の効率を決定するために、得られる溶解物の溶解率を測定することにより分析する一般的な試験プロトコルを開発した。
この一般的なプロトコルを以下に記載する。
BHB(脳−心臓ブロス)液体培地中で培養した、グラム陽性壁の細菌であるスタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylcoccus epidermidis)(bioMerieux参照API番号 8149310)を、毎分2500回転で10分間、25°Cで遠心し、次にBHB培地又は溶解緩衝液中に、5×109細胞/300μlの濃度で再懸濁する。溶解緩衝液の組成は、以下の通りである:30mM トリス−HCl、5mM EDTA、100mM NaCl、pH7.2。この懸濁液の300μlを、一定量のガラス製ビーズをあらかじめ含めておいた管へ添加する。管を閉じて、渦動タイプの運動に2分間、最大出力で装置(Reax 2000、Heidolph)にかける。このように処理した細菌懸濁液は、分析にかけるまで氷上に保存する。
溶解率は、550nmでの光学密度を測定して、試料回収後すぐに決定する。溶解率は、渦動前の550nmにおけるOD値に対する、渦動後の細菌溶液の550nmにおけるOD値の比率に等しい。
【0039】
渦動工程で放出された核酸の量は、0.8%アガロースゲル上で確認する。溶解物の10μlを各ウェルに置き、泳動は定常電圧(150V)で行い、ゲルは紫外線輻射下での観察前に臭化エチジウム(EtBr)で染色する。
渦動工程で放出される核酸の量は、bioMerieux(フランス)のVidas(商標)装置を使用して、いわゆるサンドウイッチハイブリダイゼーション技術により決定する。S.エピデルミディスの核酸に特異的な捕捉用及び検出用のオリゴヌクレオチドプローブ(特許EP 0,632,269を参照)を選択した。この捕捉用及び検出用オリゴヌクレオチドは、
5’-GACCACCTGTCACTCTGTCCC-3’(配列ID番号:1)及び
5’-GGAAGGGGAAAACTCTATCTC-3’(配列ID番号:2)をそれぞれ有する。検出用プローブは、アルカリホスファターゼ(AP)にカップリングさせて標識させる。溶解物中に放出された核酸へのこれらのプローブの特異的ハイブリダイゼーションは、存在する核酸の量のみならず、使用するプローブのアクセスしやすさにも依存する。
S.エピデルミディスのDNA及びRNA分子に特異的な以下の二つの増幅プロトコルは、回収した溶解物でもって開始したが、これは渦動により放出された核酸が増幅されるか否かを確認するためである:DNAの増幅用のPCRプロトコル、及び16S rRNAの増幅用のNASBAプロトコル。
【0040】
PCRプロトコル:PCR法は、GoodmanがPCR strategies、編:Innis,Gelford,and Snisky、Academic Press、1995 pp17−31に記載されるものである。二つの増幅プライマーを使用したが、これらは以下の配列を有している:
プライマー1:5’-ATCTTGACATCCTCTGACC-3’(配列ID番号:3)
プライマー2:5’-TCGACGGCTAGCTCCAAAT-3’(配列ID番号:4)。
以下の温度サイクルを使用した:
一回 3分間 94°C
2分間 65°C
35回 1分間 72°C
1分間 94°C
2分間 65°C
一回 5分間 72°C
【0041】
NASBAプロトコル:NABSA法は、Van der Vliet et al.,J.Gen.Microbiol.1993,139:2423に記載されているものである。二つの増幅プライマーを使用したが、これらは以下の配列を有している:
プライマー1:5’-GGTTTGTCACCGGCAGTCAACTTAGA-3’
プライマー2:5’-TCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCA-3’。
溶解物の10μl又は5μlをそれぞれPCR及びNABSAアッセイに使用する。PCRによる増幅物は、上述のようにして0.8%アガロースゲルで観察し、Vidas装置で定量する。NABSA後に産生される増幅物は、P.Cros et al., Lancet 1992,240:870に記載される方法により、S.エピデルミディスに特異的な捕捉プローブ及び検出プローブでハイブリダイゼーションして、マイクロプレート上で検出及び定量する。検出プローブは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)にカップリングしている。この二つのプローブは、以下の配列を有する:
捕捉プローブ:5’-GATAGAGTTTTCCCCTTC-3’(配列ID番号:7)
検出プローブ:5’-GACATCCTCTGACCCCTC-3’(配列ID番号:8)。
【0042】
【実施例】
実施例1:ビーズの直径の及び渦溶解の有効性に関する係数の影響
a−ビーズの直径の影響
該溶解プロトコルは、実験毎に2分間、異なる直径で特徴付けたビーズの異なる混合物の90μlの存在中でスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)(5x109細胞/300μl)の最初の懸濁によって開始する上述した通りに実行した。試験した直径は、1と500μmの間とした;試験した混合物は以下の通りである:
A:1と500μmの間の直径を有するガラスミクロビーズ、
B:50と100μmの間の直径を有するガラスミクロビーズ、
C:90と150μmの間の直径を有するガラスミクロビーズ、
D:直径100μmのビーズの均一な混合物、
E:直径100μmのジルコニウムビーズの均一な混合物
F:直径500μmのジルコニウムビーズの均一な混合物
G:直径100と500μmのジルコニウムビーズの混合物(50/50v/v)。
【0043】
図1中に示した通り、得られた細胞溶解は、90と150μmの間の、好ましくは100μmに等しい直径を有するビーズの存在中で最も有効であった。これらの条件下で2分間渦動後に採取した試料の550nmでの光学濃度の測定は、S.エピデルミディスの溶解パーセンテージがこのビーズ直径で60と70%の間であることを示す。溶解パーセンテージにおける無視して良い誤差のみが、同じ直径のビーズ(ガラス又はジルコニア)の本質に従って観測される。一方、直径1から50μm、50から100μm、100から500μm、又は直径500μmのビーズの均一な混合物のような、90から150μmまでよりも小さい又は大きい直径を有するビーズの使用は、溶解パーセンテージにおける減少をもたらす。図2中に提示した、溶解物に放出した核酸の0.8%アガロースゲルでの分析は、DNAとrRNA分子が、0.8%アガロースゲル上でのそれらの移動プロフィールが精製した且つ商業上利用可能な細菌DNAとrRNAの分子のそれと同じであることから、十分に保存される。放出される核酸はまた、その細胞溶解のために用いたビーズの直径にかかわらず、同じ移動プロフィールを有する。該放出される核酸はまた、そのプロトコルが上述されるVidas分析によっても検出することができる。更に図2に従って、Vidas分析によって測定した、溶解物中に放出される核酸の量は、得られた溶解パーセンテージを反映する。並びにそれは、それぞれの溶解物のDNA又は16SrRNAが、先の一般的な試験プロトコルのセクションで記載される、PCR又はS.エピデルミディスに特有のNASBAによって増幅することができる。
【0044】
b−係数αの影響
−エッペンドルフ(Eppendorf)管
該溶解プロトコルは、2分間、100μmの直径を有するビーズの存在中で実行した。同一のエッペンドルフ管を全ての実験で用いた。細菌懸濁液の容積は、それぞれの実験について300μl/管でセットし、且つビーズの容積を1と300μlの間で変えた。Vb、ビーズの見かけ容積、及びVe、Ve=α.Vb(αは0と異なる正の実数である)と共にVb<Veとなるような液体試料の容積である。係数αは、1から300まで変化した。渦動工程の後、採取した該試料は、550nmで光学濃度を測定することによって分析され、溶解物に放出される核酸は、0.8%アガロースゲル上で検査され且つVidas分析により定量される。
【0045】
図3は、S.エピデルミディスの溶解が1.4と10の間のα係数値について有効であることを示す:その溶解パーセンテージは30と70%の間である。α<1.4の値について、ビーズの溶液が余りに多すぎて、細胞の懸濁液の不活性容積が、細胞の懸濁液の最初の溶液を回収することが不可能となる程度にまで増加する。α>10の容積については、ビーズの容積が低くなり、会合の及びビーズと細胞との間の機械的衝撃の可能性が減じられる。好ましくは、該細胞溶解は、1.4と3.3の間のα値についてより有効である:その溶解パーセンテージは40と70%の間になっている。該溶解物の0.8%アガロースゲルでの分析は、放出される核酸の移動プロフィールが、αの値にかかわらず、変更されないことを示す。Vidas分析によって測定した核酸の量は、溶解パーセンテージと直接的な相関関係になる。
【0046】
−ファルコン(Falcon)管
同じ試験を、エッペンドルフ管を、ポリプロピレンで作られたファルコン管(Vc=6ml)に変えて実行した。図4は、S.エピデルミディスの溶解が1.4と10の間のα係数値で有効であることを示す:その溶解パーセンテージは、20%よりも大きい。好ましくは、該細胞溶解は、1.4と3.3の間のα値でより有効である:その溶解パーセンテージは65と85%の間である。
【0047】
−ディスク形
l=L=8.5cmとh=0.4cmの寸法を有するカードを用いた。ウェルとして定義される1以上の孔が、該カードの高さ(それは0.4cmである)と常に等しい高さを有し且つ一定の直径を有して作製される。これらのウェルは、何れかの側がフィルムで覆われ、且つそれぞれのウェルは、100μlの直径、見かけ容積Vbを有するビーズ、2mmの直径を有する10の鉄ビーズの及び容積Veの細胞懸濁液の混合物により充填される。かくして定義した該カードは、渦動上に維持される。
【0048】
その溶解プロトコルは、2分間実行した。30cmの直径を持つ(Vc=2.8ml/ウェル)上述した通りのカードを、それぞれの実験に使用した。細菌懸濁液の容積は、700μl/ウェルにセットし、ビーズの容積は90から510μl/ウェルまで変えた。係数αは、1.4から7.8まで変えた。渦動工程の後、採取した試料の溶解パーセンテージは、550nmで光学濃度を測定することによって分析し、放出される核酸は、アガロースゲル上で調査し、且つVidas分析によって定量した。
【0049】
図5は、係数αの関数として得られた溶解パーセンテージを示す。S.エピデルミディスの溶解は、2.1以下の係数値による「カード」フォーマットを有する容器で有効である:αが1.4と2.1の間である場合、溶解パーセンテージは45%と75%の間である。好ましくは、その係数の最適値は、1.4に近づくα値では溶解パーセンテージがプラトーに達しないために、1.4より少なくすべきである。その溶解物の0.8%アガロースゲルでの分析は、放出される核酸移動プロフィールが、αの値にかかわらず変化しないことを示す。Vidas分析によって測定した核酸の量は、溶解パーセンテージと直接的に相関関係となる。
【0050】
実施例2:渦動溶解の能率についての係数βの影響
−エッペンドルフ(Eppendorf)管
該溶解プロトコルは、2分間、ビーズの見かけ容積と液体試料の容積との間の一定割合(α=Ve/Vb=3.3)の存在中で実行した。細菌懸濁液の容積は、100μlと1mlの間で変化させた。即ちVe、液体試料の容積及びVc、容器の有用な又は利用可能な容積で、Ve<Vc及びVc=β.Ve(βは0以外の正の実数である)となるようにし、該係数βは1.5から15まで変化させた。その実験は、エッペンドルフ管はVc=1.5mlである。渦動工程の後、採取した該試料は、550nmで光学濃度を測定することによって分析され、溶解物に放出される核酸は、0.8%アガロースゲル上で検査され且つVidas分析により定量される。
【0051】
係数βの関数として得られた溶解パーセンテージが、図6中に示される。S.エピデルミディスの溶解は、2.5と15の間のβ係数値について有効である:その溶解パーセンテージは、30%より大きい。2.5より小さいβの値について、ビーズと液体試料の容積が余りに多すぎる;それは試料中のビーズの移動が制限され且つ試料の不活性容積が増加する。15より大きなβの値については、試料の容積が、α=3.3における細胞懸濁液の開始容積の完全な回収を与えるためにあまりにも低すぎる。好ましくは、細胞溶解の能率は、3.75と15の間のβ値についてより良好である:溶解パーセンテージは、35と60%の間である;7.5と15の間の値(40から60%溶解)が好適である。溶解物の0.8%アガロースゲルでの分析は、放出される核酸の移動プロフィールがβの値にかかわらず同じであることを示す。Vidas分析によって測定される核酸の量は、得られた溶解パーセントと直接相関関係になった。
【0052】
−ファルコン(Falcon)管
同じ試験を、エッペンドルフ管を、ポリプロピレンで作られたファルコン管(Vc=6ml)に変えて実行した。係数αの同じ値をセットした(α=3.3)。細菌懸濁液の容積は、200μlと2mlの間で変化させた。βは、3から30までで変化させた。図7は、係数βの関数として得られた溶解パーセンテージを説明する。S.エピデルミディスの溶解は、6と30の間のβ値でより有効である:その溶解パーセンテージは、50%よりも大きい。β>30の値については、試料の容積が、α=3.3において細胞懸濁液の最初の容積の完全な回収を与えるには余りにも少なすぎる。好ましくは、細胞溶解の能率は、12と30の間のβ値でより良好となる:溶解パーセンテージは60%より大きい。
【0053】
−ディスク形
溶解プロトコルは、2分間で、係数αの値(α=3.3)と共に、実施例1で用いたと同じ容器(ウェルの直径30mm、Vc=2.8ml)で実行した。細菌懸濁液の容積は、300から700μl/ウェルまで変化させた。係数βは、4から9.3まで変化させた。渦動工程の後、回収した試料の溶解パーセンテージは、550nmで光学濃度を測定することによって分析した。放出される核酸は、アガロースゲル上で調査し、且つVidas分析によって定量した。
【0054】
係数βを関数として得られた溶解パーセンテージは、図8中に示される。S.エピデルミディスの溶解は、9.3以上のβ値のための「カードフォーマット」を有する容器で有効である。βが、非最適値のα(α=3.3)と共に9.3に等しい場合、細胞の60%が溶解される。溶解物の0.8%アガロースゲルでの分析は、放出される核酸の移動プロフィールがβの値にかかわらず変化しないこと及びその管フォーマットについて記載したそれらと類似していることを示す。Vidas分析によって測定した核酸の量は、それぞれの実験のための溶解パーセンテージと相関関係にある。
【0055】
実施例3:渦動溶解の能率に関して管の幾何の影響
溶解プロトコルは、2分間、細胞溶解液の300μlと100μmの直径を有するビーズの90μlの存在中で、異なる幾何及び異なる容積(Vc)を持った容器で実行した(α=3.3及びβは可変である)。
【0056】
A:V字形底を持つポリプロピレンのエッペンドルフ管、Vc=1.5ml
B:平底のポリプロピレン分光器キュベット、Vc=5ml
C:平底管、Vc=30ml
D:平底管、Vc=60ml
E=平底ガラスボトル、Vc=8ml
F=平底ガラスボトル、Vc=25ml
G=U字形底を持ったポリスチレン管、Vc=6ml
H=U字形底を持ったポリスチレン管、Vc=14ml
I=U字形底を持ったポリスチレン管、Vc=22ml
J=U字形底を持ったポリプロピレン管、Vc=6ml
K=U字形底を持ったポリプロピレン管、Vc=14ml
L=U字形底を持ったポリプロピレン管、Vc=22ml
M=U字形底を持ったポリプロピレン管、Vc=4ml。
【0057】
図9は、使用した容器の幾何の関数として得られた溶解パーセンテージを示す。その溶解パーセンテージは、平底を持つ及びV字形底を持つ管については60と75%の間の平均に基づき、一方、同じ渦動時間と同じαの値でのU字形底を持った管については70と80%の間の平均に基づく。放出した核酸の量の、Vidas分析による測定は、この影響を確認する。
【0058】
実施例4:渦動溶解の能率に関するより大きな直径を持ったビーズの添加の影響
溶解プロトコルは、2分間、細胞溶解液の300μlと100μmの直径を有するビーズの90μl(即ちα=3.3及びβ=5)の存在中で、エッペンドルフ管中で実行した。各種のビーズを組合せて媒体に加えた:2mmの直径を有する鉄ビーズ、3mmの直径を有するガラスビーズ。
【0059】
図10は、加えたビーズの各種組合せの関数としてS.エピデルミディスの溶解パーセンテージを示す。鉄ビーズの又はガラスビーズの添加は、溶解パーセンテージの増加をもたらす。このパーセンテージは、10ビーズ/管までの存在において実質上、より良好である。これら10ビーズの存在は、100μmの直径を有するビーズの移動を妨げることはない;一方、この値より上では、その移動は妨げられる。得られた溶解パーセンテージは、実験毎に、鉄ビーズと同じ数のガラスビーズの存在においてより高かった。図11に従い、鉄とガラスビーズの組合せの添加は、試験したそれぞれの組合せの均一な混合物の添加の存在と同程度に高い溶解パーセンテージを得ることを可能にする;その溶解パーセンテージは、80%より大きい。放出される核酸についての0.8%アガロースゲルでの分析は、そのDNAとrRNA分子が、使用したビーズの組合せにかかわらず、溶解後同じ移動プロフィールを有することを示す。鉄とガラスビーズの添加は、放出される核酸材料の構造に逆の影響を及ぼさない。更に、それは、該溶解物中のそれらの存在が、PCRとNASBA増幅反応に干渉しないことを証明する。
【0060】
実施例5:渦動溶解の能率に関する渦動時間の影響
3つの溶解プロトコルを並行して実行した:
−プロトコルI:エッペンドルフ管Vc=1.5ml、直径100μmのビーズの90μl及び細胞懸濁液の300μl、α=3.3及びβ=5)。
−プロトコルII:プロトコルIIに加えて直径3mmのガラスビーズと直径2mmの鉄ビーズ。
−プロトコルIII:プロトコルIIにおいてエッペンドルフ管に代えてファルコン管(Vc=6ml)。
【0061】
図12は、プロトコルIとIIにおいて、渦動時間の関数として得られた溶解パーセンテージを示す。プロトコルIのための実験条件は最適ではない。それは、渦動2分後でS.エピデルミディス細菌の60%のみが溶解されることから確認される。一方、渦動時間の増加によってこれらの非最適条件にもかかわらず該プロトコルの能率が改善される可能性がある:8分を越える渦動、85%の細菌が溶解される。プロトコルIIのための実験条件は、3mmの直径を有するビーズの付加のために、プロトコルIのそれよりもより至適である:これらの条件下で、S.エピデルミディス細菌の85%が、4分を越える渦動で溶解される。
【0062】
図13は、プロトコルIIとIIIのための渦動時間の関数として得られた溶解パーセンテージを表す。プロトコルIIIのための実験条件は、プロトコルIIのそれらよりもより至適である:プロトコルII又はIのそれぞれについて2分後の細菌の80%又は60%のみであったのに対し、88%のS.エピデルミディス細菌が、渦動のわずか2分後に溶解される。放出される核酸の、Vidas分析による測定は、これらの主要な観測を確証する。
【0063】
かくして、渦動時間の増加は、最初の実験条件が至適ではない場合に、高い溶解パーセンテージを得ることを可能にする。同じく、これらの条件が至適である場合、渦動時間は短縮して良い(2分間)。
【0064】
実施例6:本発明に従う溶解プロトコルの普遍性
本発明に従う溶解法は、他の細胞種に適用し得る。そのために、該プロトコルは、1×109細胞/mlの濃度を有する細胞懸濁液の300μl、100μmの直径を有するビーズの90μlの存在でエッペンドルフ管内で8分に等しい渦動時間によって実行した。各種の細胞をそれぞれ使用した(マイコバクテリウム・ゴルドナエ(Mycobacterium gordonae)、大腸菌(Escherichia coli)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、ミクロコッカス種(Micrococcus sp.)、アクチノマイセス・ビスコサス(Actinomyces viscosus)、ネスルンド放線菌(Actinomyces naeslundii)、ストマトコッカス・ムシラギノサス(Stomatococcus mucilaginosus)、ノカルディア・アステロイデス(Nocardia asteroides)、ロドコッカス種(Rhodococcus sp.))。得られた結果は、これらの分析のそれぞれの溶解パーセンテージが、80と90%の間であることを示す。それぞれの溶解物において放出された核酸の0.8%アガロースゲルでの移動プロフィールは、試験したそれぞれの細菌株について類似し、精製した及び商業上利用可能な大腸菌16SのrRNAとDNAのそれに類似する。
【0065】
実施例7:酵母の溶解
試験した種:カンディダ アルビカンス(Candida albicans)
容器:Vc=6mlのポリプロピレン製ファルコン管。
0.5 McFarlandに調製した試料、それは3.106酵母/mlである。
試料容積:Ve=600μl
ビーズの見かけ容積:Vb(μl、可変):60、90及び180μl。
試験したガラスビーズの直径(μ):100、500及び1500μm。
溶解能率は、溶解パーセンテージに基づいて測定される:
溶解%=OD550(溶解前)−OD550(溶解後)/OD550(溶解前)
渦動の継続:2から20分間
【0066】
結果
【表1】
100μmの直径が不十分であることが示される。
【0067】
【表2】
1500μmのビーズ直径に関して、約30%の溶解パーセンテージが、60と180μlの間のVbと8と20分の間の渦動継続によって得られることが示される。
【0068】
【表3】
500μの直径が、60と180μlの間のVbと8と20分の間の渦動継続によって、50%より高い溶解パーセンテージを得ることを可能にすることが示される。
【0069】
結論:
8と20分の間の渦動継続によって、直径で500μmのビーズが、酵母溶解のための渦動型運動との組合せにおけるパラメーターとして必須である。
【0070】
実施例8:本発明に従う溶解プロトコルの感受性
本発明の方法に従う溶解によって放出されるDNAと16S rRNA核酸は増幅を受けさせた。溶解条件は実施例6中に示したそれと同じである。用いた細菌株は、S.エピデルミディスである。S.エピデルミディス核酸に特異的な2つの増幅プロトコルは、一般的な試験プロトコル中に上述した通り、DNAの増幅のためのPCRプロトコル、又は16S rRNAの増幅のためのNASBAプロトコルのいずれか一方で、採取した溶解物により開始するよう実施した。
【0071】
1)−放出されるDNAのPCR増幅
1×109から1×102細胞/mlの開始濃度を用いた。溶解物の10μlをそれぞれのPCRアッセイ用に用いた。生産されるアンプリコンは、一般的な試験プロトコル中に記載した通り、Vidas装置での特異的サンドウイッチハイブリダイゼーション後に検出及び定量した。生産されるアンプリコンは、少なくとも1×102細胞/mlより大きいか又は等しい、即ち30細胞/300μlの開始細菌濃度で測定することができる。かくして、渦動によって最適化した溶解プロトコルは、少なくとも300細胞/300μlで溶解するために及び生産されるアプリコンの量が検出可能であるようにPCRによって増幅することができるDNA分子を放出するために有効である。
【0072】
2)− 16S rRNAのNASBA増幅
2×109から2×102細胞/mlの開始濃度を用いた。溶解物の5μlをそれぞれのNASBAアッセイ用に用いた。生産されるアンプリコンは、一般的な試験プロトコル中に記載した通り、S.エピデルミディスに特異的なオリゴヌクレオチドプローブによるサンドウイッチハイブリダイゼーションによってミクロプレート上で検出及び定量した。生産されるアンプリコンは、少なくとも2×102細胞/mlより大きいか又は等しい、即ち60細胞/300μlの開始細菌濃度で検出及び測定することができた。測定したアプリコンの量は、60細胞/300μlより低い開始濃度を有する細菌の溶解後に、生産されるアプリコンが検出可能で且つ測定可能であろうと思われることを示す、この開始濃度については高い。
【0073】
実施例9:試料中のビーズの揺動で生じる泡の形成の解消
自動化の目的のために、ピペッティングを経て移行する工程に邪魔になる又は妨害する、液体中の泡の形成を解消及び防止することが必須である。「消泡」剤で、このタイプの現象を制限するその能力に関して研究した。これをなすために、流動的にされている且つ"NaLc"プロトコルに従って不活性化されている呼吸器用の試料(痰(sputum)、痰(expectorations)、気管支肺胞の洗浄物)を用いたプロトコルを確証した。概略的には、2mlの試料が防腐溶液(4%水酸化ナトリウムの150ml中にN−アセチル−L−システインの0.75gを溶かすことによって得た)の2mlに加えられる。その混合物は渦動され、20分間室温で撹拌を維持し、41mlのリン酸緩衝液で中性化される(pH6.8)。その全体の媒体は、50秒間渦動され、次いで4℃、4000gで25分間遠心分離される。そのペレットは、上清を排除した後の残りの2ml中で再懸濁される(渦動、15秒)。
【0074】
次いで各種の試料が、該試験のための均質且つ不変の媒体を得るために混合される。該実験は、以下の手法で実施される:260μlの試料を、100μmの直径を有するガラスビーズの90μl、2mmの直径を有する3のガラスビーズ、2mmの直径を有する5の鉄ビーズと共に、12×75mmのポリプロピレン管に加える。40μlのアニオン性洗浄剤を、2.5%の最終濃度が得られるように加える。その洗浄剤の存在は、核酸が溶解プロセスの間安定化され且つ保護されるという事実によって証明される。
【0075】
その媒体全体を、12分間最大パワーで、Reax 2000 vortex(Heidolph)中で撹拌する(時間は標準プロトコルと比較して特に長いが、妥当である場合に泡の形成の可能性が促進されるであろう)。その管中の液体の高さが最初と撹拌後に測定され、得られた泡のパーセンテージが、最初の高さに対する泡の高さの割合を算出することによって以下の結果で表される。
【表4】
【0076】
消泡剤、特にFoam Ban MS-575 (Ultra Inc., Charlotte, USA)が、0.01から1%の最終濃度が得られるように、取るに足らない量で加えられる(表4)。
【0077】
その結果(表4参照)は、消泡剤の存在が、特に沈渣のような臨床試料からの泡の形成の解消を与えることを示す。0.5から1%の濃度でのその使用は、ビーズの存在する液体試料の撹拌で生じる泡の形成を完全に解決することを可能にする。
【0078】
該消泡剤の有効性はまた、上述したプロトコルに従い、0.6%の最終濃度で、個別の試料(混合しない)を用いても確認された。
【0079】
その結果(表5参照)は、泡の形成が生物学的試料に従い可変であるが、溶解プロトコルにおける消泡剤の存在は、各種の呼吸器系試料からの泡の形成を解決し且つ防止することを示す。
【表5】
【0080】
実施例10:消泡剤の存在中で微生物を溶解するためのプロトコルの感受性
特に消泡剤の存在中で、全体の溶解プロトコルの能率を、非常に低い濃度の細菌を含む試料で評価した。細菌マイコバクテリウム・ボビスBCGを、このマイコバクテリウムが溶解するのが困難であることが知られ、且つ呼吸器系試料において特に試験されるため、用いた。
【0081】
デンシトメトリー測定によって決定した濃度(550nmでの光学密度)の細菌の均質な最初の懸濁液で開始される連続希釈を、陰性(各種の流動化し且つ脱不純物した陰性沈渣を混合することによって再構築した)且つ不活性化した沈渣(95℃で15分間加熱する)である沈渣の取るに足らない容積画分に接種するために作製した。かくして再構築した該試料を、以下のプロトコルにかけた:
・それぞれ2.5%と1%の採集濃度をえるためにアニオン性洗浄剤とFoam Ban MS-575消泡剤を含む緩衝液中での希釈。
・95℃で15分間加熱すること(細菌の不活性化)。
・600μlの容量が、100μmのガラスビーズの180μl、6のガラスビーズ(直径2mm)、10の鉄ビーズ(直径2mm)を含む12x75mmのセル(ポリプロピレン)に加えられ、その全媒体は、最大パワーで2分間、可動を促進するために揺動される。
【0082】
同時に、コントロール実験が実施される:これらは、渦動によってビーズを揺動する工程を除いて、上述したと同じプロトコルを受けさせる。
【0083】
かくして潜在的に放出される核酸は、以下のプロトコルに従い、M.ツベルクロシスBCG 16S RNA配列に相補である捕捉オリゴヌクレオチドから得られたマグネチックビーズ(Seradyne)での特異的捕捉工程により精製される:
・得られた溶解物の250μlが、マグネチックビーズに結合したオリゴヌクレオチドプローブ(50μl/アッセイ)を含む捕捉緩衝液と混合される。その全体の媒体は、60℃で20分間、次いで室温で10分間インキュベーションされ、次いでその上清が磁力付与によって管の壁に該ビーズを固定化した後に除去される。
・該ビーズは、洗浄緩衝液の1mlの2画分で洗浄される(再懸濁及び磁力付与)。
・緩衝液の除去後、該ビーズは、50μlの水と、McDonoughら(Nucleic Acids Amplification Technologies, 1997, Ed. Lee, Morse & Olsvik, Eaton Publishing, Natik, USA, pp. 113-123)同じくKacianとFulz(Nucleic Acid Sequences Amplification Methods, 1995, 米国特許第5399491号)によって記載された"Transcription-Mediated Amplification" (TMA)に基づいたM.ツベルクロシス同定キット("Amplified Mycobacterium Tuberculosis Direct", Gen-Probe ref. 1001)のオリゴヌクレオチドプライマーとデオキシリボヌクレオチドを含む増幅混合物の25μlで再懸濁される。
・その全体の媒体は、60℃15分間加熱され、42℃で5分間冷やされ、該キットの酵素溶液(T7 RNAポリメラーゼと逆転写酵素を含む)の25μlが加えられる。
・その反応物は、42℃で1時間インキュベーションされ、Arnoldら(Clin. Chem., 1989, Vol. 35, pp. 1588-1594)によって記載される「ハイブリダイゼーション保護アッセイ」(HPA)に従い、キットの検出試薬を用いて分析される。
・その反応物は、450イルミノメーター(Gen-Probe)で読まれ、相対光単位(RLU)におけるデータをもたらし、アッセイの陽性の限界は、30000RLUsである。
【0084】
得られたデータは、表6中に示され、試験した条件毎の3つの実験アッセイに相当する。
【表6】
【0085】
その結果(表6参照)は、消泡剤の存在中でガラスビーズを用いた溶解プロトコルの実施は、10-3細菌/アッセイに当量、即ち感受性手法においてリボソームの1から10コピーに当量の生物学的試料中で検出することを可能にする。比較すると、溶解の不在(試料の不活性化のための洗浄剤の存在中で最初に加熱することを除く)は、アッセイ当たり10から1000細菌の当量、即ち用いた溶解法によるよりも10000倍でのみ検出できる。
【0086】
これらの結果は、ビーズの存在中(渦動などの助力と共に)で機械的衝撃によって細菌の溶解に関するプロトコルの有効性が、消泡剤の使用と結び付くことを示す。ビーズの揺動による溶解の方法の組み合わせは、それ故に、申し分なく適当である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、溶解率(y軸)を、ビーズの直径(x軸)と混合物の組成(ビーズの性質と割合)の関数として表したものである。
「SI」とは、初期溶液を意味し、溶解されていない対照を表す。
A:1乃至50μmのガラス製ビーズ
B:50乃至100μmのガラス製ビーズ
C:90乃至150μmのガラス製ビーズ
D:100μmのガラス製ビーズ
E:100μmのジルコニウム製ビーズ
F:500μmのジルコニウム製ビーズ
G:100及び500μmのジルコニウム製ビーズの50/50混合物
【図2】 図2は、検出されたS.epidermidisの核酸(y軸)を、ビーズの直径(x軸)の関数で表したものである。
「SI」とは、「初期溶液」を意味し、溶解しなかった対照を表す。
A:1乃至50μmのガラス製ビーズ
B:50乃至100μmのガラス製ビーズ
C:90乃至150μmのガラス製ビーズ
D:100μmのガラス製ビーズ
E:100μmのジルコニウム製ビーズ
F:500μmのジルコニウム製ビーズ
G:100及び500μmのジルコニウム製ビーズの50/50混合物
【図3】 図3は、エッペンドルフチューブ内での溶解率(y軸)を、係数a(x軸)の関数で表したものである。
【図4】 図4は、ファルコンチューブ内での溶解率(y軸)を、係数a(x軸)の関数で表したものである。
【図5】 図5は、ディスク形の容器内での溶解率(y軸)を、係数a(x軸)の関数で表したものである。
【図6】 図6は、エッペンドルフチューブ内での溶解率(y軸)を、係数b(x軸)の関数で表したものである。
【図7】 図7は、ファルコンチューブ内での溶解率(y軸)を、係数b(x軸)の関数で表したものである。
【図8】 図8は、ディスク形の容器内での溶解率(y軸)を、係数b(x軸)の関数で表したものである。
【図9】 図9は、溶解率(y軸)を、容器の形状(x軸)の関数で表したものである。
A:V字型底を有するエッペンドルフチューブ Vc=1.5ml
B:平底の分光器用キュベット Vc=5ml
C:平底のチューブ Vc=30ml
D:平底のチューブ Vc=60ml
E:平底のガラス製ボトル Vc=8ml
F:平底のガラス製ボトル Vc=25ml
G:U字形底を有するポリスチレンチューブ Vc=6ml
H:U字形底を有するポリスチレンチューブ Vc=14ml
I:U字形底を有するポリスチレンチューブ Vc=22ml
J:U字形底を有するポリプロピレンチューブ Vc=6ml
K:U字形底を有するポリプロピレンチューブ Vc=14ml
L:U字形底を有するポリプロピレンチューブ Vc=22ml
M:U字形底を有するポリプロピレンチューブ Vc=4ml
【図10】 図10は、溶解率(y軸)を、添加した異なるビーズの組み合わせ(x軸)の関数として表したものである。
【図11】 図11は、溶解率(y軸)を、添加した異なるビーズの組み合わせの(x軸)関数として表したものである。
A:直径が2mmの10個のステンレススチール製ビーズ
B:直径が3mmの10個のガラス製ビーズ
C:それぞれ直径が2、3mmの5個のステンレススチール製ビーズ及び5個のガラス製ビーズ
D:それぞれ直径が2、3mmの4個のステンレススチール製ビーズ及び4個のガラス製ビーズ
E:それぞれ直径が2、3mmの5個のステンレススチール製ビーズ及び3個のガラス製ビーズ
F:それぞれ直径が2、3mmの3個のステンレススチール製ビーズ及び5個のガラス製ビーズ。
【図12】 図12は、溶解率(y軸)を、実施例5のプロトコルI及びIIで渦動タイプの運動にかけた時間(x軸)の関数で表したものである。
【図13】 図13は、溶解率(y軸)を、実施例5のプロトコルII及びIIIで渦動タイプの運動にかけた時間(x軸)の関数で表したものである。
Claims (13)
- − 液体媒体中の生物学的試料が容器内に配され、
− 核材料に関して実質上不活性である少なくとも1の粒子材料が容器内に配され、
− 該生物学的試料と粒子材料の混合物が運動を受けさせられる、
ことに従って、微生物に属する興味ある少なくとも1の核材料を放出するための、細菌タイプの少なくとも1の微生物を含む生物学的試料の溶解方法であって、
組合せにおいて:
選択される運動が渦動タイプであり、以下の条件:
− 粒子材料は90と150μmの間の直径を有するビーズと2から3mmの直径を有する他のビーズとからなり、及び
− 該ビーズの見掛け容積であるVb、及び液体試料の容積であるVeは、Ve=α×Vbの関係にある(但し容器が管状である場合にはαは1.4と10の間であり、容器がディスク形である場合にはαは1.4と2.1の間である)
に相当するものであり、
これによって、試薬及び/又は付加的操作工程を更に要することなく、核材料を天然状態で、且つ続く処理のための如何なる試薬もアクセス可能な状態で液体媒体中に直接的に放出することを特徴とする生物学的試料の溶解方法。 - 粒子材料の一方のタイプが100μmの直径を有するビーズからなることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 渦動タイプの運動が、更に以下の関係を満たしている:
Vb<Ve<Vc、但し
Vc=β×Veであり、βは2.5以上であり、Vcは容器の有効容積であることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 容器が管状であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- βが2.5と30の間の数であることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 容器が、フルストコニカル底を持つ管であり、且つαが1.4と3.3の間の数であり、且つβが2.5と15の間の数であることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 容器がU字形底を持つ管であり、且つαが1.4と3.3の間の数であり、且つβが3と30の間の数であることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 容器がディスク形であり、且つαが1.4以下であり、且つβが9.3以上であることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 消泡剤が、液体試料の容積、Veの0.01から1%の最終濃度で加えられることを特徴とする請求項1記載の方法。
- アニオンタイプの洗浄剤が、液体試料の容積、Veの2.5%の最終濃度に更に加えられることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 渦動タイプ運動を実行するための時間が、少なくとも10秒に等しいことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 渦動タイプ運動を実行するための時間が、2分間であることを特徴とする請求項11記載の方法。
- 興味ある核材料を含む細菌タイプの少なくとも1の微生物を含む生物学的試料の処理方法であって:
− 上記試料が請求項1から12のいずれか1項記載の方法に従い溶解される、
− 溶解のために使える粒子材料と共に又は無しで、溶解した生物学的試料が、興味ある核材料に特に関係する操作プロトコルを直接受けさせることを特徴とする生物学的試料の処理方法。
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