JP2000117252A - 有機性排水の処理方法及び装置 - Google Patents

有機性排水の処理方法及び装置

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JP2000117252A
JP2000117252A JP10291980A JP29198098A JP2000117252A JP 2000117252 A JP2000117252 A JP 2000117252A JP 10291980 A JP10291980 A JP 10291980A JP 29198098 A JP29198098 A JP 29198098A JP 2000117252 A JP2000117252 A JP 2000117252A
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separation
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coalescer
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Keisen So
慶泉 蘇
Chiaki Igarashi
千秋 五十嵐
Tsunehiro Noda
倫弘 野田
Koichi Yokoyama
康一 横山
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Ebara Corp
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化油分含有排水に対して、薬剤を使用する
ことなく安価なコストと優れた処理水質を有する処理方
法と装置を提供する。 【解決手段】 有機性排水の処理装置において、膜分離
装置が、膜分離モジュール6と、該分離膜の一次側7に
該有機性排水を循環させる第1循環ポンプ2を設けた循
環経路37及び膜濃縮液排出路39と、二次側8の膜透
過水の排出路38とを有し、該排出路を膜透過水受け槽
12に接続し、該受け槽と第1隔膜電解槽17の陽極室
19及び陰極室18とを第2循環ポンプ13を設けた経
路で接続し、該陰極室と陽極室には処理液排出口を設
け、該陽極室の排出口41をコアレッサカートリッジ2
4と浮上分離槽25とを順次結ぶ経路で接続し、該浮上
分離槽25は頂部に油分排出口26と底部に処理水排出
口を設け、該排出口と前記受け槽12との間に循環経路
44を設けたものであり、また、前記底部排出口を第2
隔膜電解槽に接続してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性排水の処理
に係わり、特に、乳化油分含有排水を、膜分離法とコア
レッサ分離法の2段処理に、隔膜電解法を併用すること
によって処理する有機性排水の処理方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、有機性排水、特に乳化油分含油排
水の処理方法としては、全量焼却処分法と凝集・浮上分
離法が一般的に用いられている。しかし、全量焼却処分
法の場合は、助燃料を必要とするので、コストが高い上
に、排ガスによる環境汚染の問題がある。また、凝集・
浮上分離法では、固形廃棄物が生成し、その処分が問題
となっている。その他に、精密濾過膜又は限外濾過膜を
用いる膜分離法が試みられているが、溶解性有機物、例
えば溶解性のノルマルヘキサン抽出物質が分離膜を透過
するため、膜分離法だけでは十分な、処理水質が得られ
ないという問題があった。
【0003】一方、本発明者らはこれまでに、隔膜電解
法を利用した乳化油分含有排水の処理方法(特願平7−
327140号、特願平8−156384号、特願平8
−262313号、特願平8−324881号)を提案
してきた。これらの方法は、乳化油分含有排水に対して
優れた処理性能を発揮するものであるが、隔膜電解槽の
設計上、処理能力増大のための装置の大型化が難しいと
いう難点があった。また、本発明者らは、上記隔膜電解
法の問題を解決するために、膜分離法と隔膜電解法を組
み合わせた処理方法(特願平10−190985号、特
願平10−190986号)を提案してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、有機性排水、例えば乳化油分含有排水に対し
て、薬品を使用することなく、安価な処理コストと優れ
た処理水質を有する処理方法と装置を提供することを課
題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、有機性排水を膜分離工程と第1隔膜電
解工程とコアレッサ分離工程とで処理する方法におい
て、まず、該有機性排水を膜分離工程の膜一次側に導入
し、膜一次側を循環させながら、膜一次側循環液より、
水の一部を分離膜を透過させて膜二次側から排出させる
と共に、前記循環液を濃縮し、次いで、前記膜二次側か
ら排出された膜透過水を、第1隔膜電解工程で電解処理
し、陰極室よりアルカリ排液を排出すると共に、陽極室
よりpH6以下に調整された陽極処理液を得、該陽極処
理液をコアレッサ分離工程に導入して、コアレッサカー
トリッジに通過させた後、浮上分離槽に導いて油滴を浮
上分離して、処理水を得ることとしたものである。ま
た、本発明では前記処理方法において、油滴を浮上分離
して得られる処理液をさらに第2隔膜電解工程導入して
電解処理し、該工程の陰極室よりpH5.8〜8.6の
範囲に調整された陰極処理液を処理水として得ることと
したものである。
【0006】さらに、本発明では、膜分離装置と第1隔
膜電解槽とコアレッサ分離装置とを有する有機性排水の
処理装置において、前記膜分離装置が、膜分離モジュー
ルと、該分離膜の一次側に該有機性排水を導入して循環
させる第1循環ポンプを設けた循環経路及び膜濃縮液排
出路と、該分離膜の二次側に分離膜を透過した膜透過水
の排出路とを有し、該排出路を膜透過水受け槽に接続す
ると共に、該受け槽と第1隔膜電解槽の陽極室及び陰極
室とを第2循環ポンプを設けた経路で接続し、該陰極室
と陽極室には処理液排出口を設け、該陽極室の処理液排
出口を、コアレッサ分離装置のコアレッサカートリッジ
と浮上分離槽とを順次結ぶ経路で接続し、該浮上分離槽
は、頂部に油分排出口と底部に処理水排出口を設け、該
処理水排出口と前記膜透過水受け槽との間に循環経路を
設けと共に、循環経路に処理水抜出し経路を設けること
としたものである。
【0007】また、本発明では、膜分離装置と第1及び
第2隔膜電解槽とコアレッサ分離装置とを有する有機性
排水の処理装置において、前記膜分離装置が、膜分離モ
ジュールと、該分離膜の一次側に該有機性排水を導入し
て循環させる第1循環ポンプを設けた循環経路及び膜濃
縮液排出路と、該分離膜の二次側に分離膜を透過した膜
透過水の排出路とを有し、該排出路を膜透過水受け槽に
接続すると共に、該受け槽と第1隔膜電解槽の陽極室及
び陰極室とを第2循環ポンプを設けた経路で接続し、該
陰極室と陽極室には処理液排出口を設け、該陽極室の排
出口をコアレッサ分離装置のコアレッサカートリッジと
浮上分離槽とを順次結ぶ経路で接続し、該浮上分離槽
は、頂部に油分排出口と底部に処理水排出口を設け、該
底部の排出口と第2隔膜電解槽の陰極室及び陽極室とを
経路で接続し、該陰極室の処理水排出口と前記膜透過水
受け槽との間に循環経路を設けると共に、陽極室に処理
水抜出し口を設けることとしたものである。前記有機性
排水の処理装置において、第1隔膜電解槽の隔膜は、陽
イオン交換膜とするのが良く、また、第2隔膜電解槽の
隔膜は、陰イオン交換膜とするのが良い。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の処理方法においては、まず、有機性排水を膜分
離工程に導入し、1段目の処理を行う。該工程において
は、クロスフロー濾過方式による膜分離を行う。即ち、
有機性排水を循環ポンプの吸引口に導入し、分離膜の一
次側に循環させながら、膜間差圧によって水を濾過し、
粒子状油分や固形物等を循環液に濃縮する。用いる分離
膜としては、処理対象の有機性排水によって、MF膜
(即ち精密濾過膜)又はUF膜(即ち限外濾過膜)の中
から選定すればよく、膜素材としては、特に限定される
ものではなく、高分子膜又は無機膜のいずれでもよい。
また、膜モジュールの形式としては、中空糸型モジュー
ル、スパイラル型モジュール、管型モジュール又は角型
平膜モジュールのいずれでもよい。膜一次側の循環流量
については、一次側の膜面流速として1m/秒以上にす
るように、循環流量を調整するのが好ましい。
【0009】次いで、前記膜透過水を、一旦膜透過水受
け槽に受けてから、第1隔膜電解工程に導入し2段目の
処理を行う。即ち、有機性排水、特に乳化油分含有排水
には、乳化剤として、有機カルボン酸系や有機スルホン
酸系のアニオン性界面活性剤が、また、アルカリ剤及び
防食剤として、有機窒素化合物が多量に配合されてい
る。これらの成分は、中性からアルカリ性領域において
水溶性のため、膜分離においては分離膜を透過し、膜透
過水のノルマルヘキサン抽出物質、CODやトータル窒
素等の原因物質となる。本発明では、前記成分を分離除
去する手段として、まず、第1隔膜電解工程で前記膜透
過水を電解処理し、陽極室において、水の陽極分解によ
って生成する水素イオンを用いて、前記アニオン性界面
活性剤成分がもつ酸解離指数のpKa値以下に、膜透過
水のpHを低下させ、該成分を不溶化させる。同時に、
有機窒素化合物成分の多くが、酸性条件下で陽イオンの
形態をしている性質を利用して、電気透析の作用で、該
成分を隔膜を通過させ、陰極室より排出する。ここで、
陽極室で調整するpH範囲は、一般にpH6以下の範囲
でよいが、pH5.0〜2.5の範囲がより好ましい。
【0010】本発明に使用する第1隔膜電解槽は、多孔
性隔膜又はイオン交換膜によって、電解槽を陽極室と陰
極室に仕切り、陽極室と陰極室にそれぞれ陽極と陰極を
設ける。多孔性隔膜としては、通常、平均細孔径が0.1
〜3.0μmの高分子MF膜(即ち精密濾過膜)、好ましく
は0.1〜1.0μmの高分子MF膜が使用される。一方、イ
オン交換膜としては、陽イオン交換膜が特に好適であ
る。また、電極は不溶性電極であれば何でもよいが、陽
極にはチタン基材に白金族金属又はその酸化物をメッキ
又は焼成した電極、又はチタン基材に二酸化鉛をメッキ
又は焼成した電極、あるいはフェライト電極が好適で、
陰極には、陽極と同一のものを使用するか、又はより安
価なステンレス電極などを使用することもできる。
【0011】次いで、前記陽極処理液をコアレッサ分離
工程に導入し3段目の処理を行う。コアレッサ分離工程
では、酸調整した膜透過水をコアレッサカートリッジに
導いて、不溶化した粒子の合一・粗大化を促進した後
に、粗大化の結果形成した油滴を、浮上分離槽にて浮上
分離する。一方、コアレッサ処理液は、浮上分離槽の底
部より排出し、中和して処理水とする。本発明に使用す
るコアレッサカートリッジは、酸性条件においては化学
的に安定で、不溶化成分粒子の合一・粗大化を促進でき
るものであればよく、例えばポリスルホン、ポリプロピ
レンやポリエステルの不織布を濾材として用いたプリー
ツ型カートリッジフィルター、又はポリスルホン、ポリ
プロピレンやポリエステルの繊維集合体を充填した充填
層が好適である。また、本発明に用いる浮上分離槽は、
循環液の流量に対して、10分以上の滞留時間を与える
容積を有するステンレス製密閉形タンクが好適である。
【0012】本発明ではさらに、前記コアレッサ処理液
を第2隔膜電解工程に導入し、4段目の処理を行うこと
もできる。即ち、第2隔膜電解工程において、前記コア
レッサ処理液を電解処理し、陰極室において、水の陰極
分解によって生成する水酸イオンを用いて、陰極処理液
をpH中性付近まで中和し、陰極室より処理水として排
出する。同時に、前記コアレッサ分離工程で除去しきれ
なかったアニオン性界面活性剤成分が、中性条件下で溶
解状態の陰イオンに戻る性質を利用して、電気透析の作
用で該成分を隔膜を通過させ、処理水から取り除く。こ
こで、陰極室で調整するpH範囲は、一般にpH5.8
〜8.6でよいが、pH7.0〜8.6の範囲がより好
ましい。本発明に使用する第2隔膜電解槽は、隔膜を除
いて前記第1隔膜電解槽と同一のものを用いればよい。
隔膜としては陰イオン交換膜が最適である。
【0013】次に、本発明を図面を用いて説明する。図
1に、本発明に基づく有機性排水処理装置の一例の概略
構成図を示す。図1において、原水槽1から被処理水3
6が第1循環ポンプ2の吸引口に導かれ、プレフィルタ
ー3を経て膜分離モジュール6に入り、分離膜一次側7
を循環する。そして、膜一次側循環液37より、水の一
部が膜間差圧によって分離膜を透過し、分離膜二次側8
から膜透過水が38として膜透過水受け槽12に排出さ
れる。その際、乳化油分粒子等の不溶性有機物や固形物
粒子が分離膜によって阻止されて、一次側循環液37に
濃縮され、そしてバルブ11より膜濃縮液39として系
外に排出される。
【0014】一方、膜透過水38が膜透過水受け槽12
より、第2循環ポンプ13の吸引口に導かれ、該ポンプ
によって第1隔膜電解槽17の陰極室18と陽極室19
に送られ、陰極室処理液40がアルカリ排液として系外
に排出される。次いで、陽極処理液41がコアレッサカ
ートリッジ24を通って浮上分離槽25に入り、そして
コアレッサ処理液44が該槽の底部より前記受け槽12
に戻される。この際、コアレッサカートリッジ24で形
成した油滴が、浮上分離槽25において浮上分離し、バ
ルブ26より排出される。一方、コアレッサ処理液44
の一部が処理水43としてバルブ27を経て、中和後に
排出される。
【0015】図2に、本発明に基づく有機性排水処理装
置の他の1例の概略構成図を示す。図2において、原水
槽1から被処理水36が第1循環ポンプ2の吸引口に導
かれ、プレフィルター3を経て膜分離モジュール6に入
り分離膜一次側7を循環する。そして、膜一次側循環液
37より水の一部が膜間差圧によって分離膜を透過し、
分離膜二次側8から膜透過水38として膜透過水受け槽
12に排出される。その際、乳化油分粒子等の不溶性有
機物や固形物粒子が分離膜によって阻止されて、一次側
循環液37に濃縮され、そしてバルブ11より膜濃縮液
39として系外に排出される。
【0016】一方、膜透過水38が膜透過水受け槽12
より、第2循環ポンプ13の吸引口に導かれ、該ポンプ
によって第1隔膜電解槽17の陰極室18と陽極室19
に送られ、陰極室処理液40がアルカリ排液として系外
に排出される。次いで、第1陽極処理液41がコアレッ
サカートリッジ24を通って浮上分離槽25に入り、コ
アレッサカートリッジ24で形成した油滴が、浮上分離
槽25において浮上分離し、バルブ26より排出され
る。一方、コアレッサ処理液44が第2隔膜電解槽29
の陰極室30と陽極室31に送られ、陰極室処理液43
が処理水として系外に排出される。また、第2陽極処理
液45が前記受け槽12に戻される。図1、2において
4、9は圧力計、5、14は流量計、10、15、1
6、27、28は調節弁、20、32は陰極、21,3
3は陽極、22、34は隔膜、23、35は電源であ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 図1に従って製作した有機性排水処理装置を試験に用い
た。該装置では、分離膜モジュールは、膜が高分子製の
UF中空糸膜で、膜面積が3.5m2であった。濾過方
式としては内圧型クロスフローを採用した。また、第1
隔膜電解槽はポリプロピレン樹脂製の密閉角型で、陽極
と陰極は同じ白金メッキチタン電極で、電極面積が0.
08m2であった。隔膜としては株式会社トクヤマ製電
解隔膜用陽イオン交換膜を用いた。また、コアレッサカ
ートリッジはポリプロピレン不織布を濾材とした、有効
濾過面積1.2m2のプリーツ型カートリッジフィルタ
ーで、浮上分離槽は、内容積が36リットルのステンレ
ス製密閉形タンクであった。
【0018】ここで、処理対象の有機性排水としては、
表1のA社製W1種1号水溶性切削油の5%希釈液を用
いた。処理条件としては、膜分離工程において、膜面線
速が1m/秒となるように、第1循環ポンプ2による循
環流量をインバータによって調節し、濾過圧力として、
圧力計4が1.3Kgf/cm2となるようにバルブ1
0を調節した。また、膜分離工程による濃縮倍率は7倍
となるように、バルブ11を調整した。即ち、膜分離工
程による膜濃縮液39の排出流量が膜透過水38の流量
に対して6分の1となるように、バルブ11を調節し
た。
【0019】また、第1隔膜電解槽において、陰極室へ
の流量を0.1リットル/分とし、陽極室への流量を2
リットル/分とした。陽極処理液41のpHはpH3と
なるように該電解工程の電解電流と電圧を設定した。一
方、コアレッサ分離工程においては、処理水43の流量
を膜透過水38の流量に合わせた。本試験による処理
は、開始から30分後に定常状態に達した。定常状態に
おいては、膜分離工程による膜透過水38の流量が30
〜35リットル/時間の範囲で推移した。本試験に用い
た有機性排水36と膜透過水38、及び処理が定常状態
に達した後の処理水43の水質分析値を表1に記す。
【0020】
【表1】 表1のように、本発明による有機性排水の処理効果は非
常に良好で、特に処理水のノルマルヘキサン抽出物質は
21mg/Lと極めて低く、除去率としては、有機性排
水原水に対して99.95%以上、膜透過水に対しても
87.5%に達した。また、膜透過水に対する処理水C
OD及びトータル窒素の除去率はそれぞれ約87%と約
89%に達した。
【0021】実施例2 実施例2では処理対象の有機性排水として、表2のB社
製W2種2号水溶性切削油の5%希釈液を用いたが、試
験装置と試験条件については実施例1と同一のものを用
いた。なお、膜分離工程による濃縮倍率を12倍とし
た。本試験による処理は、開始から30分後に定常状態
に達した。定常状態においては、膜分離工程による膜透
過水38の流量が35〜40リットル/時間の範囲で推
移した。本試験に用いた有機性排水36と膜透過水3
8、及び処理が定常状態に達した後の処理水43の水質
分析値を表2に記す。
【0022】
【表2】 表2のように、本発明による有機性排水の処理効果は非
常に良好で、特に処理水のノルマルヘキサン抽出物質は
37mg/Lと極めて低く、除去率としては、有機性排
水原水に対して99.8%以上、膜透過水に対しても9
6.5%に達した。また、膜透過水に対する処理水CO
D及びトータル窒素の除去率は、それぞれ約62%と8
0%に達した。
【0023】実施例3 図2に従って製作した有機性排水処理装置を本実施例の
試験に用いた。該装置では、分離膜モジュールは、膜が
高分子製のUF中空糸膜で、膜面積が3.5m2であっ
た。濾過方式としては、内圧型クロスフローを採用し
た。また、第1隔膜電解槽は、ポリプロピレン樹脂製の
密閉角型で、陽極と陰極は同じ白金メッキチタン電極
で、電極面積が0.08m2であった。隔膜としては、
株式会社トクヤマ製電解隔膜用陽イオン交換膜を用い
た。また、コアレッサカートリッジは、ポリプロピレン
不織布を濾材とした、有効濾過面積1.2m2のプリー
ツ型カートリッジフィルターで、浮上分離槽は内容積が
36リットルのステンレス製密閉形タンクであった。
【0024】また、第2隔膜電解槽は、隔膜として株式
会社トクヤマ製隔膜電解用陰イオン交換膜を用いた以外
は、前記第1隔膜電解槽と同一のものを使用した。ここ
では、処理対象の有機性排水として、表1のA社製W1
種1号水溶性切削油の5%希釈液を用いた。処理条件と
しては、膜分離工程において、膜面線速が1m/秒とな
るように第1循環ポンプ2による循環流量をインバータ
によって調節し、濾過圧力としては、圧力計4が1.3
Kgf/cm2となるように、バルブ10を調節した。
また、膜分離工程による濃縮倍率は7倍となるように、
バルブ11を調整した。即ち、膜分離工程による膜濃縮
液39の排出流量が、膜透過水38の流量に対して6分
の1となるように、バルブ11を調節した。
【0025】また、第1隔膜電解槽においては、陰極室
への流量を0.1リットル/分とし、陽極室への流量を
2リットル/分とした。陽極処理液41のpHが、pH
3となるように該電解工程の電解電流と電圧を設定し
た。一方、第2隔膜電解工程においては、処理水43の
pHがpH8.0となるように、該工程の電解電流と電
圧を設定した。また、処理水43の流量を膜透過水38
の流量に合わせた。本試験による処理は、開始から30
分後に定常状態に達した。定常状態においては、膜分離
工程による膜透過水38の流量が30〜35リットル/
時間の範囲で推移した。本試験に用いた有機性排水36
と膜透過水38、及び処理が定常状態に達した後の処理
水43の水質分析値を表1に記す。
【0026】
【表3】 表3のように、本発明による有機性排水の処理効果は、
非常に良好で、特に処理水のノルマルヘキサン抽出物質
は17mg/Lと極めて低く、除去率としては、有機性
排水原水に対して99.95%以上、膜透過水に対して
も90.0%に達した。また、膜透過水に対する処理水
COD及びトータル窒素の除去率はそれぞれ約90%と
約88%に達した。
【0027】実施例4 実施例4では処理対象の有機性排水としては、表2のB
社製W2種2号水溶性切削油の5%希釈液を用いたが、
試験装置と試験条件については、実施例3と同一のもの
を用いた。なお、膜分離工程による濃縮倍率を12倍と
した。本試験による処理は、開始から30分後に定常状
態に達した。定常状態においては、膜分離工程による膜
透過水38の流量が、35〜40リットル/時間の範囲
で推移した。本試験に用いた有機性排水36と膜透過水
38、及び処理が定常状態に達した後の処理水43の水
質分析値を表4に記す。
【0028】
【表4】 表4のように、本発明による有機性排水の処理効果は、
非常に良好で、特に処理水のノルマルヘキサン抽出物質
は30mg/Lと極めて低く、除去率としては有機性排
水原水に対して99.85%以上、膜透過水に対しても
97.2%に達した。また、膜透過水に対する処理水C
OD及びトータル窒素の除去率は、それぞれ約59%と
約75%に達した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、有機性排水、とりわけ
乳化油分含有排水に対して、薬剤を使用することなく安
価なコストと優れた処理水質を有する処理方法及び装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明の処理装置の他の例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1:原水槽、2:第1循環ポンプ、3:プレフィルタ
ー、4:圧力計、5:流量計、6:膜分離モジュール、
7:膜一次側、8:膜二次側、9:圧力計、10,1
1:バルブ、12:膜透過水受け槽、13:第2循環ポ
ンプ、14:流量計、15,16:バルブ、17:第1
隔膜電解槽、18:陰極室、19:陽極室、20:陰
極、21:陽極、22:隔膜、23:直流電源、24:
コアレッサカートリッジ、25:浮上分離槽、26:油
分排出バルブ、27,28:バルブ、29:第2隔膜電
解槽、30:陰極室、31:陽極室、32:陰極、3
3:陽極、34:隔膜、35:直流電源、36:被処理
水、37:膜一次側循環液、38:膜透過水、39:膜
濃縮液、40:アルカリ排液、41:第1陽極処理液、
42:コアレッサ循環液、43:処理水、44:コアレ
ッサ処理液、45:第2陽極処理液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 17/04 501 B01D 17/04 501D 17/06 501 17/06 501Z 61/42 61/42 61/44 500 61/44 500 520 520 61/56 61/56 C02F 1/40 C02F 1/40 A 1/469 1/46 103 (72)発明者 野田 倫弘 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 横山 康一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 GA16 HA01 HA41 HA61 KB11 KB14 KE07Q KE15R MA22 PB08 PB15 PB70 PC80 4D051 AA02 BA07 4D061 DA10 DB15 DC01 DC06 EA06 EA09 EA11 EB12 EB30 FA04 FA08 FA09 FA11 FA13 GA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性排水を膜分離工程と第1隔膜電解
    工程とコアレッサ分離工程とで処理する方法において、
    まず、該有機性排水を膜分離工程の膜一次側に導入し、
    膜一次側を循環させながら、膜一次側循環液より水の一
    部を分離膜を透過させて膜二次側から排出させると共
    に、前記循環液を濃縮し、次いで、前記膜二次側から排
    出された膜透過水を第1隔膜電解工程で電解処理し、陰
    極室よりアルカリ排液を排出すると共に、陽極室よりp
    H6以下に調整された陽極処理液を得、該陽極処理液を
    コアレッサ分離工程に導入して、コアレッサカートリッ
    ジに通過させた後、浮上分離槽に導いて油滴を浮上分離
    して処理水を得ることを特徴とする有機性排水の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 有機性排水を膜分離工程と第1及び第2
    隔膜電解工程とコアレッサ分離工程とで処理する方法に
    おいて、まず、該有機性排水を膜分離工程の膜一次側に
    導入し、膜一次側を循環させながら、膜一次側循環液よ
    り水の一部を分離膜を透過させて膜二次側から排出させ
    ると共に、前記循環液を濃縮し、次いで、前記膜二次側
    から排出された膜透過水を第1隔膜電解工程で電解処理
    し、該工程の陰極室よりアルカリ排液を排出すると共
    に、該工程の陽極室よりpH6以下に調整された陽極処
    理液を得、該陽極処理液をコアレッサ分離工程に導入し
    て、コアレッサカートリッジに通過させた後、浮上分離
    槽に導いて油滴を浮上分離し、得られる処理水を第2隔
    膜電解工程に導入して電解処理し、該工程の陰極室より
    pH5.8〜8.6の範囲に調整された陰極処理液を処
    理水として得ることを特徴とする有機性排水の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 膜分離装置と第1隔膜電解槽とコアレッ
    サ分離装置とを有する有機性排水の処理装置において、
    前記膜分離装置が、膜分離モジュールと、該分離膜の一
    次側に該有機性排水を導入して循環させる第1循環ポン
    プを設けた循環経路及び膜濃縮液排出路と、該分離膜の
    二次側に分離膜を透過した膜透過水の排出路とを有し、
    該排出路を膜透過水受け槽に接続すると共に、該受け槽
    と第1隔膜電解槽の陽極室及び陰極室とを第2循環ポン
    プを設けた経路で接続し、該陰極室と陽極室には処理液
    排出口を設け、該陽極室の処理液排出口を、コアレッサ
    分離装置のコアレッサカートリッジと浮上分離槽とを順
    次結ぶ経路で接続し、該浮上分離槽は、頂部に油分排出
    口と底部に処理水排出口を設け、該処理水排出口と前記
    膜透過水受け槽との間に循環経路を設けると共に、該循
    環経路に処理水抜出し経路を設けたことを特徴とする有
    機性排水の処理装置。
  4. 【請求項4】 膜分離装置と第1及び第2隔膜電解槽と
    コアレッサ分離装置とを有する有機性排水の処理装置に
    おいて、前記膜分離装置が、膜分離モジュールと、該分
    離膜の一次側に該有機性排水を導入して循環させる第1
    循環ポンプ設けた循環経路及び膜濃縮液排出路と、該分
    離膜の二次側に分離膜を透過した膜透過水の排出路とを
    有し、該排出路を膜透過水受け槽に接続すると共に、該
    受け槽と第1隔膜電解槽の陽極室及び陰極室とを第2循
    環ポンプを設けた経路で接続し、該陰極室と陽極室には
    処理水排出口を設け、該陽極室の処理水排出口を、コア
    レッサ分離装置のコアレッサカートリッジと浮上分離槽
    とを順次結ぶ経路で接続し、該浮上分離槽は、頂部に油
    分排出口と底部に処理水排出口を設け、該底部の排出口
    と第2隔膜電解槽の陰極室及び陽極室とを経路で接続
    し、該陰極室の処理水排出口と前記膜透過水受け槽との
    間に循環経路を設けると共に、陽極室に処理水抜出し口
    を設けたことを特徴とする有機性排水の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1隔膜電解槽の隔膜は、陽イオン
    交換膜であることを特徴とする請求項3又は4に記載の
    有機性排水の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記第2隔膜電解槽の隔膜は、陰イオン
    交換膜であることを特徴とする請求項4に記載の有機性
    排水の処理装置。
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