JP4390431B2 - コンクリート用粗面形成剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
コンクリート、特に流動性を有するコンクリートで形成された表面を粗面にするのに適した粗面形成剤、当該粗面形成剤を用いたコンクリート、特に流動性を有するコンクリートで形成された表面の粗面形成方法及び当該粗面形成方法で粗面を形成したコンクリート硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートを型枠に充填したり道路舗装のために敷設した後、外気と接触するコンクリート面(以下、打設面)を粗面に仕上げることが要求される場合がある。かかる粗面とは、通常、熊手、竹箒、土間箒、デッキブラシ、ワイヤ等の櫛引具や凹凸が付与された型押具等を用いて形成される微小な凹凸をいう。
【0003】
例えば、大型の桁製品の場合、一の桁製品の打設面が、他の桁製品の打設面と相互に接合して使用される場合がある。この場合、双方の打設面間にモルタル等を充填して接合したとき、双方の打設面が微細な凹凸を有する方が、打設面とモルタル等の密着性が良いとされる。
【0004】
別の例として、コンクリート舗装道路では、スリップ防止のために表面に細かい凹凸を施す場合がある。かかる場合、打設面が水平でなく斜面になっていると、コンクリート充填後すぐに櫛引具等で微細な凹凸を施しても、コンクリートがまだ柔らかいため、当該凹凸が固定されず、打設面を粗面に仕上げることが難しかった。
【0005】
また、ボックスカルバートや桁で代表されるコンクリート振動製品は、従来、流動性のほとんどないいわゆる固練りコンクリート(以下、固練りコンクリート)を強力な振動を加えながら型枠に充填して製造されてきたが、密な配筋を有する型枠への充填が困難であること、振動機の発生する騒音が住環境等に悪影響を与えること等が大きな課題となっていた。
【0006】
これらの課題を有効に解決できる新技術として、近年、いわゆる中流動コンクリートや高流動コンクリートのように混練直後の流動性が大きいコンクリート(以下、流動性コンクリート)を微振動で充填する製造方法が普及してきている。
【0007】
流動性コンクリートは、微振動を加えながら、あるいはその流動性が極めて大きい場合は振動を全く加えることなく型枠に充填されるため、上記の課題を解決できるばかりでなく、打設面が平滑に仕上がり、従来の固練りコンクリートでは多大な労力を要した当該部分のコテ仕上げによる平滑化が短時間に終了したり、又はコテ仕上げが全く不要になる等の大きな利点を有している。
【0008】
しかし、流動性コンクリートを使用すると、コンクリート充填後すぐに櫛引具等で微小な凹凸を施しても、コンクリートが柔らかいため、当該微小凹凸が固定せず、コンクリートの硬化後に粗面を形成することができない。従って、桁のような大型で硬化後の打設面が粗面に仕上がることが要求されるものは、充填効率の観点からは、流動性コンクリートの使用が好ましいにも関わらず、打設面の粗面形成ができないため、流動性コンクリートを使用できないという課題があった。
【0009】
かかる課題に対して、コンクリートを充填後、コンクリートの流動性が十分に低下するまで長時間放置すれば粗面の形成は可能であったが、コンクリートの製造工程が大幅に遅延するという弊害を回避できなかった。
【0010】
また、従来の打設面を粗面化する方法としては、特開昭58-25912号公報に、粉粒体をコンクリートスラリー表面に散布し、ついで当該表面にローラ状加圧部材を当接させ当該表面の面成及び粉粒体の当該表面への固着を行った後、第2のローラ状加圧部材により押圧して当該表面の模様出しをすることが開示されている。
【0011】
しかし、上記技術では、粉粒体には骨材が使用されており散布作業が煩雑な上、スラリー表面部が凝結を開始する直後に散布することが望ましいとあり、流動性コンクリートについてかかる凝結開始を待っていては、やはりコンクリート製造の作業時間が大幅に遅延する。
【0012】
また、従来のまだ固まらないコンクリートの表面の処理技術(特開昭56-160358 号公報等)は、処理対象となるコンクリート面を平滑にすることを目的としており、また、当該処理に使用される剤は、遠心成形中のノロを含む動的なコンクリート状態において作用するように設計されており、コンクリート充填後の静的な状態下でコンクリート表面を粗面に仕上げる技術は開示されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コンクリート、特に流動性コンクリート充填後の打設面を処理して粗面を短時間に簡易に形成できる粗面形成剤、当該粗面形成剤を用いたコンクリート粗面形成方法及び当該粗面形成方法により粗面が形成されたコンクリート硬化体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
〔1〕 以下の特性iを有する瞬結剤(A)と、表面張力が50dyn/cm以下の界面活性剤(B)とを含有してなるコンクリート用粗面形成剤、
[特性i:瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値が、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値の80%以下である。]
〔2〕 前記〔1〕記載の粗面形成剤を用いる、コンクリートの粗面形成方法、及び
〔3〕前記〔2〕記載の粗面形成方法によって粗面が形成されてなるコンクリート硬化体
に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
コンクリート、中でも流動性コンクリートを充填した直後に、櫛引具等で施した微小な凹凸を長時間固定させるには、打設面表面近傍のコンクリートの流動性を短時間のうちに低下させることが必要であり、打設面表面近傍のコンクリートにかかる作用を付与しうる剤(以下、瞬結剤)を塗布することが有効である。
【0016】
当該瞬結剤の作用は、本質的には、コンクリート中のセメントペーストの降伏値を増大することに帰着すると考えられることから、本発明に係る瞬結剤(A)としては、以下の特性iを有することが必要である。
[特性i:瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値が、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値の80%以下である。]
【0017】
ここで、ペーストフロー値の測定は以下の条件で行う。前記瞬結剤を含有するセメントペーストは特定配合II、瞬結剤を含有しないセメントペーストは、特定配合Iをそれぞれ有するものである。特定配合IIは表1に示す重量のセメント(C)、水道水(W)及び瞬結剤からなり、特定配合Iは表1に示す重量のセメント、及び水からなる。なお、瞬結剤はモルタルでセメントペーストを混練する直前に水道水に添加して予め水溶液または水系乳化物とし、これを混練水とする。
【0018】
【表1】
【0019】
室温20℃で一昼夜保存した特定配合Iに係る各材料を、20℃の室温において、モルタルミキサー(JISR5201.8.1(2) )で低速で2分間混練し、フローテーブル(JISR5201.10.1(5))上のセメントペースト容器(JISR5201.8.1(1) )に隙間なく充填し、上部を擦り切った上でセメントペースト容器を静かに上方に抜き取る。セメントペースト容器から流出したセメントペーストの流動が停止した後の広がりが最大となる直径と、その直交する位置での最大の直径を測り、両直径の平均値を、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値とする。なお、セメントに水が接してから5分以内にペーストフロー値を計測する。
【0020】
瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値は、室温20℃で一昼夜保存した特定配合IIに係る各材料を、20℃の室温において、モルタルミキサー(JISR5201.8.1(2) )で低速で2分間混練し、フローテーブル(JISR5201.10.1(5))上のセメントペースト容器(JISR5201.8.1(1) )に隙間なく充填し、上部を擦り切った上でセメントペースト容器を静かに上方に抜き取る。セメントペースト容器から流出したセメントペーストの流動が停止した後の広がりが最大となる直径と、その直交する位置での最大の直径を測り、両直径の平均値を、瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値とする。なお、セメントに水が接してから5分以内にペーストフロー値を計測する。
【0021】
粗面形成性にとっては、瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値が、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値に対して、80%以下であり、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。本発明において、前記のように瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値が、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値よりも低くなるということは、当該瞬結剤がまだ固まらないコンクリートに接触すれば、コンクリート中のセメントペーストの降伏値を増大させて当該コンクリート部位に微細な形状を施したときにその形状が消失し難くなることを意味する。
【0022】
前記特性iを有する瞬結剤(A)としては、さらに、以下の要件を満たすことが好ましい。
(1) 水溶性低分子化合物であること:当該瞬結剤(A)としては、打設面表面のコンクリートにむらなく塗布できる水溶液の形態で使用し易い観点から、水溶性化合物であることが好ましい。水溶性化合物とは、室温において、水中に、単分子又は会合体・ミセル・液晶等の構造体を形成した状態又はそれらの混在した状態で、水と相分離を生じない化合物である。相とは、マクロな大きさを持ち、温度、圧力等統計的な物理量が明確に定められる領域をいう(コロイド化学、第1巻、第1版、89〜90頁、1995年10月12日発行、東京化学同人)。また、本発明においては、水溶性化合物には安定な水系乳化物が含まれていてもよい。
【0023】
また、分子量の大きい水溶性化合物では、水溶液の粘性が増大し、作業性を阻害することがあるため、当該瞬結剤(A)は分子量が20000以下、好ましくは10000以下、更に好ましくは1000以下、最も好ましくは500以下の低分子量のものであることが望ましい。
【0024】
(2) 無機化合物であること:当該瞬結剤(A)としては、良好な粗面形成性を有する点から、無機化合物であることが好ましい。
【0025】
かかる特性を有する瞬結剤(A)としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水ガラス、コロイダルシリカ等が挙げられるが、後述する界面活性剤(B)と併用した場合の効果を考慮すると、硫酸アルミニウムとコロイダルシリカから選ばれる1種以上を含有するものが粗面形成性に特に優れる点で好ましい。これらの瞬結剤(A)は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
【0026】
一方、前記瞬結剤(A)だけを、打設面に塗布すると、打設面表面近傍のコンクリートは流動性が低下して固くなり、櫛引具等で微小凹凸を付与することが可能となるが、微小凹凸を付与する際に、櫛引具の間隙にコンクリートが詰まる等の弊害があり、粗面形成作業が阻害される場合がある。
これは、瞬結剤(A)の塗布によりコンクリートの降伏値と共にコンクリートの塑性粘度も増大してしまうことに原因があると考えられる。
【0027】
従って、瞬結剤の塗布によりコンクリートの降伏値が増大しても、コンクリートの塑性粘度が過剰に大きくなることは避けなければならない。
【0028】
本発明者等は、瞬結剤のコンクリートの降伏値の増大能をあまり阻害せずに、塑性粘度を低減できる方法を種々検討した結果、本発明に係る瞬結剤(A)と表面張力が50dyn/cm以下の界面活性剤(以下、界面活性剤(B))を併用することで、櫛引具等により簡易に効率よく微小凹凸を形成でき、目的とする効果を得るに至った。ここで、微小凹凸とは、個々の凹凸の形状が三角、四角等の多角形、円、楕円等の閉曲線を輪郭とするもの、連続もしくは不連続の筋状のものであってよく、当該個々の凹凸の大きさは、多角形、閉曲線ではこれらの最大径が0.1 mm〜10mm程度、個々の凹凸間の距離が0.1 mm〜20mm程度であり、筋状のものでは、筋幅0.1 mm〜10mm程度、筋間隔0.1 mm〜20mm程度、筋深さが0.1 mm〜10mm程度のものを用途に応じて粗面とするべきコンクリート部位に分布させたものをいう。
【0029】
また、界面活性剤(B)の表面張力は固形分濃度0.1重量%の水溶液を20℃でデュヌイ式表面張力測定法(JISK-2525) によって測定して得られる値をいう。この場合、界面活性剤(B)の上記条件で得た表面張力は、50dyn/cm以下であり、45dyn/cm以下が好ましく、40dyn/cm以下がより好ましい。
【0030】
界面活性剤(B)は、表面張力低下能を有する、アニオン系、非イオン系、カチオン系、両性イオン系の何れの界面活性剤でも良いが、(A)成分との相互作用による凝集や分離の少ない、アニオン系と非イオン系が好ましい。更に、櫛引等の微細凹凸を形成するのに、滑性面で優れるアニオン系活性剤が好ましく、特に、アルキル硫酸エステル塩や(ポリ)オキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が好ましい。
【0031】
また、アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数8〜22のアルキル基を有する、一価金属塩、アンモニウム塩、及びアミノアルコールとの塩が挙げられる。一例を挙げれば、エマール0(商品名、花王(株)製)等が挙げられる。アルキル硫酸エステル塩としては、さらに水溶性の観点から、(ポリ)オキシエチレンアルキル硫酸エステル塩がより好ましく、その場合、アルキル基が炭素数10〜14の鎖状のもの、もしくはノニルフェノール基であること、エチレンオキサイド基(以下、EOともいう)が1〜30個、さらに1〜5個であることが好ましい。例を挙げれば、エマール20C(同)、エマールE−27C(同)、エマールD−3−D(同)、レベノールWX(同)等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤(B)については、さらに以下のような特性iiを有することが好ましい。
[特性ii:界面活性剤を含有するセメントペーストの10回タッピング後のペーストフロー値の増大率が、界面活性剤を含有しないセメントペーストの10回タッピング後のペーストフロー値の増大率よりも大きい。]
【0033】
ここで、前記界面活性剤を含有するセメントペーストは特定配合IVを、界面活性剤を含有しないセメントペーストは特定配合III をそれぞれ有するものである。特定配合III 、IVを表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
特性iiは、特性iと同様の試験方法により、特定配合III に係るペーストフロー値Pb IIIを測定後、タッピングを10回続けて行なった後のペーストフロー値Pa IIIを測定し、
(Pa III/Pb III)×100(%)
をペーストフロー値の増大率とする。特定配合IVについても、同様にペーストフロー値の増大率を測定する。なお、セメントに水が接してから5分以内にペーストフロー値Paを測定する。また、消泡剤、瞬結剤及び界面活性剤はモルタルでセメントペーストを混練する直前に水道水に添加して予め水溶液又は水系乳化物とし、これを混練水とする。
【0036】
この場合、特定配合III に対する特定配合IVのペーストフロー値の増大率の比率:
【0037】
【数1】
【0038】
は、102%以上、好ましくは105%以上であることが望ましい。
【0039】
さらに好ましくは、界面活性剤を含有するセメントペーストでのペーストフローが95〜105mmとなる界面活性剤(B)の混練水中の固形分量は、特定配合IVにおいて、好ましくは3.0重量%以下、より好ましくは2.0重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以下である。
【0040】
なお、本発明において、界面活性剤を含有するセメントペーストでのペーストフロー値の増大率が、界面活性剤を含有しないセメントペーストでのペーストフロー値の増大率よりも大きいことは、瞬結剤の作用によって降伏値の増大したコンクリート中のセメントペーストの塑性粘度が低下し、軽い櫛引操作で粗面が形成でき、しかもコンクリートの自重では粗面が消失し難いということを意味する。
【0041】
本発明に係る瞬結剤(A)と界面活性剤(B)を併用して打設面に塗布した後では、櫛引具等で微小凹凸を簡易に形成でき、一度形成された微小凹凸はコンクリートの自重で消失することがなく、コンクリートの硬化後の当該打設面を粗面に仕上げることができるという優れた効果が発現される。
【0042】
本発明に係る粗面形成剤は、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とを含有する水溶液又は水系乳化物、若しくは、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とを個々に水溶液又は水系乳化物としたものを打設直前に両者を混合する、別々に同じ打設面に塗布する等のような、同時に使用する態様における瞬結剤(A)と界面活性剤(B)の組を意味する。
【0043】
以下に、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)の併用に係る本発明の粗面形成剤のより好ましい実施態様を説明する。
【0044】
瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とは、打設面にほぼ同時に塗布されればよいので、別々に水溶液にして打設面に塗布してもよいし、より好ましくは、両者を混合して一液として打設面に塗布することである。
【0045】
これらの場合、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)の配合割合は、固形分重量比で、瞬結剤(A)/界面活性剤(B)=100/1〜100/10が好ましく、100/3〜100/7がより好ましい。
【0046】
界面活性剤(B)が瞬結剤(A)100重量部に対して1重量部以上で、打設面表面近傍のコンクリートの流動性が向上して、型押や櫛引等による微小凹凸が形成し易くなり、界面活性剤(B)が瞬結剤(A)100重量部に対して10重量部以下までは、打設面表面近傍の流動性が過度に増加することなく、櫛引等による微小凹凸がさらに形成し易くかつ一度形成された微小凹凸が消失し難くなる。
【0047】
瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とをそれぞれ水溶液にして使用する場合は、瞬結剤(A)の固形分濃度は、1〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましく、10〜20重量%が最も好ましく、界面活性剤(B)の固形分濃度は、0.01〜4重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましく、0.1〜2重量%が最も好ましい。
【0048】
瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とを一液の水溶液として使用する場合は、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)の合計の固形分濃度が、1〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましく、10〜20重量%が最も好ましい。
【0049】
瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とをそれぞれ水溶液にして使用する場合、もしくは、一液の水溶液として使用する場合において、本発明に係る作用効果が阻害されない範囲で、必要に応じて、当該水溶液中に、公知の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、防水剤、防錆剤、着色剤、防黴剤、ひびわれ低減剤、染料、顔料等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を併用して添加してもよい。
【0050】
以上のような構成を有する粗面形成剤は、コンクリート、特に流動性コンクリート充填後の打設面を処理して粗面を短時間に簡易に形成できる効果を有するものである。
【0051】
次に、本発明の粗面形成剤を使用した好ましい粗面形成方法を説明する。
本発明の粗面形成剤は、スランプ5cm以上のコンクリートに適するが、粗面がより形成し難いスランプ8cm以上、さらに本発明で流動性コンクリートとするスランプ18cm以上、いわゆる中流動コンクリートといわれるスランプフロー350〜500mm、特に高流動コンクリートといわれるスランプフロー500〜750mm、さらに粗面が形成し難いといわれるスランプフロー600〜750mmの高流動コンクリートの粗面形成に適している。なお、スランプとは、JISA1101に記載の試験によって得られるスランプの値をいい、スランプフローとは、「高流動コンクリー施工指針」(第1版、土木学会編)記載のスランプフロー試験方法により得られるスランプフローの値をいう。
【0052】
一例として、スランプフロー500〜750mmの高流動コンクリートを充填した振動製品の粗面形成方法を詳細に説明する。なお、振動製品とは、一定の形状寸法の規格化されたコンクリート製品であって、型枠にコンクリートを充填して遠心力締固めをせずに振動締固め又は振動締固めをせずに形成するものをいう。ここに、振動締固めとはコンクリート便覧(第2版、日本コンクリート工学協会編)374頁に記載の振動締固めを意味し、遠心力締固めとはコンクリート便覧(第2版、日本コンクリート工学協会編)695頁に記載の遠心力締固めを意味する。
【0053】
当該高流動コンクリートを型枠に充填後、30分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは15分以内に、本発明に係る瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とを含有する粗面形成剤を、当該型枠の打設面に塗布する。
【0054】
瞬結剤(A)と界面活性剤(B)とは、打設面にほぼ同時に塗布されればよいので、別々に水溶液にして打設面に塗布してもよいし、より好ましくは、両者を混合して一液として打設面に塗布することである。
【0055】
この場合、当該粗面形成剤を刷毛等で打設面上に塗布してもよいが、散布機で噴霧する方法が効率的でより好ましい。散霧機には市販の水散布用のものを使用できる。
【0056】
粗面形成剤の塗布又は散布量は、コンクリート表面1平方メートル当たり、固形分で1〜40gが好ましく、4〜25gがより好ましく、8〜20gが特に好ましい。
【0057】
当該打設面に粗面形成剤を塗布又は散布後、30分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内に櫛引具、熊手等により当該打設面上に微細凹凸を形成する。
【0058】
櫛目間隔は、好ましくは0.1〜20mm、より好ましくは0.5〜15mm、さらに好ましくは0.5〜10mmである。
当該工程で、微細凹凸を施す前に、こて等により粗面形成剤の塗布部分を平滑にしておくとさらに微小凹凸がつけやすい。
【0059】
以上のようにして、微細凹凸を施したコンクリートを、養生し硬化させると、打設面が微細な粗面であるコンクリート硬化体を得ることができる。このコンクリート硬化体としては、例えば道路のコンクリート舗装等のコンクリート硬化体やボックスカルバート、桁、パイル、ヒューム管等のコンクリート製品が挙げられ、流動化コンクリートを充填して製造されるボックスカルバート、桁等の振動製品が好ましい対象である。特に、コンクリート製品の場合、微細凹凸を形成後に蒸気養生すると、打設面に粗面を有するコンクリート製品を短時間で得ることができる。
【0060】
【実施例】
本実施例で使用した、特性iを満たし、水溶性低分子化合物及び無機化合物である瞬結剤A1〜A5を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
また、本実施例で使用した、瞬結剤と界面活性剤との組み合わせと、その該当性を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
〔コンクリートの調製〕
表5の高流動コンクリートに示す容量となるように、各種材料をそれぞれ計量し、高性能減水剤を混合した水を除く材料をパン型ミキサーに投入して10秒間混練した後、高性能減水剤を混合した水を投入してさらに2分間混練し、次いで混練物をミキサーから排出し、得られたコンクリートのスタンプフローを測定した。
なお、排出直後のスランプフロー値を「高流動コンクリート施工指針(土木学会編)」に従って測定した。また、混練したコンクリートの全量は30kgであった。
【0065】
【表5】
【0066】
実施例1〜5、6−1〜5、7−1〜3、8−1〜6、9−1〜5及び比較例1〜3
前記のようにして得られたコンクリートに対する各実施例及び各比較例で得られた粗面形成剤の粗面深さ、熊手操作性について、以下の粗面形成方法に基づき、評価した。その結果を表6に示す。
【0067】
[粗面形成方法]
(1)縦50cm×横150cm×高さ30cmの鋼製型枠にコンクリートを高さ30cm迄投入した。
(2)打設面に所定濃度に調整した粗面形成剤を市販のスプレー(品番:ダリヤ加圧式全自動スプレーDA−10、ダリヤ社製)で散布した。
(3)散布10分後に、粗面形成剤散布部分を軽くこてで平滑に整えた後、すぐに以下の作業を行った。
(4)当該粗面形成剤散布部分を櫛目間隔3mmの熊手で刷毛引きして、微細凹凸(深さ5mm)を形成し、熊手操作性を評価した。刷毛引きの所要時間は、約10秒で行なった。
(5)次いで、刷毛引き終了後、当該型枠を20℃30分間室温に静置し、さらに65℃4時間の蒸気養生を行った。
(6)蒸気養生終了後、30分経過後に当該型枠を脱型し、打設面の微細凹凸状態を観察して粗面深さを評価した。
【0068】
なお、熊手操作性及び粗面深さの評価基準を以下に示す。
〔熊手操作性〕
◎:櫛目にモルタルが付着し難く、櫛引が円滑に行える。
○:櫛引をゆっくり行えば、櫛目にモルタルが付着し難い。
×:櫛引をゆっくり行っても、櫛目にモレタルが付着して作業性が悪い。
【0069】
〔粗面深さ(平均深さ)〕
◎: 2.0mm以上
○〜◎: 1.0−2.0 mm
○: 0.5−1.0 mm
×: 0.5mm以下
なお、本実施例において、熊手操作性、粗い面深さの評価のいずれか一方でも×となるものは不合格品とする。
【0070】
【表6】
【0071】
表6の結果より、各実施例で得られた粗面形成剤は、いずれも比較例1〜3で得られたものより、熊手操作性に優れ、かつ粗面深さも深いものであることがわかる。
【0072】
実施例10
型枠内に鉄筋を組み、この型枠内に表5の高流動コンクリートと中流動コンクリートを流し込み、前記粗面形成方法を用いて、打設面に粗面を形成した。なお、得られたブロック製品の仕様は以下の通り。
【0073】
型枠:コンクリートの投入空間が縦10cm、幅20cm、高さ50cmの鋼製型枠。
鉄筋:図1に示すように、断面径5mmの鉄筋を、鉄筋の中心間隔5cmとなるように格子状に組んだものを使用した。なお、鉄筋の各格子点(接合部)は、ハンダで固定した。
【0074】
スランプ等の測定条件:前記と同様にしてコンクリートを混練した後、すぐにコンクリートのスランプ及びスランプフローを測定した。
【0075】
充填条件:型枠に振幅0.3mm、振動数1800vpmの振動を加えながら、混練直後のコンクリートを4分間で型枠内壁が完全に被覆されるまで充填した。
【0076】
打設面に対して、実施例8−3と同条件で粗面形成をし、熊手操作性と蒸気養生後の粗面形成状態を観察した。その結果を以下に示す。
中流動コンクリートによるブロック製品:粗面深さ◎、熊手操作性○
高流動コンクリートによるブロック製品:粗面深さ◎、熊手操作性◎
【0077】
この結果より、本発明の粗面形成剤を用いることにより、中流動コンクリートや高流動コンクリートを用いる場合でも、微小粗面が精密に形成されたコンクリート製品を得ることができることがわかる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の粗面形成剤を用いることにより、コンクリート、特に流動性コンクリート充填後の打設面を処理して粗面を短時間に簡易に形成でき、また、微小粗面が精密に形成されたコンクリート硬化体又はコンクリート製品を得ることができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例10で用いた鉄筋の概略図を示す。左図は、縦方向から見た鉄筋の概略図、右上図は高さ方向から見た鉄筋の概略図、右下図は幅方向から見た鉄筋の概略図である。
Claims (8)
- 流動性コンクリートの打設面に櫛引具又は型押具により凹凸を形成させる工程を含むコンクリートの粗面形成方法に用いられるコンクリート用粗面形成剤であって、以下の特性iを有する瞬結剤(A)と、表面張力が50dyn/cm以下の界面活性剤(B)とを含有してなり、界面活性剤(B)がアニオン系活性剤又は両性イオン系活性剤であり、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)の配合割合が、固形分重量比で、瞬結剤(A)/界面活性剤(B)=100/0.5〜100/10であるコンクリート用粗面形成剤。
[特性i:瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値が、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値の80%以下である。] - 流動性コンクリート用である請求項1記載の粗面形成剤。
- 振動製品の製造に用いる請求項1又は2記載の粗面形成剤。
- 瞬結剤(A)が、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水ガラス及びコロイダルシリカからなる群より選ばれる1種以上のものである請求項1〜3いずれか記載の粗面形成剤。
- 流動性コンクリートの打設面に櫛引具又は型押具により凹凸を形成させる工程を含むコンクリートの粗面形成方法であって、前記櫛引具又は型押具により凹凸を形成させる前の流動性コンクリートの打設面に、以下の特性iを有する瞬結剤(A)と、表面張力が50dyn/cm以下の界面活性剤(B)とを含有してなり、瞬結剤(A)と界面活性剤(B)の配合割合が、固形分重量比で、瞬結剤(A)/界面活性剤(B)=100/0.5〜100/10であるコンクリート用粗面形成剤を塗布又は散布する、コンクリートの粗面形成方法。
[特性i:瞬結剤を含有するセメントペーストのペーストフロー値が、瞬結剤を含有しないセメントペーストのペーストフロー値の80%以下である。] - コンクリート振動製品の粗面を形成する請求項5記載の粗面形成方法。
- 瞬結剤(A)が、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水ガラス及びコロイダルシリカからなる群より選ばれる1種以上のものである請求項5又は6記載の粗面形成方法。
- 請求項5〜7いずれか記載の粗面形成方法によって粗面が形成されてなるコンクリート硬化体。
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