本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
(a)互いに対向するように設けられ、現像剤が通過可能な第一開口及び第二開口と、(b1)該第一開口と該第二開口の間に、互いに隣り合うように設けられた第一シャッター及び第二シャッターであって、(b2)前記第一開口を塞ぐ第一閉位置と、前記第一開口を露出させる第一開位置との間を移動可能な第一シャッターと、前記第二開口を塞ぐ第二閉位置と、前記第二開口を露出させる第二開位置との間を移動可能な第二シャッターと、(c)を備えた画像形成装置であって、(d)前記第二シャッターは、前記第一シャッターに係合して該第一シャッターを操作する操作部であって、前記第二閉位置から前記第二開位置へ移動する開移動と、前記第二開位置から前記第二閉位置へ移動する閉移動と、のうちの少なくともいずれか一方の移動において、その移動の途中で、前記第一シャッターへの係合が解除される操作部、を有することを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、第一シャッターと第二シャッターを、部品点数を増やすこと無く簡易な構成にて適切に開閉することが可能となる。
また、かかる画像形成装置であって、潜像を担持するための像担持体と、現像剤を収容するための収容部と、該現像剤にて前記像担持体に担持された潜像を現像剤像として可視化するための現像剤担持体と、を有する像形成ユニットと、該像形成ユニットに対して着脱可能であり、前記収容部に現像剤を供給するための現像剤カートリッジと、を備え、前記第一開口と前記第一シャッターは、それぞれ前記像形成ユニットに設けられており、前記第二開口と前記第二シャッターは、それぞれ前記現像剤カートリッジに設けられていることとしてもよい。
第一開口と第一シャッターが、像形成ユニットに設けられており、第二開口と第二シャッターが、現像剤カートリッジに設けられている場合には、例えば、現像剤カートリッジに収容される現像剤の量が少ないと、該現像剤カートリッジの着脱が頻繁に行われ、二つのシャッターの開閉も頻繁に行われることとなる。かかる場合に、前記操作部を設けた場合には、二つのシャッターを、簡易な構成にて適切に開閉することが可能となる効果が、より有効に奏される。
また、かかる画像形成装置であって、前記操作部は、弾性変形することにより、前記第一シャッターに係合し、かつ、前記第一シャッターへの係合が解除されることとしてもよい。
かかる場合には、簡易な構成にて、操作部の第一シャッターへの係合と、該係合の解除を実現できる。
また、かかる画像形成装置であって、前記第一シャッターの長手方向は、前記第二シャッターの長手方向に沿っており、前記操作部は、前記第二シャッターの長手方向両端側に位置する弾性を有する金属片であり、前記第一シャッターは、その長手方向両端側に前記操作部が係合可能な係合穴部、を有し、前記現像剤カートリッジは、前記第二シャッターが移動する際に、前記操作部を前記第一シャッター側へ突出させるように押す突起、を有し、前記操作部は、前記突起によって押される際には、前記第一シャッター側へ突出して、前記係合穴部に係合可能であり、前記突起によって押されない際には、突出せず、前記係合穴部に係合不可能であることとしてもよい。
操作部が弾性を有する金属片であり、第一シャッターに操作部が係合可能な係合穴部が設けられ、該操作部が、突起に押されることにより、係合穴部に係合する場合には、簡易な構成にて、操作部を第二シャッターに係合させることが可能となる。
また、かかる画像形成装置であって、前記第二シャッターは、前記第二閉位置から前記第二開位置へ移動する際に、前記第一シャッターに接触可能な接触部、を有し、前記第二シャッターが移動する際に、前記接触部が、前記第一シャッターに接触して押すことにより、該第一シャッターが、前記第一閉位置から前記第一開位置へ移動することとしてもよい。
また、かかる画像形成装置であって、前記第二シャッターが前記第二開位置に位置する際には、前記操作部は前記第一シャッターに係合しておらず、前記操作部は、前記第二シャッターの前記第二開位置から前記第二閉位置への移動において、途中の区間のみにて前記第一シャッターに係合して、該第一シャッターを操作し、該第一シャッターは、前記操作部により操作されて、前記第一開位置から前記第一閉位置へ移動することとしてもよい。
また、かかる画像形成装置であって、前記第一シャッターの長手方向は、前記第二シャッターの長手方向に沿っており、前記接触部は、前記第二シャッターの短手方向一端にて、前記第一シャッター側へ延出する延出部、であり、前記第一シャッターは、その長手方向中央部に、前記第二シャッター側に突出した突出部、を有し、前記第二シャッターが移動する際に、前記延出部が、前記突出部の、前記第一シャッターの短手方向一端に接触して押すことにより、該第一シャッターが、前記第一閉位置から前記第一開位置へ移動することとしてもよい。
かかる場合には、接触部が第一シャッターを確実に接触するから、第一シャッターが第一閉位置から第一開位置へ確実に移動できる。
また、かかる画像形成装置であって、前記第二シャッターが前記第二閉位置から前記第二開位置へ移動する際には、前記接触部が前記第一シャッターに接触するのに対し、前記操作部は前記第一シャッターに係合せず、前記第二シャッターが前記第二開位置から前記第二閉位置へ移動する際には、前記操作部は前記第一シャッターに係合するのに対し、前記接触部は前記第一シャッターに接触しないこととしてもよい。
かかる場合には、接触部と操作部が、それぞれ適切に機能を果たすことができる。
===画像形成装置の概要===
次に、図1、図2を用いて、『画像形成装置』としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その構成例及び動作例について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。図2は、プリンタ10の制御ユニット100の構成を示したブロック図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙カセット92は、プリンタ10の下部に配置されており、露光ユニット40は、プリンタ10の上部に配置されている。
<<<プリンタ10の構成例>>>
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、『像形成ユニット』の一例としてのプロセスユニット20、露光ユニット40、『現像剤カートリッジ』の一例としてのトナーカートリッジ60、転写ユニット70、定着ユニット80、ユーザへの報知手段をなす表示ユニット(不図示)、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100(図2)を有している。また、プロセスユニット20は、図1に示すように、ユニットの骨格を成す樹脂製のユニットフレーム21と、トナーカートリッジ60が挿入可能なカートリッジ挿入部22と、『像担持体』の一例としての感光体31と、更に、該感光体31の回転方向に沿って、帯電器32、現像部50、ローラ39を有している。
感光体31は、その外周面に形成された感光層を有し、該感光層の表面に潜像を担持する。この感光体31は、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように反時計回りに回転する。
帯電器32は、感光体31を帯電するためのものである。露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体31上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体31上に照射する。
現像部50は、『現像剤』の一例としてのトナーで感光体31上の潜像を現像する機能を有し、『収容部』の一例としてのトナー収容部51と、『現像剤担持体』の一例としての現像ローラ52と、供給ローラ53と、規制ブレード54と、アジテータ56と、を備えている。
トナー収容部51は、トナーを収容するためのものである。現像ローラ52は、その表面にトナーを担持して回転することにより、当該トナーを感光体31と対向する現像位置に搬送する。現像ローラ52は、感光体31に接触しており、現像位置に搬送されたトナーにて感光体31上に担持された潜像をトナー像として可視化する(すなわち、接触状態で現像する)。供給ローラ53は、現像ローラ52に当接する回転可能な部材であり、トナー収容部51に収容されたトナーを現像ローラ52に供給する機能と、現像後に現像ローラ52に残存するトナーを現像ローラ52から剥ぎ取る機能を有している。規制ブレード54は、現像ローラ52にその軸方向に沿って当接して、現像ローラ52に担持されたトナーの層厚を規制し、また、現像ローラ52に担持されたトナーに電荷を付与する。アジテータ56は、回転することにより、トナーを撹拌する機能と、トナー収容部51内のトナーを供給ローラ53へ送る機能を有している。
トナーカートリッジ60には、トナーが充填されており、トナーカートリッジ60は、カートリッジ挿入部22への挿入後に、プロセスユニット20に装着される。そして、トナーカートリッジ60は、ユニットフレーム21に装着された状態で、充填されたトナーをトナー収容部51に補給する。なお、トナーカートリッジ60の構成については、後述する。
転写ユニット70は、感光体31に形成されたトナー像を媒体に転写するための装置である。ローラ39は、感光体31に当接して、媒体に転写されなかったトナー(トナー像)を、感光体31表面上で均一に分散させるためのものである。
定着ユニット80は、定着ローラ80aと加圧ローラ80bを有し、媒体上に転写されたトナー像を、加熱加圧して媒体に融着させて永久像とするための装置である。
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。また、メインコントローラ101は、インターフェイス112を介してコンピュータと接続され、このコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている
<<<プリンタ10の動作例>>>
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。まず、不図示のコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体31、現像ローラ52等が回転する。
感光体31は、回転しながら、帯電位置において帯電器32により順次帯電される。感光体31の帯電された領域は、感光体31の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。感光体31上に形成された潜像は、感光体31の回転に伴って現像位置に至り、現像ローラ52によってトナーで現像される。これにより、感光体31上にトナー像が形成される。
感光体31上に形成されたトナー像は、感光体31の回転に伴って転写位置に至り、転写ユニット70によって、媒体に転写される。なお、媒体は、給紙カセット92から、給紙ローラ94を介して転写ユニット70へ搬送される。
媒体に転写されたトナー像は、定着ユニット80によって加熱加圧されて媒体に融着される。そして、トナー像が融着された媒体は、それぞれ一対の搬送ローラ95と一対の排紙ローラ96とを介して、排紙トレイ98へ搬送される。
一方、媒体に転写されなかった感光体31上のトナーは、ローラ39によって均一に分散される。そして、均一に分散されたトナーは、現像位置にて現像ローラ52によって剥ぎ取られて、トナー収容部51に回収される。
===トナーカートリッジ60及びその周辺の構成例===
次に、図3〜図11を用いて、トナーカートリッジ60の構成例と、該トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着されているときに該トナーカートリッジ60の周辺に位置するプロセスユニット20の部材の構成例について説明する。
図3は、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際の状態を示した図である。図4は、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着された際の状態を示した図である。図5は、CRGシャッター630が閉位置に位置する際の、トナーカートリッジ60の正面図である。図6は、図5に示すトナーカートリッジ60の背面図である。図7は、図5に示すトナーカートリッジ60からCRGシャッター630を取り除いた状態を示した図である。図8は、CRGシャッター630が開位置に位置する際の、トナーカートリッジ60の正面図である。図9は、図8に示すトナーカートリッジ60の背面図である。図10は、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されていない際の、プロセスユニット20の上面図である。図11は、挿入部シャッター230及びその周辺を示した図である。なお、図3〜図9には矢印にて上下方向が、図5〜図11には矢印にて長手方向が、それぞれ示されている。
<<<トナーカートリッジ60の構成>>>
まず、トナーカートリッジ60の構成について、説明する。
トナーカートリッジ60は、カートリッジ本体(以下、「CRG本体」とも呼ぶ)610と、外カバー620と、『第二シャッター』の一例としてのCRGシャッター630(後述する挿入部シャッター230が、『第一シャッター』の一例である)と、カートリッジシール(以下、「CRGシール」とも呼ぶ)640と、アジテータ650と、を有している。
CRG本体610は、トナーを収容する『収容体』である。このCRG本体610は、図3に示すように、その断面形状が円となっている、円筒状の容器である。CRG本体610は、図7に示すように、その外周面にまっすぐな壁である壁部611を有している。この壁部611は、長手方向の中央側に位置している。
また、壁部611には、CRG本体610内のトナーがCRG本体610外へ向けて通過可能なCRG開口612が設けられている。そして、該CRG開口612が露出している際には、CRG本体610内のトナーが該CRG開口612を通過して、トナーカートリッジ60外へ移動可能となっている。CRG本体610は、CRGシャッター630が移動する際に、該CRGシャッター630を直進移動させるガイドとなるガイド部614を有している。
また、CRG本体610は、その長手方向において壁部611の外側に、CRGシャッター630と接触可能な『突起』の一例としてのリブ616を有している。このリブ616は、その長手方向がCRG本体610の長手方向と略直交するように、設けられている。また、リブ616は、その長手方向の一端側に位置し、CRGシャッター630が移動する際に該CRGシャッター630に接触しない湾曲部616a(図16A参照)と、その長手方向の他端側に位置し、CRGシャッター630が移動する際に該CRGシャッター630に接触する平坦部616b(図16A参照)と、を有している。
また、CRG本体610は、図6に示すように、その背面側で、かつ、長手方向中央側に、突起617を有している。また、CRG本体610は、その下部に、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際に、プリンタ本体に設けられたコネクタ(不図示)と接触可能なCRGコネクタ618、を有している。
外カバー620は、中空の円筒であり、CRG本体610の外周面を覆っている。この外カバー620は、CRG本体610に対して回動移動可能に支持されている。外カバー620は、その周面で、かつ、その長手方向の中央部に、把手部621を有しており、ユーザ等によって、該把手部621が操作されることにより、外カバー620が回転移動する構成となっている。
外カバー620は、図7に示すように、その長手方向の両端部に、一定間隔で設けられた複数の凸623によって構成されているピニオン部622、を有している。また、外カバー620は、その下部に、該外カバー620の回転移動に伴って移動するフック626を有している。
外カバー620は、図6と図9に示すように、把手部621が操作されて該外カバー620が回転移動する際に、CRG本体610の突起617が該外カバー620に対して相対移動できるように、逃げ穴627を有している。また、外カバー620は、その一端側が逃げ穴627の縁部と繋がっており、その他端側が突起617に向かって延出しているレバー628、を有している。
CRGシール640は、図7に示すように、CRG開口612を囲むように壁部611に固定されており、CRG本体610とCRGシャッター630の間からのトナーの漏れを防止するためのものである。このCRGシール640は、中央部に『第二開口』の一例としてのCRGシール開口642(後述する挿入部シール開口272が、『第一開口』の一例である)を有しており、該CRGシール開口642の大きさは、CRG開口612の大きさとほぼ同じである。また、CRGシール640は、弾性を有するスポンジであり、CRG本体610とCRGシャッター630の間に挟まって圧縮されている。
CRGシャッター630は、CRG本体610に対して直進移動可能に支持され、開位置(図8)と閉位置(図5)との間を直進移動することによって開閉する。そして、CRGシャッター630は、閉位置に位置する際にはCRGシール開口642を塞ぎ、開位置に位置する際にはCRGシール開口642を露出させる。
CRGシャッター630は、金属製の薄板であり、その長手方向の両端部がガイド部614に接触しながら、直進移動する構成となっている。
CRGシャッター630は、図5に示すように、その長手方向の中央で、かつ、短手方向の一端側にCRGシャッター開口631を有しており、開位置に位置する際には、図4に示すように該CRGシャッター開口631がCRGシール開口642に対向する位置に位置し、閉位置に位置する際には、図3に示すように該CRGシャッター開口631はCRGシール開口642に対向しない位置に位置する。なお、CRGシャッター開口631の大きさは、CRGシール開口642の大きさよりも大きい。
また、CRGシャッター630は、図5に示すように、一定間隔で設けられた複数の穴633によって構成されているラック部632を有している。このラック部632の穴633に対して、ピニオン部622の凸623が、係合可能な構成となっている。
また、CRGシャッター630は、図5に示すように、閉位置から開位置へ移動(開移動)する際に、後述する挿入部シャッター230に接触可能な接触部634、を有している。この接触部634は、CRGシャッター630の短手方向一端にて、挿入部シャッター230側へ延出する延出部である。
また、CRGシャッター630は、CRGシャッター630の開位置から閉位置への移動(閉移動)において、途中の区間のみにて挿入部シャッター230に係合する係合片636(図5)、を有している。この係合片636は、弾性を有しており、弾性変形することにより、挿入部シャッター230に係合し、かつ、該挿入部シャッター230への係合が解除される。また、係合片636は、CRGシャッター630の長手方向両端側の、リブ616に対向する位置に位置している。
アジテータ650は、図3に示すように、CRG本体610の内部に、中心軸を中心として回転可能に設けられている。そして、アジテータ650は、回転することにより、CRG本体610内のトナーをCRG開口612に向けて搬送する機能、及び、CRG本体610内のトナーを撹拌する機能を有している。なお、アジテータ650は、図3中の矢印で示すように反時計方向に回転し、その中心軸の位置は、上下方向において、CRG開口612の位置とほぼ同じである。
<<<カートリッジ挿入部22の構成>>>
前述したように、プロセスユニット20は、トナーカートリッジ60が挿入されるカートリッジ挿入部22を有している。
このカートリッジ挿入部22は、図10と図11に示すように、ロック用穴210と、ロック解除凸部220と、挿入部シャッター230と、溝240と、貫通穴250と、挿入部開口260(図3)と、挿入部シール270と、を有している。
ロック用穴210は、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、外カバー620のフック626が通り抜け可能であり、かつ、トナーカートリッジ60がプリンタに装着された際には、該フック626が通り抜け不可能な、穴である。
ロック解除凸部220は、外カバー620のCRG本体610に対するロックを解除するためのものであり、ロック解除凸部220が、外カバー620のレバー628に接触して該レバー628を変形させることにより、突起617のレバー628に対する係止が解除される。
溝240は、トナーカートリッジ60をカートリッジ挿入部22に挿入する際のガイドの機能を有している。すなわち、CRGコネクタ618が該溝240に沿って進入することにより、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されることとなる。
貫通穴250は、トナーカートリッジ60のCRGコネクタ618が貫通可能な穴である。そして、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、貫通穴250を貫通したCRGコネクタ618が、プリンタ本体に設けられたコネクタと接触する。
挿入部開口260は、図3や図4に示すように、トナー収容部51とカートリッジ挿入部22を仕切る仕切り壁22aに設けられており、該挿入部開口260が露出している際に、トナーカートリッジ60内のトナーがトナー収容部51に補給される。
挿入部シール270は、挿入部開口260を囲むように仕切り壁22aに固定されており、該仕切り壁22aと挿入部シャッター230の間からのトナーの漏れを防止するためのものである。この挿入部シール270は、図3に示すように、中央部に挿入部シール開口272を有しており、該挿入部シール開口272の大きさは、挿入部開口260の大きさと同じである。また、挿入部シール270は、CRGシール640同様、弾性を有するスポンジであり、仕切り壁22aと挿入部シャッター230の間で圧縮されている。
挿入部シャッター230は、仕切り壁22aに直進移動可能に支持され、『第一開位置』である開位置(図4)と『第一閉位置』である閉位置(図3)との間を直進移動することによって開閉する。そして、挿入部シャッター230は、閉位置に位置する際には挿入部シール270を塞ぎ、開位置に位置する際には挿入部シール270を露出させる。なお、前述のCRGシャッター230の開位置が『第二開位置』に、CRGシャッター230の閉位置が『第二閉位置』に、それぞれ該当する。
挿入部シャッター230は、金属製の薄板であり、その長手方向(該長手方向は、CRGシャッター630の長手方向に沿っている)の両端部が、仕切り壁22aに設けられたガイド部280に接触しながら、直進移動する構成となっている。
また、挿入部シャッター230は、図11に示すように、その長手方向の中央部に、仕切り壁22aから遠ざかる方向に突出した(トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際に、CRGシャッター630側に突出した)突出部231、を有している。そして、この突出部231と仕切り壁22aの間にて、挿入部シール270が圧縮されている。
この突出部231は、挿入部シャッター開口232を有しており、挿入部シャッター230は、開位置に位置する際には、図4に示すように該挿入部シャッター開口232が挿入部シール開口272に対向する位置に位置し、閉位置に位置する際には、図3に示すように該挿入部シャッター開口232が挿入部シール開口272に対向しない位置に位置する。なお、挿入部シャッター開口232の大きさは、挿入部シール開口272の大きさよりも大きい。
また、突出部231には、長手方向にて挿入部シャッター開口232の外側(長手方向両端側)に、CRGシャッター630の係合片636が係合可能な『係合穴部』の一例としての係合穴234、が設けられている。
===トナーカートリッジ着脱の際のトナーカートリッジ及びその周辺の動作例===
次に、図3〜図11、図12A〜図12D、図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、図15B、図16A〜図16C、図17A〜図17Dを用いて、トナーカートリッジ60着脱の際のトナーカートリッジ及びその周辺の動作例について、説明する。
図12A〜図12Dは、外カバー620のCRG本体610に対するロックと、該ロックの解除を説明するための図であり、図12Aは、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されていないときに、突起617がレバー628を係止している状態を示した図である。図12Bは、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際に、突起617のレバー628に対する係止が解除されている状態を示した図である。図12Cは、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着された際に、突起617のレバー628に対する係止が解除されている状態を示した図である。図12Dは、図12B中のA方向から、突起617等を示した図である。
図13A〜図13Dは、CRG本体610のカートリッジ挿入部22に対するロックと、該ロックの解除を説明するための図であり、図13Aは、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際の、フック626とロック用穴210の位置関係を示した図である。図13Bは、図13AのX−X断面図である。図13Cは、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着された際の、フック626とロック用穴210の位置関係を示した図である。図13Dは、図13CのY−Y断面図である。
図14Aは、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際の、CRGシャッター630と挿入部シャッター230の周辺部を示した図である。図14Bは、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着された際の、CRGシャッター630と挿入部シャッター230の周辺部を示した図である。
図15A〜図15Cは、外カバー620を回転移動させる回転力を、CRGシャッター630を直進移動させる直進力に変換するメカニズムを説明するための図であり、図15Aは、CRGシャッター630が閉位置に位置する際の、ラック部632とピニオン部622を示した図である。図15Bは、移動中のCRGシャッター630の接触部634が、挿入部シャッター230に接触した際の、ラック部632とピニオン部622を示した図である。図15Cは、CRGシャッター630が開位置に位置する際の、ラック部632とピニオン部622を示した図である。
図16A〜図16Cは、CRGシャッター630と挿入部シャッター230の開移動を説明するための図であり、図16Aは、CRGシャッター630が閉位置に位置する際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。図16Bは、移動中のCRGシャッター630の接触部634が、挿入部シャッター230に接触した際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。図16Cは、CRGシャッター630が開位置に位置する際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。
図17A〜図17Dは、CRGシャッター630と挿入部シャッター230の閉移動を説明するための図であり、図17Aは、CRGシャッター630が開位置に位置する際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。図17Bは、移動中のCRGシャッター630の係合片636が、挿入部シャッター230に係合した際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。図17Cは、挿入部シャッター230が、係合片636に操作されて、閉位置に至った際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。図17Dは、CRGシャッター630が閉位置に位置する際の、係合片636とリブ616の位置関係を示した図である。
なお、図13Aと図13Cでは、説明の都合上、トナーカートリッジ60のフック626以外の部分が、図示されていない。また、図12A〜図12C、図13B、図13D、図14A、図14B、図15A〜図15C、図16A〜図16C、図17A〜図17Dには、矢印にて上下方向が示され、図12A〜図12D、図13A〜図13Dには、矢印にて長手方向が示されている。
<<トナーカートリッジ装着の際のトナーカートリッジ及び周辺部材の動作例>>
まず、トナーカートリッジ60をプロセスユニット20に装着するときのトナーカートリッジ60及び周辺部材の動作例について説明する。
[1.初期状態について]
ここでは、トナーカートリッジ60及び周辺部材の初期状態、すなわち、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20のカートリッジ挿入部22に挿入される前の、トナーカートリッジ60及び周辺部材の状態、について説明する。
トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されていないときには、図5に示すように、CRGシャッター630が閉位置にて静止しており、CRGシール640のCRGシール開口642(CRG開口612)は塞がれている。
また、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されていないときには、外カバー620のレバー628は、図6に示すように、CRG本体610の突起617に接触しており、該突起617によって係止されている。このため、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されていないときには、外カバー620のCRG本体610に対する回転移動が規制される。
また、ピニオン部622を構成する複数の凸623の一部が、ラック部632を構成する複数の穴633の一部と係合している(図15A参照)。CRGシャッター630の係合片636は、リブ616の湾曲部616aに対向して(ただし、湾曲部616aに接触していない)、平坦部616bに接触しないから、該平坦部616bに押されない(図16A参照)。
カートリッジ挿入部22側に着目すると、図11に示すように、挿入部シャッター230が閉位置にて静止しており、挿入部シール270の挿入部シール開口272(挿入部開口260)は塞がれている。
[2.トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入される迄の動作について]
ここでは、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されるまでの、すなわち、図3に示される状態になるまでの、トナーカートリッジ60等の動作について、説明する。
ユーザ等が、把手部621を持って、トナーカートリッジ60をカートリッジ挿入部22に向けて下ろすと、CRGコネクタ618が溝240に沿って進入して、該トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入される。そして、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、図14Aに示すように、CRGシャッター630と挿入部シャッター230は、対向するように隣り合うこととなる。
また、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、ロック解除凸部220によって、外カバー620のCRG本体610に対するロックが解除される。すなわち、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されていないときには、図12Aに示すように、レバー628が突起617に係止されているが、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、図12Bに示すように、ロック解除凸部220がレバー628に接触して変形させることにより、突起617のレバー628に対する係止が解除される。このため、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、ロック解除凸部220により前記ロックが解除されることにより、外カバー620の、前記回転移動が許容されることとなる。
また、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入される際に、CRGコネクタ618が、貫通穴250を貫通し、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されたときには、CRGコネクタ618が、プリンタ本体に設けられたコネクタと接触する。
また、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入される途中に、フック626が、ロック用穴210を通り抜け、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際には、図13Aに示すように、フック626が、ロック用穴210を通り抜け可能な状態を維持している。
また、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入される際に、CRGシャッター630は閉位置にて静止しており、係合片636は、図16Aに示すように、リブ616(平坦部616b)に押されていないから、挿入部シャッター230側へ突出せず、係合穴234に係合しない。
[3.把手部が操作される際の動作について]
ここでは、閉位置に位置するCRGシャッター630が、開位置に至るまでの、すなわち、図3に示される状態から図4に示される状態になるまでの、トナーカートリッジ60等の動作について、説明する。
ロック解除凸部220による突起617のレバー628に対する係止の解除後に、ユーザ等が、把手部621を所定の方向(図3に示す矢印の方向)に押す(操作する)ことによって、外カバー620が回転移動を開始する。なお、外カバー620の回転移動の際に、図12B〜図12Dに示すように、ロック解除凸部220がレバー628に接触する状態が維持されるから、外カバー620の回転移動中に突起617がレバー628を係止しない。
そして、外カバー620の回転移動の際に、CRGシャッター630が直進移動する。すなわち、ユーザ等が把手部621を押す力が、外カバー620に、該外カバー620を回転移動させる回転力として伝達される。そして、ラック部632とピニオン部622が係合した状態で外カバー620が回転移動することにより、前記回転力が、ピニオン部622とラック部632を介して、CRGシャッター630に、該CRGシャッター630を直進移動させる直進力に変換されて、伝達される。そして、CRGシャッター630は、前記直進力によって、ガイド部614に接触しながら直進移動することとなる。
そして、ユーザ等によって把手部621が図3に示す位置から図4に示す位置まで押される(これに伴い、外カバー620が回転移動する)ことにより、図15A〜図15Cに示すように、CRGシャッター630が、閉位置から開位置まで直進移動(開移動)することとなる。なお、把手部621が図4に示す位置まで押されると、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に装着されることとなる。そして、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に装着された際には、図14Bに示すように、CRGシャッター630が開いた状態となる。
また、CRGシャッター630が直進移動する際に、該CRGシャッター630の接触部634によって、挿入部シャッター230もガイド部280に接触しながら直進移動する。
すなわち、CRGシャッター630が閉位置に位置するときには、図16Aに示すように、接触部634が挿入部シャッター230に接触していないが、CRGシャッター630が閉位置から移動した直後に、図16Bに示すように、接触部634が挿入部シャッター230に接触する。そして、CRGシャッター630がさらに移動する際に、接触部634が、挿入部シャッター230(具体的には、突出部231の、挿入部シャッター230の短手方向一端)に接触して押す(具体的には、押し下げる)ことにより、図16Cに示すように、挿入部シャッター230が、閉位置から開位置へ直進移動(開移動)することとなる。
さらに、挿入部シャッター230は、接触部634に押されて直進移動するから、CRGシャッター630が閉位置に至るタイミングと、挿入部シャッター230が閉位置に至るタイミングは、同じとなる。なお、挿入部シャッター230が閉位置から開位置へ直進移動する際には、図16Bと図16Cに示すように、CRGシャッター630の係合片636は、リブ616の平坦部616bにより押されて弾性変形するが、挿入部シャッター230の係合穴234に係合しない(接触しない)。
また、CRGシャッター630が閉位置から開位置へ移動することにより、図4に示すように、CRGシール開口642が、対向するCRGシャッター開口631を介して露出することとなる。同様に、挿入部シャッター230が閉位置から開位置へ移動することにより、挿入部シール開口272も、対向する挿入部シャッター開口232を介して露出することとなる。さらに、CRGシャッター630と挿入部シャッター230が、それぞれ閉位置に位置する際に、図14Bに示すように、CRGシャッター230に押圧されたCRGシール640と、挿入部シャッター230に押圧された挿入部シール270が、接触する。
また、ユーザ等によって把手部621が図3に示す位置から図4に示す位置まで押される(これに伴い、外カバー620が回転移動する)と、CRG本体610がカートリッジ挿入部22に対しロックされる。
すなわち、把手部621が図3に示す位置に位置する際(別言すれば、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入された際)には、図13Aと図13Bに示すように、外カバー620のフック626が、ロック用穴210を通り抜け可能な状態となっている。そして、把手部621が押されることにより、外カバー620の移動に伴って移動するフック626が、図13Aに示す矢印の方向に移動し、把手部621が図4に示す位置(トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に装着された状態となる位置)に至ると、フック626が、図13Cに示す位置に至る。かかる際には、図13Dに示すように、壁210aが障害物となるから、該フック626が、ロック用穴210を通り抜け不可能な状態となっている。
上述したように、把手部621が操作されて外カバー620等が動作することにより、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着されることとなる。そして、トナーカートリッジ60の装着後に、CRG本体610内のアジテータ650が回転することにより、CRG本体610内のトナーが、CRG開口612と挿入部開口260を介して、トナー収容部51に補給されることとなる。
<<トナーカートリッジ取り外しの際のトナーカートリッジ及び周辺の動作例>>
次に、トナーカートリッジ60をプロセスユニット20から取り外すときのトナーカートリッジ60及び周辺部材の動作例について説明する。
[1.初期状態について]
ここでは、トナーカートリッジ60及び周辺部材の初期状態、すなわち、トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着されているときの、トナーカートリッジ60及び周辺部材の状態、について説明する。
トナーカートリッジ60がプロセスユニット20に装着されているときには、図14Bに示すように、CRGシャッター630と挿入部シャッター230が、それぞれ開位置にて静止して対向している。そして、トナーカートリッジ60のトナーが、互いに対向するCRGシール開口642と挿入部シール開口272を通過して、トナー収容部51に移動可能な状態となっている。また、図15Cに示すように、外カバー620のピニオン部622を構成する複数の凸623の一部が、CRGシャッター630のラック部632を構成する複数の穴633の一部と、係合している。
また、図17Aに示すように、CRGシャッター630の接触部634が、挿入部シャッター230に接触している。また、CRGシャッター630の係合片636は、リブ616の平坦部616bに接触して、該平坦部616bに押されているが、挿入部シャッター230の係合穴234に係合していない(接触していない)。
CRGシール640は、CRGシャッター530と壁部611の間で圧縮されており、そのCRGシール開口642が、露出している。同様に、挿入部シール270は、挿入部シャッター230と仕切り壁22aの間で圧縮されており、挿入部シール開口272が、露出している。また、図14Bに示すように、CRGシャッター630に押圧されたCRGシール640と、挿入部シャッター230に押圧された挿入部シール270が、接触している。
また、外カバー620のフック626は、図13Cに示す位置に位置しており、図13Dに示すように、壁210aが障害物となるから、該フック626は、ロック用穴210を通り抜け不可能な状態となっている。すなわち、CRG本体610は、カートリッジ挿入部22に対しロックされている。
また、図12Cに示すように、ロック解除凸部220がレバー628を変形させているから、突起617は、レバー628を係止しておらず、外カバー620が回転移動可能な状態となっている。また、CRGコネクタ618は、プリンタ本体に設けられたコネクタと接触している。
[2.シャッターが閉動作する際のトナーCRG等の動作について]
ここでは、開位置に位置するCRGシャッター630が、閉位置に至るまでの、すなわち、図4に示される状態から図3に示される状態になるまでの、トナーカートリッジ60等の動作について、説明する。
突起617のレバー628に対する係止が解除されているので、ユーザ等が、把手部621を所定の方向(図4に示す矢印の方向)に押す(操作する)ことによって、外カバー620が回転移動を開始する。なお、外カバー620の回転移動の際に、図12B〜図12Dに示すように、ロック解除凸部220がレバー628に接触する状態が維持されるから、外カバー620の回転移動中に突起617がレバー628を係止しない。
そして、外カバー620の回転移動に伴って、CRGシャッター630が直進移動する。すなわち、ユーザ等が把手部621を押す力が、外カバー620に、該外カバー620を回転移動させる回転力として伝達される。そして、ラック部632とピニオン部622が係合した状態で外カバー620が回転移動することにより、前記回転力が、ピニオン部622とラック部632を介して、CRGシャッター630に、該CRGシャッター630を直進移動させる直進力として伝達される。そして、CRGシャッター630は、前記直進力によって、ガイド部614に接触しながら直進移動することとなる。
そして、ユーザ等によって把手部621が図4に示す位置から図3に示す位置まで押される(これに伴い、外カバー620が回転移動する)ことにより、図15A〜図15Cに示すように、CRGシャッター630が、開位置から閉位置まで直進移動(閉移動)することとなる。なお、把手部621が図3に示す位置まで押されると、CRGシャッター630が閉じた状態となる。
また、CRGシャッター630が直進移動する際に、該CRGシャッター630の係合片636によって、挿入部シャッター230もガイド部280に接触しながら直進移動する。
すなわち、CRGシャッター630が開位置に位置するときには、図17Aに示すように、係合片636は、リブ616の平坦部616bに押されて弾性変形している(挿入部シャッター230側へ突出している)が、係合穴234に係合していない(なお、係合片636は、係合穴234に入り込んでいる)。そして、CRGシャッター630が開位置から移動した直後に、図17Bに示すように、弾性変形して挿入部シャッター230側へ突出している係合片636が、係合穴234に係合する(接触する)。そして、CRGシャッター630がさらに移動する際に、係合片636がCRGシャッター630を押す(具体的には、押し上げる)ことにより、挿入部シャッター230を、開位置から図17Cに示す閉位置へ移動させる。このように、係合片636は、挿入部シャッター230に係合して、該挿入部シャッター230を開位置から閉位置へ移動(閉移動)するように操作する『操作部』としての機能を有する。
CRGシャッター630は、挿入部シャッター230が閉位置に至った際に、閉位置に至っておらず、挿入部シャッター230が閉位置に至った後も、さらに直進移動が可能である。そして、CRGシャッター630は、さらに直進移動することにより、図17Dに示す閉位置へ至る。かかる移動の際には、係合片636は、平坦部616bに接触せず(湾曲部616aに対向する)、該平坦部616bに押されないから、係合穴234に入り込まない(このため、係合穴234に係合しない)。このように、係合片636の、挿入部シャッター230への係合は、CRGシャッター630の開位置から閉位置への移動(閉移動)の途中で、解除される。
なお、CRGシャッター630が開位置から閉位置へ直進移動する際には、図17Bと図17Cに示すように、該CRGシャッター630の接触部634は、挿入部シャッター230に接触しない。
また、CRGシャッター630が開位置から閉位置へ移動することにより、CRGシール開口642(CRG開口612)が、該CRGシャッター630によって塞がれることとなる(図14A)。同様に、挿入部シャッター230が開位置から閉位置へ移動することにより、挿入部シール開口272(挿入部開口260)も、該挿入部シャッター230によって塞がれることとなる。
また、ユーザ等によって把手部621が図4に示す位置から図3に示す位置まで押される(これに伴い、外カバー620が回転移動する)と、CRG本体610のカートリッジ挿入部22に対するロックが、解除される。
すなわち、把手部621が図4に示す位置に位置する際には、図13Cと図13Dに示すように、外カバー620のフック626が、ロック用穴210を通り抜け不可能な状態となっている。そして、把手部621が押されることにより、外カバー620の移動に伴って移動するフック626が、図13Cに示す矢印の方向に移動し、把手部621が図3に示す位置に至ると、フック626が、図13Aに示す位置に至る。かかる際には、図13Bに示すように、該フック626が、ロック用穴210を通り抜け可能な状態となっている。
[3.トナーCRGを取り外す際のトナーCRG等の動作について]
ここでは、CRGシャッター630が閉位置にて静止しているトナーカートリッジ60を、カートリッジ挿入部22から取り外すときの、トナーカートリッジ60等の動作について、説明する。
ユーザ等が、把手部621を持って、カートリッジ挿入部22に挿入されたトナーカートリッジ60を上方へ持ち上げると、該トナーカートリッジ60がプロセスユニット20から取り外される。すなわち、トナーカートリッジ60を上方へ持ち上げる際に、フック626が図13Aと図13Bに示す位置に位置するから、フック626がロック用穴210を通り抜けられ、トナーカートリッジ60はプロセスユニット20から取り外されることとなる。
また、トナーカートリッジ60が取り外される際に、外カバー620がCRG本体610に対して回転移動できないようにロックされる。すなわち、トナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22に挿入されているときには、図12Bに示すように、ロック解除凸部220がレバー628に接触して変形させることにより、突起617が該レバー628を係止しないが、トナーカートリッジ60が取り外される際には、図12Aに示すように、該ロック解除凸部220がレバー628に接触しないから、突起617がレバー628を係止することとなる。このため、トナーカートリッジ60が取り外される際には、該突起617とレバー628によって、外カバー620がCRG本体610に対して回転移動できないようにロックされることとなる。
===本実施の形態に係るプリンタ10の有効性について===
上述したように、本実施の形態に係る『画像形成装置』(プリンタ10)の『第二シャッター』(CRGシャッター630)は、『第一シャッター』(挿入部シャッター230)に係合して該挿入部シャッター230を操作する『操作部』(係合片636)であって、図17A〜図17Dに示すように、『第二開口』(CRGシール開口642)を露出させる『第二開位置』(CRGシャッター630の開位置)からCRGシール開口642を塞ぐ『第二閉位置』(CRGシャッター630の閉位置)へ移動する閉移動の途中で、挿入部シャッター230への係合が解除される係合片636、を有している。これにより、挿入部シャッター230とCRGシャッター630を、簡易な構成にて適切に開閉することが可能となる。以下において、詳細に説明する。
「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、挿入部シャッター230とCRGシャッター630を開閉させる構成として、二通りの構成、すなわち、挿入部シャッター230とCRGシャッター630が、それぞれ独立に移動して開閉する構成と、二つのシャッターのうちの一方のシャッターが、他方のシャッターの移動に伴って移動して開閉する構成と、が提案されている。
しかし、上記の二つの構成のうちの前者の構成では、部品点数の増加を招きやすい。一方で、後者の構成では、挿入部シャッター230とCRGシャッター630の移動が制約されやすい。例えば、二つのシャッターのうちの一方のシャッターが、他方のシャッターを押して開位置から閉位置へ移動する場合には、前記他方のシャッターは、前記一方のシャッターに押されて開位置から閉位置へ移動するため、二つのシャッターが、同じタイミングで停止してしまい、挿入部シャッター230とCRGシャッター630の移動が制約されることとなる。
これに対して、本実施形態においては、図17A〜図17Dに示すように、CRGシャッター630の係合片636が、前記第二開位置から前記第二閉位置へ移動する閉移動の途中で、それまで係合していた挿入部シャッター230(具体的には、係合穴234)への係合が解除される。
かかる場合には、係合片636の、挿入部シャッター230への係合が、CRGシャッター630の閉移動の途中で解除される(係合が解除される直前に、挿入部シャッター230は、閉位置に至る)から、挿入部シャッター230が閉位置に至った後に、CRGシャッター630がさらに移動できる(すなわち、挿入部シャッター230とCRGシャッター630の停止タイミングが異なる)。このため、挿入部シャッター230とCRGシャッター630を、部品点数を増やすこと無く簡易な構成にて、それぞれ適した閉位置まで移動させて開くことが可能となる。
また、係合片636が、トナーカートリッジ60のCRGシャッター630に設けられている本実施形態の場合に、挿入部シャッター230が閉位置に至るタイミングとCRGシャッター630が閉位置に至るタイミングが異なることは、特に実益がある。すなわち、図17Cに示すように挿入部シャッター230が閉位置に位置する際には、係合片636が、係合穴234に入り込んで該係合穴234に係合しているが、図17Dに示すようにCRGシャッター630が閉位置に位置する際には、係合片636が、係合穴234に入り込んでいない。このため、CRGシャッター630が閉位置に位置した状態でトナーカートリッジ60がカートリッジ挿入部22から取り外される際に、該係合片636が係合穴234に引っ掛からないから、トナーカートリッジ60の取り外しを適切に行うことが可能となる。
なお、上記実施形態においては、操作部が、CRGシャッター630の前記閉移動の途中で、それまで係合していた挿入部シャッター230への係合が解除されることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、操作部が、CRGシャッター630の第二閉位置から第二開位置へ移動する開移動の途中で、それまで係合していた挿入部シャッター230への係合が解除されることとしてもよい。かかる場合には、挿入部シャッター230とCRGシャッター630を、簡易な構成にて、それぞれ適した開位置まで移動させて開くことが可能となる。
また、操作部は、CRGシャッター630の前記開移動と前記閉移動において、各々の移動の途中で、挿入部シャッター230への係合が解除されることとしてもよい。かかる場合には、挿入部シャッター230とCRGシャッター630を、簡易な構成にて、それぞれ適した開位置及び閉位置まで移動させて開閉することが可能となる。このように、操作部が、CRGシャッター630の前記開移動と前記閉移動とのうちの少なくともいずれか一方の移動において、その移動の途中で、挿入部シャッター230への係合が解除される場合には、挿入部シャッター230とCRGシャッター630を、簡易な構成にて適切に開閉することが可能となる。
===その他の実施形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
また、上記実施の形態において、画像形成装置として、一つの感光体31と一つの現像部50を有するモノクロプリンタを例にとって説明したが、これに限定されるものではない。例えば、色毎に、独立の感光体31と現像部50を有する(いわゆるタンデム方式)カラープリンタにも、本発明を適用することができる。かかる場合には、トナーカートリッジ60も色毎に存在し、各トナーカートリッジ60は、それぞれ所定のカートリッジ挿入部にて着脱され、該トナーカートリッジ60内のトナーが、各々対応する現像部に補給されることとなる。
また、上記実施の形態において、トナーカートリッジ60は、プリンタ本体に取り付けられたプロセスユニット20に対して着脱されることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、プロセスユニット20がプリンタ本体に対して着脱可能なカートリッジであり、トナーカートリッジ60が、プリンタ本体から取り外されたプロセスユニット20に対して着脱されることとしてもよい。かかる場合には、トナーカートリッジ60が装着された状態のプロセスユニット20が、プリンタ本体に対して着脱されることとなる。
さらに、上記実施の形態において、図3に示すように、プリンタ10は、潜像を担持するための『像担持体』(感光体31)と、『現像剤』(トナー)を収容するための『収容部』(トナー収容部51)と、該トナーにて感光体31に担持された潜像を『現像剤像』(トナー像)として可視化するための『現像剤担持体』(現像ローラ52)と、を有する『像形成ユニット』(プロセスユニット20)と、該プロセスユニット20に対して着脱可能であり、トナー収容部51にトナーを供給するための『現像剤カートリッジ』(トナーカートリッジ60)と、を備えていることとした。そして、第一開口(挿入部シール開口272)と第一シャッター(挿入部シャッター230)は、それぞれプロセスユニット20に設けられており、第二開口(CRGシール開口642)と第二シャッター(CRGシャッター630)は、それぞれトナーカートリッジ60に設けられていることとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、第一開口、第一シャッター、第二開口、第二シャッターは、それぞれ、トナーカートリッジ60とプロセスユニット20以外のユニットに設けられていることとしてもよい。
ただし、第一開口と第一シャッターがプロセスユニット20に、第二開口と第二シャッターがトナーカートリッジ60に設けられている場合には、例えば、トナーカートリッジ60に収容されるトナーの量が少ないと、該トナーカートリッジ60の着脱が頻繁に行われ、二つのシャッターの開閉も頻繁に行われることとなる。かかる場合に、本実施形態に係る係合片636を設けた場合には、二つのシャッターを、簡易な構成にて適切に開閉することが可能となる効果が、より有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図17A〜図17Dに示すように、係合片636は、弾性変形することにより、挿入部シャッター230に係合し、かつ、挿入部シャッター230への係合が解除されることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、操作部は、弾性変形せずに移動することにより、挿入部シャッター230に係合し、かつ、挿入部シャッター230への係合が解除されることとしてもよい。
ただし、係合片636が、弾性変形することにより、挿入部シャッター230に係合し、かつ、挿入部シャッター230への係合が解除される場合には、簡易な構成にて、係合片636の挿入部シャッター230への係合と、該係合の解除を実現できる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、挿入部シャッター230の長手方向は、CRGシャッター630の長手方向に沿っており、係合片636は、図5に示すように、CRGシャッター630の長手方向両端側に位置する弾性を有する金属片であることとした。また、挿入部シャッター230は、図11に示すように、その長手方向両端側に係合片636が係合可能な『係合穴部』(係合穴234)、を有し、トナーカートリッジ60は、図7に示すように、CRGシャッター630が移動する際に、係合片636を挿入部シャッター230側へ突出させるように押す『突起』(リブ616)、を有することとした。そして、図17A〜図17Dに示すように、係合片636は、リブ616(具体的には、平坦部616b)によって押される際には、挿入部シャッター230側へ突出して、係合穴234に係合可能であり、リブ616によって押されない際には、突出せず、係合穴234に係合不可能であることとした。しかし、上記に限定されるものではなく、係合片636を弾性変形させて挿入部シャッター230に係合することを、他の構成で実現してもよい。
ただし、係合片636が弾性を有する金属片であり、挿入部シャッター230に係合片636が係合可能な係合穴234が設けられ、該係合片636が、リブ616(具体的には、平坦部616b)に押されることにより、係合穴234に係合する場合には、簡易な構成にて、係合片636を挿入部シャッター230に係合させることが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、CRGシャッター630は、図16A〜図16Cに示すように、閉位置から開位置へ移動する際に、挿入部シャッター230に接触可能な接触部634、を有することとした。そして、CRGシャッター630が移動する際に、接触部634が、挿入部シャッター230に接触して押すことにより、該挿入部シャッター230が、閉位置から開位置へ移動することとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、接触部は、挿入部シャッター230を、開位置から閉位置へ移動させることとしてもよい。
さらに、上記実施の形態において、図17Aに示すように、CRGシャッター630が開位置に位置する際には、係合片636は挿入部シャッター230に係合していないこととした。そして、図17Bと図17Cに示すように、係合片636は、CRGシャッター630の開位置から閉位置への移動において、途中の区間のみにて挿入部シャッター230に係合して、該挿入部シャッター230を操作し、該挿入部シャッター230は、係合片636により操作されて、開位置から閉位置へ移動することとした。しかし、上記に限定されるものではない。
例えば、CRGシャッター630が開位置に位置する際に、係合片636が挿入部シャッター230に係合し、該係合片636は、CRGシャッター630の閉移動の途中まで、係合状態を維持して、挿入部シャッター230を開位置から閉位置へ移動させることとしてもよい。
さらに、上記実施の形態において、接触部634は、図5に示すように、CRGシャッター630の短手方向一端にて、挿入部シャッター230側へ延出する延出部、であり、挿入部シャッター230は、図11に示すように、その長手方向中央部に、CRGシャッター630側に突出した突出部231、を有することとした。そして、CRGシャッター630が移動する際に、図16A〜図16Cに示すように、前記延出部(接触部634)が、突出部231の、挿入部シャッター230の短手方向一端に接触して押すことにより、該挿入部シャッター230が、閉位置から開位置へ移動することとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、挿入部シャッター230は、突出部231を有しない平板であることとしてもよい。
ただし、挿入部シャッター230が突出部231を有し、CRGシャッター630が移動する際に、前記延出部(接触部634)が、突出部231に接触して押すことにより、挿入部シャッター230を移動させる場合には、接触部634が挿入部シャッター230に確実に接触するから、挿入部シャッター230が閉位置から開位置へ確実に移動できる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、CRGシャッター630が閉位置から開位置へ移動(開移動)する際には、図16A〜図16Cに示すように、接触部634が挿入部シャッター230に接触するのに対し、係合片636は挿入部シャッター230に係合せず、CRGシャッター630が開位置から閉位置へ移動(閉移動)する際には、図17A〜図17Dに示すように、係合片636は挿入部シャッター230に係合するのに対し、接触部634は挿入部シャッター230に接触しないこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、CRGシャッター630の前記開移動と前記閉移動の際に、接触部634が挿入部シャッター230に接触し、かつ、係合片636が挿入部シャッター230に係合することとしてもよい。
接触部634によって挿入部シャッター230が閉位置から開位置へ移動(開移動)する際に、係合片636が、該開移動の邪魔をするように挿入部シャッター230に係合すると、接触部634の挿入部シャッター230への接触が不十分となり、該接触部634の挿入部シャッター230を開移動させる機能が損なわれる恐れがある。同様に、係合片636によって挿入部シャッター230が開位置から閉位置へ移動(閉移動)する際に、接触部634が、該閉移動を邪魔するように挿入部シャッター230に接触すると、係合片636の挿入部シャッター230への係合が不十分となり、該係合片636の挿入部シャッター230を閉移動させる機能が損なわれる恐れがある。これに対して、上記実施の形態のように、前記開移動の際には係合片636が挿入部シャッター230に係合せず、かつ、前記閉移動の際には接触部634が挿入部シャッター230に接触しない場合には、接触部634と係合片636が、それぞれ適切に機能を果たすことが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。