JP4385483B2 - 排水の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性汚泥を含む曝気処理液中に濾過膜を浸漬し、該濾過膜により膜濾過を行って濾過水を得る膜浸漬型固液分離装置を用いた排水の処理方法に係り、特に、膜浸漬槽に浸漬された濾過膜の薬品洗浄後の膜濾過運転再開時に発生するトラブルを解決し、効果的な処理を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機性排水を活性汚泥の存在下、曝気槽内で曝気処理して得られる、高濃度に活性汚泥を含む曝気処理液を直接濾過する方法として、水槽内に濾過膜を浸漬し、外圧式で濾過を行うことが有効であることが知られている。これは、この方式によれば、槽内の被濾過液の流路を広く取ることができるため、被濾過液が濃縮されてゲル状又はケーク状となって、被濾過液流路や膜面を閉塞する問題を軽減できるためである。
【0003】
図3(a)は、従来の膜浸漬型固液分離装置を示す断面図であり、図3(b)は同膜浸漬槽の平面図である。
【0004】
図3において、1は膜浸漬槽であり、両側に上下を開口する仕切り板2A,2Bを備えた膜モジュール3A,3Bが、中央に浸漬されている。この仕切り板2A,2Bは、膜モジュール3Bの下部に設けた散気管4により、ブロワBでその内部のみを曝気し、その曝気による上昇流を促進させるためのものである。
【0005】
5は、オーバーフロー口であり、余剰の濃縮された被濾過液をオーバーフローさせるためのものである。
【0006】
原水はポンプP1を備える配管11より膜浸漬槽1に供給され、膜濾過水(透過水)は処理水として配管12より取り出される。この配管12は、自吸式ポンプP2を備え、ポンプP2の吸引側には濾過圧力測定用の圧力計PIが、また、吐出側には流量計FIが設けられている。
【0007】
LSは液位検知計(レベルスイッチ)であり、3段階の液位L−1,L−2,L−3を検知する。液位L−1は槽内液の抜き出し時に、液位L−2は薬液の注入時に、液位L−3はポンプP2の異常停止条件にそれぞれ使用される。
【0008】
13は槽内液の抜き出し用配管であり、レベルスイッチLSと連動するポンプP3を備える。14は薬液供給用の配管であり、ポンプP4を備える。なお、ポンプP3とP4を共用し、バルブの切り換えで槽内液の抜き出しと、薬液の供給の流路切り換えを行うこともできる。
【0009】
このような膜浸漬型固液分離装置では、膜モジュール3A,3Bの濾過膜として、通常、MF(精密濾過)膜又はUF(限外濾過)膜が用いられ、特に、MF膜の外圧型中空糸膜又は平膜が好適に用いられる。
【0010】
膜濾過工程においては、膜浸漬槽1内の被濾過液は曝気又は攪拌手段により攪拌することで、膜面への被濾過物質(SS)の濃縮を抑制し、膜の閉塞を軽減する。この場合、図3の如く、膜モジュール3A,3Bの側面付近に上下を開口した仕切り板2A,2Bを設け、仕切り板2A,2B内部の膜モジュール3A,3Bの下部のみ曝気することで、仕切り板2A,2B内にエアリフトによる上昇流を生じさせる方式が多く採用されている。
【0011】
このような形式で膜濾過を行う場合、被濾過液のいわゆるクロスフロー流束を高く取れないことから、膜の目詰まりを防止するために、膜フラックスは1m3/m2/day以下に設定される。また、被濾過液流路の閉塞を防止するため、膜と膜との間隔は比較的広く取る必要がある。従って、この結果、膜モジュールは比較的大きな占有面積が必要となり、膜浸漬槽も比較的大容量となる。例えば、処理水100m3/dayを得るためには、通常、膜浸漬槽1の容積は10〜50m3(例えば、図3の如く、3000mm×3800mm×4000mm)程度必要とされる。
【0012】
ところで、このような膜浸漬型固液分離装置では、濾過膜の表面に付着したSS等を除去するための膜洗浄を行う必要があるが、上述の如く、膜モジュール3A,3Bが大きく、膜浸漬槽1が大容量となることから、膜の薬品洗浄には、ポンプP1を停止して原水の流入を停止し、膜浸漬槽1内の被濾過液を配管13より槽外に抜き出した後、洗浄薬液を配管14より膜浸漬槽1内に導入することで、膜を膜浸漬槽1内に設置したまま薬品洗浄する方式が提案されている(例えば特開平10−309595号公報)。この場合、膜浸漬槽1内の被濾過液は、廃液として処理したり、別の水槽に退避させておいたりする。特に、活性汚泥に適用する場合には、前段の生物処理槽のフリーボードを高く取り、その生物処理槽に返送する方法が多く採用されている。
【0013】
この薬品洗浄中は、通常の膜濾過工程時と同様に曝気又は攪拌手段を用いて膜面を攪拌し、膜面の汚染物質を剥離させることが有効である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の薬品洗浄方法を実施したところ、実用上次のような問題があることが判明した。
【0015】
薬品洗浄終了後、膜浸漬槽から洗浄薬液を抜き出したところ、膜浸漬槽内に洗浄薬液が5%程度残留した。この残留物を除去せずに原水を投入し、濾過を再開したところ、次のような問題が生じた。
(1) 薬液と原水が混合することで、アルカリ性の薬液を使った場合は被濾過液がアルカリ性になり、膜を透過して得られる処理水もアルカリとなった。また酸性の薬液を使った場合は被濾過液が酸性となり、処理水も酸性となった。このため、処理水の次のプロセスへの送水又は放流を中断し、膜浸漬槽内の液を中和する必要が生じた。このため、運転員の負担が増大し、特に酸又はアルカリによる危険性を伴う中和作業が必要となった。なお、中性の薬液(界面活性剤等)であれば、このような問題は生じないが、中性の薬液では洗浄効果が低く、実用的でない。
(2) 特に、アルカリ性の薬液を用い、被濾過液がアルカリ性となった場合には、被濾過液が激しく発泡し、膜浸漬槽から泡が溢れかけ、多量の消泡剤の添加が必要となった。また、処理水が着色し、CODMnも数10mg/L上昇し、後段のプロセスや、放流水質規制によっては、放流不可能となる水質(CODMn>50mg/L)となった。
【0016】
本発明は上記従来の問題点を解決し、曝気処理液を膜浸漬型固液分離装置で固液分離する排水の処理方法において、膜浸漬槽に浸漬された濾過膜の薬品洗浄後の膜濾過運転再開時に発生するトラブルを解決し、効果的な処理を行う方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排水を活性汚泥の存在下に曝気槽内で曝気する曝気工程と、該曝気工程の流出液を、底部に液溜り部と該液溜り部に液位検知計を備えた膜浸漬槽に供給し、該膜浸漬槽内に設けられた濾過膜を透過する透過水を処理水として取り出し、濃縮水を前記曝気槽に返送する膜濾過工程と、該膜濾過工程終了後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を停止する給液停止工程と、該給液停止工程終了後、該膜浸漬槽内の液を槽外へ移送する移送工程と、該移送工程終了後、該膜浸漬槽に洗浄薬液を供給して該膜浸漬槽内の濾過膜を薬品洗浄する薬品洗浄工程とを有する排水の処理方法である。
【0018】
請求項1の方法では、このような排水の処理方法において、該薬液洗浄工程終了後、該膜浸漬槽内の洗浄薬液を抜き出し、その後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を再開すると共に、該膜浸漬槽内の液を前記曝気槽に返送しながら該膜浸漬槽内を所定時間曝気した後、前記膜濾過工程を再開することを特徴とする。
【0019】
請求項2の方法では、このような排水の処理方法において、該薬液洗浄工程終了後、該膜浸漬槽内の洗浄薬液を抜き出し、その後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を再開すると共に、該膜浸漬槽内の液を前記曝気槽に返送し、該膜浸漬槽内の液が所定の水質になった後に、前記膜濾過工程を再開することを特徴とする。
【0020】
本発明者は、薬品洗浄後の膜濾過工程再開時に発生する前述のトラブルを解決すべく検討を重ねた結果、これらのトラブルは、薬品洗浄後の膜濾過工程の再開時において、膜浸漬槽内に残留する薬液を減らし、膜濾過工程再開時の膜浸漬槽内の水質を良好なものとすることで解決できることが判明した。
【0021】
即ち、前述の薬品洗浄後の被濾過液の酸性化又はアルカリ化は、膜浸漬槽内に残留している薬液の酸成分又はアルカリ成分が膜浸漬槽に投入した曝気槽流出液(曝気処理液)の干渉能を上回る場合に生ずる。従って、膜浸漬槽内に残留する薬液を減少させることにより、このpHの変動を抑制することができる。
【0022】
また、被濾過液がアルカリ性となった場合の発泡、着色等の水質低下の問題は、被濾過液中の微生物がアルカリにより死滅し、これが着色成分やCOD成分になっており、またその際菌体から放出される発泡性の物質により、被濾過液が発泡していると考えられる。従って、この問題も膜浸漬槽内に残留する薬液量を低減し、pH変動を抑制することで、軽減ないし解決することが可能である。
【0023】
以上より、本発明では、薬品洗浄後の膜濾過工程再開に先立ち、曝気処理液を膜浸漬槽に供給すると共に、膜浸漬槽内の液を曝気槽に返送し、膜浸漬槽内に残留する薬液を曝気処理液で希釈して洗い出す拡散効果でpHの正常化、色度、CODの低減を図る。
【0024】
請求項1の方法では、このように液の循環を行うと共に、膜浸漬槽内を曝気する。
【0025】
このように膜浸漬槽内を曝気することで、着色成分やCOD成分の一部を再び生物的に分解することができる。また、洗浄薬液がアルカリであり、槽内液がアルカリ性になった場合には、曝気により大気中の二酸化炭素が溶解し、アルカリを中和する効果がある。
【0026】
また、曝気槽と膜浸漬槽との間で液の循環を行っているため、拡散効果でpHの正常化、色度、CODの低減を図ることができるが、請求項2の方法では、このような循環を膜浸漬槽内の液が所定の水質に達するまで行うことで、膜濾過工程再開時のトラブルを防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
図1,2は本発明の実施に好適な膜浸漬型固液分離装置の実施の形態を示す図であって、各々(a)図は断面図、(b)図は同膜浸漬槽の平面図である。なお、図1,2において、図3に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0029】
図1に示す膜浸漬型固液分離装置は、膜浸漬槽1Aの底面の一隅部に液溜まり部6としての凹部を設け、槽内液の抜き出し用の吸引ポンプP3を備える配管13の先端開口をこの液溜まり部6の底面近傍に位置させると共に、この液溜まり部6にエアパージ式の液位検知計(レベルスイッチ)LSを設け、更にリンス液の供給配管15を設けた点が図3に示す従来の膜浸漬型固液分離装置と異なり、その他は同様の構成とされている。
【0030】
なお、本発明においては、曝気槽からの曝気処理液をこのような膜浸漬型固液分離装置に供給して膜濾過処理するものであるが、以下においては、曝気処理液を「原水」と称す場合がある。
【0031】
液溜まり部6内に設ける槽内液の引き抜き手段は、図1に示す如く、吸引ポンプP3を備える配管13の他、水中ポンプ等の従来公知のいずれの手段でも良いが、膜の洗浄薬品に耐性を有することが必要である。
【0032】
また、液溜まり部6に設ける液位検知センサは、従来公知のいずれの型式のものでも良いが、スカムや泡の影響を受けないものが好ましい。また、液溜まり部6は膜浸漬槽1Aの底部にあり、ヘドロが堆積しがちなため、特に、常時空気を送給し、この空気の押し込み圧により液位を検知するエアパージ式や、圧力検知式のレベルスイッチが好ましい。その他、フリクト式のレベルスイッチも好適に使用することができる。
【0033】
液溜まり部6は、このような液の引抜き手段と、液位検知センサの動作を妨げないものであれば良く、その形状は問わないが、過度に大きいと液溜まり部内に残留した液が障害を起こすため、通常は250〜500mm角程度の大きさとするのが好ましい。また、液溜まり部6を設置する位置は、液が滞留せずに流れている部分が好ましい。具体的には、曝気管5の底面投影位置から2000mm以内、特に1000mm以内とするのが望ましい。
【0034】
また、図1に示す如く、旋回流上昇部と下降部を仕切る仕切り板2A,2Bを設けた場合は、この仕切り板2A,2Bの底面投影位置から1500mm以内、特に600mm以内とするのが好ましい。
【0035】
また、膜浸漬槽1Aの底面は完全に平坦であると、液が残留しやすくなるため、液溜まり部6に向かって傾斜を付けることが好ましい。この傾斜の勾配は3〜100パーミルとするのが好適であり、特に5〜20パーミルとするのが良い。
【0036】
また、薬品洗浄に際しては、膜浸漬槽1A内に残留する被濾過液やヘドロをできるだけ減少させるために、液位検知センサは膜浸漬槽1A内のなるべく下方に設けるのが好ましく、また液位検知センサは槽内液の引き抜き手段と連動させるのが好ましい。
【0037】
リンス液としては、通常、上水、中水、工水、処理水等の清澄な水を用いる。SSが500mg/L以下であれば原水でも代用が可能であるが、極力清澄な水が好ましい。
【0038】
従って、リンス液供給手段には、上水、工水等をバルブを介して配管しても良いし、必要に応じてポンプで昇圧した処理水を必要に応じてバルブを介して供給するようにしても良い。リンス液は液位検知センサと連動し、リンス液位までリンス液を供給すると自動的に停止するものが好ましい。この場合、リンス液供給手段のバルブは自動弁を用いるのが好ましい。なお、リンス液供給手段は、薬液供給手段の配管14やポンプP4とバルブを介して共用することもできる。また、リンス液として原水を用いる場合には、原水供給手段を用いることができ、この場合には別途リンス液供給手段を設けることが不要となる。
【0039】
リンス液の供給手段は膜浸漬槽1Aの容量の20%以上の水量を1時間以内に供給できるものが良く、望ましくは20分以内に供給できるものがよい。また、リンス液の供給量は、膜浸漬槽1A内に残留している液量の3倍以上、特に7倍以上が好ましい。液位としては、50〜7000mm程度が好ましい。ただし、過剰に投入すると、リンス液のコストが高騰したり、廃液が増えたり、膜の洗浄工程に要する時間が長くなったりするため、多くとも膜浸漬槽の容量の半量以下とするのが好ましい。膜浸漬槽内に投入した後に抜き出したリンス液は、廃液として処理したり、原水槽に戻したり、前段に活性汚泥処理槽がある場合には活性汚泥処理槽に投入したりするのが良い。リンス液が薬液と混合されて希薄な薬液となっているものは、この薬液の中和操作を行える工程に投入するか、膜浸漬槽内で予め中和してから排出するのが良い。膜浸漬槽内で予め中和する場合は、水位が低くなっているため、槽内液をポンプ循環しながら循環ラインに中和薬剤を投入するのが好ましい。この時に、中和を検知する計器(pH計、ORP計など)も循環ライン中に設けておくのが好適である。循環に用いるポンプは、槽内液の抜き出しに用いるポンプと共有するのが好適である。
【0040】
図1に示す膜浸漬型固液分離装置において、原水の膜濾過は、ブロワBによる曝気下、ポンプP1を作動させて配管11より原水を膜浸漬槽1Aに供給すると共に、ポンプP2により膜濾過水を処理水として配管12を経て抜き出し、濃縮水をオーバーフロー口5から前段の曝気槽に返送することにより行われる。この膜濾過工程後の薬品洗浄は、好ましくは次のような手順で実施できる。
【0041】
(1) ブロワBを停止して曝気を止めると共に、ポンプP1及びポンプP2を停止して原水の供給と処理水の取り出し及び濃縮水の返送を停止した後、ポンプP3を作動させて配管13より槽内液を抜き出す。この槽内液の抜き出しに当り、本実施の形態の膜浸漬型固液分離装置では、膜浸漬槽1Aの底面に液溜まり部6が設けられているため、従来に比べて相当に低い液位まで槽内液を抜き出すことができる。この槽内液の抜き出しはレベルスイッチLSとの連動により、膜浸漬槽1Aの底面1aより100mm以下にまで液位が下がるように行うのが好ましい。
【0042】
(2) 槽内液を抜き出した後は、配管15よりリンス液を供給して膜浸漬槽1A内に残留する槽内液と共に配管13より抜き出す。このときの抜き出しも、膜浸漬槽1Aの底面1aより100mm以下にまで液位が下がるように行うのが好ましい。このようにリンス液を供給して抜き出すことにより、槽底部のヘドロを円滑に抜き出して、薬品洗浄への悪影響を防止することができる。なお、このリンス液の供給、抜き出しは、2回以上行っても良い。
【0043】
(3) 上記リンス後は、ポンプP4を作動させて配管14より薬液を供給して薬品洗浄を行い、薬品洗浄後、膜浸漬槽1内の薬液を配管13より抜き出す。この薬品洗浄時は20〜100m3/m2/hr程度で曝気を行うのが好ましい。
【0044】
(4) 薬品洗浄後、上記(2)と同様にしてリンス液を供給し、膜浸漬槽1A内に残留する薬液と共に配管13より抜き出す。この際、必要に応じて前述の如く、薬液の中和を行う。このようにリンス液を供給して薬液と共に抜き出すことにより、膜浸漬槽1A内に残留する薬液量を著しく低減して、膜濾過工程への悪影響を防止できる。
【0045】
(5) 上記リンス後、配管11より膜浸漬槽1Aに原水を投入すると共に、膜浸漬槽1Aの液を曝気槽に返送する。このように前段に設けた曝気槽との間で液の循環を行うことで、拡散効果によりpHの正常化、色度、CODの低減を図ることができる。この液の循環は、膜浸漬槽1A内の液が所定の水質になるまで継続する。或いは、更に、この液循環と共に、膜浸漬槽1A内を30〜150m3/m2/hr程度で曝気することにより、着色成分やCOD成分の一部を再び生物的に分解することができる。また、洗浄薬液がアルカリであり、原水がアルカリ性になった場合には、曝気により大気中の二酸化炭素を溶解させ、アルカリを中和する効果を得ることができる。この液循環時間は曝気の有無、上記(4)のリンス工程の有無によっても異なるが、リンス工程及び曝気を共に行う場合には30分〜4時間程度(循環液量が膜浸漬槽内液量の0.5〜4倍となるような時間)、特に1〜2時間程度(循環液量が膜浸漬槽内液量の1〜2倍となるような時間)、リンス工程を省略し、曝気を行う場合には1〜6時間程度(循環液量が膜浸漬槽内液量の1〜6倍となるような時間)、リンス工程を行い、曝気を行わない場合には1〜6時間程度(循環液量が膜浸漬槽内液量の1〜6倍となるような時間)、リンス工程及び曝気を行わない場合には2〜24時間程度(循環液量が膜浸漬槽内液量の2〜24倍となるような時間)とするのが好ましい。
【0046】
(6) 上記液循環を行った後は、膜濾過水を採水する膜濾過工程を再開する。
【0047】
なお、図1に示す膜浸漬型固液分離装置及び上記薬品洗浄手順は、本発明の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら上記のものに限定されない。例えば、液溜まり部の形状や位置等に特に制限はなく、図2に示す如く、膜浸漬槽1Bの底面を傾斜面として液溜まり部6Aを形成することもできる。液溜まり部を設けた膜浸漬型固液分離装置を採用することにより、薬品洗浄工程の前後の膜浸漬槽内液の抜き出しを効率的に行って、良好な薬品洗浄効果を得ると共に、薬品洗浄後の膜濾過工程の再開時における前述のトラブルを阻止することができ、好ましい。
【0048】
また、上記薬品洗浄手順のうち、(2),(4)のリンス工程は必ずしも必要とされず、これらのうちの一方又は両方を省略しても良いが、このリンス工程を採用することにより、薬品洗浄工程前後の膜浸漬槽内液の残留を防止して、良好な薬品洗浄効果を得ると共に、薬品洗浄後の膜濾過工程の再開時における前述のトラブルを防止することができ、好ましい。
【0049】
【実施例】
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0050】
比較例1
曝気槽(容量380m3)1槽と、図3に示す従来の膜浸漬槽(容量45m3)3槽により、処理水量約300m3/dayで膜式活性汚泥処理を行っている系において、膜の薬品洗浄を行った。曝気槽から各膜浸漬槽へは、約750m3/dayの活性汚泥をポンプで送液し、膜浸漬槽からは約650m3/dayの活性汚泥をオーバーフローさせて曝気槽へ返送した。
【0051】
膜浸漬槽のうちの1槽(仮にA槽とする)への活性汚泥送液を一時停止し、次の手順で薬品洗浄を行った。
【0052】
まず、A槽内にある活性汚泥を自吸式スラリーポンプ(以下、「薬洗用ポンプ」と称す。)を用いて抜き出し、曝気槽へ投入した。この工程はA槽下方に設けられたフリクト式レベルスイッチが水位低を検知することで自動停止させており、動作自体は問題なかったが、底部に300mm程度、活性汚泥が抜き出せずに残留した。
【0053】
汚泥が残留したまま、A槽に苛性ソーダ2重量%、有効塩素濃度1000mg/L(次亜塩素酸ソーダを使用)からなる膜洗浄薬液を投入し、65m3/m2/hrで曝気を開始したところ、30分程度で泡の高さが2m以上となり、水槽のヘリより泡が溢れ始めたため、曝気を一時停止し、消泡剤を10mg/L相当投入した。この後、曝気を再開したが、再び30分程度で水槽のヘリまで泡が盛り上がり、再び曝気を停止した。この後、50mg/L相当まで消泡剤を投入しても、発泡を抑制することができなかった。
【0054】
このため、曝気量を膜設置部底面積当たり30m3/m2/hr以下まで低減し、洗浄を継続したが、間欠的に曝気を中断し、泡が水槽から溢れるのを抑制する必要があった。
【0055】
また、洗浄薬液の有効塩素濃度を測定すると、10mg/L以下まで低下していたため、再度有効塩素濃度2000mg/L相当の次亜塩素酸ソーダを投入し、30分後に再び残留塩素濃度を測定したところ、約700mg/Lであった。この後も徐々に有効塩素濃度は低下したが、洗浄終了時も500mg/L以上を保つことができた。
【0056】
このようにして計16時間薬品洗浄を行ったが、洗浄終了後も膜面への汚泥ケークの付着が認められ、濾過差圧の回復率は新膜の80%程度であった。
【0057】
洗浄終了後は曝気を停止し、A槽内の薬液を薬洗ポンプで抜き出し、再びフリクト式レベルスイッチで自動停止させたところ、槽底部にはやはり300mm程度の薬液が残留した。
【0058】
A槽内に薬液が残留したまま、曝気槽から活性汚泥の供給を再開し、再びA槽からオーバーフローするレベルに達した後、膜濾過を再開したところ、膜透過水のpHが12付近に達しており、液は茶色に着色し、CODMnは60mg/L程度となった。このため、濾過を停止し、活性汚泥の供給とオーバーフローのみ3時間程度継続した。その後に膜濾過を再開したところ、膜透過水のpHは7.6となり、着色はわずかとなり、CODMnは20mg/L程度となった。なお、曝気槽では自動制御によるpHコントロールを行った。
【0059】
比較例2
比較例1において、A槽として図1に示す膜浸漬槽1Aを用いて同様の操作を行った。この液溜まり部6は400mm×400mm×400mmの大きさであり、散気管4の底面投影位置から400mm、仕切り板2Bの底面投影位置から700mmの位置に設けられている。
【0060】
この膜浸漬槽では、400mm角の液溜まり部6の下端から100mmの位置に、吸引ポンプP3の吸引側に連通するパイプ13の先端開口を配置し、この下端から350mmの位置にフリクト式レベルスイッチLSを設置し、吸引ポンプP3と連動させた。
【0061】
この結果、活性汚泥は槽底部1aから50mm以下まで抜き出すことができ、薬品洗浄時の発泡も激減した。ただし、消泡剤は10mg/L程度添加する方が好ましかった。また、有効塩素濃度も、初期濃度1000mg/Lに対し、投入直後600mg/L、洗浄終了時400mg/Lであった。
【0062】
また、曝気量は削減する必要がなく、65m3/m2/hr程度でも問題がなかった。
【0063】
この状態で16時間薬品洗浄を行ったところ、膜面に付着している汚泥ケークはほぼ全て剥離し、差圧は新膜の90%強まで回復した。
【0064】
薬品洗浄後、槽内の薬液を吸引ポンプP3により抜き出し、フリクト式レベルスイッチLSと連動して停止させたところ、底部から50mm以下まで薬液を抜き出すことができた。
【0065】
その後、活性汚泥の投入を開始し、膜浸漬槽1Aからオーバーフローし始めたのを確認してから膜濾過を開始したところ、膜透過水のpHは8.4であり、放流可能であった。ただし、やや着色が認められ、CODMn値は35mg/Lまで上昇した。
【0066】
実施例1
比較例2において、薬品洗浄終了後、薬液を抜き出し、原水を膜浸漬槽1Aに導入し、オーバーフロー水を曝気槽に返送すると共に、膜浸漬槽1A内を50m3/m2/hrで曝気し、この曝気と液循環を2時間(循環液量が膜浸漬槽内液量の2.9倍となる)継続した後、膜濾過を開始したところ、膜透過水のpHは7.8、CODMn値は23mg/Lで着色は認められなかった。なお、通常時の膜透過水のCOD値は15〜20mg/L程度であるので、薬品洗浄による膜透過水の水質の悪化は殆どないと判断された。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の排水の処理方法によれば、曝気処理液を膜浸漬型固液分離装置で固液分離する方法において、膜浸漬槽に浸漬された濾過膜の薬品洗浄後の膜濾過運転再開時に発生するトラブルを解決し、効果的な処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施に好適な膜浸漬型固液分離装置の実施の形態を示す断面図であり、図1(b)は同膜浸漬槽の平面図である。
【図2】本発明の実施に好適な膜浸漬型固液分離装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図3】図3(a)は、従来の膜浸漬型固液分離装置を示す断面図であり、図3(b)は同膜浸漬槽の平面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 膜浸漬槽
2A,2B 仕切り板
3A,3B 膜モジュール
4 曝気管
5 オーバーフロー口
6,6A 液溜まり部
Claims (3)
- 排水を活性汚泥の存在下に曝気槽内で曝気する曝気工程と、
該曝気工程の流出液を、底部に液溜り部と該液溜り部に液位検知計を備えた膜浸漬槽に供給し、該膜浸漬槽内に設けられた濾過膜を透過する透過水を処理水として取り出し、濃縮水を前記曝気槽に返送する膜濾過工程と、
該膜濾過工程終了後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を停止する給液停止工程と、
該給液停止工程終了後、該膜浸漬槽内の液を槽外へ移送する移送工程と、
該移送工程終了後、該膜浸漬槽に洗浄薬液を供給して該膜浸漬槽内の濾過膜を薬品洗浄する薬品洗浄工程と
を有する排水の処理方法において、
該薬液洗浄工程終了後、該膜浸漬槽内の洗浄薬液を抜き出し、その後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を再開すると共に、該膜浸漬槽内の液を前記曝気槽に返送しながら該膜浸漬槽内を所定時間曝気した後、前記膜濾過工程を再開することを特徴とする排水の処理方法。 - 排水を活性汚泥の存在下に曝気槽内で曝気する曝気工程と、
該曝気工程の流出液を、底部に液溜り部と該液溜り部に液位検知計を備えた膜浸漬槽に供給し、該膜浸漬槽内に設けられた濾過膜を透過する透過水を処理水として取り出し、濃縮水を前記曝気槽に返送する膜濾過工程と、
該膜濾過工程終了後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を停止する給液停止工程と、
該給液停止工程終了後、該膜浸漬槽内の液を槽外へ移送する移送工程と、
該移送工程終了後、該膜浸漬槽に洗浄薬液を供給して該膜浸漬槽内の濾過膜を薬品洗浄する薬品洗浄工程と
を有する排水の処理方法において、
該薬液洗浄工程終了後、該膜浸漬槽内の洗浄薬液を抜き出し、その後、前記流出液の該膜浸漬槽への供給を再開すると共に、該膜浸漬槽内の液を前記曝気槽に返送し、該膜浸漬槽内の液が所定の水質になった後に、前記膜濾過工程を再開することを特徴とする排水の処理方法。 - 請求項1又は2において、該液溜り部に槽内液の引き抜き手段を有することを特徴とする排水の処理方法。
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