JP4390043B2 - 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 - Google Patents

2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 Download PDF

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本発明は、KrFおよびArF、F2等のエキシマレーザ、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用各種レジスト原料や、高機能性ポリマー原料として注目を集めている高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法に関するものである。
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類は、そのエステル構造に対応する部分を有する2−アダマンタノンまたは2−アダマンタノン誘導体を出発原料とし、一般的には、2−アダマンタノン誘導体をGrignard試薬、またはアルキルLi試薬と反応させることによって2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体に変え、(メタ)アクリル酸誘導体と反応させることによって製造する。
微細加工用レジストのモノマーとして用いられる2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類は、該モノマー中に含有する微量の不純物がレジスト性能を悪化させるとして、非常に高純度のものが要求される。
上記の製造方法では、微量金属不純物のほか、メタクリル酸誘導体の重合物が副生成物として多量に存在するので、高純度の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を得るには蒸留精製が有効な精製方法である。
例えば、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート合成後にメタノールを貧溶媒としてポリマー再沈を行い、ポリマーの一部を除去後、減圧蒸留によって高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを得る方法がある(特許文献1参照)。しかしながら通常の減圧蒸留は、ポリマー再沈操作で残存した重合物、蒸留原料中の不純物と加熱に起因する重合などによって、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの留出と共に蒸留釜内の粘度が上昇し、留出率が低下して蒸留収率が低下する問題がある。またポリマー除去操作には大量の溶媒を使用することから経済性、安全性、効率の面でも問題である。
また、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を蒸留精製する際に、目的とする2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類よりも低沸点の成分を添加することによって、不純物として蒸留原料中に存在する昇華性アダマンタン誘導体の蒸留装置内部への付着を防ぎ、効率的に高純度の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を得る方法がある(特許文献2参照)。しかし上記蒸留方法では、留出に伴う蒸留釜内の粘度上昇を抑制することはできない。
さらに、シリカゲル、活性炭などの吸着剤を用いて不純物を除いた後に、薄膜蒸留を行うことによって高純度の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を得る方法がある(特許文献3参照)。上記精製法では、効率よく蒸留を行うことが可能であるが、吸着工程による精製コストが高いという問題がある。
国際公開第01/87817号パンフレット 特開2001−97893号公報 特開2001−201868号公報
本発明の目的は、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類に対し、ポリマー再沈工程、吸着工程などを経ず、粗精製物の蒸留精製により、高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類に対して、低粘度且つ高沸点化合物を添加したものを蒸留原料とし、減圧蒸留を行うことによって効率よく、高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を取得できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、式(1)で示される高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する方法において、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類に、60℃で1000mPa・S以下であり、且つ前記2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類よりも高沸点の化合物を蒸留助剤として添加して蒸留することを特徴とする高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する方法に関するものである。

(式中、Yは水素原子、アルキル基、ハロゲン含有アルキル基、ハロゲン基、又はエーテル基を有する炭化水素基を示し、nは1〜14の整数を示す。R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のハロゲン含有炭化水素基を示す。)
本発明により、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類に対して、低粘度、高沸点化合物を添加し、減圧蒸留を行うことによって、ポリマー再沈、吸着などの精製処理をせずとも、レジスト用途に好適な高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を効率よく得ることができる。
本発明の蒸留原料となる粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類は、2−アダマンタノンまたは2−アダマンタノン誘導体をGrignard試薬、アルキルMg試薬、またはアルキルLi試薬と反応させることによって2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体に変え、直接(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸無水物、または(メタ)アクリル酸エステルとを反応させることによって製造したもの、2−アルキル−2−アダマンタノールに(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸無水物、または(メタ)アクリル酸エステルとを反応させることによって製造したもの、2−アルキリデンアダマンタンに(メタ)アクリル酸を付加させることによって製造したいずれでもよい。
製造された粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類中には、重合、分解因子となりえる不純物が含まれるので、これを除くため、水洗し、濃縮したものを蒸留原料とする。このとき、洗浄水中に塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、適当な無機塩が含まれていてもよい。さらに好ましくは、有機酸及び、且つ無機酸水溶液、有機塩基及び、且つ有機塩基水溶液で洗浄した後、純水で洗浄し、濃縮したものを蒸留原料とする。
本発明では、低粘度、高沸点物質である蒸留助剤を添加することによって、ポリマー再沈工程、吸着工程などを経ず、効率よく蒸留することを可能としたが、ポリマー再沈後に蒸留助剤を添加して蒸留を行うこと、また吸着処理後に蒸留助剤を添加して蒸留を行うことでも、蒸留助剤を添加せずに蒸留を行った場合に比べて蒸留収率は改善し、操作性が向上する。
蒸留原料中に添加する蒸留助剤としては、例えば、高分子可塑剤であるフタル酸ジエステル類、トリメリット酸トリエステル類、アジピン酸ジエステル類、ピメリン酸ジエステル類、スベリン酸ジエステル類、アゼライン酸ジエステル類、セバシン酸ジエステル類、クエン酸トリエステル類、リン酸トリエステル類、エポキシ化エステル類、グルタル酸ジエステル類、ポリエステル類、ポリアクリル類、ポリエチレングリコールエステル類、リシノール酸エステル類、オレイン酸エステル類、アルキルスルホン酸エステル類、スルホンアミド類、塩素化パラフィン類、エポキシ化大豆油等が挙げられるが、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類製造時に副生するアクリル酸誘導体に起因する重合物と2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類自身を容易に溶解させ、粘度が60℃で1000mPa・S以下であり、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類よりも高沸点物質であれば特に限定されるものではない。また、上記条件を満たせば、液状ポリマー、界面活性剤、イオン性液体、シリコンオイル等も蒸留助剤として使用できる。
具体的な可塑剤としては、例えばフタル酸ジエステル類としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ドデシル、フタル酸トリデシル、アジピン酸ジエステル類としてアジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジウンデシル、アジピン酸ジトリデシル、ピメリン酸ジエステル類としてピメリン酸ジオクチル、ピメリン酸ジノニル、ピメリン酸ジイソデシル、スベリン酸ジエステル類としてスベリン酸ジオクチル、スベリン酸ジノニル、スベリン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジエステル類としてアゼライン酸ジオクチル、アゼライン酸ジノニル、セバシン酸ジエステル類としてセバシン酸ジヘプチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジノニル、セバシン酸ジトリデシル、トリメリット酸トリエステルとしてトリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、クエン酸トリエステル類としてアセチルクエン酸トリブチル、リン酸トリエステル類としてリン酸トリクレシル、ポリエステル類としてフタル酸ポリエステル、アジピン酸ポリエステル、グルタル酸ポリエステル、セバシン酸ポリエステル、ポリエチレングリコールエステル類としてポリエチレングリコールジヘキサ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジオレイン酸エステル、ポリエチレングリコールモノオレイン酸エステル、リシノール酸エステル類としてリシノール酸ヘキシル、リシノール酸オクチル、オレイン酸エステル類としてオレイン酸ブトキシエチル、オレイン酸オクチル等が挙げられる。
添加する蒸留助剤は、蒸留前、蒸留中のいずれで添加してもかまわない。また添加量は、蒸留原料の重量に対して0.01〜100倍、好ましくは0.1〜2.0倍である。0.01倍以下だと釜残の粘度上昇を低減する効果が低くなり、100倍以上だと蒸留助剤が多すぎて効率的な蒸留が行えない。
本発明における蒸留方法は、特に限定されるものではなく、単蒸留、フラッシュ蒸留、薄膜蒸留、精密蒸留、連続精密蒸留ほか、公知とされる蒸留方法の全てに適用可能である。また、(メタ)アクリル酸エステル類の蒸留において重合抑制効果が得られる酸素の吹き込みなど、公知とされる手法についても適用可能である。
蒸留条件は、目的物である2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類によって異なるが、加熱しすぎると目的物自身が分解するので、温度条件としては200℃以下で蒸留することが好ましい。さらに好ましくは150℃以下である。また圧力条件は、好適な温度条件に対応して留出する圧力以下であれば特に規定されるものではない。
本発明では、以上の条件でも目的とされる高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類が得られるが、さらに重合禁止剤を添加することによって、アクリル酸化合物類の重合物の副生を抑えることができる。特に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリンの重合禁止効果が高い。
また、前記の重合禁止剤以外に、他の重合禁止剤を共存させるとより効果が高まる場合がある。そのような重合禁止剤として、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリンなどのニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノールなどのアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどのキノン類、メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)などのフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシムなどのオキシム類、ジアルキルチオジプロピネート類などが挙げられる。一方、これらの重合禁止剤を単独で用いても、重合禁止効果はほとんどみられない。
添加する重合禁止剤量として、アクリル酸化合物に対して、0.00001〜0.1重量部、好ましくは0.0001〜0.02重量部を使用する。それより少ないと、重合禁止効果が現れず、またそれより多くても、重合禁止効果は向上しない。
蒸留精製によって得られる2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類中の金属不純物は、非常に僅かであり、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛の各金属元素含有量がいずれも50ppb以下である。また、留分中に含まれる(メタ)アクリル酸誘導体由来の重合物は、分子量500以下のものが0.1重量%以下含まれており、それ以上の分子量の重合物は検出されない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
2−アダマンタノンにメチルリチウム、メタクリル酸メチルを反応させ、合成された2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを酸洗、水洗した後、濃縮して純度85%の粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。
このようにして得られた蒸留原料の重量に対して、蒸留助剤であるフタル酸ジデシルを0.2倍重量添加し、重合禁止剤としてN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を50ppm、フェノチアジンを1000ppm添加して、オルダーショウ式蒸留装置で真空度20〜50Paで減圧蒸留した。蒸留原料中の98重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として、無色透明な純度98.5重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが90%の収率で得られた。本留中の金属不純物は、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛のいずれも50ppb以下であった。また、留分中に含まれるメタクリル酸誘導体由来の重合物は、分子量500以下のものが0.01重量%以下まで低減された。
実施例2
トリエチルアミン存在下で2−メチル−2−アダマンタノールにメタクリル酸クロリドを反応させ、合成された2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートをアルカリ洗、水洗した後、濃縮して純度80重量%の粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。
このようにして得られた蒸留原料の重量に対して、実施例1と同様にオルダーショウ式蒸留装置で真空度20〜50Paで減圧蒸留した。蒸留原料中の98重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として、無色透明な純度97.5重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが91%の収率で得られた。本留中の金属不純物は、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛のいずれも50ppb以下であった。また、留分中に含まれるメタクリル酸誘導体由来の重合物は、分子量500以下のものが0.01重量%以下まで低減された。
実施例3
2−アダマンタノンにエチルリチウム、メタクリル酸メチルを反応させ、合成された2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを酸洗、水洗した後、濃縮して純度60重量%の粗2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。
このようにして得られた蒸留原料の重量に対して、蒸留助剤であるフタル酸ジウンデシルを0.5倍重量添加し、重合禁止剤としてN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を50ppm、フェノチアジンを1000ppm添加して、オルダーショウ式蒸留装置で真空度20〜50Paで減圧蒸留した。蒸留原料中の92重量%の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として、無色透明な純度94.0重量%の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが86%の収率で得られた。本留中の金属不純物は、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛のいずれも50ppb以下であった。また、留分中に含まれるメタクリル酸誘導体由来の重合物は、分子量500以下のものが0.01重量%以下まで低減された。
実施例4
2−アダマンタノンにエチルリチウム、メタクリル酸メチルを反応させ、合成された2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを酸洗、水洗した後、濃縮して純度60重量%の粗2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。
このようにして得られた蒸留原料の重量に対して、蒸留助剤であるトリメリット酸トリオクチルを0.5倍重量添加し、重合禁止剤としてN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を50ppm、フェノチアジンを1000ppm添加して、オルダーショウ式蒸留装置で真空度20〜50Paで減圧蒸留した。蒸留原料中の91重量%の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として、無色透明な純度94.2重量%の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが85%の収率で得られた。本留中の金属不純物は、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛のいずれも50ppb以下であった。また、留分中に含まれるメタクリル酸誘導体由来の重合物は、分子量500以下のものが0.01重量%以下まで低減された。
比較例1
実施例1と同様の方法で合成し、洗浄し、濃縮した粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートに対して蒸留助剤を添加せずに減圧蒸留した。蒸留原料中の75%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として純度97.0重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが71%の収率で得られた。
比較例2
実施例1と同様の方法で合成し、洗浄し、濃縮した粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの重量に対して3.5倍のヘキサンを貧溶媒としてポリマー再沈を行い、ポリマーを濾別後、濃縮したものに対して、蒸留助剤を添加せずに減圧蒸留した。蒸留原料中の85重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として純度97.0重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが79%の収率で得られた。
比較例3
実施例1と同様の方法で合成し、洗浄し、濃縮した粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの重量に対して3.5倍のヘキサンを貧溶媒としてポリマー再沈を行い、ポリマーを濾別後、シリカゲルに吸着処理し、濃縮したものに対して、蒸留助剤を添加せずに減圧蒸留した。蒸留原料中の95重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが留出し、本留として純度97.5重量%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートが90%の収率で得られた。

Claims (1)

  1. 2−アダマンタノンを原料として、式(1)で示される2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方法において、2−アダマンタノンを、アルキル基を有するGrignard試薬、アルキルMg試薬、またはアルキルLi試薬と反応させることによって、2−アルキル−2−アダマンタノールに変え、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸無水物、または(メタ)アクリル酸エステルと反応させることによって、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造し、前記粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ドデシル及びフタル酸トリデシルからなる群より選ばれるフタル酸ジエステル、または、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジウンデシル及びアジピン酸ジトリデシルからなる群より選ばれるトリメリット酸トリエステルを蒸留助剤として添加して蒸留することを特徴とする高純度2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。

    (式中、Yは水素原子を示し、nは14の整数を示す。R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のハロゲン含有炭化水素基を示す。)
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