JP4386821B2 - プロペラシャフト支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のプロペラシャフトをセンタベアリングにより軸支するプロペラシャフト支持構造の改良技術に関する。
通常プロペラシャフトは、内環と外環が弾性部材で接続された環状支持部材によりセンタベアリングを介して軸支されており、センタベアリングはそのアウタレースが環状支持部材の内環で支持されるが、内環の前後開口が開放されていると、泥水や塩水、異物等が該開口から浸入してセンタベアリングに至り、軸受としての機能を損ね、焼付きや異音の発生の原因となることがある。
そこで、このような弊害を防ぐために、前記内環の開口を部分的に覆うことが提案され、その具体的な構造としてプロペラシャフトに圧入嵌合されてセンタベアリングを軸方向所定位置に位置決めするストッパピースの一端にフランジを設け、このフランジにより前記内環の開口を覆うようにした構造のものが知られている。このストッパピースは通常鋼材等の金属材からなり、該ストッパピースの金属材の外周部が前記プロペラシャフトへの圧入嵌合において直接合成樹脂等からなるシール部材と接触する構造とされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−177416号公報(第3頁、第1図)
図10に図示される上述の特許文献1に記載のプロペラシャフト支持構造は、内環02Aと外環02Bとを備え、これらが弾性部材02Cにより互いに接続された環状支持部材02の内環02A内側で、センタベアリング03を介してプロペラシャフト01が回転可能に軸支されており、センタベアリング03はその軸方向位置が、金属製のストッパピース04Aの一端(後端)の当接により規制されるようになされ、金属製のストッパピース04Aはその内周部がプロペラシャフト01に圧入嵌合され、その外周部が前記内環02Aに装着保持されるシール部材0S1に回転摺動接触して、その他端(前端)に嵌着されたステンレス製のフランジ05Aにより前記環状支持部材02の内環02Aの開口02dを覆うことで泥水等の内環02A内側への浸入を阻止する構造とされている。
ところで、上述のプロペラシャフト支持構造においては、プロペラシャフト01にその内周部で圧入嵌合される鋼材等の金属からなるストッパピース04Aは、その圧入嵌合状態において、外周部は内環02Aに装着保持されたシール部材0S1と回転摺動接触している。そして、この回転摺動接触は、ストッパピース04Aの金属面と通常合成樹脂等からなるシール部材0S1との直接接触によるものであり、プロペラシャフト01と共に回転するストッパピース04Aの回転状況にもよるが、擦れるような特有の不快な接触音を発生する。とりわけ、摺動接触部における油切れの発生時や高速回転時における接触音の発生は大きく何らかの騒音対策が必要とされる。
また、図10に図示された上述のストッパピース04Aに換えて、図11に図示された鋼材等からなる金属製のストッパピース04Bの削り出しによるフランジ05Bを備えるストッパピース04Bの使用においても、金属のピース04B外周部が直接合成樹脂等のシール部材に摺動接触することになるので、回転時の金属面と合成樹脂等からなるシール部材との接触による不快な接触音の発生に関しては前記同様の課題を抱えるものである。
そして、これらのストッパピース04A,04Bは、それぞれその長期使用においてさらに解決されるべく課題を抱えるところであり、たとえば、図10に記載のストッパピース04Aにおいては、ストッパピース04Aとフランジ05Aがそれぞれ別部材とされて、ストッパピース04Aにステンレス製のフランジ05Aが圧入等により嵌合される構造であるから、長期間に亘る使用においては弛みやがたつきが生じやすく、この弛みやがたつきの発生時には、異音を生じ、該圧入嵌合部分等からの泥水等の浸入も考えられ、このような弊害の防止のための特別の対策が必要とされる。
また、図11に図示されたストッパピース04Bは、鋼材等の金属製の削り出しによるフランジ05Bが形成されたものであるから、泥水や塩水が該フランジ05Bに直接かかると、該フランジ05Bが腐食し、最悪の場合にはフランジ05Bが腐食により欠損する恐れがあり、フランジ05Bが欠損すると内環内に直接水等が浸入し、シール部材では十分にシールができず、センタベアリングにまで水が浸入してセンタベアリングを侵し軸受機能を損ねたり、焼付けや異音を発生する恐れがあるので、この場合においても、これらの弊害の防止のための特別の対策が必要とされる。
上述したような状況の中で、ストッパピースとシール部材との回転摺動接触部における高いシール効果が維持確保される中で、ストッパピースとシール部材の回転摺動接触による擦れるような不快な接触音の発生が効果的に抑制されて、かつ長期使用においても弛みやがたつきの発生がなく泥水や塩水により腐食されることのないフランジを備えて、内環開口から内環内部への泥水等の浸入が効果的に阻止されてセンタベアリングの保護が確実になされ、しかも製造が容易で、安価に提供される上述のプロペラシャフト支持構造の開発が待たれるところである。
本発明は、上述した課題を解決するためのプロペラシャフト支持構造における改良技術の提供に関するものであり、弾性部材により互いに接続される内環と外環とを備えた環状支持部材の内環内側で、センタベアリングを介してプロペラシャフトを軸支するプロペラシャフト支持構造において、円筒状ストッパピースがその内周部において前記プロペラシャフトに圧入嵌合され、その外周部において前記内環内側に装着保持されるシール部材と回転摺動接触し、かつその後端が前記センタベアリングのインナレースに当接して該センタベアリングを軸方向所定位置に位置決め固定すると共に、その前端のフランジが前記内環内側への前端開口を覆うストッパピースを備え、前記ストッパピースは、金属製のピース本体と、該本体の前端端部面の一部を除く外周部全面に一体にモールド成形されて該ストッパピースに前記フランジを具備させる合成樹脂またはゴムからなるリング状被覆部とからなり、前記リング状被覆部のフランジはその外側部に該ストッパピースの内周側に向って延びる端面被覆部を備え、該端面被覆部は、前記ストッパピース本体の前記前端端部面に形成された溝部内を延びて該端部面の一部を被覆すると共にその外側面が前記前端端部面の非被覆部端面と略同一平面を形成するものであって、前記ストッパピース外周部における前記シール部材との回転摺動接触は前記モールド成形のリング状被覆部の一部でなされていることを特徴とする。
また、前記ストッパピース外周部における前記シール部材との回転摺動接触がなされる前記モールド成形リング状被覆部の一部は、潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層の形成部であることを特徴とする。
さらに、前記ストッパピース本体の前端端部面の溝部内を延びる端面被覆部は、その延長端に連接して該端部面の内周側の面取り部を全面的に被覆する環状被覆部を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る発明は、前記プロペラシャフト支持構造において、円筒状ストッパピースがその内周部において前記プロペラシャフトに圧入嵌合され、その外周部において前記内環内側に装着保持されるシール部材と回転摺動接触し、かつその後端が前記センタベアリングのインナレースに当接して該センタベアリングを軸方向所定位置に位置決め固定すると共に、その前端のフランジが前記内環内側への前端開口を覆うストッパピースを備え、前記ストッパピースは、金属製のピース本体と、該本体の前端端部面の一部を除く外周部全面に一体にモールド成形されて該ストッパピースに前記フランジを具備させる合成樹脂またはゴムからなるリング状被覆部とからなり、前記リング状被覆部のフランジはその外側部に該ストッパピースの内周側に向って延びる端面被覆部を備え、該端面被覆部は、前記ストッパピース本体の前記前端端部面に形成された溝部内を延びて該端部面の一部を被覆すると共にその外側面が前記前端端部面の非被覆部端面と略同一平面を形成するものであって、前記ストッパピース外周部における前記シール部材との回転摺動接触は前記モールド成形のリング状被覆部の一部でなされているから、この支持構造は、次のような効果を奏する。
すなわち、ストッパピース前端のリング状被覆部のフランジにより内環内側への外部からの泥水や異物の浸入が効果的に阻止される効果に加えて、ストッパピースの前記前端端部面の非被覆部を除く外周部全面はモールド成形による合成樹脂またはゴムによる被覆部とされるから、ストッパピースの外周部のシール部材との接触部は、該ピースの外周部の被覆部が被着される部分であり、この被覆部の一部がシール部材と直接回転摺動接触することになり、シール部材と金属からなるストッパピースとの直接接触が避けられ、金属からなるストッパピースの回転時におけるシール部材との回転摺動により発生する擦れるような特有の不快な回転接触音の発生が効果的に解消される。
合成樹脂製またはゴムからなるリング状被覆部は、ストッパピースの前記非被覆部を除く外周部全面を覆うモールド成形被着部であるから、ストッパピース本体へのリング状被覆部の装備が容易であり、リング状被覆部装備のための作業コストの軽減を図ることができる。
また、モールドによるリング状被覆部の被着はストッパピース外周部の前記端面の非被覆部を除く略全面であるからその結合は強固であり、リング状被覆部は長期に亘る使用においても弛みやがたつきの発生がなく、脱落も防止され、モールド被覆部の被着部とストッパピース本体間からの泥水等の浸入は長期に亘り確実に阻止される。
リング状被覆部は合成樹脂製またはゴム製であるから、たとえ塩水等に接触しても錆が発生することがないので、金属製の部材の使用により問題視された錆の発生等により腐食して膨れて変形するようなことがないから、この視点からも外部からの泥水等の浸入阻止効果の増大がもたらされ、また、リング状被覆部における錆の発生による腐食変形が防止されるから、その回転時においては他の隣接部材と接触することがないので、該接触による異音の発生もない。
さらに、ストッパピースの外周部の略全面を覆うモールド成形による合成樹脂またはゴム製リング状被覆部はその端部のフランジ外側部に、ストッパピースの内周側へ向かって延長する端面被覆部が形成され、この延長部が、ストッパピースの前記前端の端部面の溝部内を延びて、しかも該端部面の溝部内を延びる被覆部はその被覆部の外側面が該端部面の非被覆部端面と略同一平面を形成するものとされているから、ストッパピースのプロペラシャフト支持構造部への圧入組付けに際し、ストッパピース押込み治具の押当部を前記前端端部面に全面当接させても被覆部は該端部面から突出するものでないから非被覆部端面(露出部端面)で直接治具と当接して被覆部への治具当接による押圧損傷を回避できるとともに、非被覆部端面が被覆部から突出しないので非被覆部端面の露出面積を極力小さくできるのでそれだけ錆の防止に対しても有利となる。
したがって、押込み治具による押圧作業は被覆部の存在に格別な配慮を要しないので、ストッパピースの組込みの作業性は良好であり、押込み治具もその押当部が単純な平坦面のものでよいので格別なものを用意する必要性がなくその分コストの低減が図れる。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記ストッパピース外周部における前記シール部材との回転摺動接触がなされる前記モールド成形リング状被覆部の一部は、潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層の形成部であるから、ストッパピースの回転時におけるシール部材との回転摺動接触による不快な接触音の発生は効果的に解消され、また該摺動接触による摩擦の発生が低く抑えられることから熱の発生もなく、ストッパピースやシール部材の磨耗が防止されその耐久性を向上させることができ、さらに、プロペラシャフトの円滑な回転が確保される。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記ストッパピースの前端端部面の溝部内を延びる端面被覆部の延長端に連接して該端部面の内周側の面取り部を全面的に被覆する環状被覆部を備えているから、比較的泥水等が溜まりやすい錆の発生し易いストッパピース内周部の端部面取り部は、全面的に合成樹脂またはゴム等の被覆部により被覆されるので、この部分における錆の発生による損傷が防止され、ストッパピースの耐久性を向上させることができる。
図1ないし図9に基づいて本発明の実施例について説明する。
図1は、本実施例のプロペラシャフト支持構造を示す一部断面とした側面図であり、該図から理解できるようにこの支持構造部において、プロペラシャフト1は、該図における左方の継手部1dに連なる小径軸部1aから、右方の大径軸部1cへと段階的に異なる軸径を有している。
プロペラシャフト1は、前記異なる軸径の小径軸部1a相当部のやや太めの軸径部1a1において、プロペラシャフト1の周囲を囲むように配設される後述される環状支持部材2によりセンタベアリング3を介して回転可能に弾性支持されており、プロペラシャフト1の図示における右方の中、大径軸部1b,1cは前記環状支持部材2の後方延長部により覆われており、該軸部1b,1cにはそれぞれ水切り用の環状溝1b1,1c1が備えられている。そして、小径軸部1aの図示における左方には既述の継手部1dが連続している。
拡大図である図2も併せ参照して、プロペラシャフト1を環状支持部材2に回転可能に支持するセンタベアリング3は、ラジアルボールベアリングであり、該ベアリング3によるプロペラシャフト1の前記回転可能な支持は、端的には、そのインナレース3aのプロペラシャフト1への固定と、アウタレース3bの環状支持部材内環2Aへの固定によりなされるベアリング3の取付保持によりなされるものであり、具体的には以下のベアリング3の取付保持構造によるものである。
すなわち、センタベアリング3のインナレース3aが、プロペラシャフト1の前記小径軸部1aのやや太めの軸径部1a1に圧入嵌合され、その図示右側面3a2がプロペラシャフト1の中径軸部1bの段部形成面1b2に当接され、また、図示左側面3a1がプロペラシャフト1に圧入嵌合される後述の外周部表面がモールド成形被覆部42で被覆されたストッパピース4の図示右方端(後端)端部面4bに当接されることで、プロペラシャフト1に対して位置決め固定されると共に、該センタベアリング3のアウタレース3bが、前記環状支持部材2の内環2Aの内周部に嵌合固定されることでなされる。
アウタレース3bの環状支持部材内環2Aの内周部への嵌合固定は、アウタレース3bの外周部が環状支持部材2の内環2Aの内径を段階的に変える後述されるその所定の内径部に圧入嵌合されると共に、該内環2Aの内径を段階的に変えるその所定の形成段部にアウタレース3bのその図示における左側面3b1が当接されることでなされ、このインナレース3aとアウタレース3bの固定によりプロペラシャフト1の支持のために位置付け保持されたセンタベアリング3は、前記環状支持部材2に対して回転可能なプロペラシャフト1の弾性支持を実現する。
ところで、環状支持部材2は、内環2Aと外環2Bを備え、これらが互いに屈曲された厚めの膜状のゴム弾性部材2Cを介して接続された構造を有しており、その内環2Aは、既述したようにその内径が段階的に変化しており、すなわち、内環2Aは、小径部2a、中径部2b、大径部2cと順次その内径を段階的に変えた円筒状とされており、その上述の所定の内径部とされる中径部2bの内側において上述のセンタベアリング3のアウタレース3bの外周部が嵌合固定されるようになされている。
そして、環状支持部材2の内環2Aの大径部2cは、プロペラシャフト1の中径軸部1bと大径軸部1cの外周を覆うようにして図示右方へと延出され、また、小径部2aは、プロペラシャフト1の小径軸部1aの図示左方側を覆うようにして左方へと延出されている。
プロペラシャフト1の環状支持部材2の内環2Aへのセンタベリング3を介した回転可能な支持部には、そのセンタベアリング3を挟むようにして該ベアリング3の左右両側からシール部材S1,S2が挿入されており、左側のシール部材S1は、その外周部の装着金具S1aが環状支持部材2の内環2Aの小径部2aに圧入されることで挿入保持され、また、右側のシール部材S2は、その左方側から右方外周部に向けて屈曲した形状とされた装着金具S2aが環状支持部材2の内環2Aの大径部2cに圧入されると同時にセンタベアリング3のアウタレース3b左側面3b2に当接されることで挿入保持されている。
そして、右側のシール部材S2は、前記挿入保持された状態において、プロペラシャフト1の中径軸部1bの外周に直接その合成樹脂等からなる環状弾性リップ内周S2bが圧接接触するが、左側のシール部材S1は、前記挿入保持された状態において、その環状弾性リップ内周S1bがプロペラシャフト1には直接圧接接触することなく、プロペラシャフト1に圧入嵌合される後述のストッパピース4の外周部4Aに圧接接触している。
プロペラシャフト1に圧入嵌合されるストッパピース4の外周部4Aとシール部材S1の環状弾性リップ内周S1bとの圧接接触は、ストッパピース4のプロペラシャフト1への圧入嵌合による該シール部材S1の環状弾性リップ内周S1bの貫通によるものであり、シール部材S1の環状弾性リップ内周S1bとストッパピース4の外周部4Aの前記圧接接触は、より具体的には後述されるストッパピース4の外周部4Aに一体モールド成形で被着されたリング状被覆部42の筒部被覆部42cが前記シール部材S1の環状弾性リップ内周S1bと回転摺動接触することでなされており、センタベアリング3における高いシール性を確保している。また、前記筒部被覆部42cのシール部材弾性リップ内周S1bとの摺動接触相当部には、その摺動接触における潤滑性の向上を図るために低摩擦係数の樹脂によるコート層42c2が形成されている。
プロペラシャフト1への圧入嵌合によりセンタベアリング3の左側面3a1にその右方端(後端)端部面4bが当接したストッパピース4は、その左方端(前端)の後述される被覆部42の大きな大小のフランジ42a,42bを内環2A内側への左方端開口2dに位置付けし、大きなフランジ42aは前記開口2dを外部から実質的に覆うよう、該開口2dの端部に狭い隙間L1をもってその内側面42a2が位置付けされ、また、小さなフランジ42bはその外周42b2が前記開口2dのやや内側に該開口2dの内径と狭い隙間L2をもって対峙するように位置付けられている。
プロペラシャフト1の支持構造部そのものの構造の概要は上述のようなものである。
ここで、プロペラシャフト1の支持構造において、プロペラシャフト1に圧入嵌合され、かつセンタベアリング3の位置決めに供されるストッパピース4について説明する。
図3ないし図8に図示されるように、ストッパピース4は、鋼材等の金属材料により形成されるピース本体41と(図3ないし図5参照)、該ピース本体41の左方端端部面(前端端部面)41aの一部を除く外周部41A全面に被覆される被覆部42(図6参照)とからなり、ピース本体41は、その左方端の環状鍔部41cと該鍔部41cから段部41dを介して延長する筒部41eとを備えた円筒形状をなし、またその内周部41fは被覆されることのない直線的に延びる内面を形成するが、その右方端(後端)41b近傍の内周面がやや拡径41gされた構造とされている。
ピース本体41の左方端端部面41a、すなわち、環状鍔部41aの外側面には所定幅で所定深さの同一形状の2個所の溝部41a1が備えられ、この2つの溝部41a1は、互いに円筒の中心軸線を挟んだ対称的な位置で(図3(b),図4参照)、しかも円筒の中心に向かう指向性をもって延び、その開放端を互いに対向させるようにして備えられている。
2個所の溝部41a1は、2個所に限定される理由はなく、複数の溝部とすることができ、その数は適宜選択されるところであるが、これらの溝部41a1は、円筒の左方端端部面41aの面上において互いに等間隔とされ、しかもいずれの溝部41a1も円筒の中心に向かう指向性をもって延びるように形成される。また、ピース本体41の前記左方端端部面4aの内周側41a2には、比較的大きな面取り部41a3が形成されており、この面取り部41a3は、その面取り深さが前記2つの溝部41a1の前記所定の深さと一致する深さとされている。そして、ピース本体41の内周部41fの内径は、前記プロペラシャフト1の小径軸部1aの外径に略等しくされている。
ピース本体41には、その外周部41Aにモールド成形の以下に述べられる図6に図示される被覆部42が被着される。モールド成形による被覆部42は、合成樹脂またはゴムからなり、その図示左方端にフランジ42a,42bを備えるリング状の被覆部42であり、ストッパピース本体41の左方端端部面41aの一部、すなわち、鋼材等の金属からなるピース本体41の環状鍔部外側部の非被覆部41a4(露出部)とされる部分を除く外周部41A全面に被着されるものである(図7,8等参照)。
ストッパピース本体41の外周部41Aに前記状態においてモールド成形される合成樹脂またはゴム製のリング状被覆部42は、好ましくは発水性を有する樹脂により形成され、図6に図示されように、環状リングの外周部42Aの図示左方端寄りの位置に、つまりストッパピース本体4の左方端鍔部41cとその近傍外周部を実質的に覆う被覆部42に、径方向に延出する2つの環状フランジ42a,42bを備えている。
また、ストッパピース本体41の中央部から図示右方端寄りの位置を覆う被覆部42は、すなわち、ストッパピース本体41の筒部41eの延長部外周4e1を実質的に覆う被覆部は筒状の略均一の肉厚の筒部被覆部42cとされている。この筒部被覆部42cの外周42c1が後述されるプロペラシャフト1の支持構造部へのストッパピース4の圧入嵌合時にシール部材S1の内周を形成する合成樹脂等からなる環状弾性リップ内周S1bに回転摺動可能に接触する。このために、このシール部材S1の弾性リップ内周S1bとの摺動接触相当部の前記外周42c1には潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂によるコート層42c2が形成される。
リング状被覆部42の図示左方端寄り位置で径方向に延出する2つの環状フランジ42a,42bは、その図示左側の環状フランジ42aが径方向延出長さが長く、所謂大きなフランジとされ、また、図示右側の環状フランジ42bはその径方向長さが小さく、所謂小さなフランジとして構成されている。
そして、大きなフランジ42aは、ピース本体41の左方端の鍔部41c外周を覆い、その外側面42a1はピース本体41の左方端端部面41aと実質同一面を形成して外方へ延び、その内側面42a2は小さなフランジ42bと所定の間隔を保持して対向して外方へ延びている。小さなフランジ42bはピース本体41の鍔部41cと長い筒部41eとが形成する段部41dのやや内側寄りで、その外側面42b1を大きなフランジ42aの前記内側面42a2に対向させて外方へ延びている。この大小両フランジ42a,42bに挟まれた環状溝部42dはラビリンス部を形成する。
大きなフランジ42aは、その外側面42a1、すなわち、図示左方側の側部面に、ストッパピース4の内周側へ向って延長する端面被覆部42a3を備えており、この被覆部42a3は、ストッパピース本体41の鍔部41cの外側面の一部、すなわち、ピース本体41の左方端端部面41aの一部を覆いつつ延びる。つまり、図7,8に図示されるように、ストッパピース本体41の左方端端部面41aの前記溝部41a1内を被覆しつつ延びることで該端部面41aの一部である溝部41a1を覆う被覆部42a3を形成している。
また、この溝部41a1内を被覆しつつ延びる端面被覆部42a3は、その延長端にピース本体端部面41a内周側41a2の面取り部41a3を被覆する面取り被覆部42a4に連接され、この面取り被覆部42a4は該端部面41aの内周側41a2の面取り部41a3に沿って環状に延長する被覆部42a4とされている(図7,8参照)。
そして、図7(a)に図示されるように、ピース本体41の左方端端部面41aの溝部41a1は前記2つの溝部であるから、ストッパピース4におけるその左方端端部面4aの端面視は、該図に図示されるように、円筒中心を挟んで対設される対称とされる一対の円弧状の開孔42a6を備える構造をなしており、この一対の開孔42a6相当部はピース本体41の左方端端部面41aの実質的な露出部41a4とされている。
そして、2つの溝部41a1内を延びる端部被覆部42a3は、その外側面が、ピース本体41の左方端端部面41aの前記露出部41a4と同一面もしくは該露出部41a4よりやや内側に位置するように該溝部41a1内で端部被覆部42a3を形成する。この溝部41a1内における端部被覆部42a3の構成は、後述のストッパピース41の組込み時の圧入嵌合において、ピース本体41の左方端端部面41aにおける溝部41a1内端部被覆部42a3と該ピース本体41の露出部41a4を含めた該端部面41a全面への圧入治具押当部の当接を許容する点において格別の寄与をなすものである。
また、面取り部41a3を全面的に被覆する環状被覆部42a4は、図8に図示のように面取り部41a3に沿うものであるがその被覆部42a4の肉厚は外側面部側が肉厚、すなわち、該被覆部42a4の横断面が略三角形の形状を呈する如くなされ、円筒からなるストッパピース41の内周部41fにおいて盛上がるようにやや突出して突出部42a5を形成しており、この被覆部42a5の形状は、後述されるストッパピース4の圧入装着時にプロペラシャフト1の外周テーパ部1eとの圧接構造を構成し、該圧接部のシール性を向上させる。
なお、端部被覆部42a3は2つの被覆部とされたが、これに限定される理由はなく、該被覆部42a3の数は適宜ストッパピース41の左方端端部面41aにおける既述の溝部41a1の選択数との関連において設定される。
また、本実施例においては、ストッパピース41の比較的大きめとされた面取り部41a3が設けられるが、大き目とする面取り部41a3を設けることのない構造の選択が可能であり、この選択がなされる時は、リング状被覆部42の端部被覆部42a3の延長端に連接する面取り部41a3の環状被覆部42a4は当然のこととして形成されない。
ストッパピース4と、該ピース4の鋼材等金属からなるピース本体41に一体にモールド成形被着されるリング状被覆部42の構造の概要と、両者の関連構造の概要は上述のようなものである。
ここで、ストッパピース4の金属製ピース本体41へのリング状被覆部42のモールド成形について簡単に説明を加えておく。
既述のようにストッパピース本体41の外周部41Aには、その左方端端部面41aの非被覆部42a6を除く全面に合成樹脂またはゴム製のリング状被覆部42がモールド成形により一体被着される。このモールド成形による被着は、圧縮成形やトランスファ成形等の成形法によることも可能であるが、通常周知の射出成形機を用いた射出成形法により行なわれる。
射出成形法によるモールド成形は、高圧のもとにノズルから金型キャビティ内に流動状態とされた樹脂材料が押込まれるので、本実施例においては、ストッパピース本体41の環状鍔部41cと該鍔部41cから延長する長い筒部41eを包み込み、また、該環状鍔部41cの外側面、すなわちストッパピース本体41の左方端端部面41aの2つの溝部41a1内に樹脂材料が確実に押込まれ、さらに、該溝部41a1に押込まれた樹脂材料はその延長端が左方端端部面41aの内周側面取り部41a3に沿う周方向に延長する環状の被覆部42a4を形成する。
したがって、この環状鍔部41cと長い筒部41eの樹脂材料による包み込みと、該鍔部41cの外側面、すなわちストッパピース本体41の左方端端部面41aの2つの溝部41a1、さらには面取り部41a3への樹脂材料の押込みはストッパピース本体41へのモールド成形によるリング状被覆部42の被着の強化を増大させるものである。
なお、筒部被覆部42cのシール部材S1との摺動接触部への潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層42c2の形成はインサート成形により形成することができる。
また、ストッパピース本体41の構造の変形例として、図5に図示されるようにストッパピース本体41の外周部41Aの所定部周面上にセレーション41h等の波状凹凸条部を設ける構造の採用が可能であり、この構造においてはストッパピース本体41へのモールド成形による該リング状被覆部42の被着の更なる結合強化を図ることができる。
そして、図9に図示されるストッパピース4の変形例は、ストッパピース本体41として、円筒状のピース本体41の左方端部寄りの外周部に環状凹溝41iを設けて実質的に鍔部41c相当部のない構造とするものが採用され、このピース本体41の採用構造においては、前記外周部41Aの環状凹溝41iに樹脂材料が押し込まれるのでモールド成形による強固な結合のリング状被覆部42を装備するストッパピース4が得られる。
ストッパピース本体41と、該ピース本体41外周部41Aへのリング状被覆部42のモールドによる被着は上述のようなものである。
次に、ストッパピース4のプロペラシャフト1の支持構造部への組み込みについて説明する。
ストッパピース4の組み込みは、端的には、その左方端端部面4aの非被覆部とされる一部を除く外周部4A全面にモールド成形のリング状被覆部42が被着されたストッパピース4を、プロペラシャフト1の小径軸部1aに、図1,2図示左方側から圧入嵌合することでなされ、該圧入嵌合は、センタベアリング3のインナレース3aの左側面3a1にストッパピース4の図示右方端端部面4bが当接するまで押し込められてなされる。
つまり、先ず、前記リング状被覆部42が被着された円筒状のストッパピース4を、プロペラシャフト1の支持構造部の図1,2等における図示左方側から、プロペラシャフト1の小径軸部1aに対して圧入嵌合するように押し込む。このストッパピース4の押し込みは、図示されない押し込み治具の押当部をストッパピース4の左方端(前端)端部面4aに当てがい、該治具を押圧することでなされる。
ストッパピース4の左方端端部面4aのこの押圧による押し込みは、ストッパピース4の図示右方端端部面4bがシール部材S1の環状弾性シールを押し開くようにその内周S1bを貫通して、センタベアリング3のインナレース3aの図示右側面3a1に該ピース4の右方端の端部面4bが当接されるまでなされる。そして、ストッパピース4の右方端の端部面4bがセンタベアリング3のインナレース3a左側面3a1に当接すると押し込みは中止され、ストッパピース4のプロペラシャフト1への圧入嵌合は完了する。
前記圧入嵌合の完了により、ストッパピース4のプロペラシャフト1に対する軸方向における位置決めがなされると共に、センタベアリング3のプロペラシャフト1に対する軸方向の位置決めと固定がなされる。また、プロペラシャフト1に圧入嵌合されたストッパピース4は、そのモールド被覆部42の筒部の外周が、より具体的には、モールド被覆部42の筒部被覆部42c外周42c1の潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層42c2が合成樹脂等からなるシール部材S1の環状弾性リップ内周S1bと直接的に回転摺動接触する。
さらに、ストッパピース4の上述のプロペラシャフト1への圧入嵌合の完了は、図2に図示されるように、ストッパピース4のモールド成形部であるリング状被覆部42の図示左方端寄りの2つのフランジ42a,42bの内の径方向延出長さが長い一方の大きなフランジ42aを、その外周縁42a7が環状支持部材2の内環2Aの図示左方端開口2dの外方で該内環2Aの開口2d端の開口径を超える径方向位置まで延びて、このフランジ42aの前記開口2dに面するその内側部42a2が、環状支持部材2の内環2Aの開口2d端との間に比較的狭い隙間L1を設けて対面するように位置付けする。
また、モールド成形されたリング部材42の径方向延出長さが短い他方の小さなフランジ42bを、その外周縁42b2が、前記環状支持部材2の内環2Aの左方端開口2d近傍の内方で該環状支持部材2の内環2Aの内径に達することのない径方向位置まで延びて、このフランジ42bの外周縁42b2が、環状支持部材2の内環2Aの内径との間に比較的狭い隙間L2を設けて対面するように位置付けする。
結局、ストッパピース4の上述の圧入嵌合の完了は、モールド成形されたリング状被覆部42の図2における図示左方端の大きなフランジ42aを、環状支持部材2の内環2Aの左方開口2d外側において該内環2Aに対して前記軸方向の小さな隙間L1をもって、また、やや中央寄りの小さなフランジ42bを、環状支持部材2の内環2Aの該開口2dの内方において該環状支持部材2の内環2Aに対して前記径方向の小さな隙間L2をもって、それぞれ位置付けする。
また、モールド成形されたリング状被覆部42の大きなフランジ42aの外側部、すなわち、ストッパピース4の左方端端部面4aの一部を覆う、より具体的には、ピース本体41の一端端部面41aの溝部41a1内をストッパピース4の内周側へ向って延びる被覆部42a3のその延長端に設けられた該端部面41aの内周側41a2の面取り部41a3(図8参照)を覆う環状被覆部42a4は、図2に図示のようにその突出部42a5がプロペラシャフト1の外周テーパ部1eの周面に当接し、ストッパピース4とプロペラシャフト1との圧入嵌合部におけるシール効果を高めている。
本実施例のプロペラシャフト1の支持構造部は、上述した構造を備えるから以下のような作用効果を奏するものである。
ストッパピース4は、そのプロペラシャフト1への圧入嵌合による軸方向における位置決めにおいて、その筒部外周部4Aが、合成樹脂等からなるシール部材S1の環状弾性リップ内周S1bに回転摺動可能に接触するが、ストッパピース4はその左方端端部面4aの一部を除く外周部4A全面がモールド一体成形の合成樹脂またはゴムにより被覆され、該被覆部42が、より具体的には、該被覆部42の潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層が合成樹脂等からなる前記シール部材S1の環状弾性リップ内周S1bと直接回転摺動接触することになるので、本質的には鋼材等からなる金属製のストッパピース4であってもその金属面が直接合成樹脂等からなるシール部材S1と回転摺動接触することがないので、金属と合成樹脂等からなるシール部材S1との接触による特有の擦れるような不快な異音の発生が解消される。
また、ストッパピース4外周部4Aとシール部材S1との回転摺動接触は、実質的に潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層42c2とシール部材S1の合成樹脂等からなる環状弾性リップ内周S1b間の直接的な摺動接触によりなされるから、該摺動接触部における摩擦の発生が低く抑えられて熱の発生も少ないので、ストッパピースやシール部材の磨耗が防止され、その耐久性を向上させることができる。さらに、プロペラシャフトの円滑な回転が確保される。
環状支持部材2の内環2Aの図示左方端(前端)開口2dが、ストッパピース4のプロペラシャフト1への圧入嵌合において、そのモールド成形リング状被覆部42左方端の大きなフランジ42aにより覆われるから、プロペラシャフト1の軸受部の前方から泥水や塩水がかかった場合においても、センタベアリング3を内在する内環2A内への泥水や塩水の直接的な浸入は略完全に阻止することができる。
また、たとえストッパピース4外周部4Aのモールド成形リング状被覆部42左方端の大きなフランジ42aと内環2Aとの隙間から水が浸入するようなことがあっても、このような水はリング状被覆部42の大きなフランジ42aと小さなフランジ42b間の環状溝部42に案内されて下方へ落下し、内環2Aの内部に水が浸入することは阻止される。
なお、環状支持部材2の内環2Aの右方端(後端)開口2e(図1参照)は、プロペラシャフト1の大径軸部1cにより塞がれるようになされるとともに、大径軸部1cと、これに連なる中径軸部1bにそれぞれ水切り用の環状溝部1b1,1c1が形成されているから、この溝部1b1,1c1により上記と同様に水の浸入が阻止される。
環状支持部材2の内環2A内のセンタベアリング3は、その前後(図示左右)をシール部材S1,S2によりシールされているが、さらに上記のように内環2Aの前後端(図示左右端)の開口2d,2eで水の浸入が防止されるので、泥水や塩水等からセンタベアリング3が確実に保護される。
ストッパピース4の左方端端部面4aの一部を除く外周部4A全面にモールド成形被着されたリング状被覆部42は合成樹脂またはゴム製であるから、該リング状被覆部42は塩水等によっても腐食することがなく、長期に亘って内環2Aの図示左方端開口2dを該被覆部42の左方端の大きなフランジ42aで覆いシール効果を高く維持することができる。また、リング状被覆部42は塩水等との直接接触によっても錆を発生することがなく、金属に起こりがちな錆の発生により腐食して膨れて変形することがないから、該変形により回転時に他の隣接部材と接触して異音を発することはない。
ストッパピース4の左方端の端部面4aは、モールド一体成形の合成樹脂またはゴム製のリング状被覆部42左方端の大きなフランジ42aの外側部42a1からピース4の内周側に向けて延長する被覆部42a3により部分的に覆われ、すなわち、より具体的にはピース本体41の左方端端部面41aの溝部41a1内を延びる被覆部42a3と、この被覆部42a3の延長端に連接する該端部面41a内周側41a2の面取り部41a3を全面的に覆う環状被覆部42a4とで覆われ、とりわけ、泥水や塩水等が溜まりやすい面取り部41a3(図8参照)が全面的に前記環状被覆部42a4により覆われるから、面取り部41a3における錆の発生による腐蝕損傷が防止されるので、ストッパピース4の耐久性を向上させることができる。
ストッパピース4の左方端端部面4a、より具体的にはピース本体11の左方端端部面41aの内周側41a2の面取り部41a3を被覆する環状の被覆部42a4は、ストッパピース4の内周部4fにおいて突出する突出部42a5を備えるから、ストッパピース4の圧入嵌合に際し、環状被覆部42a4の突出部42a5がプロペラシャフト1の外周テーパ部1eに圧接して潰れるように変形するので、該圧接部における高いシール効果が得られる。
モールド成形(射出成形)の際にストッパピース本体41外周部41Aの環状鍔部41cと長い筒部41eが全面的に樹脂材料の被覆部42により包まれるから、該リング状被覆部42はストッパピース本体41とのモールド成形による被着強度が強化されており、長期に亘る使用においても弛みやがたつきの発生はなく、脱落も防止され、該リング状被覆部42のモールド成形被着部からの泥水等の浸入は長期に亘り確実に阻止される。
また、ストッパピース本体41の外周部41Aの所定部に、セレーション41h等の凹凸条部(図5参照)を設ける選択がなされれば、モールド成形によるリング状被覆部42の一体成形被着がより強固になされ、リング状被覆部42は長期の使用においても弛んだりがたついたりすることはなく、脱落することもない。
合成樹脂またはゴム製のリング状被覆部42は射出成形等によるモールド成形でストッパピース本体41に一体被覆されるから、その成形が容易であり、生産性の向上が図られ、製造コストが低減される。また、合成樹脂は比較的軽量であるから、プロペラシャフト1の支持構造部の軽量化に寄与する。さらに、撥水性樹脂の使用により、リング状被覆部42の図示左方端寄りの外周部環状溝部42d(ラビリンス部)に入り込んだ泥水等は滞留することなく直ぐに流れ去るので、環状支持部材2の内環2Aの内部への該泥水の浸入は略完全に阻止される。
また、リング状被覆部42のモールド成形前のストッパピース本体41自体は、フランジを有せず、単にその外周部41Aの一端(図示左方端)に一条の環状鍔部41cが形成されるという比較的単純な円筒形状であるから、その加工が容易であり、製造コストを低く抑えることができる。
ストッパピース本体41の左方端端部面41aの一部を除く外周部41A全面にモールド成形によるリング状被覆部42を予め被着してストッパピース4が形成され、このストッパピース4が、プロペラシャフト1の小径軸部1aに圧入嵌合されるので、効率の良い組付けを行なうことができ、生産性の向上が図られる。
本発明の実施例に係るプロペラシャフト支持構造部を示す一部断面とした側面図である。 本発明のプロペラシャフト支持構造部の要部を示す一部断面とした拡大図である。 本発明のストッパピースを示す図であり、(a)はその一部を断面で示す側面図、(b)はその端面図である。 本発明のストッパピースを示す斜視図である。 本発明のストッパピースの別の態様を示す図4と同様の図である。 本発明のリング状被覆部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は斜視図である。 本発明のストッパピースを示す図であり、(a)は端面図であり、(b)は一部が断面で示される側面図である。 図7の(a)におけるVIII−VIII断面図である。 本発明のストッパピースの別の態様を示す図である。 従来の発明のプロペラシャフト支持構造部を示す図であり、(a)は、該支持構造部の一部を断面とした側面図、(b)は、部品図である。 従来の他の発明の部品図であり、そのストッパピースのみが示される図である。
符号の説明
1・・・プロペラシャフト、1e・・・テーパ部、2・・・環状支持部材、2A・・・内環、2B・・・外環、2C・・・ゴム弾性部材、2a・・・小径部、2b・・・中径部、2c・・・大径部、2d・・・前端開口、2e・・・後端開口、3・・・センタベアリング、3a・・・インナレース、3a1・・・左側面、3a2・・・右側面、3b・・・アウタレース、3b1・・・左側面、3b2・・・右側面、4・・・ストッパピース、4A・・・外周部、4a・・・左方端端部面、4b・・・右方端端部面、41・・・ストッパピース本体、41A・・・外周部、41a・・・左方端端部面、41a1・・・溝部、41a2・・・内周部、41a3・・・面取り部、41a4・・・露出部、41b・・・右方端端部面、41c・・・環状鍔部、41d・・・段部、41e・・・筒部、41e1・・・筒部外周、41f・・・内周部、41g・・・拡径部、41h・・・セレーション、41i・・・環状溝部、42・・・リング状被覆部、42a・・・大きなフランジ、42a1・・・外側面、42a2・・・内側面、42a3・・・端面被覆部、42a4・・・環状被覆部、42a5・・・突出部、42a6・・・円弧状開孔、42b・・・小さなフランジ、42c・・・筒部被覆部、42c2・・・樹脂コート層、42d・・・環状溝部、L1,L2・・・隙間、S1,S2・・・シール部材、S1a,S2a・・・装着金具、S1b,S2b・・・環状弾性リップ内側。

Claims (3)

  1. 弾性部材により互いに接続される内環と外環とを備えた環状支持部材の内環内側で、センタベアリングを介してプロペラシャフトを軸支するプロペラシャフト支持構造において、
    円筒状ストッパピースがその内周部において前記プロペラシャフトに圧入嵌合され、その外周部において前記内環内側に装着保持されるシール部材と回転摺動接触し、かつその後端が前記センタベアリングのインナレースに当接して該センタベアリングを軸方向所定位置に位置決め固定すると共に、その前端のフランジが前記内環内側への前端開口を覆うストッパピースを備え、
    前記ストッパピースは、金属製のピース本体と、該本体の前端端部面の一部を除く外周部全面に一体にモールド成形されて該ストッパピースに前記フランジを具備させる合成樹脂またはゴムからなるリング状被覆部とからなり、
    前記リング状被覆部のフランジはその外側部に該ストッパピースの内周側に向って延びる端面被覆部を備え、該端面被覆部は、前記ストッパピース本体の前記前端端部面に形成された溝部内を延びて該端部面の一部を被覆すると共にその外側面が前記前端端部面の非被覆部端面と略同一平面を形成するものであって、
    前記ストッパピース外周部における前記シール部材との回転摺動接触は前記モールド成形のリング状被覆部の一部でなされていることを特徴とするプロペラシャフト支持構造。
  2. 前記ストッパピース外周部における前記シール部材との回転摺動接触がなされる前記モールド成形リング状被覆部の一部は、潤滑性の高い低摩擦係数の樹脂コート層の形成部であることを特徴とする前記請求項1に記載のプロペラシャフト支持構造。
  3. 前記ストッパピース本体の前端端部面の溝部内を延びる端面被覆部は、その延長端に連接して該端部面の内周側の面取り部を全面的に被覆する環状被覆部を備えていることを特徴とする前記請求項1に記載のプロペラシャフト支持構造。

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