JP4390993B2 - 密閉型回転圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷媒回路内に用いられる密閉型回転圧縮機に関し、特に、非相溶性または弱非相溶性を示す冷凍機油が封入され、HFC冷媒ガスを圧縮する高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷媒回路内に用いられる密閉型回転圧縮機は、たとえば、図6の縦断面図に示すように、密閉容器1の内部に、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部2と、この圧縮機構部2を駆動させる電動要素部4とが組み込まれた構成となっている。ここで、電動要素部4は、圧縮機構部2のクランクシャフト5に回転同軸に固着された回転子3aと、密閉容器1に固定された固定子3bとから構成されている。
【0003】
この高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機では、冷媒ガスが、吸入パイプ11から圧縮機構部2のシリンダ2a内に吸入され、電動要素部4の回転子3aが回転すると、この回転子3aと同軸に固着されたクランクシャフト5が回転し、クランクシャフト5に嵌合されたローリングピストン2bが回転し、冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮された冷媒ガスは、吐出マフラ内を経て密閉容器1内に吐出され、密閉容器1と電動要素部4の固定子3bとの空隙、および電動要素部4の回転子3aと固定子3bとの空隙を通過して、吐出パイプ12から冷凍装置に供給される。
【0004】
一方、密閉容器1の下部に貯留されている冷凍機油は、クランクシャフト5が回転すると、クランクシャフト5の内部に形成された流路14に設けられたひねり板15の圧送作用によって、流路14内を上昇し、圧縮機構部2等の各摺動部に、気密油および潤滑油として供給される。なお、余剰分の冷凍機油は、流路14の、回転子3aの下方位置に穿孔されたガス抜孔6から密閉容器1内に放出され、密閉容器1の下部に落下して再循環に供される。
【0005】
ところで、クランクシャフト5の流路14から放出された冷凍機油、圧縮室内を仕切るベーン(図示せず)の摺動などによって密閉容器1内に巻き上げられた冷凍機油、および冷媒ガスに溶解している冷凍機油は、その一部が冷媒ガスの流れとともに、吐出パイプ12に流れ込み、冷凍装置内に流入する。
【0006】
このようにして、本来、圧縮された冷媒ガスだけが流入すべき冷凍装置に過度に冷凍機油が流入すると、冷凍装置の熱交換率が低下し、冷凍装置の性能が悪化するという問題を生じる。特に、HFC冷媒ガス用の冷凍装置は、非相溶性または弱非相溶性の冷凍機油が混入することによって、性能低下の影響が顕著に現れる。
【0007】
また、密閉容器1内に封入されている冷凍機油が過度に減少すると、圧縮機構部2における気密性が低下して圧縮性能が低下したり、各摺動部における十分な潤滑を確保することができず、故障の原因になるなど、密閉型回転圧縮機の性能を維持することができなくなるという問題も生じる。
【0008】
そこで、従来の高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機では、密閉容器1内に封入されている冷凍機油が冷凍装置に過度に流出するのを抑制するために、電動要素部4の回転子3aの上下端の両方もしくは一方にハット状の油分離カップ10a,10bなどを付設している。
【0009】
回転子3a上端に設けられた油分離カップ10aは、クランクシャフト5の回転とともに回転し、冷媒ガスとともに吐出パイプ12に近づく冷凍機油だけを、遠心分離作用によって外方に吹き飛ばし、冷凍機油が、冷媒ガスとともに吐出パイプ12に流れ込むのを抑制して油上り量の低減を図る。また、回転子3a下端に付設された油分離カップ10bは、クランクシャフト5のガス抜孔6から排出された冷凍機油を、油分離カップ10bの壁面に当てることにより上昇する流れを抑える。
【0010】
これらのカップを用いる方法とは異なる方法として、図7に示すように、電動要素部4の回転子3aの上端に油分離板17を設け、この油分離板17に、回転子3aの風穴18内を通過する上昇冷媒ガスを衝突させて、冷媒ガスとともに上昇する冷凍機油を油分離板17に凝結させて冷媒ガスの流れから冷凍機油を分離させ、また、冷媒ガスの上昇速度を低下させて、冷媒ガスとともに吐出パイプ12に向かう冷凍機油の勢いを低下させ、吐出パイプ12から冷凍装置に流出する冷凍機油量を抑える方法や、図8に示すように、吐出パイプ12に遮へい板19を付けることによって、冷媒ガスの流れを遮へい板19に衝突させ、冷媒ガスとともに流れる冷凍機油が吐出パイプ12から流出することを抑える方法が知られている。
【0011】
また、別の方法として、クランクシャフト5のガス抜孔6の孔径を絞って、圧縮機構部2への冷凍機油の供給量を必要最小限に抑え、余剰分の冷凍機油のガス抜孔6からの排出量を少なくすることによって、油上り量を抑える方法がある。たとえば、特開平8−24702号公報に記載されているように、クランクシャフトのガス抜孔を回転子の中に設けるものがある。なお、この技術は、低圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機におけるものであって、高圧シェルタイプのものとは基本構造が異なるものである。
【0012】
すなわち、低圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機では、圧縮室に吐出パイプが直接接続されているため、油上がり量低減のために圧縮室への供給油量をできるだけ抑えることによって油上がり量を抑えるのに対し、高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機では、圧縮室に吐出パイプが直接接続されていないため、圧縮室への供給油量を抑えるだけでは油上がり量を抑制することはできず、密閉容器内の冷媒ガスの流速を下げたり、冷媒ガスを他の部品に衝突させて冷凍機油を分離させる方法が採用されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機における油上がり量の抑制方式では、電動要素部の回転子の径や形状、固定子の形状などを、個別に設計しなければならず、部品の共通化が図れないという問題点があるとともに、結果として、部品点数が増加し、圧縮機の製造に多大の時間と労力とがかかり、ひいては製造コストが高騰するという問題点があった。
【0014】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、油上がり量低減ための特別な部品を設けることなく、油上がり量を抑制することができる密閉型回転圧縮機を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる密閉型回転圧縮機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動要素部と、前記圧縮機構部および前記電動要素部を内部に収容するとともに、冷凍機油を封入した密閉容器とを有した高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機において、前記圧縮機構部を構成するクランクシャフトの内部に形成された前記冷凍機油の流路に、前記クランクシャフトに同軸に固着された前記電動要素部を構成する回転子のカウンタボア内に開口を有するガス抜孔が連通形成されることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、圧縮機構部を構成するクランクシャフトの内部に形成された前記冷凍機油の流路に、前記クランクシャフトに同軸に固着された前記電動要素部を構成する回転子のカウンタボア内に開口を有するガス抜孔を連通形成して、このカウンタボアの内部壁面に、油分離のためのカップや油分離板等の作用を奏させる。
【0017】
つぎの発明にかかる密閉型回転圧縮機は、上記の発明において、前記ガス抜孔は、前記クランクシャフトの軸径方向に貫通した貫通孔であることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ガス抜孔を、クランクシャフトの軸径方向に貫通孔とし、クランクシャフト内の流路を流れて、ガス抜孔から排出される冷凍機油の流速を下げ、冷凍機油の巻上げを抑制し、油上がり量の低減を図るとともに、ガス抜孔から排出される冷凍機油の排出量のばらつきを低減する。
【0019】
つぎの発明にかかる密閉型回転圧縮機は、上記の発明において、前記回転子は、積層鉄心、永久磁石、および当該回転子の下端面に設けられた前記永久磁石の落下防止用端板を備え、前記落下防止用端板は、その内径が前記カウンタボア内径に比して小さく、前記カウンタボアを囲むように形成されることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、電動要素部の回転子を、積層鉄心、永久磁石、および回転子の下端面に設けられた永久磁石の落下防止用端板を備えたものとし、落下防止用端板の内径を前記カウンタボア内径に比して小さくし、カウンタボアを囲むように形成し、クランクシャフトガス抜孔から排出された冷凍機油の飛散を落下防止用端板によって抑え、冷媒ガスのみを冷凍装置内へ吐出するようにし、回転子の径や形状、固定子の径や形状に影響されることなく油上り量を抑えることができ、クランクシャフト内の流路を流れて、ガス抜孔から排出される冷凍機油の排出量のバラツキも抑えることができる。
【0021】
つぎの発明にかかる密閉型回転圧縮機は、上記の発明において、前記回転子の下端にバランスウェイトを設け、前記バランスウェイトは、前記カウンタボアに排出された冷凍機油を前記バランスウェイトの外周面まで通過させる油排出孔を形成したことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、回転子の下端にバランスウェイトが設けられた密閉型回転圧縮機の該バランスウェイトに、カウンタボアに排出された冷凍機油をこのバランスウェイトの外周面まで通過させる油排出孔を形成するようにし、カウンタボアに排出された冷凍機油が、さらに遠心分離作用によって、この油排出孔内からバランスウェイトの外周面まで通過し、冷凍機油と冷媒ガスとの分離を促進させて、冷媒ガスだけを容器から排出させるようにする。
【0023】
つぎの発明にかかる密閉型回転圧縮機は、上記の発明において、前記回転子は、積層鉄心、永久磁石、および当該回転子の下端面に設けられた前記永久磁石の落下防止用端板を備え、前記落下防止用端板は、前記カウンタボアに排出された冷凍機油を前記落下防止用端板の外周面まで通過させる油排出孔を形成したことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、電動要素部の回転子を、積層鉄心、永久磁石、および回転子の下端面に設けられた永久磁石の落下防止用端板を備えたものとし、この落下防止用端板に、カウンタボアに排出された冷凍機油をこの端板の外周面まで通過させる油排出孔を形成し、カウンタボアに排出された冷凍機油が、さらに遠心分離作用によってこの油排出孔内から端板の外周面まで通過し、冷凍機油と冷媒ガスとの分離を促進させて、冷媒ガスだけを容器から排出させるようにする。
つぎの発明にかかる密閉型回転圧縮機は、上記の発明において、前記冷凍機油は、非相溶性または弱非相溶性を示すことを特徴とする。
この発明によれば、油上がり量を低減させて冷凍装置の性能を向上させ、密閉型回転圧縮機の信頼性を向上させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる密閉型回転圧縮機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である密閉型回転圧縮機の構成を示す縦断面図である。図1に示した密閉型回転圧縮機は、冷媒回路内に用いられる高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機であり、非相溶性または弱非相溶性を示す冷凍機油が封入された密閉容器1内に、HFC冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部2と、圧縮機構部2を駆動する電動要素部4とが組み込まれた構成である。電動要素部4は、永久磁石および積層鉄心からなる回転子3aおよび固定子3bを備えた回転モータによって構成される。
【0027】
ここで、HFC冷媒ガスとしては、R410A冷媒、R407C冷媒、R134a冷媒、R32冷媒、R404A冷媒等があり、非相溶性または弱非相溶性を示す冷凍機油としては、アルキルベンゼン油や鉱油などがある。したがって、HFC冷媒と冷凍機油との組合わせとしては、R410A冷媒とアルキルベンゼン油、R410A冷媒と鉱油、R407C冷媒とアルキルベンゼン油、R407C冷媒と鉱油、R134a冷媒とアルキルベンゼン油、R134a冷媒と鉱油、R32冷媒とアルキルベンゼン油、R32冷媒と鉱油、R404A冷媒とアルキルベンゼン油、R404A冷媒と鉱油、等がある。
【0028】
圧縮機構部2は、回転子3aの回転軸と同軸に固着されて、回転子3aとともに回転するクランクシャフト5と、このクランクシャフト5のクランク部に嵌合されたローリングピストン2bと、ローリングピストン2bが可動するシリンダ室2aとから構成されており、クランクシャフト5には、その下端部から上方に延びる冷凍機油用の流路14が形成されている。そして流路14の下部には、密閉容器1の下部に貯留された冷凍機油を、流路14に沿って上方に圧送するひねり板15が配設され、流路14の上部には、回転子3aの下部に形成されたカウンタボア7に開口を有するガス抜孔6が穿設されている。
【0029】
冷媒ガスが吸入パイプ11よってシリンダ室2a内に吸入され、電動要素部4によってクランクシャフト5が回転すると、このクランクシャフト5に嵌合されたローリングピストン2bが回転し、シリンダ室2aにおいて冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮された冷媒ガスは吐出マフラ内を経て、密閉容器1内に吐出され、密閉容器1と固定子3bとの空隙や、回転子3aと固定子3bとの空隙を通過して密閉容器1内を上昇し、吐出パイプ12を通って密閉容器1外に導かれ、冷凍装置へ供給される。
【0030】
一方、密閉容器1内に封入されている冷凍機油は、クランクシャフト5が回転して、クランクシャフト5とともに回転するひねり板15の圧送作用によって、流路14の下端部から流路の上方に向けて圧送されて、圧縮機構部2やその他の摺動部に供給され、各摺動部の気密を維持させるとともに潤滑作用を奏する。そして、余剰分の冷凍機油は、ガス抜孔6を通って、回転子3a下部のカウンタボア7内に放出される。
【0031】
このとき、カウンタボア7内に放出された余剰分の冷凍機油には、クランクシャフト5の回転によって遠心力が作用し、この遠心力を受けて冷凍機油はカウンタボア7の内壁面に強く衝突し、その壁面で凝結して下方に自然落下する。この結果、クランクシャフト5の流路14から放出された冷凍機油が、密閉容器1内を上昇する冷媒ガスに巻き上げられるのを抑制することができる。すなわち、冷凍機油は流路14から飛沫状になって放出されるため、冷媒ガスの上昇気流に乗りやすいが、壁面で凝集して滴状になることで、この上昇気流に乗りにくくなるため、密閉容器1内から吐出パイプ12を通って冷凍装置に放出される冷凍機油の量を減少させることができ、油上がりによる冷凍装置の性能低下および圧縮機自体の性能劣化を抑制することができる。
【0032】
また、圧縮機構部2のシリンダ室2a等において、冷凍機油に冷媒ガスが溶け込んでいた場合には、この冷凍機油がカウンタボア7の内壁面に衝突することによって、冷媒ガスと冷凍機油とが分離される。この結果、冷凍機油は本来の気密性能や潤滑性能が維持された状態に戻されて、冷凍機油としての機能が回復され、圧縮機の性能劣化を間接的に抑制することができる。
【0033】
この実施の形態1の密閉型回転圧縮機によれば、回転子3aのカウンターボア7が、従来の密閉型回転圧縮機において特別な油分離用の部品として設けられていた油分離用カップなどと同一の作用効果を奏するため、従来のような油分離用カップ等の別部品を設ける必要がなく、これらの別部品を備えた従来の圧縮機に対して製造コストを低減することができる。
【0034】
特に、密閉型回転圧縮機に用いる固定子3bが集中巻きモータである場合には、コイルエンド部分16が小さく、従来の分布巻きモータのようにコイルエンド部分16による油分離効果を得ることができないため、本実施形態の密閉型回転圧縮機は非常に有効である。
【0035】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図2は、この発明の実施の形態2である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す断面図である。図2において、この密閉型回転圧縮機は、クランクシャフト5のガス抜孔6が、クランクシャフト5の軸径方向に貫通して形成されたものである。その他の構成は、実施の形態1と同じである。このように、ガス抜孔6をクランクシャフト5の軸径方向に貫通したものとすることによって、冷凍機油の流路面積が大きくなり、クランクシャフト5の流路14を通ってガス抜孔6から排出される冷凍機油の流速を、実施の形態1に示した密閉型回転圧縮機における流速に比して低下させることができる。
【0036】
この実施の形態2では、冷凍機油の排出流速を下げることによって、冷凍機油の巻上げを抑えることができ、従来と同等の冷凍機油量を圧縮機構部2に供給しつつ、油上り量を抑えることができる。また、実施の形態1に示した密閉型回転圧縮機の効果、すなわち新たな別部品を設けることなく油上がりを低減することができ、コストアップすることなく、搭載されている冷凍装置の性能向上を図ることもできる。
【0037】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。図3は、この発明の実施3である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す断面図である。図3において、この実施の形態3に示した密閉型回転圧縮機は、電動要素部4の回転子3aの両端面に永久磁石脱落防止用として端板8が設けられ、これら永久磁石脱落防止用端板8のうち下端側の端板8は、その内径が回転子3aに形成されたカウンタボア7の内径より小さく、カウンタボア7を囲むように形成される。なお、その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0038】
この実施の形態3では、永久磁石脱落防止用端板8の内径をカウンタボア7の内径より小さく形成し、端板8がカウンタボア7を囲むように形成しているので、クランクシャフト5のガス抜孔6からカウンタボア7の内部に放出された冷凍機油の飛散がさらに抑えられるため、冷凍機油の巻上げをさらに抑制して、従来と同等の冷凍機油量を圧縮機構部2に供給しつつ、油上り量を抑えることができる。また、実施の形態1に示した密閉型回転圧縮機の効果、すなわち新たな別部品を設けることなく油上がりを低減することができ、コストアップすることなく搭載されている冷凍装置の性能向上も図ることができる。
【0039】
実施の形態4.
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。図4は、この発明の実施4である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す断面図である。図4において、この実施の形態4に示した密閉型回転圧縮機は、回転子3aの下端にバランスウェイト9を設けた構成の密閉型回転圧縮機であり、バランスウェイト9に、カウンタボア7に排出された冷凍機油をこのバランスウェイト9の外周面まで通過させる油排出孔13を形成する。なお、その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0040】
この実施の形態4では、バランスウェイト9に油排出孔13を形成することによって、さらに遠心分離作用によってこの油排出孔13内をバランスウェイト9の外周面まで通過させて、冷凍機油と冷媒ガスとの分離を促進させることができ、冷媒ガスだけを密閉容器1から排出させる効果を高めることができる。また、実施の形態1に示した密閉型回転圧縮機の効果、すなわち新たな別部品を設けることなく油上がりを低減することができ、コストアップすることなく搭載されている冷凍装置の性能向上も図ることができる。
【0041】
実施の形態5.
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。図5は、この発明の実施5である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す断面図である。図5において、この実施の形態5に示した密閉型回転圧縮機は、回転子3aの下端に、永久磁石脱落防止用等として端板8′が設けられ、この端板8′に、カウンタボア7に排出された冷凍機油をこの端板8′の外周面まで通過させる油排出孔13を形成する。なお、その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0042】
この実施の形態5では、端板8′に油排出孔13を形成することによって、さらに遠心分離作用によってこの油排出孔13内を端板8′の外周面まで通過させて、冷凍機油と冷媒ガスとの分離を促進させることができ、冷媒ガスだけを密閉容器1から排出させる効果を高めることができる。また、実施の形態1に示した密閉型回転圧縮機の効果、すなわち新たな別部品を設けることなく油上がりを低減することができ、コストアップすることなく搭載されている冷凍装置の性能向上を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、圧縮機構部を構成するクランクシャフトの内部に形成された前記冷凍機油の流路に、前記クランクシャフトに同軸に固着された前記電動要素部を構成する回転子のカウンタボア内に開口を有するガス抜孔を連通形成して、このカウンタボアの内部壁面に、油分離のためのカップや油分離板等の作用を奏させるようにしているので、新たな部品を設けることによる製造コストの上昇を抑制しつつ、油上がり量低減による冷凍装置の性能向上と密閉型圧縮機の信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0044】
つぎの発明によれば、ガス抜孔を、クランクシャフトの軸径方向に貫通孔とし、クランクシャフト内の流路を流れて、ガス抜孔から排出される冷凍機油の流速を下げ、冷凍機油の巻上げを抑制し、油上がり量の低減を図るとともに、ガス抜孔から排出される冷凍機油の排出量のばらつきを低減するようにしているので、新たな部品を設けることによる製造コストの上昇を抑制しつつ、油上がり量低減による冷凍装置の性能向上と密閉型圧縮機の信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0045】
つぎの発明によれば、電動要素部の回転子を、積層鉄心、永久磁石、および回転子の下端面に設けられた永久磁石の落下防止用端板を備えたものとし、落下防止用端板の内径を前記カウンタボア内径に比して小さくし、カウンタボアを囲むように形成し、クランクシャフトガス抜孔から排出された冷凍機油の飛散を落下防止用端板によって抑え、冷媒ガスのみを冷凍装置内へ吐出するようにし、回転子の径や形状、固定子の径や形状に影響されることなく油上り量を抑えることができ、クランクシャフト内の流路を流れて、ガス抜孔から排出される冷凍機油の排出量のバラツキも抑えることができるようにしているので、新たな部品を設けることによる製造コストの上昇を抑制しつつ、油上がり量低減による冷凍装置の性能向上と密閉型圧縮機の信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0046】
つぎの発明によれば、回転子の下端にバランスウェイトが設けられた密閉型回転圧縮機の該バランスウェイトに、カウンタボアに排出された冷凍機油をこのバランスウェイトの外周面まで通過させる油排出孔を形成するようにし、カウンタボアに排出された冷凍機油が、さらに遠心分離作用によって、この油排出孔内からバランスウェイトの外周面まで通過し、冷凍機油と冷媒ガスとの分離を促進させて、冷媒ガスだけを容器から排出させるようにするようにしているので、新たな部品を設けることによる製造コストの上昇を抑制しつつ、油上がり量低減による冷凍装置の性能向上と密閉型圧縮機の信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0047】
つぎの発明によれば、電動要素部の回転子を、積層鉄心、永久磁石、および回転子の下端面に設けられた永久磁石の落下防止用端板を備えたものとし、この落下防止用端板に、カウンタボアに排出された冷凍機油をこの端板の外周面まで通過させる油排出孔を形成し、カウンタボアに排出された冷凍機油が、さらに遠心分離作用によってこの油排出孔内から端板の外周面まで通過し、冷凍機油と冷媒ガスとの分離を促進させて、冷媒ガスだけを容器から排出させるようにしているので、新たな部品を設けることによる製造コストの上昇を抑制しつつ、油上がり量低減による冷凍装置の性能向上と密閉型圧縮機の信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
つぎの発明によれば、油上がり量低減による冷凍装置の性能向上と密閉型圧縮機の信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である密閉型回転圧縮機の構成を示す縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す縦断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す縦断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態5である密閉型回転圧縮機の要部構成を示す縦断面図である。
【図6】 従来の密閉型回転圧縮機の構成を示す縦断面図である。
【図7】 従来の密閉型回転圧縮機の要部構成を示す縦断面図である。
【図8】 従来の密閉型回転圧縮機の要部構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 密閉容器、2 圧縮機構部、3a 回転子、3b 固定子、4 電動要素部、5 クランクシャフト、6 ガス抜孔、7 カウンタボア、8,8′ 落下防止用端板、9 バランスウェイト、11 吸入パイプ、12 吐出パイプ、13 ガス排出孔、14 流路、15 ひねり板、16 コイルエンド、17 油分離板、18 回転子風穴、19 遮へい板

Claims (6)

  1. 冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動要素部と、
    前記圧縮機構部および前記電動要素部を内部に収容するとともに、冷凍機油を封入した密閉容器とを有した高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機において、
    前記圧縮機構部を構成するクランクシャフトの内部に形成された前記冷凍機油の流路に、前記クランクシャフトに同軸に固着された前記電動要素部を構成する回転子のカウンタボア内に開口を有するガス抜孔が連通形成され
    前記回転子は、積層鉄心、永久磁石、および当該回転子の下端面に設けられた前記永久磁石の落下防止用端板を備え、
    前記落下防止用端板は、その内径が前記カウンタボア内径に比して小さく、前記カウンタボアを囲むように形成されることを特徴とする密閉型回転圧縮機。
  2. 前記ガス抜孔は、前記クランクシャフトの軸径方向に貫通した貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型回転圧縮機。
  3. 前記回転子の下端にバランスウェイトを設け、
    前記バランスウェイトは、前記カウンタボアに排出された冷凍機油を前記バランスウェイトの外周面まで通過させる油排出孔を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型回転圧縮機。
  4. 前記回転子は、積層鉄心、永久磁石、および当該回転子の下端面に設けられた前記永久磁石の落下防止用端板を備え、
    前記落下防止用端板は、前記カウンタボアに排出された冷凍機油を前記落下防止用端板の外周面まで通過させる油排出孔を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型回転圧縮機。
  5. 前記冷凍機油は、非相溶性または弱非相溶性を示すことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の密閉型回転圧縮機。
  6. 冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と、積層鉄心および永久磁石を備えた回転子と固定子を有し、前記圧縮機構部を駆動する電動要素部と、
    前記圧縮機構部および前記電動要素部を内部に収容するとともに、冷凍機油を封入した密閉容器とを有した高圧シェルタイプの密閉型回転圧縮機であって、
    前記圧縮機構部を構成するクランクシャフトに同軸に固着された前記回転子の下部に形成されたカウンタボアと、前記クランクシャフトの内部に形成され、前記クランクシャフトの下端部から上方に延びる前記冷凍機油の流路と、前記クランクシャフトに穿設されて前記クランクシャフトだけが配置された前記カウンタボア内に開口を有し、前記流路に連通形成されたガス抜孔と、を備え、
    前記ガス抜孔を、前記流路から前記クランクシャフトを半径方向に貫通する複数の貫通孔にすることによって、前記冷凍機油の流路面積が大きくなり、前記ガス抜孔から排出されて前記カウンタボアの内壁面に衝突する前記冷凍機油の排出流速を下げるようにしたことを特徴とする密閉型回転圧縮機。
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