JP4390894B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、すぐれたビード部耐久性を確保するとともに、操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高性能の車両に適用されて、タイヤ重量を犠牲にすることなしに操縦安定性の向上をもたらす従来の空気入りラジアルタイヤとしては、たとえば、出願人が先に特開平10−250323号として提案したものがある。
【0003】
このタイヤは、一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスによってタイヤの骨格構造を構成してタイヤ重量の軽減を図った場合には、二枚のカーカスプライによってラジアルカーカスを形成する場合に比してタイヤサイド部の剛性が必然的に低下することから、そのタイヤサイド部を、ビードコアおよびビードフィラを内包するフリッパによって補強することとしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来タイヤでは、有機繊維コードからなるフリッパをもってタイヤサイド部を補強してなお、とくに、車両の高出力走行、高加速度走行等に対してはサイド部の補強効果が不足して操縦安定性が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、フリッパによるサイド部補強効果の向上を目的として、フリッパの端縁を、タイヤ半径方向の十分外方に位置させた場合には、操縦安定性の向上は実現し得るも、そのフリッパの端縁が、タイヤの負荷転動に当って、サイド部の撓み変形部分の外方に位置することになって、フリッパの端縁近傍に歪が集中するため、そこにセパレーション等の故障が比較的早期に発生するという他の問題があった。
【0006】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、フリッパをもってタイヤサイド部を有効に補強してなお、フリッパ端縁でのセパレーション等の故障の発生を十分に防止して、高出力走行、高加速度走行等に対してもすぐれた操縦安定性を発揮させることができる空気入りラジアルタイヤを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りラジアルタイヤは、一枚のカーカスプライからなり、一対のビードコアに跨がって、全体としてトロイダルに延在するラジアルカーカスを、ビードコアの周りで折返して半径方向外方へ巻上げるとともに、その巻上げ端部分を、ラジアルカーカスのクラウン部を取り囲むベルトの内周側に位置させ、ラジアルカーカスの本体部分と巻上げ部分との間で、ビードコアの外周側に隣接させてビードフィラを配設し、このビードフィラおよびビードコアのそれぞれを、有機繊維コード、たとえば、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アラミド等の繊維コードからなるフリッパで包み込んで、このフリッパを、ビードフィラおよびビードコアに外接させ、かつこのフリッパの、タイヤ幅方向内側部分と外側部分とをビードフィラの半径方向外方で相互に合掌状に接合させ、このフリッパの、タイヤ幅方向外側部分の端縁を、内側部分の端縁より半径方向外方に位置させるとともに、タイヤ幅方向外側部分の端縁を、タイヤ半径方向で、内側部分の端縁から20mm以上離れた位置に配置したものである。
【0008】
このタイヤでは、一枚のカーカスプライをもってラジアルカーカスを形成することで、タイヤの軽量化を有効に実現することができ、この一方で、ビードフィラの半径方向外方で、フリッパの内側部分と外側部分とを相互に接合させることで、タイヤサイド部の補強効果を高めて、タイヤの負荷転動時等のサイド部の撓み変形に対する剛性を有利に高めることができる。すなわち、この剛性増加は、タイヤの負荷転動に際するタイヤサイド部の撓み変形に伴う、フリッパの外側部分の伸長変形を、その外側部分に接触する内側部分によって抑制することで効果的に実現されることになる。
【0009】
ここで好ましくは、フリッパの、タイヤ幅方向内側部分と外側部分との接合域のタイヤ半径方向の長さを5〜15mmの範囲とする。
【0010】
これによれば、タイヤサイド部の補強効果を十分適正ならしめて高出力走行、高加速度走行等に際する操縦安定性を有効に向上させることができる。いいかえれば、接合域が5mm未満では、フリッパの内側部分で、それの外側部分の変形を有効に抑制することができず、サイド部の補強効果が小さく、この一方で、15mmを越えると、フリッパの接合域外方端が、サイド部の半径方向外端およびベルト側縁に接近しすぎ、タイヤサイド部の撓み変形に当って、その接合域の外方端近傍に歪が集中してそこに故障が早期に発生するおそれが高くなる。
【0011】
しかも、この発明のタイヤでは、フリッパの、タイヤ幅方向外側部分の端縁を、内側部分の端縁より半径方向外方に位置させて、その外側部分の端縁を、タイヤ半径方向で、内側部分の端縁から20mm以上離れた位置に配置することにより、フリッパの外側部分の作用下でサイド部の補強効果を一層高めることができ、しかも、内外側の両部分の端縁を、半径方向の同一位置に配置する場合のようなタイヤ半径方向での大きな剛性段差を取り除いて、フリッパの端縁近傍への歪の集中を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基いて説明する。
図1はこの発明の実施の形態を示すタイヤ幅方向の部分断面図である。
ここでは、一枚のカーカスプライにてラジアルカーカス1を形成し、このラジアルカーカス1を、一対のビードコア2に跨がって全体としてトロイダルに延在させるとともに、ビードコア2の周りで折返して半径方向外方へ巻上げ、そしてその巻上げ端部分を、ラジアルカーカス1のクラウン部を取り囲むベルト3の側端部分の内周側に位置させる。
【0014】
またここでは、ラジアルカーカス1の本体部分1aと巻上げ部分1bとの間で、ビードコア2の外周側に隣接させてビードフィラ4を配設して、このビードフィラ4を半径方向外方に向けて次第に薄肉とする。
【0015】
そしてさらには、ビードフィラ4およびビードコア2のそれぞれを、有機繊維コードからなってそれらに外接するフリッパ5で直接的に包み込み、このフリッパ5の、タイヤ幅方向内側部分5aと外側部分5bとを、ビードフィラ4の半径方向外方で合掌状に相互に接合させる。
【0016】
このように構成してなるタイヤによれば、タイヤの軽量化を実現できる他、とくには、フリッパ5のタイヤ幅方向内外側部分5a, 5bの接合域6の作用下で、タイヤサイド部に十分な剛性を付与して、車両の高出力走行、高加速度走行等に対してなお、操縦安定性を有効に向上させることができる。
【0017】
加えて図示のタイヤでは、たとえば、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アラミド等の有機繊維コードからなるフリッパ5の接合域6の、タイヤ半径方向の長さを5〜15mmの範囲とし、また、そのフリッパ5の、タイヤ幅方向外側部分5bの端縁を、タイヤ半径方向で、内側部分5aの端縁より20mm以上外方に位置させる。
【0018】
このことによれば、先に述べたように、接合域6によるサイド部補強効果をより適正ならしめて、接合域6の外方端の早期のセパレーシションを防止することができ、併せて、フリッパ5の外側部分5bにより、サイド部の補強効果を一層高めるとともに、フリッパ5がもたらす、タイヤ半径方向の剛性段差を有効に緩和することができる。
【0019】
かくして、このタイヤでは、タイヤサイド部をフリッパ5によって有効に補強することで、フリッパ5の半径方向外端へのセパレーション等の早期の故障の発生なしに車両の高出力走行、高加速度走行等に対しても高い操縦安定性を発揮させることができる。
【0020】
【実施例】
以下にこの発明にかかるタイヤの操縦安定性および耐久性に関する実施例について述べる。
タイヤサイズを 235/45 R17、適用リムを8JJ×17とし、充填空気圧を2.0kgf/cm2 とするとともに、フリッパ5の配設態様を、図2に略線断面図で示すように、前記接合域6の半径方向長さをAmm、外側部分の半径方向突出長さをBmmとしたときのそれぞれを、表1に示すように変化させた実施例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれにつき、
操縦安定性は、国産のFR車の実車走行により、20m 間隔で直線状に配置した10個のパイロンをスラローム走行したときの走行時間を計測し、
また、耐久性は、直径1.7mのスチールドラム上で、875kgfの荷重の作用下で、60km/h の速度で回転させて、サイド部に配置したフリッパの内側端もしくは外側端から発生するセパレーションにより故障が発生し走行不能になるまでの走行距離を計測して、
図3に略線断面図で示すようなフリッパ配設態様を有する従来タイヤのそれらをコントロールとして指数評価したところ、表2に示す通りとなった。なお、指数値は大きいほどすぐれた結果をしめすものとする。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】
上記実施例からも明らかなように、この発明によれば、フリッパの配設態様に起因する耐久性の低下なしに、操縦安定性と耐久性とを高い次元で両立させることができ、このことは、車両の高出力走行、高加速度走行等に当ってもまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す部分横断面図である。
【図2】 フリッパの配設態様の説明図である。
【図3】 従来タイヤのフリッパの配設態様を示す略線断面図である。
【符号の説明】
1 ラジアルカーカス
1a 本体部分
1b 巻上げ部分
2 ビードコア
3 ベルト
4 ビードフィラ
5 フリッパ
5a タイヤ幅方向内側部分
5b タイヤ幅方向外側部分
6 接合域
Claims (2)
- 一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスをビードコアの周りで折返して半径方向外方へ巻上げるとともに、その巻上げ端部分を、ラジアルカーカスのクラウン部を取り囲むベルトの内周側に位置させ、ラジアルカーカスの本体部分と巻上げ部分との間で、ビードコアの外周側にビードフィラを配設し、このビードフィラおよびビードコアのそれぞれを、有機繊維コードからなってそれらに外接するフリッパで包み込むとともに、このフリッパの、タイヤ幅方向内側部分と外側部分とをビードフィラの半径方向外方で相互に接合させ、このフリッパの、タイヤ幅方向外側部分の端縁を、内側部分の端縁より半径方向外方に位置させるとともに、タイヤ幅方向外側部分の端縁を、タイヤ半径方向で、内側部分の端縁から20mm以上離れた位置に配置してなる空気入りラジアルタイヤ。
- 前記フリッパの、タイヤ幅方向内側部分と外側部分との接合域のタイヤ半径方向の長さを5〜15mmの範囲として請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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