JP4389644B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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により現像するプロセスを利用した画像形成方法方法および画像形成装置に関する。
電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写・定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独でもちいる1成分現像剤とがある。
通常の混練粉砕製法では、トナー形状及びトナーの表面構造は不定型であり、使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化することから意図的なトナー形状及び表面構造の制御は困難である。また特に粉砕性の高い材料である場合、現像機中における機械力などにより、さらに微粉の発生を招いたり、トナー形状の変化を招いたりすることがしばしばである。
これらの影響により2成分現像剤においては、微粉のキャリア表面への固着により現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分現像剤においては、粒度分布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー形状の変化による現像性の低下により画質の劣化が生じやすくなる。
これらは定着時の離型性や、感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、表層のポリエチレンが機械力により容易に移行するために現像ロールや感光体、キャリアの汚染を生じやすくなり、信頼性の低下につながる。
またクリーニングにより回収されたトナーを再び現像機に戻して使用すると、さらに画質の低下を生じやすい。これらを防ぐためにさらに流動性助剤を増加すると、感光体上への黒点の発生や助剤粒子の飛散が生じるという状態に陥る。
乳化重合凝集法は、通常、粒径1μm以下の、微粒化された原材料を出発物質とするため、原理的に小径トナーを効率的に作製することができる。詳しく述べれば、この方法は、一般に乳化重合などにより樹脂分散液を作製し、一方、溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製し、これらの樹脂分散液と着色剤分散液とを混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、その後加熱することによって凝集粒子を融合合一することによりトナーを得るものである。
このようにトナーの小径化が容易で、かつ、精密な粒子構造制御が可能なトナー製造方法により得られたトナーを用いて画像形成を行うことにより、従来の電子写真画像の画質は飛躍的に高まり、しかも高い信頼性との両立が可能となってきた。
グラフィックアーツ市場とは、版画のようなもので印刷した部数の少ない創作印刷物や、筆跡・絵画などのオリジナルの模写、複写、そしてリプロダクションとよばれる大量生産方式による印刷物製造関連業務市場全般を指し、印刷物の製造に関わる業種・部門を対象とする市場であると定義される。
このように本格的に従来型印刷を、電子写真法における無版印刷により代替し、グラフィックアーツ領域において特に生産財としての市場価値を訴求するためには、まだ数々の課題があることがわかってきている。
また、オイルによるしみ、筋などの画像欠陥や筆記性不良を回避するためには、オイルレス定着装置や、離型材をトナー内部に含有するオイルレス定着可能なトナーが必要になる。
具体的には転写効率の低下によって感光体や中間転写体への転写残トナーが増加したり、表面平滑度の低いラフ紙への転写性の悪化から画像濃度むら、画像欠損などが発生しやすくなる。またブレードなどを用いたクリーニングシステムでは、ブレードからのすりぬけなどにより十分なクリーニングができずにクリーニング不良による画像欠陥、背景部の汚れ、筋などの発生を招いたりする。特にこれらの画質の低下は連続走行時などに見られることが多い。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、長期に渡り安定して高画質・高品位のカラー画像が形成でき、かつ、優れた転写性およびクリーニング性が得られる画像形成方法およびこれを用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
このため、まず、本発明者らは、従来よりもより小径化したトナーを用いて画像形成を行った場合に、従来の粒径を有するトナーと比べてどのような特有の現象が発生しているかということについて調査した。
加えて、3番目の結果は、感光体表面の荒れた部分に、付着力がより大きい微粒トナーが、残留したまま脱離できずに固着したためであると考えられる。
これらの結果から、本発明者らは、ニップ部のわずかなすきまや、ニップ部におけるブレードニップ圧力ムラをより小さして、微粒トナーのすり抜けを抑制すると共に、微粒トナーの感光体表面への固着を起こりにくくすることも重要であると考えた。
本発明者らは、以上の知見を元に、以下の本発明を見出した。すなわち、本発明は、
静電荷像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記トナー画像を記録媒体表面に熱定着する定着工程とを少なくとも含む画像形成方法において、
前記静電荷像担持体が、フッ素若しくは珪素の原子を含有する樹脂または低分子量化合物が含まれる最表面層を有し、
前記静電荷像担持体表面の水に対する接触角が95度以上かつ表面粗さRzが2μm以下であり、前記トナーの数平均粒径の小径側粒度分布が1.24以下、形状係数SF1が125以下、表面性指標が2.0以下かつ体積平均粒径が2.0μm以上5μm以下であることを特徴とする画像形成方法である。
前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散した分散液中で、前記粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを少なくとも経て作製されることを特徴とする製造される<1>に記載の画像形成方法である。
前記現像剤が、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする<1>に記載の画像形成方法
静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像しトナー画像を形成する現像手段と、前記静電荷像担持体表面上の前記トナー画像を転写体上に転写する転写手段と、前記トナー画像を記録媒体上に熱定着する定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、
前記静電荷像担持体が、フッ素若しくは珪素の原子を含有する樹脂または低分子量化合物が含まれる最表面層を有し、
前記静電荷像担持体表面の水に対する接触角が95度以上かつ表面粗さRzが2μm以下であり、前記トナーの数平均粒径の小径側粒度分布が1.24以下、形状係数SF1が125以下、表面性指標が2.0以下かつ体積平均粒径が2.0μm以上5μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
前記トナー画像を前記転写体に転写した後の前記静電荷像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段を備え、
前記クリーニング手段が、クリーニングブレードであることを特徴とする<5>に記載の画像形成装置である。
本発明の画像形成方法は、静電荷像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記トナー画像を記録媒体表面に熱定着する定着工程とを少なくとも含む画像形成方法において、
前記静電荷像担持体が、フッ素若しくは珪素の原子を含有する樹脂または低分子量化合物が含まれる最表面層を有し、
前記静電荷像担持体表面の水に対する接触角が95度以上かつ表面粗さRzが2μm以下であり、前記トナーの数平均粒径の小径側粒度分布が1.24以下、形状係数SF1が125以下、表面性指標が2.0以下かつ体積平均粒径が2.0μm以上5μm以下であることを特徴とする。
このため、トナー画像を転写体に転写する際の転写効率が高くなる。加えて、転写後に感光体上に残留する微粒トナーの量自体がより少なくなるため、クリーニング不良や、経時的な信頼性の低下を根本的に抑制することが容易である。
一方、小径側粒度分布指標GSDpsの下限値は特に限定されないが、このような粒度分布を有するトナーの製造性等の観点から実用上は1.16以上であることが好ましい。なお、小径側粒度分布指標GSDpsの定義や測定方法については後述する。
接触角の上限値は特に限定されず大きいほど好ましいが、感光体の表面層を形成するために用いる低表面エネルギー材料自体の物性や、このような材料の選択肢が限られてくること等から、実用上は140度以下であることが好ましい。
なお、接触角の測定は、23℃・55%RHの環境下において、自作の接触角測定装置を利用して、感光体表面部分を切り出したサンプル上に純水を滴下して測定した。なお、場所を変えて3回繰り返し測定した際の平均値を、感光体表面の水に対する接触角として求めた。
また、感光体表面をクリーニングするクリーニング手段として、クリーニングブレードを用いた場合には、感光体表面とクリーニングブレードとのニップ部のわずかなすきまや、ニップ部におけるブレードニップ圧力のムラをより小さくできる。このため、感光体表面に残留する微粒トナーのクリーニングブレードと感光体との間のすり抜けを防止でき、優れたクリーニング性を長期に渡り維持することできる。
さらに、クリーニング手段として、クリーニングブレードを用いた場合には、クリーニングブレードと感光体とのニップ部を、感光体表面に残留する微粒トナーがすり抜け易くなり、クリーニング性が低下してまう場合がある。
また、接触針としてはダイヤモンド製で球状先端曲率半径2μmの円錐状のものを用い、場所を変えて3回繰り返し測定した際の平均値を感光体表面の表面粗さRzとして求めた。
このような小径トナーの粒径としては、体積平均粒径で5μm以下であり、4.0μm以下であることがより好ましい。但し、体積平均粒径が小さすぎる場合には、トナー自体の製造が困難となったり、クリーニング性の低下を招く場合もあるため、実用上、体積平均粒径は2.0μm以上である。
・式(1) SF1=((トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積)×(π/4)×100
なお、本発明において、式(1)に示されるトナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行うことにより求めた。
また、形状係数SF1の値は、無作為にサンプリングした1000個のトナー粒子を測定して得られたデータを元に、平均値として算出した。
・式(2) (表面性指標値)=(比表面積実測値)/(比表面積計算値)
但し、式(2)中、比表面積計算値は、6Σ(n×R2)/{ρ×Σ(n×R3})で表され、前記比表面積を表す式において、nはコールターカウンターにおけるチャンネル内の粒子数(個/1チャンネル)を表し、Rはコールターカウンターにおけるチャンネル粒径(μm)を表し、ρはトナー密度(g/μm3)を表す。また、前記チャンネルの分割数は16である。なお、分割の大きさはlogスケールで0.1間隔である。
次に、本発明に用いられるトナーの構造や構成材料、製造方法等についてより詳細に説明する。なお、構成材料は、基本的に乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合を前提として説明するが、勿論、他のトナー製造方法を利用してトナーを製造する場合にも同様の材料を利用することができる。
乳化重合凝集法を利用して作製される本発明に用いられるトナーを構成する樹脂(結着樹脂)としては、ビニル系樹脂を代表とする非晶性樹脂はもとより、非結晶性のポリエステル樹脂、結晶性のポリエステル樹脂など様々なものを用いることができる。
結晶性脂肪族系ポリエステルには、ポリカプロラクトンのように開環重合的に進行するポリエステルもあるが、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものも多い、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。
例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
尚、前記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステル又は酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステル又は酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となることがある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
アルコール構成成分としては脂肪族ジカルボン酸が望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。
必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分等の構成成分である。
前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。
前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
本発明に用いられるトナーの着色剤としては、公知の着色剤を用いることができるが、例えば、次のような着色剤を使用することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
そして、着色剤は、トナー構成固体分総重量に対して4〜15重量%の範囲で添加することができる。黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240重量%添加することができる。
前記の着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。また、トナー中の着色剤粒子の中心径(メジアン径)は100〜330nmにすることにより、OHP透明性及び発色性を確保することができる。なお、着色剤粒子の中心径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定することができる。
本発明で用いられるトナーの離型剤としては、公知の離型剤を用いることができるが、具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
また必要に応じて、画像の耐候性などを向上させるために重合性紫外線安定性単量体などを含有しても良い。
なお、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。また、離型剤を使用するときには、樹脂微粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂微粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂微粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
本発明に用いられるトナーには、必要に応じて公知の内添剤や外添剤を利用することができる。
例えば、磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させても良い。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。
水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
また水中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
なお、本発明に用いられるトナーは、既述したように、凝集工程と、融合工程とを少なくと経て作製されるものであるが、凝集工程を経て形成された凝集粒子(コア粒子)の表面に表面エネルギーの低い高分子微粒子を付着させたコア/シェル構造を有する凝集粒子を形成する付着工程を設けることがより好ましい。
また、凝集工程で用いられる分散液(原料分散液)は、下記に説明する乳化工程を利用して調整されることが好ましい。以下、各工程について詳細に説明する。
原料分散液は、結着樹脂の乳化粒子(以下、「樹脂粒子」と略す)と、水系媒体および必要に応じて着色剤や離型剤を含む分散液とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。したがって結着樹脂は原料分散液中にあらかじめ樹脂粒子として分散させておく必要がある。
一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
なお、樹脂微粒子の中心径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定することができる。
凝集工程においては、樹脂粒子、着色剤、および、離型剤をそれぞれ含む分散液を少なくとも混合して得られた原料分散液を加熱し、これらの微粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。なお、樹脂粒子が結晶性ポリエステル等の結晶性樹脂である場合には、結晶性樹脂の融点付近の温度で、且つ、融点以下の温度にて加熱し、これらの微粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
前記凝集工程に用いられる凝集剤は、原料分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、すなわち無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
このような表面エネルギーの小さいトナー用の樹脂材料としては、少なくとも一部の水素原子がフッ素置換された樹脂材料を用いることができる。
凝集工程を経た後には、必要であれば付着工程を実施してもよい。付着工程では、上記した凝集工程を経て形成された凝集粒子の表面に、樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する。これにより、いわゆるコア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。
凝集工程、あるいは、凝集工程および付着工程を経た後に実施される融合工程は、これらの工程を経て形成された凝集粒子を含む懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。なお、結着樹脂として結晶性樹脂を用いている場合には、結着樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
重合開始剤は、原料分散液を作製する段階であらかじめこの分散液に混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集粒子に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、或いは、融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、付着工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、分散液に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
凝集粒子の融合・合一工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。また、乾燥後のトナー粒子には、既述したような種々の外添剤を必要に応じて添加することができる。
本発明に用いられるトナーは、以上に説明したような乳化重合凝集法を利用して製造することできる。なお、本発明に用いられるトナーは、小径側粒度分布指標GSDpsが1.24以下であることが必要である。このような粒度制御は、例えば、上記凝集工程においてホモジナイザーで攪拌しながら、凝集剤を添加し、原料分散液のpHを酸性に調整後、さらに攪拌を継続し、その後、攪拌翼を有する反応器へ移し、室温下で1時間攪拌を継続することで小径側粒度分布を狭くすることができる。また、必要に応じて、原料分散液を30℃程度に加温することも狭い粒度分布を得るには有効である。また、付着工程を実施する場合には、被覆層を形成するための樹脂粒子を添加し、続いて1時間程の攪拌を行った後に融合工程を実施することで粒度分布を狭くすることができる。
上述のようにして得られたトナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはトナーと、キャリアとを混合して使用することができる。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
次に、本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、通常の電子写真方式を利用した画像形成装置が利用でき、具体的には、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像しトナー画像を形成する現像手段と、前記静電荷像担持体表面上の前記トナー画像を転写体上に転写する転写手段と、前記トナー画像を記録媒体上に熱定着する定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置であることが好ましい。
但し、静電荷像担持体としては、表面の水に対する接触角が95度以上かつ表面粗さRzが2μm以下であるものが用いられ、トナーは、数平均粒径の小径側粒度分布が1.24以下であるものが用いられる。
以下に、本発明に用いられる感光体について、層構成、各層の構成/機能/材料、表面の水に対する接触角および表面粗さRz等について詳細に説明する。
−層構成−
本発明に用いられる感光体は、少なくとも導電性基体上に感光層が設けられたものであり、必要に応じて下引き層や、表面保護層等を設けることができる。また、感光層は、電荷発生材料を含有する単層型であってもよいが、電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型であってもよい。
本発明に用いられる感光体は、以下に示すいずれの構成であっても問題無く、逆に、これらの構成に限定されるものではない。なお、以下に示す感光体の構成を示す各概略断面図は、感光体の一部について拡大して表したものである。
図2は、第2の実施形態の感光体の構成を示す概略断面図である。この感光体は、第1の実施形態の層構成に対し、さらに導電性基体1と電荷発生層3aとの間に、下引き層2が設けられているものである。
図3は、第3の実施形態の感光体の構成を示す概略断面図である。この感光体は、第1の実施形態の層構成に対し、さらに電荷輸送層3b上に表面保護層4が設けられているものである。
図4は、第4の実施形態の感光体の構成を示す概略断面図である。この感光体は、第3の実施形態の層構成に対し、さらに導電性基体1と電荷発生層3aとの間に、下引き層2が設けられているものである。
図6は、第6の実施形態の感光体の構成を示す概略断面図である。この感光体は、第5の実施形態の層構成に対し、さらに導電性基体1と単層の感光層3cとの間に下引き層2が設けられているものである。
図7は、第7の実施形態の感光体の構成を示す概略断面図である。この感光体は、第6の実施形態の層構成に対し、さらに単層型の感光層3c上に表面保護層4が設けられているものである。
導電性基体としては、不透明なものまたは実質的に透明なものであることができ、具体的には、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス銅等の金属類、およびアルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の膜厚を設けたプラスチックフィルム、ガラス等、あるいは導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラルチックフィルムおよびガラス等があげられる。
導電性基体と感光層との間には、1層または複数層の下引き層を設けてもよい。この下引き層は、感光層の帯電時において導電性基体から感光層への電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性基体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての機能や、または場合によっては導電性基体からの光の反射防止機能を有するものである。
下引き層の膜厚は、0.01〜10μmが適当であり、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
本発明に用いられる感光体の電荷発生層の電荷発生材料としては、従来のJ字型積層感光体の電荷発生層に用いられている公知のものを使用することができる。例えば、非晶質セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−SiC等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクアリリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料や染料が使用できるが、これらに限定されるものではなく、また2種以上を混合して用いてもよい。
これらフタロシアニン系化合物の形態としては、アモルファスのもの、または全ての結晶多形のものが使用可能である。これらのフタロシアニン系化合物の中で、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびジクロロ錫フタロシアニンは、特に優れた光感度を有するものであるから、電荷発生材料として使用することが特に好ましい。
電荷輸送層としては、共に従来の積層感光体において電荷輸送層として用いられている公知のものを使用することができる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、カルバゾール系化合物等のホール輸送性低分子化合物またはフルオレノン系化合物、マロンニトリル系化合物、ジフェノキシキノン系化合物等の電子輸送性低分子化合物を、単独でまたは2種以上を混合して、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート等の絶縁性樹脂中に均一分子分散した固溶膜、または、それ自体が電荷輸送能を有する高分子化合物等を用いることができる。また、セレン、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイト等の電荷輸送能を有する無機物質を用いることもできる。
表面保護層は、電荷輸送層の項で述べた構成がそのまま採用され、既述の如き方法により、導電性基体表面に形成された感光層の上に形成される。表面保護層は、高い離型性と、高い撥水機能を有し、かつ、機械的強度も高い層である。表面保護層の乾燥膜厚としては、1〜10μm程度とするのが好ましい。機械的強度を高めるには、架橋構造を形成したり、保護層中に硬度の高い無機材料を含有させたりすることができる。
本発明に用いられる感光体において、表面保護層、あるいは、表面保護層を設けない場合に感光体表面を構成する電荷輸送層の少なくとも表面近傍の層(以下、「最表面層」と略す)に含有し得るその他の添加剤としては、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で添加する、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等が挙げられる。
感光体表面の水に対する接触角は、既述したように、95°以上であることが必要である。
この感光体表面の水に対する接触角を高めるためには、フッ素または珪素などの原子を含有する樹脂または低分子量化合物を最表面層中に含有させることが有効である。
フッ素系微粒子、珪素系微粒子などの溶剤不溶の3次元架橋物などの場合は微粒子などの形状でも用いることができる。微粒子状のものは結着樹脂とともに最表面層の組成物として分散されて用いる。
このため、条件によっては、感光体をクリーニングするクリーニング手段を設ける必要がない。この場合、感光体の寿命を飛躍的に向上させることが可能であり、また、本発明の画像形成装置は、クリーニング機能を有しない、いわゆるクリーナーレスタイプの画像形成装置として利用できる。
次に、上述した小径側粒度分布の小さいトナーと、表面粗さが小さく、水に対する接触角の大きい感光体を用いた本発明の画像形成装置について、図面により具体例を挙げて説明する。
図8は、本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す概略説明図である。
この画像形成装置は、感光体10と、感光体10の表面を帯電する帯電器(帯電手段)11と、帯電器11に電圧を印加するための電源12と、感光体10の表面に潜像を形成する画像入力器(潜像形成手段)13と、トナーにより感光体10表面の静電潜像を現像してトナー画像を得る現像器(現像手段)14と、形成されたトナー画像を転写材20表面に転写する転写器(転写手段)15と、感光体10表面の残存トナー等を除去するクリーニング器(クリーニング手段)16と、感光体10表面の残存電位を除去する除電器17と、転写材20表面に転写されたトナー画像を熱および/または圧力等により定着する定着器18と、を有する。
この画像形成装置では、第1の実施形態の画像形成装置と異なり、感光体10、帯電器11、画像入力器13および現像器14が、カートリッジ19により一体に支持されている。
<感光体A1>
(導電性基体の準備)
導電性基体には、ED管アルミニウム(84mmφ)の表面を、アルミナ球状微粉末(体積平均粒子径D50=30μm)を用いて液体ホーニング法により中心線平均粗さRa=0.18μmに粗面化処理したものを用いた。
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)4重量部
をn−ブチルアルコール170重量部に溶解させ、さらに有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30重量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部の混合物を混合攪拌し、下引き層形成用塗布液を得た。前記導電性基体の表面に、得られた下引き層形成用塗布液を浸漬塗布法により塗布し、150℃において1時間の硬化処理を行い、膜厚1.2μmの下引き層を形成した。
Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン3重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、日本ユニカー社製)2重量部、および、酢酸ブチル180重量部からなる混合物をサンドミルにより4時間分散処理し、電荷発生層形成用塗布液を得た。前記下引き層が形成された導電性基体の表面に、得られた電荷発生層形成用塗布液を浸漬塗布法により塗布し、これを乾燥させて膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
a)電荷輸送層塗布液の調製
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(正孔輸送性電荷輸送材料)4重量部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(三菱化学社製ユーピロンZ400)6重量部と、をテトラヒドロフラン600重量部および2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール2重量部の混合溶媒に加えて溶解させ、さらにダイキン社製ポリ4弗化エチレン重合体粒子分散液(フブロン)を10重量%分混合、分散処理を行って電荷輸送層形成用塗布液を得た。
前記下引き層および電荷発生層が形成された導電性基体の表面に、得られた電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により塗布し、これを120℃において40分間乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、3層構成の感光体A1を作製した。
得られた感光体A1表面の水に対する接触角を表1に示す。また、後述する10万枚の画像形成テスト前後の表面粗さRzを表1に示す。
電荷輸送層の形成に際して、ポリ4弗化エチレン重合体粒子を用いなかったことと、下記に説明するようにして電荷輸送層表面に表面保護層を形成したこととを除いては、感光体A1の作製と同様にして、4層構成の感光体A2を作製した。感光体A1と同様に評価した結果を表1に示す。
パーウルオロアルキルアクリレート−メチルメタクリレートブロック共重合体(分子量50000)0.1重量部、モノクロロベンゼン120重量部、ジクロロメタン80重量部をサンドミルで混合し、トリフェニルアミン3重量部を加えて溶解し、表面保護層形成用の塗布溶液を調整した。
次に、この塗布溶液を電荷輸送層の表面にスプレー塗布して塗膜を形成し、続いて、120℃で30分乾燥させることにより膜厚3μmの表面保護層を形成した。
感光体A3の作製に際して、表面保護層を下記に示すようにして形成した以外は感光体A2と同様にして4層構成の感光体A3を作製した。感光体A1と同様に評価した結果を表1に示す。
フラスコにコロイダルシリカ(固形分40重量%)の水性分散液5.5gを取り、撹拌しながらコロイダルシリカ(固形分30重量%)のイソプロピルアルコール分散液20g、メチルトリエトキシシラン25.6g、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン6.0g及び酢酸3.0gを添加した。添加後、混合溶液を65〜70℃に加熱し、2時間反応させた。その後、イソプロピルアルコール21.7gで希釈し、硬化触媒としてベンジルトリメチルアンモニウムアセテート2.4gを添加し、更にポリエーテル変成ジメチルシリコーンの10重量%エタノール溶液0.16gを添加し、表面保護層形成用の塗布溶液を調整した。
次に、この塗布溶液を浸漬塗布法により電荷輸送層表面に塗布して塗膜を形成し、続いて、110℃で4時間乾燥熱処理することにより、膜厚2μmの透明で均一な表面保護層を形成した。
電荷輸送層の形成に際して、ポリ4弗化エチレン重合体粒子を用いなかったことを除いては、感光体A1の作製と同様にして、3層構成の感光体B1を作製した。感光体A1と同様に評価した結果を表1に示す。
トナーは、以下のプロセスにより作製した。まず、下記の樹脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液、離形剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これを所定の割合で混合し攪拌しながら、金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させて凝集粒子を形成した。次いで、無機水酸化物を添加して系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合・合一した。融合・合一反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経てトナーを得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル92.5mol%、および、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分と、エチレングリコール(酸成分に対し2mol倍量)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。
その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(1)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドデカン二酸90.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分、および、1,9ノナンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。
その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量11000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(2)を得た。
・スチレン:480重量部
・nブチルアクリレート:120重量部
・カルボキシエチルアクリル酸:18重量部
・ドデカンチオール:12重量部
上記成分を混合溶解して溶液を調製する。他方、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)12重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した溶液(単量体乳化液A)を調整した。
重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと攪拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持する。過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下する。その後、ゆっくりと攪拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了する。
これにより微粒子の中心径が250nm、ガラス転移点が55℃、重量平均分子量が27000、固形分量が42%の非結晶性樹脂微粒子分散液(1)を得た。
・黄色顔料(クラリアントジャパン社製、PY74):50重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR):5重量部
・イオン交換水:200重量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックス)により10分間分散し、中心径200nm、固形分量21.5%のYellow着色剤粒子分散液(1)を得た。
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにシアン顔料(大日精化社製、銅フタロシアニン B15:3)を用いた以外は着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径190nm、固形分量21.5%のCyan着色剤粒子分散液(2)を得た。
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにマゼンタ顔料(大日インキ化学社製、PR122)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径160nm、固形分量21.5%の着色剤粒子分散液(3)を得た。
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりに黒顔料(キャボット製、カーボンブラック)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径170nm、固形分量21.5%の着色剤粒子分散液(4)を得た。
・HNP09(日本精蝋製、融点75℃):50重量部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファクス):5重量部
・イオン交換水:200重量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、中心径120nm、固形分量21.0%の離型剤粒子分散液を得た。
・非結晶樹脂微粒子分散液(1):130.8重量部(樹脂54.94重量部)
・着色剤粒子分散液(1):39.5重量部(顔料8.5重量部)
・離型剤粒子分散液:38.1重量部(離型剤8重量部)
・ポリ塩化アルミニウム:0.14重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックス T50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら50℃まで加熱し、50℃で60分間保持した後、非結晶樹脂微粒子分散液(1)を68重量部(樹脂28.56重量部)追加して緩やかに攪拌した。その後、51℃に昇温し、そのままの温度で180分間維持、粒度分布がより狭くなっていくことをコールターカウンターで確認した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、最終乾燥温度が40℃となるように設定し凍結乾燥を10時間行いトナー粒子(トナーA1)を得た。
そして、ポリメチルメタアクリレート(総研化学社製)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤を調製した。
非結晶樹脂微粒子分散液(1)を結晶樹脂微粒子分散液(1)に変更し着色剤粒子分散液(1)から着色剤粒子分散液(2)に変更し、95℃加熱時のpHを4.0に維持した以外は、トナーA1を作製する場合と同様にしてトナー粒子(トナーA2)を得た。
このトナー粒子の累積体積平均粒径D50は4.5μm、小径粒度分布指標GSDpsが1.19、表面性指標は1.30であった。また、形状係数SF1は120と球状であった。
続いて、トナーA1と同様にしてトナーA2に外添剤を添加し、キャリアと混合して現像剤を調製した。
非結晶樹脂微粒子分散液(1)から結晶樹脂微粒子分散液(2)に変更し、着色剤粒子分散液(2)から着色剤粒子分散液(3)に変更しとした以外は、トナーA1を作製する場合と同様にしてトナー粒子(トナーA3)を得た。
このトナー粒子の累積体積平均粒径D50は4.2μm、小径側粒度分布指標GSDpsが1.24、表面性指標は、1.35であり、形状係数SF1は128のやや球状であった。
続いて、トナーA1と同様にしてトナーA3に外添剤を添加し、キャリアと混合して現像剤を調製した。
トナーA2を作製する場合に、凝集温度を40℃とした以外は、同様にしてトナー粒子(トナーA4)を得た。このトナー粒子の累積体積平均粒径D50は3.2μm、小径側粒度分布指標GSDpsは1.20、表面性指標は、1.6であり、形状係数SF1は121の球状であった。
続いて、トナーA1と同様にしてトナーA4に外添剤を添加し、キャリアと混合して現像剤を調製した。
凝集温度を54℃としその温度に至るまでの時間を半分に短縮するとともに、95℃保持時のPHを6.0に維持した以外は、トナーA1を作製する場合と同様にして、トナー粒子(トナーB1)を得た。
このトナー粒子の累積体積平均粒径D50は5.1μm、数平均粒径における小径側粒度分布指標GSDpsが1.25、表面性指標は2.05、形状係数SF1は135でポテト形状であった。
続いて、トナーA1と同様にしてトナーB1に外添剤を添加し、キャリアと混合して現像剤を調製した。
凝集温度を42℃とし、その温度に至るまでの時間を1/3に短縮した以外は、トナーA1を作製する場合と同様にして、トナー粒子(トナーB2)を得た。
このトナー粒子の累積体積平均粒径D50は3.50μm、数平均粒径における小径側粒度分布指標GSDpsは1.26、表面性指標は1.75、形状係数SF1は122で球形状であった。
続いて、トナーA1と同様にしてトナーB2に外添剤を添加し、キャリアと混合して現像剤を調製した。
評価には、画像形成装置として富士ゼロックス製DC1250改造機(定着機を、定着ロールをPFAチューブに変更し、また、定着機からオイル供給装置を除去したいわゆるオイルレス定着機に改造したもの)を使用した。なお、この装置は、クリーニング手段としてクリーニングブレードを備えたものである。
また、テスト毎に、上述した感光体とトナーとの組み合わせを変更した(感光体とトナーとの組み合わせは、表1に示した)。
テストに用いた記録媒体は、小径トナーを用いた場合に転写性が悪化して画像濃度むらや画像欠陥が発生しやすい傾向にある表面平滑度の低いラフ紙(ゼロックス社製4024紙)を使用した。
このような条件で、10万枚の連続画像形成テストを行い、初期と10万枚後の画質および感光体の表面粗さRzを評価した。結果を表1に示す。
<初期画質>
テスト初期の画像を目視により観察し、以下の基準により評価した。
◎:画像のかすれや欠損の発生なく極めて良好
○:画像のかすれや欠損の発生なく良好
△:画像のかすれや欠損の発生が僅かにあるが、許容可能
×:画像欠損の発生があり、画質上での問題あり
10万枚画像形成後の画像を目視により観察し、以下の基準により評価した。
◎:初期画質と同様に良好な画質を完全に維持している
○:初期画質と比べ若干の変化はあるが良好な画質を維持している
△:初期画質と比べ、画像欠陥はあるが、許容可能な範囲である。
×:初期画質と比べ、画像欠陥が見られ画質上での問題あり(例;クリーニング不良による背景部汚れ、筋などの発生)
2 下引き層
3a 電荷発生層
3b 電荷輸送層
3c 単層型の感光層
4 表面保護層
10 感光体
11、11’ 帯電器(帯電手段)
12 電源
13 画像入力器(潜像形成手段)
14 現像器(現像手段)
15 転写器(転写手段)
16 クリーニング器(クリーニング手段)
17 除電器
18 定着器
19 カートリッジ
20 転写材
Claims (5)
- 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記トナー画像を記録媒体表面に熱定着する定着工程とを少なくとも含む画像形成方法において、
前記静電荷像担持体が、フッ素若しくは珪素の原子を含有する樹脂または低分子量化合物が含まれる最表面層を有し、
前記静電荷像担持体表面の水に対する接触角が95度以上かつ表面粗さRzが2μm以下であり、前記トナーの数平均粒径の小径側粒度分布が1.24以下、形状係数SF1が125以下、表面性指標が2.0以下かつ体積平均粒径が2.0μm以上5μm以下であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散した分散液中で、前記粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを少なくとも経て作製されることを特徴とする製造される請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記現像剤が、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像しトナー画像を形成する現像手段と、前記静電荷像担持体表面上の前記トナー画像を転写体上に転写する転写手段と、前記トナー画像を記録媒体上に熱定着する定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、
前記静電荷像担持体が、フッ素若しくは珪素の原子を含有する樹脂または低分子量化合物が含まれる最表面層を有し、
前記静電荷像担持体表面の水に対する接触角が95度以上かつ表面粗さRzが2μm以下であり、前記トナーの数平均粒径の小径側粒度分布が1.24以下、形状係数SF1が125以下、表面性指標が2.0以下かつ体積平均粒径が2.0μm以上5μm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナー画像を前記転写体に転写した後の前記静電荷像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段を備え、
前記クリーニング手段が、クリーニングブレードであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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