JP2817186B2 - 床面の形成方法 - Google Patents

床面の形成方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、建築物などに有利に使用することのできる
床面の形成方法に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、セルフレベリング性水硬性組成物を用いて床
面を形成する方法に関するものである。
[発明の背景] 従来、建築物のコンクリート下地に床面を形成する場
合には、コンクリートを打ち込んで形成される粗床面
(下地面)の平滑性が充分ではないために、該粗床面上
にさらに、セメントペースト、セメントモルタルなどの
水硬性材料または、粒径の小さな骨材を含むコンクリー
トを塗布して仕上げが行なわれている。上記の仕上げ
は、粗床面上に塗布された水硬性材料の流動性が低いた
めに、該水硬性材料が硬化しないうちにトンボ(T型定
規状のならし道具)、コテなどを用いてならして平滑に
するという作業(以下、「ならし操作」と略記する)が
必要とされる。ところが、上記ならし操作は、左官の手
作業によらざるを得ず、床面に要求される平滑度を得る
ためには、高度な熟練を要する。
近年、上述の方法に対して、自己平滑化(セルフレベ
リング)性、すなわち、床面上にて重力の作用により平
滑度の高い平面を形成する性質、を有する水硬性組成物
を用いて建築物の床面などを形成する技術が開発され、
セルフレベリング性を有する水硬性組成物が種々提案さ
れている。建築物のコンクリート下地の仕上げに上記水
硬性組成物を使用する場合には、該水硬性組成物自体が
セルフレベリング性を有するので、ならし操作は該セル
フレベリング性を補う程度でよく、熟練を要することな
しに、床面に要求される平滑度を達成することができ
る。
一般に、上記セルフレベリング性水硬性組成物を用い
る床面形成は、次の工程に従って行なわれている。
1)スラリー状態のセルフレベリング性水硬性組成物を
ポンプ圧送などで輸送して粗床面に流す。
2)粗床面に流した上記スラリーは、自己流動性による
平滑化すなわちセルフレベリング性により表面平滑化す
るが、その平面を目標のレベルにするために予め「墨
出」または「あたり」などで示した目標のレベル位置に
トンボ、コテ、定規などを用いてスラリーを移動させて
ならし操作を行ない、上記セルフレベリング性を補う。
ところが、セルフレベリング性水硬性組成物は通常の
水硬性組成物に比べて流動性が高いために成分が分離し
やすく、粗床面上にセルフレベリング性水硬性組成物を
流して層を形成すると、その表面付近には該組成物の成
分の分離によって生じたペースト、レイタンス、浮き水
などの移動しやすい成分を多く含む部分ができやすい。
上述のように成分を分離した状態となっているセルフレ
ベリング性水硬性組成物層に対してならし操作を行なう
と、得られる硬化体表面に線状の微小突起模様(「トン
ボむら」または「コテむら」と呼ばれる)を生じやすく
なり、また、長期的なクラック発生、剥離現象などが多
くなる傾向がある。
上記線状の微小突起模様は、ならし操作によって上記
ペースト、レイタンス、浮き水などが上記組成物層表面
の一部に集められ、その一方では該組成物層の中に骨材
など固形分の多い層を生じ、該組成物の水平方向(床面
に平行な方向)の成分の分布が不均一化されるために起
きると考えられている。また、セルフレベリング性水硬
性組成物層の水平方向の成分分布が不均一であると、該
組成物が硬化したのち、温度変化や湿度変化による膨張
量または収縮量も不均一になり、成分が不均一となって
いる部分に集中クラックを誘発し、このような集中クラ
ックはさらに剥離現象を引き起こす原因になると考えら
れている。
上述の問題を改良するために、ならし操作を行なわず
にセルフレベリング性水硬性組成物層を形成する方法
が、特開昭63−67368号公報に開示されている。上記公
報に開示されている施工方法は、内断面積0.5〜80cm2
管を、該管の床面に対する角度が20〜120゜、該管端と
床面に流出させたスラリー面との距離が1〜20cmとなる
ように保持して、該管からセルフレベリング性の硬化性
スラリーを床面に3〜1000/分で流出させ、流出させ
た上記スラリーが幅5〜80cm、厚さ1〜40mmの帯状とな
るように置き、管を移動させながら該帯状流出物(スラ
リー)を連続させて平滑な床面を形成させることを特徴
とする方法である。
上記公報の記載によれば、セルフレベリング性水硬性
組成物を硬化後のあるべき姿に可能な限り近づけて、帯
状に流出させて置き、該帯状流出物を連続させることに
より、ならし操作を行なわずにセルフレベリング性水硬
性組成物層を形成することができ、該組成物の水平方向
における組織の不均一化を低減することができる、とさ
れている。
さらに、好ましい平滑度を得るために必要とされるセ
ルフレベリング性水硬性組成物の施工厚さが、従来の方
法では15〜25mmであるのに対して、上記公報に記載の方
法では5〜15mmと薄くすることができるとされている。
上述の施工方法により、分離した成分がならし操作の
ために強制的に大きく移動されることは避けられるの
で、床面に流出させたスラリーの水平方向における硬化
体組織の不均一化はある程度低減することができる。し
かしながら、垂直方向における成分の分離の発生を充分
に回避することが難しい場合があり、分離した成分がセ
ルフレベリング性水硬性組成物の流動性のために上記帯
状流出物の形状にそって移動することがある。このた
め、セルフレベリング性水硬性組成物の成分によって
は、充分満足できる表面状態が得られないことがある。
[発明の目的] 本発明の目的は、改良された床面の形成方法を提供す
ることにある。
[発明の要旨] 本発明者は、下地面上に形成されたセルフレベリング
性水硬性組成物の表層に生じる、ペースト、レイタン
ス、浮き水などの水分を多く含有する成分の移動量を低
減する方法について検討を重ねた。そして、下地面上
に、セルフレベリング性水硬性組成物を多数の点状に置
き、これを連続させて該組成物層を形成することによ
り、上記水分を多く含む成分の移動を低減できることを
見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明は、フロー値が190mm以上であるセル
フレベリング性水硬性組成物を下地面にノズルを用いて
加圧下に吹き付けながらノズルを連続的に移動させてセ
ルフレベリング性水硬性組成物を形成したのち、これを
硬化させて床面を形成することを特徴とする床面の形成
方法にある。
なお、本明細書において「セルフレベリング性水硬性
組成物を置く」とは、下地面に塗布したセルフレベリン
グ性水硬性組成物をトンボ、コテなどでならし操作を行
なうことなく、該組成物自体の流動性による移動以外は
塗布当初のままの状態で放置することを意味する。ま
た、上記フロー値は、住宅都市整備公団東京・関東支社
の昭和63年度版特別共通仕様書のセルフレベリング床材
の項に規定されたフロー値測定法に従って測定した値で
ある。
一般に、吹き付け工法は、リシンガンなどのカップ
式(自重エアー式)、リシンユニット、モルタルポン
プ、ダイヤフラム式、および、スネーク式など材料を圧
で押出すとともにエアーを噴出させる方法、および、
マイディスプレイヤーなどのエアレス式の三種類に分類
され、それぞれの方式において、ガンのノズル径、下地
面との距離などの好ましい範囲が異なる。本発明では上
述の方式の何れの方式でも適用することができるが、圧
送エアレス式が特に好ましい。
次に、本発明の好ましい態様を列記する。
(1)上記吹付けを圧送エアレス式吹付け機を用いて行
なうこと。
(2)上記吹付けにおいて、上記吹付け機のノズル端と
下地面との距離が、1000〜1800mmの範囲であること。
(3)上記吹付けにおいて、上記吹付け機の下地面に対
する吹付け角が、60〜120゜の範囲であること。
(4)上記吹付けにおいて、上記吹付け機のノズル口径
が、0.5〜5mmの範囲であること。
(5)上記吹付けにおいて、上記吹付け機にかかる材料
圧が、30〜70kg/cm2の範囲であること。
(6)上記吹付けを、上記吹付け機を10〜100m/分が速
度で移動させて行なうこと。
(7)上記セルフレベリング性水硬性組成物のフロー値
が、210mmであること。
(8)上記セルフレベリング性水硬性組成物が、着色顔
料を含有し、床仕上剤としての機能を有すること。
[発明の詳細な記述] 本発明の床面の形成方法は、フロー値が190mm以上で
あるセルフレベリング性水硬性組成物を下地面に吹付け
て、セルフレベリング性水硬性組成物層を形成したの
ち、これを硬化させて床面を形成することを特徴とす
る。
本発明の床面の形成方法における吹付けは、コンプレ
ッサおよび/または圧送機と吹付け機(スプレーガン)
との組合せからなる器具を用いて、上記吹付け機からセ
ルフレベリング性水硬性組成物を噴出させ、下地面に吹
き付けることにより行なう。
上記吹付けには、圧送エアレス式、タンク加圧式また
はスネーク式などの圧送エア式、および、リシンガンま
たはモルタルガンなどのカップ式など、建築工事におい
て壁面や床面の吹付け工事に用いられる従来公知の吹付
け機器および工具を応用することができるが、施工スピ
ードが速く、表面の吹き継ぎむら、不陸ができにくいこ
とから、圧送エアレス式または圧送エア式吹付け機が好
ましく、特に圧送エア式吹付け機が好ましい。
たとえば、上記吹き付けを圧送エアレス式吹付け機を
用いて行なう場合には、上記吹付け機のノズル端と下地
面との距離が、1000〜1800mmの範囲となり、かつ、下地
面に対する吹付け角が、60〜120゜の範囲となるように
吹付け機を保持して行なうことが好ましい。上記吹付け
機のノズル端と下地面との距離は、1400〜1600mmの範囲
にあることがさらに好ましく、また、下地面に対する吹
付け角は、90゜であることがさらに好ましい。上記吹付
けは、吹付け機を上記の範囲の条件で保持して、10〜10
0m/分の範囲で移動させて行なうことが好ましく、さら
に50〜70m/分の範囲で移動させて行なうことが好まし
い。
上記吹付け機のノズル口径は、0.5〜5mmの範囲である
ことが好ましく、2〜4mmの範囲であることがさらに好
ましい。また、コンプレッサ/または圧送機から上記吹
付け機にかかる材料圧は、30〜70kg/cm2の範囲であるこ
とが好ましく、40〜60kg/cm2の範囲であることがさらに
好ましい。
上記吹付け機を用い、上述の範囲の施工条件にて、セ
ルフレベリング性水硬性組成物を下地面に吹付けること
により、該下地面上に該組成物が微小な点を数多く形成
するように置くことができる。上記点状に置かれたセル
フレベリング性水硬性組成物は、さらに相互に連続して
該組成物の層を形成する。なお、上述の施工条件は、上
記吹付けを圧送エアレス式吹付け機を用いて行なう代表
的な場合の例であり、使用する吹付け機によっては、上
述の施工条件に限定されるものではない。
上述のセルフレベリング性水硬性組成物層の形成に際
しては、まず、点状に置かれたセルフレベリング性水硬
性組成物のそれぞれの点の中で該組成物の成分が主とし
て垂直方向に分離して、上記点状に置かれた組成物の表
層に水分を多く含む部分が生じる。該部分は、ペース
ト、レイタンス、浮き水などの流動性の高い(移動しや
すい)成分からなる。次いで、上記水分を多く含み流動
性の高い成分は、上記点の中心部から周辺部に向けて移
動し隣接して置かれた点状の上記組成物と相互に連続し
て、該組成物の層を形成すると考えられる。そして、上
述の流動性の高い成分の移動は、隣接して置かれた点か
ら生じた水分を多く含み流動性の高い成分と接触するこ
とにより停止するので、その移動量は極めて小さくなる
と考えられる。
上述の吹付け操作は、吹付け機を床面に対して前述の
位置に保持した状態にて、前記の範囲の速度で移動させ
ながら、たとえば、床面を形成すべき区画の奥側から手
前に任意の長さでS字状に往復させて、前述の点状に置
かれたセルフレベリング性水硬性組成物が相互に連続し
てできた該組成物層がさらに帯状の層を形成するように
行なう。このとき、既に吹付けた上記組成物層(奥側の
帯)と新しく吹付けて形成される層(手前側の帯)と
は、該組成物層の厚さが著しく不均一にならない範囲で
あれば、互いにその一部が重なりあってもよい。
一般に、下地面上に床面を形成するために施工される
セルフレベリング性水硬性組成物層の厚さは、下地面の
粗さを補って床面として使用できる平滑性が得られるだ
けの厚みがあればよく、上記組成物層の垂直方向におけ
る成分の分離を低減するためにはできるだけ薄くするこ
とが望ましい。しかし、前記特開昭63−67368号公報記
載の方法では、形成される上記組成物層の厚さは該組成
物を流し延べる際に使用する管の口径、および、帯状に
流し置く際の幅によって定まるため、充分に薄くするこ
とが難しかった。
本発明の方法では、前述吹付け機を用いて、セルフレ
ベリング性水硬性組成物を吹付けることにより、下地面
上に形成される該組成物層の厚さを薄くすることができ
る。上記組成物の施工厚さを薄くすることにより、該組
成物の成分が該組成物層の垂直方向において分離しにく
くなり、水分を多く含む成分の発生量自体が低減される
ので、より均一な成分を有する層が形成される。さら
に、上記組成物の施工厚さを薄くすることにより、一定
面積当りの該組成物の所要量を低減するとともに作業時
間を短縮することができるので、本発明の方法は上記組
成物の流動性を維持できる時間(ポットライフ)が短く
て済む点からも有利である。
本発明の方法に使用するセルフレベリング性水硬性組
成物は、そのフロー値が190mm以上であることが必要で
あり、210mm以上であることが好ましい。フロー値が、1
90mm未満であると、セルフレベリング性が不充分にな
り、床材など高精度の平滑性が要求される用途に用いる
ことが困難になる。
上記フロー値とは、前述のごとく住宅都市整備公団東
京・関東支社の昭和63年度版特別共通仕様書のセルフレ
ベリング床材の項に規定されたフロー値測定法に従って
測定した値である。このフロー値測定法は、厚さ5mmの
みがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル
性パイプを置きセルフレベリング性水硬性組成物を充填
したのちパイプを引き上げ、セルフレベリング性水硬性
組成物の広がりが静止した後直角二方向の直径を測定
し、その平均値をフロー値とする方法である。
また、上記セルフレベリング性水硬性組成物は、混練
調製時のセルフレベリング特性(L0)と10分経過後のセ
ルフレベリング特性(L10)との比(L10/L0)で表わさ
れるSL値が、通常0.3以上の範囲あることにより、施工
が容易になる。
上記のSL値は、次のようにして測定する。まず、断面
が長方形(横25mm×縦28mm)で長さ750mmの長尺箱状容
器を2本用意する。ついで、上記容器の一方の端から15
0mmの位置に堰を設け、それぞれの容器の堰で仕切られ
たうちの狭い側に、測定試料(セルフレベリング性組成
物)100mlを入れる。1本の容器の堰は直ちに取り外
し、試料の流れた長さを測定し、L0とする。10分後にも
う1本の容器の堰を取り外し、このときの試料の流れた
長さを測定し、L10として、その比(L10/L0)をSL値と
する。
また、本発明の方法に使用するセルフレベリング性水
硬性組成物は、該組成物に含有される骨材の最大径が、
前述の吹付け機のノズルの口径より小さくなるよう注意
が必要であり、上記骨材の最大径は通常0.1〜2.5mm、好
ましくは0.3〜0.6mmの範囲である。上記骨材の最大径
が、ノズルの口径より大きいと、吹付け作業中にノズル
がつまるので避けることが好ましい。
本発明の方法に使用するセルフレベリング性水硬性組
成物は、上述の条件を満足するような組成物であればよ
いが、特に上記組成物が床仕上剤としての機能を有する
とともに着色顔料を含有する場合に本発明の方法を有利
に適用することができる。
一般に、着色顔料を含有するセルフレベリング性水硬
性組成物を用いて床面を形成する場合には、色ムラが発
生するために実用上充分な美観を有する床面が得られに
くい。先に、本発明者は、上記色ムラの原因が、前述の
垂直方向の成分分離によって生じるところの水分を多く
含み流動性の高い部分に着色顔料が多く含まれて、該部
分の顔料が凝集しやすいためであることを見出し、該部
分における顔料の凝集の発生を低減した、セルフレベリ
ング性水硬性組成物を開発している。
上記の着色顔料を含有し顔料の凝集の発生を低減した
セルフレベリング性水硬性組成物は、ポルトランドセメ
ント100重量部に対して、アルミン酸三石灰10〜100重量
部、および石膏成分を無水石膏として2〜40重量部含む
水硬性無機材料、及び該水硬性無機材料100重量部に対
して、30〜200重量部の骨材、0.1〜20重量部の着色顔
料、0.01〜1重量部の色ムラ防止剤、および、2〜30重
量部の樹脂を含む水性樹脂液であって、フロー値が190m
m以上であることを特徴とする組成物であり、上記組成
物は、既に本出願人により特許出願されている(特願昭
63−301991号明細書参照)。また、上記組成物は、床仕
上剤としての機能も有している。
本発明の方法は、上述のような着色顔料を含有するセ
ルフレベリング性水硬性組成物に適用した場合には、垂
直方向の成分分離によって生じる流動性が高く着色顔料
が多く含まれる部分の水平方向の移動を低減することが
でき、さらに上記組成物層を薄くすることによって垂直
方向の成分分離そのものを低減できるので、上記組成物
から得られる床面において色ムラの発生を低減すること
ができ有利である。
本発明の方法は、通常はコンクリートの打込によって
形成された粗床面に対して適用されるが、上記粗床面は
下地処理を施されていてもよい。
上記下地処理としては、粗床面に対する、合成樹脂の
溶液またはエマルションなどの塗布を挙げることができ
る。粗床面に合成樹脂の被膜を形成することにより、セ
ルフレベリング性水硬性組成物を施工した際に、下地か
ら気体が該組成物中に上昇してくることを防ぐことがで
き、上記セルフレベリング性水硬性組成物から形成され
る床面表面のピンホールを減少させる効果があり、ま
た、下地界面での硬化不良を防止することができる。
本発明の方法では、上述の様にして下地面上に形成し
たセルフレベリング性水硬性組成物層を硬化させて、床
面を形成する。
[発明の効果] 本発明の方法により、下地面上に形成されたセルフレ
ベリング性水硬性組成物の表層に生じる、ペースト、レ
イタンス、浮き水などの水分を多く含有する成分の移動
量を低減することができ、均一な成分と優れた平滑度と
を有する床面を形成することができる。
また、本発明の方法は、セルフレベリング性水硬性組
成物を下地面上に吹付けることにより該組成物の層を形
成するので、該組成物を流し延べ、あるいは流し置く従
来の方法に比較して、該組成物層の施工厚さを薄くする
ことができる。上記組成物層を薄く形成することによ
り、該組成物の成分が該組成物層の垂直方向において分
離しにくくなり、水分を多く含む成分の発生量自体が低
減されるので、より均一な成分を有する層を形成するこ
とができる。
さらに、上記組成物層を薄く形成することにより、一
定面積当りの該組成物の所要量を低減するとともに作業
時間を短縮することができる。
また、本発明の方法は、セルフレベリング性水硬性組
成物が着色顔料を含有している場合に特に有利に適用で
きる。着色顔料を含有するセルフレベリング性水硬性組
成物に本発明の方法を適用することにより、色相が均一
で美麗な表面を有する床面を、有利に安価に形成するこ
とができる。
次に本発明の実施例を示す。
[実施例1] 次の成分からなるセルフレベリング性水硬性組成物を
調製した(数値は重量部を示す)。
ポルトランドセメント 65 アルミン酸三石灰 30 無水石膏 5 骨剤(最大径0.6mm) 50 50%−アクリル系エマルション 20 3%−ヒドロキシエチルセルロース水溶液 1.5 着色顔料(ベンガラ) 3 色ムラ防止剤 0.1 分散剤 0.4 3%−保水剤水溶液 0.5 流動化剤 0.7 クラック防止剤 0.2 凝結調整剤 1 消泡剤 0.2 水 26 混練は、高速グラウトミキサーを用い、撹拌ブレード
周速の15m/秒の条件で、3分間行なった。このようにし
て得られたセルフレベリング性水硬性組成物は、フロー
値が233mm、SL値が0.7であった。上記フロー値は、住宅
都市整備公団東京・関東支社の昭和63年度版特別共通仕
様書のセルフレベリング床材の項の規定に従って測定し
た値であり、SL値は、混練調製時のセルフレベリング特
性(L0)と10分経過後のセルフレベリング特性(L10
との比(L10/L0)で表わされる値である。
次にノズル口径4mmのエアレス式スプレーガンとコン
プレッサとから構成される吹付け装置を用い、上記コン
プレッサから上記スプレーガンに50kg/cm2の材料圧をか
けて、該スプレーガンのノズル先端から上記セルフレベ
リング性水硬性組成物を噴出させて下地面に吹付け、該
組成物の層を形成した。上記吹付け操作は、上記スプレ
ーガンを、該スプレーガンのノズル先端と下地面との距
離が1500mm、かつ、下地面に対する吹付け角が90゜にな
るように保持した状態で、該スプレーガンを60m/分の速
度にて移動させて行なった。
上述の吹付け操作により、30m×50mの下地面に平均厚
さ2mmの上記セルフレベリング性水硬性組成物層を形成
し、さらに該組成物層を硬化させて、床面を形成した。
上記組成物層の形成に要した時間は240分間であり、床
面の床面積1m2当りの上記セルフレベリング性水硬性組
成物所要量は41kgであった。
上記床面は、実用上充分な平滑度を有しており、顔料
による着色の色ムラは認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守 徹郎 大阪府大阪市淀川区西三国4丁目3番90 号 水谷ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−261056(JP,A) 特開 昭47−44924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 15/12 E04F 21/08 - 21/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロー値が190mm以上であるセルフレベリ
    ング性水硬性組成物を下地面にノズルを用いて加圧下に
    吹き付けながらノズルを連続的に移動させてセルフレベ
    リング性水硬性組成物を形成したのち、これを硬化させ
    て床面を形成することを特徴とする床面の形成方法。
  2. 【請求項2】セルフレベリング性水硬性組成物に掛ける
    圧力を30〜70kg/cm2とし、ノズルを10〜100m/分の速度
    で移動させる特許請求の範囲第1項記載の床面の形成方
    法。
JP1102555A 1989-04-21 1989-04-21 床面の形成方法 Expired - Lifetime JP2817186B2 (ja)

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