JPH0817701B2 - アルカリプロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna、アルカリプロテアーゼの製造法、及び遺伝子発現用dna断片 - Google Patents

アルカリプロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna、アルカリプロテアーゼの製造法、及び遺伝子発現用dna断片

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JPH0817701B2
JPH0817701B2 JP2071810A JP7181090A JPH0817701B2 JP H0817701 B2 JPH0817701 B2 JP H0817701B2 JP 2071810 A JP2071810 A JP 2071810A JP 7181090 A JP7181090 A JP 7181090A JP H0817701 B2 JPH0817701 B2 JP H0817701B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルカリプロテアーゼ、アルカリプロテア
ーゼ遺伝子、新規な組み換え体DNA、アルカリプロテア
ーゼの製造法、及び遺伝子発現用アルカリプロテアーゼ
遺伝子のプレプロ領域に関する。
〔従来の技術〕 従来、黄麹菌の1種であるアスペルギルス・オリゼー
(Aspergillus oryzae)由来のアルカリプロテアーゼ遺
伝子の構造については、全く未知であり、また、該遺伝
子の単離すらされていないのが実情である。
アルカリプロテアーゼは、蛋白質又はその部分加水分
解物に作用して、ペプタイド結合を分解する加水分解酵
素であって、医薬、飲食品、洗浄等広範に用いられてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、野生型アルカリプロテアーゼのアミノ酸配
列の40位において、バリンがロイシンまたはイソロイシ
ンに変異されているアルカリプロテアーゼ、上記アミノ
酸配列をコードするアルカリプロテアーゼ遺伝子、該遺
伝子をベクターDNAに挿入した新規な組み換え体DNA、上
記アルカリプロテアーゼの製造法、及び遺伝子発現用DN
A断片を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
先に、本発明者等は、アスペルギルス・オリゼー由来
のアルカリプロテアーゼ遺伝子について種々検討した結
果、アスペルギルス・オリゼー由来のアルカリプロテア
ーゼ遺伝子及びプレプロ型アルカリプロテアーゼ遺伝子
を始めて単離し、その構造を決定することに成功した
(特開平2-2374号、特開平2-2375号、特願昭63-280370
号及び特願昭63-280371号)。
その後、本発明者等は、プレプロ型アルカリプロテア
ーゼ遺伝子を用い、アルカリプロテアーゼを効率よく生
産すべく種々検討した結果、アスペルギルス・オリゼー
由来のプレプロ型アルカリプロテアーゼ遺伝子をプラス
ミドベクターDNAに挿入した組み換え体DNAを含み、アル
カリプロテアーゼ生産能を有するサッカロマイセス・セ
レビシェ(Saccharomyces cerevisiae)を培地に培養す
れば、該酵母菌体外に効率よくアルカリプロテアーゼが
分泌生産されること等の知見を得た(特願昭63-280372
号及び特願昭63-280373号)。
更にその後、本発明者等は、アルカリプロテアーゼ遺
伝子を用い、蛋白質工学手法のうち部位特異的変異によ
りアルカリプロテアーゼの活性を増強すべく種々検討し
た結果、野生型アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列の
40位において、バリンがロイシンまたはイソロイシンに
変異させたアミノ酸配列をコードするアルカリプロテア
ーゼ遺伝子を得、更に該遺伝子をベクターDNAに挿入し
た組み換え体DNAを含み、アルカリプロテアーゼ生産能
を有するサッカロマイセス属に属する微生物を、培地に
培養すれば、野生型アルカリプロテアーゼの活性に比
し、約1.6〜1.7倍程度酵素活性が増強されたアルカリプ
ロテアーゼを効率よく得られること等を見い出し、また
更に、アルカリプロテアーゼ遺伝子のプレプロ領域を用
いて、野生型アルカリプロテアーゼ遺伝子に替えて、野
生型アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列の40位におい
て、バリンがロイシンまたはイソロイシンに変異されて
いるアルカリプロテアーゼのアミノ酸配列をコードする
アルカリプロテアーゼ遺伝子等を発現させても充分に上
記遺伝子が発現されること等の知見を得、本発明を完成
した。
なお、上記野生型アルカリプロテアーゼのアミノ酸配
列は特開平2-2374号公報に記載している。
すなわち本発明は、第3図に示される野生型アルカリ
プロテアーゼのアミノ酸配列の40位において、バリンが
ロイシンまたはイソロイシンに変異されていることを特
徴とするアルカリプロテアーゼであり、また、本発明
は、第3図に示される野生型アルカリプロテアーゼのア
ミノ酸配列の40位において、バリンがロイシンまたはイ
ソロイシンに変異されているアミノ酸配列をコードする
アルカリプロテアーゼ遺伝子であり、更に本発明は、第
3図に示される野生型アルカリプロテアーゼのアミノ酸
配列の40位において、バリンがロイシンまたはイソロイ
シンに変異されているアミノ酸配列をコードするアルカ
リプロテアーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入したことを
特徴とする新規な組み換え体DNAであり、更にまた本発
明は、第3図に示される野生型アルカリプロテアーゼの
アミノ酸配列の40位において、バリンがロイシンまたは
イソロイシンに変異されているアミノ酸配列をコードす
るアルカリプロテアーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入し
た組み換え体DNAを含み、アルカリプロテアーゼ生産能
を有するサッカロマイセス属に属する微生物を、培地に
培養し、培養物よりアルカリプロテアーゼを採取するこ
とを特徴とするアルカリプロテアーゼの製造法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明に用いられるアルカリプロテアーゼ遺伝
子のドナーとして用いられるアスペルギルス・オリゼー
としては、例えば、アスペルギルス・オリゼー(ATCC 2
0386)等が挙げられる。
次いで、上記微生物を、特公昭48-38873号公報記載の
方法と全く同様にして培養し、培養物を得、該培養物か
ら常法、例えば、濾過、遠心分離処理等によりアスペル
ギルス・オリゼーの菌体を得る。
上記アスペルギルス・オリゼーの菌体よりm−RNAを
調製するには、例えば、菌体の破砕の際、ガラスビーズ
及びフェノールを用いる以外は、例えば、「モレキュラ
ー・クローニング」(Molecular Cloning)、第196頁、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratory)(1982)及び「分子遺伝
学実験法」、小関治男、志村令郎、第66〜67頁(1983)
記載の方法等により得ることができる。
得られたm−RNAよりアルカリプロテアーゼをコード
するm−RNA(以下、アルカリプロテアーゼm−RNAとい
う)を濃縮するには、例えば、「バイオメディカル・リ
サーチ」(Biomedical Research)、第3巻、第534〜54
0頁(1982)記載の方法により行うことができる。
なお、この際、アルカリプロテアーゼに対する抗アル
カリプロテアーゼ血清を使用するのであるが、該血清
は、例えば、「免疫化学」、山村雄一、第43〜50頁(19
73)記載の方法により得ることができる。
アルカリプロテアーゼm−RNAよりc−DNAを合成する
には、例えば、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.B
iol.)、第2巻、第161頁(1982)及び「ジーン」(Gen
e)、第25巻、第263頁(1983)記載の方法により行うこ
とができる。
次いで、このようにして得られたc−DNAをベクターD
NA、例えば、プラスミドpUC119DNA(宝酒造社製)等に
組み込み、種々の組み換え体プラスミドDNAを得、該DNA
を用いて例えば、大腸菌(E.coli)DH1(ATCC 3384
9)、大腸菌(E.coli)HB101(ATCC 33694)等をハナハ
ン(Hanahan)の方法〔「ディーエヌエイ・クローニン
グ」(DNA Cloning)、第1巻、第109〜135頁(198
5)〕により形質転換し、種々の形質転換株を得る。
上記の種々な形質転換株よりアルカリプロテアーゼを
コードするc−DNA(以下、アルカリプロテアーゼc−D
NAという)を検出するには、ハイブリダイゼーション・
セレクション〔「モレキュラー・クローニング」(Mole
cular Cloning)、第329〜333頁及び第344〜349頁、コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold S
pring Harbor Laboratory)(1982年)〕により検出す
ることができる。
次いで、不完全なアルカリプロテアーゼc−DNAを32P
を用いニックトランスレーション法(「モレキュラー・
クローニング」(Molecular Cloning)、第109〜112
頁、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratory)(1982年)、及び
「ジェイ・モル・バイオル」(J.Mol.Biol.)、第113
巻、第237〜251頁(1977)〕により標識したのち、該c
−DNAをプローブとしてコロニーハイブリダイゼーショ
ン法〔「蛋白質・核酸・酵素」、第26巻、第575〜579頁
(1981)〕によりプラスミドpUC119DNAをベクターとし
て作成したc−DNAのジーンバンクのライブラリーより
1.5Kbのアルカリプロテアーゼc−DNAを含有するプラス
ミドDNAを得ることができる。
そして、このようにして得られた組み換え体プラスミ
ドDNAよりアスペルギルス・オリゼー由来のアルカリプ
ロテアーゼをコードする遺伝子においてプレプロ領域を
有するもの(以下、プレプロ型アルカリプロテアーゼ遺
伝子という)を含有するDNAを得るには、該プラスミドD
NAに、制限酵素、例えばEcoRIを温度30〜40℃、好まし
くは37℃で1〜24時間、好ましくは2時間作用させ、得
られた反応終了液を、アガロースゲル電気泳動法〔「モ
レキュラー・クローニング」(Molecular Cloning)、
第150頁、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラト
リー(Cold Spring Harbor Laboratory)(1982)記
載〕によりアスペルギルス・オリゼー由来のプレプロ型
アルカリプロテアーゼ遺伝子を含有するDNAを得ること
ができる。
そして、このプレプロ型アルカリプロテアーゼ遺伝子
の塩基配列の決定を実施例の第(11)項目に示すような
方法によって行い(第5図参照)、次いで、前記塩基配
列を有する遺伝子によって翻訳されるポリペプタイドの
アミノ酸配列を確定する(第6図参照)。
次いで、ベクターDNAに、制限酵素、例えばEcoRI(宝
酒造社製)を温度30〜40℃、好ましくは37℃で1〜16時
間、好ましくは2時間作用させて、該ベクターDNAを切
断したものに、上記のようにして得たプレプロ型アルカ
リプロテアーゼ遺伝子を含有するDNA及びT4DNAリガーゼ
(宝酒造社製)等のDNAリガーゼを添加して常法により
連結させて組み換え体DNAを得る。
上記ベクターDNAとしては如何なるものでもよく、例
えば、プラスミドMA56DNA(ワシントン・リサーチ・フ
ァウンデーションより入手)等が挙げられる。
そして、このようにして得られた組み換え体DNAを用
いて、サッカロマイセス属に属する微生物例えば、サッ
カロマイセス・セレビシエSHY1(ATCC 44769)等を、ベ
ッグス(Beggs)の方法〔「ネーチュアー」(Natur
e)、第275巻、第104〜109頁(1978)〕により形質転換
して、プレプロ型アルカリプロテアーゼ遺伝子をベクタ
ーDNAに挿入した組み換え体DNAを含みアルカリプロテア
ーゼ分泌生産能を有するサッカロマイセス属に属する微
生物を得る。
このようにして得たサッロマイセス属に属する微生物
より、純化された新規な組み換え体DNAを得るには、例
えば「プロク・ナトル・アカド・サイ」(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.)第62巻、第1159〜1166頁(1969)記載の方法
等により得ることができる。
上述の如くして得られた新規な組み換え体DNAを用
い、野生型アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列の40位
のバリンに相当する遺伝子である118〜120位のコドンGT
Gを、ロイシンまたはイソロイシンに相当するコードす
わちATTまたはCTGに部位特異変異させるには、例えば、
アマシャム社製オリゴヌクレオチド−ダイレクティッド
・イン・ビトロ・ミュータジェネシス・システム・バー
ジョン2(Oligonucleotide−directed in vitro muta
genesis system version2)を用いて行うことができ
る。
次いで、野生型アルカリプロテアーゼ遺伝子中のバリ
ンに相当するコドンを、ロイシンまたはイソロイシンに
相当するコードに部位特異変異されたアルカリプロテア
ーゼ遺伝子を含む組み換え体プラスミドDNAを、制限酵
素例えば、BglII及びAflIIを用い通常の方法により処理
して切断し、部位特異変異されたアルカリプロテアーゼ
遺伝子を夫々得る。
一方、プロモーター、例えばザイゴサッカロマイセス
・ルーキシ(Zygosaccharomyces rouxii)由来グリセル
アルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(以下、GAPHと省略
する)のプロモーター(広島大学 東江教授より入
手)、ターミネーター(前記同教授より入手)、上述の
プレプロ型アルカリプロテアーゼc−DNA及びベクターD
NAを、常法により例えばT4DNAリガーゼ(宝酒造社製)
等のDNAリガーゼを用いて連結させて組み換え体DNAを得
る。
上記ベクターDNAとしては、如何なるものでもよく、
例えば、後述の実施例記載の組み換え体プラスミドpOAP
106BDNA等が挙げられる。
次いで、上記の組み換え体DNAを、制限酵素、例え
ば、BglII及びAflIIを用いて常法により切断したもの
に、上記の如くして得られた部位特異変異されたアルカ
リプロテアーゼ遺伝子及びT4DNAリガーゼ(宝酒造社
製)等のDNAリガーゼを添加して常法により連結させて
組み換え体DNAを得る。
そして、このようにして得られた組み換え体DNAを用
いて、サッカロマイセス属に属する微生物例えば、サッ
カロマイセス・セレビシエNA87-11A(大阪大学 大嶋泰
治教授より入手)等を、ベッグス(Beggs)の方法
〔「ネーチュアー」(Nature)、第275巻、第104〜109
頁(1978)〕により形質転換して、部位特異変異された
アルカリプロテアーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入した
組み換え体DNAを含みアルカリプロテアーゼ分泌生産能
を有するサッカロマイセス属に属する微生物を得る。
このようにして得られたサッカロマイセス属に属する
微生物より、本発明の純化された新規な組み換えDNAを
得るには、例えば、「プロク・ナトル・アカド・サイ」
(Proc.Natl.Acad.Sci.)第62巻、第1159〜1166頁(196
9)記載の方法等により得ることができる。
次いで、上記微生物を培地に培養し、培養物よりアル
カリプロテアーゼを採取するのである。
培地としては、例えば、サッカロマイセス属に属する
微生物の培養に用いられるものであれば、如何なるもの
でもよく、例えば、グルコース、ポリペプトン、酵母エ
キスからなるYPD培地が挙げられる。
また、培養温度は、例えば、25〜35℃、好ましくは30
℃程度で、培養時間は、例えば、6〜120時間、好まし
くは48時間程度である。
そして、培養物を、例えば、3,000r.p.m.で2分間程
度の遠心分離処理し、培養液及び菌体を得、得られた培
養液は、粗酵素液として用いることができ、また、得ら
れた菌体を、例えば、ガラスビーズと共に、ボルテック
スミキサーにより3分間程度攪拌して破砕し、粗酵素液
を得る。
そして、夫々粗酵素液は、そのままでも使用可能であ
るが、必要により硫安分画、イオン交換クロマトグラフ
法、例えば、DEAE−バイオゲルAでの処理等、ゲル濾過
法、例えば、ウルトロゲルAcA34での処理等により精製
して、純化されたアルカリプロテアーゼを得る。
このようにして得られたアルカリプロテアーゼの理化
学的性質は、従来の野生型アルカリプロテアーゼの活性
に比較して、アミノ酸配列の40位においてバリンがロイ
シン又はイソロイシンに部位特異変異された場合には、
夫々約1.6又は1.7倍程度酵素活性が増強される以外は、
「アグル・バイオル・ケム」(Agr.Biol.Chem.)、第37
巻、第2685〜2694頁(1973年)に記載されたものと全く
同様である。
また、本発明においては、下記に示されるアミノ酸配
列をコードする野生型アルカリプロテアーゼ遺伝子のプ
レプロ領域のDNA断片は、野生型アルカリプロテアーゼ
遺伝子に替えて、遺伝子例えば、野生型アルカリプロテ
アーゼのアミノ酸配列の40位において、バリンがイソロ
イシンまたはロイシンに変異されているアルカリプロテ
アーゼのアミノ酸配列をコードするアルカリプロテアー
ゼ遺伝子等を発現させることができるので、上記プレプ
ロ領域のDNA断片は、ポリペプチド遺伝子発現用のDNA断
片領域として極めて有用なものである。
〔発明の効果〕 上述したことから明らかな如く、本発明によれば、上
記したアミノ酸配列をコードするアルカリプロテアーゼ
遺伝子の組み込まれた組み換え体DNAを含む、サッカロ
マイセス属に属する微生物を培地に培養することによ
り、極めて短期間のうちに、高活性のアルカリプロテア
ーゼを効率よく分泌生産させることができるので、本発
明は、産業上極めて有用である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明する。
実施例 (1) 菌体の取得 黄麹菌アスペルギルス・オリゼー(ATCC 20386)の胞
子(1.2×108個)を、アルカリプロテアーゼ生産培地
〔3%(W/V)加熱、加圧膨化処理した脱脂大豆、3%
(W/V)KH2PO4〕50mlに接種し、恒温振盪機(大洋科学
工業社製、M−100n)を用いて120r.p.m.、温度30℃で4
5時間振盪培養を行ない培養物を得、常法によりこの培
養物を濾過して菌体10gを得た。
(2) m−RNAの取得 項目(1)で得られた菌体10gを、20mlのグアニジン
イソチオシアネート溶液〔6Mグアニジンイソチオシアネ
ート/37.5mMクエン酸ナトリウム(pH7.0)/0.75%(W/
V)N−ラウロイルザルコシンナトリウム/0.15M β−メ
ルカプトエタノール〕に添加したものを、カップ型ブレ
ンダー(日本精機製作所社製)に入れ、更に、10gのガ
ラスビーズ(直径0.5mm)を添加し、10,000r.p.m.で5
分間処理したのち、また更に、10mlの水飽和フェノール
を添加し、10,000r.p.m.で10分間処理して菌体を破砕処
理し、破砕物を得た。
このようにして得られた破砕物を冷却遠心機(日立工
機社製、18PR-52)を用いて5,000r.p.m.で10分間遠心分
離処理して、菌体破砕液20mlを得た。
次いで、超遠心分離機用チューブ(日立工機社製)4
本に、予め1.2mlの5.7Mの塩化セシウム溶液を夫々重層
し、その上に、上記菌体破砕液を重層するように夫々分
注し、超遠心分離機(日立工機社製、SCP55H)を用いて
温度15℃、30,000r.p.m.で16時間遠心分離して沈澱物を
得た。
得られた沈澱物を、冷70%(V/V)エタノールを用い
て洗浄したものを、10mMトリス緩衝液〔10mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.4)/5mM EDTA/1%ドデシル硫酸ナトリウ
ム〕4mlに懸濁したものに、同量のn−ブタノール及び
クロロフォルムを4対1(容量比)となる如く混合した
ものを添加して抽出し、常法により3,000r.p.m.で10分
間遠心分離し、水層及び有機溶媒層に分離し、この有機
溶媒層に上記10mMトリス緩衝液4mlを添加し、上記抽出
及び分離操作を行う操作を2回繰り返して得られた水層
に、1/10量の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)及び2倍量の
冷エタノールを添加したものを温度−20℃で2時間放置
したのち、常法により8,000r.p.m.で20分間遠心分離
し、RNAを沈澱させ、得られたRNAを4mlの水に溶解し、
上記エタノール沈澱操作を行い、得られたRNAを1mlの水
に溶解し、12mgのRNAを得た。
このRNA中よりm−RNAを選択するために、12mgのRNA
を、オリゴ(dT)−セルロース(ニューイングランドバ
イオラボ社製)カラムクロマトグラフィーにかけた。
カラムとして2.5mlテルモシリンジ(テルモ社製)を
用い、樹脂0.5gは、溶出緩衝液〔10mMトリス−塩酸緩衝
液(pH7.6)/1mM EDTA/0.1%(W/V)ドデシル硫酸ナト
リウム〕で膨潤させたのち、カラムに充填し、結合緩衝
液〔10mMトリス−塩酸(pH7.6)/1mM EDTA/0.4M NaCl/
0.1%ドデシル硫酸ナトリウム〕で平衡化したものであ
る。
12mgのRNAに、同量の緩衝液〔10mMトリス−塩酸(pH
7.6)/1mM EDTA/0.8M NaCl/0.1%ドデシル硫酸ナトリウ
ム〕を添加し、温度65℃で10分間加熱処理し、氷中で急
冷し、オリゴ(dT)−セルロースカラムにかけたのち、
結合緩衝液で樹脂を洗浄し、未結合のr−RNA及びt−R
NAを完全に洗浄し、更に、溶出緩衝液でm−RNAを溶出
し、90μgのm−RNAを得た。
(3) アルカリプロテアーゼm−RNAの濃縮 次に、ショ等密度勾配遠心分離法によりアルカリプロ
テアーゼm−RNAを濃縮した。
10〜25%(W/V)のショ等密度勾配は、ベックマン社
製のローターSW41用ポリアロマチューブに40%(W/V)
ショ糖液〔50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)/20mM NaC
l/1mM EDTA/40%(W/V)ショ糖〕0.5mlを入れ、その上
に2.4mlずつ25%(W/V)、20%(W/V)、15%(W/V)及
び10%(W/V)のショ糖液を重層し、温度4℃で24時間
放置することにより作製した。このショ糖密度勾配に、
m−RNA50μgを重層し、ベックマン社製のSW41ロータ
ーを用い、常法により30,000r.p.m.、温度18℃で18時間
遠心分離を行った。遠心分離操作ののち、0.5mlずつ分
画し、エタノール沈澱法によりm−RNAを回収し、10μ
lの水に溶解した。
次に、m−RNAにコードされている蛋白質を調べるこ
とにより、アルカリプロテアーゼm−RNAが濃縮されて
いる画分の同定を行った。分画したRNA1μl、ウサギ網
状赤血球ライセート(アマシャム社製)9μl及び〔35
S〕メチオニン1μl(アマシャム社製)を混合し、温
度30℃で30分間反応させたものに、150μlのNET緩衝液
〔150mM NaCl/5mM EDTA/0.02%(W/V)NaN3/20mMトリス
−塩酸緩衝液(pH7.4)/0.05%(W/V)ノニデットP−4
0(ベセスダリサーチラボラトリー社製、界面活性
剤)〕を添加し、更に、1μlの抗アルカリプロテアー
ゼ血清(後述のようにして調製したもの。)を添加し、
温度4℃で18時間放置したものに、10mgのプロティンA
セファロース(ファルマシア社製)を添加し、温度20℃
で30分間放置したものを、常法によりり12,000r.p.m.で
1分間遠心分離処理し、樹脂、すなわち、上記プロティ
ンAセファロースを回収した。
回収した樹脂を、200μlのNET緩衝液で3回洗浄し、
この樹脂に、40μlのSDS-PAGE用サンプル緩衝液〔62.5
mMトリス−塩酸緩衝液(pH6.8)/10%(V/V)グリセロ
ール/2%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム/5%(V/V)メ
ルカプトエタノール/0.02%(W/V)ブロムフェノールブ
ルー〕を添加し、温度100℃で3分間煮沸し、常法によ
り12,000r.p.m.で1分間遠心分離処理し、上清を回収
し、全量を12%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリ
アクリルアミドゲルに乗せた。
ゲル電気泳動は、ラエムリ(Laemmli)の方法〔「ネ
ーチュアー」(Nature)、第227頁、第680頁(1970)〕
で行い、泳動したのちゲルは、10%(V/V)の酢酸に30
分間浸漬し、蛋白質を固定したのち、水に30分間浸漬
し、更に、1Mサリチル酸ナトリウム溶液に30分間浸漬
し、乾燥して乾燥ゲルを得、X線フィルム(フジ写真フ
ィルム社製、RX)を用いてフルオログラフィーを行っ
た。
以上の操作により、アルカリプロテアーゼm−RNAの
存在する画分のRNAを用いた場合にのみ、アルカリプロ
テアーゼ蛋白質のバンドがX線フィルム上に認められ、
アルカリプロテアーゼm−RNAの濃縮されている画分が
同定できた。
(4) 抗血清の調製 精製アルカリプロテアーゼに対するウサギの抗アルカ
リプロテアーゼ血清は、以下の方法により調製した。
40mg/ml濃度のアルカリプロテアーゼ溶液0.7mlを、等
量のフロインド(Freund)完全アジュバントで懸濁した
もの28mgを、抗原として体重2kgの日本白色種ウサギの
視床部に投与し、飼育2週間経過したのち、初回と同量
の抗原を背部皮内へ投与し、更に、飼育1週間経過した
のち、同様の操作を行い、また更に、飼育1週間後全採
血を行った。
そして、得られた血液を、温度4℃で18時間放置した
ものを、常法により3,000r.p.m.で15分間遠心分離し、
上精として抗アルカリプロテアーゼ血清を得た。
(5) c−DNAの合成 c−DNAの合成は、アマシャム社製キットを用いて行
ったものである。
上述の如くして得られたm−RNA1.6μgを用いてアマ
シャム社の指示する「モル・セル・バイオル」(Mol.Ce
ll Biol.)、第2巻、第161頁(1982)及び「ジーン」
(Gene)、第25巻、第263頁(1983)記載の方法に従い
実施した結果、160ngの2本鎖c−DNAが得られた。
このようにして得たc−DNA160ngに、アマシャム社製
c−DNAクローニングキッドを用い、アマシャム社の指
示する方法により制限酵素EcoRI切断部位のメチル化を
行い、更にc−DNAの両端にEcoRIリンカーを付着させ
た。
(6) c−DNAバンクの作製 プラスミドpUC119DNA(宝酒造社製)100ngを、8μl
の水に溶解したものに、1μlのMed緩衝液〔100mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.5)/100mMMgCl2/10mMジチオスレ
イトール/500mM NaCl〕を添加したのち、更に、これ
に、10ユニット(1μl)の制限酵素EcoRI(宝酒造社
製)を添加し、温度37℃で2時間切断処理を行った。
次いで、この切断処理物に、1μlの1Mトリス−塩酸
緩衝液(pH8.0)及び0.3ユニット(1μl)のアルカリ
フォスファターゼ(宝酒造社製)を添加し、温度65℃で
1時間酵素反応処理し、切断処理物の両端の脱リン酸化
を行い、これに、12μlの水飽和フェノールを添加して
除蛋白を行ったのち、回収した水層に、1μlの3M酢酸
ナトリウム(pH5.8)及び26μlの冷エタノールを夫々
添加し、温度−70℃で15分間放置し、微量遠心機
〔(株)トミー精工、MRX‐150を用い、12,000r.p.m.で
5分間遠心分離処理を行いDNAを回収した。
このようにして得られた制限酵素RcoRIで切断し、か
つ両端を脱リン酸化したプラスミドベクターpUC119DNA
100ngと、項目(5)で調製したc−DNA 160ngを混合し
たものを、8μlの水に懸濁したのち、これに、1μl
のX10ライゲーション緩衝液〔200mM MgCl2/66mM トリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.6)/10mM ATP/150mM ジチオスレ
イトール〕を添加したものに、1ユニット(1μl)の
T4DNAリガーゼ(宝酒造社製))を添加し、温度16℃で1
6時間放置し、プラスミドベクターpUC119DNA及びc−DN
Aのライゲーションを行い反応物を得た。
この反応物を用いて、ハナハン(Hanahan)の方法
〔「ディーエヌエイ・クローニング」(DNA Clonin
g)、第1巻、第109〜135頁(1985)〕により大腸菌DH1
株(ATCC 33849)を形質転換し、プラスミドpUC119DNA
をベクターとしたc−DNAバンクを作製した。
(7) アルカリプロテアーゼc−DNAの断片の検索 ハイブリダイゼーション・セクション〔「モレキュラ
ー・クローニグ」(Molecular Cloning)、第329頁、コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(198
2)〕に従ってアルカリプロテアーゼc−DNAの検索を行
った。以下に、詳述する。
項目(6)で得られたc−DNAバンクより任意な大腸
菌70株を選び夫々について以下の操作を行った。「モレ
キュラー・クローニング」(Molecular Cloning)、第8
6頁、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(1982)記載の方法により、c−DNAバンク中の大腸菌
から組み換え体プラスミドDNA500μgを夫々得た。この
うち100μgを、水200μlに溶解し、温度100℃で10分
間放置したのち、氷中に移して急冷したものに、200μ
lの1M水酸化ナトリウムを添加し、室温にて20分間放置
し、組み換え体プラスミドDNAの変性液を得た。
次いで、このようにして得た変性液に、200μlの中
和液〔1M塩化ナトリウム/0.3Mクエン酸ナトリウム/0.5M
トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)/1M塩酸〕をすばやく添
加、混和したのち、氷中へ移して急冷した。この溶液
を、直径5mmの円形ニトロセルロースフィルター(ミリ
ポア社製、カタログナンバーHAWP 025 00)を用いて濾
過し、変性した組み換え体プラスミドDNAをニトロセル
ロースフィルター上に吸着させたものを、常法により風
乾したのち、6×SSC(0.9M塩化ナトリウム/0.09M ク
エン酸ナトリウム)を用いて洗浄し、更に常法により風
乾したのち、温度80℃に保った真空オーブン中で2時間
放置し、組み換え体プラスミドDNAをニトロセルロース
フィルターへ固定させた。
次いで、10μlのハイブリダイゼーション溶液{100
μg/ml m−RNA〔項目(2)で調製したもの〕/65%(V/
V)脱イオン化したホルムアミド/20mM1,4−ピペラジン
ジエタンスルホン酸(pH6.4)/0.2%ドデシル硫酸ナト
リウム/0.4M塩化ナトリウム/100μg/ml酵母t−RNA}
に、上記の如くして得た組み換え体プラスミドDNAを固
定したニトロセルロースフィルターを浸し、温度50℃に
て3時間放置し、フィルター上の組み換え体プラスミド
DNAとm−RNAとのハイブリダイゼーションを行った。反
応終了したフィルターを取り出し1mlの洗浄液I〔10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH7.6)/0.15M塩化ナトリウム/1m
M EDTA/0.5%ドデシル硫酸ナトリウム〕で9回洗浄した
のち、1mlの洗浄液II〔10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
6)/0.15M塩化ナトリウム/1mM EDTA〕にて2回洗浄を行
い、フィルター上に固定したプラスミドDNAとハイブリ
ダイズしていないm−RNAを除去した。
次いで、このニトロセルロースフィルターを、100μ
lの水中へ移し、10μgの酵母t−RNAを添加して、1
分間100℃の湯中へ放置し、ドライアイスで冷却したエ
タノール中へ移したのち、室温中で放置し溶解した。こ
のようにしてハイブリダイズしたm−RNAをニトロセル
ロースフィルターより剥離した。得られた水溶液に、10
μlの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)及び300μlの冷エタ
ノールを添加し、温度−70℃にて1時間放置し、エタノ
ール沈澱を行ったのち、微量遠心機〔(株)トミー精
工、MRX‐150〕を用いて12,000r.p.m.で5分間遠心分離
処理して上記ハイブリダイズしたm−DNAを回収した。
次いで、項目(3)に記載したと同様にして、回収し
た上記m−RNAにコードされている蛋白質を合成し、項
目(4)で得られた抗アルカリプロテアーゼ血清を用い
て、合成した蛋白質がアルカリプロテアーゼか否かを分
析した。
その結果70株中1株についてポジティブな結果が得ら
れた。この株の保有する組み換え体プラスミドDNA(pOA
P3と命名)にはアスペルギルス・オリゼー(ATCC 2038
6)由来のアルカリプロテアーゼc−DNAの断片が挿入さ
れていると結論できる。
次いで、組み換え体プラスミドpOAP3DNA1μgを項目
(6)に記載の方法により制限酵素EcoRIで処理しアガ
ロースゲル電気泳動法により移動度パターンを分析し、
得られたパターンとプラスミドpBR322DNA(宝酒造社
製)を制限酵素AluIにより消化して得られたDNA断片の
標準パターンと対比することにより、組み換え体プラス
ミドpOAP3DNAに挿入されているアルカリプロテアーゼc
−DNA断片の大きさは750bpであることが判明した。
(8) 大きなアルカリプロテアーゼc−DNAの検索 項目(7)で得られたアガロースゲルより750bpのア
ルカリプロテアーゼc−DNAを含むアガロースゲルを切
り出し、透析チューブに入れたものに、500μlのTE緩
衝液〔10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)/1mM EDTA〕を
添加したのち、透析チューブをシールし、電気泳動によ
り、ゲル中より緩衝液中にDNAを溶出して得た溶液に、
等容量の水飽和フェノールを添加して撹拌し、水層を回
収し、常法に従ってエタノール沈澱により100ngのDNAを
回収した。この100ngのアルカリプロテアーゼc−DNA
を、〔α−32P〕dCTP(アマシャム社製)を用いてニッ
クトランスレーション法により標識した。ニックトラン
スレーションは、宝酒造社の指示する「ジェイ・モル・
バイオル」(J.Mol.Biol.)、第113巻、第237〜251頁
(1977)及び「モレキュラー・クローニング」(Molecu
lar Cloning)、第109〜112頁(1982)記載の方法に従
った。このようにして調製した32Pで標識したアルカリ
プロテアーゼc−DNA断片をプローブとして用い、項目
(6)で得たc−DNAバンクに対しコロニーハイブリダ
イゼーション法〔「蛋白質・核酸・酵素」、第26巻、第
575〜579頁(1981)〕より検索し、アルカリプロテアー
ゼc−DNAを有するコロニーを得た。そのうち1個のコ
ロニーの有する組み換え体プラスミドDNAをpOAP5と命名
し、項目(7)に従い組み換え体プラスミドDNAを調製
した。
該組み換え体プラスミドDNAを含有する大腸菌を大腸
菌(E.coli)DH1(pOAP5)と命名した。なお、該形質転
換株は、工業技術院微生物工業技術研究所に、微工研菌
寄第9870号(FERM P-9870)として寄託されている。
組み換え体プラスミドpOAP5DNAを項目(6)に記載の
方法と同様にして制限酵素EcoRIで処理し、アガロース
ゲル電気泳動を行ったところ、挿入DNA断片の大きさは
1,100bpであることが判明した。そして、項目8記載の
方法と同様にしてこの1,100bpのアルカリプロテアーゼ
c−DNAを含むDNA断片0.1μgを分離、精製した。組み
換え体プラスミドpOAP5DNAを制限酵素AflII、EcoRI、K
pnI、SalI及びXmnIの単一または二重消化を行い、項
目7に記載したと同じ方法にて、現われた断片の大きさ
を分析することにより、組み換え体プラスミドpOAP5DNA
の制限酵素地図を作製し、該地図を第1図に示した。
(9) アルカリプロテアーゼc−DNAの塩基配列の決
定 項目(8)で得られた夫々のアルカリプロテアーゼc
−DNAを、両一ののりしろの制限酵素により切断したプ
ラスミドpUC18及びpUC19DNA(宝酒造社製)にクローニ
ングした。シークエンシングは、プラスミドDNAを榊の
方法〔「ベクターDNA」、第70頁、講談社(1986年)〕
に従ってアルカリ変性させたのち、M13シークエンスキ
ット(宝酒造社製)を用いて常法によりダイオキシ・チ
ェーン・ターミネーション法で行った。
このようにしてアスペルギルス・オリゼー(ATCC 203
86)由来のアルカリプロテアーゼc−DNA断片の塩基配
列を決定し、得られた塩基配列のうち、マチュアーなア
ルカリプロテアーゼに対応する遺伝子の塩基配列を第2
図に、また、前記第2図に示す塩基配列を有する遺伝子
から翻訳されるポリペプタイドのアミノ酸配列を第3図
に夫々示した。
このDNA塩基配列より推測されるアミノ酸配列のN末
端には精製したアルカリプロテアーゼのN末端のアミノ
酸配列16個(Gly Leu Thr Thr Glu Lys Ser Ala Pro Tr
p Gly Leu Gly Ser Ile Ser)が確認された(第3図下
線部)。
以上の知見より第2図に示した塩基配列は、マチュア
ーなアルカリプロテアーゼのN末端部分よりC末端部分
迄をコードしていると結論できる。
(10) アルカリプロテアーゼ完全長c−DNAの検索 項目(9)での塩基配列決定の結果、項目(8)で得
られた組み換え体プラスミドpOAP5はマチュアーなアル
カリプロテアーゼのN末端部分よりC末端部分迄をコー
ドしていたが、それより上流にあると考えられるプレプ
ロ領域が欠如していた。そこで、項目(8)と同様に組
み換え体プラスミドpOAP5のアルカリプロテアーゼc−
DNA断片を単離した後、ニックトランスレーション法に
より32Pで標識し、これをプローブとして項目(6)で
得たc−DNAバンクに対して再度コロニーハイブリダイ
ゼーション法により検索し、更に長いアルカリプロテア
ーゼc−DNAを有するコロニーを得た。そのうち1個の
コロニーの有する組み換え体プラスミドDNAをpOA10と命
名し、該組み換え体プラスミドDNAを有する大腸菌を大
腸菌(E.coli)DH1(pOAP10)と命名した。項目(7)
に従い、純化された組み換え体プラスミドpOAP10,100μ
gを調製した。
組み換え体プラスミドpOA10DNAを項目7に記載の方法
と同様にして制限酵素EcORIで処理し、アガロースゲル
電気泳動を行ったところ、挿入DNA断片の大きさは1,500
bpであることが判明した。更に組み換え体プラスミドpO
AP10DNAを制限酵素Af1II、EcoRI、KpnI、SalI、Xmn
I、Bg1II、HindIIIの単一または二重消化を行い、項目
(7)に記載したと同じ方法にて、現れた断片の大きさ
を分析することにより、組み換え体プラスミドpOAP10DN
Aの制限酵素地図を作製し、該地図を第4図に示した。
(11) アルカリプロテアーゼ完全長c−DNAの塩基配
列の決定 項目(11)で得られた組み換え体プラスミドpOAP10の
アルカリプロテアーゼc−DNA断片を項目(9)と同様
に、同一又は同一ののりしろの制限酵素により切断した
プラスミドpUC18およびpUC19DNAにクローニングした。
シークエンシングは項目(9)と同様にダイオキシ・チ
ェーンターミネーション法で行った。
このようにしてアスペルギルス・オリゼー(ATCC2038
6)由来のアルカリプロテアーゼc−DNAの塩基配列を決
定し、その全塩基配列を第5図に、また、前記第5図に
示す塩基配列を有する遺伝子から翻訳されるポリペプタ
イドのアミノ酸配列を第6図に夫々示した。第5図は、
実施例(11)項目に記載の完全長アルカリプロテアーゼ
(プロプロ型)に対応する遺伝子の塩基配列を示す。図
中、塩基番号53(A)〜415(T)がプレプロ領域を、
塩基番号416(G)〜1261(T)がマチュアーなアルカ
リプロテアーゼ遺伝子領域を示す。
翻訳されるポリペプタイドは403アミノ酸からなり、
精製したアルカリプロテアーゼのN末端のアミノ酸配列
16個(Gly Leu Thr Thr Glu Lys Ser Ala Pro Trp Gly
Leu Gly Ser Ile Ser)は122番目からのアミノ酸配列に
一致した(第6図下線部)。
したがって、N末端から121番目までのアミノ酸配列
は、アルカリプロテアーゼの分泌に必要なプレプロ領域
であり、122番目から403番目までのアミノ酸配列はマチ
ュアーなアルカリプロテアーゼをコードする領域であ
る。
以上の知見より第5図に示した塩基配列は、プレプロ
領域までを含んだアルカリプロテアーゼの全ポリペプタ
イドをコードしていると結論できる。
(12) 一本鎖組み換え体プラスミドpOAP10DNAの調製 項目(10)で得られたアルカリプロテアーゼc−DNA
を含む組み換え体プラスミドpOAP10DNAを含有する大腸
菌(E.coli)DH1(pOAP10)より、「メソッズ・イン・
エンザイモロジー」(Methods in Enzymology)、第153
巻、第3〜11頁記載の方法を用いて一本鎖組み換え体プ
ラスミドpOAP10DNAを調製した。
(13) オリゴヌクレオチドの合成 DNA合成機(ベックマン社製、システム1EプラスDNA合
成機)を用い、変異を導入するためにオリゴヌクレオチ
ドA,Bを合成した。オリゴヌクレオチドA,Bの構造を第7
図及び8図に示した。
(14) アルカリプロテアーゼc−DNAへの変異の導入 このようにして得られた一本鎖組み換え体プラスミド
pOAP10DNA及びオリゴヌクレオチドA,Bに、アマシャム社
製オリゴヌクレオチド−ダイレクティド・イン・ビトロ
・ミュータジェネシス・システム・バージョン・2(Ol
igonucleotide−directed in vitro mutagenesis syst
em version 2)を用い、アマシャム社の指示する方法に
より部位特異変異を導入し変異体アルカリプロテアーゼ
c−DNAを含む組み換え体プラスミドDNApOAP30及びpOAP
31を取得した。
(15) 変異体の塩基配列の決定 プラスミドDNAを榊の方法(「ベクターDNA」、第70
頁、講談社(1986年))に従ってアルカリ変性させたの
ち、M13シークエンスキット(宝酒造社製)を用いて常
法によりダイデオキシ・チェーン・ターミネーション法
で行った結果組み換え体プラスミドpOAP30のアルカリプ
ロテアーゼ構造遺伝子中の第118〜120番目が野生型GTG
から変異型のATTに置換されており、また、組み換え体
プラスミドpOAP31のアルカリプロテアーゼ構造遺伝子中
の118〜120番目が野生型のGTGから異変型のCTGに置換さ
れていることが判明した。
(16) 分泌発現ベクターの構築 先ず、既にEcoRIサイトでADH1プロモーターと、ター
ミネーターが連 結しているAAR6(ワシントン・リサー
チ・ファウンデーションより入手)のEcoRIサイトにプ
ラスミドpOAP10DNA(特願昭63-280373号特許出願明細
書)の1.5kbのEcoRI断片(アルカリプロテアーゼc−D
NA)を連結し、プラスミドpOAP103DNAと命令した。この
プラスミドは、複製起点がARS1であるために酵母内では
不安定であることが予測されたため、複製起点を2μmD
NA由来に変更した。即ち、2μmDNA由来の複製起点を有
するAAH5(ワシントン・リサーチ・ファウンデーション
より入手)とpOAP103のBamHI断片を連結し、プラスミ
ドpOAP107DNAを得た。このプラスミドは、選択マーカー
としてLEU2を用いているためにプラスミドのサイズが1
4.2kbと大きくなっている。そこでプラスミドを小型化
するために、選択マーカーをLEU2からTRP1に変更した。
即ち、pOAP107のPstI断片(ADH1プロモーター・アルカ
リプロテアーゼc−DNA・ADH1ターミネーターを含む)
TRP1を選択マーカーとして有するMA56(ワシントン・
リサーチ・ファウンデーションより入手)のPstI断片
を連結することにより、プラスミドpOAP108DNAを作製し
た。
まず、Z.ルーキシGAPDHプロモーターのプラスミドpUC
19DNAへのサブクローニングを行った。即ち、GAPDHプロ
モーターのうち翻訳開始コドン(ATG)上流を4塩基欠
失させたプラスミドpT143(広島大学、東江教授より分
譲)のGAPDHプロモーターを含むEcoRI−PstI断片をプ
ラスミドpUC19DNAのEcoRI−PsrIサイトに挿入すること
によりプラスミドpUG43DNAを得た。更に、Z.ルーキシの
GAPDHターミネーターを付加するための準備として、プ
ラスミドpUG43DNAのSspIサイトをBamHIサイトに変換
したプラスミドpUBG43DNAを作製した。次に、プラスミ
ドpUBG43DNAへのGAPDHターミネーターの付加を行った。
即ち、pUBG43をEcoRIとBamHIで消化し、ここにpGAP4−
Zr(広島大学、東江教授より分譲)のEcoRI−BamHI断
片(GAPDHの終止コドンの下流約700bpを含む)を挿入
し、GAPDHプロモーターとターミネーターがEcoRIサイト
を介して結合したプラスミドpUGT43 43DNAを得た。次
に、このプラスミドpUGT43DNAのEcoRIにサイトにプラス
ミドpOAP10DNAのアルカリプロテアーゼc−DNAを含む1.
5kbのEcoRI断片を挿入し、プラスミドpGAT43DNAを得
た。続いて、プラスミドpGAT43DNAが有するGAPDHプロモ
ーター・アルカリプロテアーゼc−DNA・GAPDHターミネ
ーターから成る発現ユニットに酵母での複製起点と選択
マーカーを付加した。即ち、プラスミドpOAP108DNAのBa
mHI−SphIサイト間に、pGAT43のBamHI−SphI断片を
挿入することにより、プラスミドpOAP106BDNAが得られ
た。プラスミドpOAP30DNA及びプラスミドpOAP31DNAをBg
lIIとAflII(夫々宝酒造社製)で消化することにより、
変異アルカリプロテアーゼc−DNAのうちの成熟アルカ
リプロテアーゼをコードする領域が860bpのDNA断片とし
て得られる。プラスミドpOAP106BDNAを同様にBglIIとAf
lIIで消化した後、常法通り電気泳動によって8.9kbの断
片を得た。次いで、これら二種類のDNA断片をライゲー
ションすることにより、変異アルカリプロテアーゼを酵
母で発現させるためのベクターを得た。プラスミドpOAP
30DNAの断片を組み込んだベクターをプラスミドpOAP301
DNAプラスミドpOAP31DNAの断片を組み込んだベクターを
プラスミドpOAP311DNAと命名し、夫々の制限酵素地図を
第9及び10図に示した。
(17) 組み換え体プラスミドpOAP301DNA及びpOAP311D
NAによる酵母の形質転換 組み換え体プラスミドpOAP301DNA,pOAP311DNAを用
い、サッカロマイセス・セレビシエNA87-11A(大阪大学
大嶋泰治教授より分譲)を、ベッグス(Beggs)の方
法(「ネイチャー」(Nature)、第275巻、第104〜109
頁(1978))により形質転換し、形質転換株、サッカロ
マイセス・セレビシエNA87-11A(pOAP301)及びサッカ
ロマイセス・セレビシエNA87-11A(pOAP311)を得た。
なお、サッカロマイセス・セレビシエNA87-11A(pOAP30
1)及びサッカロマイセス・セレビシエNA87-11A(pOAP3
11)は、それぞれ工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第11345号(FERM P-11345)及び微工研菌寄第1
1346号(FERM P-11346)として寄託されている。
(18) 形質転換株、サッカロミセス・セレビシエNA87
-11A(pOAP301)及びサッカロミセス・セレビシエ(NA-
87-11A(pOAP311)によるアルカリプロテアーゼの生産 サッカロミセス・セレビシエNA87-11A(pOAP301)(F
ERM P-11345)及びサッカロマイセス・セレビシエNA87-
11A(pOAP311)(FERM P-11346)をYPD培地(グルコー
ス20g/l、ポリペプトン20g/l及び酵母エキス10g/l)3ml
に接種し、温度30℃で、16時間盪湯培養し、得られた培
養物1mlを、MXR-150型遠心分離機(トミー精工社製)を
用いて、3,000r.p.m.で5分間遠心分離を行った。
得られた培養上澄液についてアンソン−萩原変法{ワ
イ.フクシマ(Y.Fukushima)「アグリック・バイオル
・ケム」(Agric.Biol.Chem.)、第49巻、第1643〜1648
頁(1985)}を用いてアルカリプロテアーゼ活性を測定
したところ、夫々のアルカリプロテアーゼ活性は、1.7
P.U./mlであった。なお比較のため、対照としてプラス
ミドベクターpOAP106BDNAを有するサッカロマイセス・
セレビシエNA87-11Aを用い、上記と同様にして培養及び
プロテアーゼ活性の測定を行ったところ、0.1P.U./mlで
あった。
以上より明らかな如く、本発明により得られる培養液
は、対照に比しプロテアーゼ活性が著しく増加している
ため、本発明に従い上記したサッカロマイセス属に属す
る酵母菌体を培養することにより、培地中にアルカリプ
ロテアーゼが大量に分泌生産されていることが判明し
た。
(19) 変異体アルカリプロテアーゼの精製 生産された両変異体アルカリプロテアーゼの精製は、
中台らの方法{ティ.ナカダイ(T.Nakadai)「アグリ
ック・バイオ・ケム」(Agric.Biol.Chem)第37巻、第2
685〜2694頁(1973)}に従い行った。その結果、野生
型アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列の40位におい
て、バリンをロイシンまたはイソロイシンに部位特異変
異したアルカリプロテアーゼの理化学的性質は、野生型
アルカリプロテアーゼの活性と比較して夫々約1.6及び
1.7倍である以外は、上記文献に記載されたものと全く
同様であり、また、夫々の収量は16,000P.U.及び20,000
U.P.であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、組み換え体プラスミドpOAP5DNAの制限酵素地
図を示す図であり、第2図は、実施例の(9)項目に記
載のマチュアーなアルカリプロテアーゼに対する遺伝子
の塩基配列を示す図であり、また、第3図は、第2図に
示す塩基配列を有する遺伝子から翻訳されるポリペプタ
イドのアミノ酸配列を示す図である。 第4図は、組み換え体プラスミドpOAP10DNAの制限酵素
地図である。 第5図は、実施例の(11)項目に記載の完全長アルカリ
プロテアーゼ(プレプロ型)に対応する遺伝子の塩基配
列を示す。図中、塩基番号53(A)〜415(T)がプレ
プロ領域を、塩基番号416(G)〜1261(T)がマチュ
アーなアルカリプロテアーゼ遺伝子領域を示す。 第6図は、第5図に示す塩基配列を有する遺伝子から翻
訳されるポリペプタイドのアミノ酸配列を示す。 第7図は、オリゴヌクレオチドAの構造を示す。 第8図は、オリゴヌクレオチドBの構造を示す。 第9図は、組み換え体プラスミドpOAP301DNAの制限酵素
地図を示す。 第10図は、組み換え体プラスミドpOAP311DNAの制限酵素
地図を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:69) C12R 1:69) (72)発明者 中野 衛一 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 茂田井 宏 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 杉尾 成俊 大阪府枚方市招堤大谷2丁目1180番の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 真崎 厚司 大阪府枚方市招堤大谷2丁目1180番の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 石田 豊 大阪府枚方市招堤大谷2丁目1180番の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 村上 弘次 大阪府枚方市招堤大谷2丁目1180番の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 川辺 晴英 大阪府枚方市招堤大谷2丁目1180番の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 有村 博文 大阪府枚方市招堤大谷2丁目1180番の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第3図に示される、野生型アルカリプロテ
    アーゼのアミノ酸配列の40位において、バリンがロイシ
    ンまたはイソロイシンに変異されていることを特徴とす
    るアルカリプロテアーゼ。
  2. 【請求項2】第3図に示される、野生型アルカリプロテ
    アーゼのアミノ酸配列の40位において、バリンがロイシ
    ンまたはイソロイシンに変異されているアミノ酸配列を
    コードするアルカリプロテアーゼ遺伝子。
  3. 【請求項3】第3図に示される、野生型アルカリプロテ
    アーゼのアミノ酸配列の40位において、バリンがロイシ
    ンまたはイソロイシンに変異されているアミノ酸配列を
    コードするアルカリプロテアーゼ遺伝子をベクターDNA
    に挿入したことを特徴とする新規な組み換え体DNA。
  4. 【請求項4】第3図に示される、野生型アルカリプロテ
    アーゼのアミノ酸配列の40位において、バリンがロイシ
    ンまたはイソロイシンに変異されているアミノ酸配列を
    コードするアルカリプロテアーゼ遺伝子をベクターDNA
    に挿入した新規な組み換え体DNAを含み、アルカリプロ
    テアーゼ生産能を有するサッカロマイセス属に属する微
    生物を、培地に培養し、培養物よりアルカリプロテアー
    ゼを採取することを特徴とするアルカリプロテアーゼの
    製造法。
JP2071810A 1990-03-23 1990-03-23 アルカリプロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna、アルカリプロテアーゼの製造法、及び遺伝子発現用dna断片 Expired - Lifetime JPH0817701B2 (ja)

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