JP4384445B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技結果の表示及び演出の出力を、ともにリールを用いて実行するようにしたスロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スロットマシンは、リールに図柄を表示し、リールの停止時の図柄の組合せによって遊技結果を表示するとともに、各種の演出出力装置(ランプ、スピーカ、画像表示装置等)によって演出を出力し、その出力した演出の内容によって、役の抽選結果等を報知することが一般的となっている。
【0003】
特に、演出出力装置による演出の出力は、リールの停止時の出目、例えばいずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すること、又は特別役の当選を意味するいわゆるリーチ目の出現等を予兆すること等に用いられ、遊技の進行における補助的役割を果たすものとして、極めて重要な要素となっている。
【0004】
ここで、演出出力装置の1つである画像表示装置としては、液晶画像表示装置、ドットディスプレイ、有機EL等が知られているが、図柄を表示したリールを用いたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特に、上記特許文献1では、ゲーム用リールと演出用リールとが同数備えられており、演出用リールは、ゲーム用リールの停止と対応して駆動が停止されるようになっている旨が開示されている。
なお、従来より、演出用リールが1つ設けられているスロットマシンが知られているが、上記特許文献1では、1つの演出用リールでは演出が単調になること、及び表現できる演出に限界があること、という課題を解決するために、演出用リールを複数設けたものである。
【0006】
また、上記特許文献1では、演出用リールの径及び横幅をそれぞれゲーム用リールより小さくすることで、リールの差異を明確にし、表示内容の誤認等を回避することができ、ゲームを進行する重要なリール(ゲーム用リール)を演出用リールに対して効果的に視認させることができる、という発明の効果が開示されている(上記特許文献1の段落番号「0168」等)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−224270号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
演出用の画像表示装置として、液晶画像表示装置等を用いた場合には、その画像表示領域の大きさにはあまり左右されずに、演出用画像データ等を記憶したプログラムROMのデータ容量の範囲内で、多岐にわたる演出画像を表示することができる。
【0009】
これに対し、演出用リールは、ゲーム用リールに対して小さいので、それだけ外周(円周)の長さが短くなる。このため、演出用リールに表示可能な図柄数は、ゲーム用リールの図柄数より少なくならざるを得ない。例えば上記特許文献1の図17に図示されているような大きさの比率で演出用リールを形成した場合には、同文献の図18及び図19に図示されているように、ゲーム用リールでは図柄数が21個であるのに対して、演出用リールでは、図柄数が5個となっている。
【0010】
ここで、各ゲーム用リールに、上述のように21個の図柄を表示したときには、3個のゲーム用リールによる図柄の組合せ総数は、9261通り(21の3乗)となる。これに対し、演出用リールのように5個の図柄を表示したときには、3個の演出用リールによる図柄の組合せ総数は、125通り(5の3乗)となり、図柄の組合せパターンがゲーム用リールに対して大幅に削減されてしまう。
【0011】
なお、演出用リールの各図柄を小さくして、より多くの図柄を表示させることが考えられるが、このようにすると、1つの図柄が小さくなり、視認性が悪くなるという問題がある。また、演出用リールを大きくすることが考えられるが、演出用リールを大きくしてしまうと、従来と同じ大きさの(スロットマシンの)筐体内部に、ゲーム用リールとともに演出用リールを収容することができなくなるという問題がある。
【0012】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ゲーム用リールとともに演出用リールをスロットマシン内部に収容できるようにしつつ、演出用リールがゲーム用リールの出目以上に多彩な演出を行うことができるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
(請求項1)
請求項1の発明は、複数種類の図柄を表示した第1リールを複数並設し、停止時の図柄の組合せにより当該遊技の遊技結果を表示するための第1リール群と、複数種類の図柄を表示した第2リールを、前記第1リールの数と同数だけ並設し、その回転若しくは停止動作又は停止時の図柄の組合せのうち少なくとも1つによって、当該遊技における演出を行うための第2リール群と、各前記第1リールを始動させるためのスタートスイッチと、前記第1リールの数と同数だけ設けられ、対応する前記第1リールの回転を停止させるためのストップスイッチとを備え、各前記第1リールの直径は、各前記第2リールの直径より小さく形成されており、前記スタートスイッチが操作されたときに役の抽選を行う役抽選手段と、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記ストップスイッチが操作されたときに、前記ストップスイッチのオンを検知してから190ms以内にそのストップスイッチに対応する前記第1リールを停止させ、かつ前記ストップスイッチのオンを検知してから前記第1リールが停止するまでの最大移動図柄数Kの範囲内においてそのストップスイッチに対応する前記第1リールを停止させるように制御するとともに、前記役抽選手段による役の抽選においていずれかの役に当選したときは、その役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御する第1リール停止制御手段と、前記第2リールの最終停止位置、又は前記第2リールの最終停止位置とともに前記第2リールの動作を定めた複数種類の動作パターンを記憶する動作パターン記憶手段と、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記動作パターン記憶手段に記憶された動作パターンの中からいずれかの動作パターンを選択する動作パターン選択手段と、前記スタートスイッチが操作されたとき又は前記動作パターン選択手段で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、前記第2リールを始動させるとともに、前記ストップスイッチが操作されたとき又は前記動作パターン選択手段で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、選択された動作パターンによって定められた最終停止位置に前記第2リールを停止させるように制御する第2リール動作制御手段とを備え、前記第2リール動作制御手段は、前記ストップスイッチが操作されたときに前記第2リールを前記第1リールとともに停止させる動作パターンでは、前記ストップスイッチのオンを検知してから190ms以内にそのストップスイッチに対応する前記第2リールを停止させ、かつ前記ストップスイッチのオンを検知してから最大移動図柄数K’の範囲内においてそのストップスイッチに対応する前記第2リールを停止させるように制御し、前記第1リールに表示された図柄数をN、前記第2リールに表示された図柄数をN’としたとき、N’>N>N’/2であり、前記第1リールの最大移動図柄数Kは、2以上の整数であって、(N×K’)/N’以下の整数の最大値に設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明においては、第1リールより第2リールの方が大きく形成される。したがって、第2リール群は、目につきやすくなる。
【0015】
しかし、第2リール群は、当該遊技における演出を行うためのリール群である。これに対し、第2リール群より小さい第1リール群は、停止時の図柄の組合せにより当該遊技の遊技結果を表示するためのリール群である。
したがって、従来と同様に、リールの停止状況を見ながら遊技が進行するということを維持しつつ、従来の遊技では行うことができなかった、遊技結果を表示するためのリールの停止状況より演出を優先させて、演出を主体とした遊技を進行させることができる。
【0016】
一方、役抽選手段によりスタートスイッチの操作時に役の抽選が行われ、その抽選結果に基づいて、第1リール停止制御手段は、第1リールを停止制御する。
また、役抽選手段により役の抽選が行われると、その抽選結果に基づいて、動作パターン選択手段は、いずれかの動作パターンを選択し、第2リール動作制御手段は、スタートスイッチの操作又は選択された動作パターンに基づいて第2リールを始動させ、ストップスイッチの操作又は選択された動作パターンに基づいて第2リールを停止制御する。
【0017】
したがって、第1リール群の図柄の組合せによって、役の抽選結果を反映させた遊技結果を表示することができる。
また、N’>N>N’/2とし、さらに、第1リールの最大移動図柄数Kを、2以上の整数であって、(N×K’)/N’以下の整数の最大値に設定したので、遊技者による第1リール及び第2リール上の図柄の視認性を確保できる。また、第1リール及び第2リールに表示可能な図柄数のバランスをとることができる。さらにまた、第1リール及び第2リールのいずれも、ストップスイッチのオンを検知してから190ms以内で停止させたときは、第1リールの停止制御を第2リールに準じた停止制御とすることで、第1リール及び第2リールを、ともに、遊技者に違和感を与えないように停止させることができる。さらに、第1リールの停止時の十分な最大移動図柄数を確保することができる。すなわち、第1リールの停止制御において、ストップスイッチが操作されたときに、その直後に有効ラインに存在する図柄のみならず、少なくとも、その次の図柄まで有効ラインに引きこんで停止制御することができる。これにより、第1リールの停止時における有効ライン上の図柄に自由度を持たせることができるので、第1リール群の停止時における図柄の組合せによって、遊技結果を適切に表示することができる。
さらに、第1リールとは異質の始動及び停止制御を行うことも可能となる。これにより、第2リール群の動作や最終停止時の図柄の組合せによって、役の抽選結果を反映させた演出内容を表示することができる。
【0034】
請求項2
請求項2の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記役抽選手段で抽選される役には、通常遊技と異なる遊技であって通常遊技以上に遊技者にとって有利な遊技に移行させるための特別役を含み、前記役抽選手段による役の抽選において特別役に当選したときは、前記ストップスイッチが操作された後に前記第1リールが停止するまでの最大移動図柄数Kの範囲内において特別役に対応する図柄の組合せを常に有効ラインに停止させることが可能なように、特別役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が、各前記第1リールに配置されていることを特徴とする。
【0035】
請求項2の発明においては、特別役の当選後は、特別役に対応する第1リールの図柄の組合せを有効ラインに停止させることが可能となる。しかし、第1リールは第2リールと比較すると小さいために、第1リール上の図柄の識別性の程度によっては、遊技者のストップスイッチの操作によって、特別役に対応する第1リールの図柄の組合せを有効ラインに停止させることが容易でなくなる可能性がある。
【0036】
したがって、第1リールの最大移動図柄数Kの範囲内において特別役に対応する図柄の組合せを常に有効ラインに停止させることを可能にすることで、特別役の当選後には、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングにかかわらず、メインリール停止制御手段により、特別役に対応する第1リールの図柄の組合せを有効ラインに停止させる制御を行うことができるようになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明によるスロットマシン10全体を示す前面の正面図である。また、図2は、図1中、スロットマシン10のフロントマスク部12を開放し、基体部11の内部が見えるように図示した正面図である。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10の筐体は、基体部11と、基体部11の前面に取り付けられるフロントマスク部12とから構成されている。また、スロットマシン10内部には、第1リールユニット(上部リールユニット、又はメインリールユニット)30及び第2リールユニット(センターリールユニット、又はサブリールユニット)50が配置されている。
【0038】
基体部11は、木材等を組み立てて前面が開口された箱形に形成したものである。この基体部11の内部において、図2に示すように、下方部には、電源ユニット101及びメダルを貯留しておくホッパーを含むメダル払出し装置102が設けられている。
また、これらの電源ユニット101及びメダル払出し装置102上には、支持板103が設けられており、この支持板103上に第2リールユニット50が搭載されている。
【0039】
一方、フロントマスク部12は、基体部11の前面を覆うように基体部11に開閉可能に取り付けられたものである。
フロントマスク部12は、図1に示すように、前面側(遊技者側)に、スタートスイッチ41及びストップスイッチ42からなる操作スイッチ40や、メダル投入口43、メダル受け皿44等が配置されている。また、操作スイッチ40の上方部であってフロントマスク部12の中央部には、透明な第2表示窓12b(本発明における第2表示領域に相当するもの)が設けられている。そして、この第2表示窓12bから、基体部11内部の第2リール51群の一部が透視できるように構成されている。
【0040】
また、図1に示すように、フロントマスク部20の上方部、特に本実施形態では、第2表示窓12b(第2表示領域)に対して操作スイッチ40から遠ざかる側には、第1表示窓12a(本発明における第1表示領域に相当するもの)が設けられている。
そして、図2に示すように、第1リールユニット30は、フロントマスク部12の裏面側において、第1表示窓12aが形成された領域の後方に、サブ制御基板108等とともに配置されている。
【0041】
図3は、フロントマスク部12の裏面側に取り付けられている第1リールユニット30及びサブ制御基板108を含むユニットを前面側から見た斜視図である。また、図4は、第1リールユニット30より後方側のサブ制御基板108を含む部分を分解して背面側から見た斜視図である。
【0042】
第1リールユニット30は、本実施形態では、リング状の第1リール(上部リール、又はメインリール)31を3つ並設したものを備える(以下、3つの第1リール31全体を指すときは、第1リール31群という)。また、第1リール31の回転中心部には、それぞれモータ32(図示せず)が連結されており、このモータ32の駆動制御により、第1リール31の回転が制御される。さらにまた、各第1リール31の内周内側には、1つの図柄を背後から照光するためのバックランプ33(図1参照)が固定されている。
【0043】
さらに、図3及び図4に示すように、第1リールユニット30は、リールケース本体109及びリールケースカバー110の内部に収容されており、前面側が露出している。
さらにまた、リールケースカバー110の後部には、基板ケース本体111が取り付けられており、この基板ケース本体111にサブ制御基板108が装着された後、基板ケースカバー112によって覆われている。すなわち、サブ制御基板108は、第1リールユニット30の背後に配置されている。
【0044】
サブ制御基板108は、遊技中における演出を制御する基板であって、サウンドの出力、ランプ類の点灯、第2リール51群の動作制御等を行うものであり、演算等を行うCPU、演出プログラム及び演出データを記憶したROM、及び各データを一時的に記憶するRAM等を備えるものである。なお、後述するメイン制御基板104は、遊技全体を統括制御するものであるが、サブ制御基板108は、メイン制御基板104の下位に属する基板であり、演出の全体の制御を担当する制御基板である。
【0045】
また、サブ制御基板108とメイン制御基板104とは、図示しないハーネスにより電気的に接続されている。これにより、メイン制御基板104からサブ制御基板108に対して演出実行指令等を送信するように形成されている。
【0046】
さらにまた、各第1リール31には、複数種類の図柄(役を構成する図柄等)を印刷したリールテープが貼付されている。
図5は、正面から見て、左、中及び右の各第1リール31の外周面に表示された図柄配列をそれぞれ展開して示す平面図である。本実施形態では、各第1リール51には、13個の図柄が表示されている。そして、フロントマスク部12の第1表示窓12aから、各第1リール31の1つの図柄が見えるように配置されている。よって、フロントマスク部12の第1表示窓12aから、第1リール31群の合計3個の図柄が透視できるように配置されている。
【0047】
なお、図1では、各第1リール31の円周内側のバックランプ33を破線の円によって図示しているが、これらのバックランプ33の前方に位置する図柄がそれぞれ第1表示窓12aから透視できる図柄に相当する。
また、第1表示窓12aを含む部分には、図柄組合せラインL1(本発明における第1図柄組合せラインに相当するもの。図1中、2点鎖線で示す。)が設けられている。
ここで、「図柄組合せラインL1」とは、第1リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の1本が図柄組合せラインとして設けられている。
【0048】
なお、本実施形態では、各第1リール31を、第1表示窓12aから1図柄が見えるように配置していることに基づいて、図柄組合せラインL1は、1本に設定されている。しかし、例えば各第1リール31を、上下に連続する複数の図柄が見えるように配置した場合には、図柄組合せラインL1の数が増加することとなる。
【0049】
さらに、図柄組合せラインL1は、メダルの投入によって有効ラインとして設定される。
ここで、「有効ライン」とは、第1リール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときには、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行うラインである。
【0050】
そして、本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダル枚数(賭数)は、一律3枚に設定されており、1枚又は2枚では遊技を行うことができないようにしている。したがって、3枚のメダルの投入によって、図柄組合せラインL1が有効ラインとして設定される。
ただし、複数の図柄組合せラインL1を設けた場合において、メダル枚数が1枚又は2枚のときでも遊技を行うことが可能にしても良く、この場合には、投入されたメダル枚数に応じて、複数の図柄組合せラインL1の中から、有効ラインと無効ラインとを設定すれば良い。
なお、「無効ライン」とは、有効ラインとして設定されない図柄組合せラインであって、図柄の組合せの成立対象とならないラインをいう。
【0051】
説明を図2に戻す。
図2に示すように、基体部11内部には、略中央に第2リールユニット50が配置されるとともに、この第2リールユニット50の上部であって、基体部11内部における背面側には、メイン制御基板104が設けられている。メイン制御基板104は、第1リール31群の始動及び停止制御を含む、遊技の進行等の遊技全体を統括制御するための制御基板であり、図示しないが、演算等を行うCPU、遊技プログラムを記憶したROM、及び各データを一時的に記憶するRAM等を備えるものである。メイン制御基板104は、透明樹脂からなるケース105内に収容されている。ケース105は、メイン制御基板104を収容した後にかしめられており、メイン制御基板104を封印している。
【0052】
図6は、第2リールユニット50をより詳細に示す斜視図である。第2リールユニット50は、リング状の第2リール(センターリール、又はサブリール)51を3つ並設したものを備える(以下、3つの第2リール51全体を指すときは、第2リール51群という)。また、各第2リール51の回転中心部には、それぞれモータ52(図示せず)が連結されており、このモータ52の駆動制御により、第2リール51の回転が制御される。さらに、各第2リール51の内周内側には、上下に連続する3図柄を背後から照光するためのバックランプ53(図1参照)が固定されている。
【0053】
さらにまた、各第2リール51には、複数種類の図柄(役を構成する図柄等)を印刷したリールテープが貼付されている。
図7は、正面から見て、左、中及び右の各第2リール51の外周面に表示された図柄配列をそれぞれ展開して示す平面図である。本実施形態では、各第2リール51には、21個の図柄が表示されている。そして、フロントマスク部12の第2表示窓12bから、各第2リール51の上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、フロントマスク部12の第2表示窓12bから、第2リール51群の合計9個の図柄が透視できるように配置されている。
【0054】
なお、図1では、各第2リール51の円周内側のバックランプ53を破線の円によって図示しているが、これらの各バックランプ53の前方に位置する図柄がそれぞれ第2表示窓12bから透視できる図柄に相当する。
【0055】
また、図7に示すように、各第2リール51の図柄が表示された領域以外の領域には、各第2リール51の図柄配列方向に連続する1つの背景画像が表示されている。
図8は、図7中、各図柄を取り除いて背景画像のみを図示した平面図である。図8に示すように、第2リール51の背景画像は、第2リール51ごとに、図柄配列方向(図8中、上下方向)に連続する1つの画像であるが、3つの第2リール51においても連続し、全体として1つの背景画像が形成されている。
【0056】
すなわち、左、中及び右の各第2リール51が図8に示す位置で停止した場合には、図柄配列方向(図8中、上下方向)のみならず、第2リール51の並設方向(図8中、左右方向)においても背景画像が連続し、3つの第2リール51を合わせて全体として1つの背景画像が形成されるようになる。
【0057】
さらに本実施形態では、背景画像色の平均濃度は、図柄色の平均濃度より低くなるように形成されている。また、各図柄は、赤、青、黒等の複数色により形成されているが、背景画像は、淡色の1色によって形成されている。これにより、第2リール51に表示された各図柄を鮮明として識別性を担保しつつ、図柄とともに背景を表示することができるようになる。
【0058】
また、図1において、フロントマスク部12の第2表示窓12bを含む部分には、図柄組合せラインL2(本発明における第2図柄組合せラインに相当するもの。図1中、2点鎖線で示す。)が設けられている。
ここで、「図柄組合せラインL2」とは、第2リール51の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各第2リール51の上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組合せラインL2上に位置している。
【0059】
なお、本実施形態では、各第2リール51を、上下に連続する3図柄が見えるように配置していることに基づいて、図柄組合せラインL2は、5本に設定されている。しかし、例えば各第2リール51を、上下に連続する4図柄が見えるように配置した場合には、図柄組合せラインL2の数が変化することとなる。各第2リール51を、上下に連続する4図柄が見えるように配置した場合には、水平方向における図柄組合せラインL2の数は、4本となる。さらに、右下がり及び左下がりの斜め方向の各図柄組合せラインL2は、ぞれぞれ2本となる。よって、合計で8本の図柄組合せラインL2が形成されるようになる。
【0060】
さらに、5本の図柄組合せラインL2のうち、所定の図柄組合せラインL2が有効ラインに設定される。ここで本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダル枚数(賭数)は、一律3枚に設定されており、1枚又は2枚では遊技を行うことができないようにしている。そして、3枚のメダルの投入によって、全ての(5本の)図柄組合せラインL2を有効ラインに設定している。なお、このときは、第1リールユニット30の図柄組合せラインL1も、役の入賞に係わるラインとして有効ラインに設定される。
ただし、メダル枚数が1枚又は2枚のときでも遊技を行うことが可能にしても良く、この場合には、投入されたメダル枚数に応じて、図柄組合せラインL2の中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。
【0061】
ここで、図柄組合せラインL2の有効ラインとは、第2リール51の停止時に、遊技者に対して何らかの利益を付与する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインである。
一方、図柄組合せラインL2の無効ラインとは、例えばメダル投入枚数が1枚又は2枚のときに生じ、有効ラインとして設定されない図柄組合せラインであって、図柄の組合せの成立対象にならないラインである。
【0062】
また、メダルの投入枚数に応じて図柄組合せラインL2の有効ライン数を変化させる場合には、例えば以下のように有効ラインと無効ラインを設定することが挙げられる。
先ず、メダル投入枚数が1枚であるときには、水平方向中段の図柄組合せラインL2(1本)を有効ラインに設定するとともに残りの4本の図柄組合せラインL2を無効ラインに設定する。また、メダル投入枚数が2枚であるときには、水平方向中段、上段及び下段の図柄組合せラインL2(合計3本)を有効ラインに設定するとともに他の2本の図柄組合せラインL2を無効ラインに設定する。さらにまた、本実施形態のように、メダル投入枚数が3枚であるときには、全ての図柄組合せラインL2(合計5本)を有効ラインに設定し、無効ラインは存在しない。
【0063】
続いて、第1リール31と第2リール51との関係について説明する。
従来では、第2リール51が通常のリールに相当し、第1リール31は、演出出力用のリールに相当する。
しかし、本実施形態では、第2リールユニット50の各第2リール51は、その回転若しくは停止動作、又は最終的位置での各第2リール51の図柄の組合せのうち少なくとも1つによって、演出を行うものである。また、第1リールユニット30の各第1リール31は、従来より一般的なスロットマシンに設けられているリールと同等の機能を果たすものであり、停止時の各第1リール31の図柄の組合せにより、遊技結果を表示するものである。
【0064】
本実施形態では、第1リール31は、第2リール51より小さく形成されている。すなわち、第1リール31の直径をL、第2リール51の直径をL’としたとき、
L’>L
としている。
より具体的には、本実施形態では、第1リール31の直径は、約120mm、横幅は、約44.5mmとした。これに対し、第2リール51の直径は、約230mm、横幅は、約80mmとした。すなわち、第1リール31の直径及び横幅の双方が、それぞれ第2リール51の直径及び横幅より小さく形成されている。これに伴い、第1表示窓12aの領域は、第2表示窓12bの領域より小さく形成されている。
【0065】
ここで、従来では、遊技結果を表示するリール上の図柄の表示領域と、演出出力装置の表示領域との関係は、演出出力装置の表示領域の方が小さいのが普通である。
このように形成されるのは、遊技結果は、リール(本実施形態の第1リール31に相当するもの)の停止時の図柄の組合せにより決定されるのであって、演出出力装置の表示内容によって決定されるものではないからである。すなわち、演出出力装置は、遊技結果が決定するまで(少なくとも1つのリールの回転中)、あるいは遊技結果が決定した後(全てのリールの停止後)に、当該遊技又は当該遊技前の役の当選可能性がどの程度有するか等を報知し、遊技の進行において補助的役割を有する装置だからである。
【0066】
例えば、前述の特許文献1の段落番号「0168」においても、「演出用リールの径が可変表示装置を構成するリールの径よりも小径となるように構成されているため、ゲームの進行を実行する重要なリールを、演出用リールよりも遊技者に対して効果的に視認させることができる」旨が開示されている。
【0067】
しかし、本実施形態では、スロットマシン10において中心となるリール群である第2リール51群を、演出を出力するためのリール群に設定するとともに、その上部に配置された(第2リール51群より小さい)第1リール31群を、遊技結果を表示するためのリール群に設定している。
そして、第1リール31と第2リール51との大きさの関係、及び第1表示窓12aと第2表示窓12bとの大きさの関係を上述のように設定し、さらには図1に示すように、前面側から見て、操作スイッチ40の上部に第2リールユニット50(第2表示窓12b)を配置し、その第2リールユニット50から操作スイッチ40に対して遠ざかる側に第1リールユニット30(第1表示窓12a)を配置している。
いいかれば、前面側から見て、第1リールユニット30(第1表示窓12a)と操作スイッチ40との間に、第2リールユニット50(第2表示窓12b)を配置している。
【0068】
このような構成とすることにより、前面側から見て、スロットマシンの略中央に位置するリール、すなわち遊技者が遊技を行っている時に最も見やすく、かつ第1リール31以上に視界に入りやすい第2リール51を演出のためのリールにすることで、従来と同様に、リールの停止状況を見ながら遊技が進行することを維持しつつ、演出が中心となって遊技が進行することとなる。
特に、詳細は後述するが、第2リール51を演出のためのリールに設定することによって、従来の遊技結果を表示するためのリールでは実現することができなかった、多種多様な動きを、スロットマシンの中心となるリールに行わせることができる。
【0069】
一方、本実施形態では、第1リール31の直径をL、第2リール51の直径をL’としたときに、
L≧L’/2
を満たすようにした。
さらにまた、第1リール31及び第2リール51の各直径L及びL’の大きさの関係、及び後述する第1リール31及び第2リール51の停止制御を考慮して、第1リール31の図柄数Nと、第2リール51の図柄数N’との関係を、
N’>N>N’/2
とした。
【0070】
さらに本実施形態では、第1リール31の図柄の配列ピッチである(L×π)/Nと、第2リール51の図柄の配列ピッチである(L’×π)/N’との関係を、
(L×π)/N≦(L’×π)/N’
とした。
【0071】
ここで、N’=21個に設定した場合に、N/N’の値がL/L’の値に最も近くなるようにNを決定すれば、N=11個となる。しかし、本実施形態では、第1リール31の図柄配列間隔を第2リール51の図柄配列間隔よりやや狭めとし、N=13個とした。
【0072】
これにより、遊技者による第1リール31及び第2リール51上の図柄の視認性を確保しつつ、第1リール31に表示可能な図柄数と、第2リール51に表示可能な図柄数とのバランスをとるようにした。
特に、第1リール31の図柄が必要以上に小さくなってしまうと、第1リール31の回転中の図柄の識別性が劣ることとなる。経験上は、図柄は、縦25mm以上、横35mm以上であることが好ましい。そこで本実施形態では、第1リール31の横幅を上述のように約44.5mmとすることで、1図柄領域における横の長さを35mm以上確保できるようにした。さらに、第1リール31の直径Lを約120mmにし、かつ第1リール31の図柄数Nを13個にすることで、1図柄領域における縦の長さを25mm以上確保できるようにした。
【0073】
また、第1リール31の直径L及び図柄数Nと、第2リール51の直径L’及び図柄数N’との関係に見合うように、第1リール31の外部(第1表示窓12a)から透視できる図柄数Rと第2リール51の外部(第2表示窓12b)から視認できる図柄数R’との関係、及び、第1リールユニット30における図柄組合せラインL1の数Pと第2リールユニット50における図柄組合せラインL2の数P’との関係を、それぞれ、
R<R’
及び、
P<P’
とした。
【0074】
特に本実施形態では、第2リール51の外部から視認できる図柄数R’は3個であるのに対し、第1リール31の外部から視認できる図柄数Rは1個である。また、第2リールユニット50における図柄組合せラインL2の数P’は5本であるのに対し、第1リールユニット30における図柄組合せラインL1の数Pは1本である。
【0075】
ただし、上記のようにR=1、P=1以外に、各第1リール31の連続する2図柄が第1表示窓12aから視認できるようにし、水平方向2本を図柄組合せラインL1に設定することも可能である。すなわち、R=2、P=2に設定することも可能である。
【0076】
ところで、第1リール31及び第2リール51の図柄数NとN’との関係を上述のように設定したのは、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作されたときに、そのストップスイッチ42に対応する第1リール31及び第2リール51を停止させるように制御するが、ストップスイッチ42が操作された時から第1リール31及び第2リール51が停止するまでの、第1リール31及び第2リール51の最大移動回転角度をほぼ一定にするためである。このようにすることで、第1リール31及び第2リール51とを、ともに、遊技者に違和感を与えないように停止させることができるとともに、第1リール31及び第2リール51の停止制御により、有効ライン上に停止させるべき図柄の組合せに、ある程度の幅を持たせることが可能となるからである。
【0077】
ここで、従来より、第1リール31に相当するリールの停止制御は、役の当選時には、遊技者がその当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに比較的容易に停止させることができるようにするため、ストップスイッチ42が操作された後に実際にリールが停止するまで、一定数の図柄を移動可能に制御している。一方、ストップスイッチ42の操作後は、不自然にリールが停止しないように、ストップスイッチ42のオンを検知した位置から、リールが停止するまでの時間は、通常、190ms以下に設定されている。また、リールの回転時には、リール上の図柄をおおむね識別できるようにするため、リールの回転速度は、1分間に80回転を超えないように設定されている。
【0078】
以上を考慮して、従来では、リール上の図柄を21個としたとき、ストップスイッチ42のオンを検知してからリールが停止するまでの最大移動図柄数は、ストップスイッチ42のオンを検知した瞬間に位置する図柄を含めて5図柄に設定されている。
そして、本実施形態においては、第2リール51の最大移動図柄数を、原則として5図柄に設定している。
【0079】
この場合に、第1リール31の最大移動図柄数をK、第2リール51の最大移動図柄数をK’としたとき、第1リール31の回転速度及び停止制御を、第2リール51に準じるようにするためには、第1リール31の図柄数Nと第2リール51の図柄数N’との関係より、
K<K’
に設定される。
特に本実施形態では、
K≧K’/2
に設定している。
【0080】
さらには、第1リール31の最大移動図柄数Kを、
(N×K’)/N’
以下の整数の最大値に設定している。
すなわち、第1リール31の図柄数Nを13個、第2リール51の図柄数N’を21個とし、かつ第2リール51の最大移動図柄数K’を5個としたとき、
K=13×5/21≒3.095
となる。
よって、3.095以下の整数の最大値は3であるので、第1リール31の最大移動図柄数を3図柄とした。
【0081】
なお、第1リール31の図柄数Nが少なすぎると、それに応じて停止時の最大移動図柄数Kが少なくなる。例えば、上述したように、N/N’の値がL/L’の値に最も近くなるようにNを決定すれば、N=11個であるが、この場合には、最大移動図柄数Kが2図柄となってしまう。これにより、第1リール31の停止時における図柄の組合せ総数、あるいは第1リール31の図柄配列が制約を受けやすくなる。
【0082】
このため、本実施形態では、上述のように第1リール31の図柄配列間隔を第2リール51の図柄配列間隔よりやや狭めとし、
N>N’/2
とすることで、第1リール31を小さく形成しつつも、第2リール51に準じた停止制御を行ったときの第1リール31の十分な最大移動図柄数Kを確保するようにした。特に本実施形態では、N=13個とすることで、第1リール31の停止制御を第2リール51に準じるようにしつつ、第1リール31の最大移動図柄数Kが3図柄となるようにした。
【0083】
ここで、図5において、例えば左第1リール31の図柄に着目すると、1番上から順に、「スイカ」、「ぶどう」、及び「レモン」の図柄が配列されているが、3番目の「レモン」の位置が有効ライン上に位置する瞬間にストップスイッチ42が操作されれば、この「レモン」の他、その上の「ぶどう」、さらにその上の「スイカ」を有効ラインに停止させることができる。
【0084】
そして、図5の例では、左第1リール31については、「スイカ」及び「ぶどう」は、4図柄以内の間隔で配置されている。これにより、左第1リール31については、どの位置でストップスイッチ42が操作されても「スイカ」及び「ぶどう」を有効ラインに停止させることが可能となる。
【0085】
また、中第1リール31の「桃(例えば、1番上の図柄)」及び「ぶどう(例えば、上から2番目の図柄)」についても同様に配列されている。さらにまた、右第1リール31の「桃(例えば、1番上の図柄)」及び「レモン(例えば、上から2番目の図柄)」についても同様に配列されている。
【0086】
したがって、「スイカ/ぶどう」−「桃/ぶどう」−「桃/レモン」の図柄の組合せ(全部で8通り)に対応させた役については、どの位置でストップスイッチ42が操作されても、常に、有効ラインに停止させることができる。いいかえれば、その役は、第1リール31の停止制御によって、常に入賞させることができる。
【0087】
なお、前述の特許文献1では、演出用リールに表示される図柄数は5図柄であるが、この場合の図柄間の距離は、演出用リールの中心からの角度に換算すると、72度となる。すなわちこのことは、従来より一般的なリール(特許文献1ではゲーム用リールに相当)の停止制御に準じて演出用リールの停止制御を行う場合、すなわちゲーム用リールと演出用リールとを同等の最大回転移動角度の範囲内で停止させる場合には、演出用リールの最大移動図柄数は、ストップスイッチのオンを検知した瞬間に位置する図柄を含めて1図柄となることを意味する。
【0088】
この場合に、例えば演出用リールの5図柄のうち、1つの図柄を、大当たりを意味する「7」の図柄とした場合、その「7」の図柄の直前の図柄が有効ラインを通過した直後にストップスイッチをオンにすれば、上記の制御では、「7」を有効ラインに停止せざるを得ないこととなる。したがって、この操作を全ての演出用リールについて行えば、演出用リールは、大当たりを意味する「7」−「7」−「7」の図柄の組合せを有効ラインに停止せざるを得ないこととなる。このことから、上記特許文献1の発明では、演出用リールを、ゲーム用リールと同等の従来より一般的に行われている停止制御を行うことはできないこととなる。
【0089】
なお、上記特許文献1において、演出用リールの回転速度をゲーム用リールの回転速度より速くすれば、演出用リールの最大移動図柄数を、ストップスイッチのオンを検知した瞬間に位置する図柄を含めて2図柄とすることも不可能ではないと考えられる。しかし、ゲーム用リールと演出用リールとの回転速度差を大きくしてしまうと、両者のリールの回転時の一体感が損なわれる。また、演出用リールは、ゲーム用リールより大きさが小さいので、演出用リールの回転時の図柄の識別性は、ゲーム用リールと比較すれば劣ってしまうが、回転速度を速くすることは、さらに識別性を劣らせることとなり、好ましくない。
【0090】
そこで、本実施形態では、第1リール31の回転速度が約78.13rpm(1周時間が約768ms)となり、第2リール51の回転速度が約79.87rpm(1周時間が約751ms)となるように制御している。
具体的には、第1リール31を回転させるためのモータ32、及び第2リール51を回転させるためのモータ52を、ともに、1回転当たり400のステップ数とする。そして、メイン制御手段60aは、モータ32について、1ステップ当たりの回転駆動時間(割込み時間)を約1.92msに制御する。これにより、モータ32の1回転時間を、(1.92ms×400ステップ=)約768msに制御することができる。
これに対し、サブ制御手段60bは、モータ52について、1ステップ当たりの回転駆動時間(割込み時間)を約1.878msに制御する。これにより、モータ52の1回転時間を、(1.878ms×400ステップ=)約751msに制御することができる。
【0091】
このように設定することで、第1リール31の回転速度と第2リール51の回転速度とは、近似するが同一ではない、すなわち同期していないこととなる。よって、第2リール51を第1リール31の目押し補助として用いることができないようにすることができる。すなわち、第2リール51の回転中の特定の図柄を識別することによって、第1リール31の特定の図柄を目押しする(停止するように狙う)ことができないようにすることができる。
【0092】
なお、第1リール31と第2リール51との回転速度が同期しないように設定する場合には、第1リール31が最大回転速度に達したときの回転速度と、第2リール51が最大回転速度に達したときの回転速度とが同期しないように設定すれば良い。
例えば、第1リール31の回転開始時から最大回転速度(等速度)に達するまでの加速域と、第2リール51の回転開始時から最大回転速度(等速度)に達するまでの加速域とにおいて、第1リール31と第2リール31との回転速度が一致する瞬間が存在したとしても、通常は、役の入賞に直接関係する第1リール31の上記加速域ではストップスイッチ42を有効にしないようにし、第1リール31が等速度に達した後にストップスイッチ42を有効にしている。したがって、第1リール31及び第2リール51の回転速度がともに等速度である最大回転速度に達したときに、両者の回転速度が同期しないように制御すれば、第2リール51を第1リール31の目押し補助として用いることができないようにすることができるからである。
【0093】
続いて、スロットマシン10の制御について説明する。図9は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10の遊技制御手段60は、スロットマシン10の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する手段であり、役の抽選、第1リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するメイン制御手段60aと、演出の出力を制御するサブ制御手段60bとを備える。メイン制御手段60aは、上述のメイン制御基板104上に実装されているCPU、ROM及びRAM等から構成されたものである。また、サブ制御手段60bは、上述のサブ制御基板108上に実装されているCPU、ROM及びRAM等から構成されたものである。
【0094】
また、図9に示すように、メイン制御手段60aの入力側(図9中、左側)には、上述のスタートスイッチ41、及びストップスイッチ42の操作スイッチ40が電気的に接続されている。スタートスイッチ41は、第1リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。また、ストップスイッチ42は、3つの第1リール31に対応して3つ設けられ、対応する第1リール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0095】
また、メイン制御手段60aの出力側(図9中、右側)には、第1リールユニット30の各第1リール31に連結された、第1リール31の駆動を制御するためのモータ32が電気的に接続されている。
そして、スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60aに入力される。メイン制御手段60aは、この信号を受信すると、全てのモータ32を回転させるように制御する。このようにして第1リール31がモータ32によって回転されることで、第1リール31上の図柄は、所定の速度で第1表示窓12a内で上下方向に移動表示される。
【0096】
また、メイン制御手段60aは、スタートスイッチ41が操作された信号を受信したときには、上記のように第1リール31群を始動するように制御するが、さらに、スタートスイッチ41が操作された旨の信号をサブ制御手段60bに送信する。そして、サブ制御手段60bは、スタートスイッチ41が操作された旨の信号がメイン制御手段60aから送信されてきたときに、第2リール51群を始動するように制御する。
ここで、メイン制御手段60aは、スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信した後、所定時間だけ遅延させて、スタートスイッチ41が操作された旨の信号をサブ制御手段60bに送信するように制御する。
【0097】
特に本実施形態では、ソフトウェア乱数等によってランダムに、0〜39msの範囲で遅延時間を決定し、決定された遅延時間の経過後に、スタートスイッチ41が操作された旨の信号がサブ制御手段60bに送信されるようにする。
これにより、第1リール31と第2リール51との始動のタイミングが異なるように設定することができるので、より確実に、第2リール51を第1リール31の目押し補助として用いることができないようにすることができる。例えば39msの遅延時間が発生すると、第2リール51上の図柄で約1図柄分のズレが生じる。
【0098】
なお、本実施形態では、スタートスイッチ41が操作された旨の信号に限らず、ストップスイッチ42が操作された旨の信号等、メイン制御手段60aからサブ制御手段60bに送信する全ての信号に対して、上記のように遅延時間を設けている。
【0099】
さらにまた、ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60aに入力される。メイン制御手段60aは、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を制御して、第1リール31の停止制御を行う。
【0100】
さらに、サブ制御手段60bの出力側には、第2リールユニット50の各第2リール51に連結された、第2リール51の駆動を制御するためのモータ52が電気的に接続されている。またさらに、サブ制御手段60bの出力側には、ランプ21及びスピーカ22が電気的に接続されている。
【0101】
ここで、ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、上述した第1リールユニット30の各第1リール31の内周側に配置されたバックランプ33や、第2リールユニット50の各第2リール51の内周側に配置されたバックランプ53が含まれる。さらには、スロットマシン10の筐体前面上部に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ等が挙げられる。
【0102】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。本実施形態では、図1及び図2に示すように、前面側から見て第1表示窓12aの左右両側に設けられている。
なお、図9では図示しないが、ランプ21及びスピーカ22以外の演出出力装置として、例えばドット表示器や液晶表示器を用いて演出画像を表示する演出出力装置を設けても良い。
【0103】
通常遊技では、遊技者は、メダル投入口43からメダルを3枚投入等して、第1表示窓12aの図柄組合せラインL1を有効ラインにする。そして、スタートスイッチ41をオンする。スタートスイッチ41がオンされることで、全ての第1リール31が始動される。
【0104】
そして、遊技者は各ストップスイッチ42を押すことで各第1リール31の回転を停止させる。全ての第1リール31の停止時に、有効ライン上の第1リール31の図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致し、その役の入賞となったときは、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。
なお、本実施形態では、原則として、スタートスイッチ41がオンされることで、全ての第2リール51も始動される。また、原則として、各ストップスイッチ42が押されたときに、そのストップスイッチ42に対応する第2リール51の回転が停止される。この第2リール51の始動及び停止制御については、後述する。
【0105】
遊技制御手段60のうち、メイン制御手段60aは、以下の役抽選手段61〜特別遊技制御手段69を備える。また、サブ制御手段60bは、以下の特定遊技制御手段81〜第2リール動作制御手段84を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0106】
役抽選手段61は、予め設けられた役の抽選を行うものである。ここで、役には、特別役、小役、及びリプレイが挙げられる。
特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる遊技)に移行させる役である。特別役としては一般に、BB(ビックボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、及びSB(シングルボーナス)が挙げられる。なお、BB、RB及びSBは、それぞれ、特別遊技の1つであるBB遊技、RB遊技及びSB遊技に移行させる役である。
【0107】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役である。小役の種類に応じて、メダルの払出し枚数が異なるように設定されている。
さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0108】
図10は、本実施形態における役の種類と払出し枚数等、及び図柄の組合せを併せて示す図である。図10に示すように、本実施形態では、特別役としてSBのみが設けられており、BB及びRBは設けられていない。また、小役として、2種類(小役1及び小役2)が設けられている。さらに、SBの入賞によりSB遊技に移行したときには、SB遊技中の役として、所定役が設けられている。
そして、これらの各役に対応する第1リール31の図柄の組合せが予め定められている。また、各役に対応する第2リール51の図柄の組合せもまた、予め定められている。
【0109】
役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0110】
役抽選手段61の乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する抽選テーブル63と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が小役1当選領域に属する場合は、小役1の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0111】
役抽選手段61は、図10に示したように、通常遊技中は、特別役であるSB、2種類の小役(小役1及び小役2)、リプレイ及び非当選の中から、抽出した乱数値に基づいて、当選役あるいは非当選を判定する。
【0112】
SB当選確率抽選手段62は、遊技中に、SBの当選確率を変動させるため、毎遊技ごとに、抽選を行うものである。本実施形態では、SBの当選確率として、通常確率と高確率(本実施形態では通常確率の10倍)との2種類を備えている。スロットマシン10の電源投入直後は、通常確率に設定される。そして、毎遊技ごとに、SB当選確率抽選手段62により、SBの当選確率を高確率にするか否かの抽選が行われる。高確率に当選した後も、SB当選確率抽選手段62は、さらに抽選を継続する。この場合には、SBの当選確率を高確率から通常確率に戻すか否かの抽選を行う。
【0113】
そしてこの抽選で当選したときは、SBの当選確率が高確率から通常確率に戻される。通常確率に戻されると、上述のように、再度、SB当選確率抽選手段62は、SB当選確率を高確率にするか否かの抽選を行う。以上より、遊技中のSB当選確率は、通常確率と高確率とを行き来することとなる。
【0114】
抽選テーブル63は、各役の当選確率を定めたものである。抽選テーブル63は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有するとともに、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
なお、図示しないが、各役の当選領域及び非当選領域は、出玉率の設定値ごとに定められている。
【0115】
また、抽選テーブル63は、SBの当選確率が通常確率に設定された抽選テーブル63と、高確率に設定された抽選テーブル63とを備えている。SBの当選確率が通常確率に設定されているときには、役抽選手段61は、SBの当選確率が通常確率に設定された抽選テーブル63を用いて役の抽選を行う。また、SBの当選確率が高確率に設定されているときには、役抽選手段61は、SBの当選確率が高確率に設定された抽選テーブル63を用いて役の抽選を行う。
【0116】
抽選結果記憶手段64は、役抽選手段61による役の抽選結果を記憶するためのものである。抽選結果記憶手段64は、全ての役ごとに当選役フラグを備えており、例えばいずれかの役に当選した場合にはその役に対応する当選役フラグをオンにすることで、各役の当選/非当選を記憶する。
【0117】
第1リール停止制御手段65は、抽選結果記憶手段64に記憶されている役の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミングとに基づいて、停止位置決定テーブル66を参照して第1リール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置に第1リール31が停止するように制御するものである。
【0118】
例えば、第1リール停止制御手段65は、小役又はリプレイに当選した遊技では、第1リール31の停止可能位置の範囲内において、当選した小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように第1リール31を停止制御するとともに、当選した小役又はリプレイ以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように第1リール31を停止制御する。
【0119】
停止位置決定テーブル66は、役抽選手段61による役の抽選結果、すなわち抽選結果記憶手段64に記憶されている各役に係る当選役フラグのオン/オフの状態と、ストップスイッチ42が操作された瞬間の第1リール31の位置とから、第1リール31の図柄の停止位置を定めたものである。停止位置決定テーブル66は、当選した役ごとの停止位置決定テーブル66、及び非当選時(いずれの役にも当選していないとき)の停止位置決定テーブル66とが設けられている。
【0120】
例えば、いずれの役にも当選していないときに用いられる停止位置決定テーブル66は、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、第1リール31の停止位置が定められている。また、小役又はリプレイの当選時に用いられる停止位置決定テーブル66は、第1リール31の停止可能位置の範囲内において、その当選した小役又はリプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するように、第1リール31の停止位置が定められている。
【0121】
以上の停止位置決定テーブル66を用いて、第1リール停止制御手段65は、いずれかの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるときは、第1リール31の停止可能位置の範囲内において、その役に対応する図柄の組合せを構成する図柄の引込み制御を行う。すなわち、ストップスイッチ42のオンを検知した位置で直ちに第1リール31を停止させると、その役に係る図柄が有効ラインに停止しないときには、第1リール31を停止時に移動制御することにより、有効ラインにその役に係る図柄を積極的に停止させるように制御する。
【0122】
図10に示すように、本実施形態では、各当選役に対応する第1リール31の図柄の組合せがそれぞれ定められているが、上述したように、これらの各役に対応する図柄の組合せは、小役2を除き、第1リール31の停止制御の範囲内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄位置を含めて3図柄以内)で、常に、有効ラインに停止させることができる。すなわち、小役2を除く役の当選時は、遊技者は、特定の図柄を狙ってストップスイッチ42を操作しなくても(目押しをすることなく)、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。特に、第1リール31の図柄は、第2リール51の図柄より小さいために、第1リール31では特定の図柄を狙ってストップスイッチ42を操作することが容易でなくなることが考えられるが、本実施形態のようにすれば、それを防止することができる。
【0123】
一方、小役2の当選時は、左第1リール31の図柄において、図5中、上から6番目(「桃」の図柄)〜8番目の図柄が有効ライン上に位置する瞬間にストップスイッチ42が操作されれば、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。しかし、それ以外の図柄が有効ライン上に位置する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、小役2に対応する図柄の組合せは有効ラインに停止しない。
【0124】
よって、小役2以外の役の当選時には、常に、その役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するが、小役2の当選時には、ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、小役2に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するときもあれば、停止しないときもある。
【0125】
さらにまた、SBの当選時、及びSB遊技中に用いられる停止位置決定テーブル66は、ストップスイッチ42が所定の操作順番で操作されたときに限って、第1リール31の停止可能位置の範囲内において、役(SBの当選時はそのSB、及びSB遊技中における所定役の当選時は、その所定役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、第1リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。いいかえれば、ストップスイッチ42が所定の操作順番以外の操作順番で操作されたときは、SB及び所定役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、第1リール31の停止時の図柄の組合せを定めている。
【0126】
ここで、左、中、右第1リール31にそれぞれ対応するストップスイッチ42を、左、中、右で表すと、ストップスイッチ42の操作順番としては、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6通り挙げられる。
そして、以上のような制御を実行するため、第1リール停止制御手段65は、SB又は所定役の当選時は、それぞれ6通りの操作順番から、いずれか1つの操作順番を選択する。この選択は、例えばソフトウェア乱数を用いた抽選により行う。また、6つの操作順番の選択確率は、それぞれ1/6(均等)に設定されている。
【0127】
例えば「左中右」の操作順番が選択された場合において、「左中右」の操作順番でストップスイッチ42が操作されたときは、当選役(SB又は所定役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、「左中右」以外の操作順番でストップスイッチ42が操作されたときは、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する。
【0128】
このように、SB又は所定役に当選したときは、いずれか1つの操作順番が選択されるので、その当選したSB又は所定役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるためのストップスイッチ42の操作順番が決定される。
そして、SB又は所定役に当選したときは、第1リール停止制御手段65は、選択した操作順番に基づき、ストップスイッチ42の操作順番に応じた第1リール31の停止制御を行う。このため、メイン制御手段60aは、SB又は所定役に当選したときは、ストップスイッチ42の操作順番を検出する。
【0129】
上述したように、ストップスイッチ42は、各第1リール31ごとにそれぞれ設けられているが、メイン制御手段60aは、第1番目(最初)にオンされたストップスイッチ42が左、中、右の第1リール31のうち、どの第1リール31に対応するストップスイッチ42であるか、さらに2番目にオンされたストップスイッチ42が左、中、右の第1リール31のうち、どの第1リール31に対応するストップスイッチ42であるかを検出する。各ストップスイッチ42には、それぞれオンされたときに、識別信号がメイン制御手段60aに送信され、メイン制御手段60aは、その識別信号に基づいてストップスイッチ42の操作順番を検出する。
【0130】
例えば、SB又は所定役の当選時に、「左中右」の操作順番が選択され、最初(1番目)に左第1リール31に対応するストップスイッチ42が操作されたときは、第1リール停止制御手段65は、その当選したSB又は所定役を入賞させる(SB又は所定役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる)停止位置決定テーブル66を選択する。そして、第1リール停止制御手段65は、選択した停止位置決定テーブル66に基づいて、左第1リール31の停止制御を行う。
【0131】
これに対し、最初に中又は右第1リール31に対応するストップスイッチ42が操作されたときは、第1リール停止制御手段65は、いずれの役も入賞させない停止位置決定テーブル66を選択する。そして、第1リール停止制御手段65は、選択した停止位置決定テーブル66に基づいて、それぞれ操作されたストップスイッチ42に対応する第1リール31の停止制御を行う。
【0132】
また、最初に左第1リール31に対応するストップスイッチ42が操作され、2番目に中第1リール31に対応するストップスイッチ42が操作されたときは、第1リール停止制御手段65は、最初に選択した停止位置決定テーブル66の選択を維持し、この停止位置決定テーブル66に基づき、2番目の中第1リール31、さらには3番目の右第1リール31の停止制御を行う。
【0133】
これに対し、最初に左第1リール31に対応するストップスイッチ42が操作されたが、2番目に右第1リール31に対応するストップスイッチ42が操作されたときは、第1リール停止制御手段65は、最初に選択した停止位置決定テーブル66に代えて、いずれの役も入賞させない停止位置決定テーブル66を選択し、この停止位置決定テーブル66に基づき、2番目の右第1リール31、さらには3番目の中第1リール31の停止制御を行う。
【0134】
以上のような第1リール31の停止制御を行えば、SB又は所定役に当選した場合において、「左中右」の操作順番が選択されたとき、その操作順番でストップスイッチ42が操作されたときは当選したSB又は所定役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止し、「左中右」以外の操作順番でストップスイッチ42が操作されたときは、当選したSB又は所定役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないようになる。
以上は、他の操作順番「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」が選択されたときも同様である。
【0135】
停止図柄判別手段67は、第1リール31の停止時に、有効ラインに停止した図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判別するものである。停止図柄判別手段67は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判別する。
【0136】
なお、停止図柄判別手段67は、第1リール31が実際に停止してから図柄の組合せを判別するのではなく、ストップスイッチ42が操作された瞬間の第1リール31の位置から、選択された停止位置決定テーブル66によって第1リール31の停止位置が定められた時点で、有効ライン上の図柄の組合せを判別することも可能である。
【0137】
入賞処理手段68は、停止図柄判別手段67により、第1リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判別され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じた所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時は、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
【0138】
特別遊技制御手段69は、通常遊技から特別遊技(本実施形態ではSB遊技)への移行、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技から通常遊技への移行等を制御するものである。
先ず、特別遊技制御手段69は、有効ラインに停止した図柄の組合せが特別役に対応する図柄の組合せと一致し、特別役が入賞したことを条件として、通常遊技から特別遊技に移行するように制御する。
【0139】
また、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときには、それ以前に、抽選結果記憶手段64に特別役に係る当選役フラグがオンになっているので、メイン制御手段60aは、特別役に係る当選役フラグをオンからオフにする。
【0140】
特別遊技制御手段69は、特別遊技に移行すると、1遊技だけ、所定役がほぼ当選する(例えば99%の確率で当選する)遊技を行う。そして、特別遊技制御手段69は、この遊技が終了したときには、特別遊技を終了させるとともに、通常遊技に戻るように制御する。
【0141】
特定遊技制御手段81は、特定遊技全体を制御するための手段であって、以下の特定遊技抽選手段81a及び特定遊技実行手段81bを備える。
特定遊技抽選手段81aは、特定遊技を実行するか否かを抽選によって決定するものであり、例えばソフトウェア乱数を用いて抽選する。特に本実施形態では、SB当選確率抽選手段62により、SBの当選確率が高確率に設定されているときに限って特定遊技を実行するか否かの抽選を行う。したがって、SBの当選確率が通常確率のときは、特定遊技は実行されない(ただし、演出の1つとして実行される場合がある)。
【0142】
さらに本実施形態では、特定遊技として、3種類の特定遊技(第1特定遊技、第2特定遊技、及び第3特定遊技)が設けられている。そして、特定遊技抽選手段81aは、特定遊技を実行することに決定したときは、第1特定遊技、第2特定遊技、及び第3特定遊技のうち、いずれの特定遊技を実行するかを併せて決定する。例えば、第1特定遊技、第2特定遊技、及び第3特定遊技ごとに、決定される確率が予め設定されており、その確率に従い、いずれか1つの特定遊技を、ソフトウェア乱数を用いて決定する。例えば本実施形態では、第1特定遊技に決定される確率が約77%、第2特定遊技に決定される確率が約20%、第3特定遊技に決定される確率が約3%に設定されている。
【0143】
ここで、本実施形態において、「特定遊技」とは、SBの当選時、及びSB遊技中の所定役の当選時に、ストップスイッチ42の操作順番が報知される遊技であって、その報知に従うことで、通常遊技以上に、遊技者にとって有利となる遊技(メダル獲得が通常遊技時以上に期待できる遊技)である。
より具体的には、SBの当選時、及びSB遊技中の所定役の当選時には、いずれか1つのストップスイッチ42の操作順番が選択されるが、特定遊技は、特定遊技実行手段81bにより、その選択された操作順番が遊技者に対して報知される遊技である。
【0144】
上述のように、第1リール停止制御手段65は、SBの当選時、及びSB遊技中の所定役当選時は、いずれか1つのストップスイッチ42の操作順番を選択するが、ここで選択された操作順番の情報は、サブ制御手段60bに送信される。そして、特定遊技実行手段81bは、受信した操作順番の情報に従い、その操作順番を報知するように制御する。報知方法としては種々の方法が挙げられるが、例えば画像表示装置を用いて報知する方法、又は第1リールユニット30のバックランプ33若しくは第2リールユニット50のバックランプ53を用いて報知する方法(操作すべきストップスイッチ42に対応する第1リール31又は第2リール51のみをそれぞれバックランプ33又はバックランプ53によって点灯させ、他を消灯させる方法等)が挙げられる。
【0145】
以上より、特定遊技が実行されると、SBの当選時及びSB遊技中の所定役当選時には、それぞれSB及び所定役を入賞させるためのストップスイッチ42の操作順番が報知されるので、遊技者は、その報知内容に従ってストップスイッチ42を操作すれば、必ずSB及び所定役を入賞させることができる。これにより、特定遊技中は、SB及びSB遊技中の所定役の入賞率が高まるので、特定遊技以外の遊技以上に、メダル獲得枚数を増加させることが可能となる。
【0146】
また、特定遊技実行手段81bは、第1特定遊技に決定されたときは、特定遊技を5遊技継続するように制御する。そして、6遊技目以降は、毎遊技、特定遊技制御手段81は、特定遊技を終了させるか否かの抽選を、例えばソフトウェア乱数を用いて行う。そして、特定遊技実行手段81bは、その抽選の結果、特定遊技を終了することに決定されるまで特定遊技を継続し、特定遊技を終了することに決定されたときは、特定遊技を終了するように制御する。
【0147】
さらにまた、特定遊技実行手段81bは、第2特定遊技に決定されたときは、特定遊技を20遊技継続するように制御する。そして、20遊技の終了時に、特定遊技実行手段81bは、特定遊技を終了するように制御する。
さらに、特定遊技実行手段81bは、第3特定遊技に決定されたときは、特定遊技を50遊技継続するように制御する。そして、50遊技の終了時に、特定遊技実行手段81bは、特定遊技を終了するように制御する。
【0148】
動作パターン記憶手段82は、第2リール51の最終停止位置、又は第2リール51の最終停止位置とともに第2リール51の動作を定めた複数種類の動作パターンを記憶するものである。
ここで、動作パターンは、役抽選手段61による役の抽選結果や、特定遊技抽選手段81aによる抽選結果に対応して、各第2リール51の最終停止位置を定めている。
【0149】
例えば、役抽選手段61による役の抽選で非当選のときに対応する動作パターンでは、図10に示すように、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せや、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、第2リール51の最終停止位置が定められている。
【0150】
なお、図7中、「ベル」の図柄は、例えば左第1リール51の一番上等に表示されている図柄である。また、「リプレイ」の図柄は、例えば左第1リール51では上から3番目等に表示されている図柄である。
【0151】
さらにまた、図10に示すように、役抽選手段61でSB、小役1、又は所定役に当選したときに対応する動作パターンでは、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように第2リール51の最終停止位置が定められている。さらに、役抽選手段61でリプレイに当選したときに対応する動作パターンでは、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように第2リール51の最終停止位置が定められている。
【0152】
また、図10に示すように、特定遊技抽選手段81aによる抽選で第1特定遊技に当選したときに対応する動作パターンでは、「キャラクタ」−「キャラクタ」−「キャラクタ」の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように第2リール51の最終停止位置が定められている。同様に、第2特定遊技に当選したときに対応する動作パターンでは、「BAR」−「BAR」−「BAR」の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように第2リール51の最終停止位置が定められている。さらに同様に、第3特定遊技に当選したときに対応する動作パターンでは、「7」−「7」−「7」の図柄の組合せを有効ラインに停止させるように第2リール51の最終停止位置が定められている。
【0153】
また、動作パターンには、全ての第2リール51の停止時に、最終停止位置として、全ての第2リール51の背景画像が一体となって全体で1つの背景画像を形成する位置(図7に示す位置)で停止させるように第2リール51の最終停止位置を定めたものが設けられている。
【0154】
なお、図7中、「キャラクタ」の図柄は、例えば左第1リール51の上から4番目等に表示されている図柄である。また、「BAR」の図柄は、例えば左第1リール51では上から2番目等に表示されている図柄である。さらにまた、「7」の図柄は、例えば左第1リール51では上から11番目等に表示されている図柄である。
【0155】
さらに動作パターンは、上記の最終停止位置とともに、演出として、第2リール51の動作を定めている。
動作パターンのうち、通常動作を行う動作パターンとして、スタートスイッチ41が操作されたときに、第1リール31の始動と同一のタイミングで各第2リール51を始動させるとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、操作されたストップスイッチ42に対応する第2リール51(例えば左ストップスイッチ42が操作されたときは、左第2リール51)を、第1リール31の停止制御と同様に、第2リール51の停止時における最大移動図柄数(5図柄)の範囲内で停止させる動作パターンが設けられている。
【0156】
また、動作パターンのうち、非通常動作を行う動作パターンとして、第1に、第2リール51の始動時に、第2リール51の回転方向を通常の回転方向に対して逆回転させる動作パターンが挙げられる。また、第2に、スタートスイッチ41の操作後、通常のウェイトとは異なるように一定時間の遅れを設け、その後に第2リール51を始動させるように定められている動作パターンが挙げられる。
【0157】
さらにまた、非通常動作を行う動作パターンとして、第3に、ストップスイッチ42が操作されたときに、第2リール51の停止時における通常の最大移動図柄数(5図柄)の範囲を超えて停止させる動作パターンが挙げられる。例えば、ストップスイッチ42が操作されたときに、5図柄を超え、21図柄未満の範囲の図柄数を移動させた後に停止させる動作パターンや、操作された瞬間の第2リール51の位置から1回転以上させた後(21図柄以上の図柄数を移動させた後)に停止させる動作等を行う動作パターンとが設けられている。
さらに第4に、ストップスイッチ42が操作されたときに、操作されたストップスイッチ42に対応しない第2リール51(例えば左ストップスイッチ42が操作されたときの右第2リール51)を停止させる動作を行う動作パターンが設けられている。
【0158】
また、非通常動作を行う動作パターンとして、第5に、第2リール51が一旦停止した後に、再回転させる動作パターンが設けられている。
さらにまた、第6に、図7に示すように、全ての第2リール51の背景画像が一体となって全体で1つの背景画像を形成する位置で各第2リール51を停止させる動作パターンが設けられている。
【0159】
さらに本実施形態では、非通常動作を行う動作パターンとして、第7に、上述の第5と第6との非通常動作を結合させた動作を行う動作パターンが設けられている。すなわち、全ての第2リール51の背景画像が一体となって全体で1つの背景画像を形成する位置で一旦停止させた後、その位置を維持して、全ての第2リール51を一体で再回転させる動作パターンである。
【0160】
特にこの場合には、例えば図7中、第2表示窓12b上に表れる図柄を、下から1番目〜3番目の図柄(例えば水平方向中段の有効ラインL2上に、下から2番目の「リプレイ」−「チェリー」−「キャラクタ」が停止する位置)等とし、上から2番目の「BAR」−「BAR」−「BAR」が揃った状態、上から11番目の「7」−「7」−「7」が揃った状態、及び下から5番目の「キャラクタ」−「キャラクタ」−「キャラクタ」が揃った状態が、一旦停止した時点では遊技者から見えない(第2表示窓12bに表れない)ように、第2リール51を一旦停止させる。
【0161】
そして、その位置を維持して、全ての第2リール51を一体で回転させれば、遊技者は、全ての第2リール51の背景画像が一体となって全体で1つの背景画像を形成していることに気づくこととなり、その停止位置によっては、「BAR」−「BAR」−「BAR」、「7」−「7」−「7」、又は「キャラクタ」−「キャラクタ」−「キャラクタ」が有効ラインL2上に停止する可能性があることを知ることができる。
【0162】
なお、全ての第2リール51を一体で回転させる他の例としては、例えば以下の例が挙げられる。先ず、左第2リール51及び中第2リール51をそれぞれストップスイッチ42の操作に対応させて停止させる。次に、右第2リール51に対応するストップスイッチ42が操作されても右第2リール51を停止させないで回転を継続する。そして、右第2リール51と中第2リール51との背景図柄が一致した位置で中第2リール51を右第2リール51に一体にした状態を維持して中第2リール51の回転を再開させる。さらに、左第2リール51と中第2リール51との背景図柄が一致した位置で左第2リール51を中第2リール51に一体にした状態を維持して左第2リール51の回転を再開させる。このようにしても、最終的には、全ての第2リール51の背景画像が一体となった状態で全ての第2リール51を一体で回転させることができる。
【0163】
さらに上記のような動作パターンには、「BAR」−「BAR」−「BAR」が有効ライン上で最終停止するように設定されているもの(第2特定遊技の当選時に選択される)、「7」−「7」−「7」が有効ライン上で最終停止するように設定されているもの(第3特定遊技の当選時に選択される)、「キャラクタ」−「キャラクタ」−「キャラクタ」が有効ライン上で最終停止するように設定されているもの(第1特定遊技の当選時に選択される)、及び上記3つの図柄の組合せのいずれも有効ライン上に最終停止しないもの、の4つが設けられている。
【0164】
動作パターン選択手段83は、役抽選手段61による役の抽選結果と、特定遊技抽選手段81aによる抽選結果とに基づいて、いずれかの動作パターンを選択するものである。
例えば、役抽選手段61による役の抽選で非当選であり、かつ特定遊技抽選手段81aによる抽選で特定遊技を実行することに決定されなかったときは、第2リール51の有効ライン上の最終定位置が、図10に示したいずれかの図柄の組合せにならない動作パターンを選択する。これに対し、例えば役抽選手段61で小役1に当選したときは、第2リール51の有効ライン上の最終定位置が、「ベル」−「ベル」−「ベル」となる動作パターンを選択する。
【0165】
また、例えば特定遊技抽選手段81aによる抽選で第1特定遊技を実行することに決定されたときは、第2リール51の有効ライン上の最終定位置が、「キャラクタ」−「キャラクタ」−「キャラクタ」となる動作パターンを選択する。
【0166】
なお、演出のために、動作パターン選択手段83は、役抽選手段61による役の抽選結果や、特定遊技抽選手段81aによる抽選結果に必ず対応する動作パターンを選択するものではない。
例えば、当該遊技で小役1に当選したときでも、第2リール51の有効ライン上の最終定位置が、「ベル」−「ベル」−「ベル」にならない動作パターンを選択する場合がある。また当該遊技で特定遊技を実行することに決定されたときでも、第2リール51の有効ライン上の最終定位置が、「BAR」−「BAR」−「BAR」、「7」−「7」−「7」、又は「キャラクタ」−「キャラクタ」−「キャラクタ」にならない動作パターンを選択する場合がある。
【0167】
第2リール動作制御手段84は、スタートスイッチ41が操作されたとき又は動作パターン選択手段83で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、第2リール51を始動させるとともに、ストップスイッチ42が操作されたとき又は動作パターン選択手段83で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、第2リール51の回転を停止させるように制御し、選択された動作パターンによって定められた最終停止位置に第2リール51を停止させるように制御するものである。
【0168】
すなわち本実施形態では、動作パターンには、スタートスイッチ41が操作されたときに、どのようなタイミングでどのように第2リール51を始動させるかが予め定められている。このため、第2リール動作制御手段84は、選択された動作パターンに定められている第2リール51の始動方法に従い、第2リール51を始動させるように制御する。
【0169】
例えば、通常動作を行う動作パターンが選択されたときは、その動作パターンには、スタートスイッチ41が操作されたタイミングで全ての第2リール51を始動させることが定められている。このため、第2リール動作制御手段84は、通常動作を行う動作パターンが選択されたときは、その動作パターンに定められている第2リール51の始動方法に従い、第2リール51を始動させる。
なお、本実施形態と異なり、少なくとも1つの動作パターンにおいて、第2リール51の始動方法を定めず、第1リール31の始動タイミングに同調させて始動させるようにしても良い。
【0170】
これに対し、第2リール51の始動について非通常動作を行う動作パターンが選択されたとき、例えば上述の第1又は第2の非通常動作を行う動作パターンが選択されたときは、それぞれその動作パターンに従い、第2リール51の回転方向を逆としたり、又はスタートスイッチ41の操作後、ウェイトとは異なるように一定時間の遅れを発生させた後に第2リール51を始動させるように制御する。
【0171】
また、各第2リール51の停止動作についても、ストップスイッチ42が操作されたとき、又は動作パターン選択手段83で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、第2リール動作制御手段84は、各第2リール51の停止制御を行う。
なお、本実施形態では、動作パターンには、ストップスイッチ42が操作されたタイミングで第2リール51を停止制御することが定められているか、又は上述した非通常動作による停止動作が定められている。
【0172】
しかし、これに限らず、少なくとも1つの動作パターン(例えば通常動作を行う動作パターン)については、第2リール51の停止制御を特に定めず、いずれかの役に対応する図柄の組合せ、又は特定遊技の実行に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないようにしつつ、第2リール動作制御手段84が、第2リール51の停止時における最大移動図柄数(5図柄)の範囲内で停止させるように制御しても良い。
【0173】
なお、上記以外に、第2リール51の停止時に、第2表示窓12b内に表れる図柄の組合せのうち、特定のものを「リーチ目」に設定しておく。ここで、リーチ目とは、通常遊技中には出現しない出目(第2表示窓12b内の図柄の組合せ)であって、例えば次遊技以降において特定遊技が実行される旨を意味する出目等をいう。このように、たとえ特定遊技に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しない場合であっても、リーチ目を出現させることによって、特定遊技を実行することに決定されたこと等を、遊技者に対して報知することができる。
【0174】
なお、図9では示していないが、サブ制御手段60bは、ランプ21を点灯、点滅又は消灯するように制御したり、あるいはスピーカ22から各種のサウンドを出力するように制御する。
一般には、これらの演出内容(ランプ21の点灯パターンやスピーカ22からのサウンドの出力パターン等)を定めた複数種類の演出パターンを記憶した演出パターン記憶手段を設けておく。そして、役抽選手段61による役の抽選結果、SB当選確率抽選手段62による抽選結果、及び動作パターン選択手段83で選択された動作パターンの内容等に基づいて、各抽選結果等に対応する演出パターンを選択し、選択した演出パターンに従って、その演出パターンに定められている演出内容を出力するように制御する。
【0175】
また、サブ制御手段60bは、特定遊技中においては、SBの当選時、及びSB遊技中の所定役当選時に、第1リール停止制御手段65によって選択された操作順番に関する情報を報知する演出を出力する。
【0176】
具体的には、第1リール停止制御手段65は、ストップスイッチ42の操作順番を決定すると、その情報をサブ制御手段60bに送信する。サブ制御手段60bは、その操作順番の情報を受信すると、その操作順番を遊技者に対して報知する演出を出力する。
これにより、特定遊技中のSB当選時、及びSB遊技中の所定役当選時の遊技では、遊技者は、その報知された内容に従い、ストップスイッチ42を操作することで、それぞれSB及び所定役を入賞させることができる。
【0177】
また、SB遊技や、特定遊技中等、通常遊技と異なる遊技を実行するときには、サブ制御手段60bは、その旨を遊技者に知らせるために、ランプ21の点灯や、スピーカ22からのサウンドの出力等、各種の演出を行うように制御する。
【0178】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、動作パターンと演出パターンとを別個に設けたが、これに限らず、動作パターン、すなわち第2リール51の最終停止位置、又は第2リール51の最終停止位置とともに第2リール51の動作を含めた動作パターンを、演出パターンの一部として演出パターン内に含めても良い。そして、選択された演出パターンに従い、第2リール動作制御手段84が第2リール51の始動及び停止を含む駆動を制御するようにしても良い。
【0179】
(2)第1リール31及び第2リール51上の図柄は、本実施形態で示した内容に限らず、種々の変更が可能である。図11は、正面から見て、左、中及び右の各第2リール51の外周面に表示された図柄配列をそれぞれ展開して示す平面図である。また、図12は、図11中、各図柄を取り除いて背景画像のみを図示した平面図である。すなわち、図11及び図12は、図7及び図8にそれぞれ対応する図である。
【0180】
図11の図柄は、図7とほとんど同一であるが、図12に示す背景画像は、図8と異なる内容を表示したものである。図12では、画像表示領域(第2リール51の表面領域)に対する背景画像の画像密度を図8と比較して少なくしている。このように、図柄の識別性、視認性等を考慮して、背景画像についても種々変形することができる。また、図柄についても種々変更することができる。
【0181】
さらにまた、本実施形態では、第2リール51にのみ背景画像を設けたが、第1リール31に背景画像を設けても良い。さらに、第1リール31の図柄についても本実施形態で例示した内容に限定されるものではない。
【0182】
【発明の効果】
請求項1
請求項1の発明によれば、従来と同様に、リールの停止状況を見ながら遊技が進行するということを維持しつつ、従来の遊技では行うことができなかった、遊技結果を表示するためのリールの停止状況より演出を優先させて、演出を主体とした遊技を進行させることができる。
【0183】
さらに、第1リール群の図柄の組合せによって、役の抽選結果を反映させた遊技結果を表示することができる。
また、遊技者による第1リール及び第2リール上の図柄の視認性を確保できる。また、第1リール及び第2リールに表示可能な図柄数のバランスをとることができる。さらにまた、第1リール及び第2リールのいずれも、ストップスイッチのオンを検知してから190ms以内で停止させたときは、第1リールの停止制御を第2リールに準じた停止制御とすることで、第1リール及び第2リールを、ともに、遊技者に違和感を与えないように停止させることができる。さらに、第1リールの停止時の十分な最大移動図柄数を確保することができる。すなわち、第1リールの停止制御において、ストップスイッチが操作されたときに、その直後に有効ラインに存在する図柄のみならず、少なくとも、その次の図柄まで有効ラインに引きこんで停止制御することができる。これにより、第1リールの停止時における有効ライン上の図柄に自由度を持たせることができるので、第1リール群の停止時における図柄の組合せによって、遊技結果を適切に表示することができる。
さらに、第2リール独自の始動又は停止制御を行うことによって、第1リールとは異質の始動及び停止制御を行うことも可能となる。これにより、第2リール群の動作や最終停止時の図柄の組合せによって、役の抽選結果を反映させた演出内容を表示することができる。
【0187】
請求項2
請求項2の発明によれば、第1リールの最大移動図柄数Kの範囲内において特別役に対応する図柄の組合せを常に有効ラインに停止させることを可能にすることで、特別役の当選後には、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングにかかわらず、メインリール停止制御手段により、特別役に対応する第1リールの図柄の組合せを有効ラインに停止させる制御を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスロットマシン全体を示す前面の正面図である。
【図2】図1中、スロットマシンのフロントマスク部を開放し、基体部の内部が見えるように図示した正面図である。
【図3】フロントマスク部の裏面側に取り付けられている第1リールユニット及びサブ制御基板を含むユニットを前面側から見た斜視図である。
【図4】第1リールユニットより後方側のサブ制御基板を含む部分を分解して背面側から見た斜視図である。
【図5】正面から見て、左、中及び右の各第1リールの外周面に表示された図柄配列をそれぞれ展開して示す平面図である。
【図6】第2リールユニットをより詳細に示す斜視図である。
【図7】正面から見て、左、中及び右の各第2リールの外周面に表示された図柄配列をそれぞれ展開して示す平面図である。
【図8】図7中、各図柄を取り除いて背景画像のみを図示した平面図である。
【図9】本実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図10】本実施形態における役の種類と払出し枚数等、及び図柄の組合せを併せて示す図である。
【図11】正面から見て、左、中及び右の各第2リールの外周面に表示された図柄配列をそれぞれ展開して示す平面図であり、図7と異なる例を示すものである。
【図12】図11中、各図柄を取り除いて背景画像のみを図示した平面図であり、図8と異なる例を示すものである。
【符号の説明】
10 スロットマシン
11 基体部
12 フロントマスク部
12a 第1表示窓
12b 第2表示窓
21 ランプ
22 スピーカ
30 第1リールユニット
31 第1リール
32 モータ
33 バックランプ
40 操作スイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 メダル投入口
44 メダル受け皿
50 第2リールユニット
51 第2リール
52 モータ
53 バックランプ
60 遊技制御手段
60a メイン制御手段
60b サブ制御手段
61 役抽選手段
62 SB当選確率抽選手段
63 抽選テーブル
64 抽選結果記憶手段
65 第1リール停止制御手段
66 停止位置決定テーブル
67 停止図柄判別手段
68 入賞処理手段
69 特別遊技制御手段
81 特定遊技制御手段
81a 特定遊技抽選手段
81b 特定遊技実行手段
82 動作パターン記憶手段
83 動作パターン選択手段
84 第2リール動作制御手段
101 電源ユニット
102 メダル払出し装置
103 支持板
104 メイン制御基板
105 ケース
108 サブ制御基板
109 リールケース本体
110 リールケースカバー
111 基板ケース本体
112 基板ケースカバー

Claims (2)

  1. 複数種類の図柄を表示した第1リールを複数並設し、停止時の図柄の組合せにより当該遊技の遊技結果を表示するための第1リール群と、
    複数種類の図柄を表示した第2リールを、前記第1リールの数と同数だけ並設し、その回転若しくは停止動作又は停止時の図柄の組合せのうち少なくとも1つによって、当該遊技における演出を行うための第2リール群と、
    各前記第1リールを始動させるためのスタートスイッチと、
    前記第1リールの数と同数だけ設けられ、対応する前記第1リールの回転を停止させるためのストップスイッチとを備え、
    各前記第1リールの直径は、各前記第2リールの直径より小さく形成されており、
    前記スタートスイッチが操作されたときに役の抽選を行う役抽選手段と、
    前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記ストップスイッチが操作されたときに、前記ストップスイッチのオンを検知してから190ms以内にそのストップスイッチに対応する前記第1リールを停止させ、かつ前記ストップスイッチのオンを検知してから前記第1リールが停止するまでの最大移動図柄数Kの範囲内においてそのストップスイッチに対応する前記第1リールを停止させるように制御するとともに、前記役抽選手段による役の抽選においていずれかの役に当選したときは、その役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御する第1リール停止制御手段と、
    前記第2リールの最終停止位置、又は前記第2リールの最終停止位置とともに前記第2リールの動作を定めた複数種類の動作パターンを記憶する動作パターン記憶手段と、
    前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、前記動作パターン記憶手段に記憶された動作パターンの中からいずれかの動作パターンを選択する動作パターン選択手段と、
    前記スタートスイッチが操作されたとき又は前記動作パターン選択手段で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、前記第2リールを始動させるとともに、前記ストップスイッチが操作されたとき又は前記動作パターン選択手段で選択された動作パターンの少なくとも一方に基づいて、選択された動作パターンによって定められた最終停止位置に前記第2リールを停止させるように制御する第2リール動作制御手段とを備え、
    前記第2リール動作制御手段は、前記ストップスイッチが操作されたときに前記第2リールを前記第1リールとともに停止させる動作パターンでは、前記ストップスイッチのオンを検知してから190ms以内にそのストップスイッチに対応する前記第2リールを停止させ、かつ前記ストップスイッチのオンを検知してから最大移動図柄数K’の範囲内においてそのストップスイッチに対応する前記第2リールを停止させるように制御し、
    前記第1リールに表示された図柄数をN、前記第2リールに表示された図柄数をN’としたとき、
    N’>N>N’/2
    であり、
    前記第1リールの最大移動図柄数Kは、
    2以上の整数であって、
    (N×K’)/N’
    以下の整数の最大値に設定されている
    ことを特徴とするスロットマシン。
  2. 請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
    前記役抽選手段で抽選される役には、通常遊技と異なる遊技であって通常遊技以上に遊技者にとって有利な遊技に移行させるための特別役を含み、
    前記役抽選手段による役の抽選において特別役に当選したときは、前記ストップスイッチが操作された後に前記第1リールが停止するまでの最大移動図柄数Kの範囲内において特別役に対応する図柄の組合せを常に有効ラインに停止させることが可能なように、特別役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が、各前記第1リールに配置されている
    ことを特徴とするスロットマシン。
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