JP4386291B2 - ワイヤーソー - Google Patents

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Description

本発明は、石材やコンクリートなどを切断するためのワイヤーソーに関し、特に固定式の切断装置に使用するエンドレスタイプのワイヤーソーに関する。
石材やコンクリートなどを切断する工具の一つとして、図6に示すようなワイヤーソーがある。このワイヤーソー1は、円筒状の台金4の外周に超砥粒層3が形成された多数のビーズ2をワイヤーロープ5に挿通し、間隔をおいてゴムや樹脂などの被覆部材6でワイヤーロープ5に固定した工具である。また、ワイヤーソー1を使用する切断装置としては、土木工事現場や石切り場などに持ち込んで使用する移動式の切断装置や工場内に固定して使用する固定式の切断装置がある。
移動式の切断装置の例として、図8に示すようにワイヤーソー1を懸けて回転させるプーリー22およびこのプーリー22を回転させる駆動部などが一体となった切断装置21がある。この切断装置21を使用する場合、被削材30に穴を空け、この穴にワイヤーソー1を通して被削材30に巻き付けた後、ワイヤーソー1を接続用ジョイントなどで接続し、エンドレスの状態にして切断装置21のプーリー22に懸け、切断装置21を引っ張りながらワイヤーソー1に張力をかけた状態でプーリー22を回転させて被削材30を切断する。
また、固定式の切断装置の例として、図9に示すように工場などに2本の支柱24を設置し、この支柱24に上下動可能なプーリー25および26を取付け、これらのプーリー25および26にワイヤーソー1を懸けて使用する切断装置23がある。このような装置23では、支柱24とプーリー26とをつなぐように取り付けられたエアシリンダ29などによりプーリー26を引っ張ってワイヤーソー1に張力をかけ、その状態でプーリー25を回転させる。被削材30は、2つのプーリー25および26の間に設けられた台車上に設置しておき、張力をかけられたワイヤーソー1を走行させながらプーリー25および26を下降させていくことで、ワイヤーソー1が被削材30と接触し、切断を開始する。このような装置23に使用するワイヤーソー1は、最初からエンドレスの状態になっており、接続部はワイヤーロープを構成するストランドが編み込まれて、その上にビーズが通されゴムや樹脂などの被覆部材で覆われた構造になっている。このタイプのワイヤーソーは、引っ張りに対する強度が高く、上記の接続ジョイントを使用したタイプのワイヤーソーに比べ、接続部で破断するトラブルは大幅に少ない。固定式の切断装置では移動式の切断装置に比べて張力が大きく、しかもワイヤーソーの走行速度が高くて使用時間も長いため、接続ジョイントを使用したタイプのワイヤーソーを使用すると接続部でのトラブルが多く、接続部はワイヤーロープが編み込まれたタイプのものが使用されている。このように接続部のワイヤーロープを編み込んだワイヤーソーの例として、特許文献1に記載のワイヤーソーがある。
またこれとは別に、切断中にビーズにかかる負荷が原因でビーズがずれるトラブルを防止するワイヤーソーとして特許文献2に記載のワイヤーソーがある。このワイヤーソーは、図7に示すようにビーズ2間のワイヤーロープ5外周にコイルバネ7を設け、コイルバネ7の隙間や外周部に被覆部材6の一つであるゴムを設けてビーズ2およびコイルバネ7をワイヤーロープ5に固定したものである。
実開平1−84919号公報 特開平9−225735号公報
上記の固定式の切断装置に使用するワイヤーソーでは、製造する際にエンドレスにするため接続部においてワイヤーロープを編み込む作業が必要になり、編み込む長さは引っ張り強度を高めるためにある程度の長さが必要で、編み込んだ部分にもビーズを設けることになる。そのためには、接続部付近に固定するビーズについてもワイヤーロープに予め通した状態で編み込み作業を行う必要がある。この編み込み作業を行う場合に、少なくとも接続部付近に固定されるべきビーズは、接続部に隣接する部分へ逃がしておいて編み込み作業を行うことになる。この場合、接続部に隣接するビーズを逃がす部分もビーズを固定していない状態としておく必要がある。図10にこの概略を示す。図10で、ワイヤーロープの端部5aおよび5bの部分がお互いに編み込まれる部分すなわち接続部10であり、それに隣接する部分がビーズ逃がし部11である。ワイヤーロープ端部5aおよび5bは重ね合わせるようにして編み込むが、その編み込みを行う際に、接続部10に設けるビーズおよびビーズ逃がし部11に設けるビーズをすべてビーズ逃がし部11の部分に逃がしておく必要がある。
このような接続部を編み込んだワイヤーソーでも、切断中の抵抗やゴムの劣化・破壊、被削材への急激な引っかかりなどが原因でビーズがワイヤーロープに対してずれるトラブルが発生する問題があり、これを防止するためにビーズ間にコイルバネを入れることが考えられる。しかしながら、上記のようなワイヤーロープを編み込むタイプでは、ビーズ間にコイルバネを入れると図11に示すように編み込み作業を行う際にビーズをずらすことができないため接続部に固定されるビーズを逃がす場所を設けることができず、編み込み作業を行うことができないという問題が発生する。編み込み作業を行う際にコイルバネを縮めてビーズを逃がす場所を設けることも考えられるが、多数のコイルバネを縮める力がすでに被覆部材を形成した部分に加わるため、被覆部材を形成した部分の端部に設けられたビーズがずれる恐れがある。また、被覆部材を全く形成していない状態であればコイルバネを縮める力を加えても前述のような問題は生じないが、編み込み部分でワイヤロープをお互いに編むための位置調節が難しく、編み込んだあとワイヤロープとビーズを金型に固定し被覆部材を金型内に注入して一定の長さごとに被覆部材を形成していった場合に、最後まで被覆されずに残った部分でビーズの間隔に狂いが生じ、金型にビーズを固定できない問題が生じる。
また、ビーズがずれることを防止するだけであれば、台金の長さを長くして被覆部材との接触面積を増やし、接合強度を向上させることが考えられるが、台金の部分ではワイヤーロープが曲がりにくく台金の長さを長くするとよりワイヤーロープが曲がりにくくなって、切断中の繰り返しの曲げにより破断しやすくなる。
さらに、切断中の振れを防止するなどの目的で、ワイヤーロープに対してビーズが偏芯しないように被覆部材で固定する必要がある。そのために、ワイヤーロープに張力をかけた状態で被覆部材を形成する場合があるが、上記の接続部を編み込んだワイヤーソーでは、ワイヤーロープに張力をかけると編み込んだワイヤーロープの端部同士がずれて抜けてしまうため、ワイヤーロープに張力をかけた状態では被覆部材を形成できない。従って、編み込みによる接続部はビーズがワイヤーロープに対して偏芯して固定されやすくなり、切断中にワイヤーソーが振れやすく、これが原因でビーズが不均一に摩耗する恐れもある。このようなことから、本発明は、接続部を編み込んだワイヤーソーでもビーズがずれるトラブルを防止でき、接続部のビーズがワイヤーロープに対して偏芯せず、切断中の振れが少ないワイヤーソーを提供するものである。
本発明のワイヤーソーの第1の特徴は、円筒状の台金の外周に超砥粒層が設けられた複数のビーズが、ワイヤーロープに挿通され、被覆部材にて前記ワイヤーロープに接合固定されたワイヤーソーであって、お互いに隣接するビーズの間のすべての部分にコイルバネが設けられ、前記ワイヤーソーの両端部は、前記ワイヤーロープを編み込んでエンドレスに接続されるとともに、前記ワイヤーロープを編み込んだ接続部にもビーズが被覆部材にて接合固定され、前記接続部を含むワイヤーソー全体または一部分にわたって設けられた前記コイルバネは、前記ビーズ間の距離よりも短い長さのコイルバネであり、前記ビーズの進行方向後側に近接して設けられていることである。
このように、ビーズ間に設けられたコイルバネのうち、接続部を含み接続部以外の部分のワイヤーソーの少なくとも一部分のコイルバネの長さをビーズ間の距離よりも短い長さとすることで、ワイヤーロープの端部同士を編み込んでエンドレスにする場合に、接続部に固定すべきビーズを接続部に隣接する部分に逃がすためのビーズ逃がし部を設けることができる。従って、ワイヤーソー全体にわたりすなわちすべてのビーズ間においてコイルバネを設けることが可能になり、接続部を編み込んだ引張強度の高いワイヤーソーでビーズの保持力が高いものとすることができ、接続部での破断やビーズのずれを防止することができる。なお、ワイヤーソーの走行中の振れに対するバランスの点からは、すべてのビーズ間のコイルバネをビーズ間の距離よりも短い長さでかつ同じ長さのものとするのが好ましい。
第2の特徴は、前記ビーズの後端部の少なくとも一部分と、前記ビーズの後側に設けられた前記コイルバネの前端部の少なくとも一部分とは直接接しているか、あるいは前記ビーズの後端部と前記コイルバネの前端部との間の距離は2mm以下でその間の部分には被覆部材が設けられていることである。
ビーズの後端部とコイルバネの前端部との間に被覆部材が大きく存在すると、ビーズにかかった抵抗をその被覆部材が受けることになり、コイルバネで受ける抵抗が小さくなるため、ビーズの保持力を向上させることがほとんどできないが、2mm以下とすることにより、ビーズにかかった抵抗をコイルバネで受けて保持することができるので、ビーズの固定強度が向上する。
第3の特徴は、前記コイルバネの長さは、前記ビーズ間の距離の30〜70%であることである。
このように、コイルバネの長さをビーズ間の距離の30%以上とすることで、切断中にビーズにかかる抵抗でビーズがずれるのを防止でき、70%以下とすることで、編み込み作業の際にビーズ逃がし部の長さが長くなりすぎず作業性が向上する。
第4の特徴は、前記コイルバネの進行方向後側の前記被覆部材には、第1の凹部が形成されていることである。
被覆部材を形成する場合、ビーズを挿通したワイヤーロープを金型に入れた状態で被覆材料を金型内に流し込んで成形を行うが、コイルバネがビーズ間の距離より短いため、被覆材料を流し込む圧力によりコイルバネがずれる可能性がある。そのため、金型に突起を設けてコイルバネが引っかかるようにしておくことで、コイルバネがずれるのを防止することができ、コイルバネの走行方向前側にあるビーズを保持してずれるのを防止することができる。そして、この金型の突起の部分により、被覆部材に第1の凹部が形成される。また、コイルバネのすぐ後側に第1の凹部が形成されていると、この部分でワイヤーロープが曲がりやすくなる。本発明のワイヤーソーのように、ビーズ間の一部分にコイルバネを入れると、コイルバネのある部分ではワイヤーロープが曲がりにくく、その曲がりにくい分がコイルバネのない部分を余計に曲げようとするため、コイルバネのない部分の被覆部材が傷みやすくなる。しかし、上記の第1の凹部があることでコイルバネのある部分の曲がりにくい分を第1の凹部で吸収することができ、コイルバネのない部分の被覆部材の傷みを抑えることができる。
第5の特徴は、前記コイルバネの外周側の被覆部材には、周方向において断続的に形成された第2の凹部を有することである。
第2の凹部は、被覆部材成形用の金型に突起が設けられており、その突起が被覆部材側では第2の凹部として形成されている。金型に設けられた突起は、被覆部材を成形する際にコイルバネを直径方向に僅かに加圧してコイルバネの内面とワイヤーロープが接する状態にして成形する役割を果たし、ワイヤーロープやコイルバネが偏芯した状態で被覆部材が形成されるのを防止することができる。また、このような第2の凹部がビーズの後側に設けられているので、切屑の排出性が向上し、切味不良や被覆部材の摩耗を抑えることができる。
第6の特徴は、前記第2の凹部は、ワイヤーソーの回転方向と略平行に細長く伸びる形状であることである。
第2の凹部をこのような形状とすることで、被覆部材を成形する際にコイルバネを確実に保持して加圧することができ、しかも切断中の切屑の排出性が向上する。
本発明のワイヤーソーの別の特徴として、円筒状の台金の外周に超砥粒層が設けられた複数のビーズが、ワイヤーロープに挿通され、被覆部材にて前記ワイヤーロープに接合固定されたワイヤーソーであって、前記ワイヤーソーの両端部は、前記ワイヤーロープを編み込んでエンドレスに接続されるとともに、前記ワイヤーロープを編み込んだ接続部にもビーズが被覆部材にて接合固定され、前記接続部を含むワイヤーソー全体にわたり、ビーズ間には前記ビーズ間の距離よりも短くかつ前記ワイヤーロープの直径以下の長さの保持部材が前記ビーズの進行方向後側に近接して設けられ、前記保持部材は前記ワイヤーロープに対してかしめられて固定されていることである。
このように、ビーズの走行方向の後側にビーズ間の距離よりも短くかつワイヤーロープの直径以下の長さの保持部材をビーズに近接して設けることで、ワイヤーロープの端部同士を編み込んでエンドレスにする場合に、接続部に固定すべきビーズを接続部に隣接する部分に逃がすためのビーズ逃がし部を設けることができるので、ワイヤーソー全体にわたって保持部材を設けることが可能になり、接続部を編み込んだワイヤーソーでも切断中の抵抗によりビーズがずれるのを防止することができる。また、保持部材の長さをワイヤーロープの直径以下とすることで、ワイヤーロープは繰り返しの曲げにも強くなり、破断する恐れが大幅に小さくできる。さらに、保持部材はワイヤーロープに対してかしめられて固定されているので、ビーズを保持する力が大きくなり、しかも接続部では編み込んだワイヤーロープを固定し、編み込みがほどけにくくなるので、切断中にワイヤーロープにかかる張力に対しても強くなる。
この別の特徴を有するワイヤーソーの第2の特徴として、前記ビーズの後端部の少なくとも一部分と、前記ビーズの後側に設けられた前記保持部材の前端部の少なくとも一部分とは直接接しているか、あるいは前記ビーズの後端部と前記保持部材の前端部との間の距離は2mm以下で、その間の部分には被覆部材が充填されていることである。
ビーズの後端部と保持部材の前端部との間に被覆部材が大きく存在すると、ビーズにかかった抵抗をその被覆部材が受けることになり、保持部材で受ける抵抗が小さくなるため、ビーズの保持力を向上させることがほとんどできないが、2mm以下とすることにより、ビーズにかかった抵抗を保持部材で受けて保持することができるので、ビーズの固定強度が向上する。
切断中にビーズに抵抗がかかってもビーズ後側のコイルバネまたは保持部材によりビーズを保持できるので、切断中のビーズのずれを防止でき、しかも接続部はワイヤーロープを編み込んでいるので、引っ張り強度が高く、繰り返しの曲げにも強くなる。また、ワイヤーロープが編み込まれた接続部のワイヤーロープの偏芯も防止できるので、ワイヤーソー全体にわたってビーズとワイヤーロープが偏芯するのを防止できて切断中の振れが大幅に減少する。さらに、コイルバネが設けられたタイプのものでは、コイルバネ後側の被覆部材に第1の凹部を設けることで、切断時にワイヤーロープが第1の凹部で曲がるので、ビーズ端面やコイルバネを設けた部分の曲げ応力が分散されて、ワイヤーロープが破断しにくくなり、コイルバネの外周側の被覆部材に設けられた第2の凹部と相まって切屑の排出性が向上する。
本発明のワイヤーソーの例を図面を元に説明する。図1は本発明のワイヤーソーの一実施の形態を示したものであり、円筒状の台金4の外周に超砥粒層3が形成された多数のビーズ2およびコイルバネ7がワイヤーロープ5に挿通され、ビーズ2は一定の間隔をおいてゴムや樹脂などの被覆部材6のみによりワイヤーロープ5に固定されている。コイルバネ7の長さAは、ビーズ間の距離Bよりも短くなっており、コイルバネ7はビーズ2のすぐ後に設けられていて、コイルバネ7の前端部の一部とビーズ2の後端部の一部とは接しており、切断時にビーズ2に抵抗がかかってもコイルバネ7と被覆部材6の固定強度により保持できるようになっている。また、図4に示すようにコイルバネ7の前端部とビーズ2の後端部とは近接しているが接することなく両者の間には長さCが2mm以下の被覆部材が形成されていても良い。なお、図1に示すように、ビーズ間の距離Bは隣り合うビーズ2がビーズ2の軸方向に最も突出している部分同士の間隔であり、図1に示したワイヤーソーの場合、台金4がビーズ2の軸方向に最も突出しているので、台金4間の長さがビーズ間の距離Bとなる。ビーズ2およびコイルバネ7が被覆部材6と接合され、被覆部材6がワイヤーロープ5と接合されることで、ワイヤーロープ5にビーズ2とコイルバネ7が固定されている。また、図示はしていないが、ワイヤーソー1の端部のワイヤーロープ5aおよび5bは編み込まれて接続されており、その接続部10にも接続部10以外の部分と同様にビーズ2が設けられ、すべてのビーズ間にビーズ間の距離Bよりも短いコイルバネ7が設けられている。
図2は本発明のワイヤーソーの別の実施の形態を示したものである。ビーズ2やコイルバネ7は上記の例と同じであるが、被覆部材6に第1の凹部8が形成されている。この第1の凹部8はワイヤーソー1の走行方向においてコイルバネ7のすぐ後側に形成されており、被覆部材6の成形の際に成形金型に設けられた突起により形成されるものである。被覆部材6の成形時には、この成形金型の突起によりコイルバネ7がビーズ2と突起の間に保持されているので、被覆材料を金型内に注入してもコイルバネ7がずれることはなく、所定の位置に固定される。また、この第1の凹部8はワイヤーソー1の使用時に、ワイヤーソー1が曲がりやすくなる効果があり、ビーズ2やコイルバネ7が設けられている部分の曲がりにくい状態を補完することができる。
図3は本発明のワイヤーソーのさらに別の実施の形態を示したものである。ビーズ2やコイルバネ7、第1の凹部8の構造は上記の例と同じであるが、コイルバネ7の外周側の被覆部材には、ワイヤーソー1の周方向には断続し長さ方向には細長く伸びる第2の凹部9が設けられている。この第2の凹部9も被覆部材6の成形の際に成形金型に設けられた突起により形成される。この突起の大きさを適当な大きさとすることで、被覆部材6の成形時に、コイルバネ7はこの突起により僅かに加圧されて直径が小さくなり、その直径が小さくなったコイルバネ7がワイヤーロープ5を保持する。この状態で被覆部材6が成形されるので、ワイヤーロープ5に対してコイルバネ7やビーズ2が偏芯した状態で固定されるのを防止できる。なお、被覆部材6が成形された後、ワイヤーソー1を成形金型から取り出すと、コイルバネ7は金型の突起の加圧から解放され、コイルバネ7とワイヤーロープ5は接していない状態になる。ワイヤーロープ5が編み込まれた接続部10に被覆部材6を成形する場合に、ワイヤーロープ5に張力をかけた状態で被覆部材6を成形することはできないため、上記の方法が特に有効であり、ワイヤーロープ5に対してコイルバネ7やビーズ2が偏芯した状態で固定されるのを防止できる。また、この第2の凹部9はワイヤーソー1の使用時に、切屑の排出性を向上させる効果があり、被覆部材6の摩耗を抑制することができる。
図5は本発明のワイヤーソーのさらに別の実施の形態を示したものである。ビーズ2や第1の凹部8、第2の凹部9の構造は上記の例と同じであるが、コイルバネ7の代わりに保持部材12が設けられ、保持部材12は機械的にかしめられてワイヤーロープ5に固定されている。また、ビーズ2の台金4の後端部と保持部材12の前端部との間には距離Cの隙間が形成され、この部分には被覆部材6が設けられている。この距離Cは2mm以下となっており、保持部材12の長さDはワイヤーロープ5の直径以下となっている。
ビーズの固定強度を比較するため、本発明の構造のワイヤーソーおよび従来の構造のワイヤーソーの試験サンプルを製作し、ビーズの引き抜き強度試験を行った。本発明のワイヤーソーとして、図3、図4および図5に示す構造のワイヤーソーを製作した。共通の仕様として、ビーズ2の長さは10mm、ビーズ2のピッチPは40mmであり、ビーズ2間の距離Bは30mmである。これに図3に示すように台金4の後端部とコイルバネ7の前端部が接した構造のもので、コイルバネ7の長さAが9mm(ビーズ2間距離Bの30%のもの:以下、本発明1とする)、21mm(ビーズ2間距離Bの70%のもの:以下、本発明2とする)の2種類のワイヤーソーを製作した。また、図4に示すように台金4の後端部とコイルバネ7の前端部の間に被覆部材6が設けられた構造のもので、コイルバネ7の長さAが21mmであり、台金4とコイルバネ7との間に設けられた被覆部材6の長さCが1mmのもの(以下、本発明3とする)、長さCが2mmのもの(以下、本発明4とする)、長さCが3mmのもの(以下、本発明5とする)を製作した。さらに図5に示すようにコイルバネ7は設けずに保持部材12を設けてワイヤーロープ5にかしめて固定し、台金4の後端部と保持部材12の前端部との間に被覆部材6が設けられた構造のもので、保持部材12の長さDが4mmであり、台金4と保持部材12との間に設けられた被覆部材6の長さCが1mmのもの(以下、本発明6とする)を製作した。また比較例として、図6に示すようなコイルバネ7のないワイヤーソー(比較例1)および図7に示すようなビーズ2間の距離B全体にわたりコイルバネ7が設けられたワイヤーソー(比較例2)を製作した。何れのワイヤーソーもビーズの引き抜き強度試験を行うため、ワイヤーソーをエンドレスの状態にはせず、ワイヤーロープの端部は引き抜き試験装置に固定するためにワイヤーロープが露出している構造とした。
これらのワイヤーソーを万能試験機に取り付け、引き抜き強度試験を行った。試験の方法は、万能試験機の2つの固定用チャックのうちの一方にビーズを固定し、もう一方のチャックにワイヤーロープを固定した状態でワイヤーロープを固定したチャックに引っ張り荷重をかけていき、ワイヤーロープがビーズに対して動き始める時点での荷重をビーズの固定強度として測定した。なお、本発明のワイヤーソーは、ワイヤーロープを引っ張る方向においてビーズのすぐ後側にコイルバネや保持部材が存在するように向きを決めて試験を行った。
以上の方法により各ワイヤーソーについて5回ずつ試験を行った結果、従来品の一般的なワイヤーソーである比較例1に対し、本発明1は平均で35%強度が向上し、本発明2は44%強度が向上した。また、本発明3は平均で42%向上し、本発明4は平均で41%向上したが、本発明5は平均で32%強度が向上したにとどまり、台金4とコイルバネ7との間に設けられた被覆部材6の長さがビーズ2の固定強度に少し影響することがわかる。本発明6は、平均で43%向上し、コイルバネ7を入れたものと同じレベルの固定強度を有することがわかる。比較例2も強度は50%向上し、コイルバネ7のないワイヤーソーに比べて強度が向上するのは明らかであったが、接続部でワイヤーロープを編み込めないという問題があり、その結果生じる不具合は下記実施例2に示す通りである。
次にエンドレスのワイヤーソーを製作して、被削材の切断を行い、性能試験を行った。本発明のワイヤーソーとして、図3および図5に示す構造のワイヤーソー3種類を製作した。いずれのワイヤーソーもビーズ2の長さは10mm、ビーズ2のピッチPは40mmであり、ビーズ2間の距離Bは30mmである。これに図3に示す構造でコイルバネ7の長さAが9mm(ビーズ2間距離Bの30%のもの:以下、本発明7とする)および21mm(ビーズ2間距離Bの70%のもの:以下、本発明8とする)のものと、図5に示す構造で保持部材12の長さDが4mm、台金4と保持部材12との間の距離Cが1mmのもの(以下、本発明9)の計3種類のワイヤーソーを製作した。接続部はワイヤーロープ5を編み込んでおり、この部分も他の部分と同様にビーズ2およびコイルバネ7または保持部材12を設けた。また比較例として、図6に示すコイルバネ7のないワイヤーソー(比較例3)および図7に示すビーズ2間の距離B全体にわたりコイルバネ7が設けられたワイヤーソー(比較例4)を製作した。比較例3および4は本発明のワイヤーソーと同様に接続部はワイヤーロープ5を編み込んでいるが、比較例4については、接続部の編み込みを行うために接続部およびビーズ逃がし部についてはコイルバネ7を設けないものとした。
以上の5種類のワイヤーソーを図9に示す切断機に取り付け、切断時にビーズが鉄筋や被削材の角に引っかかってずれが発生しやすい被削材であるヒューム管(遠心力鉄筋コンクリート管)の切断試験を行った。ワイヤーソーの全長は20m、ワイヤーソーの走行速度は30m/s、プーリーの下降速度は15mm/minとし、被削材の種類は遠心力鉄筋コンクリート管のB型で呼び径1800(外径2064mm、内径1800mmの円筒状で切断面一面あたり0.8m)のものを使用し、切断を行った。
以上の条件で切断を行った結果、16m(20面)を切断した時点でのワイヤーソーの状態を観察すると、本発明7、8、9はいずれもビーズのずれは発生せず、切断中の振れも少なかったのに対し、比較例3では16ヶのビーズにずれが発生し、一部でワイヤーロープが露出しており、比較例4では接続部のビーズのうち5ヶがずれており、うち2ヶに割れが生じていた。また比較例3および4は使用初期から切断中に振れが発生し、特に比較例4は局部的に不安定な振れが生じて、ビーズが被削材に対して叩き付けられるような衝撃が生じていた。さらに、比較例3および4は、被覆部材の傷みも酷く、部分的に摩耗が酷い部分が見られた。
以上、実施例において説明したように、本発明のワイヤーソーは接続部を編み込んだワイヤーソーであっても、ビーズのずれが発生しにくく、切断中の振れも生じにくい。そして、切断中にビーズに抵抗がかかってもビーズ後側のコイルバネや保持部材によりビーズを保持できるので、切断中のビーズのずれを防止でき、しかも接続部はワイヤーロープを編み込んでいるので、引っ張り強度が高く、繰り返しの曲げにも強くなる。また、編み込み部分のワイヤーロープの偏芯も防止できるので、ワイヤーソー全体にわたってビーズとワイヤーロープが偏芯するのを防止できて切断中の振れが大幅に減少する。さらに、コイルバネ後側の被覆部材に凹部を設けることで、切断時にワイヤーロープが凹部で曲がるので、ビーズ端面やコイルバネを設けた部分の曲げ応力が分散されて、ワイヤーロープが破断しにくくなり、コイルバネの外周側の被覆部材に設けられた凹部と相まって切屑の排出性が向上する。
本発明のワイヤーソーは、接続部を編み込んだワイヤーソーに利用すれば効果が大きいが、接続部を編み込まず接続用ジョイントなどで接続するタイプのワイヤーソーにも利用することができる。
本発明のワイヤーソーの一実施の形態を示す図である。 本発明のワイヤーソーの別の実施の形態を示す図である。 本発明のワイヤーソーのさらに別の実施の形態を示す図である。 本発明のワイヤーソーのさらに別の実施の形態を示す図である。 本発明のワイヤーソーのさらに別の実施の形態を示す図である。 従来のワイヤーソーの例を示す図である。 従来のワイヤーソーの別の例を示す図である。 移動式の切断装置による切断状況を示す図である。 固定式の切断装置による切断状況を示す図である。 従来のワイヤーソーの接続部の編み込み作業の状況を示す図である。 従来のコイルバネを有するワイヤーソーを編み込もうとした場合の状況を示す図である。
符号の説明
1 ワイヤーソー
2 ビーズ
3 超砥粒層
4 台金
5 ワイヤーロープ
6 被覆部材
7 コイルバネ
8 第1の凹部
9 第2の凹部
10 接続部
11 ビーズ逃がし部
12 保持部材
21 移動式切断装置
22 プーリー
23 固定式切断装置
24 支柱
25 プーリー
26 プーリー
27 モーター
28 被削材載置用台車
29 エアシリンダ
30 被削材

Claims (8)

  1. 円筒状の台金の外周に超砥粒層が設けられた複数のビーズが、ワイヤーロープに挿通され、被覆部材にて前記ワイヤーロープに接合固定されたワイヤーソーであって、
    お互いに隣接するビーズの間のすべての部分にはコイルバネが設けられ、前記ワイヤーソーの両端部は、前記ワイヤーロープを編み込んでエンドレスに接続されるとともに、前記ワイヤーロープを編み込んだ接続部にもビーズが被覆部材にて接合固定され、
    前記接続部を含むワイヤーソー全体または一部分にわたって設けられた前記コイルバネは、前記ビーズ間の距離よりも短い長さのコイルバネであり、前記ビーズの進行方向後側に近接して設けられていることを特徴とするワイヤーソー。
  2. 前記ビーズの後端部の少なくとも一部分と、前記ビーズの後側に設けられた前記コイルバネの前端部の少なくとも一部分とは直接接しているか、あるいは前記ビーズの後端部と前記コイルバネの前端部との間の距離は2mm以下でその間の部分には被覆部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーソー。
  3. 前記コイルバネの長さは、前記ビーズ間の距離の30〜70%であることを特徴とする請求項2に記載のワイヤーソー。
  4. 前記コイルバネの進行方向後側の前記被覆部材には、第1の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤーソー。
  5. 前記コイルバネの外周側の被覆部材には、周方向において断続的に形成された第2の凹部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワイヤーソー。
  6. 前記第2の凹部は、ワイヤーソーの回転方向と略平行に細長く伸びる形状であることを特徴とする請求項5に記載のワイヤーソー。
  7. 円筒状の台金の外周に超砥粒層が設けられた複数のビーズが、ワイヤーロープに挿通され、被覆部材にて前記ワイヤーロープに接合固定されたワイヤーソーであって、
    前記ワイヤーソーの両端部は、前記ワイヤーロープを編み込んでエンドレスに接続されるとともに、前記ワイヤーロープを編み込んだ接続部にもビーズが被覆部材にて接合固定され、
    前記接続部を含むワイヤーソー全体にわたり、ビーズ間には前記ビーズ間の距離よりも短くかつ前記ワイヤーロープの直径以下の長さの保持部材が前記ビーズの進行方向後側に近接して設けられ、前記保持部材は前記ワイヤーロープに対してかしめられて固定されていることを特徴とするワイヤーソー。
  8. 前記ビーズの後端部の少なくとも一部分と、前記ビーズの後側に設けられた前記保持部材の前端部の少なくとも一部分とは直接接しているか、あるいは前記ビーズの後端部と前記保持部材の前端部との間の距離は2mm以下で、その間の部分には被覆部材が充填されていることを特徴とする請求項7に記載のワイヤーソー。
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