JP4386344B2 - 整髪用組成物、ポリマーおよび方法 - Google Patents
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Description
本出願は、本願明細書に引用されて援用される2002年1月18日に出願された米国仮特許出願番号60/349,608の優先権を主張するものである。以下の関連した同一出願人による出願、すなわち、2002年1月18日に出願された米国仮特許出願番号60/349,399の優先権を主張する米国特許出願番号_____は、本出願と同時に出願された。
本発明は、整髪用組成物の分野、特に、特定のレオロジー改質性結合性ポリマーを整髪ポリマーとして含有する整髪組成物に関する。
とても一般的な市販の整髪用組成物としては、溶媒、共存溶媒、および防腐剤、着色剤、芳香剤などのごとき化粧品アジュバントに加えて、整髪(スタイリングまたは固定用)ポリマー、増粘ポリマーおよびポリマー改質剤が挙げられる。整髪ポリマーの存在量は、使用の際に所望される特性および製品の効用に依存して、約0.2〜約10重量%の範囲内で変動し得る。例えば、Ch.30, Harry’s Cosmeticology, 8th Ed., M. J. Rieger, Ph.D.(ed.), 666−667, Chemical Publishing Co., Inc., New York, NY (2000)を参照されたい。
また、整髪用組成物は、見映え(光沢があるか、汚れがないか、自然であるか)、感触(硬さ、不粘着性、軟らかさ)、カール記憶(弾力性および再整髪性)、櫛通りの良さ、かす(剥離)、制電性、滑らかさなどのごとき特性について毛髪を検査したり、触れたり、櫛でとかしたり、ブラシでとかしたり、または器具を用いて、視覚的および触覚知覚的方法によって主観的に評価される。また、慣用の整髪ポリマーには、毛髪を覆って光沢を無くす傾向がある。従って、光沢を無くさない整髪ポリマーが現在も必要とされている。
また、整髪用組成物を毛髪に塗布する前、塗布している最中および塗布した後の美的特性および見映えも重要である。好ましくは、前記製品は、塗布している最中に流れ落ちるのを避けるために、流れ難いすなわち高い粘度であるべきである。製品の透明度は、「清潔な」製品の外観を得るために、実質的に透明すなわち澄んでいることが好ましい。前記製品は、展ばし易く、質感が滑らかであり、粘着が無く、そして毛髪上で比較的素早く乾燥することができるべきである。
毛髪固定剤でもあり増粘剤でもある架橋アクリレートポリマーを得るための従来技術の試みが、Nowakらに対する米国特許第3,726,288号に開示されている。しかしながら、開示されているポリマーは有毒な有機溶媒(ベンゼン)を用いた有機溶媒をベースとした重合法によって生成されたものであり、増粘は達成されたが、毛髪固定性は低かった(72°F(約22℃)および90%の相対湿度における0.5時間後のカール保持率が50%未満であった)。
HASEポリマーは、一般に、低いpH(pH<4.5)において安定したエマルジョンとして重合されるが、ほぼ中性〜中性のpH(pH>5.5〜7)においては水膨潤性または水溶性になる。代表的なHASEポリマーは、pH感受性または親水性モノマー、疎水性モノマーおよび「結合性モノマー」のビニル付加共重合体である。結合性モノマーは、重合可能な末端基、親水性の中央部分および疎水性の末端基を有する。HASEポリマーの詳細な批評は、関連する開示内容が本願明細書に引用されて援用されるGregory D. Shay, Chapter 25, ”Alkali−Swellable and Alkali−Soluble Thickener Technology A Review”, Polymers in Aqueous Media − Performance Through Association, Advances in Chemistry Series 223, J. Edward Glass (ed.), ACS, pp.457〜494, Division Polymeric Materials, Washington, DC (1989)に記載されている。
しかしながら、慣用の整髪用および毛髪固定用ポリマーにはレオロジー改質剤すなわちゲル化剤との相溶性が無いことが多く、このため、粘度の低下、ゲル製品の透明度の欠如、凝集、融合またはコアセルベーションが生じる。従って、特にゲル配合物に好適に用いられる毛髪固定用ポリマーは、主にPVPおよびPVP/VAのごとき中性(すなわち、非荷電性、非イオン性)ポリマーに限定され得るが、これらのポリマーはヘアスタイルまたはカールを維持するのに辛うじて効果がある程度であり、比較的高い湿度条件下においては毛髪に粘り気のある、ベトベトした感触を与え、そして乾燥した毛髪には荒いざらついた感触を与える。さらに、増粘またはゲル化添加剤の必要性は、不必要なカスまたは光沢の無い塗膜が毛髪上に残ってしまうという危険性を高めることになる。
従って、増粘性と毛髪固定性の両方を提供するレオロジー改質性整髪用ポリマーが現在も必要とされ、求められている。驚くべきことに、本願明細書に開示されるある特定の疎水的に改質された結合性ポリマーは、水性整髪用配合物に整髪効果とレオロジー改質の両方を与えることが今では分かっている。
本発明において好適に用いられる前記重合生成物を含んでなる疎水的に改質されたアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性ポリマーは水膨潤性または水溶性であり、(i)本願明細書ではASAPと呼ばれる結合性ポリマーと、(ii)一般にHASEポリマーと呼ばれる群から選択されるポリマーとを含んでなる。驚くべきことに、前記ASAPポリマーおよびHASEポリマーは、水性整髪用組成物中における唯一の(すなわち、活性なまたは主要な)整髪剤として好適に用いられる一方で、それと同時に、増粘、ゲル化または泡安定化のごときレオロジー改質を前記水性媒体に対して行うことが分かった。
特に好ましいレオロジー改質性整髪用ポリマーは、(a)少なくとも1種の酸性ビニルモノマーと、(b)少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマーと、(d)第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー、半疎水性モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、任意に、(e)1種以上の架橋性モノマーまたは連鎖移動剤とを含んでなるモノマー混合物の重合生成物であるアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性モノマー(ASAP)である。モノマー(d)が結合性モノマーである場合、モノマー(c)の第1の疎水性末端基およびモノマー(d)の第2の疎水性末端基は、互いに著しく異なる疎水性および/または立体的性質を有する。
本発明のASAPレオロジー改質性整髪用ポリマーは、レオロジー改質を行うと同時に、ゲル製品に透明度を付与し、驚くほど長持ちする見映えの良いヘアスタイルを提供し、高湿度条件下においても粘着きが出ず、不必要な剥離残留物を毛髪上に残さず、静電気による毛髪の毛羽立ちを制御し、毛髪に光沢、腰および自然な感触を付与し、そしてシャンプーで毛髪から洗い流すことができる。
驚くべきことに、アルカリ膨潤性ASAPをカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーポリマーのごときアニオン性高分子増粘剤と組み合わせて用いることによって、同じ濃度での個々のポリマーの粘度の合計よりも予想以上に高い粘度が得られることが分かった。
また、各種製品形態を用いて、または、RMHSポリマーを染み込ませたもしくはRMHSポリマーでコーティングされた整髪補助器具を用いてRMHSポリマーを毛髪に塗布することによって整髪する方法も本発明の実施態様の1つである。
有利なことに、前記レオロジー改質性整髪用ポリマーを実質的に唯一の主要な整髪剤として用いることによって、他にゲル化剤、増粘剤または泡安定剤を必要とすることなく、本発明の水性整髪用組成物で整髪効果を得ることができる。また、前記水性整髪用組成物は使用のために調製し易く、美観的および美容的に許容範囲内の製品特性を提供する。もう1つの利点とは、前記レオロジー改質性整髪用ポリマーは、加工中に分散させ易く、扱い易い液状で製造および供給することができるので、製造時間や配合費用を削減することができることである。
ある1つの整髪態様において、本願明細書における整髪用組成物の効果は、耐高湿度カール性すなわち高湿度カール保持性(HHCR)を毛髪に与えることができる能力によって判断される。HHCRとは、本願明細書においてさらに詳しく説明されるように、指定された時間間隔で%カール保持率(CR)に換算して測定された、約90%の範囲の高い相対湿度に曝されたときの髪型のカールの弛緩(すなわち、元の形状への復帰)または喪失に対する耐性を意味する。別の態様では、本願明細書においてさらに詳しく説明されるように、整髪用組成物の透明度、使用中の展ばし易さ、使用中の官能特性、および得られる髪型の見映えのごとき整髪用組成物の主観的特性によって、整髪効果が判断される。
本願明細書において単数形または複数形で同義的に用いられる「レオロジー改質性整髪用ポリマー」および「RMHSポリマー」という用語は、整髪効果を与えると同時に水性または水性アルコール媒体のレオロジー特性および/または美観的特性を改質するという二重機能を発揮する疎水的に改質されたアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性ポリマーを意味する。整髪用組成物に対して適用される「美観的特性」という用語およびそれを文法的に変えた表現は、色、透明度、滑らかさ、粘着度、潤滑性、質感などのごとき視覚および触覚精神感覚的製品特性を意味する。好適なレオロジー改質性整髪用ポリマーは、(a)酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)結合性モノマーとを含んでなるモノマー混合物の重合生成物を含んでなる疎水的に改質された結合性ポリマーである。特に好ましい疎水的に改質された結合性ポリマーとしては、(i)本願明細書において以下に詳述するようなASAPと呼ばれる水膨潤性または水溶性結合性ポリマーおよび(ii)一般にHASEポリマーと呼ばれる群から選択されるポリマーが挙げられる。
驚くべきことに、本願明細書に開示される疎水的に改質されたASAPおよびHASEポリマーは、それぞれ、唯一の整髪剤として好適であり、そしてレオロジー改質性整髪用(RMHS)ポリマー含有製品の所望の性能および美観的特性を維持および強化する一方でレオロジー改質を実現または軽減するのに好適である。驚くべきことに、前記アルカリ膨潤性ASAP整髪用ポリマーは、慣用のHASEポリマーよりも効果的な増粘剤であり、高い湿度において整髪効果を維持できることが分かった。必要に応じて、ASAPポリマーとHASEポリマーの組み合わせを用いることができる。前記アルカリ可溶性ASAPポリマーは、その低い粘度、噴霧性および泡安定化性のために、特に有用である。
本発明の好ましいRMHSポリマーは、(a)少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマーと、(d)第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー、半疎水性モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、任意に、(e)1種以上の架橋性モノマーまたは連鎖移動剤とを含有するモノマー混合物を重合することによって調製されるASAPである。モノマー(d)が第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマーである場合、モノマー(c)の第1の疎水性末端基およびモノマー(d)の第2の疎水性末端基は、それぞれ独立して、同じまたは異なる炭化水素類から選択されるが、ただし前記第1および第2の疎水性末端基が同じ炭化水素類から選択される場合、前記2つの疎水性末端基の分子式の炭素数の差は少なくとも約8であることが好ましい。モノマー(c)および(d)が2種以上の結合性モノマーを含んでなる場合、モノマー混合物中における前記少なくとも2種の結合性モノマーの重量比は、約1:1〜約100:1の範囲内にあることが好ましく、1:1〜約20:1の範囲内にあることがさらに好ましく、1:1〜約10:1の範囲内にあることが最も好ましい。
好ましくは、本発明のASAP整髪剤に用いられる結合性モノマーの疎水性末端基は、C8〜C40直鎖アルキル、C8〜C40分岐鎖アルキル、C8〜C40炭素環式アルキル、アリール置換C2〜C40アルキル、C2〜C40アルキル置換フェニルおよびC8〜C80錯エステルからなる群から選択される。前記結合性モノマー(c)および(d)の第1および第2の疎水性末端基は、同じまたは異なる炭化水素類から選択することができる。しかしながら、モノマー(d)が第2の結合性モノマーであり、且つ、前記第1および第2の結合性モノマーは同じ炭化水素類に属する疎水性末端基(例えば、両方の疎水性末端基がC8〜C40直鎖アルキル基である)を有する場合、前記疎水性末端基の分子式は、両式の炭素数の差が好ましくは少なくとも約12、さらに好ましくは少なくとも約10、最も好ましくは少なくとも約8となるように選択される。
特に好ましいアルカリ膨潤性ASAP実施態様では、結合性モノマー(c)または(d)の少なくとも一方が、C8〜C40直鎖アルキル基、さらに好ましくはC12〜C40直鎖アルキル基である疎水性末端基を有する。3種以上の結合性モノマーを用いて本発明のASAPを調製する場合、前記結合性モノマーのうちの少なくとも2種が異なる炭化水素類から選択された疎水性末端基を有することが好ましい。同じ炭化水素類から選択された疎水性末端基を有する3種以上の結合性モノマーを用いて本発明のASAPを調製する場合、炭素数の最も大きい疎水性末端基の分子式と炭素数の最も小さい疎水性末端基の分子式との炭素数の差が少なくとも約12であることが好ましく、少なくとも約10であることがさらに好ましく、少なくとも約8であることが最も好ましい。
しかしながら、前記ASAPのモノマー(d)が第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマーと半疎水性モノマーとの組み合わせを含んでなる場合、前記第1および第2の疎水性末端基の分子式は限定されない。モノマー(d)がそのような組み合わせである場合、前記第1および第2の結合性モノマーは任意の組み合わせの第1および第2の疎水性末端基を含んでなっていてもよく、その際の炭化水素類または疎水性末端基の分子式の炭素数は限定されない。
「Cx−Cy」という形態をとる改質剤は、アルキル基または炭素環式アルキル基が総炭素数がx〜y、ただしxおよびyは特定の整数、である分子式を有することを示している。
アルキル基、アリール基および他の基に関して本願明細書において用いられる「ハロゲン置換」、「ヒドロキシ置換」、「カルボキシ置換」、「ポリオキシアルキレン置換」、「アルキル置換」および「アリール置換」という用語は、アルキル基、アリール基または他の基の少なくとも1つの水素原子が少なくとも1つのハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ポリオキシアルキレン基、アルキル基またはアリール基で置換されていることを意味する。
以下、本発明の二重目的RMHSポリマーの調製に有用な好適なモノマーを説明する。
本発明のRMHSポリマーの調製に好適に用いられる酸性ビニルモノマーは、酸性で重合可能なエチレン性不飽和モノマーである。前記不飽和モノマーは、酸性またはアニオン性官能部位を与える少なくとも1種のカルボン酸基、スルホン酸基またはホスホン酸基を含有していることが好ましい。これらの酸基は、一酸または二酸、カルボン酸の無水物、二酸のモノエステル、およびそれらの塩から誘導することができる。
好適な酸性のビニルカルボン酸含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸など、およびマレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはアコニット酸のC1〜C18アルキルモノエステル、例えばマレイン酸水素メチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸水素ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などのジカルボン酸の無水物も酸性ビニルモノマーとして用いることができる。一般に、そのような無水物は、長期間水に曝されたりpHが高いと、対応する二酸へと加水分解する。
好適なホスホン酸基含有モノマーの例としては、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、3−アクリルアミドプロピルホスホン酸などが挙げられる。
前記モノマーまたはそれらの塩は、本発明のRMHSポリマーの酸性ビニルモノマー成分として、単独でまたは2種以上を混ぜ合わせて用いることができる。アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸のナトリウム塩(SSSA)、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およびそれらのモノエステルまたはモノアミドが好ましい。特に好ましい酸性ビニルモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、SSSAおよびAMPSである。
前記酸性ビニルモノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、前記ポリマーを調製するのに用いられる全モノマー混合物の好ましくは約10〜約75重量%、さらに好ましくは約25〜約65重量%、最も好ましくは約30〜約60重量%を構成する。
本発明のRMHSポリマーの調製に好適に用いられる非イオン性ビニルモノマーは、共重合可能な非イオン性のエチレン性不飽和モノマーである。前記不飽和モノマーは、下記式(I)または(II)
(I) CH2=C(X)Z
(II) CH2=CH−OC(O)R
式中、XはHまたはメチルであり、Zは−C(O)OR1、−C(O)NH2、−C(O)NHR1、−C(O)N(R1)2、−C6H4R1、−C6H4OR1、−C6H4Cl、−CN、−NHC(O)CH3、−NHC(O)H、N−(2−ピロリドニル)、N−カプロラクタミル、−C(O)NHC(CH3)3、−C(O)NHCH2CH2−N−エチレンウレア、−SiR3、−C(O)O(CH2)xSiR3、−C(O)NH(CH2)xSiR3または−(CH2)xSiR3であり、xは1〜約6の範囲の整数であり、Rはそれぞれ独立してC1〜C18アルキルであり、そしてR1はそれぞれ独立してC1〜C30アルキル、ヒドロキシ置換C2〜C30アルキルまたはハロゲン置換C1〜C30アルキルである、
のいずれかを有する。
好適な水溶性非イオン性ビニルモノマーの例としては、C2〜C6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ(メタ)アクリレート;トリス(ヒドロキシメチル)エタンモノ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド;3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド;N−ビニルカプロラクタム;N−ビニルピロリドン;メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア(例えば、CH2=C(CH3)C(O)NHCH2CH2−N−エチレンウレア);メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどのごときC1〜C4アルコキシ置換(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド;並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
特に好ましい非イオン性ビニルモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸のC1〜C8アルキルエステル、メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
前記非イオン性ビニルモノマー(b)は、モノマー混合物の総重量に基づいて、全モノマー混合物の好ましくは約10〜約90重量%、さらに好ましくは約25〜約75重量%、最も好ましくは約30〜約60重量%を構成する。
本発明のRMHSポリマーの製造に好適に用いられる結合性モノマーは、好ましくは系の他のモノマーと付加重合するエチレン性不飽和末端基部分(i)、製品ポリマーに選択的な親水性を付与するポリオキシアルキレン中央部分(ii)およびポリマーに選択的な疎水性を付与する疎水性末端基部分(iii)を有する化合物である。
エチレン性不飽和末端基を供給する部分(i)は、好ましくはα,β−エチレン性不飽和モノもしくはジカルボン酸またはその無水物、さらに好ましくはC3もしくはC4モノもしくはジカルボン酸またはその無水物から誘導される。あるいは、前記結合性モノマーの部分(i)は、アリルエーテルまたはビニルエーテル、米国再発行特許第33,156号もしくは米国特許第5,294,692号に開示されているような非イオン性ビニル置換ウレタンモノマー、または米国特許第5,011,978号に開示されているようなビニル置換尿素反応生成物から誘導することができる。前記各文献の関連のある開示内容は本願明細書に引用されて援用される。
前記結合性モノマーの疎水性末端基部分(iii)は、下記炭化水素類、すなわち、C8〜C40直鎖アルキル、アリール置換C2〜C40アルキル、C2〜C40アルキル置換フェニル、C8〜C40分岐鎖アルキル、C8〜C40炭素環式アルキルおよびC8〜C80錯エステル、のうちの1種に属する炭化水素部分であることが好ましい。
本願明細書および添付の請求の範囲において用いられる「錯エステル」という用語は、C2〜C7アルキレンオキサイドでアルキル化されることができる少なくとも1種のヒドロキシル基を有する糖のごときポリオールのジ、トリまたはポリエステルを意味する。「錯エステル」という用語は、特に、関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用される米国特許第5,639,841号においてJenkinsらによって説明されている錯疎水性物質を包含する。
自然源から誘導される炭素数が約8〜約40である直鎖および分岐鎖アルキル基の例としては、水素化落花生油、大豆油および菜種油(いずれも主にC18)、水素化獣脂油(C16〜C18)など;並びに水素化ゲラニオール(分岐鎖C10)、水素化ファルネソール(分岐鎖C15)、水素化フィトール(分岐鎖C20)などのごとき水素化C10〜C30テルペノール、から誘導されるアルキル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
好適なC8〜C40炭素環式アルキル基としては、コレステロール、ラノステロール、7−デヒドロコレステロールなどのごとき動物性ステロール;フィトステロール、スチグマステロール、カンペステロールなどのごとき植物性ステロール;およびエルゴステロール、菌類ステリンなどのごとき菌類ステロール、から誘導される基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明において有用な他の炭素環式アルキル疎水性末端基としては、シクロオクチル、シクロドデシル、アダマンチル、デカヒドロナフチル、およびピネン、水素化レチノール、ショウノウ、イソボルニルアルコールなどのごとき天然炭素環式材料から誘導される基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
好適なC8〜C80錯エステルの例としては、水素化ヒマシ油(主に、12−ヒドロキシステアリン酸のトリグリセリド);1,2−ジステアリルグリセロール、1,2−ジパルミチルグリセロール、1,2−ジミリスチルグリセロールなどのごとき1,2−ジアシルグリセロール;3,4,6−トリステアリルグルコース、2,3−ジラウリルフルクトースなどのごとき糖のジ、トリまたはポリエステル;および関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用されるRuffnerらに対する米国特許第4,600,761号に開示されているようなソルビタンエステルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
を有するものが挙げられる。
モノマー混合物中の結合性モノマー成分は、独立して、モノマー混合物の総重量に基づいて、モノマー混合物の好ましくは約0.1〜約25重量%、さらに好ましくは約0.25〜約20重量%、最も好ましくは約0.5〜約15重量%を構成する。
驚くべきことに、半疎水性モノマー(SHモノマー)は、それを含有するポリマーの結合性を和らげるので、非常に望ましい質感とレオロジー特性とを有する水性ゲルを生成することができることが分かった。理論に縛られたくはないが、SHモノマーのポリオキシアルキレン基がポリマー中の結合性モノマーの疎水性基の間のあるいは外部成分の間の非特異的な結合を遮断あるいは隠蔽することによってポリマーの結合性を弱めていると考えられている。そのようなSHモノマーは、得られるポリマーの増粘効率および泡安定化性を調整して、選択された用途にとって望ましいようにポリマーのレオロジー特性をカスタマイズすることができる。非常に驚くべきことに、SHモノマーを含有するアルカリ膨潤性ASAPは、一般に望ましいレオロジー特性および美観的特性を水性ゲルに付与し、一般に、すべてのポリマー濃度において、SHモノマーを含有していないアルカリ膨潤性結合性ポリマーよりも軟らかく、滑らかで展ばし易いゲルを提供し、そして24時間に亘って実質的に変化しないままであるブルックフィールド粘度を与えることが分かった。
驚くべきことに、SHモノマーをアルカリ膨潤性ASAPに導入することによって、低い剪断応力におけるゲル粘度を下げることができ、剪断応力の増加に伴う粘度の低下を最小限に抑えるまたは無くすことができ、そしてゲルの剪断低下作用を最小限に抑えるまたは小さくすることができる。例えば、下記実施例1に記載される約3%のBEM25結合性モノマーを有するポリマーCP−5は、約1.2%の活性ポリマー重量濃度において複合粘度法によって測定したとき、1Paの剪断応力において178Pa・sの粘度を有していたが、剪断応力を5Paに高めると複合粘度が43.6Pa・sに下がった。例えば、3%のBEM25結合性モノマーと5%のSHモノマーR307とを含有する実施例1のポリマーAGのように、SHモノマーを前記ポリマーに添加することには2つの効果があった。第1に、約1.2%の活性ポリマー濃度および1Paの剪断応力において測定された複合粘度が106Pa・sに下がった。第2に、剪断応力を5Paに高めても、複合粘度の測定値はほとんど変わらないままであった(105.5Pa・s)。同様に、(例えば実施例1のポリマーAIのように)15%のSHモノマーを添加した場合、約1.2%の活性ポリマー濃度および1Paの剪断応力において測定された複合粘度が46.5Pa・sであったのに対し、5Paの剪断応力において測定された複合粘度は36Pa・sであった。
付加重合のためのビニルまたは他のエチレン性不飽和末端基を供給する不飽和末端基部分(i)は、好ましくはα,β−エチレン性不飽和モノもしくはジカルボン酸またはその無水物、好ましくはC3もしくはC4モノもしくはジカルボン酸またはその無水物から誘導される。あるいは、前記末端基部分(i)は、アリルエーテル、ビニルエーテルまたは非イオン性ウレタンモノマーから誘導することができる。
前記重合可能な不飽和末端基部分(i)は、少なくとも1種の遊離カルボキシ官能基を含有するC8〜C30不飽和脂肪酸基から誘導することもできる。このC8〜C30基は不飽和末端基部分(i)の一部であり、結合性モノマーにぶら下がっている疎水性基とは異なるものである。前記ペンダント疎水性基は、親水性の「スペーサ」部分によって結合性モノマーの不飽和末端基からはっきりと分けられている。
のいずれかを有する化合物が挙げられる。
CH2=CH−O−(CH2)a−O−(C3H6O)b−(C2H4O)c−H
または
CH2=CH−CH2−O−(C3H6O)d−(C2H4O)e−H
式中、aは好ましくは2、3または4であり、bは好ましくは1〜約10、さらに好ましくは約2〜約8、最も好ましくは約3〜約7の範囲の整数であり、cは好ましくは約5〜約50、さらに好ましくは約8〜約40、最も好ましくは約10〜約30の範囲の整数であり、dは好ましくは1〜約10、さらに好ましくは約2〜約8、最も好ましくは約3〜約7の範囲の整数であり、そしてeは好ましくは約5〜約50、さらに好ましくは約8〜約40の範囲の整数である、
を有するモノマーが挙げられる。
本発明のRMHSポリマーの調製に用いられる半疎水性モノマーの量は、とりわけ、ポリマーに望まれる最終的なレオロジー特性および美観的特性に依存して大きく異なる。用いられる場合、モノマー反応混合物は、1種以上の半疎水性モノマーを、モノマー混合物の総重量に基づいて、好ましくは約0.1〜約25重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%、最も好ましくは約1〜約15重量%の範囲の量で含有する。
本発明のRMHSポリマーは、分岐を導入し、且つ、分子量を調整するために1種以上の架橋性モノマー(e)を含んでなるモノマー混合物から任意に調製することができる。好適な多価不飽和架橋剤は当該技術分野において周知である。重合の前後または最中に形成された共重合体を架橋させることができる反応基を有する一価不飽和化合物を用いることも可能である。他の有用な架橋性モノマーとしては、エポキシド基、イソシアネート基および加水分解性シラン基のごとき複数の反応基を含有する多官能性モノマーが挙げられる。様々な多価不飽和化合物を用いて部分的または実質的に架橋された3次元網目構造を形成することができる。
好適な多価不飽和架橋性モノマー成分の例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびトリビニルベンゼンのごとき多価不飽和芳香族モノマー;1,2,4−トリビニルシクロヘキサンのごとき多価不飽和脂環式モノマー;ジアリルフタレートのごときフタル酸の2官能性エステル;並びにイソプレン、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5,9−デカトリエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘプタジエンを初めとするジエン、トリエンおよびテトラエンのごとき多価不飽和脂肪族モノマーなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
複数の反応基を含有する有用な多官能性架橋性モノマーとしては、エチルトリエトキシシランおよびエチルトリメトキシシランのごとき加水分解性シラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメチルオキシシランのごときエポキシ置換加水分解性シラン;1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートへキサン、1,4−フェニレンジイソシアネートおよび4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)のごときポリイソシアネート;グリシジルメタクリレートおよびアリルグリシジルエーテルのごとき不飽和エポキシド;並びにジグリシジルエーテル、1,2,5,6−ジエポキシヘキサンおよびエチレングリコールジグリシジルエーテルのごときポリエポキシドが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
特に好ましい架橋剤の例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジメタクリレート(EOBDMA)などのごとき、少なくとも2種のアクリレートまたはメタクリレートエステル基を有するポリオールのアクリレートおよびメタクリレートエステルが挙げられる。
用いられる場合、架橋性モノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、好ましくはモノマー混合物の約0.01〜約2重量%、さらに好ましくは約0.05〜約1.5重量%、最も好ましくは約0.1〜約1重量%の範囲の量でモノマー反応混合物中に存在する。
本発明のRMHSポリマーは、ポリマー技術分野において周知である1種以上の連鎖移動剤を含んでなるモノマー混合物から任意に調製することができる。
本発明において使用される好適な連鎖移動剤は、C1〜C18アルキルメルカプタン、メルカプトカルボン酸、メルカプトカルボン酸エステル、チオエステル、C1〜C18アルキルジスルフィド、アリールジスルフィド、多官能チオールなどのごとき各種チオおよびジスルフィド含有化合物;亜リン酸塩および次亜リン酸塩;四塩化炭素、ブロモトリクロロメタンなどのごときハロアルキル化合物;並びにα−メチルスチレンのごとき不飽和連鎖移動剤が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
多官能チオールとしては、トリメチロールプロパン−トリス−(3−メルカプトプロピオネート)のごとき3官能チオール;ペンタエリスリトール−テトラ−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラ−(チオグリコラート)およびペンタエリスリトール−テトラ−(チオラクテート)のごとき4官能チオール;並びにジペンタエリスリトール−ヘキサ−(チオグリコラート)のごとき6官能チオールなどが挙げられる。
好ましい連鎖移動剤の例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン(DDM)、t−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン(ODM)、イソオクチル3−メルカプトプロピオネート(IMP)、ブチル3−メルカプトプロピオネート、3−メルカプトプロピオン酸、ブチルチオグリコラート、イソオクチルチオグリコラート、ドデシルチオグリコラートなどが挙げられる。連鎖移動剤は、モノマー混合物の総重量に基づいて、好ましくは重合可能なモノマー混合物の約10重量%以下の量で、モノマー反応混合物に添加することができる。
任意に、緩衝剤、キレート剤、無機電解質、連鎖停止剤およびpH調整剤のごとき、乳化重合技術分野において周知である他の乳化重合添加剤を重合系において用いてもよい。
窒素雰囲気下、所望の量の各モノマーを乳化させる量のアニオン性界面活性剤を含有する水と攪拌混合しながら混ぜ合わすことによって、窒素注入口と攪拌装置とを備えた第1の反応器内でモノマーエマルジョンを調製する。攪拌装置と、窒素注入口と、供給ポンプとを備えた第2の反応器へ、所望の量の水とさらなるアニオン性界面活性剤とを、必要に応じて、窒素雰囲気下において投入し、そして第2反応器の内容物を攪拌混合しながら加熱する。第2反応器の内容物が約65〜98℃の範囲の温度に達した後、第2反応器内にこのようにして形成された水性界面活性剤溶液にフリーラジカル開始剤を注入し、そして第1反応器のモノマーエマルジョンを、約65〜95℃の範囲の制御された反応温度において一般に約1〜約4時間に亘って第2反応器にポンプで少しずつ送り込む。モノマーの添加が完了した後、必要に応じて、第2反応器にフリーラジカル開始剤の追加量をさらに添加してもよい。得られた反応混合物は、一般に、重合反応を完了させるのに十分な時間、約75〜95℃の温度に保たれる。その後、得られたポリマーエマルジョンを冷却し、反応器から取り出すことができる。
生成物ポリマーエマルジョンは、ポリマーの重量に対して、好ましくは約1〜約60%の総ポリマー固形物(TS)、さらに好ましくは約10〜約50%の総ポリマー固形物、最も好ましくは約15〜約45%の総ポリマー固形物を含有するように調製することができる。いずれの中和の前にも、生成されたままのポリマーエマルジョンは、一般に、約2〜約5.5の範囲のpH、室温(スピンドル#2、20rpm)において約100mPa・s以下のブルックフィールド粘度、および約150℃以下の下記C法によって測定されたガラス転移温度(Tg)を有する。
SALCARE(登録商標)SC80は、約40重量%のメタクリル酸(MAA)と、約50重量%のエチルアクリレート(EA)と、約10重量%のステアレス−10アリルエーテル(結合性モノマー)との共重合体である、とDe La Mettrieらに対する米国特許第6,074,439号に説明されている。
STRUCTURE(登録商標)2001は、アクリル酸と、アクリレートエステルと、ステアレス−20イタコネート(結合性ポリマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。STRUCTURE(登録商標)3001は、アクリル酸と、アクリレートエステルと、セテス−20イタコネート(結合性ポリマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。
ACULYN(登録商標)28は、アクリル酸と、メタクリル酸と、アクリレートエステルと、ベヘネス−25メタクリレート(結合性モノマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。ACULYN(登録商標)22は、アクリル酸と、メタクリル酸と、アクリレートエステルと、ステアレス−20メタクリレート(結合性モノマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。
SYNTHALEN(登録商標)W2000は、アクリレートと、パルメス−25アクリレート(結合性モノマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。
前記市販のHASEポリマーは、下記表1に示される物理的特性を有する。
前記整髪用組成物は、毛髪を一時的に染色するための着色剤スタイリングゲルまたはスタイリングスティックのごとき染髪剤を含有する毛髪用化粧品型製品でもよい。
また、前記整髪用組成物は、ポリマーの性質を変える添加剤、例えば可塑剤、湿潤剤、粘着付与剤、粘着除去剤、加湿剤、帯電防止剤、防腐剤、芳香剤および芳香剤可溶化剤を含有することができるが、含有できる添加剤はこれらに限定されるわけではない。本発明の整髪用組成物は、液体、クリーム、ペースト、軟膏などの形態をとる油中水型、水中油型または多相型エマルジョンとして配合することができる。本発明の整髪用組成物は、製品形態に関しては限定されておらず、透明、半透明または不透明のいずれでもよい。
前記整髪用組成物は、ヘアコンディショニング剤として、揮発性および不揮発性シリコーン化合物、シリコーンゴムおよび硬質シリコーンポリマーを含有することができるが、含有できるヘアコンディショニング剤はこれらに限定されるわけではない。硬質シリコーンポリマーの説明は米国特許第4,902,499号に記載されており、本願明細書に引用されて援用される。
下記実施例は、好ましい実施態様の調製および使用を詳しく説明するものであり、本発明を限定するものではない。
材料は、一般に、ケミカル技術の当業者らに周知の薬品供給業者または提示された供給業者から市販されている。
1. 材料の略称および商品名
EA エチルアクリレート
WAM メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア
(SIPOMER(登録商標)WAMII、ロディア社)
MAA メタクリル酸
MMA メチルメタクリレート
AA アクリル酸
SSSA スチレンスルホン酸のナトリウム塩
BEM25 ベヘネス−25メタクリレート
LEM23 ラウレス−23メタクリレート
HCOEM25 水素化ヒマシ油エトキシル化(25)メタクリレート
HCOEM16 水素化ヒマシ油エトキシル化(16)メタクリレート
TEM25 トリスチリルフェノールエトキシル化(25)メタクリレート
CHEM24 コレス−24メタクリレート
CEM24 セテス−24メタクリレート
CSEM25 セテアレス−25メタクリレート
EOBDMA エトキシル化(30)ビスフェノールAジメタクリレート
TMPTA トリメチロールプロパントリアクリレート
IMP イソオクチル3−メルカプトプロピオネート
DDM ドデシルメルカプタン
ODM オクタデシルメルカプタン
R307 実験式CH2=CH−O−(CH2)4−O−(C3H6O)4−(C2H4O)30−Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテル(EMULSOGEN(登録商標)R307、クラリアント社)
BX−AA 実験式CH2=CH−CH2−O−(C3H6O)5−(C2H4O)5−Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテル(BX−AA−E5P5、バイマックス社)
M5010 約24個のエチレンオキサイド単位でエトキシル化されたカルボキシ官能性C12〜C15アルケニル疎水性物質(MAXEMUL(登録商標)5010、ユニケマ社)
MPEG35 メトキシエトキシル化(35)メタクリレート
MPEG55 メトキシエトキシル化(55)メタクリレート
PVP ポリビニルピロリドン(K−30、BASF Corp.社)
PVP/VA ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体(LUVISKOL(登録商標)、BASF Corp.社)
A. 粘度 各ポリマー含有組成物の報告粘度を、約20〜25℃の室温において、ブルックフィールド回転スピンドル粘度計(Brookfield、Model RVT)を約20rpmで用いてmPa・s単位で測定した(以下、ブルックフィールド粘度と呼ぶ)。粘度は、調製されたばかりの組成物で測定した(これを「初期粘度」と呼ぶ)、また組成物を室温で少なくとも約24時間熟成させた後に再測定した(これを「24時間粘度」と呼ぶ))。以下、粘度値が1つだけ示されている場合、特に断らない限り、その粘度値は24時間粘度である。
%カール保持率 = (Le−Lt)/(Le−Li) X 100
カール(垂れ下がったらせんの形状)の長さの変化を定期的に測定し、目視で観察した。測定は、まず初めに、約1.25〜1.75時間の総露出時間に亘って0.25時間の間隔で行い、その後、最長約8時間の総露出時間に亘って1時間の間隔で行った。約24時間の総露出時間後に最後の読み取りを行った。約90%RHにおいて少なくとも約0.75時間、カール保持率(CR)が約70%以上であるというHHCR効果は、本願明細書では「T@70%CR」と表現し、良好で高い耐湿性についての慣用の基準であり、本願明細書では良好な整髪効果と呼ばれる。本願明細書において、選択された時間間隔について報告されるHHCR効果は、「%CR@T−x」と認識される。前記式中、xは1時間単位の時間間隔またはその端数である。70%CR@T−1.25時間以上の整髪効果は非常に良いと判断され、そして70%CR@T−3時間以上の整髪効果は優良と判断された。%カール保持率が約50%以下の場合、整髪効果は低いと判断された。
整髪組成物の再整髪性効果は、上記手順に従ってHHCRを求め(サイクル1)、次いで毛髪を水で十分に湿らせ、余分な水分を手で毛髪から絞り出し、前述のように毛髪を再整髪して1まとまりのカールにし、そしてHHCR手順を繰り返す(サイクル2)ことによって評価した。
以下の一般的な評価基準に基づいて、主観的特性を0〜5の5段階で数値評価した(表2)。
1. ヘアループ試験: 整髪用組成物で処理した毛髪のはり(堅さ)、カール保持および再整髪性をテクスチュア分析装置を用いて計測した。毛髪の房は、オメガ形(すなわち、ギリシャ文字のΩのような形)のループに成形した。オメガ形のヘアループの作製およびそのような予備成形された毛髪の機械的挙動を求める方法手段は、一般に、開示内容が本願明細書に引用されて援用されるJ. Jachowicz et al., J. Soc. Cosmet. Chem,. 47, 73−84, (1996)に記載されている本試験法の説明に基づいた。本ヘアループ試験は、固定剤の整髪効果を評価する。
ECF=(処理された毛髪についてのグラム単位の平均作業力)/(未処理の毛髪についてのグラム単位の平均作業力)
ECF値が1〜1.5の範囲内にあると非常に櫛通りが良いと考えられる。従って、任意のポリマーまたは配合物について、この値が低ければ低いほど櫛通りが良いことになり、毛髪の操作性が良いことも示している。
本発明を限定するためではなく、あくまでも説明するためとして、表4A、4B、4Cおよび4Dに示される製品ASAPエマルジョン、並びに実施例1の表3に示されるHASEポリマー製品エマルジョンを、以下の一般的な方法に従って調製した。
窒素雰囲気下、所望の量の各モノマーを乳化させる量のアニオン性界面活性剤を含有する水と攪拌混合しながら混ぜ合わすことによって、窒素注入口と攪拌装置とを備えた第1の反応器内でモノマーエマルジョンを調製する。攪拌装置と、窒素注入口と、供給ポンプとを備えた第2の反応器へ、所望の量の水と必要に応じてさらなるアニオン性界面活性剤とを投入し、そして第2反応器の内容物を窒素雰囲気下において攪拌混合しながら加熱する。第2反応器が約80〜90℃の範囲の温度に達した後、第2反応器内の界面活性剤溶液に所望の量のフリーラジカル開始剤を注入し、そして第1反応器のモノマーエマルジョンを、約80〜90℃の範囲の制御された反応温度において約1〜約4時間の範囲に亘って第2反応器にポンプで少しずつ送り込む。モノマーの添加が完了した後、必要に応じて、第2反応器にフリーラジカル開始剤の追加量をさらに添加してもよい。得られた反応混合物は、重合反応を完了させるのに十分な時間、通常は約90分間、約90〜95℃の温度に保たれる。その後、得られたポリマーエマルジョンを冷却し、反応器から取り出し、回収することができる。
特に明記しない限り、供給されたI法によって調製されたHASEおよびASAP生成物エマルジョンは、所望のポリマー濃度が得られるまで水で希釈するか、または、最終的に得られる配合物が所望のポリマー濃度を有するのに十分な量で、水溶性材料を含有する配合物に添加した。同様に、供給された市販のHASEポリマーも、製造業者の技術資料または文献から得られる技術情報に基づいて、示される活性ポリマー重量%が得られるまで水で希釈した。重量%ポリマーという表現はいずれも、配合物の総重量に基づいた活性重量%ポリマーを意味する。特に明記しない限り、配合物は、化粧品配合物の技術分野に精通する業者らにとって周知の慣用の配合装置および配合法を用いて調製した。
表4AにおいてポリマーAとして示されるアルカリ膨潤性ASAPをI法として説明した一般的な方法に従って調製した。その詳細を以下に記す。
第1の反応器において、約117重量部のメタクリル酸と、約172重量部のエチルアクリレートと、約25.5重量部のBEM25と、約3.2重量部のLEM23とを、約10.6重量部の30%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を含有する約92重量部の脱イオン水に投入し、窒素雰囲気下において、約500rpmで回転する攪拌装置を用いて混ぜ合わせることによってモノマー反応混合物を調製した。攪拌装置と、窒素注入口と、供給ポンプとを備えた第2の反応器に、約570重量部の脱イオン水と、約3.2重量部の30%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液とを投入した。第2の反応器の内容物を、窒素雰囲気下において、約200rpmの回転速度で攪拌混合しながら加熱した。第2の反応器の内容物が約85〜88℃の範囲の温度に達した後、このようにして第2の反応器内に形成された高温の界面活性剤溶液に、約6.3部の3.5%過硫酸アンモニウム溶液(フリーラジカル開始剤)を注入した。第1の反応器からのモノマー混合物の水性エマルジョンを、約85〜88℃の範囲の制御された反応温度において、約60分間に亘って第2の反応器に徐々にポンプで送り込んだ。前記モノマー混合物を添加し終えた時点で、約9.4重量部の0.7%過硫酸アンモニウム溶液を第2の反応器内の反応混合物に添加し、さらに1.5時間反応の温度を約90℃に維持することによって重合を完了させた。得られた生成物エマルジョンを室温まで冷ました後、反応器から取り出し、回収した。
前記ポリマーはいずれも、総固体量が約30〜約45%の範囲である水溶液として調製した。ほとんどの場合、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を重合反応用乳化界面活性剤として用いた。さらに、SLSと非イオン性乳化界面活性剤、すなわちCeteareth−20(ポリオキシエチレン(20)セチル/ステアリルエーテルのINCI名)との組み合わせを用いて前記方法に従ってポリマーAVもうまく調製することができた。ポリマーBH、BKおよびBLを調製する際に、SLSの代わりに、下記界面活性剤、すなわち、RHODAFAC(登録商標)610(ロディア社,Cranbury,NJから入手可能な分岐アルコールエトキシレートの錯リン酸エステル)、ラウレス−3−スルホコハク酸2ナトリウムおよびジオクチルスルホコハク酸ナトリウムをそれぞれ用いた。
前記表4DのポリマーBA〜BLによって例示される本発明のアルカリ可溶性結合性ポリマーは、気泡増強剤、気泡安定剤、および比較的低い粘度が望まれる製品における膜形成剤として様々な用途に有用である。
同様に、2種の結合性モノマーを有するポリマーBAの水溶液を前述のようにして調製した。そのブルックフィールド粘度は、約3%の濃度においては約15mPa・s未満であり、約5%では約61mPa・sであり、約10%では約850mPa・sであった。
また、本発明のアルカリ可溶性結合性ポリマーは炭化水素とも相溶性があるので、高VOC(少なくとも約85%までのVOC)スプレー用途にも有用となる。例えば、20容積%のシクロヘキサンとエタノール(95〜約100容積%)との溶液中におけるポリマーBJの溶解度は、透明度(すなわち、曇りの無さ)に基づいて、室温では約5重量%であり、約4℃の温度では約2重量%であった。50容積%のシクロヘキサンと50容積%のエタノール(95%)との溶液中では、ポリマーBJは、室温および約4℃の両方において、約1重量%の濃度で溶解した。
前記アルカリ可溶性ASAPは、炭化水素(n−ブタン、ペンタンおよびイソブタン)をベースとした加圧型エアロゾル配合物および非加圧型エアロゾル配合物に有用であると判断される。
実施例2〜8では、HASEポリマーH−1およびH−4(それぞれ実施例2〜3および7〜8)、並びにASAP(実施例4〜6)を表5に示される量で含有する水性整髪用組成物において達成されたレオロジー改質および%透明度を示す。表5Aには、F法によって求めた前記組成物のHHCR整髪効果を示す。実施例1のHASEポリマーH−1およびH−4は、それぞれ、1種の結合性モノマーを含有する架橋された、疎水的に改質されたアルカリ膨潤性エマルジョンポリマーおよび2種の結合性モノマーを含有する架橋された、疎水的に改質されたアルカリ膨潤性エマルジョンポリマーである。ASAP整髪剤であるポリマーCおよびDは、それぞれ、HASEポリマーH−1およびH−4の結合性モノマーと同じである1種の結合性モノマー(BEM25)と、様々な異なる結合性モノマー(すなわち、直鎖アルキル基(LEM23)または錯エステル(HCOEM25)とを用いている。
前記水性整髪用組成物は、それぞれ、実施例1の示される生成物ポリマーエマルジョンを脱イオン水で希釈して所望の活性ポリマー濃度を得た後、希釈されたポリマーエマルジョンを2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP、95%)で約5.8〜約7.5のpHまで、または前記組成物が実質的に透明になるまで中和することによって調製した。%透明度値はB法によって測定し、粘度はA法によって測定した。
ASAP整髪剤であるポリマーA(実施例9)、K(実施例10)およびL(実施例11)をそれぞれ下記表6に示されるように約1.2%の活性ポリマー重量濃度で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。表6Aには、組成物のHHCR整髪効果を示す。ポリマーAは、実施例4〜5のポリマーCの類似物であって、架橋されていない類似物である。ポリマーKおよびLは、異なる架橋剤を有し、且つ、疎水性物質の含有量が異なる架橋ポリマーを示す。
RMHSポリマーとして、ASAPであるポリマーN(実施例12A、12B)およびポリマーO(実施例13A、13B、13C)を表7に示される様々な活性ポリマー重量%で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。表7Aには、組成物のHHCR整髪効果を示す。ポリマーOは異なる3種の結合性モノマーを有しており、そのうちの2つは直鎖アルキル疎水性末端基を有しており、残りの1つは炭素環式アルキル疎水性末端基を有している。一方、ポリマーNは2種の結合性モノマーを有しており、そのうちの一方は直鎖アルキル疎水性末端基を有しており、他方は炭素環式アルキル疎水性末端基を有している。
実施例14〜15では、1、1.2または1.5活性重量%のASAPである実施例1のポリマーAB(実施例14A、14B、14C)またはポリマーAM(実施例15A、15B、15C)を含有する水性整髪用組成物におけるレオロジー改質および%透明度、並びに前記組成物のHHCR整髪効果を示す。ポリマーABおよびAMは、それぞれ、異なる3種の結合性モノマーを有しており、そのうちの2つは直鎖アルキル疎水性末端基を有しており、残りの1つは炭素環式アルキル疎水性末端基を有している。前記ポリマーは、同種の半疎水性モノマーと、異種の架橋性モノマーとを有している。
前記組成物は、表8に示される処方を用いて、生成物エマルジョンを水で希釈して表8に示される活性ポリマー重量%にすることによって調製された。
架橋ASAPであるポリマーE(実施例16A、16B)、F(実施例17A、17B)、H(実施例19A〜19C)、J(実施例21A、21B)、K(実施例22A、22B)、L(実施例23A、23B)、M(実施例24A〜24C)、AT(実施例25A〜25D)、AU(実施例26A〜26C)、AV(実施例27A、27B)、AW(実施例28A、28B)、並びに非架橋ASAPであるポリマーG(実施例18A〜18C)およびI(実施例20A、20B)を下記表10に示されるような様々な活性重量%濃度で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。架橋ポリマーHおよびJ並びに非架橋ポリマーGおよびIは連鎖移動剤を含有している。ポリマーMは2種の架橋剤を含有しており、そのうちの一方はエトキシル化されている。ポリマーAT、AU、AVおよびAWは半疎水性モノマーを含有している。
実施例16〜24の組成物のHHCR整髪効果を表10Aに示す。
実施例25〜28の組成物の整髪効果は優良(T@70% CR≧8)であった。
本実施例では、実施例1のASAPであるポリマーATを市販の疎水的に改質されたカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)Ultrez21ポリマーまたはCARBOPOL(登録商標)ETD2020ポリマー(共にオハイオ州クリーブランドにあるノベオン社から入手可能)と組み合わせて用いることによって、有利なことに、そのような市販のポリマーを用いて生成される整髪用ゲルに関する望ましい美観的特性、耐電解質(すなわち、塩)性およびゲル粘着製品特性が維持および増強される一方で粘度が予想外に高くなる整髪用ゲルが得られることを示す。
下記表11に示される各ポリマーを様々な量で含有する水性整髪用ゲルを調製した。前記整髪用ゲルは、市販のポリマーを含水量の一部に添加し、空気が伴入しないように気を付けながら約15分間攪拌混合することによって前記ポリマーを予備分散させ、そして得られた混合物を約30分間攪拌せずに放置してポリマー分散液を得ることによって調製した。その後、必要量の水性ポリマーATエマルジョンを前記ポリマー分散液と混ぜ合わせ、得られたポリマー混合物に、十分なAMP(95%)を添加してpHを約6.4〜6.8の範囲に調整することによってゲルを形成した。
各整髪用ゲルの粘度はA法によって測定した。ゲル粘着性は、数本の指をゲルに浸して少量の製品をすくい取って整髪用ゲルの実際の使用をシミュレートし、指に付着した整髪用ゲルの緩衝性を観察することによって主観的に評価した。「緩衝」という用語は、一般に、ゲルの硬さ、および、少量のゲルが指に付着してしっかりとした尖り(すなわち尖ったゲル)を保てる能力を意味する。ゲル粘着性は、観察された緩衝性に基づいて、尖りがはっきりとしていて持続していた場合を「優良」、尖りが中位で持続していた場合を「非常に良好」、尖りが中位〜微小であった場合を「良好」、尖りが微小であった場合を「不十分」、および尖りが無く、滑らかであった場合を「不良」というように主観的に評価した。ゲル粘着性は、利用者がジャーから一定量の整髪用ゲルを指で物理的に掬い出すとき、または、整髪用ゲルをチューブから指の上に絞り出して毛髪に塗布するときに期待する望ましい官能製品特性である。粘度およびゲル粘着性の評価の結果を表11に示す。
本実施例では、様々な濃度のASAPの整髪効果を示す。5種の水性整髪用組成物を別々に調製した。各組成物は、組成物の総重量に基づいて、それぞれ約0.2活性重量%(実施例36A)、約0.4活性重量%(実施例36B)、約0.6活性重量%(実施例36C)、約0.8重量%(実施例36D)および約1重量%(実施例36E)の濃度の実施例1のポリマーATと、約6.6〜7.2の範囲のpHを得るのに十分なAMP(95)とを含有していた。各組成物について、ブルックフィールド粘度(A法)、%透明度(B法)および整髪効果(HHCR、F法)を測定した。
前記整髪用組成物はいずれも透明であった(%透明度は約72〜約83の範囲であった)。整髪用組成物のブルックフィールド粘度は、実施例36Aおよび36Bの場合は低く(それぞれ、約15mPa・sおよび約220mPa・s)、実施例36Cの場合は中位(約1,330mPa・s)であり、実施例36Dおよび36Eの場合は高かった(それぞれ、約3,880mPa・sおよび約9,750mPa・s)。実施例36Aを除くすべての整髪用組成物が優れたHHCR効果(8時間を越えるT@70CR)を有していた。実施例36Aの組成物の整髪効果は実質的に一時的なものであった(T@70CRは0.25時間)。
本比較例では、PVP(実施例37A)またはPVP/VA(実施例37B)と、カルボマーゲル化剤とを、表12に示される活性重量%量で含有する慣用の整髪用組成物のレオロジー、透明度および整髪効果を示す。粘度はA法によって測定し、%透明度はB法によって測定した。整髪効果はF法によって測定し、主観的特性は、表12Aに示されるように、G法の欄で説明したようにして評価した。
実施例1のASAPであるポリマーP(実施例38A、38B、38C)、ポリマーQ(実施例39A、39B、39C)およびポリマーR(実施例40A、40B、40C)を表13に示される量で用いた以外は、実施例14〜15の手順に従った。ポリマーP、QおよびRは、それぞれ、同じ2種の結合性モノマーと架橋剤とを有し、そしてポリマーQおよびRは異なる半疎水性モノマーを含有していた。
さらに、ゲルすなわち粘り気のある配合物の一部を孔径が10ミルのドローダウンアプリケーターを用いてMYLAR(登録商標)フィルム基板の上に展ばし、その滑らかさおよび展延性を観察することによって整髪用ゲルの質感を評価した。ゲル塗膜の質感が滑らかで展ばし易ければ「S」と評価し、ゲル塗膜がザラついていれば「G」と評価した。それぞれA法およびB法によって得られた粘度および%透明度を下記表13に示す。F法によって得られた組成物のHHCR整髪効果は表13Aに示す。
表13Aに示されるように、いずれの濃度においても、ポリマーP、QおよびRは優れた整髪効果を示した。
実施例41〜44では、RMHSポリマーとして、実施例1のASAPであるポリマーAF(実施例41A、41B)、AG(実施例42A、42B)、AH(実施例43A、43B)およびAI(実施例44A、44B)を表14に示される量で用いた以外は、実施例38〜40の手順に従った。これらのポリマーは、同じ種類の半疎水性モノマーを異なる量で含有していた。粘度、%透明度および質感の結果を表14に示す。組成物のHHCR整髪効果は表14Aに示す。
ASAP整髪剤として、ポリマーX(実施例45A、45B、45C)、ポリマーY(実施例46A、46B、46C)、ポリマーZ(実施例47A、47B、47C)、ポリマーAO(実施例48A、48B)、ポリマーAP(実施例49A、49B)およびポリマーAQ(実施例50A、50B)を表15に示される濃度で用いた以外は、実施例14〜15の手順に従った。各ASAPは、半疎水性モノマー成分と、2種の結合性モノマー成分とを含有していた。ポリマーAOおよびAPは、それぞれ、2種の非イオン性ビニルモノマー成分を有していた。
%透明度および粘度を表15に示す。HHCR整髪効果は表15Aに示す。
本実施例では、実施例1のASAPであるポリマーK(実施例51A)およびポリマーM(実施例51B)を表16に示される処方で用いて調製された水性シリコーン含有整髪用ゲルを示す。合わせて、F法によって測定したそれらの整髪効果も表16に示す。
実施例52では、揮発性有機化合物(VOC)含有率の低い固定剤整髪用スプレー組成物中における約1.5%(実施例52A)および約2%(実施例52B)の活性ポリマー重量濃度でのASAPである実施例1のポリマーMおよび約5%(実施例52C)の活性ポリマー重量濃度での実施例1のポリマーBGの使用を示す。表17に示されるように、エタノールと、水と、中和アミン(AMP)と、防腐剤と、芳香剤とを含んでなる水性アルコール溶媒系が用いられた。F法によって測定された整髪効果も合わせて表17に示す。
実施例52A、52Bおよび52Cの配合物は、手動ポンプ式噴霧器から噴霧したときに良好で、実質的に均質な細かい噴霧パターンを示し、低VOC(55%)ヘアスプレーとしての使用に好適であった。
実施例1のASAPであるポリマーBI(実施例52D)を用いた以外は実施例52Cの低VOC処方を繰返し、得られた生成物を機械式非エアロゾル型「瞬間発泡装置」から排出させて、濃くて光沢があり豊かな整髪用泡を得た。得られたポリマーBIの泡(実施例52D)の整髪効果は優れており(T@70%CR>8時間)、カール記憶も良好で、くすんだ残留物も全く認められず、毛髪からの洗い流しにも優れていた。これらのポリマーは、化学的またはガス状推進剤を用いない機械式非エアロゾル型発泡装置および噴霧装置に有用であると判断された。
本比較例では、重合可能な末端基と疎水性末端基とを結合させるポリオキシアルキレンセグメントを有さない、すなわち、本願明細書に規定される結合性モノマー成分を有さない市販の中和可能なポリマーを含有する毛髪固定剤組成物の、F法によって測定した90%RHにおけるHHCRを示す。前記ポリマーは、VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体というINCI名を持っており、International Specialty Products(ISP), Wayne, NJからSTYLEZETM2000という商品名で毛髪固定剤ポリマーとして販売されている。このポリマーは、関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用されるSoap & Cosmetics, 43〜46(2001年7月/8月)および39〜43(2001年9月)に掲載されている記事の中でR.Rigolettoらによって説明されているように、150℃のTgと、160〜190の酸価とを有すると報告されている。このポリマーは、水中に2%(実施例53A)、4%(実施例53B)および6%(実施例53C)の活性ポリマー重量で存在し、AMP(95%)で下記表に示されるpHにまで中和された単独の毛髪固定剤として評価した。同様に、比較対照として、STYLEZETM2000とゲル化剤であるACULYN(登録商標)28とをそれぞれ文献で推奨されているように0.5%の活性ポリマー重量で含有する濃縮水性ゲル(実施例53D)を調製し、AMPで約6.4のpHにまで中和した。粘度および透明度は、それぞれ、A法およびB法によって測定し、90%RHにおけるHHCR整髪効果はF法によって測定し、そして主観的特性はG法によって評価した。その結果を表18に示す。
ASAP整髪剤として、ポリマーB(実施例54A、54B)、ポリマーAA(実施例55A、55B)およびポリマーAC(実施例56A、56B)をそれぞれ1%および1.2%の活性ポリマー重量濃度で用いた以外は、実施例14〜15の手順に従った。ポリマーB、AAおよびACは、それぞれ、2種の酸性ビニルモノマー部分と、2種の結合性モノマーとを含んでなる。ポリマーBは、2種の非イオン性ビニルモノマーをさらに含んでなる。また、ポリマーBおよびACは架橋されている。%透明度および粘度を表19に示す。F法によって測定された整髪効果を表19Aに示す。
本実施例では、単独のレオロジー改質性整髪剤としてのHASEポリマーの使用を示す。ACULYN(登録商標)22(実施例57A)、ACULYN(登録商標)28(実施例57B)、STRUCTURE(登録商標)2001(実施例57C)、STRUCTURE(登録商標)3001(実施例57D)およびSALCARE(登録商標)SC80(実施例57E)という商品名で市販されているHASEポリマーを、それぞれ、文献または製造業者によって報告されているように、製品の全固形分に基づいて算出された1.2%の活性ポリマー重量濃度で用いた。実施例2〜8に示されるようにして整髪用ゲルを調製し、以下に示されるpHにまで中和した。%透明度値はB法によって測定し、粘度はA法によって測定した。整髪効果はF法によって測定し、主観的特性はG法によって評価した。その結果を表20に示す。
RMHSポリマーとして、ASAPであるポリマーY(実施例58A)またはポリマーZ(実施例58B)をそれぞれ約1.2%の活性ポリマー重量で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。これらのポリマーは、2種の結合性モノマー部分と、同じ半疎水性モノマーとを有する。pH、粘度、%透明度、F法によって測定した整髪効果およびG法によって求めた主観的特性の評価をを表21に示す。
本実施例では、約1.5%の活性ポリマー重量濃度の慣用の固定剤ポリマーであるPVP/VA(実施例59A)と比較した、同濃度のASAPおよびHASEポリマーの、コンディショニング配合物中におけるレオロジー改質性および単独の整髪性ポリマーとしての使用を示す。RMHSポリマーとして、実施例1のASAPであるポリマーY(実施例59B)、ポリマーZ(実施例59C)およびポリマーAR(実施例59F)、並びに2種の市販のHASEポリマー、すなわち、SYNTHALEN(登録商標)W2000(実施例59D)およびSALCARE(登録商標)SC80(実施例59E)を用いた。PVP/VAを含有する組成物は、カルボマーゲル化剤(ノベオン社のCARBOPOL(登録商標)980ポリマー)を含有していた。用いた配合物を表22に示す。組成物のpHは、示されるように、約6.5〜7の実質的に中性の範囲に調節した。
F法によって測定した整髪効果およびG法によって測定した主観的特性の評価を表22Aに示す。
さらなる評価において、活性ポリマー重量を約1.2%とし、且つ、B相がプロピレングリコール、グリセリンおよび小麦タンパク質加水分解物をそれぞれ約0.1重量%で含有し、D部のすべての成分も含有していたこと以外は、同様にして表22に記載の実施例59Dおよび59Eの水性整髪用ゲルを調製した。約1.2%活性ポリマー重量のASAPであるポリマーZを用いて同様の水性整髪用ゲルを調製した。これらの水性ゲルはいずれも、約6.7のpH、約91〜95%の範囲の%透明度(B法)および約10,000〜38,000mPa・sの範囲の粘度を有していた。これらの3種のゲルの鏡面光沢度値をD法によって測定した。20°の角度では、光沢値は約40〜約45単位の範囲内であり、そして60°の角度では、光沢値は約86〜約95単位の範囲内であった。これらのゲルは、整髪および髪型の維持に好適であると判断された。
本実施例では、表23に示される処方において約1.5%の活性ポリマー重量を用いた水性シリコーン含有整髪用ゲル中における実施例1のASAP RMHSポリマーであるポリマーQ(実施例60A)、Y(実施例60B)およびZ(実施例60C)の使用を示す。
本実施例では、下記整髪処方(表25)を用いた、カチオン性コンディショニング剤を含有する水性ゲル中における約1.2%の活性ポリマー重量の実施例1のASAP RMHSポリマーであるポリマーQ(実施例61A)、Y(実施例61B)およびZ(実施例61C)の使用を示す。
本実施例では、表27に示される処方を用いた透明水性ヘアスプレー中における約0.8%の活性ポリマー重量の実施例1のASAP RMHSポリマーであるポリマーA(実施例62A)、C(実施例62B)およびY(実施例62C)の使用を示す。
本比較例では、表29に示される処方において約1.2%の活性ポリマー重量で単独の固定剤整髪剤として用いられるSYNTHALEN(登録商標)W2000(実施例63A)の商品名で市販されているHASEポリマーの使用を示す。比較するために、表29に示されるように約8%という比較的高い濃度が用いられ、且つ、カルボマーゲル化剤も用いられたこと以外は、同じ処方においてPVP/VA(実施例63B)を用いた。
実施例63Aの組成物は、防腐剤とグリセリンとを予備混合し、得られた予備混合物を含水量の約1/3に添加することによって調製した(A相)。それとは別に、整髪ポリマーとキレート剤とを残りの水に溶かし、得られたポリマー溶液にトリエタノールアミン(TEA)を添加してポリマーを約6のpHまですなわち透明になるまで中和した(B相)。次に、B相をA相と混ぜ合わせ、そして必要に応じて、得られた混合物のpHをTEAでさらに調節した。実施例63Bの組成物は、予備混合物を添加する前にカルボマーゲル化剤をA相の水に溶かしたこと以外は、同じ手順に従って調製した。
A法によって測定した粘度、B法によって測定した%透明度、F法によって測定した整髪効果およびG法によって測定した主観的特性の評価を表29に示す。
本実施例では、約3%の活性ポリマー重量濃度における慣用の固定剤ポリマーであるPVP/VA(実施例64A)と比較した、水性アルコール性コンディショニング配合物中における約3%の活性ポリマー重量濃度での単独のレオロジー改質性固定剤整髪ポリマーとしての3種の市販のHASEポリマーの使用を示す。用いた市販のHASEポリマーは、SYNTHALEN(登録商標)W2000(実施例64B)、STRUCTURE(登録商標)2001(実施例64C)およびSALCARE(登録商標)SC80(実施例64D)であった。PVP/VAを含有する組成物はカルボマーゲル化剤も含有していた。用いた処方を表30に示す。組成物のpHは、示されるように、トリエタノールアミン(TEA)で約6〜6.5の範囲に調節した。
F法によって測定した整髪効果およびG法によって測定した主観的特性の評価を表30Aに示す。
さらなる例において、約3.5〜4%ASAPの活性ポリマー重量%のASAPであるポリマーG、H、IまたはJと、約10〜30%のエタノールと、比較的少ない総量(<0.2%)の整髪剤(パンテノールおよびジメチコーンコポリオール)、防腐剤、可溶化芳香剤および製品着色剤とを含有する1群の水性アルコール性ゲルを調製し、TEAで約6〜6.5のpHまで中和した。これらの組成物は、約7,500〜約90,000mPa・sの範囲の粘度を有していた。これらの組成物が生じさせる鏡面光沢度をD法によって測定した。20°の角度では、光沢値は約40〜約60単位の範囲内であり、そして60°の角度では、光沢値は約85〜約90単位の範囲内であった。これらの水性アルコール性組成物は、整髪製品および髪型保持製品に好適であると判断された。
一方、8.5%のPVP/VAを含有し、実施例64Aのようにカルボマーでゲル化された同様の水性アルコール性ゲルは、約6のpH、約43,000mPa・sの粘度、および低い光沢値(20°の角度では2.8および60°の角度では19.6)を有していた。
それぞれASAPであるポリマーN(1.5%)およびポリマーJ(1.2%)を含有する実施例12Aおよび実施例21Bの整髪用ゲルで処理した毛髪のはりまたは柔らかさを、H法(1)に記載されているHair Loop Test and Force Measurement Procedureによって約2,400秒間、PVP(3%)を含有する実施例37Aの整髪用ゲルで処理した毛髪および処理していない毛髪のはりまたは柔らかさと比較した。ピーク力が50g以上の毛髪房ははりがあると判断され、50g未満の毛髪房は柔らかいと判断された。
ポリマーJおよびポリマーNで処理した毛髪房の再整髪性を、約2,400秒間の試験期間に亘って、H法(1)に記載されているようにして評価した。この場合も、ポリマーJは初めにはり(100gよりも大きい初期ピーク力)を示し、その後、75gよりも大きいピーク力を約1,500秒間維持し、それから試験期間の最後まで約60gよりも大きいピーク力を維持した。ポリマーNは、ここでも、約30gよりも大きい実質的に均一なピーク力を持続した。
1.2%のポリマーCを含有する実施例5および1.2%のポリマーAを含有する実施例9の整髪用ゲルで処理した毛髪の再整髪性を、F法(サイクル1およびサイクル2)に記載されているように、高い湿度に対する耐性(HHCR)を求め、再整髪し、そして再度HHCRを評価することによって、全体で約24時間の試験期間に亘って評価した(表31)。
ASAPである1.2%のポリマーJ(実施例21B)および1.2%のポリマーK(実施例10)を含有する整髪用ゲルで処理した毛髪の櫛の通し易さを、H法(2)のComb−Through Measurement Procedureによって計測し、ECF値を求めた。比較するために、処理していない毛髪および3%PVP(実施例37A)で処理した毛髪も測定した。そのデータを表32に示す。
本実施例では、1つの部品(容器A)内に詰められた有効整髪量のRMHSエマルジョン製品と、もう1つの部品(容器B)内に詰められた有効量のpH調整剤とを含んでなるツーパーツ整髪用キットを示す。
ある1つのキット実施態様では、容器Aは、実施例1の水性RMHSエマルジョン製品(例えば、約10グラムの約30重量%活性ポリマーエマルジョン製品)と、任意に、芳香剤(q.s.)とを含有してもよく、そして容器BはAMP(95%、例えば、約1.5グラム)を含有してもよい。
使用するには、容器Aの内容物を(容量が約14〜16オンスの)ジャーまたはボウルに移し、水、好ましくは蒸留水、脱イオン水または軟質水道水を例えば約340グラム添加し、得られた混合物をブレンドし、前記混合物に容器Bの内容物を添加し、そして均質な粘り気のある濃度が得られるまで攪拌しながらブレンドする。そして、得られた整髪用組成物は直ちに使用されるかまたは保存されて後で使用される。
あるいは、一方の容器の内容物を他方の容器の内容物とブレンドするだけで済むようにするために、容器Aおよび/または容器Bの内容物が十分な水分を含んでいてもよい。
一般的に使用されているアルカリ膨潤性ポリアクリル酸高分子増粘剤であるカルボマーを用いて達成された粘度は、ある特定の慣用のアニオン性ポリマーの存在によって悪影響を及ぼされることがあることは知られている。本実施例では、水性ゲル中における、カルボマーポリマーおよび疎水的に改質されたカルボマーポリマーである増粘剤に対するアルカリ膨潤性ASAPの驚くべき親和性を示す。
1組目の水性ゲル(実施例69〜73)を調製した。各ゲルは、実施例1の下記アルカリ膨潤性ASAPであるポリマーH(実施例69A〜I)、ポリマーY(実施例70A〜I)、ポリマーZ(実施例71A〜I)、ポリマーAT(実施例72A〜L)およびポリマーAU(実施例73A〜I)のいずれか1つと、表33〜37に記載の量の表33〜37に記載のカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーのいずれかとを含有していた。カルボマーというINCI名を有する使用した市販の増粘剤製品は、ノベオン社(オハイオ州クリーブランド)から販売されている慣用のカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)980ポリマーおよび疎水的に改質されたカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)Ultrez21ポリマーであった。使用した他の市販のポリマーは、ノベオン社から販売されているINCI名がアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーである疎水的に改質されたカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)ETD2020ポリマーおよび3V Inc.社から販売されているINCI名がアクリレート/ビニルイソデカノエートであるSTABYLEN(登録商標)30であった。
前記結果は、ASAPは、粘度を犠牲にすることなく、水性ゲル中で慣用のカルボマー増粘剤または疎水的に改質されたカルボマー増粘剤のいずれかと組み合わせて用いることができることを示している。
比較するために、アルカリ膨潤性ASAPは用いずにAMPで中和された市販のポリマーを用いて達成された水性ゲルの粘度を表38に示す。
前記考察および報告された研究は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明の精神と範囲内の他の変形体も可能であり、当業者らに容易に理解されるものである。
Claims (30)
- (a)酸性ビニルモノマーまたはその塩、および
(b)少なくとも1つの非イオン性ビニルモノマー、
(c)第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマー(c)、
(d)第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー(d1)、半疎水性モノマー(d2)、およびこれらの組み合わせ(d3)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(d)、および、任意に、
(e)架橋性モノマー(e1)、連鎖移動剤(e2)およびこれらの組み合わせ(e3)からなる群から選択されるモノマー、
を含むモノマー混合物であって、
第1および第2の結合性モノマー(c)および(d1)は、それぞれ下記式(III)
のモノマーから選ばれる少なくとも一種のモノマーであり、
半疎水性モノマー(d2)は下記式(IV)または(V)
のモノマーから選ばれる少なくとも一種のモノマーであるモノマー混合物の重合生成物であるレオロジー改質性整髪用結合性ポリマーを有効整髪量で含んでなる水性整髪用組成物。 - 前記レオロジー改質性整髪用結合性ポリマーが、アルカリ膨潤性で、モノマー混合物は全モノマー混合物重量基準で、
(a)10〜75重量%の、少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩、
(b)10〜90重量%の、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマー、
(c)0.1〜25重量%の、第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマー、
(d)0.1〜25重量%の、第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー(d1)、半疎水性モノマー(d2)、およびこれらの組み合わせ(d3)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー、および、任意に、
(e)20重量%以下の、架橋性モノマー
を含んでなる請求項1に記載の組成物。 - 前記レオロジー改質性整髪用結合性ポリマーが、アルカリ膨潤性で、モノマー混合物は全モノマー混合物重量基準で、
(a)10〜30重量%の少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩、
(b)60重量%よりも多い、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマー、
(c)0.5〜5重量%の疎水性末端基を有する少なくとも1種の結合性モノマー、
(d)0.5〜5重量%の、重合可能な不飽和末端基と、前記不飽和末端基と共有結合しているポリオキシアルキレン基とを有する少なくとも1種の半疎水性モノマー、および
(e)0.5〜5重量%の連鎖移動剤、
を含んでなる請求項1に記載の組成物。 - 前記酸性ビニルモノマーは、カルボン酸含有ビニルモノマー、スルホン酸含有ビニルモノマー、ホスホン酸含有モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
- 前記結合性モノマーは、C8〜C40直鎖アルキル、C8〜C40分岐鎖アルキル、C8〜C40炭素環式アルキル、C2〜C40アルキル置換フェニル、アリール置換C2〜C40アルキルおよびC8〜C80錯エステルからなる群から選択される疎水性末端基を含んでなる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- モノマー混合物が、2種の結合性モノマーを含有し、そして各結合性モノマーは、それぞれ独立して、重合可能な不飽和末端基と、C8〜C40アルキル疎水性末端基と、前記不飽和末端基と前記疎水性末端基の間に配置され且つそれら基と共有結合しているポリオキシアルキレン基とを含んでなる、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 前記ポリオキシアルキレン基は、ホモポリマー、ランダム共重合体、または5〜250個のC2〜C4オキシアルキレン単位を含んでなるブロック共重合体である、請求項6に記載の組成物。
- 前記非イオン性ビニルモノマーは、下記式(I)または(II)
(I) CH2=C(X)Z
(II) CH2=CH−OC(O)R
式中、XはHまたはメチルであり、Zは−C(O)OR1、−C(O)NH2、−C(O)NHR1、−C(O)N(R1)2、−C6H4R1、−C6H4OR1、−C6H4Cl、−CN、−NHC(O)CH3、−NHC(O)H、N−(2−ピロリドニル)、N−カプロラクタミル、−C(O)NHC(CH3)3、−C(O)NHCH2CH2−N−エチレンウレア、−SiR3、−C(O)O(CH2)xSiR3、−C(O)NH(CH2)xSiR3または−(CH2)xSiR3であり、xは1〜6の範囲の整数であり、Rはそれぞれ独立してC1〜C18アルキルであり、そしてR1はそれぞれ独立してC1〜C30アルキル、ヒドロキシ置換C1〜C30アルキルまたはハロゲン置換C1〜C30アルキルである、
のいずれかを有する化合物である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。 - 前記非イオン性ビニルモノマーは、アクリル酸のC1〜C8エステル、メタクリル酸のC1〜C8エステル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
- 前記半疎水性モノマーは、重合可能な不飽和末端基および前記不飽和末端基と共有結合しているポリオキシアルキレン基を構成する、請求項1〜9いずれかに記載の組成物。
- 前記ポリオキシアルキレン基は、ホモポリマー、ランダム共重合体、または5〜250個のC2〜C4オキシアルキレン単位を含んでなるブロック共重合体である、請求項10に記載の組成物。
- 少なくとも2種のアクリレートエステル基を有するポリオールのアクリレートエステル、少なくとも2種のメタクリレートエステル基を有するポリオールのメタクリレートエステル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される架橋性モノマーを0.1〜2重量%含んでなる、請求項1〜11いずれかに記載の組成物。
- pH調整剤、pH緩衝剤、補助毛髪固定剤、補助塗膜形成剤、補助レオロジー改質剤、ヘアコンディショニング剤、ケミカルヘアウエーブまたはストレート剤、毛髪染剤、界面活性剤、ポリマーフィルム改質剤、製品仕上げ剤、推進剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のアジュバントをさらに含んでなる、請求項1〜12いずれかに記載の組成物。
- C2〜C8一価アルコール、C3〜C8ポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒を含んでなる、請求項1〜13いずれかに記載の組成物。
- 液体、ゲル、スプレー、エマルジョン、泡、ムース、スプリッツ、シャンプー、固体または半固体の形態にある、請求項1〜14いずれかに記載の組成物。
- 推進剤を含んでなる、請求項1〜15いずれかに記載の組成物。
- 前記推進剤がフッ素化炭化水素、ジメチルエーテル、液体揮発性炭化水素および圧縮ガスからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
- 補助レオロジー改質性ポリマーをさらに含んでなる、請求項1〜17いずれかに記載の組成物。
- 前記補助レオロジー改質性ポリマーがカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーポリマーである、請求項18に記載の組成物。
- pHが少なくとも2である、請求項1〜19に記載の組成物。
- 20〜25℃の室温において100mPa・sよりも高いブルックフィールド粘度を有する、請求項1〜20いずれかに記載の組成物。
- 90%の相対湿度および26〜27℃の室温において、少なくとも0.75時間、少なくとも70%のカール保持率という整髪効果を示す、請求項1〜21いずれかに記載の組成物。
- 包装された形態にある請求項1〜22いずれかに記載の組成物を含んでなる製品。
- 前記包装形態が整髪補助器具を含んでなる、請求項23に記載の製品。
- 前記整髪用組成物が整髪補助器具にしみこませられているか被覆されている、請求項24に記載の製品。
- 前記整髪補助器具が、ワイプ、パッド、ペーパータオル、スポンジ、カーリングペーパー、櫛、ヘアブラシおよびヘアカーラーからなる群から選択される、請求項24〜25いずれかに記載の製品。
- 第1の容器内に請求項1〜22のいずれかに記載の整髪用組成物の有効整髪量および、第2の容器内に有効量のpH調整剤を含んでなる整髪用キットであって、前記第1の容器の内容物と、前記第2の容器の内容物とを水性媒体中で混ぜ合わせたときに、所望のpHと粘度とを有する整髪用組成物が得られる、
前記整髪用キット。 - 第1の容器の内容物および第2の容器の内容物の少なくとも一方が水を含んでなる、請求項27に記載のキット。
- 得られる整髪用組成物の調製、使用またはその両方のための指示書をさらに含んでなる、請求項27〜28いずれかに記載のキット。
- (a)有効整髪量の請求項1〜22いずれかに記載の組成物を毛髪に塗布する工程と、
(b)工程(a)の最中またはその前後に、毛髪を所望の形状に成形する工程と、を含んでなる整髪方法。
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