JP4389084B2 - 野菜スラリーの濾過 - Google Patents

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Description

本発明は、粉砕または処理された野菜からの炭水化物および/またはタンパク質の抽出に関する。本発明は、特に、油が抽出された油性種子からタンパク質および炭水化物の有用物を回収するのに有効である。
野菜材料は、たいていの場合タンパク質および価値のある非構造の(non−structural)炭水化物などの高い価値の材料と、殻および藁などの低い価値の繊維質の構造と組み合わせて構成されている。価値のあるタンパク質および炭水化物の全部ではないが一部は水溶性である。非水溶性の価値のあるタンパク質および非構造の炭水化物の多くは繊維よりも小さい粒子として存在する。
有用な量の炭水化物およびタンパク質を含む製品の1つの特別のグループは、油が抽出された油性種子材料である。油を除去するために冷圧処理によって脱脂した場合には、相当量の残留油も含んでいる。それらを溶媒処理によって脱脂したときには、わずかな油しか存在しない。特に、カノーラ(破砕種子)から油を除去した後の残りの製品は脱脂されたカノーラフレークと称され、価値のあるタンパク質および炭水化物の豊富な資源である。これらの油性種子材料もまた、殻および藁などの低い価値の繊維質材料を含んでおり、これらはより高い価値の製品を提供するために除去しなければならない。
水溶性の価値ある材料から低価値の繊維質材料を分離するための1つの方法は水性抽出によるものである。水性抽出処理においては、濃いスラリーを形成するために野菜の出発材料に水を加える。典型的には、スラリーは次の3つの個別の相:出発材料の水溶性成分を含む液体、懸濁液中の微粒子で構成される軽固体相および殻や残留藁のような繊維質材料で構成される重固体相で構成される。抽出処理はしばしばスラリーから液相だけを除去するために用いられる。このような処理は透明な抽出液を生成するために設計された遠心分離などの既存の分離技術を利用する。しかしながら、価値のあるタンパク質および炭水化物を含む懸濁液中の微粒子は、透明な抽出液を生成するいかなる分離システムにおいても固体の残留物の方に向かうものである。スラリー中のタンパク質の水溶性を改善するために、化学的処理が頻繁に用いられている。しかしながら、このような処理は加工コストを増加させ、抽出物の栄養価値を破壊するおそれがある。
微粒子を抽出に向かわせ、かつその中で、価値のある微粒子を含む液相および軽固体相の両方で構成される抽出物を生成するための機械的な分離システムを開発することが有利である。このことは、抽出物中の水溶性および非水溶性の(微粒子)非繊維質の非構造的な材料の両方を回収することを可能にする。非水溶性の小粒子材料は頻繁に炭水化物およびタンパク質などの価値のある材料を豊富に含んでいる。
しかしながら、多くの粉砕した野菜がスラリー化した場合には、そのスラリーの液体部分は濃く、粘性がある。このことは、スラリーの水相の中に移る種々の水溶性または部分的に水溶性のタンパク質および炭水化物のゆえである。脱脂油性種子にはいくらかの残留油も存在するかもしれない。また、脱脂処理(特に、脱脂カノーラフレークを作る場合には)、いくらかの葉肉の小粒子が存在する。これらには豊富なタンパク質が含まれており、したがって特に回収する価値がある。
油抽出したカノーラフレークのスラリーなどの野菜材料の濃い粘性のある出発スラリーの場合においては、液相および軽固体相の効率的な抽出を得ることは困難である。加圧濾過は軽固体相を含む抽出物を得るために使用できる。この処理において、スラリー内の軽固体相を通過させる孔開口部または穴サイズを有する濾過体を用いてスラリーは加圧されるが、重固体を抽出済み圧縮ケーキとして残す。このタイプの処理の例は、MCN BioProducts IncのPCT公開出願 03/043438に示されている。
しかしながら、スラリーの濃い粘性のある性質は濾過体の固化、濾過体の単位面積当たりの分離の劣化および濾過体の側からスラリーが多量に押し出される結果となる。したがって、PCTの公開出願に記載されたような加圧濾過による野菜材料の粘性のあるスラリーの直接処理は広い濾過面積と低い処理速度を必要とする。大型の装置が必要になり、これが生産コストの増加を招く。
WillisらのUSP 5814230は液体の流れから粗粒固体と超微細固体とを分離するための処理および装置を記載している。この処理においては、様々な開口孔のサイズの多重フィルタスクリーンは、そのスクリーンの表面上にフィルタケーキを作り上げるまでおよび固体を含まない透明にした液が生成されるまで、固体を含む供給懸濁液を繰り返し通過させる。固体はその後にスクリーンから取り出され、振動および空気の直接の噴射などの手段によってまたは加圧脱水によって水分が除去される。徐々に小さくなる開口孔の多重スクリーンは固体を含まない透明な抽出液を生成するために設計されており、それゆえに野菜スラリーの抽出の場合には葉肉の価値のある破片はこの処理によって発生した抽出液には残らない。
Glorer のUSP 4975183は濾過の表面上にケーキの均等な分布としたがって濾過処理の改良した性能を生成するために、固体を含むスラリーの圧駆動濾過の間に攪拌装置を自動的に上昇および下降させることが出来ることを示している。この処理は、従来の単一段階の圧駆動の改良として記述することができる。
LindoerferらのUSP 4921615は、粘性のある液体からの固体除去のための多段階の圧駆動の方法を示している。この処理において、固体を含む粘性のある供給スラリーは徐々に縮小する孔サイズのフィルタ材料を含む一連の工程の中で加圧濾過される。この処理は透明な液体抽出物を生成するために設計されている。
羽根車駆動の濾過は公知の濾過技術である。このような濾過においては、回転する羽根車の翼が濾過体に接近し、スラリーが同じ濾過体の上を通過する。羽根車の動作は濾過体の上のスラリーを繰り返し押し流し、濾過体上のスラリーの固形化を最小にする。しかしながら、羽根車駆動の濾過は豊富な水分を含む残留物を残しやすい。
遠心分離は公知の濾過技術である。しかしながら、遠心分離は粘性のある野菜スラリーには効果的でなく、その理由はスラリーの粘性の性質のため、既存の遠心濾過処理を使用した適切な分離ができないからである。
このように、現在の分離装置および分離方法は、残った野菜材料、特に粘性のあるスラリーが含まれている時には、水溶性のタンパク質および葉肉(存在する場合には)小微粒子を分離するための実用的かつ低コストの手段を提供しない。さらに、その装置および方法はかなり濡れた残留物を残しやすいので、乾燥するためにかなりの量のエネルギーが必要になる。
本発明は出発材料の粘性のあるスラリーの分離に適した2段階の高能力の濾過システムを記述する。本発明は水溶性の成分のほかに葉肉の価値のある小粒子(存在する場合には)を含む粘性のある水性の抽出物を残った野菜材料から効果的に分離するものである。 その発明の方法によって生成した最終的な残留物はエネルギーの大消費を必要とせずにその後に乾燥することが出来る。本発明は脱脂した油性種子、特に脱脂したカノーラフレークから有用な炭水化物およびタンパク質を分離することに特別な有益性がある。
本発明の濾過システムにおいては、羽根車駆動の濾過を用いる最初の段階があり、その後に、加圧濾過手段または遠心分離機による濾過を行う追加の段階がある。
本発明においては、第1段階の濾過は羽根車駆動の濾過を用いて実行される。濾過体の穴サイズ(孔口としても公知である)は懸濁液内の微粒固体を通過させるように設定され、フィルタの最大穴サイズよりも大きな寸法の固体が濾過体の上に残留物として留まるように設定される。その後に、羽根車の押し流し動作は濾過体の表面から残留物をかき落とすために、さらに濾過が実行される領域から残留物を除去するために使用することができる。
脱脂油性種子、特に脱脂カノーラのスラリーを濾過する場合には、穴サイズは葉肉の微粒子を通過できるように、逆に望ましくない野菜材料である大きな固体は留まるように選択することが好ましい。
羽根車濾過から得られた残留物はなお高い割合の水分を含んでいる。このような残留物は簡単に乾燥できないので、乾燥のコストがかさみ不可能も同然である。したがって、第2の濾過段階が使用される。その第2段階の濾過は遠心分離か、または加圧濾過である。
遠心分離濾過は残留物が大きな塊になる傾向があるので、好ましくない。このことは大きな遠心分離機が必要であることを意味し、これが操業の装置コストを増加させる。また、一般に、遠心分離の後に残された固相残留物の水分含有量は加圧濾過によって得られた残留物の水分よりも多い。しかしながら、遠心分離濾過は第2段階として使用できる可能性がある。なぜなら、最初のスラリー中の粘性のある液体は羽根車濾過を通過させることによって、かなり低い粘性にされるからである。
加圧濾過は濾過を効果的にするために、濾過される材料を適切な体積にまで徐々に減らす。加圧濾過には様々なタイプがある。
1つのタイプにおいては、濾過される残留材料を圧縮するために濾過体の方向に対してピストンが使用され、これにより残っている液体を搾り出す。
加圧濾過の別のタイプは連続処理を含み、これにより水分を含む供給材料が装置の入力領域に連続的に供給され、その後、供給材料は濾過表面を通って、プレスにより圧力を受け水分を搾り出しながら運ばれ、脱水されたケーキが出力領域から排出される。連続的な加圧濾過システムの2つの例としてベルトプレスまたはスクリュープレスの使用がある。ピストン加圧がバッチ式タイプ処理であるのに対して、ベルトプレスまたはスクリュープレス加圧フィルタは連続的な操作であるという利点がある。
加圧濾過または遠心分離機によって残留物から抽出された液体は、必要に応じ、羽根車濾過の段階からの液体と混合することができる。あるいは、全体的に水の使用を節約するために、羽根車濾過機のための水入力として使用することができ、最終的な液体製品を羽根車濾過機の段階からの濾過物として除去することができる。さらに、必要に応じ、ピストン加圧プレスにおける濾過体またはベルトプレスのために選択されたベルトの最小の穴は残留物の中に含まれている可能性があり、かつ押し出される液体とともに排出される葉肉の小さな破片を通過させるだけのサイズであることも出来る。
濾過体の最小の穴はフィルタを通って通過させたい固体粒子の最大の寸法に依存して選択することが出来る。その選択は葉肉の粒子または存在する他の価値ある微粒子の典型的なサイズを考慮してなされることが好ましい。脱脂カノーラの場合においては、約75ミクロンまでの最大の寸法を有する典型的な葉肉粒子がある。したがって、抽出物の中に葉肉を通過させるためには、少なくとも100ミクロンの最小穴、好ましくは150ミクロンの最小穴のフィルタを有することが最も好ましい。最大の穴はあまり厳密ではなく、存在する繊維質材料を通過させないだけの十分に小さい条件が満たされればよい。典型的には、2500ミクロンまでの最大の穴を有するフィルタが使用され、(濾過後の残留物として留まることが望ましい)殻および藁などの繊維質の大部分の材料はこのサイズのフィルタを通過することはない。しかしながら、殻および藁のより小さな破片がある場合には、葉肉がの最大の寸法が75ミクロンを超えることは殆どないので、最大の穴はそれだけ小さくすることができる。したがって、190ミクロンまたは250ミクロンの最大の穴を有するフィルタがしばしば好ましい。
フィルタの「最大穴」および「最小穴」とはフィルタの穴の平均の最大寸法および最小寸法(場合によっては)を意味する。穴が実質的に円形および一様なサイズを有するならば、最大穴および最小穴は同じであり、両方とも穴(ときに「孔サイズ」と呼ばれる)の直径である。それらの断面が正方形である場合には、「最大穴」は正方形の対角線であり、最小穴は一辺の長さである。一般的には、1つの寸法(例えば長さ)が他の寸法(例えば幅)よりも非常に大きい開口部を有するよりも、円形、正方形または長辺と短辺との長さが大きくは違わない長方形である穴が好ましい。このように、最大穴および最小穴は互いにあまり大きな相違がないことが望ましい。また濾過体の内で粒子が捕捉されることを避けるために、穴は濾過体の全厚さを通して、ほぼ同じ断面を有すべきである。羽根車濾過またはベルト濾過の大抵の濾過体はワイヤーの網または布の網であり、網の交互平行なワイヤーまたは糸の間に一様な正方形またはほぼ正方形の穴を有する。ベルトプレスの場合には、ベルトの厚みおよび材料の織りパターンもベルトを通って通過できるものに影響をおよぼし、(葉肉のような)小粒子をベルトを通過させることを望む場合には、穴のサイズも同様に考慮する必要がある。
本発明の様々な実施態様を図面を考慮して説明する。
図1(a)は本発明の好ましい実施態様の1つを示している。図1(a)では、10で一般的に示すスラリー作成段階がある。脱脂油性種子1(または主として繊維である固体中の水溶性のタンパク質および/または炭水化物および非水溶性のタンパク質および/または炭水化物の微粒子を含む他の野菜製品)および水2は容器12の中に投入される。容器12の中でそれらは羽根車13によって混合、攪拌され、スラリー100になる。スラリー100は容器12から周期的に除去される。これをいかなる在来の方法で行ってもよいが、ここにある図示した実施形態では出口パイプ15によって行う。脱脂油性種子1および水2が所望の粘度のスラリー100になるために混合されるまで、出口パイプ15は適切なバルブ手段14により閉止される。
パイプ15を通って移送されたスラリー100は20として一般的に示す羽根車駆動フィルタの中に送られる。その羽根車駆動フィルタは濾過体21を有し、それはチューブの中に形成された網であることが好ましい。その網は羽根車22を包囲し、その羽根車はチューブを形成する網21に対して密接に適合する螺旋錐である。スラリー100は網チューブ21および螺旋錐を通過する。螺旋錐22がスラリーを前方向および上方向に移動させるにつれて、螺旋錐22と網フィルタ媒体21との密接な接触を通じて、螺旋錐22は濾過体21からスラリーを押し流す。網は十分に大きな網サイズ(最小穴)を適当に有し、その結果、スラリーの中にある葉肉の小片は網を通り抜けて、液体とともに容器23の中に落ちる。したがって、容器23はスラリーから濾過された液体101と、網22を通過した葉肉の粒子102を有する。液体101および葉肉の粒子102はともに豊富なタンパク質を含み、高い価値の人間または動物の食料あるいは補助食料を作るための処理が行われる。
螺旋錐22の最上部から湿り気のある残留物103が出て来て、これはスラリー100から液体101および葉肉102が濾過された後の残留物である。残留物103はベルトプレス30の形態で加圧フィルタの中に送られる。ベルトプレス30はエンドレスベルト31とエンドレスベルト32を有するものとして概略的に示されており、そのエンドレスベルト31はローラ33の上で巻いており、そのエンドレスベルト32はローラ34の上で巻いている。2つのベルトは、図1(a)において、左から右に混合物が通過するにつれて、両ベルトの間の材料にかかる加圧が増加するような曲がりくねった経路の中でローラの上を移動するように配置される。2つのベルトが互いに接近するにつれて、残留物103から液体が絞り出され、液体104として容器35に落ちる。出口36において、残留物103は大部分脱水され、実質的には固体の圧縮ケーキとして出口36から押し出される。この圧縮ケーキはナイフ40によって切断または粉砕されて、収容器41の中に製品106として落ちる。製品106は反芻動物の餌として使用するのに適している。
図1(b)は、図1(a)のシステムとともに使用するのに適した加圧フィルタの他の形の断面図を示している。残留物103はスクリュープレス70の形態をした加圧フィルタの中に送られる。スクリュープレス70はこのスクリュープレスの形態の動作方法を示すために、ハウジング71を切断した断面図で示されている。アルキメデススクリュー72はハウジング71によって形成された通路に沿って、図において左から右に入ってくる残留物103を押し進めるために、ハウジング71内で回転する。
アルキメデススクリュー72の軸77は、図1(b)の左から右方向に直径が増加している。したがって、ハウジング71およびスクリュー刃78によって規定された通路は、左から右に断面領域が減少する。スクリューが回転すると、通路を通過する材料に対する有効な断面領域が減少し、材料に加わる圧力が増加し、その結果としてスクリュープレスの室内の長さに沿って配置された濾過体73の側面にわたってスクリュープレスから液体が搾り出されることになる。
液体は通路75に沿って進み、通路75から図1(a)の容器35の中に向けられる。フィルタの終端において、残留物103は圧縮され、図1(a)の収容器41の中に向けられる圧縮ケーキとして通路76を介してフィルタから押し出される。
図2は図1(a)の変形例を示している。図2において、同一の数字は図1(a)と同一部分を表している。ベルトプレス30の代わりに、図2の実施態様はピストンプレス50を有している。そのピストンプレス50は網52で形成された端部を持つ加圧漕51を有する。適当な加圧漕51は円筒であるが、必要に応じ、残留物を加圧するためにピストンがその中に適合するならば、他の形状であってもよい。
湿り気のある残留物103Aは、(例えば、ベルトコンベア29によって)加圧漕51の中に移動され、そこで網端52に留まる。その円筒が湿り気のある残留物からの分離物で十分に満たされたときは、残留物103Aの供給を中断する。このことは、コンベア29を保持容器(図示せず)に向けることによって、または螺旋錐22を停止することによって、可能であり、コンベアベルト29上に材料が堆積しない。
この後、ピストン53は加圧容器51の中に下降させられて、残留物103を加圧し、それを押し潰し、液体104を押し出す。この液体を容器35に集める。この後、ピストン53を引き抜き、加圧残留物を圧縮ケーキ105Aとして除去する。これは適切なコンベアベルト42の上でナイフ40まで送られて、そこで破片に切断され、収容器41の中に落ち、製品106Aをなす。加圧容器51の中でピストン53が発生した圧力および圧力を発生した時間の長さに依存するが、この実施態様からの製品106Aが第1の実施態様からの製品106よりもある程度乾いて作られることを除いては、この実施態様からの製品106Aは上記した第1実施態様からの製品106と本質的に同一である。製品がより乾いているということは、その後の乾燥の必要性が少なくなるので、もちろん有利である。しかしながら、このことは、加圧容器をいっぱいにして、その後にピストンをその中で加圧し、図1(a)の連続した処理の代わりに、図2の処理を不連続にすべきことを要求することが必要であることと照らし合わせると、相殺されるべきである。一般に、図1(a)の処理は図2の処理よりも少ない労力で済む。
図3は本発明の第3実施態様を示している。同じ物を図示している図1(a)および図2の中と同じ参照番号を図3にも使用している。
図3の実施態様は図1(a)とは異なるタイプの羽根車フィルタを示している。図3においては、羽根車フィルタは60として一般的に示された開放型容器であり、壁61および網底62を有する。その容器は63として一般的に示された水掻きタイプの羽根車を中に有し、動力軸65の周りを回転する水掻き板64を有する。板64が回転すると、この板がスラリーをフィルタ網62に向かって押しつける。このことによって、中に葉肉102を含む液体101を下側の容器23の中に搾り出す。
脱脂カノーラ1および水2の供給は時々中断される。液体が網62を実質的に通過しなくなるまで、板64は動作することができる。その後に容器60の中に残っているものは残留物103Bであり、第1の実施態様の103または第2の実施形態の103Aと異なるものではない。羽根車63が取り除かれ、容器60の中味が第2段階に運搬予定のコンベアベルト29上に空けられる。その中味が湿り気のある残留物103Bである。
図3に示す実施態様において、第2段階の濾過は80に一般的に示された普通のバッチ式フィルタ遠心分離機である。その遠心分離機は中心軸81を有し、モータ82によって駆動されている。その軸は末端で分離容器(断面で図示)付きでアーム83を支持している。その分離容器は一方の位置では84で、第2の位置(破線で)では84Aで示されている。蝶番式のアクセス手段(図示せず)が分離容器にアクセスさせている。操作状態では、分離容器には(元々は破線84によって示した最初の位置において)、矢印91によって概略的に示されているように、湿り気のある残留物103Bが充填される。遠心分離機は残留物から液体を分離するように動作する。例えば、実線によって輪郭が描かれた84の位置においては、遠心分離機は分離容器とともに停止している。湿った残留物103Bは固体105B(一般的には固体の圧縮ケーキ105に類似している)と液体104とに分離した。液体104および固体105Bは矢印95および96によって示されているように、それぞれ遠心分離機から除去される。固体105Bはナイフ40で切断され、先の2つの実施形態における製品106または106Aの破片と同じように、破片106Bにされる。
図示のバッチ式遠心分離機の代わりに、連続的な遠心分離機を使用することもできる。
上記の各実施態様において、液体104はタンパク質を豊富に含んでいる。それは食料もしくは動物の飼料として直接に使用することができ、または液体101(および葉肉102を一緒にして)と混合して食料もしくは動物用飼料として直接に使用することができる。あるいは、処理の水の需要を減らすために、液体104は水2の代わりに第1段階への液体飼料として使用することができ、または水2の補充として混ぜることも出来る。このことは点線の矢印110および111によってそれぞれ示されている。この方法で液体104のリサイクルが利用がされる場合には、112に示されるように、連続的または不連続的に、容器23から取り出される。
多くの場合において、液体製品の中のタンパク質の回収を高めるためには、1つまたはそれ以上の濾過段階を繰り返すことが望ましい。したがって、ときには、水中の製品106、106Aまたは106Bを再度スラリー化して、第1段階および第2段階の濾過を再び行うことが望ましい。このように、第1段階の入力としての油性種子1の代わりに製品106、106Aまたは106Bを使用して、2回(または2回以上)処理が繰り返される。このことは、さらに水溶性のタンパク質および葉肉のもっと小さい粒子を抽出し、その結果脱脂油性種子または他の野菜製品の多数のタンパク質および炭水化物の価値が液体製品101および104の中に回収される。
また、ある場合においては、コンベアベルト29によって湿り気のある残留物を第2段階に送り込む前に、容器61に湿り気のある残留物103、103Aまたは103Bをリサイクルし、第1段階の濾過を1度またはそれ以上の回数繰り返すことが望ましい。このことは破線113によって概略的に図示されている。第2段階の濾過装置(加圧フィルタまたは遠心分離機)は第1段階の濾過装置よりも高価である。したがって、ある場合においては、第1段階の反復でさらに多くのタンパク質を容器23の中に抽出することが可能であるので、第2段階の装置を通過させる必要が少なくなり、良好な抽出効率を維持できる。
この処理において使用される脱脂油性種子または他の野菜材料に対する水の比率はかなり変化させることが出来る。一般に、水分の比率が高い(水との比率がより高い)と抽出効率が改良される。しかしながら、大量の水および液体流量を取り扱うために要する装置が大きくなるために、装置のコストはより高くなる。水分の比率が低いと移送することが困難な過剰に濃厚なスラリーになり、価値のあるタンパク質の抽出効率を悪くする。一般的には、カノーラフレークを用いて水/油性種子の比率を約2.5:1ないし20:1(wt/wt)で使用することが好ましい。また、水を加熱し(例えば、50℃ないし75℃)、その中のタンパク質および炭水化物の溶解を補助することが好ましい。しかしながら、野菜製品に対する水の比率および水の温度は、設備によっては処理コストに大きく依存し、開示された処理を限定するものではない。
図3の羽根車フィルタ60は図1(a)または図2の実施態様において、これらの図における羽根車フィルタの代わりに、使用することができる。遠心分離機80(または連続遠心分離機)は、図1(a)または図2の実施態様において、これらの実施態様における加圧フィルタの代わりに、使用することができる。重要なことは、粘性のある液体の塊を除去するための羽根車の段階のフィルタがあり、それに続いて、水分低減のための第2の段階の加圧濾過処理または遠心分離による濾過処理があるということである。
本発明を比較例の方法を使って更に記載する。
(比較例―ベルトプレスのみ使用)
この例において、カノーラフレークを水と混合し、加圧濾過のみを使用して(図1(a)の30に示した配置で)濾過した。この後に製品(106)を少ない量の水の中で再懸濁し、ベルトプレスによって再び濾過する。油を抽出した脱溶媒化した15Kgのカノーラフレークを60℃の水90Kgでスラリー化して(水6部、出発フレーク1部)、10分間にわたって均一な粘度に混合した。その結果、粘性の高いスラリーになった。そのスラリーを2×12インチのベルト(350立方フィート/分の空気通路穴)を備えた7ローラベルトフィルタプレス(モデルEJ−25−9, Frontier Technologies, Allegan, Michigan, USA)に供給した(この装置は図1(a)に30で概略的に示されている)。
そのスラリーがベルトの間で加圧されたので、葉肉の小さな破片を含んでいる抽出物を抽出残留物材料から分離した。ベルト上の圧力は一定の80PSIで維持した。処理速度は、圧縮ケーキの受け入れ可能な最終乾燥物質を>30%に維持しながら、ベルトの横からスラリーが押し出されることなく、プレスの中に供給可能なスラリー量に基づいて最大に調整した。ベルトの処理速度は、1分間に、ベルト幅のメートルあたりの加工したスラリーの中で、乾燥した白フレークの量として計算した。抽出物および最初の圧縮ケーキの重量および乾燥物質の中味を算出した。
最初の工程からの圧縮ケーキが60Kgを60℃の水で再スラリー化した。2回の工程において使用した水の全部の量は、乾燥したカノーラフレーク1に対して水10の割合に等しかった。第2のスラリーは第1のスラリーよりも粘性が小さいが、まだ相当な粘性が残っていた。上記したように、それはベルトフィルタプレスを通過して加工した。抽出物とケーキの処理速度および測定は第一の通過について記述した通りであった。
2回の工程による抽出物(液体102および104)を混合し、その合計重量、乾燥物質の中味および抽出効率を算出した。懸濁した固体は、5000rpmの回転を5分間行った遠心分離の後に、遠心分離機のチューブの底にあるパック化した固体として抽出物の全体積に対する%として算出した。
(本発明の処理を用いた例)
この実施例においては、図1(a)に概略的に示した装置(20に概略的に示した羽根車タイプのフィルタ、その後に30に概略的に示したベルトプレスが続く)を使用した。
油抽出した脱溶媒化した15Kgのカノーラフレークは60℃で90Kgの水でスラリー化し(出発フレーク1に対して水6の割合)、10分間にわたって均一な粘度に混合した。(粘性が非常に高い)スラリーは、118ミクロンのサイズの穴を有する直径6インチの円錐形フィルタスクリーンを有する羽根車駆動螺旋錐タイプ濾過機(モデルFF−6, Vincent Corporation, Tampa, Florida, USA)に供給した。羽根車がふるいの内側の表面上のスラリーを移送した結果、分離が行われ、葉肉の小さな破片および抽出されたケーキを含む濃厚な抽出物を生成した。抽出物とフィルタケーキの重量と乾燥物質の中味を求めた。
羽根車の濾過工程からのフィルタケーキはかなり濡れているので、乾燥するのには適していない。しかしながら、粘性のある液体の大部分を第1の濾過工程で除去する。ケーキをその後、上記の比較例と同様に、ベルトフィルタプレスを通じて直接処理した。抽出物とケーキの処理速度、重量および乾燥物質の中味を上記の場合と同様に算出した。
ベルトフィルタプレスから取り出したケーキは60℃で60Kgの水で再スラリー化した結果、2回の通過中に使用した水の全量は、乾燥したカノーラフレーク1に対して水10の割合に等しかった。第2のスラリーは羽根車フィルタによって処理し、そのケーキをその後最初の通過のために記述したように、ベルトフィルタプレスによって処理した。抽出物、ケーキの処理速度および測定は最初の通過のために記述した通りである。
Figure 0004389084
この表は比較例(実施例1)および本発明による例(実施例2)について、ベルトプレス処理速度、抽出物とケーキの重量と乾燥物質の中味、抽出効率および乾燥物質の損失を示している。
この表においては以下の省略形を用いる。
BP−ベルトプレス。BP−1は実施例においてベルトプレスの最初の工程を示し、BP−2はベルトプレスの第二の工程を示している。
IF−羽根車フィルタ。IF−1は実施例2において羽根車フィルタの第一の工程を示し、IF−2は実施例2において羽根車フィルタの第二の工程を示している。羽根車フィルタは実施例1においては使用しなかった。
抽出物−図1(a)において102および104として示した合体した液体で、その中に含まれるあらゆる葉肉102を含む。
dm−乾燥物質
ss−懸濁された固体

羽根車フィルタおよびベルトフィルタプレスはともに、懸濁された固体の小さな粒子の形態で、かなりの量の価値ある葉肉材料を通過させることができた。殻材料による抽出物の極めて少ない汚染が抽出物において明らかになった。
実施例1においては、高い水分量のスラリーがベルトの横から容易に押し出されるので、処理速度が極めて遅かった。実施例2においては、羽根車フィルタによるスラリーの最初の処理が69.2Kgの抽出物を除去し、ベルトプレスの通過によって容易に処理された21.8Kgのケーキを生成した。ベルトプレスの処理速度は、羽根車フィルタで大量の液体を除去しない場合よりも7.4倍速かった。圧搾ケーキの最終的な乾燥物質は37.0%であった。最初の工程の後に再懸濁されたケーキを処理する際にも、同様の結果が得られた。羽根車フィルタによる粘性のある大量の液体を先に除去した結果、ベルトプレスにおける処理速度を15倍増加し、ならびに抽出効率がわずかに向上した。カノーラフレークの中のタンパク質の約75%が抽出液中に回収された。
特定の実施態様において本発明を説明したが、他の実施態様も当業者にとって明らかになることがわかる。したがって、本発明は特定の実施態様に制限されず、添付された特許請求の範囲に記載されたすべての範囲に与えられるべきである。
(a)は、本発明による濾過装置の第1実施態様を示す図、(b)は、スクリュープレスを使用した図1の実施態様の改良の部分断面図 本発明による濾過装置の第2実施態様を示す図 本発明による濾過装置の第3実施態様を示す図
符号の説明
1 脱脂種子
2 水
10 スラリー形成段階
12 容器
13 羽根車
14 バルブ手段
15 出口パイプ
20 羽根車駆動フィルタ
21 網チューブ
22 螺旋錐
23 容器
29 ベルトコンベア
30 ベルトプレス
31 エンドレスベルト
32 エンドレスベルト
33 ローラ
34 ローラ
35 容器
36 出口
40 ナイフ
41 収納器
42 コンベアベルト
50 ピストンプレス
51 加圧容器
52 網
53 ピストン
60 容器
61 壁
62 網
63 羽根タイプ羽根車
64 羽根
65 動力軸
70 スクリュープレス
71 ハウジング
72 アルキメデススクリュー
73 濾過体
75 通路
76 通路
77 軸
78 スクリュー刃
80 バッチ式フィルタ遠心分離機
81 中心軸
82 モータ
83 アーム
84 分離容器
84A 分離容器
95 矢
96 矢
100 スラリー
101 液体
102 葉肉
103 残留物
103A 残留物
103B 残留物
104 液体
105 圧縮ケーキ
105A 圧縮ケーキ
105B 圧縮ケーキ
106 製品
106A 製品
106B 破片
110 破線
111 破線
113 破線

Claims (23)

  1. 野菜製品の非水溶性の繊維質を含んだ成分からタンパク質および/または炭水化物を分離するための処理方法であって、
    (a)スラリーを形成するために前記野菜製品を水と混合する工程と、
    (b)主に液体である濾過物と湿り気のある固体の残留物を形成するために羽根車の濾過によってスラリーを濾過する工程と、
    (c)加圧濾過手段によって固体の残留物から水を除去する工程と
    を含む、処理方法。
  2. 前記羽根車の濾過工程はパイプ状のフィルタを通過する螺旋駆動通路によるスラリーの連続的な濾過を含む請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記羽根車の濾過工程は容器の中での羽根車混合によるスラリーの周期的な濾過を含み、その容器の一部が濾過体であり、その羽根車が容器から濾過物を押し出すために、濾過体に対してスラリーを押し流すようにする請求項1に記載の処理方法。
  4. 前記加圧濾過の工程は対面するフィルタベルトの間に固体残留物を通過させることによる連続濾過を含み、固体の残留物がその間を通過する時に、そのフィルタベルトは固体の残留物を徐々にしかも次第に加圧する、請求項1〜3のいずれかに記載の処理方法。
  5. 前記加圧濾過の工程はスクリュープレスに固体残留物を通過させることによる連続濾過を含む請求項1〜3のいずれかの処理方法。
  6. 前記加圧濾過の工程は加圧室を含む加圧濾過手段の中の固体残留物の分離物の濾過を含み、その加圧室は、その室内に固体残留物を置くことによって、さらにその部分に向かって固体残留物を加圧するこによってその室に境界を設ける濾過体を有する請求項1〜3のいずれかに記載の処理方法。
  7. 主に液体である濾過物は固体の高蛋白および/または炭水化物の小さな粒子も含んでいる請求項1〜6のいずれかに記載の処理方法。
  8. 野菜製品が脱脂油性種子食物である請求項1〜7のいずれかに記載の処理方法。
  9. 野菜製品は油抽出したカノーラフレークである請求項1〜7のいずれかに記載の処理方法。
  10. 野菜製品が溶媒を基礎とする油抽出処理から油抽出したカノーラフレークである請求項1〜7のいずれかに記載の処理方法。
  11. 主に液体である濾過物が葉肉の粒子を含んでいる請求項10に記載の処理方法。
  12. 水溶性の成分で固体製品を取り扱う分離装置であって、
    (a)スラリーを形成するために製品と水を混合する手段、
    (b)濾過物と湿り気のある残留物(retentate)にスラリーを分離する羽根車タイプのフィルタ、
    (c)湿り気のある残留物からさらに水を除去する加圧フィルタ手段
    を組み合わせて含む、分離装置。
  13. 前記羽根車タイプのフィルタは濾過体に密に合う螺旋羽根車を収容するパイプ状の濾過体を含む請求項12に記載の装置。
  14. 前記羽根車タイプのフィルタは容器の周辺の一部を形成する濾過体を含む容器と前記の一部に密に合う容器内での動作のために配置された羽根車を含む請求項12に記載の装置。
  15. 前記濾過体は網である請求項12または13に記載の装置。
  16. 濾過体がタンパク質および炭水化物の少なくとも一方を含む微粒子を通過させることができる穴を有する請求項11〜13のいずれかに記載の装置。
  17. 前記濾過体が約75ミクロンの最小穴を有する請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
  18. 前記濾過体は約250ミクロンの最小穴を有する請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
  19. 前記濾過体は約2500ミクロンの最大穴を有する請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
  20. 前記濾過体は約250ミクロンの最小穴を有する請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
  21. 前記加圧フィルタ手段は固体残留物を搬送するように配置されている少なくとも一対のフィルタベルトを含み、一対のフィルタベルトの間で固体の残留物の移動方向内で固体の残留物を徐々にしかも次第に加圧する、請求項12〜20のいずれかに記載の装置。
  22. 加圧フィルタ手段はスクリュープレスを含む請求項12〜20のいずれかに記載の装置。
  23. 前記加圧フィルタ手段は加圧容器、濾過体に周辺を囲まれた一部および濾過体に向かって加圧容器の内部で固体の残留物を加圧する加圧容器内で受けられるように適合したピストンを含む請求項12〜20のいずれかに記載の装置。
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