JP4386344B2 - 整髪用組成物、ポリマーおよび方法 - Google Patents

整髪用組成物、ポリマーおよび方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、本願明細書に引用されて援用される2002年1月18日に出願された米国仮特許出願番号60/349,608の優先権を主張するものである。以下の関連した同一出願人による出願、すなわち、2002年1月18日に出願された米国仮特許出願番号60/349,399の優先権を主張する米国特許出願番号_____は、本出願と同時に出願された。
本発明は、整髪用組成物の分野、特に、特定のレオロジー改質性結合性ポリマーを整髪ポリマーとして含有する整髪組成物に関する。
毛髪を特定の形状に保ちたいという願望は広く支持されている。この願望を満たす一般的な方法は、毛髪に整髪用組成物を塗布することである。整髪用組成物は、毛髪の操作(スタイリング)を補助し、且つ、髪型を維持(固定)し、日中、または水もしくはシャンプーを用いたある洗髪作業とその次の洗髪作業の間または洗髪後のある整髪作業とその次の整髪作業の間、髪型の光沢または見映えを維持(グルーミング、リスタイリング)するのに一時的な利益を提供することができる。
とても一般的な市販の整髪用組成物としては、溶媒、共存溶媒、および防腐剤、着色剤、芳香剤などのごとき化粧品アジュバントに加えて、整髪(スタイリングまたは固定用)ポリマー、増粘ポリマーおよびポリマー改質剤が挙げられる。整髪ポリマーの存在量は、使用の際に所望される特性および製品の効用に依存して、約0.2〜約10重量%の範囲内で変動し得る。例えば、Ch.30, Harry’s Cosmeticology, 8th Ed., M. J. Rieger, Ph.D.(ed.), 666−667, Chemical Publishing Co., Inc., New York, NY (2000)を参照されたい。
整髪用組成物の効果を測定するのに様々な客観的および主観的方法が用いられている。一般によく用いられるある方法では、カール保持の指標として、高い湿度に対する髪型の耐性を評価する。この方法では、前記整髪用製品を塗布する前または後に毛髪をカールさせ、前記毛髪を制御された室温および相対湿度(RH)に曝している間にカール保持を定期的に観察する。約23〜約27℃の範囲の制御された周囲温度および約80〜90%RHの範囲の高い湿度においてカール保持を測定する場合、前記カール保持は、一般に、高湿度カール保持(HHCR)と呼ばれる。慣用の整髪用配合物のほとんどが辛うじて効果がある程度であり、一般に、約0.75時間以内で約70%の初期HHCRを実現する。従って、整髪用配合物のHHCRのさらなる増加が必要とされている。
また、整髪用組成物は、見映え(光沢があるか、汚れがないか、自然であるか)、感触(硬さ、不粘着性、軟らかさ)、カール記憶(弾力性および再整髪性)、櫛通りの良さ、かす(剥離)、制電性、滑らかさなどのごとき特性について毛髪を検査したり、触れたり、櫛でとかしたり、ブラシでとかしたり、または器具を用いて、視覚的および触覚知覚的方法によって主観的に評価される。また、慣用の整髪ポリマーには、毛髪を覆って光沢を無くす傾向がある。従って、光沢を無くさない整髪ポリマーが現在も必要とされている。
また、整髪用組成物を毛髪に塗布する前、塗布している最中および塗布した後の美的特性および見映えも重要である。好ましくは、前記製品は、塗布している最中に流れ落ちるのを避けるために、流れ難いすなわち高い粘度であるべきである。製品の透明度は、「清潔な」製品の外観を得るために、実質的に透明すなわち澄んでいることが好ましい。前記製品は、展ばし易く、質感が滑らかであり、粘着が無く、そして毛髪上で比較的素早く乾燥することができるべきである。
当該技術分野において周知である慣用の高分子整髪用または毛髪固定用ポリマーとしては、天然ゴム、天然樹脂、および合成の中性またはアニオン性ポリマーが挙げられる。整髪用または毛髪固定用ポリマーとして用いられている市販の中性またはアニオン性ポリマーの一部の例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(PVP/VA)、およびアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレート共重合体(Rohm and Haas社)が挙げられる。例えば、Gehmanらに対する米国特許第4,196,190号には、10〜30重量%のアルキルアクリレートと、41〜60重量%のメチルメタクリレートと、5〜20重量%のヒドロキシエチルメタクリレートと、10〜30重量%のメタクリル酸とを含有する乳化重合法によって調製された毛髪固定剤アクリル樹脂が開示されている。他の例としては、アクリレート/アクリルアミド共重合体(National Starch and BASF社)、ポリビニルメチルエーテルのエチルおよびブチルエステル/無水マレイン酸共重合体(PVM/MA)(GANTREZ(登録商標)、ISP社)並びにビニルピロリドン/アクリル酸/ラウリルメタクリレート共重合体(STYLEZETM2000、ISP社)が挙げられる。
慣用の整髪用樹脂および毛髪固定用ポリマーの欠点の1つは、一般に実用濃度において有意な増粘すなわち有意なレオロジー改質を実現できないということである。従って、慣用の整髪用組成物には、所望のレオロジー特性を得るために、一般に、整髪用または毛髪固定用ポリマーに加えて、1種以上の増粘剤またはゲル化剤、例えばポリマー、ゴムまたは樹脂と、他のレオロジー改質性添加剤、例えば乳化剤、ワックスなどを添加する必要がある。市販の毛髪固定用製品にゲル化剤として用いられている合成および天然ポリマーの一部の例としては、ノベオン社(オハイオ州クリーブランド)からCARBOPOL(登録商標)980ポリマー、CARBOPOL(登録商標)940ポリマー、CARBOPOL(登録商標)Ultrez10ポリマー、CARBOPOL(登録商標)Ultrez21ポリマー、CARBOPOL(登録商標)ETD2020ポリマーなどのごときCARBOPOL(登録商標)という登録商標で販売されているカルボマーポリアクリル酸ポリマーおよびそれらを疎水的に改質したポリマー;疎水的に改質されたセルロース;キサンタンガム;並びに疎水的に改質されたアルカリ膨潤性エマルジョンポリマーが挙げられる。
毛髪固定剤でもあり増粘剤でもある架橋アクリレートポリマーを得るための従来技術の試みが、Nowakらに対する米国特許第3,726,288号に開示されている。しかしながら、開示されているポリマーは有毒な有機溶媒(ベンゼン)を用いた有機溶媒をベースとした重合法によって生成されたものであり、増粘は達成されたが、毛髪固定性は低かった(72°F(約22℃)および90%の相対湿度における0.5時間後のカール保持率が50%未満であった)。
慣用にHASEポリマーと呼ばれている疎水的に改質されたアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性エマルジョンポリマーは、結合性ポリマーである。結合性ポリマーは、前記ポリマー中の他の基または前記ポリマーが存在する媒体中の他の材料と非特異的な「結合」を形成することができるペンダント基を含有している。一般に、前記ペンダント基は疎水性部分と親水性部分の両方を有しており、そして前記結合は一般に疎水相互作用に基づいている。また、ある特定のpH条件下において、親水性基同士の間に水素結合が見られる。ある理論によれば、そのような結合によって、臨界ポリマーオーバーラップ濃度を越えた高分子間網目の形成による増粘が生じる。
HASEポリマーは、一般に、低いpH(pH<4.5)において安定したエマルジョンとして重合されるが、ほぼ中性〜中性のpH(pH>5.5〜7)においては水膨潤性または水溶性になる。代表的なHASEポリマーは、pH感受性または親水性モノマー、疎水性モノマーおよび「結合性モノマー」のビニル付加共重合体である。結合性モノマーは、重合可能な末端基、親水性の中央部分および疎水性の末端基を有する。HASEポリマーの詳細な批評は、関連する開示内容が本願明細書に引用されて援用されるGregory D. Shay, Chapter 25, ”Alkali−Swellable and Alkali−Soluble Thickener Technology A Review”, Polymers in Aqueous Media − Performance Through Association, Advances in Chemistry Series 223, J. Edward Glass (ed.), ACS, pp.457〜494, Division Polymeric Materials, Washington, DC (1989)に記載されている。
しかしながら、慣用の整髪用および毛髪固定用ポリマーにはレオロジー改質剤すなわちゲル化剤との相溶性が無いことが多く、このため、粘度の低下、ゲル製品の透明度の欠如、凝集、融合またはコアセルベーションが生じる。従って、特にゲル配合物に好適に用いられる毛髪固定用ポリマーは、主にPVPおよびPVP/VAのごとき中性(すなわち、非荷電性、非イオン性)ポリマーに限定され得るが、これらのポリマーはヘアスタイルまたはカールを維持するのに辛うじて効果がある程度であり、比較的高い湿度条件下においては毛髪に粘り気のある、ベトベトした感触を与え、そして乾燥した毛髪には荒いざらついた感触を与える。さらに、増粘またはゲル化添加剤の必要性は、不必要なカスまたは光沢の無い塗膜が毛髪上に残ってしまうという危険性を高めることになる。
もう1つの問題は、粉末状で供給される高分子増粘剤および高分子毛髪固定剤は、製造工程における困難な保存と取り扱いの問題を提起し、そして複雑すなわち手の込んだ調剤および加工装置を必要とすることが多いため、製造コストが高くなってしまうということである。
従って、増粘性と毛髪固定性の両方を提供するレオロジー改質性整髪用ポリマーが現在も必要とされ、求められている。驚くべきことに、本願明細書に開示されるある特定の疎水的に改質された結合性ポリマーは、水性整髪用配合物に整髪効果とレオロジー改質の両方を与えることが今では分かっている。
本発明は、レオロジー改質性整髪用(RMHS)結合性ポリマーを、有効レオロジー改質および整髪量で含んでなる水性整髪用組成物であって、前記結合性ポリマーは実質的に唯一の整髪剤である、ことを特徴とする前記水性整髪用組成物を開示する。とりわけ、驚くべきことに、疎水的に改質された結合性ポリマーを用いることによって、水性整髪用組成物中において実質的に唯一の整髪剤とレオロジー改質剤であるという二重機能を実現できるということが分かった。特に好ましいポリマーは、酸性ビニルモノマーまたはその塩と、結合性モノマーとを含有するモノマー混合物の重合生成物である。本願明細書において用いられる「整髪剤」という用語は、整髪性および/または毛髪固定性を有する前記重合生成物を意味する。
本発明において好適に用いられる前記重合生成物を含んでなる疎水的に改質されたアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性ポリマーは水膨潤性または水溶性であり、(i)本願明細書ではASAPと呼ばれる結合性ポリマーと、(ii)一般にHASEポリマーと呼ばれる群から選択されるポリマーとを含んでなる。驚くべきことに、前記ASAPポリマーおよびHASEポリマーは、水性整髪用組成物中における唯一の(すなわち、活性なまたは主要な)整髪剤として好適に用いられる一方で、それと同時に、増粘、ゲル化または泡安定化のごときレオロジー改質を前記水性媒体に対して行うことが分かった。
本発明の水性整髪用組成物は、組成物の総重量に基づいて、活性ポリマー重量%ベースで計算して好ましくは約0.1%よりも高い、さらに好ましくは約0.3%よりも高い有効量のレオロジー改質性整髪用(RMHS)ポリマーを含有することができる。前記RMHSポリマーは、リンス、スプレー、スプリッツなどに好適な注ぐことが可能な液体から、搾り出し可能なゲル、エマルジョン(例えば、クリーム状、ペースト状および液状)、加圧スプレー、泡、ムース、ポマードなどとして好適な流れ難いゲルおよび流動性の無い粘り気のある組成物にわたる広い範囲のブルックフィールド粘度を与えることが分かった。前記水性整髪用組成物は、約2.5〜12よりも高い範囲のpH、さらに好ましくは約5〜約7.5の範囲のpHを有することがあり得る。RMHSポリマーを含有する水性整髪用組成物は、良好〜優良な耐高湿度カール性(HHCR)を付与した。驚くべきことに、特にASAP整髪剤を用いたときに、約90%の相対湿度(RH)におけるカール保持率HHCRが約0.75時間〜約3時間以上の範囲に亘って少なくとも約70%であることに示されるように、良好〜優良な整髪効果が得られた。
特に好ましいレオロジー改質性整髪用ポリマーは、(a)少なくとも1種の酸性ビニルモノマーと、(b)少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマーと、(d)第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー、半疎水性モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、任意に、(e)1種以上の架橋性モノマーまたは連鎖移動剤とを含んでなるモノマー混合物の重合生成物であるアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性モノマー(ASAP)である。モノマー(d)が結合性モノマーである場合、モノマー(c)の第1の疎水性末端基およびモノマー(d)の第2の疎水性末端基は、互いに著しく異なる疎水性および/または立体的性質を有する。
本発明のASAPレオロジー改質性整髪用ポリマーは、レオロジー改質を行うと同時に、ゲル製品に透明度を付与し、驚くほど長持ちする見映えの良いヘアスタイルを提供し、高湿度条件下においても粘着きが出ず、不必要な剥離残留物を毛髪上に残さず、静電気による毛髪の毛羽立ちを制御し、毛髪に光沢、腰および自然な感触を付与し、そしてシャンプーで毛髪から洗い流すことができる。
驚くべきことに、アルカリ膨潤性ASAPをカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーポリマーのごときアニオン性高分子増粘剤と組み合わせて用いることによって、同じ濃度での個々のポリマーの粘度の合計よりも予想以上に高い粘度が得られることが分かった。
また、各種製品形態を用いて、または、RMHSポリマーを染み込ませたもしくはRMHSポリマーでコーティングされた整髪補助器具を用いてRMHSポリマーを毛髪に塗布することによって整髪する方法も本発明の実施態様の1つである。
ある1つの好ましい整髪態様において、RMHSポリマーは、第1の容器内の有効整髪量のRMHSポリマーと、任意に、第2の容器内の有効pH調整量のpH調整剤とを含んでなり、前記2つの容器の内容物を水性媒体中で混ぜ合わせることによって水性整髪用組成物を提供するキットの形態で供給することができる。前記キット形態を用いたRMHSポリマーを用いて整髪する方法も本発明の実施態様の1つである。
有利なことに、前記レオロジー改質性整髪用ポリマーを実質的に唯一の主要な整髪剤として用いることによって、他にゲル化剤、増粘剤または泡安定剤を必要とすることなく、本発明の水性整髪用組成物で整髪効果を得ることができる。また、前記水性整髪用組成物は使用のために調製し易く、美観的および美容的に許容範囲内の製品特性を提供する。もう1つの利点とは、前記レオロジー改質性整髪用ポリマーは、加工中に分散させ易く、扱い易い液状で製造および供給することができるので、製造時間や配合費用を削減することができることである。
本願明細書において用いられる「整髪」という用語は、毛髪を所望の形状に整えるまたは固定すること、例えば、人間の毛髪に一時的なカールまたは型(ストレートまたはカール)を付与し、所望の型またはカール形状を保持または維持(グルーミング、リスタイリング)することを意味する。「水性」という用語は、配合物または媒体中に含まれるレオロジー改質性整髪用(RMHS)ポリマーを少なくとも膨潤または溶解させるのに十分な水が前記配合物または媒体中に存在することを意味する。「整髪用組成物」という用語は、少なくとも1種のRMHSポリマーを整髪剤として含んでなり、且つ、毛髪を所望の形状(カールまたはストレート)に成形する前、成形している最中または成形した後に(湿ったまたは乾いた)毛髪に塗布される製品を包含するが、製品の形態に制限はない。ヘアケア技術分野において一般に理解されていて、且つ、本願明細書において用いられる「整髪および毛髪固定」という用語は、毛髪固定剤および塗膜形成剤であり、且つ、毛髪に局所的に塗布されることによって整髪のし易さおよび/または髪型の維持を促進したり、髪型の再整髪性を維持したりする整髪剤全般を指す。従って、本発明の整髪用組成物には、ゲル、リンス、ローションおよびクリームのごときエマルジョン(水中油型、油中水型または多相型)、ポマード、スプレー(加圧型または非加圧型)、スプリッツ、ムース、泡、シャンプー、スティックのごとき固体、半固体などの形態で(湿ったまたは乾いた)毛髪に従来から塗布されている、または、洗い流されるまでの一定期間前記整髪剤が毛髪と接触したままになるように前記整髪用組成物を染み込ませたもしくは前記組成物でコーティングされた整髪補助器具から塗布される整髪用、毛髪固定用およびヘアグルーミング用製品を包含してもよい。
ある1つの整髪態様において、本願明細書における整髪用組成物の効果は、耐高湿度カール性すなわち高湿度カール保持性(HHCR)を毛髪に与えることができる能力によって判断される。HHCRとは、本願明細書においてさらに詳しく説明されるように、指定された時間間隔で%カール保持率(CR)に換算して測定された、約90%の範囲の高い相対湿度に曝されたときの髪型のカールの弛緩(すなわち、元の形状への復帰)または喪失に対する耐性を意味する。別の態様では、本願明細書においてさらに詳しく説明されるように、整髪用組成物の透明度、使用中の展ばし易さ、使用中の官能特性、および得られる髪型の見映えのごとき整髪用組成物の主観的特性によって、整髪効果が判断される。
ポリマーに関連して本願明細書において用いられる「レオロジー改質性」という用語は、ポリマーを含有する組成物のレオロジー特性(例えば、溶液粘度、ゲル化、せん断応力下における粘度変化、泡安定化、ゲル粘着性など)を変える前記ポリマーの性質を意味する。
本願明細書において単数形または複数形で同義的に用いられる「レオロジー改質性整髪用ポリマー」および「RMHSポリマー」という用語は、整髪効果を与えると同時に水性または水性アルコール媒体のレオロジー特性および/または美観的特性を改質するという二重機能を発揮する疎水的に改質されたアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性ポリマーを意味する。整髪用組成物に対して適用される「美観的特性」という用語およびそれを文法的に変えた表現は、色、透明度、滑らかさ、粘着度、潤滑性、質感などのごとき視覚および触覚精神感覚的製品特性を意味する。好適なレオロジー改質性整髪用ポリマーは、(a)酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)結合性モノマーとを含んでなるモノマー混合物の重合生成物を含んでなる疎水的に改質された結合性ポリマーである。特に好ましい疎水的に改質された結合性ポリマーとしては、(i)本願明細書において以下に詳述するようなASAPと呼ばれる水膨潤性または水溶性結合性ポリマーおよび(ii)一般にHASEポリマーと呼ばれる群から選択されるポリマーが挙げられる。
本願明細書において用いられるASAPという用語は単数形と複数形の両方を包含し、そして結合性モノマーから誘導される2種以上の異なる疎水的に改質された脂肪酸ポリオキシエチレン基を含有する、または、結合性モノマーから誘導される少なくとも1種の疎水的に改質されたポリオキシアルキレン基と、半疎水性モノマーから誘導される少なくとも1種の非疎水的に改質されたポリオキシアルキレン基とを含有する酸性/アニオン性アルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性結合性ポリマーおよびその塩を意味する。また、ASAPは、任意に、架橋性モノマー単位または連鎖移動剤単位のごとき他のモノマー単位を含有していてもよい。
驚くべきことに、本願明細書に開示される疎水的に改質されたASAPおよびHASEポリマーは、それぞれ、唯一の整髪剤として好適であり、そしてレオロジー改質性整髪用(RMHS)ポリマー含有製品の所望の性能および美観的特性を維持および強化する一方でレオロジー改質を実現または軽減するのに好適である。驚くべきことに、前記アルカリ膨潤性ASAP整髪用ポリマーは、慣用のHASEポリマーよりも効果的な増粘剤であり、高い湿度において整髪効果を維持できることが分かった。必要に応じて、ASAPポリマーとHASEポリマーの組み合わせを用いることができる。前記アルカリ可溶性ASAPポリマーは、その低い粘度、噴霧性および泡安定化性のために、特に有用である。
本発明において有用であるRMHSポリマーは、少なくとも1種の酸性ビニルモノマーと少なくとも1種の結合性モノマーとから誘導される結合性ポリマーである。本願明細書において定義および使用される結合性モノマー成分は、3つの相互に接続したセグメント、すなわち、重合可能な不飽和末端基と、疎水性末端基、および前記2つの末端基を接続させるポリオキシアルキレンセグメントとを含んでなる。好ましい実施態様では、前記RMHSポリマーは、酸性ビニルモノマーと、結合性モノマーと、非イオン性ビニルモノマー、架橋性モノマー、半疎水性モノマーおよび連鎖移動剤のごとき他のモノマーとを含有するモノマー混合物から調製される。
本発明の好ましいRMHSポリマーは、(a)少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマーと、(d)第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー、半疎水性モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、任意に、(e)1種以上の架橋性モノマーまたは連鎖移動剤とを含有するモノマー混合物を重合することによって調製されるASAPである。モノマー(d)が第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマーである場合、モノマー(c)の第1の疎水性末端基およびモノマー(d)の第2の疎水性末端基は、それぞれ独立して、同じまたは異なる炭化水素類から選択されるが、ただし前記第1および第2の疎水性末端基が同じ炭化水素類から選択される場合、前記2つの疎水性末端基の分子式の炭素数の差は少なくとも約8であることが好ましい。モノマー(c)および(d)が2種以上の結合性モノマーを含んでなる場合、モノマー混合物中における前記少なくとも2種の結合性モノマーの重量比は、約1:1〜約100:1の範囲内にあることが好ましく、1:1〜約20:1の範囲内にあることがさらに好ましく、1:1〜約10:1の範囲内にあることが最も好ましい。
好ましい実施態様において、前記ASAPはモノマー混合物の重合生成物であり、そして前記モノマー混合物は、前記モノマー混合物の総重量に基づいて、(a)約10〜約75重量%の、少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)約10〜約90重量%の、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)約0.1〜約25重量%の、第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマーと、(d)約0.1〜約25重量%の、第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー、半疎水性モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、任意に、(e)約0.01〜約20重量%の、架橋性モノマー、連鎖移動剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のモノマーとを含んでなる。
好ましくは、本発明のASAP整髪剤に用いられる結合性モノマーの疎水性末端基は、C〜C40直鎖アルキル、C〜C40分岐鎖アルキル、C〜C40炭素環式アルキル、アリール置換C〜C40アルキル、C〜C40アルキル置換フェニルおよびC〜C80錯エステルからなる群から選択される。前記結合性モノマー(c)および(d)の第1および第2の疎水性末端基は、同じまたは異なる炭化水素類から選択することができる。しかしながら、モノマー(d)が第2の結合性モノマーであり、且つ、前記第1および第2の結合性モノマーは同じ炭化水素類に属する疎水性末端基(例えば、両方の疎水性末端基がC〜C40直鎖アルキル基である)を有する場合、前記疎水性末端基の分子式は、両式の炭素数の差が好ましくは少なくとも約12、さらに好ましくは少なくとも約10、最も好ましくは少なくとも約8となるように選択される。
本発明の組成物に有用な特に好ましいRMHSポリマーは、モノマー混合物の重合による生成物であるアルカリ膨潤性ASAPであり、そして前記モノマー混合物は、前記モノマー混合物の総重量に基づいて、(a)約30〜約75重量%の、少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)約25重量%以上60重量%以下の、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)約0.5〜約20重量%の、第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマーと、(d)約0.5〜約20重量%の、第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー、半疎水性モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、任意に、(e)約20重量%以下の架橋性モノマーとを含んでなる。モノマー(d)が第2の結合性モノマーである場合、結合性モノマー(c)の第1の疎水性末端基および結合性モノマー(d)の第2の疎水性末端基は、それぞれ独立して、同じまたは異なる炭化水素類から選択される。前記第1および第2の疎水性末端基が同じ炭化水素類から選択される場合、前記疎水性末端基の分子式の炭素数の差は少なくとも約8である。この好ましい実施態様の結合性ポリマーはアルカリ膨潤性であり、前記ポリマーを含有するアルカリ性水性系に優れたレオロジー改質特性と比較的高い粘度を与える。これらの好ましいアルカリ膨潤性ポリマーの例を下記表4A〜4Cに示す。
特に好ましいアルカリ膨潤性ASAP実施態様では、結合性モノマー(c)または(d)の少なくとも一方が、C〜C40直鎖アルキル基、さらに好ましくはC12〜C40直鎖アルキル基である疎水性末端基を有する。3種以上の結合性モノマーを用いて本発明のASAPを調製する場合、前記結合性モノマーのうちの少なくとも2種が異なる炭化水素類から選択された疎水性末端基を有することが好ましい。同じ炭化水素類から選択された疎水性末端基を有する3種以上の結合性モノマーを用いて本発明のASAPを調製する場合、炭素数の最も大きい疎水性末端基の分子式と炭素数の最も小さい疎水性末端基の分子式との炭素数の差が少なくとも約12であることが好ましく、少なくとも約10であることがさらに好ましく、少なくとも約8であることが最も好ましい。
しかしながら、前記ASAPのモノマー(d)が第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマーと半疎水性モノマーとの組み合わせを含んでなる場合、前記第1および第2の疎水性末端基の分子式は限定されない。モノマー(d)がそのような組み合わせである場合、前記第1および第2の結合性モノマーは任意の組み合わせの第1および第2の疎水性末端基を含んでなっていてもよく、その際の炭化水素類または疎水性末端基の分子式の炭素数は限定されない。
本発明の他の好ましい実施態様では、RMHSポリマーは、粘度の比較的低いアルカリ可溶性ASAPである。この好ましい実施態様のアルカリ可溶性結合性ポリマーは、モノマー混合物の重合による生成物であり、そして前記モノマー混合物は、前記モノマー混合物の総重量に基づいて、(a)約10〜約30重量%の、少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩と、(b)約60重量%よりも多い、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマーと、(c)約0.5〜約5重量%の、疎水性末端基を有する少なくとも1種の結合性モノマーと、(d)約0.5〜約5重量%の、重合可能な不飽和末端基と、前記不飽和末端基と共有結合しているポリオキシアルキレン基とを有する少なくとも1種の半疎水性モノマーと、(e)約0.5〜約5重量%の、少なくとも1種の連鎖移動剤とを含んでなる。この好ましい実施態様のアルカリ可溶性結合性ポリマーは良好な膜形成性および耐湿性を与えるので、低い粘度が望ましいとされる散布可能または噴射可能な水性アルコール組成物のごとき組成物に好適である。これらの好ましいアルカリ可溶性ASAPの例を下記表4Dに示す。
ASAP結合性モノマー(c)および(d)並びにそれらの疎水性末端基に関して本願明細書において用いられる「第1」および「第2」という用語は2種以上の異なる結合性モノマーが用いられることを意味するものであり、反応混合物に添加する際の前記モノマーの順番に関する関係を示唆するものではなく、前記モノマーまたは疎水性末端基の間の機能的な差を意味するものでもない。「(メタ)アクリレート」という用語はアクリレートまたはメタクリレートのいずれかを意味する。
本願明細書において用いられる「アルキル」という用語は、置換または非置換脂肪族炭化水素部分を意味し、「炭素環式アルキル」という用語は、炭素数が3〜約12である1種以上の炭素環式環を含んでなるアルキル基を意味し、そして「アリール」という用語は、置換または非置換フェニルまたはナフチル部分を意味する。
「C−C」という形態をとる改質剤は、アルキル基または炭素環式アルキル基が総炭素数がx〜y、ただしxおよびyは特定の整数、である分子式を有することを示している。
アルキル基、アリール基および他の基に関して本願明細書において用いられる「ハロゲン置換」、「ヒドロキシ置換」、「カルボキシ置換」、「ポリオキシアルキレン置換」、「アルキル置換」および「アリール置換」という用語は、アルキル基、アリール基または他の基の少なくとも1つの水素原子が少なくとも1つのハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ポリオキシアルキレン基、アルキル基またはアリール基で置換されていることを意味する。
以下、本発明の二重目的RMHSポリマーの調製に有用な好適なモノマーを説明する。
酸性ビニルモノマー
本発明のRMHSポリマーの調製に好適に用いられる酸性ビニルモノマーは、酸性で重合可能なエチレン性不飽和モノマーである。前記不飽和モノマーは、酸性またはアニオン性官能部位を与える少なくとも1種のカルボン酸基、スルホン酸基またはホスホン酸基を含有していることが好ましい。これらの酸基は、一酸または二酸、カルボン酸の無水物、二酸のモノエステル、およびそれらの塩から誘導することができる。
好適な酸性のビニルカルボン酸含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸など、およびマレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはアコニット酸のC〜C18アルキルモノエステル、例えばマレイン酸水素メチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸水素ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などのジカルボン酸の無水物も酸性ビニルモノマーとして用いることができる。一般に、そのような無水物は、長期間水に曝されたりpHが高いと、対応する二酸へと加水分解する。
好適なスルホン酸基含有モノマーとしては、ビニルスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アリルオキシベンゼンスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。特に好ましいのは、スチレンスルホン酸のナトリウム塩(SSSA)およびAMPSである。
好適なホスホン酸基含有モノマーの例としては、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、3−アクリルアミドプロピルホスホン酸などが挙げられる。
前記モノマーまたはそれらの塩は、本発明のRMHSポリマーの酸性ビニルモノマー成分として、単独でまたは2種以上を混ぜ合わせて用いることができる。アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸のナトリウム塩(SSSA)、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およびそれらのモノエステルまたはモノアミドが好ましい。特に好ましい酸性ビニルモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、SSSAおよびAMPSである。
前記酸性ビニルモノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、前記ポリマーを調製するのに用いられる全モノマー混合物の好ましくは約10〜約75重量%、さらに好ましくは約25〜約65重量%、最も好ましくは約30〜約60重量%を構成する。
非イオン性モノマー
本発明のRMHSポリマーの調製に好適に用いられる非イオン性ビニルモノマーは、共重合可能な非イオン性のエチレン性不飽和モノマーである。前記不飽和モノマーは、下記式(I)または(II)
(I) CH=C(X)Z
(II) CH=CH−OC(O)R
式中、XはHまたはメチルであり、Zは−C(O)OR、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)N(R、−C、−COR、−CCl、−CN、−NHC(O)CH、−NHC(O)H、N−(2−ピロリドニル)、N−カプロラクタミル、−C(O)NHC(CH、−C(O)NHCHCH−N−エチレンウレア、−SiR、−C(O)O(CHSiR、−C(O)NH(CHSiRまたは−(CHSiRであり、xは1〜約6の範囲の整数であり、Rはそれぞれ独立してC〜C18アルキルであり、そしてRはそれぞれ独立してC〜C30アルキル、ヒドロキシ置換C〜C30アルキルまたはハロゲン置換C〜C30アルキルである、
のいずれかを有する。
好適な不水溶性非イオン性ビニルモノマーの例としては、C〜C30アルキル(メタ)アクリレート;C〜C30アルキル(メタ)アクリルアミド;スチレン;ビニルトルエン、ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、p−クロロスチレンなどのごとき置換スチレン;酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ネオデカン酸ビニルなどのごときビニルエステル;メタクリロニトリル、アクリロニトリルなどのごとき不飽和ニトリル;およびトリメチルビニルシラン、ジメチルエチルビニルシラン、アリルジメチルフェニルシラン、アリルトリメチルシラン、3−アクリルアミドプロピルトリメチルシラン、3−トリメチルシリルプロピルメタクリレートなどのごとき不飽和シランなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
好適な水溶性非イオン性ビニルモノマーの例としては、C〜Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ(メタ)アクリレート;トリス(ヒドロキシメチル)エタンモノ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド;3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド;N−ビニルカプロラクタム;N−ビニルピロリドン;メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア(例えば、CH=C(CH)C(O)NHCHCH−N−エチレンウレア);メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどのごときC〜Cアルコキシ置換(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド;並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
特に好ましい非イオン性ビニルモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸のC〜Cアルキルエステル、メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
前記非イオン性ビニルモノマー(b)は、モノマー混合物の総重量に基づいて、全モノマー混合物の好ましくは約10〜約90重量%、さらに好ましくは約25〜約75重量%、最も好ましくは約30〜約60重量%を構成する。
結合性モノマー
本発明のRMHSポリマーの製造に好適に用いられる結合性モノマーは、好ましくは系の他のモノマーと付加重合するエチレン性不飽和末端基部分(i)、製品ポリマーに選択的な親水性を付与するポリオキシアルキレン中央部分(ii)およびポリマーに選択的な疎水性を付与する疎水性末端基部分(iii)を有する化合物である。
エチレン性不飽和末端基を供給する部分(i)は、好ましくはα,β−エチレン性不飽和モノもしくはジカルボン酸またはその無水物、さらに好ましくはCもしくはCモノもしくはジカルボン酸またはその無水物から誘導される。あるいは、前記結合性モノマーの部分(i)は、アリルエーテルまたはビニルエーテル、米国再発行特許第33,156号もしくは米国特許第5,294,692号に開示されているような非イオン性ビニル置換ウレタンモノマー、または米国特許第5,011,978号に開示されているようなビニル置換尿素反応生成物から誘導することができる。前記各文献の関連のある開示内容は本願明細書に引用されて援用される。
前記中央部分(ii)は、好ましくは約5〜約250個、さらに好ましくは約10〜約120個、最も好ましくは約15〜約60個のC〜Cアルキレンオキサイド繰返し単位を含んでなるポリオキシアルキレンセグメントである。好ましい中央部分(ii)としては、約5〜約150個、さらに好ましくは約10〜約100個、最も好ましくは約15〜約60個のエチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位またはブチレンオキサイド単位、およびエチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位および/またはブチレンオキサイド単位のランダムまたは非ランダムシーケンスを含んでなるポリオキシエチレンセグメント、ポリオキシプロピレンセグメントおよびポリオキシブチレンセグメントが挙げられる。
前記結合性モノマーの疎水性末端基部分(iii)は、下記炭化水素類、すなわち、C〜C40直鎖アルキル、アリール置換C〜C40アルキル、C〜C40アルキル置換フェニル、C〜C40分岐鎖アルキル、C〜C40炭素環式アルキルおよびC〜C80錯エステル、のうちの1種に属する炭化水素部分であることが好ましい。
本願明細書および添付の請求の範囲において用いられる「錯エステル」という用語は、C〜Cアルキレンオキサイドでアルキル化されることができる少なくとも1種のヒドロキシル基を有する糖のごときポリオールのジ、トリまたはポリエステルを意味する。「錯エステル」という用語は、特に、関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用される米国特許第5,639,841号においてJenkinsらによって説明されている錯疎水性物質を包含する。
前記結合性モノマーの好適な疎水性末端基部分(iii)の例としては、カプリル(C)、イソオクチル(分岐鎖C)、デシル(C10)、ラウリル(C12)、ミリスチル(C14)、セチル(C16)、セテアリル(C16〜C18)、ステアリル(C18)、イソステアリル(分岐鎖C18)、アラキジル(C20)、ベヘニル(C22)、リグノセリル(C24)、セロチル(C26)、モンタニル(C28)、メリシル(C30)、ラクセリル(C32)などのごとき炭素数が約8〜約40である直鎖または分岐鎖アルキル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
自然源から誘導される炭素数が約8〜約40である直鎖および分岐鎖アルキル基の例としては、水素化落花生油、大豆油および菜種油(いずれも主にC18)、水素化獣脂油(C16〜C18)など;並びに水素化ゲラニオール(分岐鎖C10)、水素化ファルネソール(分岐鎖C15)、水素化フィトール(分岐鎖C20)などのごとき水素化C10〜C30テルペノール、から誘導されるアルキル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
好適なC〜C40アルキル置換フェニル基の例としては、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ドデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、オクタデシルフェニル、イソオクチルフェニル、s−ブチルフェニルなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
好適なC〜C40炭素環式アルキル基としては、コレステロール、ラノステロール、7−デヒドロコレステロールなどのごとき動物性ステロール;フィトステロール、スチグマステロール、カンペステロールなどのごとき植物性ステロール;およびエルゴステロール、菌類ステリンなどのごとき菌類ステロール、から誘導される基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明において有用な他の炭素環式アルキル疎水性末端基としては、シクロオクチル、シクロドデシル、アダマンチル、デカヒドロナフチル、およびピネン、水素化レチノール、ショウノウ、イソボルニルアルコールなどのごとき天然炭素環式材料から誘導される基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
アリール置換C〜C40アルキル基の例としては、スチリル(例えば、2−フェニルエチル)、ジスチリル(例えば、2,4−ジフェニルブチル)、トリスチリル(例えば、2,4,6−トリフェニルヘキシル)、4−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルエチル、トリスチリルフェノリルなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
好適なC〜C80錯エステルの例としては、水素化ヒマシ油(主に、12−ヒドロキシステアリン酸のトリグリセリド);1,2−ジステアリルグリセロール、1,2−ジパルミチルグリセロール、1,2−ジミリスチルグリセロールなどのごとき1,2−ジアシルグリセロール;3,4,6−トリステアリルグルコース、2,3−ジラウリルフルクトースなどのごとき糖のジ、トリまたはポリエステル;および関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用されるRuffnerらに対する米国特許第4,600,761号に開示されているようなソルビタンエステルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
有用な結合性モノマーは当該技術分野において周知である任意の方法によって調製することができる。例えば、Changらに対する米国特許第4,421,902号、Sonnabendに対する米国特許第4,384,096号、Shayらに対する米国特許第4,514,552号、Ruffnerらに対する米国特許第4,600,761号、Ruffnerに対する米国特許第4,616,074号、Barronらに対する米国特許第5,294,692号、Jenkinsらに対する米国特許第5,292,843号、Robinsonに対する米国特許第5,770,760号およびWilkerson,IIIらに対する米国特許第5,412,142号を参照されたい。これら文献の関連のある開示内容は本願明細書に引用されて援用される。
好ましい結合性モノマーの例としては、下記式(III)
Figure 0004386344
式中、Rは、それぞれ独立して、H、メチル、−C(O)OHまたは−C(O)ORであり、RはC〜C30アルキルであり、Aは−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−または−CHCHNHC(O)−であり、Arは2価のアリールであり、EはHまたはメチルであり、zは0または1であり、kは0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であるが、ただしkが0のときmは0であり、kが1〜約30の範囲のときmは1であり、(R−O)はポリオキシアルキレンであり、前記ポリオキシアルキレンはホモポリマー、ランダム共重合体、またはC〜Cオキシアルキレン単位のブロック共重合体であり、RはC、CまたはCであり、nは約5〜約250、好ましくは約5〜約100、さらに好ましくは約10〜約80、最も好ましくは約15〜約60の範囲の整数であり、Yは−RO−、−RNH−、−C(O)−、−C(O)NH−、−RNHC(O)NH−または−C(O)NHC(O)−であり、RはC〜C40直鎖アルキル、C〜C40分岐鎖アルキル、C〜C40炭素環式アルキル、C〜C40アルキル置換フェニル、アリール置換C〜C40アルキルおよびC〜C80錯エステルからなる群から選択される置換または非置換アルキルであり、そして前記Rで表されるアルキル基は、ヒドロキシル基、アルコキシル基およびハロゲン基からなる群から選択される1種以上の置換基を任意に含んでなる、
を有するものが挙げられる。
式(III)の特に好ましい結合性モノマーとしては、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ラクセリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、トリスチリルフェノールポリエトキシル化メタクリレート(TEM)、水素化ヒマシ油ポリエトキシル化メタクリレート(HCOEM)、カノーラポリエトキシル化(メタ)アクリレート、およびコレステロールポリエトキシル化メタクリレート(CHEM)が挙げられる。前記モノマーのポリエトキシル化部分は、約5〜約100個、好ましくは約10個〜約80個、さらに好ましくは約15〜約60個のエチレンオキサイド繰返し単位を含んでなる。
モノマー混合物中の結合性モノマー成分は、独立して、モノマー混合物の総重量に基づいて、モノマー混合物の好ましくは約0.1〜約25重量%、さらに好ましくは約0.25〜約20重量%、最も好ましくは約0.5〜約15重量%を構成する。
半疎水性モノマー
驚くべきことに、半疎水性モノマー(SHモノマー)は、それを含有するポリマーの結合性を和らげるので、非常に望ましい質感とレオロジー特性とを有する水性ゲルを生成することができることが分かった。理論に縛られたくはないが、SHモノマーのポリオキシアルキレン基がポリマー中の結合性モノマーの疎水性基の間のあるいは外部成分の間の非特異的な結合を遮断あるいは隠蔽することによってポリマーの結合性を弱めていると考えられている。そのようなSHモノマーは、得られるポリマーの増粘効率および泡安定化性を調整して、選択された用途にとって望ましいようにポリマーのレオロジー特性をカスタマイズすることができる。非常に驚くべきことに、SHモノマーを含有するアルカリ膨潤性ASAPは、一般に望ましいレオロジー特性および美観的特性を水性ゲルに付与し、一般に、すべてのポリマー濃度において、SHモノマーを含有していないアルカリ膨潤性結合性ポリマーよりも軟らかく、滑らかで展ばし易いゲルを提供し、そして24時間に亘って実質的に変化しないままであるブルックフィールド粘度を与えることが分かった。
驚くべきことに、SHモノマーをアルカリ膨潤性ASAPに導入することによって、低い剪断応力におけるゲル粘度を下げることができ、剪断応力の増加に伴う粘度の低下を最小限に抑えるまたは無くすことができ、そしてゲルの剪断低下作用を最小限に抑えるまたは小さくすることができる。例えば、下記実施例1に記載される約3%のBEM25結合性モノマーを有するポリマーCP−5は、約1.2%の活性ポリマー重量濃度において複合粘度法によって測定したとき、1Paの剪断応力において178Pa・sの粘度を有していたが、剪断応力を5Paに高めると複合粘度が43.6Pa・sに下がった。例えば、3%のBEM25結合性モノマーと5%のSHモノマーR307とを含有する実施例1のポリマーAGのように、SHモノマーを前記ポリマーに添加することには2つの効果があった。第1に、約1.2%の活性ポリマー濃度および1Paの剪断応力において測定された複合粘度が106Pa・sに下がった。第2に、剪断応力を5Paに高めても、複合粘度の測定値はほとんど変わらないままであった(105.5Pa・s)。同様に、(例えば実施例1のポリマーAIのように)15%のSHモノマーを添加した場合、約1.2%の活性ポリマー濃度および1Paの剪断応力において測定された複合粘度が46.5Pa・sであったのに対し、5Paの剪断応力において測定された複合粘度は36Pa・sであった。
本願明細書および添付の請求の範囲において用いられる「半疎水性モノマー」および「SHモノマー」という用語は、2つの部分、すなわち、(i)反応混合物の他のモノマーと付加重合するエチレン性不飽和末端基部分および(ii)ポリマーの疎水性基の間または前記ポリマーを含有する組成物中における他の材料の疎水性基の間の結合を弱めるポリオキシアルキレン部分を有する化合物を意味する。SHモノマーは結合性モノマーと似ているが、実質的に非疎水性の末端基部分を有し、前記SHモノマーを含有するポリマーに結合性を付与しない。
付加重合のためのビニルまたは他のエチレン性不飽和末端基を供給する不飽和末端基部分(i)は、好ましくはα,β−エチレン性不飽和モノもしくはジカルボン酸またはその無水物、好ましくはCもしくはCモノもしくはジカルボン酸またはその無水物から誘導される。あるいは、前記末端基部分(i)は、アリルエーテル、ビニルエーテルまたは非イオン性ウレタンモノマーから誘導することができる。
前記重合可能な不飽和末端基部分(i)は、少なくとも1種の遊離カルボキシ官能基を含有するC〜C30不飽和脂肪酸基から誘導することもできる。このC〜C30基は不飽和末端基部分(i)の一部であり、結合性モノマーにぶら下がっている疎水性基とは異なるものである。前記ペンダント疎水性基は、親水性の「スペーサ」部分によって結合性モノマーの不飽和末端基からはっきりと分けられている。
具体的に、前記ポリオキシアルキレン部分(ii)は、結合性モノマーの親水性部分と実質的にほぼ同じである長鎖ポリオキシアルキレンセグメントを含んでなる。好ましいポリオキシアルキレン部分(ii)としては、約2〜約250個、好ましくは約10〜約100個のエチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位またはブチレンオキサイド単位、およびエチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位および/またはブチレンオキサイド単位のランダムまたは非ランダムシーケンスを含んでなるポリオキシエチレン単位、ポリオキシプロピレン単位およびポリオキシブチレン単位が挙げられる。
好ましいSHモノマーとしては、下記式(IV)または(V)
Figure 0004386344
式中、Rは、それぞれ独立して、H、C〜C30アルキル、−C(O)OHまたは−C(O)ORであり、RはC〜C30アルキルであり、Aは−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−または−CHCHNHC(O)−であり、Arは2価のアリールであり、EはHまたはメチルであり、zは0または1であり、pは0〜約30の範囲の整数であり、rは0または1であるが、ただしpが0のときrは0であり、pが1〜約30の範囲のときrは1であり、(R−O)はポリオキシアルキレンであり、前記ポリオキシアルキレンはホモポリマー、ランダム共重合体またはC〜Cオキシアルキレン単位のブロック共重合体であり、RはC、CまたはCであり、vは約5〜約250、好ましくは約5〜約100、さらに好ましくは約10〜約80、最も好ましくは約15〜約60の範囲の整数であり、RはHまたはC〜Cアルキルであり、そしてDはC〜C30不飽和アルキルまたはカルボキシ置換C〜C30不飽和アルキルである、
のいずれかを有する化合物が挙げられる。
特に好ましい半疎水性モノマーとしては、下記化学式
CH=CH−O−(CH−O−(CO)−(CO)−H
または
CH=CH−CH−O−(CO)−(CO)−H
式中、aは好ましくは2、3または4であり、bは好ましくは1〜約10、さらに好ましくは約2〜約8、最も好ましくは約3〜約7の範囲の整数であり、cは好ましくは約5〜約50、さらに好ましくは約8〜約40、最も好ましくは約10〜約30の範囲の整数であり、dは好ましくは1〜約10、さらに好ましくは約2〜約8、最も好ましくは約3〜約7の範囲の整数であり、そしてeは好ましくは約5〜約50、さらに好ましくは約8〜約40の範囲の整数である、
を有するモノマーが挙げられる。
好ましいSHモノマーの例としては、クラリアント社からEMULSOGEN(登録商標)R109、R208、R307、RAL109、RAL208およびRAL307の商品名で市販されている重合性乳化剤、Bimax,Inc.社から販売されているBX−AA−E5P5、およびユニケマ社から販売されているMAXEMUL(登録商標)5010および5011が挙げられる。特に好ましいSHモノマーとしては、EMULSOGEN(登録商標)R109、R208およびR307、BX−AA−E5P5、MAXEMUL(登録商標)5010および5011、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
製造業者らによれば、EMULSOGEN(登録商標)R109は実験式CH=CH−O(CHO(CO)(CO)10Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり、EMULSOGEN(登録商標)R208は実験式CH=CH−O(CHO(CO)(CO)20Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり、EMULSOGEN(登録商標)R307は実験式CH=CH−O(CHO(CO)(CO)30Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり、EMULSOGEN(登録商標)RAL109は実験式CH=CH−CHO(CO)(CO)10Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルであり、EMULSOGEN(登録商標)RAL208は実験式CH=CH−CHO(CO)(CO)20Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルであり、EMULSOGEN(登録商標)RAL307は実験式CH=CH−CHO(CO)(CO)30Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルであり、MAXEMUL(登録商標)5010は約24個のエチレンオキサイド単位でエトキシル化されたカルボキシ官能性C12〜C15アルケニル疎水性物質であり、MAXEMUL(登録商標)5011は約34個のエチレンオキサイド単位でエトキシル化されたカルボキシ官能性C12〜C15アルケニル疎水性物質であり、そしてBX−AA−E5P5は実験式CH=CH−CHO(CO)(CO)Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルである。
本発明のRMHSポリマーの調製に用いられる半疎水性モノマーの量は、とりわけ、ポリマーに望まれる最終的なレオロジー特性および美観的特性に依存して大きく異なる。用いられる場合、モノマー反応混合物は、1種以上の半疎水性モノマーを、モノマー混合物の総重量に基づいて、好ましくは約0.1〜約25重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%、最も好ましくは約1〜約15重量%の範囲の量で含有する。
架橋性モノマー
本発明のRMHSポリマーは、分岐を導入し、且つ、分子量を調整するために1種以上の架橋性モノマー(e)を含んでなるモノマー混合物から任意に調製することができる。好適な多価不飽和架橋剤は当該技術分野において周知である。重合の前後または最中に形成された共重合体を架橋させることができる反応基を有する一価不飽和化合物を用いることも可能である。他の有用な架橋性モノマーとしては、エポキシド基、イソシアネート基および加水分解性シラン基のごとき複数の反応基を含有する多官能性モノマーが挙げられる。様々な多価不飽和化合物を用いて部分的または実質的に架橋された3次元網目構造を形成することができる。
好適な多価不飽和架橋性モノマー成分の例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびトリビニルベンゼンのごとき多価不飽和芳香族モノマー;1,2,4−トリビニルシクロヘキサンのごとき多価不飽和脂環式モノマー;ジアリルフタレートのごときフタル酸の2官能性エステル;並びにイソプレン、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5,9−デカトリエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘプタジエンを初めとするジエン、トリエンおよびテトラエンのごとき多価不飽和脂肪族モノマーなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
他の好適な多価不飽和架橋性モノマーとしては、トリアリルペンタエリスリトール、ジアリルペンタエリスリトール、ジアリルスクロース、オクタアリルスクロースおよびトリメチロールプロパンジアリルエーテルのごときポリアルケニルエーテル;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレントリ(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのごとき多価アルコールまたは多価酸の多価不飽和エステル;メチレンビスアクリルアミド、プロピレンビスアクリルアミドなどのごときアルキレンビスアクリルアミド;N,N’−ビスメチロールメチレンビスアクリルアミドのごときメチレンビスアクリルアミドのヒドロキシおよびカルボキシ誘導体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのごときポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、アリルジメチルビニルシラン、ジアリルジメチルシランおよびテトラビニルシランのごとき多価不飽和シラン;並びにテトラアリルスズ、ジアリルジメチルスズのごとき多価不飽和スズ酸塩などが挙げられる。
反応基を有する有用な一価不飽和化合物としては、N−メチロールアクリルアミド;アルコキシ基がC〜C18アルコキシであるN−アルコキシ(メタ)アクリルアミド;およびトリエトキシビニルシラン、トリス−イソプロポキシビニルシラン、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートのごとき不飽和加水分解性シランなどが挙げられる。
複数の反応基を含有する有用な多官能性架橋性モノマーとしては、エチルトリエトキシシランおよびエチルトリメトキシシランのごとき加水分解性シラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメチルオキシシランのごときエポキシ置換加水分解性シラン;1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートへキサン、1,4−フェニレンジイソシアネートおよび4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)のごときポリイソシアネート;グリシジルメタクリレートおよびアリルグリシジルエーテルのごとき不飽和エポキシド;並びにジグリシジルエーテル、1,2,5,6−ジエポキシヘキサンおよびエチレングリコールジグリシジルエーテルのごときポリエポキシドが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
特に有用なのは、ヒドロキシル官能基1モル当たり約2〜約100モルのエチレンオキサイドでエトキシル化され、且つ、ビニルエーテル、アリルエーテル、アクリレートエステル、メタクリレートエステルなどのごとき重合可能な不飽和基で末端封止されたジオール、トリオールおよびビスフェノールのごときエトキシル化ポリオールから誘導された多価不飽和架橋剤である。そのような架橋剤の例としては、ビスフェノールAエトキシル化ジメタクリレート、ビスフェノールFエトキシル化ジメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシル化トリメタクリレートなどが挙げられる。本発明のRMHSポリマーに有用な他のエトキシル化架橋剤としては、関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用されるZanotti−Russoに対する米国特許第6,140,435号に開示されているエトキシル化ポリオール誘導架橋剤が挙げられる。
特に好ましい架橋剤の例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジメタクリレート(EOBDMA)などのごとき、少なくとも2種のアクリレートまたはメタクリレートエステル基を有するポリオールのアクリレートおよびメタクリレートエステルが挙げられる。
用いられる場合、架橋性モノマーは、モノマー混合物の総重量に基づいて、好ましくはモノマー混合物の約0.01〜約2重量%、さらに好ましくは約0.05〜約1.5重量%、最も好ましくは約0.1〜約1重量%の範囲の量でモノマー反応混合物中に存在する。
連鎖移動剤
本発明のRMHSポリマーは、ポリマー技術分野において周知である1種以上の連鎖移動剤を含んでなるモノマー混合物から任意に調製することができる。
本発明において使用される好適な連鎖移動剤は、C〜C18アルキルメルカプタン、メルカプトカルボン酸、メルカプトカルボン酸エステル、チオエステル、C〜C18アルキルジスルフィド、アリールジスルフィド、多官能チオールなどのごとき各種チオおよびジスルフィド含有化合物;亜リン酸塩および次亜リン酸塩;四塩化炭素、ブロモトリクロロメタンなどのごときハロアルキル化合物;並びにα−メチルスチレンのごとき不飽和連鎖移動剤が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
多官能チオールとしては、トリメチロールプロパン−トリス−(3−メルカプトプロピオネート)のごとき3官能チオール;ペンタエリスリトール−テトラ−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラ−(チオグリコラート)およびペンタエリスリトール−テトラ−(チオラクテート)のごとき4官能チオール;並びにジペンタエリスリトール−ヘキサ−(チオグリコラート)のごとき6官能チオールなどが挙げられる。
あるいは、連鎖移動剤は、ビニルモノマーのフリーラジカル重合中に付加重合体の分子量を下げる任意の触媒連鎖移動剤でもよい。触媒連鎖移動剤の例としては、コバルト錯体(例えばコバルト(II)キレート)が挙げられる。触媒連鎖移動剤は、チオール系CTAに対して比較的低い濃度で用いることができる場合が多い。
好ましい連鎖移動剤の例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン(DDM)、t−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン(ODM)、イソオクチル3−メルカプトプロピオネート(IMP)、ブチル3−メルカプトプロピオネート、3−メルカプトプロピオン酸、ブチルチオグリコラート、イソオクチルチオグリコラート、ドデシルチオグリコラートなどが挙げられる。連鎖移動剤は、モノマー混合物の総重量に基づいて、好ましくは重合可能なモノマー混合物の約10重量%以下の量で、モノマー反応混合物に添加することができる。
本発明の組成物に有用なASAPおよびHASEポリマーは、ポリマー技術分野において周知である乳化重合のごとき慣用の重合法によって製造することができる。一般に、重合法は約30〜約95℃の範囲内の反応温度において実施されるが、この範囲よりも高いまたは低い温度を用いてもよい。モノマー混合物の乳化を促進するために、乳化重合は、脂肪アルコールサルフェートまたはアルキルスルホネートのごときアニオン性界面活性剤、直鎖または分岐鎖アルコールエトキシレートのごとき非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはこれらの混合物の存在下において行ってもよい。また、乳化重合反応混合物は、1種以上のフリーラジカル開始剤を、モノマーの総重量に基づいて好ましくは約0.01〜約3重量%の範囲の量で含有する。前記重合は、水性媒体中または水性アルコール媒体中において、低いpH、すなわち、好ましくは約4.5以下のpHで行うことができる。
乳化重合を促進するのに好適なアニオン性界面活性剤はポリマー技術分野において周知であり、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジ−s−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸2ナトリウム、ラウレス−3スルホコハク酸2ナトリウム、n−オクタデシルスルホコハク酸2ナトリウム、分岐アルコールエトキシレートのホスフェートエステルなどが挙げられる。
フリーラジカル開始剤の例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸ナトリウムのごとき水溶性無機過硫酸塩化合物;過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチルおよび過酸化ラウリルのごとき過酸化物;クメンヒドロペルオキシドおよびt−ブチルヒドロペルオキシドのごとき有機ヒドロペルオキシド;(亜硫酸水素ナトリウムまたはアスコルビン酸のごとき還元剤で任意に活性化された)過酢酸および過安息香酸のごとき有機過酸;および2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのごとき油溶性フリーラジカル生成剤などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。特に好適なフリーラジカル重合開始剤としては、アルキル基に水溶化性置換基を有する2,2’−アゾビス(t−アルキル)化合物のごとき水溶性アゾ重合開始剤が挙げられる。好ましいアゾ重合触媒としては、VAZO(登録商標)44(2,2’−アゾビス(2−(4,5−ジヒドロイミダゾリル)プロパン)、VAZO(登録商標)56(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド)およびVAZO(登録商標)68(4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸))のごときデュポン社から入手可能なVAZO(登録商標)フリーラジカル重合開始剤が挙げられる。
任意に、緩衝剤、キレート剤、無機電解質、連鎖停止剤およびpH調整剤のごとき、乳化重合技術分野において周知である他の乳化重合添加剤を重合系において用いてもよい。
ASAPおよびHASEポリマーを調製するのに用いることができる好ましい一般的な乳化重合法は以下の通りである。
窒素雰囲気下、所望の量の各モノマーを乳化させる量のアニオン性界面活性剤を含有する水と攪拌混合しながら混ぜ合わすことによって、窒素注入口と攪拌装置とを備えた第1の反応器内でモノマーエマルジョンを調製する。攪拌装置と、窒素注入口と、供給ポンプとを備えた第2の反応器へ、所望の量の水とさらなるアニオン性界面活性剤とを、必要に応じて、窒素雰囲気下において投入し、そして第2反応器の内容物を攪拌混合しながら加熱する。第2反応器の内容物が約65〜98℃の範囲の温度に達した後、第2反応器内にこのようにして形成された水性界面活性剤溶液にフリーラジカル開始剤を注入し、そして第1反応器のモノマーエマルジョンを、約65〜95℃の範囲の制御された反応温度において一般に約1〜約4時間に亘って第2反応器にポンプで少しずつ送り込む。モノマーの添加が完了した後、必要に応じて、第2反応器にフリーラジカル開始剤の追加量をさらに添加してもよい。得られた反応混合物は、一般に、重合反応を完了させるのに十分な時間、約75〜95℃の温度に保たれる。その後、得られたポリマーエマルジョンを冷却し、反応器から取り出すことができる。
当該ポリマー技術分野の当業者には、各モノマー成分の量を調節することによって任意の所望の種類および割合のモノマーを有するポリマーを得ることができることは理解されるであろう。必要に応じて、水の使用量を増減させてもよい。アルコールのごとき水混和性溶媒および上記のような他の重合添加剤も反応混合物に含有させてもよい。乳化重合技術分野において周知であるように、直鎖または分岐鎖アルコールエトキシレートのごとき非イオン性界面活性剤を添加することもできる。
生成物ポリマーエマルジョンは、ポリマーの重量に対して、好ましくは約1〜約60%の総ポリマー固形物(TS)、さらに好ましくは約10〜約50%の総ポリマー固形物、最も好ましくは約15〜約45%の総ポリマー固形物を含有するように調製することができる。いずれの中和の前にも、生成されたままのポリマーエマルジョンは、一般に、約2〜約5.5の範囲のpH、室温(スピンドル#2、20rpm)において約100mPa・s以下のブルックフィールド粘度、および約150℃以下の下記C法によって測定されたガラス転移温度(Tg)を有する。
任意に、生成されたポリマーエマルジョンをさらに処理してもよい。すなわち、アルカリ性材料、好ましくはアルカリ金属水酸化物、有機塩基などを用いて、そのpHを好ましくは約3〜約7.5以上の範囲の値に、あるいは約12以上に調整してもよい。本発明のアルカリ膨潤性結合性ポリマーエマルジョンは、一般に粘度が約100mPa・sよりも高くなると膨潤し、中性〜アルカリ性のpHにおいては粘り気のある溶液すなわちゲルを形成する。一般に、前記ポリマーは、そのようなpH値において実質的に安定しており、約12よりも大きいpH値においても実質的に安定している。アルカリ可溶性結合性ポリマーは、一般に、アルカリ性のpHにおいては低い粘度を維持する。ポリマーエマルジョンは、水または溶媒で希釈してもよいし、水の1部を蒸発させることによって濃縮してもよい。あるいは、例えば噴霧乾燥機、ドラム乾燥機または凍結乾燥機のごとき当該技術分野において周知の装置を用いて、得られたポリマーエマルジョンを粉末または結晶の形態にまで実質的に乾燥させてもよい。
本発明のRMHSポリマーは乳化重合によって調製することができる。そして必要に応じて様々な公知の添加剤および慣用のアジュバント並びに水以外の溶媒をRMHSポリマーエマルジョン生成物に添加することによって、前記ポリマーの性能および特性を変えたり、悪影響を及ぼしたりせずに最終的な組成物の意図される使用形態を得ることによって用いることができる。あるいは、慣用の混合装置を用いて、RMHSポリマーを1成分として、好ましくは液体の形態で配合物に添加してもよい。
意外にもRMHSポリマーとして好適であることが分かった市販の好ましいHASEポリマーの一部の例としては、チバスペシャリティケミカル社からSALCARE(登録商標)SC80、日本エヌエスシー株式会社からSTRUCTURE(登録商標)2001およびSTRUCTURE(登録商標)3001、3V Inc.社からSYNTHALEN(登録商標)W2000、並びにISP,Inc.社からACULYN(登録商標)22およびACULYN(登録商標)28の商品名で販売されている高分子増粘剤が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
SALCARE(登録商標)SC80は、約40重量%のメタクリル酸(MAA)と、約50重量%のエチルアクリレート(EA)と、約10重量%のステアレス−10アリルエーテル(結合性モノマー)との共重合体である、とDe La Mettrieらに対する米国特許第6,074,439号に説明されている。
STRUCTURE(登録商標)2001は、アクリル酸と、アクリレートエステルと、ステアレス−20イタコネート(結合性ポリマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。STRUCTURE(登録商標)3001は、アクリル酸と、アクリレートエステルと、セテス−20イタコネート(結合性ポリマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。
ACULYN(登録商標)28は、アクリル酸と、メタクリル酸と、アクリレートエステルと、ベヘネス−25メタクリレート(結合性モノマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。ACULYN(登録商標)22は、アクリル酸と、メタクリル酸と、アクリレートエステルと、ステアレス−20メタクリレート(結合性モノマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。
SYNTHALEN(登録商標)W2000は、アクリレートと、パルメス−25アクリレート(結合性モノマー)との共重合体であると製造業者によって説明されている。
前記市販のHASEポリマーは、下記表1に示される物理的特性を有する。
Figure 0004386344
本発明の整髪用組成物に用いられるRMHS剤の量は限定されず、所望の整髪効果およびレオロジー特性の種類によって決定される。配合技術に精通している業者は、所望の整髪効果およびレオロジー特性が得られる整髪剤の量を容易に選び出すことができる。重量%RMHSポリマーという表現はいずれも、配合物の総重量に基づいた活性重量%ポリマーを意味する。従って、本発明の整髪用組成物は、RMHSポリマーを、全組成物に基づいて約0.1〜約15%、好ましくは約0.3〜約12%、さらに好ましくは約0.5〜約10%の範囲の活性ポリマー重量量で含有することができる。ASAPの活性ポリマー重量%の好ましい整髪量は、好ましくは約0.1〜約10%、さらに好ましくは約0.5〜約5%、最も好ましくは約0.75〜約3%である。HASEポリマーの活性ポリマー重量%の好ましい整髪量は、約0.1〜約10%、さらに好ましくは約0.5〜約5%、最も好ましくは約0.6〜約3%である。RMHSポリマーを含んでなる整髪用組成物は、約100mPa・sよりも高いブルックフィールド粘度を有することが好ましい。
本願明細書において論じられている本発明のポリマーと一緒に用いることのできる濃縮添加剤、補助材料、製品または材料は、一般によく用いられている化学名で、もしくは、ワシントンDCの米国化粧品工業会より発行されている国際化粧品原料辞典第6版の第1巻および第2巻(1995)またはInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook第7版第1巻〜第3巻(1997)(以下、共にINCI辞書と呼ぶ)に定義されているINCI名として一般に知られている国際命名法で呼ぶ。INCI名、商品名またはその両方で記載されている材料の数多くの民間供給業者は、前記INCI辞書および数多くの商業業界誌、例えば、これらに限定されるわけではないが、McCutcheon’s DivisionのThe Manufacturing Confectioner Publishing Co.から発行されている2001 McCutcheon’s Dictionariesの第一巻:Emulsifiers & Detergents および 第二巻:Functional Materials, Glen Rock, NJ (2001);および Allured出版社から発行されているCOSMETICS & TOILETRIES(登録商標)、2001 Cosmetic Bench Reference,115 (13),Carol Stream, IL (2001)に記載されている。前記INCI辞書および前記各文献の関連のある開示内容は本願明細書に引用されて援用される。
RMHSポリマーを含んでなる整髪用製品配合物は、当該技術分野において周知のように、整髪用組成物に慣用的にまたは一般によく含有される様々な添加剤および化粧品助剤を含有することができる。その例としては、酸性化またはアルカリ化pH調整剤および緩衝剤;合成または天然の非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性ポリマーのごとき補助毛髪固定剤および膜形成剤;増粘性ポリマー、ゴムまたは樹脂増粘剤すなわちゲル化剤のごとき補助レオロジー改質剤;乳化剤、エマルジョン安定化剤、ワックス、分散剤などのごとき添加剤;溶媒、電解質などのごとき粘度調整剤;帯電防止剤、合成油、植物性または動物性油、シリコーン油、単量体または高分子四級化アンモニウム塩、毛髪光沢増強剤、緩和剤、滑剤、日焼け止め剤などのごときヘアコンディショニング剤;ケミカルヘアウェービングまたはストレート剤;一時的、半永久的または永久的染髪用顔料および染料のごとき毛髪着色剤;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性および双性イオン性界面活性剤のごとき界面活性剤;可塑剤、湿潤剤、粘着付与剤、粘着除去剤、加湿剤などのごときポリマーフィルム改質剤;キレート剤、乳白剤、真珠光沢付与剤、タンパク性材料およびその誘導体、ビタミンおよびその誘導体、防腐剤、芳香剤、可溶化剤、顔料および染料のごとき着色剤、紫外線吸収剤などのごとき製品仕上げ剤;フッ素化炭化水素、液体揮発性炭化水素、圧縮ガスなどのごとき推進剤(水混和性または不水混和性);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。化粧品成分およびそれらの機能を広く網羅した一覧は、一般にINCI辞書、特にその第7版の第二巻4節に記載されている。前記文献は本願明細書に引用されて援用される。整髪技術分野に精通する業者らにとって、一部の材料は多機能であるため、配合物中で複数の効果を発揮することができることは周知である。従って、唯一の整髪剤として用いられるRMHS(ASAPおよび/またはHASE)ポリマーおよび他の製品成分の量は、整髪用組成物の目的および特性が意図される作用を発揮すれば、限定されない。
本発明のRMHSポリマーは増粘剤を添加する必要性を最小限に抑えたりまたは無くしたりする一方で、当該技術分野において一般によく用いられる慣用の高分子増粘剤、例えば天然ゴム、樹脂および非イオン性またはアニオン性合成高分子増粘剤などと組み合わせて用いることができる。増粘剤として一般によく用いられるアニオン性アルカリ膨潤張性カルボマーポリマーを用いて得られた粘度は、アニオン性ポリマーの存在によって悪影響を及ぼされる可能性があることが知られている。驚くべきことに、アルカリ膨潤性ASAPには慣用のカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーポリマーとの親和性があり、そしてそのような組み合わせによって得られた粘度は、同じ濃度でのアルカリ膨潤性ASAPの粘度とカルボマーポリマーの粘度との和よりも予想以上に高いことが分かった。有利なことに、これにより、カルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーポリマーを含有する配合物に必要に応じてアルカリ膨潤性ASAPを用いることによって、電解質(すなわち、塩)に対する耐性およびゲル粘着性をはじめとする配合物の美観的特性およびレオロジー特性をさらに改善することができるようになる。
レオロジー改質を必要とする整髪用組成物は化粧品の文献によってよく知られている。その例としては、ヘアウェービングおよびヘアストレート製品、並びに、ヘアスタイル維持製品が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。前記組成物は、液体リンス、加圧型エアロゾルおよび非加圧型エアロゾルスプレー、スプリッツ、ムース、泡、ゲル、ローション状およびクリーム状のエマルジョン、スタイリングシャンプー、スタイリングスティックのごとき固体、半固体などの形態で適用することが可能である。前記組成物は、レオロジーの改質を必要とする任意の水性すなわち水含有配合物媒体を用いることができる。整髪用組成物は、例えば「エクストラホールド」、「ファームホールド」または「ソフトホールド」のように識別される様々な度合いの効力、および、様々な製品形態、すなわち、液体、スプレー、ローション、クリーム、ゲル、ムース、スプリッツ、泡などの形態で一般に市販されている。有利なことに、RMHSポリマーは唯一の整髪剤になり得る一方で、必要に応じて、当該技術分野において周知の慣用の補助高分子毛髪固定剤および膜形成剤、例えば天然ゴム、樹脂、および中性、アニオン性、カチオン性または両性の合成ポリマーと組み合わせて用いることができる。
RMHSポリマーを含有する整髪用配合物は、水、水/有機溶媒混合物、または溶媒/推進剤系から得られる。RMHSポリマーは、水または水/エタノール混合物のごとき極性溶媒に溶かされることが好ましい。RMHSポリマーは中和されていない状態で用いることもできるし、そのpHを有機または無機塩基を用いて約3よりも高いpHに調節してもよい。製品の透明度が重要かつ望ましい場合、前記製品が実質的に透明または半透明になるまで、そのpHを好ましくは約5〜約7.5の範囲に調節する。好ましい有機溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールなどのごときC〜C一価アルコール、およびプロピレングリコール、グリセリン、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、イノシトール、ソルビトール、マンニトールなどのごときC〜Cポリオールである。
本発明の整髪用組成物は、当該技術分野において周知の各種包装形態、すなわち、缶、ボトル、パケット、アンプル、ジャー、チューブなどのごとき加圧型および非加圧型容器から供給および調合することができる。別の包装形態実施態様では、本発明の整髪用組成物は、前記整髪用組成物を染み込ませたまたは前記整髪用組成物でコーティングされた整髪補助器具から毛髪に供給することができる。本願明細書において用いられる「整髪補助器具」という用語は、RMHSポリマーを毛髪に供給し、保持するための基材としての役割を果たすことができる、ワイプ、パッド、ペーパータオル、スポンジ、カーリングペーパー、櫛、ヘアブラシ、スポンジヘアローラーのごときヘアカーラーなどを意味する。整髪用組成物は、例えば浸漬、浸透、飽和などによって整髪補助器具に染み込ませることができるし、ブラッシング、吹き付け、浸漬などによって整髪補助器具にコーティングすることができる。その後、整髪補助器具は、湿った状態または実質的に乾燥した状態で包装される。さらに別の包装形態実施態様では、前記整髪用組成物は、以下にさらに詳しく説明されるように、キットとして提供することができる。
整髪用スプレー組成物は、加圧型のエアロゾルスプレー、ムース、スプリッツおよび泡含有推進剤として、または、非加圧型の機械的に推進されるスプレーまたは泡として指動ポンプ式装置から供給することができる。本発明のRMHSポリマーを加圧型エアロゾル組成物へと配合する場合、推進剤は、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘキサフルオロエタンなどのごとき環境保護的および生理学的に許容可能なフッ素化炭化水素;ジメチルエーテル;プロパン、イソブタン、n−ブタンおよびそれらの混合物のごとき液体揮発性炭化水素;並びに二酸化炭素、亜酸化窒素および窒素のごとき圧縮ガスのいずれでもよい。推進剤の量は、エアロゾル技術分野において周知であるように、所望の噴霧性および圧力係数に左右される。加圧型エアロゾル整髪用組成物は、揮発性有機化合物(VOC)について制定された連邦政府および州政府による必要条件を満たす濃度の環境保護的および生理学的に許容可能な溶媒と推進剤との組み合わせを含有することが好ましい。低VOC組成物の場合、溶媒系は水であることが好ましく、または、少なくとも約20〜約50重量%の水、好ましくは約25重量%以下の有機溶媒を含有する。ムース製品の場合、推進剤の量は、全組成物の約1〜約30重量%、好ましくは約3〜約15重量%の範囲であり得る。
泡整髪用組成物は、揮発性液体炭化水素を前記整髪用組成物中に分散させた後、当該技術分野において周知のように、バッグの外側で密封および加圧されたバッグ封入缶すなわちSEPRO缶のごとき容器に封入した「後発泡型」ゲル〜ムース型製品の形態をとってもよい。あるいは、泡整髪用組成物は、指動式非加圧型ポンプ式噴霧装置に入れられることによって機械的にエアゾール化されるゲルまたはムース配合物でもよい。
前記整髪用組成物は、毛髪を一時的に染色するための着色剤スタイリングゲルまたはスタイリングスティックのごとき染髪剤を含有する毛髪用化粧品型製品でもよい。
また、前記整髪用組成物は、ポリマーの性質を変える添加剤、例えば可塑剤、湿潤剤、粘着付与剤、粘着除去剤、加湿剤、帯電防止剤、防腐剤、芳香剤および芳香剤可溶化剤を含有することができるが、含有できる添加剤はこれらに限定されるわけではない。本発明の整髪用組成物は、液体、クリーム、ペースト、軟膏などの形態をとる油中水型、水中油型または多相型エマルジョンとして配合することができる。本発明の整髪用組成物は、製品形態に関しては限定されておらず、透明、半透明または不透明のいずれでもよい。
前記整髪用組成物は、ヘアコンディショニング剤として、揮発性および不揮発性シリコーン化合物、シリコーンゴムおよび硬質シリコーンポリマーを含有することができるが、含有できるヘアコンディショニング剤はこれらに限定されるわけではない。硬質シリコーンポリマーの説明は米国特許第4,902,499号に記載されており、本願明細書に引用されて援用される。
本発明のある1つの好ましい整髪用組成物の実施態様では、整髪用組成物は、美容師または顧客のごとき利用者に、中和されていないまたは部分的に中和されている状態の整髪量のRMHSポリマーの入ったパッケージと、任意に、有効量のpH調整剤および残りの材料、もしあれば、の全部または一部を含有する液体または固体の組成物の入ったパッケージとを供給することによって調製することができる。使用する際、利用者は、前記2つのパッケージの内容物の全部または一部を水性媒体中で混ぜ合わすことができる。前記内容物を例えば木製のへらまたは同様の単純な混合器具を用いて容器内で混ぜ合わせる、または、前記内容物をジャーに入れ、振ってまたは手で攪拌して混ぜ合わせることによって、前記整髪用組成物の粘度を所望の粘度に調整することができる。
整髪キットの実施態様は、例えばボトル、アンプル、絞り出し可能なチューブ、パケットなどの少なくとも1つの容器と、前記生成物の調製および使用のための指示情報とを含んでなっていてもよいが、この構成に限定されるわけではない。例えば、有用なキットの実施態様は、濃縮または希釈された液体の状態にある水性RMHSエマルジョン生成物を含んでなる1つの容器を提供してもよく、もう1つの容器はAMPのごとき塩基を含んでいてもよい。使用の際、前記第1の容器の内容物を選択量の水、好ましくは蒸留水、脱イオン水または軟質の水道水に添加し、攪拌または振とうして混ぜ合わせた後、前記第2の容器の内容物と徐々に混ぜ合わせ、所望の粘度が得られるまでブレンドしてもよい。あるいは、RMHSエマルジョン生成物の濃縮物が得られるのに十分な水を第1の容器の内容物に含ませることによって、第2の容器の内容物だけが添加される必要があるようにしてもよい。また、有用なキットは、顧客の利便性のために、木製またはプラスチック製のへらのごとき手持ち型手動式混合器具、使い捨て手袋、混合容器、櫛、ヘアカーラーなどを備えていてもよい。さらに、有用なキットは、前記容器の一方または両方の内容物に対する材料として提供されているまたは別の容器またはパッケージで提供されている、市場にアピールするための調整剤および添加剤のごときヘアケアアジュバント化粧品補助剤をさらに備えていてもよい。
前記指示書は、本発明の整髪用組成物の調製法および/または使用法を利用者に指示する印刷媒体、聴覚媒体、視覚媒体、電子媒体、またはそれらの組み合わせでもよい。印刷媒体としては、ラベル、パンフレット、本、小冊子などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。聴覚媒体としては、カセットテープ、音楽用CD、レコードなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。視覚教材としては、写真、スライド、映画、ビデオ、DVDなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。電子媒体としては、ディスク、インターアクティブCD−ROM、インターアクティブDVD−ROMなどのごときあらゆる形態の電子データ記憶媒体が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。さらに、前記キットの内容物は、上に指示の印が印刷または貼付された箱、カートンなどで包装されていることが好ましい。
従って、調製し終わった整髪用組成物として利用者に供給される場合にも、あるいは、前述のように利用者がキット実施態様で提供されている内容物を混ぜ合わせることによって調製する場合にも、有効量の本発明の整髪用組成物を、毛髪を所望の形状に成形する前、成形している最中または成形した後に毛髪に塗布する方法によって整髪することができる。前記整髪用組成物が整髪補助器具に染み込ませたまたは整髪補助器具にコーティングされた状態で提供される場合、包装された整髪補助器具は、独立した製品として、または、前述のごときヘアケアアジュバント化粧品補助剤を備えたキットの形態で提供されてもよい。前記整髪補助器具が湿ったまたは濡れた状態で顧客に提供される場合、顧客は乾いた毛髪に前記整髪補助器具を接触させることによって毛髪に整髪用組成物を供給することができる。あるいは、前記整髪補助器具が実質的に乾いた状態で顧客に提供される場合、顧客はまず水などで毛髪を濡らした後、前記整髪補助器具を濡れた毛髪に接触させることによって毛髪に整髪用組成物を供給することができる。従って、整髪補助器具を用いて整髪する方法では、整髪用組成物を毛髪に塗布するのに十分な時間をかけて整髪補助器具を毛髪に接触させることによって、毛髪を所望の形状に成形する前、成形している最中または成形した後に整髪用組成物を毛髪に塗布することも可能である。前記整髪用組成物を毛髪に塗布するのに十分な時間は整髪補助器具の形態によって決まり、整髪技術分野に精通している業者らが容易に決めることができる。例えば、整髪用組成物を染み込ませたまたは整髪用組成物でコーティングされたワイプ、パッド、カーリングペーパー、ペーパータオル、スポンジなどを、毛髪の房をカーラーまたはローラーに巻き付ける前またはヘアスタイルを整えている間に、房単位で毛髪と接触させることによって毛髪に整髪用組成物を塗布することができる。整髪用組成物を染み込ませたまたは整髪用組成物でコーティングされた櫛およびブラシを用いて、整髪する前、整髪している最中または整髪した後に毛髪に整髪用組成物を塗布することができるが、毛髪を所望の形状に成形している最中に整髪用組成物を塗布するには整髪用組成物を染み込ませたカーラーがより好適である。
下記実施例は、好ましい実施態様の調製および使用を詳しく説明するものであり、本発明を限定するものではない。
材料および方法
材料は、一般に、ケミカル技術の当業者らに周知の薬品供給業者または提示された供給業者から市販されている。
1. 材料の略称および商品名
EA エチルアクリレート
WAM メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア
(SIPOMER(登録商標)WAMII、ロディア社)
MAA メタクリル酸
MMA メチルメタクリレート
AA アクリル酸
SSSA スチレンスルホン酸のナトリウム塩
BEM25 ベヘネス−25メタクリレート
LEM23 ラウレス−23メタクリレート
HCOEM25 水素化ヒマシ油エトキシル化(25)メタクリレート
HCOEM16 水素化ヒマシ油エトキシル化(16)メタクリレート
TEM25 トリスチリルフェノールエトキシル化(25)メタクリレート
CHEM24 コレス−24メタクリレート
CEM24 セテス−24メタクリレート
CSEM25 セテアレス−25メタクリレート
EOBDMA エトキシル化(30)ビスフェノールAジメタクリレート
TMPTA トリメチロールプロパントリアクリレート
IMP イソオクチル3−メルカプトプロピオネート
DDM ドデシルメルカプタン
ODM オクタデシルメルカプタン
R307 実験式CH=CH−O−(CH−O−(CO)−(CO)30−Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテル(EMULSOGEN(登録商標)R307、クラリアント社)
BX−AA 実験式CH=CH−CH−O−(CO)−(CO)−Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテル(BX−AA−E5P5、バイマックス社)
M5010 約24個のエチレンオキサイド単位でエトキシル化されたカルボキシ官能性C12〜C15アルケニル疎水性物質(MAXEMUL(登録商標)5010、ユニケマ社)
MPEG35 メトキシエトキシル化(35)メタクリレート
MPEG55 メトキシエトキシル化(55)メタクリレート
PVP ポリビニルピロリドン(K−30、BASF Corp.社)
PVP/VA ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体(LUVISKOL(登録商標)、BASF Corp.社)
2. 方法
A. 粘度 各ポリマー含有組成物の報告粘度を、約20〜25℃の室温において、ブルックフィールド回転スピンドル粘度計(Brookfield、Model RVT)を約20rpmで用いてmPa・s単位で測定した(以下、ブルックフィールド粘度と呼ぶ)。粘度は、調製されたばかりの組成物で測定した(これを「初期粘度」と呼ぶ)、また組成物を室温で少なくとも約24時間熟成させた後に再測定した(これを「24時間粘度」と呼ぶ))。以下、粘度値が1つだけ示されている場合、特に断らない限り、その粘度値は24時間粘度である。
特に断らない限り、「低粘度」とは、一般に、注ぐことができる流れ易い噴霧可能な約1,000mPa・s以下の粘度を有する製品を指し、「中位の粘度」とは、1,000mPa・sよりも高く約3,000mPa・s以下の粘度を有する製品を指し、「高粘度」とは、3,000mPa・sよりも高く約10,000mPa・s以下の粘度を有する製品を指し、ゲルは、10,000mPa・sよりも高い粘度を有する製品を意味する。
B. 透明度 ポリマー含有組成物の%報告透明度を、組成物の生成後少なくとも約24時間Brinkmann PC 920比色計によって%T(透過率)で測定した。透明度の測定は脱イオン水(透明度:100%)に対して行った。約60%以上の透明度を有する組成物は実質的に透明であり、約45〜59%の透明度を有する組成物は実質的に半透明であると判断された。ゲル組成物の場合、透明度は、好ましくは約20%よりも高く、さらに好ましくは約50%よりも高く、最も好ましくは約70%以上である。
C. ガラス転移温度 結合性ポリマーの報告ガラス転移温度(Tg)は、孔径が10ミルのドローダウンバーを用いて生成物エマルジョンの一部をMYLAR(登録商標)(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基板の上に展ばし、形成されたフィルムを室温(約25℃)で約24時間乾燥させ、そしてそのTgを公知の示差走査熱量(DSC)測定法によって測定することによって求めた。
D. 光沢 結合性ポリマーフィルムの報告光沢は、孔径が10ミルのドローダウンバーを用いてポリマー生成物のフィルムをLeneta Form 2C−opacity chart(Leneta Co.社)の上に形成し、形成されたフィルムを約25℃で約24時間乾燥させ、そして乾燥したフィルムの鏡面光沢度を、20°および60°の反射角で、Micro−Ti−Gloss光沢度計(Byk/Gardner社, Silver Spring, MD)を用いて、鏡面光沢度の標準試験法ASTM523−89(1994年に再認可)を用いて計測することによって求めた。100ユニットの鏡面光沢値を各形状の基準に定めた。20°の角度において少なくとも約30ユニットおよび60°の角度において少なくとも約80ユニットと読み取れる鏡面光沢値は光沢があると判断され、いずれの角度においても25未満の値は光沢が無いと判断された。
E. 濁度 ポリマー含有組成物の報告濁度は、蒸留水(NTU=0)を基準として、比濁計を用いて比濁単位(NTU)で測定した。約90以上のNTU値を有する組成物を濁っていると判断した。
F. 耐湿性 −%カール保持率 組成物の整髪効果を、約90%相対湿度(RH)の高い湿度における髪型の保持によって評価した。塗布された組成物および周囲の外気から水分を吸収した後に毛髪にセットされたカールを保持する能力を、高湿度カール保持(HHCR)と一般に呼ばれる公知の方法を用いて測定した。HHCR法の説明は化粧品の文献に容易に見つけることができる。例えば、Ch. 30, Harry’s Cosmeticology, 8th Ed., M. J. Rieger, Ph.D. (ed.), 666−667, Chemical Publishing Co., Inc., New York, NY (2000)およびDiaz et al., J. Soc. Cosmet. Chem., 34, 205−212 (July 1983)を参照されたい。前記各文献の関連ある開示内容は本願明細書に引用されて援用される。
ニューヨークのInternational Hair Importers and Products Inc.社が供給する自然な茶色または黒色の欧州種の毛髪を用いて、商業的にブレンドされた白色人種の未処理(未使用)の人間の毛髪の房を複数作成した。各毛髪房(重量は約3グラム)は、長さが約7インチ(約18cm)であり、頭皮(根)側末端部分で接着剤でしっかりと固定した。使用する前に、各毛髪房をラウリル硫酸ナトリウム(10%SLS)の希釈水溶液で洗浄し、室温で脱イオン水で十分にすすぎ、タオルで水分を吸い取って乾燥させることによって予備洗浄した。毛髪の初期伸長長さ(Le)を測定した。評価対象のポリマー含有組成物約0.8グラムを毛髪房に塗布し、頭皮側から終端部まで展ばした。その後、処理した毛髪房を、外径が約3cmであるヘアカーラーの周りに巻き付け、約21〜23℃の室温においてカーラーに巻き付けたままで一晩乾燥させた。乾燥後、カーラーを慎重に取り外して毛髪に1巻きのカールがかかったままにし、毛髪のカールの初期長さ(L)を測定した後、約26〜27℃の周囲温度および約90%RHの高い周囲湿度に設定された湿度室内に前記カールのかかった毛髪房を垂直に吊るした。
高湿度カール保持率(HHCR)は、選択された間隔(Lt)で湿度に曝した後にカールが弛緩したときに毛髪のカールの長さを測定することによって求めた。下記方程式を用いて、初期カール長さ(L)および初期の完全に伸びきった毛髪の長さ(L)に対する%カール保持率を計算した。
%カール保持率 = (L−L)/(L−L) X 100
カール(垂れ下がったらせんの形状)の長さの変化を定期的に測定し、目視で観察した。測定は、まず初めに、約1.25〜1.75時間の総露出時間に亘って0.25時間の間隔で行い、その後、最長約8時間の総露出時間に亘って1時間の間隔で行った。約24時間の総露出時間後に最後の読み取りを行った。約90%RHにおいて少なくとも約0.75時間、カール保持率(CR)が約70%以上であるというHHCR効果は、本願明細書では「T@70%CR」と表現し、良好で高い耐湿性についての慣用の基準であり、本願明細書では良好な整髪効果と呼ばれる。本願明細書において、選択された時間間隔について報告されるHHCR効果は、「%CR@T−x」と認識される。前記式中、xは1時間単位の時間間隔またはその端数である。70%CR@T−1.25時間以上の整髪効果は非常に良いと判断され、そして70%CR@T−3時間以上の整髪効果は優良と判断された。%カール保持率が約50%以下の場合、整髪効果は低いと判断された。
整髪組成物の再整髪性効果は、上記手順に従ってHHCRを求め(サイクル1)、次いで毛髪を水で十分に湿らせ、余分な水分を手で毛髪から絞り出し、前述のように毛髪を再整髪して1まとまりのカールにし、そしてHHCR手順を繰り返す(サイクル2)ことによって評価した。
G. 主観的な特性の評価 整髪用組成物で処理した毛髪の触覚性、美的特性および機械的性質、例えば感触、剥離、くし通りの良さ、カール記憶および静電気による毛羽立ち、を主観的に評価した。前記整髪用組成物の感触および展延性は、毛髪に手を触れたときの整髪用組成物の知覚触覚性によって評価した。整髪された毛髪の主観的特性、例えば毛髪に残ったかすは、もしある場合には、毛髪の表面上の目に見える沈着物(コーティング)を調べ、そして、処理した毛髪を硬質ゴム製のくしの目の細かい部分で約5回梳かした後、くしの歯に目に見えるかす(薄片)が付着しているかどうかを調べることによって評価した。くし通りの良さおよび毛髪の静電気による毛羽立ちは、毛髪をくしでときながら毛髪のもつれ、毛羽立った繊維、および毛髪にくしを通すときの難しさに注目することによって主観的に評価した。カール記憶は、特に断らない限り、約90%RHの高い湿度に約24時間曝した後に毛髪に残っているカールパターンの弾力のある巻き上がった外観(すなわち、完全なカールのままであるか、らせんが解けているか、またはカールがとれているか)をくしを通した後に目視で観察することによって主観的に観察した。
以下の一般的な評価基準に基づいて、主観的特性を0〜5の5段階で数値評価した(表2)。
Figure 0004386344
H. 機器によるテクスチュアの分析評価
1. ヘアループ試験: 整髪用組成物で処理した毛髪のはり(堅さ)、カール保持および再整髪性をテクスチュア分析装置を用いて計測した。毛髪の房は、オメガ形(すなわち、ギリシャ文字のΩのような形)のループに成形した。オメガ形のヘアループの作製およびそのような予備成形された毛髪の機械的挙動を求める方法手段は、一般に、開示内容が本願明細書に引用されて援用されるJ. Jachowicz et al., J. Soc. Cosmet. Chem,. 47, 73−84, (1996)に記載されている本試験法の説明に基づいた。本ヘアループ試験は、固定剤の整髪効果を評価する。
テクスチュア分析装置: 以下に示す相対湿度および室温に設定された湿度室の内部に、荷重感度が0.1グラムであるテクスチュア分析装置であるModel TA−XT21(Texture Technologies Corp.社)を設置した。Stable Microsystem Limited.社のTexture Expert Software、 ver. 1.17を用いてデータを収集および表示した。Texture Expert Software
ヘアループの作製: 自然な茶色の欧州種の毛髪を用いて、商業的にブレンドされた白色人種の未処理(未使用)の人間の毛髪の房を複数作成した。重さが約0.3グラム、長さが約3.5インチ(約8.9cm)の毛髪房の両端をタブに接着剤でしっかりと固定した。前記毛髪房は、一般にJachowiczらによって説明されるように、前記タブの間の毛髪繊維の長さが約1.5インチ(約3.8cm)となるように前記タブに固定した。次に、タブに固定した毛髪をF法で説明したようにして予備洗浄し、タオルで水分を吸い取り、そして約0.1グラムの評価対象である整髪用組成物を毛髪房に均一に塗布した。次に、塗布した毛髪房を、直径が約0.5インチ(約1.27cm)である木製のダウェルロッドを用いて、オメガ(Ω)ループ(以下、ヘアループ)に成形した。前記毛髪房をこの形状のまま乾燥させ、約25℃の室温および80%RHの相対湿度において約12時間調整した。その後、前記ロッドを毛髪から外し、そしてヘアループの機械的特性を、下記の力測定方法に従って、約25℃の室温および約80%RHの湿度においてテクスチュア分析装置を用いて測定した。
力測定法: 前記毛髪房をテクスチュア分析装置のアクリル製円筒プローブ(直径:2.5cm)の下に設置することによって、前記調整したヘアループの機械的特性を測定した。各試験は、(圧迫モードにある)円筒プローブを、毛髪繊維の表面と毛髪の表面の約1mm上の検定高さとの間で振動させることによって行った。まず、プローブは毛髪の表面と接触して力を感知し、その後、毛髪の表面を圧迫してヘアループを下向きに約8mm変形させた後、前記検定高さに戻る。8mmの貫入によってヘアループが約75%変形することになり、これにより過酷な条件下にあるヘアスタイルがシミュレートされる。ヘアループの変形を1分間当たり約5〜6回繰返し、各サイクルにおける最大力を記録した。試験の実行時間は、約2,400〜約3,000秒間(約40〜約50分間)であった。基本データとして、未処理のヘアループ(比較対照)も試験した。ヘアループの75%を変形させるのに必要な力(最大力、グラム単位の質量)の値を時間の関数としてプロットした。初期力は、変形が起こる前の固定剤整髪用ポリマーに起因する毛髪の堅さすなわち張りに直接関連している。従って、前記力が大きいほど、毛髪も堅くなる。
再整髪性: 再整髪性を評価するために、前記ヘアループ試験で評価したヘアループを脱イオン水で湿らせてオメガ形ループに再度成形し、毛髪を乾燥および調整するH法の工程を繰返し、そして前記力測定法を繰り返した。
2. 計器による櫛通りの測定: 毛髪の房の頭皮側の終端部を丸めた帯金で固定した以外は、F法で説明したようにして毛髪の房を作製し、予備洗浄した。主として約0.1グラムの組成物を毛髪房にまんべんなく塗り行き渡らせ、そして前記テクスチュア分析装置および下記測定方法を用いて、湿った状態での櫛通りを計測した。乾いた状態での櫛通りを測定するために、約23℃の室温および約50%RHの相対湿度に設定された湿度室内で、前記処理した毛髪房を一晩乾燥させた。未処理の毛髪(比較対照)についての基準値も測定した。
計器による櫛通りの測定方法: 前記テクスチュア分析装置およびそのA/TG引張りグリップアクセサリーを湿度室内に設置し、約23℃の室温および約50%RHにおいて平衡化させた。硬質ゴム製の櫛(Model 220041、Sally’s Beauty Supply)を、この櫛の目の細かい部分の約30mm分が前記テクスチュア分析装置のベースの専用アルミニウム板に水平に取り付けられように、前記アルミニウム板に固定した。次に、毛髪房の帯金で固定した部分を引張りグリップに取り付けた。引張りグリップを下げ、そして毛髪房の最上部3/4インチ(約1.9cm)を除いたすべてを櫛の露出した歯の内部に設置した。次に、引張りグリップを持ち上げることによって毛髪を引っ張り、約3mm/sの速度で毛髪房の全長をくしの歯に通し完全に通過させた。毛髪房を持ち上げるのに必要とされた作業力(グラム)を距離の関数として記録した。前記櫛通し作業を同じ毛髪房に対して4回繰返し、全部で5回行った。基本測定として、各毛髪房に対して、試験組成物を塗布する前に湿った状態での櫛通しと乾いた状態での櫛通しの両方について5回測定を行い、試験組成物を塗布した後に湿った状態での測定と乾いた状態での測定の両方を繰り返した。各毛髪房について、Texture Expert Software、 ver. 1.17を用いて力および距離について収集した、オフセットを修正した記録値から以下のようにして「櫛通りの良さ係数」(ECF)値を計算した。
各毛髪房について、湿った状態および乾いた状態での櫛通しの測定を行った後に収集した5つの力値を平均した。基準値は、未処理の毛髪についてのグラム単位の平均作業力として算出し、下記式に代入してECF値を求めた。
ECF=(処理された毛髪についてのグラム単位の平均作業力)/(未処理の毛髪についてのグラム単位の平均作業力)
ECF値が1〜1.5の範囲内にあると非常に櫛通りが良いと考えられる。従って、任意のポリマーまたは配合物について、この値が低ければ低いほど櫛通りが良いことになり、毛髪の操作性が良いことも示している。
I. RMHSポリマーの調製法
本発明を限定するためではなく、あくまでも説明するためとして、表4A、4B、4Cおよび4Dに示される製品ASAPエマルジョン、並びに実施例1の表3に示されるHASEポリマー製品エマルジョンを、以下の一般的な方法に従って調製した。
窒素雰囲気下、所望の量の各モノマーを乳化させる量のアニオン性界面活性剤を含有する水と攪拌混合しながら混ぜ合わすことによって、窒素注入口と攪拌装置とを備えた第1の反応器内でモノマーエマルジョンを調製する。攪拌装置と、窒素注入口と、供給ポンプとを備えた第2の反応器へ、所望の量の水と必要に応じてさらなるアニオン性界面活性剤とを投入し、そして第2反応器の内容物を窒素雰囲気下において攪拌混合しながら加熱する。第2反応器が約80〜90℃の範囲の温度に達した後、第2反応器内の界面活性剤溶液に所望の量のフリーラジカル開始剤を注入し、そして第1反応器のモノマーエマルジョンを、約80〜90℃の範囲の制御された反応温度において約1〜約4時間の範囲に亘って第2反応器にポンプで少しずつ送り込む。モノマーの添加が完了した後、必要に応じて、第2反応器にフリーラジカル開始剤の追加量をさらに添加してもよい。得られた反応混合物は、重合反応を完了させるのに十分な時間、通常は約90分間、約90〜95℃の温度に保たれる。その後、得られたポリマーエマルジョンを冷却し、反応器から取り出し、回収することができる。
J. 整髪用組成物の調製法
特に明記しない限り、供給されたI法によって調製されたHASEおよびASAP生成物エマルジョンは、所望のポリマー濃度が得られるまで水で希釈するか、または、最終的に得られる配合物が所望のポリマー濃度を有するのに十分な量で、水溶性材料を含有する配合物に添加した。同様に、供給された市販のHASEポリマーも、製造業者の技術資料または文献から得られる技術情報に基づいて、示される活性ポリマー重量%が得られるまで水で希釈した。重量%ポリマーという表現はいずれも、配合物の総重量に基づいた活性重量%ポリマーを意味する。特に明記しない限り、配合物は、化粧品配合物の技術分野に精通する業者らにとって周知の慣用の配合装置および配合法を用いて調製した。
実施例1 RMHSポリマー
表4AにおいてポリマーAとして示されるアルカリ膨潤性ASAPをI法として説明した一般的な方法に従って調製した。その詳細を以下に記す。
第1の反応器において、約117重量部のメタクリル酸と、約172重量部のエチルアクリレートと、約25.5重量部のBEM25と、約3.2重量部のLEM23とを、約10.6重量部の30%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を含有する約92重量部の脱イオン水に投入し、窒素雰囲気下において、約500rpmで回転する攪拌装置を用いて混ぜ合わせることによってモノマー反応混合物を調製した。攪拌装置と、窒素注入口と、供給ポンプとを備えた第2の反応器に、約570重量部の脱イオン水と、約3.2重量部の30%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液とを投入した。第2の反応器の内容物を、窒素雰囲気下において、約200rpmの回転速度で攪拌混合しながら加熱した。第2の反応器の内容物が約85〜88℃の範囲の温度に達した後、このようにして第2の反応器内に形成された高温の界面活性剤溶液に、約6.3部の3.5%過硫酸アンモニウム溶液(フリーラジカル開始剤)を注入した。第1の反応器からのモノマー混合物の水性エマルジョンを、約85〜88℃の範囲の制御された反応温度において、約60分間に亘って第2の反応器に徐々にポンプで送り込んだ。前記モノマー混合物を添加し終えた時点で、約9.4重量部の0.7%過硫酸アンモニウム溶液を第2の反応器内の反応混合物に添加し、さらに1.5時間反応の温度を約90℃に維持することによって重合を完了させた。得られた生成物エマルジョンを室温まで冷ました後、反応器から取り出し、回収した。
表3に示されるモノマー成分を有するHASEポリマーH−1、H−2、H−3、H−4およびH−5、表4A、4B、4Cおよび4Dに示されるモノマー成分を有するアルカリ膨潤性ASAPであるポリマーB〜M、N〜ZおよびAA〜AW、並びにアルカリ可溶性ASAPであるポリマーBA〜BLを、前記一般的なポリマーAの調製法に従って調製した。特定のポリマーについて列挙されたすべてのモノマーが第1の反応器内のモノマー反応混合物に含まれており、そして必要に応じてモノマーの相対量を調節することによって表3、4A、4B、4Cおよび4Dに示されるモノマー重量%値を得た。前記表中のすべての%値は、モノマー混合物の総重量に基づく重量%である。
前記ポリマーはいずれも、総固体量が約30〜約45%の範囲である水溶液として調製した。ほとんどの場合、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を重合反応用乳化界面活性剤として用いた。さらに、SLSと非イオン性乳化界面活性剤、すなわちCeteareth−20(ポリオキシエチレン(20)セチル/ステアリルエーテルのINCI名)との組み合わせを用いて前記方法に従ってポリマーAVもうまく調製することができた。ポリマーBH、BKおよびBLを調製する際に、SLSの代わりに、下記界面活性剤、すなわち、RHODAFAC(登録商標)610(ロディア社,Cranbury,NJから入手可能な分岐アルコールエトキシレートの錯リン酸エステル)、ラウレス−3−スルホコハク酸2ナトリウムおよびジオクチルスルホコハク酸ナトリウムをそれぞれ用いた。
Figure 0004386344
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調製後、表3に示される得られたHASEポリマーエマルジョン並びに表4A、4Bおよび4Cに示されるASAPポリマーエマルジョンを分析して、pH、活性ポリマー含有量に基づく総固体百分率(TS)およびブルックフィールド粘度(スピンドル#2、20rpm、室温)を求めた。さらに、選択した生成物ポリマーのガラス転移温度(Tg)を前記C法によって求めた。中和されていない生成物ポリマーエマルジョンは、一般に約5.5以下のpH、通常は約2.5〜4.5の範囲のpHと、約15〜約45重量%の範囲の総固体量(TS)と、約10〜約100mPa・sの範囲のブルックフィールド粘度と、約35〜約150℃の範囲のTgを有していた。ポリマーエマルジョンのpHは、必要に応じて、酸性剤またはアルカリ性剤を用いて、好ましくは約5〜7.5の範囲のpHまで、または所望のように前記組成物が実質的に透明または半透明になるまで調節することができる。透明性が問題ではない場合またはよりアルカリ性のpHが望ましい場合、前記組成物のpHを12よりも高いアルカリ性のpHに調節することができ、アルカリ性のまま安定させることができる。
前記表4DのポリマーBA〜BLによって例示される本発明のアルカリ可溶性結合性ポリマーは、気泡増強剤、気泡安定剤、および比較的低い粘度が望まれる製品における膜形成剤として様々な用途に有用である。
各々が1種の結合性モノマーを含有するポリマーBE、BF、BG、BI、BJおよびBKの水溶液を約3、5および10%の活性ポリマー重量濃度で調製し、AMP(95%)で約6.5〜約7.5の範囲のpHまで中和した。約3重量%の濃度においては、前記溶液のブルックフィールド粘度は低過ぎて測定できなかった。約5重量%では、各ポリマーからブルックフィールド粘度が約25mPa・s以下である溶液が得られた。さらに約10%の濃度においても、すべてのポリマーからブルックフィールド粘度が約300mPa・s以下である水溶液が得られた。
同様に、2種の結合性モノマーを有するポリマーBAの水溶液を前述のようにして調製した。そのブルックフィールド粘度は、約3%の濃度においては約15mPa・s未満であり、約5%では約61mPa・sであり、約10%では約850mPa・sであった。
一方、ポリマーBIおよびBJとほぼ同じであるが半疎水性モノマーは含有していないポリマー(すなわち、48.2%のEAと、19.5%のMMAと、29%のMAAと、2.5%のBEM25と、0.8%のDDMとを含んでなるポリマー)の5%溶液は、約3,000mPa・sよりも高いブルックフィールド粘度と、好ましからざる筋ばった質感とを有していた。同様に、半疎水性モノマーも連鎖移動剤も含有していない別の同様のポリマー(すなわち、49%のEAと、19.5%のMMAと、29%のMAAと、2.5%のBEM25とを含んでなるポリマー)の5%溶液は、約300,000mPa・sよりも高いブルックフィールド粘度と、好ましからざる塊だらけの質感とを有していた。
本発明のアルカリ可溶性結合性ポリマーは、起泡性毛髪固定剤、ムースなどのごとき水性および水性アルコール性ポンプ式ヘアスプレーおよびスプレーフォーム整髪製品のための優れた膜形成剤、泡増強剤および泡安定剤であると判断される。前記ポリマーは、少なくとも約5重量%ポリマー濃度において、少なくとも約55容積%までのエタノールを含有する水性アルコール溶液と相溶性があり、溶け易い。それ故、前記ポリマーは低VOC組成物および高VOC組成物に好適となる。
また、本発明のアルカリ可溶性結合性ポリマーは炭化水素とも相溶性があるので、高VOC(少なくとも約85%までのVOC)スプレー用途にも有用となる。例えば、20容積%のシクロヘキサンとエタノール(95〜約100容積%)との溶液中におけるポリマーBJの溶解度は、透明度(すなわち、曇りの無さ)に基づいて、室温では約5重量%であり、約4℃の温度では約2重量%であった。50容積%のシクロヘキサンと50容積%のエタノール(95%)との溶液中では、ポリマーBJは、室温および約4℃の両方において、約1重量%の濃度で溶解した。
また、ポリマーBGおよびBIも約5重量%のポリマー濃度で55%水性エタノールに配合し、AMP(95%)で約7〜約8のpHの範囲まで中和した。各ポリマーからブルックフィールド粘度が約5mPa・sである溶液が得られた。ポリマーBGを指動ポンプ式噴霧器から手動で噴霧したときに細かい霧状の噴霧が得られた。ポリマーBIを非加圧型フォームディスペンサー(例えば、Airspray International,Inc.社, Pompano Beach, Floridaから入手可能な機械式フォームディスペンサー)から取り出したときに豊かで濃い光沢のある泡が得られた。両方の配合物とも、毛髪に塗布したときに、(90%RHにおいて)優れた高い耐湿性とカール保持性とを示した。これらのポリマーは毛髪にフレーク状の残留物を残すことは無く、容易に洗い流せた。両方のポリマーとも約8時間よりも長いHHCR T@70% CRを示した。
前記アルカリ可溶性ASAPは、炭化水素(n−ブタン、ペンタンおよびイソブタン)をベースとした加圧型エアロゾル配合物および非加圧型エアロゾル配合物に有用であると判断される。
実施例2〜8 水性整髪用組成物
実施例2〜8では、HASEポリマーH−1およびH−4(それぞれ実施例2〜3および7〜8)、並びにASAP(実施例4〜6)を表5に示される量で含有する水性整髪用組成物において達成されたレオロジー改質および%透明度を示す。表5Aには、F法によって求めた前記組成物のHHCR整髪効果を示す。実施例1のHASEポリマーH−1およびH−4は、それぞれ、1種の結合性モノマーを含有する架橋された、疎水的に改質されたアルカリ膨潤性エマルジョンポリマーおよび2種の結合性モノマーを含有する架橋された、疎水的に改質されたアルカリ膨潤性エマルジョンポリマーである。ASAP整髪剤であるポリマーCおよびDは、それぞれ、HASEポリマーH−1およびH−4の結合性モノマーと同じである1種の結合性モノマー(BEM25)と、様々な異なる結合性モノマー(すなわち、直鎖アルキル基(LEM23)または錯エステル(HCOEM25)とを用いている。
前記水性整髪用組成物は、それぞれ、実施例1の示される生成物ポリマーエマルジョンを脱イオン水で希釈して所望の活性ポリマー濃度を得た後、希釈されたポリマーエマルジョンを2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP、95%)で約5.8〜約7.5のpHまで、または前記組成物が実質的に透明になるまで中和することによって調製した。%透明度値はB法によって測定し、粘度はA法によって測定した。
Figure 0004386344
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表5に示されるように、ASAP整髪剤であるポリマーCを含有する水性組成物はいずれも、約1重量%および約1.2重量%の活性ポリマー濃度において、HASEポリマーH−1の初期ゲル粘度と実質的にほぼ同じ初期ゲル粘度を示している。しかしながら、24時間後、前記ASAP整髪用ゲルの粘度は、前記濃度において、HASEポリマーH−1を含有する整髪用ゲルの粘度よりも実質的に高くなった。また、ASAPすなわちポリマーCおよびDを用いて調製された水性整髪用ゲルは、HASEポリマーH−1(pH>7)よりも低いpH(pH<7)において透明に達した。HASEポリマーH−4からは、ポリマー濃度が約1%において、ポリマー濃度が約1.2%のときよりも著しく粘度が低い整髪用組成物が得られたが、両濃度での透明度はほぼ同じであった。表5Aに示されるように、すべての整髪用組成物のHHCR整髪効果は優良であり、驚くほど長続きした。主観的な櫛通りの評価に基づいて、カール記憶も優良であると判断された。
実施例9〜11 水性整髪用ゲル
ASAP整髪剤であるポリマーA(実施例9)、K(実施例10)およびL(実施例11)をそれぞれ下記表6に示されるように約1.2%の活性ポリマー重量濃度で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。表6Aには、組成物のHHCR整髪効果を示す。ポリマーAは、実施例4〜5のポリマーCの類似物であって、架橋されていない類似物である。ポリマーKおよびLは、異なる架橋剤を有し、且つ、疎水性物質の含有量が異なる架橋ポリマーを示す。
Figure 0004386344
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表6Aに示されるように、非架橋ASAP整髪剤であるポリマーA(実施例9)を含有する整髪用ゲルは、実施例5の非架橋ASAPであるポリマーCを含有する整髪用ゲルよりも良好な透明度と高い粘度を有していた。ASAPすなわちポリマーKおよびL(実施例10および11)を用いて調製された水性整髪用ゲルも良好な増粘性および透明度を示した。表6Aに示されるように、すべての組成物の整髪効果は非常に良い〜優良であり、持続していた。主観的な櫛通りの評価に基づいて、カール記憶も優良であると判断された。
実施例12〜13 水性整髪用ゲル
RMHSポリマーとして、ASAPであるポリマーN(実施例12A、12B)およびポリマーO(実施例13A、13B、13C)を表7に示される様々な活性ポリマー重量%で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。表7Aには、組成物のHHCR整髪効果を示す。ポリマーOは異なる3種の結合性モノマーを有しており、そのうちの2つは直鎖アルキル疎水性末端基を有しており、残りの1つは炭素環式アルキル疎水性末端基を有している。一方、ポリマーNは2種の結合性モノマーを有しており、そのうちの一方は直鎖アルキル疎水性末端基を有しており、他方は炭素環式アルキル疎水性末端基を有している。
Figure 0004386344
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表7は、同じ活性ポリマー濃度において、ポリマーNよりもポリマーOの方が高い粘度を有する整髪用ゲルを提供したことを示している。また、ポリマーNを含有する組成物の方がポリマーOを含有する組成物よりも毛髪に柔らかい感触を与えた。すべての実施例が優れた持続するHHCR整髪効果を示した。
実施例14〜15 水性整髪用ゲル
実施例14〜15では、1、1.2または1.5活性重量%のASAPである実施例1のポリマーAB(実施例14A、14B、14C)またはポリマーAM(実施例15A、15B、15C)を含有する水性整髪用組成物におけるレオロジー改質および%透明度、並びに前記組成物のHHCR整髪効果を示す。ポリマーABおよびAMは、それぞれ、異なる3種の結合性モノマーを有しており、そのうちの2つは直鎖アルキル疎水性末端基を有しており、残りの1つは炭素環式アルキル疎水性末端基を有している。前記ポリマーは、同種の半疎水性モノマーと、異種の架橋性モノマーとを有している。
前記組成物は、表8に示される処方を用いて、生成物エマルジョンを水で希釈して表8に示される活性ポリマー重量%にすることによって調製された。
Figure 0004386344
粘度はA法によって測定し、%透明度はB法によって測定し、そしてHHCR整髪効果はF法によって測定した。その結果を表9に示す。
Figure 0004386344
同じ活性ポリマー濃度において、ポリマーABよりもポリマーAMの方が高い粘度を有する整髪用ゲルを提供した。非常に良好な透明度、および非常に良好(実施例15A)〜優良(実施例14A、14B、14C、15B、15C)な持続するHHCR整髪効果が得られた。
実施例16〜28 水性整髪用ゲル
架橋ASAPであるポリマーE(実施例16A、16B)、F(実施例17A、17B)、H(実施例19A〜19C)、J(実施例21A、21B)、K(実施例22A、22B)、L(実施例23A、23B)、M(実施例24A〜24C)、AT(実施例25A〜25D)、AU(実施例26A〜26C)、AV(実施例27A、27B)、AW(実施例28A、28B)、並びに非架橋ASAPであるポリマーG(実施例18A〜18C)およびI(実施例20A、20B)を下記表10に示されるような様々な活性重量%濃度で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。架橋ポリマーHおよびJ並びに非架橋ポリマーGおよびIは連鎖移動剤を含有している。ポリマーMは2種の架橋剤を含有しており、そのうちの一方はエトキシル化されている。ポリマーAT、AU、AVおよびAWは半疎水性モノマーを含有している。
Figure 0004386344
ポリマーE〜M(実施例16〜24)を含有するすべての水性整髪用ゲルの粘度は、これらの水性組成物を24時間程に亘り寝かせている間にかなり上昇した。ポリマーG、H、I、JおよびKは、同様の濃度において、ポリマーE、F、LおよびMの透明度および粘度よりも高く、驚くほど増強された透明度および粘度を示した。驚くべきことに、ポリマーAT〜AUの粘度は24時間程経っても実質的に変わっていなかった。ポリマーはAT〜AWは、高い粘度またはゲル整髪用組成物に好適であると判断された。
実施例16〜24の組成物のHHCR整髪効果を表10Aに示す。
Figure 0004386344
表10Aの結果は、実施例16〜24の組成物の整髪効果が非常に良好〜優良であったことを示している。前記整髪用組成物は、前記組成物を塗布した後に乾かした毛髪の主観的特性に基づいて、約1〜約1.2%のポリマー濃度においては「ミディアム−ファーム(firm)ホールド」として好適であると判断され、約1.5〜約2%の濃度においては「ファームホールド」として好適であると判断された。
実施例25〜28の組成物の整髪効果は優良(T@70% CR≧8)であった。
実施例29〜35 水性整髪用ゲル
本実施例では、実施例1のASAPであるポリマーATを市販の疎水的に改質されたカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)Ultrez21ポリマーまたはCARBOPOL(登録商標)ETD2020ポリマー(共にオハイオ州クリーブランドにあるノベオン社から入手可能)と組み合わせて用いることによって、有利なことに、そのような市販のポリマーを用いて生成される整髪用ゲルに関する望ましい美観的特性、耐電解質(すなわち、塩)性およびゲル粘着製品特性が維持および増強される一方で粘度が予想外に高くなる整髪用ゲルが得られることを示す。
下記表11に示される各ポリマーを様々な量で含有する水性整髪用ゲルを調製した。前記整髪用ゲルは、市販のポリマーを含水量の一部に添加し、空気が伴入しないように気を付けながら約15分間攪拌混合することによって前記ポリマーを予備分散させ、そして得られた混合物を約30分間攪拌せずに放置してポリマー分散液を得ることによって調製した。その後、必要量の水性ポリマーATエマルジョンを前記ポリマー分散液と混ぜ合わせ、得られたポリマー混合物に、十分なAMP(95%)を添加してpHを約6.4〜6.8の範囲に調整することによってゲルを形成した。
組成物の重量に基づいて、総ポリマー含有率が約1.25活性重量%のASAPのみである整髪用ゲル(コントロール1)、総ポリマー含有率が約1.25活性重量%の市販のポリマーのみである整髪用ゲル(コントロール2)、または様々な組み合わせのASAPと市販のポリマーとを含んでなる整髪用ゲル(実施例29、29A、30、30A、31および32)を一群の整髪用ゲルとして調製した。総ポリマー含有率が約1活性重量%であることを除いて、同様なゲルの一群をもう1つ調製した(コントロール3、コントロール4、コントロール5、実施例33、34、34Aおよび35)。
各整髪用ゲルの粘度はA法によって測定した。ゲル粘着性は、数本の指をゲルに浸して少量の製品をすくい取って整髪用ゲルの実際の使用をシミュレートし、指に付着した整髪用ゲルの緩衝性を観察することによって主観的に評価した。「緩衝」という用語は、一般に、ゲルの硬さ、および、少量のゲルが指に付着してしっかりとした尖り(すなわち尖ったゲル)を保てる能力を意味する。ゲル粘着性は、観察された緩衝性に基づいて、尖りがはっきりとしていて持続していた場合を「優良」、尖りが中位で持続していた場合を「非常に良好」、尖りが中位〜微小であった場合を「良好」、尖りが微小であった場合を「不十分」、および尖りが無く、滑らかであった場合を「不良」というように主観的に評価した。ゲル粘着性は、利用者がジャーから一定量の整髪用ゲルを指で物理的に掬い出すとき、または、整髪用ゲルをチューブから指の上に絞り出して毛髪に塗布するときに期待する望ましい官能製品特性である。粘度およびゲル粘着性の評価の結果を表11に示す。
Figure 0004386344
前記結果は、総ポリマー含有率が約1.25重量%のとき、ASAP:市販ポリマーの重量比が約3:2(実施例30、30A)、2:3(実施例31)および1:4(実施例32)のときに予想外の粘度の増加が得られたことを示している。総ポリマー含有率が約1重量%のとき、ASAP:市販ポリマーの重量比が約1:3(実施例34)のときに予想外の粘度の増加が得られた。
すべてのASAP/市販ポリマーの組み合わせのゲル粘着性は良好〜優良であると判断された。これは相溶性があることを示している。
実施例36 水性整髪用組成物
本実施例では、様々な濃度のASAPの整髪効果を示す。5種の水性整髪用組成物を別々に調製した。各組成物は、組成物の総重量に基づいて、それぞれ約0.2活性重量%(実施例36A)、約0.4活性重量%(実施例36B)、約0.6活性重量%(実施例36C)、約0.8重量%(実施例36D)および約1重量%(実施例36E)の濃度の実施例1のポリマーATと、約6.6〜7.2の範囲のpHを得るのに十分なAMP(95)とを含有していた。各組成物について、ブルックフィールド粘度(A法)、%透明度(B法)および整髪効果(HHCR、F法)を測定した。
前記整髪用組成物はいずれも透明であった(%透明度は約72〜約83の範囲であった)。整髪用組成物のブルックフィールド粘度は、実施例36Aおよび36Bの場合は低く(それぞれ、約15mPa・sおよび約220mPa・s)、実施例36Cの場合は中位(約1,330mPa・s)であり、実施例36Dおよび36Eの場合は高かった(それぞれ、約3,880mPa・sおよび約9,750mPa・s)。実施例36Aを除くすべての整髪用組成物が優れたHHCR効果(8時間を越えるT@70CR)を有していた。実施例36Aの組成物の整髪効果は実質的に一時的なものであった(T@70CRは0.25時間)。
実施例37 比較用整髪用ゲル
本比較例では、PVP(実施例37A)またはPVP/VA(実施例37B)と、カルボマーゲル化剤とを、表12に示される活性重量%量で含有する慣用の整髪用組成物のレオロジー、透明度および整髪効果を示す。粘度はA法によって測定し、%透明度はB法によって測定した。整髪効果はF法によって測定し、主観的特性は、表12Aに示されるように、G法の欄で説明したようにして評価した。
Figure 0004386344
Figure 0004386344
表12Aのデータは、PVPによる整髪効果は約1.25時間に亘って非常に良好であったが、その後30分以内に急速に弱まったのに対し、PVP/VAによる整髪効果は0.75時間以内に弱まったことを示している。前記生成物組成物は展延性および感触が良好であり、そして処理された毛髪は櫛通りが良好であった。しかしながら、わずかな残留物が認められ、毛髪にはカール記憶が無かった。
実施例38〜40 水性整髪用配合物
実施例1のASAPであるポリマーP(実施例38A、38B、38C)、ポリマーQ(実施例39A、39B、39C)およびポリマーR(実施例40A、40B、40C)を表13に示される量で用いた以外は、実施例14〜15の手順に従った。ポリマーP、QおよびRは、それぞれ、同じ2種の結合性モノマーと架橋剤とを有し、そしてポリマーQおよびRは異なる半疎水性モノマーを含有していた。
さらに、ゲルすなわち粘り気のある配合物の一部を孔径が10ミルのドローダウンアプリケーターを用いてMYLAR(登録商標)フィルム基板の上に展ばし、その滑らかさおよび展延性を観察することによって整髪用ゲルの質感を評価した。ゲル塗膜の質感が滑らかで展ばし易ければ「S」と評価し、ゲル塗膜がザラついていれば「G」と評価した。それぞれA法およびB法によって得られた粘度および%透明度を下記表13に示す。F法によって得られた組成物のHHCR整髪効果は表13Aに示す。
Figure 0004386344
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表13に示されるように、1.5%の架橋ポリマーP(実施例38C)を除いたすべてのポリマーが「S」評価の質感を示した。半疎水性モノマーを含有するポリマーQおよびRを用いて得られたゲルの質感は、1.5%の濃度において質感が「G」と評価された、半疎水性モノマーを含有していないポリマーPを用いて得られたゲルの質感と比べて、ポリマーの濃度が高くなっても、軟らかく、滑らかで、展ばし易いと判断された。すべての組成物が良好な透明度および粘度を有していた。
表13Aに示されるように、いずれの濃度においても、ポリマーP、QおよびRは優れた整髪効果を示した。
実施例41〜44 水性整髪用配合物
実施例41〜44では、RMHSポリマーとして、実施例1のASAPであるポリマーAF(実施例41A、41B)、AG(実施例42A、42B)、AH(実施例43A、43B)およびAI(実施例44A、44B)を表14に示される量で用いた以外は、実施例38〜40の手順に従った。これらのポリマーは、同じ種類の半疎水性モノマーを異なる量で含有していた。粘度、%透明度および質感の結果を表14に示す。組成物のHHCR整髪効果は表14Aに示す。
Figure 0004386344
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表14および14Aのデータは、いずれの濃度においても、生成されたゲルの質感は滑らかで展ばし易い(「S」)ことを示している。各整髪用ゲルは、優れた持続する整髪効果を示した。驚くべきことに、半疎水性モノマーの量を2.5重量%(ポリマーAF)〜約15重量%(ポリマーAI)の範囲で変化させても、いずれのポリマー濃度においても、整髪用ゲル中で達成されるレオロジー改質に悪影響を及ぼすことは全く無かった。
実施例45〜50 水性整髪用ゲル
ASAP整髪剤として、ポリマーX(実施例45A、45B、45C)、ポリマーY(実施例46A、46B、46C)、ポリマーZ(実施例47A、47B、47C)、ポリマーAO(実施例48A、48B)、ポリマーAP(実施例49A、49B)およびポリマーAQ(実施例50A、50B)を表15に示される濃度で用いた以外は、実施例14〜15の手順に従った。各ASAPは、半疎水性モノマー成分と、2種の結合性モノマー成分とを含有していた。ポリマーAOおよびAPは、それぞれ、2種の非イオン性ビニルモノマー成分を有していた。
%透明度および粘度を表15に示す。HHCR整髪効果は表15Aに示す。
Figure 0004386344
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前記データは、いずれの濃度においても、前記ポリマーが、良好な透明度および粘度、並びに優れた持続する整髪効果を示すことを示している。
実施例51 水性シリコーン整髪用ゲル
本実施例では、実施例1のASAPであるポリマーK(実施例51A)およびポリマーM(実施例51B)を表16に示される処方で用いて調製された水性シリコーン含有整髪用ゲルを示す。合わせて、F法によって測定したそれらの整髪効果も表16に示す。
Figure 0004386344
整髪効果は優れていた。前記整髪用組成物で処理された毛髪は、主観的評価に基づいて、自然で適度にはりのある感触があり、櫛で梳かし易く、カール記憶が良好で、しかも櫛で梳かしている最中に残留物や静電気による毛羽立ちが全く認められなかった。
実施例52 水性アルコール固定剤整髪用スプレー
実施例52では、揮発性有機化合物(VOC)含有率の低い固定剤整髪用スプレー組成物中における約1.5%(実施例52A)および約2%(実施例52B)の活性ポリマー重量濃度でのASAPである実施例1のポリマーMおよび約5%(実施例52C)の活性ポリマー重量濃度での実施例1のポリマーBGの使用を示す。表17に示されるように、エタノールと、水と、中和アミン(AMP)と、防腐剤と、芳香剤とを含んでなる水性アルコール溶媒系が用いられた。F法によって測定された整髪効果も合わせて表17に示す。
Figure 0004386344
HHCR整髪効果は優れており、カール記憶は良好であった。ポリマーM(実施例52Aおよび52B)で整髪した毛髪を主観的に評価したところ、自然で適度にはりのある感触があり、櫛で梳かし易く、しかも櫛で梳かしている最中に残留物や静電気による毛羽立ちは全く認められなかった。ポリマーBG(実施例53C)を噴き付けた毛髪にはくすんだ残留物は全く見られず、前記ポリマーの毛髪からの洗い流しも優れていた。
実施例52A、52Bおよび52Cの配合物は、手動ポンプ式噴霧器から噴霧したときに良好で、実質的に均質な細かい噴霧パターンを示し、低VOC(55%)ヘアスプレーとしての使用に好適であった。
実施例1のASAPであるポリマーBI(実施例52D)を用いた以外は実施例52Cの低VOC処方を繰返し、得られた生成物を機械式非エアロゾル型「瞬間発泡装置」から排出させて、濃くて光沢があり豊かな整髪用泡を得た。得られたポリマーBIの泡(実施例52D)の整髪効果は優れており(T@70%CR>8時間)、カール記憶も良好で、くすんだ残留物も全く認められず、毛髪からの洗い流しにも優れていた。これらのポリマーは、化学的またはガス状推進剤を用いない機械式非エアロゾル型発泡装置および噴霧装置に有用であると判断された。
実施例53 比較用ヘアゲル
本比較例では、重合可能な末端基と疎水性末端基とを結合させるポリオキシアルキレンセグメントを有さない、すなわち、本願明細書に規定される結合性モノマー成分を有さない市販の中和可能なポリマーを含有する毛髪固定剤組成物の、F法によって測定した90%RHにおけるHHCRを示す。前記ポリマーは、VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体というINCI名を持っており、International Specialty Products(ISP), Wayne, NJからSTYLEZETM2000という商品名で毛髪固定剤ポリマーとして販売されている。このポリマーは、関連のある開示内容が本願明細書に引用されて援用されるSoap & Cosmetics, 43〜46(2001年7月/8月)および39〜43(2001年9月)に掲載されている記事の中でR.Rigolettoらによって説明されているように、150℃のTgと、160〜190の酸価とを有すると報告されている。このポリマーは、水中に2%(実施例53A)、4%(実施例53B)および6%(実施例53C)の活性ポリマー重量で存在し、AMP(95%)で下記表に示されるpHにまで中和された単独の毛髪固定剤として評価した。同様に、比較対照として、STYLEZETM2000とゲル化剤であるACULYN(登録商標)28とをそれぞれ文献で推奨されているように0.5%の活性ポリマー重量で含有する濃縮水性ゲル(実施例53D)を調製し、AMPで約6.4のpHにまで中和した。粘度および透明度は、それぞれ、A法およびB法によって測定し、90%RHにおけるHHCR整髪効果はF法によって測定し、そして主観的特性はG法によって評価した。その結果を表18に示す。
Figure 0004386344
前記結果は、活性ポリマー濃度が2%(実施例53A)である場合、組成物の粘度は低く、HHCRは前記対照(実施例53D)と同様に0.5時間後に急速に弱まった。活性ポリマー重量濃度を4%(実施例53B)に上げると、粘度が増加してゲルになったが、透明度および主観的特性が犠牲となり、カール保持についての利益は増えなかった。活性ポリマー重量濃度を6%(実施例53C)に上げると、組成物の粘度がさらに著しく増加し、約1.75時間の非常に良好な固定剤整髪効果が得られたが、透明度と美観的主観的特性が犠牲となった。従って、前記データは、前記市販のポリマーは、一時的な効果に必要とされる高い濃度および高い濃度における非常に低い製品透明度のため、単独の毛髪固定剤およびレオロジー改質剤には不向きであることを示している。
実施例54〜56 水性整髪用ゲル
ASAP整髪剤として、ポリマーB(実施例54A、54B)、ポリマーAA(実施例55A、55B)およびポリマーAC(実施例56A、56B)をそれぞれ1%および1.2%の活性ポリマー重量濃度で用いた以外は、実施例14〜15の手順に従った。ポリマーB、AAおよびACは、それぞれ、2種の酸性ビニルモノマー部分と、2種の結合性モノマーとを含んでなる。ポリマーBは、2種の非イオン性ビニルモノマーをさらに含んでなる。また、ポリマーBおよびACは架橋されている。%透明度および粘度を表19に示す。F法によって測定された整髪効果を表19Aに示す。
Figure 0004386344
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前記データは、各ポリマーがレオロジー改質性整髪剤であることを示す。ポリマーAA(実施例55A、55B)は非常に良好な整髪効果を発揮し、ポリマーBおよびAC(それぞれ、実施例54A、54Bおよび実施例56A、56B)は優れた整髪効果を発揮した。
実施例57 水性整髪用ゲル
本実施例では、単独のレオロジー改質性整髪剤としてのHASEポリマーの使用を示す。ACULYN(登録商標)22(実施例57A)、ACULYN(登録商標)28(実施例57B)、STRUCTURE(登録商標)2001(実施例57C)、STRUCTURE(登録商標)3001(実施例57D)およびSALCARE(登録商標)SC80(実施例57E)という商品名で市販されているHASEポリマーを、それぞれ、文献または製造業者によって報告されているように、製品の全固形分に基づいて算出された1.2%の活性ポリマー重量濃度で用いた。実施例2〜8に示されるようにして整髪用ゲルを調製し、以下に示されるpHにまで中和した。%透明度値はB法によって測定し、粘度はA法によって測定した。整髪効果はF法によって測定し、主観的特性はG法によって評価した。その結果を表20に示す。
Figure 0004386344
前記データは、1.2%の濃度において、前記HASEポリマーは、レオロジー改質と、T@70%CRに基づいた良好(実施例57B、57C、57E)、非常に良好(実施例57A)および優良(実施例57D)といった様々な程度の整髪効果とを発揮した。しかしながら、整髪効果は、ASAP整髪剤を用いて得られた整髪効果よりも弱いと判断された。
実施例58 水性整髪用ゲル
RMHSポリマーとして、ASAPであるポリマーY(実施例58A)またはポリマーZ(実施例58B)をそれぞれ約1.2%の活性ポリマー重量で用いた以外は、実施例2〜8の手順に従った。これらのポリマーは、2種の結合性モノマー部分と、同じ半疎水性モノマーとを有する。pH、粘度、%透明度、F法によって測定した整髪効果およびG法によって求めた主観的特性の評価をを表21に示す。
Figure 0004386344
前記データは、1.2%において、前記ASAP RMHSポリマーであるポリマーY(実施例58A)およびZ(実施例58B)は共に、優れた持続する整髪効果、良好な粘度、優れた透明度および美観的に望ましい主観的特性を提示したことを示している。
実施例59 水性コンディショニング整髪用ゲル
本実施例では、約1.5%の活性ポリマー重量濃度の慣用の固定剤ポリマーであるPVP/VA(実施例59A)と比較した、同濃度のASAPおよびHASEポリマーの、コンディショニング配合物中におけるレオロジー改質性および単独の整髪性ポリマーとしての使用を示す。RMHSポリマーとして、実施例1のASAPであるポリマーY(実施例59B)、ポリマーZ(実施例59C)およびポリマーAR(実施例59F)、並びに2種の市販のHASEポリマー、すなわち、SYNTHALEN(登録商標)W2000(実施例59D)およびSALCARE(登録商標)SC80(実施例59E)を用いた。PVP/VAを含有する組成物は、カルボマーゲル化剤(ノベオン社のCARBOPOL(登録商標)980ポリマー)を含有していた。用いた配合物を表22に示す。組成物のpHは、示されるように、約6.5〜7の実質的に中性の範囲に調節した。
組成物は、A相の成分を約15分間すなわち均質な混合物が得られるまで混ぜ合わせることによって調製した。B相の成分を予備混合した後、A相に添加し、約15分間すなわち均質な混合物が得られるまで攪拌混合した。C相の成分を予備混合した後、前記混合物に添加し、約15分間すなわち均質な原液が得られるまで攪拌混合した。十分な酸中和量のトリエタノールアミン(TEA)を用いてD相の成分を予備混合した後、得られたアルカリ性予備混合物を前記原液に添加し、約15〜30分間混ぜ合わせた。次に、pHをチェックし、必要であれば、さらにTEAを用いて所望のpHに調節した。
F法によって測定した整髪効果およびG法によって測定した主観的特性の評価を表22Aに示す。
Figure 0004386344
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ASAPであるポリマーAR(実施例59F)は、最長24時間持続する優れた整髪効果と光沢とを示した。ポリマーY(実施例59B)およびポリマーZ(実施例59C)は、少なくとも3時間またはそれよりも長く(実施例59B)、優れた整髪効果を示した。前記HASEポリマーのうちの2つ(実施例59D、実施例59E)は、少なくとも0.75時間、良好な整髪効果を示し、約3時間まではPVP/VA(実施例59A)よりも効果的であった(実施例59E)。
さらなる評価において、活性ポリマー重量を約1.2%とし、且つ、B相がプロピレングリコール、グリセリンおよび小麦タンパク質加水分解物をそれぞれ約0.1重量%で含有し、D部のすべての成分も含有していたこと以外は、同様にして表22に記載の実施例59Dおよび59Eの水性整髪用ゲルを調製した。約1.2%活性ポリマー重量のASAPであるポリマーZを用いて同様の水性整髪用ゲルを調製した。これらの水性ゲルはいずれも、約6.7のpH、約91〜95%の範囲の%透明度(B法)および約10,000〜38,000mPa・sの範囲の粘度を有していた。これらの3種のゲルの鏡面光沢度値をD法によって測定した。20°の角度では、光沢値は約40〜約45単位の範囲内であり、そして60°の角度では、光沢値は約86〜約95単位の範囲内であった。これらのゲルは、整髪および髪型の維持に好適であると判断された。
実施例60 水性シリコーン整髪用ゲル
本実施例では、表23に示される処方において約1.5%の活性ポリマー重量を用いた水性シリコーン含有整髪用ゲル中における実施例1のASAP RMHSポリマーであるポリマーQ(実施例60A)、Y(実施例60B)およびZ(実施例60C)の使用を示す。
Figure 0004386344
A法によって測定した粘度、B法によって測定した%透明度およびF法によって測定した整髪効果の結果を表24に示す。
Figure 0004386344
前記データは、ポリマーQ(実施例60A)が非常に良好で長続きする整髪効果を示し、そしてポリマーY(実施例60B)およびZ(実施例60C)がそれぞれ優れた持続する整髪効果を提示したことを示している。前記ポリマーはいずれも非常に良好な粘度および良好な透明度を示した。
実施例61 水性ヘアコンディショニングゲル
本実施例では、下記整髪処方(表25)を用いた、カチオン性コンディショニング剤を含有する水性ゲル中における約1.2%の活性ポリマー重量の実施例1のASAP RMHSポリマーであるポリマーQ(実施例61A)、Y(実施例61B)およびZ(実施例61C)の使用を示す。
Figure 0004386344
A法によって測定した粘度、B法によって測定した%透明度およびF法によって測定した整髪効果を表26に示す。
Figure 0004386344
前記データは、ポリマーY(実施例61B)が非常に良好な整髪効果を与え、ポリマーQおよびZがそれぞれ優れた持続する毛髪効果を与えたことを示す。前記ポリマーはいずれも、非常に良好な粘度および良好な透明度を与えた。
実施例62 透明水性ヘアスプレー
本実施例では、表27に示される処方を用いた透明水性ヘアスプレー中における約0.8%の活性ポリマー重量の実施例1のASAP RMHSポリマーであるポリマーA(実施例62A)、C(実施例62B)およびY(実施例62C)の使用を示す。
Figure 0004386344
A法によって測定した粘度、B法によって測定した%透明度およびF法によって測定した整髪効果を表28に示す。
Figure 0004386344
前記データは、すべてのポリマーの整髪効果が優れており、良好な粘度および透明度が得られたことを示している。
実施例63 透明水性ヘアスプレー
本比較例では、表29に示される処方において約1.2%の活性ポリマー重量で単独の固定剤整髪剤として用いられるSYNTHALEN(登録商標)W2000(実施例63A)の商品名で市販されているHASEポリマーの使用を示す。比較するために、表29に示されるように約8%という比較的高い濃度が用いられ、且つ、カルボマーゲル化剤も用いられたこと以外は、同じ処方においてPVP/VA(実施例63B)を用いた。
実施例63Aの組成物は、防腐剤とグリセリンとを予備混合し、得られた予備混合物を含水量の約1/3に添加することによって調製した(A相)。それとは別に、整髪ポリマーとキレート剤とを残りの水に溶かし、得られたポリマー溶液にトリエタノールアミン(TEA)を添加してポリマーを約6のpHまですなわち透明になるまで中和した(B相)。次に、B相をA相と混ぜ合わせ、そして必要に応じて、得られた混合物のpHをTEAでさらに調節した。実施例63Bの組成物は、予備混合物を添加する前にカルボマーゲル化剤をA相の水に溶かしたこと以外は、同じ手順に従って調製した。
A法によって測定した粘度、B法によって測定した%透明度、F法によって測定した整髪効果およびG法によって測定した主観的特性の評価を表29に示す。
Figure 0004386344
前記データは、1.2%の活性ポリマー重量濃度において、SYNTHALEN(登録商標)W2000ポリマー(実施例63A)はレオロジー改質性固定剤整髪剤として機能し、非常に良好な整髪効果を少なくとも約1.25時間発揮し、高濃度のPVP/VA(実施例63B)よりも効果的であると判断された。
実施例64 水性アルコール性コンディショニング整髪用ゲル
本実施例では、約3%の活性ポリマー重量濃度における慣用の固定剤ポリマーであるPVP/VA(実施例64A)と比較した、水性アルコール性コンディショニング配合物中における約3%の活性ポリマー重量濃度での単独のレオロジー改質性固定剤整髪ポリマーとしての3種の市販のHASEポリマーの使用を示す。用いた市販のHASEポリマーは、SYNTHALEN(登録商標)W2000(実施例64B)、STRUCTURE(登録商標)2001(実施例64C)およびSALCARE(登録商標)SC80(実施例64D)であった。PVP/VAを含有する組成物はカルボマーゲル化剤も含有していた。用いた処方を表30に示す。組成物のpHは、示されるように、トリエタノールアミン(TEA)で約6〜6.5の範囲に調節した。
Figure 0004386344
組成物は、A相の成分を約15分間すなわち均質な混合物が得られるまで混ぜ合わせることによって調製した。B相の成分を予備混合した後、A相に添加し、約15分間すなわち均質な混合物が得られるまで攪拌混合した。C相の成分を予備混合した後、前記混合物に添加し、約15分間すなわち均質な原液が得られるまで攪拌混合した。十分な酸中和量のTEAを用いてD相の成分を予備混合した後、得られた予備混合物を前記原液に添加し、約15分間混ぜ合わせた。次に、pHをチェックし、必要であれば、さらにTEAを用いて所望のpHに調節した。
F法によって測定した整髪効果およびG法によって測定した主観的特性の評価を表30Aに示す。
Figure 0004386344
前記データは、3%の活性ポリマー濃度において、市販のHASEポリマー(実施例64C、64D)は、少なくとも0.75時間、良好な整髪効果を与え、ある場合(実施例64B)では優れた整髪効果が3時間持続した。前記HASEポリマーのすべてがPVP/VA(実施例64A)よりも整髪効果が高かった。
さらなる例において、約3.5〜4%ASAPの活性ポリマー重量%のASAPであるポリマーG、H、IまたはJと、約10〜30%のエタノールと、比較的少ない総量(<0.2%)の整髪剤(パンテノールおよびジメチコーンコポリオール)、防腐剤、可溶化芳香剤および製品着色剤とを含有する1群の水性アルコール性ゲルを調製し、TEAで約6〜6.5のpHまで中和した。これらの組成物は、約7,500〜約90,000mPa・sの範囲の粘度を有していた。これらの組成物が生じさせる鏡面光沢度をD法によって測定した。20°の角度では、光沢値は約40〜約60単位の範囲内であり、そして60°の角度では、光沢値は約85〜約90単位の範囲内であった。これらの水性アルコール性組成物は、整髪製品および髪型保持製品に好適であると判断された。
一方、8.5%のPVP/VAを含有し、実施例64Aのようにカルボマーでゲル化された同様の水性アルコール性ゲルは、約6のpH、約43,000mPa・sの粘度、および低い光沢値(20°の角度では2.8および60°の角度では19.6)を有していた。
実施例65 テクスチュアの分析評価
それぞれASAPであるポリマーN(1.5%)およびポリマーJ(1.2%)を含有する実施例12Aおよび実施例21Bの整髪用ゲルで処理した毛髪のはりまたは柔らかさを、H法(1)に記載されているHair Loop Test and Force Measurement Procedureによって約2,400秒間、PVP(3%)を含有する実施例37Aの整髪用ゲルで処理した毛髪および処理していない毛髪のはりまたは柔らかさと比較した。ピーク力が50g以上の毛髪房ははりがあると判断され、50g未満の毛髪房は柔らかいと判断された。
初めは、ポリマーJのゲル(実施例21B)は、PVPゲル(実施例37A)のはりと同様のはり(約100g以上の初期ピーク力)を示した。しかしながら、ポリマーJで処理した毛髪房はそのはりを維持し、試験期間全体を通じて約75gよりも大きい実質的に均一なピーク力を維持していたのに対し、PVPで処理した毛髪房は柔らかくなった(ピーク力が連続して減少した)。ポリマーNのゲル(実施例12A)は弱いはり(約50gの初期ピーク力)を示したが、処理していない毛髪である対照よりははりがあると判断された。驚くべきことに、ポリマーNによって調整および柔らかくされたにもかかわらず、毛髪房は試験期間全体を通じて約40gの実質的に均一なピーク力を維持していた。処理していない毛髪である対照は柔らかく(初期ピーク力は約40g)、(20gよりも小さい)最小量のピーク力を与えることによって容易に変形した。
ポリマーJおよびポリマーNで処理した毛髪房の再整髪性を、約2,400秒間の試験期間に亘って、H法(1)に記載されているようにして評価した。この場合も、ポリマーJは初めにはり(100gよりも大きい初期ピーク力)を示し、その後、75gよりも大きいピーク力を約1,500秒間維持し、それから試験期間の最後まで約60gよりも大きいピーク力を維持した。ポリマーNは、ここでも、約30gよりも大きい実質的に均一なピーク力を持続した。
実施例66 %カール保持率による再整髪性
1.2%のポリマーCを含有する実施例5および1.2%のポリマーAを含有する実施例9の整髪用ゲルで処理した毛髪の再整髪性を、F法(サイクル1およびサイクル2)に記載されているように、高い湿度に対する耐性(HHCR)を求め、再整髪し、そして再度HHCRを評価することによって、全体で約24時間の試験期間に亘って評価した(表31)。
Figure 0004386344
表31に示されるように、前記ASAP RMHSポリマーは優れた再整髪性を示した。サイクル2後、再整髪された毛髪にははりがあった。毛髪房に数回櫛を通すことによって、櫛通りの良さを評価し、櫛を通すことによって整髪剤から剥離または残留物が生じたかどうかも評価した。いずれの毛髪房も櫛を通し易いと判断され、櫛を通した後に櫛にも毛髪にも剥離残留物は目視で確認できなかった。また、毛髪房は非常に柔らかく、カール記憶が良好であった(カールに弾力があった)。
実施例67 テクスチュアの分析評価による櫛通り
ASAPである1.2%のポリマーJ(実施例21B)および1.2%のポリマーK(実施例10)を含有する整髪用ゲルで処理した毛髪の櫛の通し易さを、H法(2)のComb−Through Measurement Procedureによって計測し、ECF値を求めた。比較するために、処理していない毛髪および3%PVP(実施例37A)で処理した毛髪も測定した。そのデータを表32に示す。
Figure 0004386344
ECF値が低いほど、試験された特定の整髪剤または特定の配合物についての毛髪の扱い易さが良いことを意味する。両方のASAP整髪剤とも湿った状態での櫛通りが非常に良く、全体的に見て、比較用のPVP樹脂よりも湿ったおよび乾いた毛髪に塗布したときの櫛通りが良く、つまり、毛髪の扱い易さが良い。
実施例68 整髪用キット
本実施例では、1つの部品(容器A)内に詰められた有効整髪量のRMHSエマルジョン製品と、もう1つの部品(容器B)内に詰められた有効量のpH調整剤とを含んでなるツーパーツ整髪用キットを示す。
ある1つのキット実施態様では、容器Aは、実施例1の水性RMHSエマルジョン製品(例えば、約10グラムの約30重量%活性ポリマーエマルジョン製品)と、任意に、芳香剤(q.s.)とを含有してもよく、そして容器BはAMP(95%、例えば、約1.5グラム)を含有してもよい。
使用するには、容器Aの内容物を(容量が約14〜16オンスの)ジャーまたはボウルに移し、水、好ましくは蒸留水、脱イオン水または軟質水道水を例えば約340グラム添加し、得られた混合物をブレンドし、前記混合物に容器Bの内容物を添加し、そして均質な粘り気のある濃度が得られるまで攪拌しながらブレンドする。そして、得られた整髪用組成物は直ちに使用されるかまたは保存されて後で使用される。
あるいは、一方の容器の内容物を他方の容器の内容物とブレンドするだけで済むようにするために、容器Aおよび/または容器Bの内容物が十分な水分を含んでいてもよい。
ASAPを用いるある1つの具体的なキット実施態様では、実施例1のポリマーAT(約4.3重量部、約30%全固形分)を1つのキット容器(A)内に設置し、そしてpH調整剤(AMP(95%)、約0.3重量部)および残りの化粧品材料をもう1つの容器(B)内に設置した。前記2つの容器の内容物をへらを使用して手で混ぜ合わせることによって整髪用組成物の完成品を調製した。得られた整髪用組成物は、活性重量に基づいて、約1.3%のASAPであるポリマーATと、約0.3%のAMPと、約0.2%のソルビトールと、約0.1%のDLパンテノールと、約0.1%のグリセリルポリメタクリレート(および)プロピレングリコール(Guardian LaboratoriesからLUBRAJEL(登録商標)CGの商品名で販売されているそのような混合物のINCI名)と、約0.2%のプロピレングリコールと、約0.05%のグリセリンと、約0.1%の金属イオンキレート剤と、約0.3%の防腐剤と、最終的に100重量%にするのに十分な脱イオン水とで構成されていた。前記整髪用組成物のpHは約7、透明度は約85%、濁度は約14NTU、そしてブルックフィールド粘度は約28,400mPa・sであった。あるいは、容器(A)の内容物を容器(B)の内容物と混ぜ合わせる直前に、水のすべてまたは一部を容器(A)の内容物に添加してもよいし、または、ポリマーの希釈剤として容器(A)に投入してもよい。
実施例69〜73 水性ゲル
一般的に使用されているアルカリ膨潤性ポリアクリル酸高分子増粘剤であるカルボマーを用いて達成された粘度は、ある特定の慣用のアニオン性ポリマーの存在によって悪影響を及ぼされることがあることは知られている。本実施例では、水性ゲル中における、カルボマーポリマーおよび疎水的に改質されたカルボマーポリマーである増粘剤に対するアルカリ膨潤性ASAPの驚くべき親和性を示す。
1組目の水性ゲル(実施例69〜73)を調製した。各ゲルは、実施例1の下記アルカリ膨潤性ASAPであるポリマーH(実施例69A〜I)、ポリマーY(実施例70A〜I)、ポリマーZ(実施例71A〜I)、ポリマーAT(実施例72A〜L)およびポリマーAU(実施例73A〜I)のいずれか1つと、表33〜37に記載の量の表33〜37に記載のカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーのいずれかとを含有していた。カルボマーというINCI名を有する使用した市販の増粘剤製品は、ノベオン社(オハイオ州クリーブランド)から販売されている慣用のカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)980ポリマーおよび疎水的に改質されたカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)Ultrez21ポリマーであった。使用した他の市販のポリマーは、ノベオン社から販売されているINCI名がアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーである疎水的に改質されたカルボマーポリマーであるCARBOPOL(登録商標)ETD2020ポリマーおよび3V Inc.社から販売されているINCI名がアクリレート/ビニルイソデカノエートであるSTABYLEN(登録商標)30であった。
前記水性整髪用ゲルは、選択した市販の高分子増粘剤を総含水量の一部に分散させ、得られた分散液をAMP(95%)で約6〜6.5の範囲のpHにまで中和した後、選択量の実施例1のアルカリ膨潤性ASAPの水性エマルジョンを添加し、そして必要に応じて含水量とpHを調節して前記pHまたは透明度を維持することによって調製した。あるいは、前記ポリマーを予備混合した後、中和することによって、同様のゲルを得ることができる。前記ゲルのpH、%透明度および粘度(24時間)を表33〜37に示す。
Figure 0004386344
Figure 0004386344
Figure 0004386344
Figure 0004386344
Figure 0004386344
実施例69G〜I、70A〜I、71A〜CおよびG〜I、72A〜CおよびG〜L、並びに73A〜CおよびG〜Iの水性ゲルのHHCR整髪効果を、F法によって24時間測定した。
整髪効果は、非常に良好〜優良であると判断された。HHCRの結果、すなわち、T@70%CRは、実施例71Aの場合は約1.25時間;実施例70H、72Jおよび72Kの場合は約1.75時間;実施例70D、70G、72Hおよび72Lの場合は約3時間;実施例70Aおよび73Gの場合は約4時間;実施例72Cの場合は約5時間;実施例70E、73Bおよび73Hの場合は約6時間;実施例73Iの場合は約7時間;実施例70F、71B、71C、71G、72Iおよび73Aの場合は約8時間;並びに実施例69G、69H、69I、70B、70C、70I、71H、71I、72A、72B、72Gおよび73Cの場合は約24時間であった。
前記結果は、ASAPは、粘度を犠牲にすることなく、水性ゲル中で慣用のカルボマー増粘剤または疎水的に改質されたカルボマー増粘剤のいずれかと組み合わせて用いることができることを示している。
比較するために、アルカリ膨潤性ASAPは用いずにAMPで中和された市販のポリマーを用いて達成された水性ゲルの粘度を表38に示す。
Figure 0004386344
一般に、前記実施例は、RMHSポリマーは、水性媒体の美観的に望ましい透明度を保持したまま整髪効果とレオロジー改質を提供したことを示している。ASAP整髪用ポリマーは、一般に、HASEポリマーよりも効果的な整髪剤であると判断され、驚くほど非常に良好〜優良な持続する整髪効果を発揮した。また、HASEポリマーは、前記実施例において、驚くほど効果的な整髪剤であり、レオロジー改質を実現した。
前記考察および報告された研究は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明の精神と範囲内の他の変形体も可能であり、当業者らに容易に理解されるものである。

Claims (30)

  1. (a)酸性ビニルモノマーまたはその塩、および
    (b)少なくとも1つの非イオン性ビニルモノマー、
    (c)第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマー(c)、
    (d)第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー(d1)、半疎水性モノマー(d2)、およびこれらの組み合わせ(d3)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(d)、および、任意に、
    (e)架橋性モノマー(e1)、連鎖移動剤(e2)およびこれらの組み合わせ(e3)からなる群から選択されるモノマー、
    含むモノマー混合物であって、
    第1および第2の結合性モノマー(c)および(d1)は、それぞれ下記式(III)
    Figure 0004386344
    (式中、Rは、それぞれ独立して、H、メチル、−C(O)OHまたは−C(O)ORであり、RはC〜C30アルキルであり、Aは−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−または−CHCHNHC(O)−であり、Arは2価のアリールであり、EはHまたはメチルであり、zは0または1であり、kは0〜30の範囲の整数であり、mは0または1であるが、ただしkが0のときmは0であり、kが1〜30の範囲のときmは1であり、(R−O)はポリオキシアルキレンであり、前記ポリオキシアルキレンはホモポリマー、ランダム共重合体またはC〜Cオキシアルキレン単位のブロック共重合体であり、RはC、CまたはCであり、nは5〜250の範囲の整数であり、Yは−RO−、−RNH−、−C(O)−、−C(O)NH−、−RNHC(O)NH−または−C(O)NHC(O)−であり、 は、それぞれ独立の第1の疎水性末端基と第2の疎水性末端基を表わし、〜C40直鎖アルキル、C〜C40分岐鎖アルキル、C〜C40炭素環式アルキル、C〜C40アルキル置換フェニル、アリール置換C〜C40アルキルおよびC〜C80錯エステルからなる炭化水素類から選択され、そして前記Rで表されるアルキル基は、ヒドロキシル基、アルコキシル基およびハロゲン基からなる群から選択される1種以上の置換基を任意に含み、モノマー(d)が第2の結合性モノマー(d1)から選ばれ、かつ第1の疎水性基および第2の疎水性基が同じ炭化水素類から選ばれるとき、第1の疎水性基と第2の疎水性基との分子式の炭素数の差は少なくとも8である。)
    のモノマーから選ばれる少なくとも一種のモノマーであり、
    半疎水性モノマー(d2)は下記式(IV)または(V)
    Figure 0004386344
    (式中、Rは、それぞれ独立して、H、C〜C30アルキル、−C(O)OHまたは−C(O)ORであり、RはC〜C30アルキルであり、Aは−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−または−CHCHNHC(O)−であり、Arは2価のアリールであり、EはHまたはメチルであり、zは0または1であり、pは0〜30の範囲の整数であり、rは0または1であるが、ただしpが0のときrは0であり、pが1〜30の範囲のときrは1であり、(R−O)はポリオキシアルキレンであり、前記ポリオキシアルキレンはホモポリマー、ランダム共重合体またはC〜Cオキシアルキレン単位のブロック共重合体であり、RはC、CまたはCであり、vは5〜250の範囲の整数であり、RはHまたはC〜Cアルキルであり、そしてDはC〜C30不飽和アルキルまたはカルボキシ置換C〜C30不飽和アルキルである、)
    のモノマーから選ばれる少なくとも一種のモノマーであるモノマー混合物の重合生成物であるレオロジー改質性整髪用結合性ポリマーを有効整髪量で含んでなる水性整髪用組成物。
  2. 前記レオロジー改質性整髪用結合性ポリマーが、アルカリ膨潤性で、モノマー混合物は全モノマー混合物重量基準で、
    (a)10〜75重量%の、少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩、
    (b)10〜90重量%の、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマー、
    (c)0.1〜25重量%の、第1の疎水性末端基を有する第1の結合性モノマー、
    (d)0.1〜25重量%の、第2の疎水性末端基を有する第2の結合性モノマー(d1)、半疎水性モノマー(d2)、およびこれらの組み合わせ(d3)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー、および、任意に、
    (e)20重量%以下の、架橋性モノマー
    を含んでなる請求項1に記載の組成物。
  3. 前記レオロジー改質性整髪用結合性ポリマーが、アルカリ膨潤性で、モノマー混合物は全モノマー混合物重量基準で、
    (a)10〜30重量%の少なくとも1種の酸性ビニルモノマーまたはその塩、
    (b)60重量%よりも多い、少なくとも1種の非イオン性ビニルモノマー、
    (c)0.5〜5重量%の疎水性末端基を有する少なくとも1種の結合性モノマー、
    (d)0.5〜5重量%の、重合可能な不飽和末端基と、前記不飽和末端基と共有結合しているポリオキシアルキレン基とを有する少なくとも1種の半疎水性モノマー、および
    (e)0.5〜5重量%の連鎖移動剤、
    を含んでなる請求項1に記載の組成物。
  4. 前記酸性ビニルモノマーは、カルボン酸含有ビニルモノマー、スルホン酸含有ビニルモノマー、ホスホン酸含有モノマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  5. 前記結合性モノマーは、C〜C40直鎖アルキル、C〜C40分岐鎖アルキル、C〜C40炭素環式アルキル、C〜C40アルキル置換フェニル、アリール置換C〜C40アルキルおよびC〜C80錯エステルからなる群から選択される疎水性末端基を含んでなる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. モノマー混合物が、2種の結合性モノマーを含有し、そして各結合性モノマーは、それぞれ独立して、重合可能な不飽和末端基と、C〜C40アルキル疎水性末端基と、前記不飽和末端基と前記疎水性末端基の間に配置され且つそれら基と共有結合しているポリオキシアルキレン基とを含んでなる、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記ポリオキシアルキレン基は、ホモポリマー、ランダム共重合体、または5〜250個のC〜Cオキシアルキレン単位を含んでなるブロック共重合体である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記非イオン性ビニルモノマーは、下記式(I)または(II)
    (I) CH=C(X)Z
    (II) CH=CH−OC(O)R
    式中、XはHまたはメチルであり、Zは−C(O)OR、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)N(R、−C、−COR、−CCl、−CN、−NHC(O)CH、−NHC(O)H、N−(2−ピロリドニル)、N−カプロラクタミル、−C(O)NHC(CH、−C(O)NHCHCH−N−エチレンウレア、−SiR、−C(O)O(CHSiR、−C(O)NH(CHSiRまたは−(CHSiRであり、xは1〜6の範囲の整数であり、Rはそれぞれ独立してC〜C18アルキルであり、そしてRはそれぞれ独立してC〜C30アルキル、ヒドロキシ置換C〜C30アルキルまたはハロゲン置換C〜C30アルキルである、
    のいずれかを有する化合物である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 前記非イオン性ビニルモノマーは、アクリル酸のC〜Cエステル、メタクリル酸のC〜Cエステル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記半疎水性モノマーは、重合可能な不飽和末端基および前記不飽和末端基と共有結合しているポリオキシアルキレン基を構成する、請求項1〜9いずれかに記載の組成物。
  11. 前記ポリオキシアルキレン基は、ホモポリマー、ランダム共重合体、または5〜250個のC〜Cオキシアルキレン単位を含んでなるブロック共重合体である、請求項10に記載の組成物。
  12. 少なくとも2種のアクリレートエステル基を有するポリオールのアクリレートエステル、少なくとも2種のメタクリレートエステル基を有するポリオールのメタクリレートエステル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される架橋性モノマーを0.1〜2重量%含んでなる、請求項1〜11いずれかに記載の組成物。
  13. pH調整剤、pH緩衝剤、補助毛髪固定剤、補助塗膜形成剤、補助レオロジー改質剤、ヘアコンディショニング剤、ケミカルヘアウエーブまたはストレート剤、毛髪染剤、界面活性剤、ポリマーフィルム改質剤、製品仕上げ剤、推進剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のアジュバントをさらに含んでなる、請求項1〜12いずれかに記載の組成物。
  14. 〜C一価アルコール、C〜Cポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒を含んでなる、請求項1〜13いずれかに記載の組成物。
  15. 液体、ゲル、スプレー、エマルジョン、泡、ムース、スプリッツ、シャンプー、固体または半固体の形態にある、請求項1〜14いずれかに記載の組成物。
  16. 推進剤を含んでなる、請求項1〜15いずれかに記載の組成物。
  17. 前記推進剤がフッ素化炭化水素、ジメチルエーテル、液体揮発性炭化水素および圧縮ガスからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
  18. 補助レオロジー改質性ポリマーをさらに含んでなる、請求項1〜17いずれかに記載の組成物。
  19. 前記補助レオロジー改質性ポリマーがカルボマーポリマーまたは疎水的に改質されたカルボマーポリマーである、請求項18に記載の組成物。
  20. pHが少なくとも2である、請求項1〜19に記載の組成物。
  21. 20〜25℃の室温において100mPa・sよりも高いブルックフィールド粘度を有する、請求項1〜20いずれかに記載の組成物。
  22. 90%の相対湿度および26〜27℃の室温において、少なくとも0.75時間、少なくとも70%のカール保持率という整髪効果を示す、請求項1〜21いずれかに記載の組成物。
  23. 包装された形態にある請求項1〜22いずれかに記載の組成物を含んでなる製品。
  24. 前記包装形態が整髪補助器具を含んでなる、請求項23に記載の製品。
  25. 前記整髪用組成物が整髪補助器具にしみこませられているか被覆されている、請求項24に記載の製品。
  26. 前記整髪補助器具が、ワイプ、パッド、ペーパータオル、スポンジ、カーリングペーパー、櫛、ヘアブラシおよびヘアカーラーからなる群から選択される、請求項24〜25いずれかに記載の製品。
  27. 第1の容器内に請求項1〜22のいずれかに記載の整髪用組成物の有効整髪量および、第2の容器内に有効量のpH調整剤を含んでなる整髪用キットであって、前記第1の容器の内容物と、前記第2の容器の内容物とを水性媒体中で混ぜ合わせたときに、所望のpHと粘度とを有する整髪用組成物が得られる、
    前記整髪用キット。
  28. 第1の容器の内容物および第2の容器の内容物の少なくとも一方が水を含んでなる、請求項27に記載のキット。
  29. 得られる整髪用組成物の調製、使用またはその両方のための指示書をさらに含んでなる、請求項27〜28いずれかに記載のキット。
  30. (a)有効整髪量の請求項1〜22いずれかに記載の組成物を毛髪に塗布する工程と、
    (b)工程(a)の最中またはその前後に、毛髪を所望の形状に成形する工程と、を含んでなる整髪方法。
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