JP4386351B2 - 部品移載装置、表面実装機および部品検査装置 - Google Patents

部品移載装置、表面実装機および部品検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、吸着ヘッドを有するヘッドユニットを複数の組立体に分割可能に構成した部品移載装置、表面実装機に関するものである。
従来、例えば電子部品をプリント配線板に実装する表面実装機や、電子部品を検査する部品検査装置には、吸着ノズルによって電子部品を吸着して移載させる部品移載装置が装備されている。この種の部品移載装置は、水平面上を互いに直交する2方向に移動するヘッドユニットと、このヘッドユニットに垂直な軸線上で回動自在かつ上下方向に移動自在に支持された吸着ヘッドと、この吸着ヘッドを垂直な軸線上で回動させる回転方向の駆動装置(以下、これを単にR軸駆動装置という)と、前記吸着ヘッドを上下方向に移動させる上下方向の駆動装置(以下、これを単にZ軸駆動装置という)と、前記吸着ヘッドの下端部に取付けられた吸着ノズルなどによって構成されている。
従来のこの種の部品移載装置は、例えば特許文献1に示された表面実装機に装備されている。この公報に開示された部品移載装置は、ヘッドユニットを水平方向に移動させる移動装置にヘッドユニットが着脱可能に取付けられている。このヘッドユニットは、吸着ヘッドの種類や数の異なるものが複数種類形成され、使用する実装用部品に合わせて交換される。例えば、前記従来の表面実装機においては、小型の実装用部品を実装する場合は小型部品用の吸着ヘッドを有するヘッドユニットが取付けられ、大型の実装用部品を実装する場合には、大型部品用の吸着ヘッドを有するヘッドユニットが取付けられる。このようにヘッドユニットを交換することによって、一つの表面実装機で取り扱うことができる実装用部品の種類、大きさを増大させることができる。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特開平9−205299号公報(第3−4頁、第4図)
しかしながら、ヘッドユニットは、吸着ヘッドと、この吸着ヘッドを駆動するR軸駆動装置およびZ軸駆動装置などが設けられているために重量が重くなるから、従来の部品移載装置においては、ヘッドユニットを交換する作業に多大な労力を要するという問題があった。また、従来の部品移載装置は、交換用のヘッドユニットにも全ての構成部品(吸着ヘッドと、R軸駆動装置およびZ軸駆動装置)が装備されているから、コストアップになるという問題もあった。すなわち、例えば吸着ヘッドが異なるだけであってもR軸駆動装置とZ軸駆動装置とをヘッドユニットに装備しなければならず、これら両装置を装備する分だけコストアップになる。
さらに、従来の部品移載装置は、前記構成部品のうちの一つにでも破損や故障などの不具合が発生すると、ヘッドユニットを移動装置から取外して修理するか、ヘッドユニットを移動装置に組付けた状態のままで分解して修理しなければならない。このため、メンテナンスの時間が著しく長くなるという問題があった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、取り扱うことができる電子部品の種類や大きさなどの適応範囲を広くとることができる構成を採りながら、ヘッドユニットのコストダウンを図るとともに、メンテナンスを容易に行うことができるようにすることを目的とする。
この目的を達成するため、本発明に係る部品移載装置は、吸着ノズルを支持する吸着ヘッドを垂直な軸線上で回動させる第1の駆動装置と、前記吸着ヘッドを上下方向に移動させる第2の駆動装置とがヘッドユニットに設けられた部品移載装置において、下端部に前記吸着ノズルが設けられた下部ノズルシャフトと、この下部ノズルシャフトの上端部に継手によって着脱可能に取付けられた上部ノズルノズルシャフトとによって前記吸着ヘッドを構成し、前記下部ノズルシャフトをヘッドユニットの本体部に着脱可能に取付けられた第1の支持部材に回動自在かつ上下方向に移動自在に支持させ、前記第1の支持部材の上方において前記本体部に着脱自在に取付けられた第2の支持部材に、前記上部ノズルシャフトを回動自在かつ上下方向に移動自在に支持させるとともに、前記第1の駆動装置を支持させ、前記継手を前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との間に位置させ、前記上部ノズルシャフトに前記第1の駆動装置を接続するとともに、前記下部ノズルシャフトまたは上部ノズルシャフトの一方に前記第2の駆動装置を着脱可能に接続したものである。
請求項2に記載した発明に係る部品移載装置は、請求項1に記載した発明に係る部品移載装置において、前記第1の駆動装置を、前記ヘッドユニットの本体部に取付けられるモータと、前記第2の支持部材の前面に左右方向に移動自在に支持されたラックと、このラックが前方より噛合するとともに前記モータに接続された第1のピニオンと、前記ラックが前方より噛合するとともに前記上部ノズルシャフトに対し上下方向に移動自在かつ回転を伝達する第2のピニオンとによって構成したものである。
請求項3に記載した発明に係る部品移載装置は、請求項1または請求項2に記載した発明に係る部品移載装置において、ヘッドユニットの本体部に第3の支持部材を着脱可能に取付け、この第3の支持部材に第2の駆動装置を支持させたものである。
請求項4に記載した発明に係る表面実装機は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載した発明に係る部品移載装置によって実装用部品を部品供給部からプリント配線板上へ移載させるものである。
請求項5に記載した発明に係る部品検査装置は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載した発明に係る部品移載装置によって被検査用電子部品を部品供給部から検査装置上へ移動させるものである。
本発明によれば、下部ノズルシャフトを上部ノズルシャフトから取外すとともに、第1の支持部材をヘッドユニットの本体部から取外すことによって、下部ノズルシャフトと、吸着ノズルと、第1の支持部材とが一つの組立体になる状態でヘッドユニットの本体部から取外すことができる。すなわち、本発明に係る部品移載装置は、前記下部ノズルシャフトと吸着ノズルと第1の支持部材とからなる組立体をヘッドユニットの本体部に着脱することができる。
このため、本発明に係る部品移載装置は、多くの種類の実装用電子部品を使用可能とするためにヘッドユニット全体を交換する従来の部品移載装置に較べて、必要な部分の部品のみを交換するだけでよく、他の第1、第2の駆動装置などの部品は交換する必要はないから、交換作業に要する時間を短縮することができるとともにコストダウンを図ることができる。
また、この部品移載装置は、上述したように吸着ノズルと下部ノズルシャフトとを前記本体部に対して容易に着脱することができるから、吸着ノズルが破損した場合にこれを容易に交換することができ、空気吸引用通路の清掃(メンテナンス)を行う場合には広い作業スペースがある作業台の上などで容易に行うことができる。
また、本発明によれば、上部ノズルシャフトが下部ノズルシャフトから切り離されている状態で第2の支持部材をヘッドユニットの本体部から取外すことによって、上部ノズルシャフトと第1の駆動装置とが一つの組立体になる状態でヘッドユニットの本体部から取外すことができる。すなわち、この発明に係る部品移載装置は、前記第2の支持部材と第1の駆動装置とからなる組立体を前記本体部に対して着脱することができる。
このため、この発明に係る部品移載装置は、前記第1の駆動装置をその特性(回転速度)の異なるものに容易に交換することができるから、これと同等のことをヘッドユニット全体を交換することによって行う場合に較べて必要な部品のみを交換することができ、交換作業に要する時間を短縮することができるとともにコストダウンを図ることができる。また、この発明に係る部品移載装置は、前記上部ノズルシャフトと第1の駆動装置をヘッドユニットの本体部に対して容易に着脱することができるから、これらの部品、装置のメンテナンスを前記本体部から取外して作業スペースが広い作業台上などで容易に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、第3の支持部材をヘッドユニットの本体部から取外すことによって、この第3の支持部材と第2の駆動装置とが一つの組立体になる状態で前記本体部から取外すことができる。すなわち、この発明に係る部品移載装置は、前記第3の支部部材と前記第2の駆動装置とからなる組立体を前記本体部に対して着脱することができる。
このため、この発明に係る部品移載装置は、前記第2の駆動装置をその特性(昇降速度)の異なるものに容易に交換することができるから、これと同等のことをヘッドユニット全体を交換することによって行う場合に較べて必要な部品のみを交換することができ、交換作業に要する時間を短縮することができるとともにコストダウンを図ることができる。また、この発明に係る部品移載装置は、前記第3の支持部材と第2の駆動装置をヘッドユニットの本体部に対して容易に着脱することができるから、これらの部品、装置のメンテナンスを前記本体部から取外して作業スペースが広い作業台上などで容易に行うことができる。
請求項4記載の発明に係る表面実装機は、構成部品が着脱可能な部品移載装置を使用しているから、これらの構成部品の交換やメンテナンスを行うために停止する時間が短くなる。このため、この発明によれば、部品実装の能率が高い表面実装機を提供することができる。
請求項5記載の発明に係る部品検査装置は、構成部品が着脱可能な部品移載装置を使用しているから、これらの構成部品の交換やメンテナンスを行うために停止する時間が短くなる。このため、この発明によれば、部品を検査する能率が高い部品検査装置を提供することができる。
以下、本発明に係る部品移載装置の一実施の形態を図1ないし図6によって詳細に説明する。ここでは、本発明に係る部品移載装置を表面実装機に装備した例について説明する。
図1は本発明に係る部品移載装置を装備した表面実装機の平面図、図2は表面実装機の上部の正面図、図3はヘッドユニットを拡大して示す正面図、図4は同じく側面図で、同図は一部を破断した状態で描いてある。図5はヘッドユニットの構成部品を分解した状態を示す側面図、図6は大型部品用の吸着ノズル組立体を装備したヘッドユニットの正面図である。
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による表面実装機を示す。この表面実装機1は、基台2の上部でプリント配線板3を搬送するコンベア4と、後述するヘッドユニット5を図1において左右方向(以下、この方向を単にX方向という)とX方向と直交する前後方向(以下、この方向をY方向という)とに移動させる移動装置6とを備えている。前記ヘッドユニット5と移動装置6とによって本発明でいう部品移載装置が構成されている。前記コンベア4は、プリント配線板3を図1において左方に搬送し、図示していないクランプ機構によって作業位置に保持するように構成されている。このコンベア4の両側方には、部品供給用のテープフィーダ7と、吸着ノズル8(図2参照)に吸着された実装用部品9等を下方から撮像する部品認識装置10とが設けられている。
前記移動装置6は、前記コンベア4の上方でY方向に沿って延びる2本の固定レール11,11を有するY方向移動装置12と、前記固定レール11,11どうしの間に架け渡された可動レール13を有するX方向移動装置14とによって構成されている。前記ヘッドユニット5は、前記X方向移動装置14に取付けられている。前記ヘッドユニット5と移動装置6は、図示していない制御装置によって移動方向、距離、速度などが制御される。
前記Y方向移動装置12は、前記固定レール11に沿って延びるボールねじ軸15と、このボールねじ軸15を駆動するY軸サーボモータ16とによってX方向移動装置14の可動レール13をY方向に往復動させる。前記可動レール13は、前記ボールねじ軸15のナット部材15aに固定されている。前記Y軸サーボモータ16には、エンコーダからなる位置検出手段17が設けられている。
前記X方向移動装置14は、X方向に延びる可動レール13に並設されたボールねじ軸18と、このボールねじ軸18を駆動するX軸サーボモータ19とによってヘッドユニット5をX方向に往復動させる。前記X軸サーボモータ19には、エンコーダからなる位置検出手段20が設けられている。
前記ヘッドユニット5は、図2〜図4に示すように、X方向と上下方向(以下、この方向を単にZ方向という)とに延びるように形成されたベースプレート21を有し、このベースプレート21に後述する各部材・装置を取付けることによって組立てられている。このヘッドユニット5は、前記ベースプレート21をによって前記X方向移動装置14に取付けられている。このベースプレート21によって、本発明でいうヘッドユニットの本体部が構成されている。
前記ベースプレート21には、前記吸着ノズル8が下端部に装着された第1〜第8の吸着ヘッド22〜29と、これらの吸着ヘッド22〜29をZ方向に移動させるZ軸駆動装置31(図4参照)と、これらの吸着ヘッド22〜29を垂直な軸線上で回動させるR軸駆動装置32と、下方を指向するカメラ33を有する画像認識装置34と、吸着ヘッド毎の真空発生機35(図4参照)とが設けられている。前記画像認識装置34は、プリント配線板3上の位置決めマーク(図示せず)をカメラ33によって撮像し、プリント配線板3の位置やX・Y方向に対する角度などを検出するためのもので、前記ベースプレート21の下端部に取付けられている。前記真空発生機35は、前記吸着ノズル8から空気を吸引するために負圧を発生させたり、部品載置時に正圧の空気を供給するもので、第1〜第8の吸着ヘッド22〜29毎に設けられ、それぞれ前記ベースプレート21の上端部に取付けられている。
前記吸着ヘッド22〜29は、前記ベースプレート21の前方(図3において紙面より手前側であって図4において左方)でZ方向に延びるノズルシャフト36と、このノズルシャフト36の下端部に設けられた前記吸着ノズル8などによって構成されている。前記ノズルシャフト36は、前記ベースプレート21の前面の下端部に位置する下側支持部材37によって回転自在かつZ方向に移動自在に支持された下部ノズルシャフト36aと、この下部ノズルシャフト36aの上端部に軸継手38を介して着脱可能に接続された上部ノズルシャフト36bとから構成されている。
前記下側支持部材37は、ベースプレート21の下端部の前面に取付用ボルト37a(図4参照)によって着脱可能に取付られている。この下側支持部材37によって、本発明でいう第1の支持部材が構成されている。前記軸継手38は、固定用ボルト38aを締付けることによって下部ノズルシャフト36aと上部ノズルシャフト36bとに固定され、この固定用ボルト38aを緩めることによって、下部ノズルシャフト36aと上部ノズルシャフト36bを取外すことができるように構成されている。
この下部ノズルシャフト36aと上部ノズルシャフト36bの軸心部には、吸着ノズル8内の空気通路(図示せず)に接続された空気通路39(図5参照)が形成されている。この空気通路39は、前記吸着ノズル8から下部ノズルシャフト36aおよび上部ノズルシャフト36bの内部を通って上方に延び、図5に示すように、上部ノズルシャフト36bの上端面に開口している。また、前記空気通路39は、図5に示すように、上部ノズルシャフト36bの上端部に取付けられた後述する接続部材41と、この接続部材41の上端部に接続された空気パイプ42とによって前記真空発生機35に接続されている。
前記接続部材41は、前記真空発生機35に一端部が接続されることによって移動が規制された前記空気パイプ42の他端部に上部ノズルシャフト36aを回動自在に接続するためのもので、上部ノズルシャフト36aに取付けられた内筒41aと、この内筒41aに軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されかつ前記空気パイプ42の接続用継手42aに着脱可能に取付けられた外筒41bとから構成されている。
前記8本の下部ノズルシャフト36aのうち第1、第3および第5の吸着ヘッド22,24,26の下部ノズルシャフト36aは、それぞれ3種類の吸着ノズル8が交換可能に装備されている。これら3種類の吸着ノズル8を交換する機構は、例えば特開2000−36696号公報に開示されている機構を採用することができる。図3に示された下部ノズルシャフト36aのうち他の下部ノズルシャフト36aは、吸着ノズル8が一つだけ設けられている。これらの下部ノズルシャフト36aの上端部には、後述するZ軸駆動装置31を接続するためのブラケット43が取付けられている。
前記上部ノズルシャフト36bは、図3および図4に示すように、前記ベースプレート21の上部に設けられた上側支持部材44に回転自在かつZ方向に移動自在に支持されている。この上側支持部材44は、平面視において装置後方(図4においては右方)に向けて開放するコ字状に形成され、後端部が前記ベースプレート21の前面に取付用ボルト44aによって着脱可能に取付けられている。この上側支持部材44によって、本発明でいう第2の支持部材が構成されている。
前記Z軸駆動装置31は、図4に示すように、前記上部ノズルシャフト36bと平行にZ方向に延びるラック45と、各ラック45に噛合するピニオン46を有するサーボモータ47,48などによって吸着ノズル22〜29をそれぞれZ方向に駆動する。このZ軸駆動装置31によって、本発明でいう第2の駆動装置が構成されている。
前記ラック45は、吸着ヘッド22〜29毎に設けられており、前記ベースプレート21に着脱可能に取付けられたフレーム49にレール51とスライダ50とを介してZ方向に移動自在に保持されている。
前記フレーム49は、装置後方(図4においては右方)に向けて開放する平面視コ字状に形成されたフレーム本体49aと、このフレーム本体49aの開放側端部に図示していない固定用ボルトによって固定されたモータ用支持板49bとから構成されている。このフレーム49は、前記フレーム本体49aを前記ベースプレート21の貫通穴21aに装置後方から挿入し、前記モータ用支持板49bをベースプレート21の背面に取付用ボルト(図示せず)によって取付けることによって、ベースプレート21に固定されている。この実施の形態によるZ軸駆動装置31は、このフレーム49を介して前記ベースプレート21に支持されている。このフレーム49によって、本発明でいう第3の支持部材が構成されている。
前記スライダ50は、前記フレーム49に固定されるとともにレール51をZ方向に移動自在に保持している。また、前記レール51は、前記ラック45とともに移動するようにラック45に固定されている。このレール51の下端部は、前記上側支持部材44の中空部44b内を下方に延び、連結部材52と前記ブラケット43とを介して前記下部ノズルシャフト36aに接続されている。前記連結部材52は前記ブラケット43に取付用ボルト43aによって着脱可能に取付けられている。
前記サーボモータ47,48は、図3に示す正面視において、互いに隣り合う2本の上部ノズルシャフト36b,36bの間となる部位(吸着ヘッド22と吸着ヘッド23の間、吸着ヘッド24と吸着ヘッド25の間、吸着ヘッド26と吸着ヘッド27の間、吸着ヘッド28と吸着ヘッド29の間)に配設され、図4に示すように、前記ベースプレート21から後方に突出する状態で上下方向に並べて設けられている。これらのサーボモータ47,48は、前記モータ用支持板49bを貫通する状態でこのモータ用支持板49bに支持されている。
これらのサーボモータ47,48のうち、下側に位置するサーボモータ47のピニオン46は、前記互いに隣り合う2本の上部ノズルシャフト36b,36bのうち図3において左側に位置する上部ノズルシャフト36bの(軸継手38、下部ノズルシャフト36a、ブラケット43および連結部材52を介して上下方向において連結される)ラック45に噛合し、上側に位置するサーボモータ48のピニオン46は、右側に位置する上部ノズルシャフト36bのラック45に噛合している。
この実施の形態によるZ軸駆動装置31の各ラック45,45…は、バックラッシによる誤差をなくすために、二つの部材に分けて形成され、一方の半部のラックの歯と他方の半部のラックの歯とによって噛み合うピニオン46の歯を両側から挟むように構成されている。
前記R軸駆動装置32は、図4に示すように、前記上側支持部材44の前面にレール51とスライダ52とによってX方向に移動自在に支持された第1のラック53および第2のラック54と、これらのラック53,54の一端部に噛合するラック駆動用ピニオン55を駆動する第1のサーボモータ56および第2のサーボモータ57と、前記第1のラック53または第2のラック54に噛合する吸着ヘッド毎のピニオン58とから構成されている。このR軸駆動装置32によって、本発明でいう第1の駆動装置が構成されている。
前記レール51は、X方向に延びる状態で前記上側支持部材44に固定され、スライダ52は、前記レール51に移動自在に支持されるとともに前記第1および第2のラック53,54に固定されている。
前記第1のラック53は、第1〜第4の吸着ヘッド22〜25の上部ノズルシャフト36bにおける上側支持部材44より下側の部位に軸装されたピニオン58に噛合し、前記第2のラック54は、第5〜第8の吸着ヘッド26〜29の上部ノズルシャフト36bにおける上側支持部材44より上側の部位に軸装されたピニオン58に噛合している。
これらのピニオン58は、前記上側支持部材44にZ方向への移動が規制された状態で回転自在に支持されており、前記上部ノズルシャフト36bに図示していないボールスプライン機構を介して接続されている。すなわち、前記ピニオン58が前記ラック54の移動により回転することによって、ピニオン58の回転がボールスプライン機構を介して上部ノズルシャフト36bに伝達され、吸着ヘッド22〜29が吸着ノズル8とともに回る。また、上部ノズルシャフト36bが前記Z軸駆動装置31によってZ方向に移動させられる場合は、Z方向の駆動力が前記ボールスプライン機構によって遮断されるために、前記ピニオン58がZ方向に押圧されることはない。
前記第1のサーボモータ56と第2のサーボモータ57は、図3に示すように、前記ベースプレート21の上端部であってX方向の両端部にモータ支持用ブラケット59を介して取付けられている。また、これらの第1および第2のサーボモータ56,57は、出力歯車60に噛合する減速用歯車61を介して前記ラック駆動用ピニオン55に接続されている。
この実施の形態によるR軸駆動装置32の各ピニオン55,58と前記減速用歯車61は、バックラッシによる誤差をなくすために、二つの部材に分けて形成され、一方の半部と他方の半部とによってラック53,54や出力歯車60の歯を挟持するように構成されている。
上述したように構成されたヘッドユニット5は、図5に示すように、第1〜第4の組立体71〜74を互いに組み合わせることによって構成されている。第1の組立体は、前記ベースプレート21と真空発生機35とによって構成されている。第2の組立体72は、下部ノズルシャフト36aと、下側支持部材37と、ブラケット43と、吸着ノズル8とから構成されている。第3の組立体73は、Z軸駆動装置31とフレーム49とから構成され、第4の組立体74は、上部ノズルシャフト3bと、R軸駆動装置32と、上側支持部材44とから構成されている。これらの組立体71〜74のうち第2の組立体72〜第4の組立体74は、第1の組立体71に着脱可能に取付られている。
第2の組立体72は、図3および図4に示す組立状態から下部ノズルシャフト36aを上部ノズルシャフト36bから取外すとともに、下側支持部材37をベースプレート21から取外すことによって、他の組立体から取外すことができる。下部ノズルシャフト36aを上部ノズルシャフト36bから取外すに当たっては、軸継手38から下部ノズルシャフト36aを外すとともに、Z軸駆動装置接続用ブラケット43から連結部材52を取外すことによって行う。
したがって、この実施の形態によるヘッドユニット5は、下部ノズルシャフト36aと、吸着ノズル8と、ブラケット43と、下側支持部材37とからなる第2の組立体72をベースプレート21に着脱させることができるから、下部ノズルシャフト36aと吸着ノズル8とを他の種類のもの、例えば大型電子部品用のものに容易に交換することができる。すなわち、第2の組立体72として、図3〜図4に示す小型電子部品用のものと、図6に示す大型電子部品用のものとを予め用意しておき、必要に応じてこれらの第2の組立体72を交換する。この場合、それぞれの組立体の下部ノズルシャフト36aは、軸継手38との接続部分を同一の形状、寸法に形成しておく。図6に示すヘッドユニット5は、第2、第4、第6および第8の吸着ヘッド23,25,27,29に大型電子部品用の吸着ノズル8が取付けられている。
このようにヘッドユニット5は、第2の組立体72のみを他の種類のものに容易に交換することができるから、ヘッドユニット全体を交換する従来の表面実装機に較べて、必要な部分の部品のみを交換するだけでよく、第3および第4の組立体73,74の部材、装置は交換する必要はない。しかも、第2の組立体72のみを他の種類のものに交換するときの作業時間は、ヘッドユニット5の全体を別のものに交換する場合に較べて著しく短くなる。
また、このヘッドユニット5は、上述したように吸着ノズル8と下部ノズルシャフト36aをベースプレート21に対して容易に着脱することができるから、吸着ノズル8が破損した場合にこれを容易に交換することができ、吸着ノズル8と下部ノズルシャフト36a内の空気吸引用通路の清掃(メンテナンス)を行う場合には広い作業スペースがある作業台の上などで容易に行うことができる。
前記第3の組立体73は、上述したようにブラケット43から連結部材52を取外し、フレーム49のモータ用支持板49bをベースプレート21から取外すことによって、ベースプレート21から取外すことができる。また、第4の組立体74は、上部ノズルシャフト36bが下部ノズルシャフト36aから切り離されている状態で、空気パイプ42の継手42aを接続部材41から取外すとともに、上側支持部材44をベースプレート21から取外すことによって、ベースプレート21から取外すことができる。すなわち、このヘッドユニット5は、第3の組立体73と第4の組立体74もベースプレート21に対して容易に着脱することができる。
このため、Z軸駆動装置31やR軸駆動装置32をその特性(昇降速度や回転速度)の異なるものに容易に交換することができるから、これと同等のことをヘッドユニットの全体を交換することによって行う場合に較べて必要な部品のみを交換することができる。Z軸駆動装置31またはR軸駆動装置32を交換するために必要な作業時間は、ヘッドユニット5を別のものに交換する場合に較べて短時間となる。
また、この実施の形態によるヘッドユニット5は、Z軸駆動装置31またはR軸駆動装置32が何らかの原因で故障したときに故障した部品のみを容易に交換することができる。しかも、Z軸駆動装置31またはR軸駆動装置32の摩耗した部品の交換などのメンテナンスは、これらの装置をベースプレート21から取外して作業スペースが広くなる作業台上などで容易に行うことができる。
加えて、上述したようにヘッドユニット5は主要構成部品がそれぞれ着脱自在に構成されているから、このヘッドユニット5を装備した表面実装機1は、これらの構成部品の交換やメンテナンスを行うために停止する時間が短くなる。このため、この実施の形態による表面実装機1は、部品実装の能率を向上させることができる。
上述した実施の形態では本発明に係る部品移載装置を表面実装機に装備する例を示したが、本発明に係る部品移載装置は、吸着ノズルによって部品を吸着して移載させる装置であれば、どのようなものにも使用することができる。例えば、被検査用電子部品を部品供給部から部品検査部上へ移動させる部品検査装置に使用することができる。
この部品検査装置は、主要構成部品がヘッドユニットにそれぞれ着脱自在に取付けられた部品移載装置を使用しているから、これらの構成部品の交換やメンテナンスを行うために停止する時間が短くなる。このため、この部品検査装置は部品を検査する能率が向上する。
本発明に係る部品移載装置を装備した表面実装機の平面図である。 表面実装機の上部の正面図である。 ヘッドユニットを拡大して示す正面図である。 ヘッドユニットを拡大して示す側面図である。 ヘッドユニットの構成部品を分解した状態を示す側面図である。 大型部品用の吸着ノズル組立体を装備したヘッドユニットの正面図である。
符号の説明
1…表面実装機、5…ヘッドユニット、8…吸着ノズル、21…ベースプレート、22〜29…第1〜第8の吸着ヘッド、31…Z軸駆動装置、32…R軸駆動装置、36a…下部ノズルシャフト、36b…上部ノズルシャフト、37…下側支持部材、38…軸継手、44…上側支持部材、49…フレーム。

Claims (5)

  1. 吸着ノズルを支持する吸着ヘッドを垂直な軸線上で回動させる第1の駆動装置と、前記吸着ヘッドを上下方向に移動させる第2の駆動装置とがヘッドユニットに設けられた部品移載装置において、下端部に前記吸着ノズルが設けられた下部ノズルシャフトと、この下部ノズルシャフトの上端部に継手によって着脱可能に取付けられた上部ノズルノズルシャフトとによって前記吸着ヘッドを構成し、
    前記下部ノズルシャフトをヘッドユニットの本体部に着脱可能に取付けられた第1の支持部材に回動自在かつ上下方向に移動自在に支持させ、
    前記第1の支持部材の上方において前記本体部に着脱自在に取付けられた第2の支持部材に、前記上部ノズルシャフトを回動自在かつ上下方向に移動自在に支持させるとともに、前記第1の駆動装置を支持させ、
    前記継手を前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との間に位置させ、
    前記上部ノズルシャフトに前記第1の駆動装置を接続するとともに、前記下部ノズルシャフトまたは上部ノズルシャフトの一方に前記第2の駆動装置を着脱可能に接続したことを特徴とする部品移載装置。
  2. 請求項1記載の部品移載装置において、前記第1の駆動装置を、前記ヘッドユニットの本体部に取付けられるモータと、
    前記第2の支持部材の前面に左右方向に移動自在に支持されたラックと、
    このラックが前方より噛合するとともに前記モータに接続された第1のピニオンと、
    前記ラックが前方より噛合するとともに前記上部ノズルシャフトに対し上下方向に移動自在かつ回転を伝達する第2のピニオンとによって構成してなる部品移載装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の部品移載装置において、ヘッドユニットの本体部に第3の支持部材を着脱可能に取付け、この第3の支持部材に第2の駆動装置を支持させてなる部品移載装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の部品移載装置によって実装用部品を部品供給部からプリント配線板上へ移載させる表面実装機。
  5. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の部品移載装置によって被検査用電子部品を部品供給部から検査装置上へ移動させる部品検査装置。
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