JP4382213B2 - 接続クランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活線状態において架空配電線路等からバイパス線、接地線を引き出すときに使用される、絶縁被覆をまくり上げる機能を備えた接続クランプ装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
架空配電線路等からバイパス線、接地線を引き出す場合、従来より、電線の絶縁被覆を所要長さ剥ぎ取り、露出した導体を直接接続クランプで挟着する方法がとられている。
【0003】
しかし、この方法では、少なくとも絶縁被覆を剥ぎ取る作業と、絶縁被覆が剥ぎ取られて露呈した素線をクランプする作業の2つの作業を必要とし、手間がかかる問題があり、このため、近年、絶縁被覆を剥ぎ取らずに、絶縁被覆を貫通して素線に接触させる、接触刃を具備した接続クランプ装置を使用する方法がとらている。
【0004】
この種の接続クランプ装置にあっては、接触刃と素線との接触部分において接触抵抗が大きくなると、大きなジュール熱が発生し、これによって配電線を溶断したり、接続クランプが破損したりする等の問題が生じるおそれがあり、これを回避するために接触部分での接触抵抗を可及的に小さくするための種々の工夫がなされている。
【0005】
すなわち、接触刃を導電性の良好な材料から形成する一方、接触刃と素線との接触面積を大きくしたり、接触圧力を大きくしたり等している。
ところで、接触刃は、絶縁被覆を貫通するために、先端が鋭利に形成されており、接触刃と素線との接触面積を充分に確保することには限界がある。これは、絶縁被覆への貫通を容易にすることと、素線との接触面積を大きくとることは、相反する要求であり、いずれか一方を犠牲にしなければならず、両者の要求を同時に満足させることが出来ないためである。
【0006】
このため上記接続クランプ装置では、素線を傷つけない範囲内で接触刃と素線との接触圧力を大きくとるようにしてはいるが、これにより接触抵抗を可及的に小さくすることは難しく、結局、ある程度の接触圧力を確保するには、素線を傷つけてしまうおそれがある。
【0007】
また、最近では送配電線の安全管理上の観点から特に素線を傷つけないことが要請されている。
本発明は、絶縁被覆を剥ぎ取る手間を無くすことができる上に、素線を傷つけるおそれがなく、安定した通電容量を確保することが可能な接続クランプ装置を提供するこを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、被覆電線の絶縁被覆に切り口を形成する切り口形成手段と、前記絶縁被覆の切り口から、絶縁被覆と該絶縁被覆によって被覆された素線との間に侵入して、該素線と電気的に接触する一対の接触クランプ片とを具備してなることを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、絶縁被覆を剥ぎ取る代わりに絶縁被覆に接触クランプ片を侵入させる切り口を形成するだけであり、絶縁被覆を剥ぎ取るような場合に比して手間がかからない。また、切り口から絶縁被覆と素線との間に接触クランプ片を侵入させて、接触クランプ片を素線に接触させる構成で、鋭利な接触刃を素線に接触させる場合に比して、接触クランプ片と素線との接触面積を確保するのが容易である上に、素線を傷つけるおそれがない。
【0010】
本発明において、切り口形成手段が絶縁被覆内に食い込んで素線に接触する前に、該切り口形成手段を該素線から引き離すための、引き離し手段を装備することが好ましい。これにより、切刃で素線を傷つけるおそれは殆どなくなる。
【0011】
引き離し手段は、例えば、切り口形成手段が絶縁被覆内に食い込んだときに、該絶縁被覆の外周面に接触する傾斜面を有し、該傾斜面において切り口形成手段を前記素線から引き離す方向に付勢する分力を生じさせるようにすれば、装置の構造が複雑になるおそれはない。
【0012】
また、切り口形成手段を接触クランプ片の先端に形成するようにしてもよい。このようにすれば、切り口形成手段により絶縁被覆に切り口を形成するのに引き続いて接触クランプ片を絶縁被覆と素線との間に侵入させることができる。
【0013】
切り口形成手段は、例えば、絶縁被覆にその軸線方向と平行な方向に延びる切り口を形成するための主切刃部と、絶縁被覆をその周方向に沿って切り込むための副切刃部とから構成される。これにより、主切刃部が絶縁被覆に食い込むのにしたがって副切刃部が絶縁被覆を周方向に沿って切り込むようになり、接触クランプ片の侵入に伴って絶縁被覆をまくり上げることができ、接触クランプ片の侵入が容易となる。
【0014】
また、一対の接触クランプ片は、互いに接近したり、離れたりするように揺動可能に構成することができる。これにより素線のクランプ操作が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は接続クランプ装置の第1実施例を示す側面図、図2は同正面図、図3は可動接触ユニット部分の拡大側面図、図4は同拡大正面図、図5は図1に示す接続クランプ装置から可動接触ユニットを外した状態を示す側面図、図6は被覆電線の素線をクランプする過程を説明する説明側面図であって、切刃部が絶縁被覆に食い込む直前の状態を示す図、図7は同説明正面図、図8は切刃部が絶縁被覆に食い込む直前の状態を拡大して示した拡大説明図、図9は切刃部が図8に示す状態から更に進行して絶縁被覆内に食い込んだ状態を示す拡大説明図、図10は図9に示す状態から更に進行して切刃部が絶縁被覆をまくり、接触クランプ片が素線をクランプした状態を示す拡大説明図、図11は主切刃部と副切刃部を詳細に示すと共に接触クランプ片の内面に形成した隆起部を詳細に示す、部分説明斜視図ある。
【0016】
図1乃至図5に示す本第1実施例の接続クランプ装置は、略C字状に構成された、接続クランプ装置本体としてのクランプ本体10と、該クランプ本体10の下部にクランプ本体10に沿って上下方向に移動可能に配置された可動接触ユニット20とを具備して構成される。
【0017】
クランプ本体10の上部には、可動接触ユニット20と対向する、略山形状の電線保持部11が配置される。この電線保持部11と可動接触ユニット20との間に被覆電線50がクランプされる(図6参照)。
【0018】
クランプ本体10には、図1、図5等に示すように、その下部に支持ネジ軸12が螺合されている。この支持ネジ軸12の下端には連結金具13が取り付けられ、この連結金具13を介して図示しない絶縁操作棒の上端が着脱自在にとりつけられる。絶縁操作棒によって支持ネジ軸12が回転操作されるようになっている。
【0019】
支持ネジ軸12の上端には、可動接触ユニット20が着脱可能に取り付けられる。これを詳細に説明すると、支持ネジ軸12の上端部に回転可能な状態で設けた取付台14の取付凹部14a内(図5参照)に可動接触ユニット20の底面に設けた取付凸部21a(図3、図4参照)を嵌合し、これを取付ネジ15によって固定することによって、支持ネジ軸12の上端に可動接触ユニット20が取り付けられる。したがって、可動接触ユニット20を被覆電線の径に合わせて交換することが可能となる。絶縁操作棒により支持ネジ軸12を回転させると、支持ネジ軸12は回転しつつクランプ本体10の上下方向に移動し、これにより可動接触ユニット20は同じく上下方向(電線保持部11に接近あるいは離れる方向)に移動する。
【0020】
可動接触ユニット20は、図3、図4に示すように、底面に上述した取付凸部21aを設けた取付台21と、この取付台21の左右端面に固定した左右一対の側板22,22と、この左右一対の側板22間において所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された前後一対の接触クランプ片23,23と、この前後一対の接触クランプ片23間に配置された左右方向に延びるストッパ片24(図9参照)とから構成される。
【0021】
左右一対の側板22,22の中央部には、上端から中間高さ位置まで上下方向に延びる溝22aがそれぞれ形成される。この溝22aは、被覆電線50の外径と略等しく設定され、被覆電線50をガイドする機能を有する(図8参照)。
【0022】
左右一対の側板22の一側部は、図1、図2に示すように、それぞれクランプ本体10の外側面に重なっており(側板22の一側部がクランプ本体10の外側面を挟み込むように重なっており)、この重なり部分がクランプ本体10に対する可動接触ユニット20の上下方向の移動に際しガイドの機能を果たし、また支持ネジ軸12によって可動接触ユニット20が回転しないように回り止めの機能も果たす。
【0023】
一対の接触クランプ片23は、それぞれ導電性が優れ且つ機械的強度を有する銅合金、例えばベリリウム銅から形成される。図11に示すように、接触クランプ片23の底部には、ピン25を介して可動接触ユニット20の底部に取り付けられる下部枢着部26が一体に形成される。接触クランプ片23の上端には、被覆電線50の絶縁被覆51に切り口52を形成する切り口形成手段としての切刃部27が一体に形成される。接触クランプ片23の内面中間高さ位置には、切り口52から絶縁被覆51と該絶縁被覆51によって被覆された素線53との間に侵入したときに、該素線53に接触する隆起部28が形成される。
【0024】
下部枢着部26は、図11に示すように、接触クランプ片23の下部左右端位置に形成された一対の枢着片26aからなる。一方の接触クランプ片23に設けられる一対の枢着片26a間の間隔は、他方の接触クランプ片23に設けられる一対の枢着片26aを両側から挟み込むことが出来るように広く設定される。すなわち、一方の接触クランプ片23の枢着片26a間に他方の接触クランプ片23の枢着片26aが入り込むようにしてある。これら枢着片26aに形成した孔26bにピン25を挿通して、ピン25の軸線方向両端部を側板22の中央下部に固定することにより、一対の接触クランプ片23は、左右一対の側板22間において、互いに接近したり、離れたりするように揺動可能に取り付けられる。
【0025】
ピン25の外周にはコイルスプリング29(図3、図4参照)が巻き付けられる。このコイルスプリング29の一端が一方の接触クランプ片23に設けた枢着片26a間に係止し、コイルスプリング29の他端が他方の接触クランプ片23に設けた枢着片26a間に係止して、一対の接触クランプ片23を互いに接近するように付勢する。しかし、ストッパ片24が、一対の接触クランプ片23の回転、すなわち取付台21に対して略直角に起立した状態よりも更に互いに接近する方向への回転を抑制するので、一対の接触クランプ片23は、所定の間隔(素線53の外径よりも僅かに小さい間隔)をもって取付台21に対して略直角に起立した状態で対向するように維持される。
【0026】
切刃部27は、図11に示すように、主切刃部27aと副切刃部27bとからなる。主切刃部27aは、接触クランプ片23の上半分をその上端内面側から下方背面側にかけて斜めに切除して、接触クランプ片23の上半分背面側を斜面27cとすることによって、接触クランプ片23の上端縁を鋭利にすることにより形成される。副切刃部27bは、斜面27cの中央部分を上端から下方にかけて順次深くなるようにえぐり取ることによって、斜面27cの両側縁を鋭利にすることにより形成される。
【0027】
主切刃部27aは、絶縁被覆51にその軸線方向と平行な方向に延びる切り口52(図11参照)を形成する。また、副切刃部27bは、絶縁被覆51をその周方向に沿って切り込んで切り口52を形成する。
【0028】
副切刃部27bは、その刃高が接触クランプ片23の上端位置では僅かであるが、下方にいくにしたがって順次高くなるように形成されている。したがって、主切刃部27aにより絶縁被覆51に形成された切り口52から切刃部27を絶縁被覆51内に食い込ませるにしたがって副切刃部27bが絶縁被覆51を順次深く切り込むことができ、これにより絶縁被覆51をまくり上げて接触クランプ片23を絶縁被覆51と素線53との間に侵入させることができるようになる。
【0029】
各接触クランプ片23の両側面には、主切刃部27aが絶縁被覆51内に食い込んで素線53に接触する前に主切刃部27a(接触クランプ片23の上端)を素線53から引き離す、引き離し手段として、また接触クランプ片23が素線53に接触したときにその接触状態を維持する、維持手段としての板片30が固定される。この板片30の上部は略山形状にカットされ、これにより板片30の上部に内側傾斜面31と外側傾斜面32とが形成される。
【0030】
内側傾斜面31は、引き離し手段として機能する部分で、そこから切刃部27の上端部分(接触クランプ片23の上端部分)が絶縁被覆51の肉厚に相当する高さよりも僅かに低い高さ分だけ突出するように設定されている(図9参照)。これにより、切刃部27が絶縁被覆51内に食い込んで素線53に接触する前に絶縁被覆51の外周面に圧接することになる。また、内側傾斜面31の傾斜角度は、絶縁被覆51の外周面に圧接したときに受ける反力のうち、接触クランプ片23をコイルスプリング29のバネ力に抗して互いに引き離す方向に回転させる分力を生じさせるように設定される。これにより、切刃部27が絶縁被覆51内に食い込んで素線53に接近するようになると、接触クランプ片23はピン25を支点として互いに離れる方向(外側方向)に回転し始める。したがって、主切刃部27aが素線53を傷つけるおそれは殆どなくなる。この回転の過程で副切刃部27bが絶縁被覆51をその内側から外側に向けて切り込むので、接触クランプ片23は、外側方向に容易に回転する。また接触クランプ片23は、開いた状態であっても絶縁被覆51と素線53との間に容易に侵入し、隆起部28が素線53に接触することになる(図10参照)。
【0031】
外側傾斜面32は、維持手段の一部として機能するもので、隆起部28が素線53に接触したときに、クランプ本体10の電線保持部11付近に設けた穴に当接して、接触クランプ片23のそれ以上の外側方向の回転を抑制して、隆起部28と素線53との接触状態を接触圧力の大きい状態に維持する(図10参照)。また、板片30の内側面が着雪防止型の被覆電線の径方向外方に突出した凸条(ヒレ)を押しつぶすことにより同様に接触圧力の大きい状態に維持することが出来る。維持手段の他の部分は、外側傾斜面32が接触する、クランプ本体10の電線保持部11付近に設けた穴の部分である。
【0032】
なお、取付台21には端子取付板40が固定され、該端子取付板40にリード線(図示せず)を接続することにより、バイパス線や接地線を引き出すことができる。
【0033】
次に、バイパス線、接地線を引き出すために被覆電線の素線をクランプする方法について説明する。
可動接触ユニット20をその下限位置まで移動させて、電線保持部11と可動接触ユニット20との間に被覆電線50を余裕をもって挿入させることができる空間を確保しておく。次いで、絶縁操作棒の上端に連結金具13を介して接続クランプ装置を取り付け、絶縁操作棒により接続クランプ装置を被覆電線50の高さ位置まで持ち上げ、電線保持部11と可動接触ユニット20との間の空間に被覆電線50を引っかける。そして、絶縁操作棒によって支持ネジ軸12を一方向に回転させて可動接触ユニット20をクランプ本体10に沿って上方に移動させ、溝22a内に被覆電線50を嵌合させる(図6、図7、図8参照)。そして、電線保持部11と溝22aとで被覆電線50を可動接触ユニット20に対して位置決めする。
【0034】
被覆電線50を位置決めした状態から可動接触ユニット20を更に上方に移動させると、先ず切刃部27の先端(主切刃部27a)が被覆電線50の絶縁被覆51に食い込み、絶縁被覆51の周面に切り口52(図11参照)を形成する。この切り口52から切刃部27を更に絶縁被覆51内に食い込ませるにしたがって副切刃部27bが絶縁被覆51をその周方向に沿って順次深く切り込む。そして、主切刃部27aが素線53付近に侵入するまで切刃部27が絶縁被覆51内に食い込むと、内側傾斜面31が絶縁被覆51に圧接する(図9参照)。このとき、内側傾斜面31の絶縁被覆51との圧接点には、一対の接触クランプ片23を互いに離れる方向(外側方向)に回転させる分力が生じ、この分力によって一対の接触クランプ片23は外側方向に回転し始める。この回転の過程で副切刃部27bが絶縁被覆51をその内側から外側に向けて切り込む一方、接触クランプ片23は絶縁被覆51をまくり上げながら上方に移動し、隆起部28間で素線53を挟み込むようにしてクランプする(図10参照)。これにより、端子取付部40に取り付けたリード線(図示せず)に電流が流れ、バイパス線、接地線を取ることが出来る。
【0035】
隆起部28間に素線53が位置するまで一対の接触クランプ片23が外側に回転すると、外側傾斜面32がクランプ本体10の電線保持部11付近に設けた穴に当接し、隆起部28と素線53との接触状態を接触圧力の大きい状態に維持するので、安定した通電容量を確保することが可能となる。
【0036】
上記接続クランプ装置、接続クランプ方法によれば、被覆電線50のクランプする箇所の絶縁被覆51を剥ぎ取る必要は全くなく、クランプする過程で絶縁被覆51をめくり上げるだけなので、作業性が優れている。
【0037】
また、切刃部27は、絶縁被覆51を切り込んで、接触クランプ片23を絶縁被覆51と素線53との間に導入させる機能を有するだけで、素線53に接近したときには内側傾斜面31により素線53から離れるようにしてあるので、素線53を傷つけるおそれは全くない。
【0038】
また、一対の接触クランプ片23の隆起部28間に素線53を挟み込む構成なので、鋭利な接触刃の先端を素線に押し付ける場合に比して、素線53を傷つけるおそれがない上に、風等で被覆電線が揺れた場合であっても安定した状態で通電容量を確保することができる。
【0039】
図12及び図13は本発明の接続クランプ装置の第2実施例を示す。なお、図12及び図13中、図1乃至図11に示す部分と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
本第2実施例では、図1乃至図11に示す隆起部28と同じ形状の隆起部280の表面に網目状(あやめ状)の凹凸溝281を設けている。この凹凸溝281は、一対の接触クランプ片23で素線53をクランプする際、該素線53の表面の酸化皮膜を擦って除去する機能を果たし、クランプ後は接触クランプ片23と素線53との間の接触面積を増やす機能を果たす。
【0041】
したがって、本第2実施例によれば、素線53との電気的な接触をより確実なものとすることが出来る。
なお、凹凸溝281は接触クランプ片23と素線53との間の接触面積を増やす機能を果たすものであれば、あやめ状のものに限定されない。
【0042】
図14及び図15は図12及び図13に示す本発明の第2実施例の変形例を示す。この変形例では、さらに隆起部280の略中間高さ位置に素線53の外周形状に合致した、水平方向に延びる(切刃部27aと平行に延びる)窪み部282を設けている。したがって、素線53をクランプした際、素線53が窪み部282内に嵌合して、該素線53を両側から包み込むようになり、素線53との接触面積を更に増やすことが出来る。
【0043】
なお、上記両実施例において、電線保持部11を被覆電線径に合わせて交換し得るように構成してもよい。
また、切刃部27、接触クランプ片23は、上記両実施例に示す形状、構造等に限定されるものではない。すなわち、切刃部27は、絶縁被覆51と素線53との間に接触クランプ片23を導入させるために、絶縁被覆51に切り口を形成するものであればよく、その形状等は上記両実施例に限定されるものではない。また、接触クランプ片23は、絶縁被覆51と素線53との間に入り込んで、素線53に電気的に接触するものであれば、その形状等は上記両実施例に限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、切り口形成手段により被覆電線の絶縁被覆に切り口を形成し、この切り口から、絶縁被覆と該絶縁被覆によって被覆された素線との間に一対の接触クランプ片を侵入させて、該素線と電気的に接触するようにしてあるので、絶縁被覆を剥ぎ取るようにことをしなくても済み、作業性が優れている上に、刃を所定の圧力で素線に当てなくても済み、素線を傷つけるおそれがなく、安定した状態で通電容量を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続クランプ装置の第1実施例を示す側面図である。
【図2】同正面図である。
【図3】可動接触ユニット部分の拡大側面図である。
【図4】同拡大正面図である。
【図5】図1に示す接続クランプ装置から可動接触ユニットを外した状態を示す側面図である。
【図6】被覆電線の素線をクランプする過程を説明する説明側面図であって、切刃が絶縁被覆に食い込む直前の状態を示す図である。
【図7】同説明正面図である。
【図8】図6の絶縁被覆に食い込む直前の状態を拡大して示した拡大説明図である。
【図9】切刃が図8に示す状態から更に進行して絶縁被覆内に食い込んだ状態を示す拡大説明図である。
【図10】図9に示す状態から更に進行して切刃が絶縁被覆を捲り、接触クランプ片が素線をクランプした状態を示す拡大説明図である。
【図11】主切刃部と副切刃部を詳細に示すと共に接触クランプ片の内面に形成した隆起部を詳細に示す、部分説明斜視図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す、可動ユニット部分の拡大側面図である。
【図13】図12のA−A線矢視図である。
【図14】図12に示す可動ユニット部分の変形例を示す図である。
【図15】図14のB−B線矢視図である。
【符号の説明】
10 クランプ本体 11 電線保持部
20 可動接触ユニット 23 接触クランプ片
27 切刃部 27a 主切刃部
27b 副切刃部 31 内側傾斜面(引き離し手段)
32 外側傾斜面(維持手段)
50 被覆電線 51 絶縁被覆
52 切り口 53 素線
Claims (10)
- 接続クランプ装置において、
被覆電線の絶縁被覆に切り口を形成する切り口形成手段を含む接触ユニットと、
前記絶縁被覆の切り口から、絶縁被覆と該絶縁被覆によって被覆された素線との間に侵入して、該素線と電気的に接触する一対の接触クランプ片であって、互いに接近したり離れたりするよう対向した状態でそれぞれ揺動可能に前記接触ユニットに対して枢着されるとともに、互いに接近するよう付勢されている一対の接触クランプ片とを備え、
前記一対の接触クランプ片の前記素線側の面部には、該素線に接触する隆起部がそれぞれ形成されてなることを特徴とする、接続クランプ装置。 - 請求項1に記載の接続クランプ装置にして、前記隆起部の表面に凹凸溝が設けられていることを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項2に記載の接続クランプ装置にして、前記凹凸溝が網目状であることを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載の接続クランプ装置にして、前記素線の外周形状に合致した、水平方向に延びる窪み部が前記隆起部に設けられていることを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項1乃至4のいずれかの請求項に記載の接続クランプ装置にして、前記接続クランプ装置は各前記一対の接触クランプ片の側方において、上部が略山形状にカットされて内側傾斜面及び外側傾斜面が形成されている板片を備え、前記切り口形成手段の上端部分が、前記絶縁被覆の肉厚に相当する高さよりも低い高さ分だけ前記内側傾斜面から突出しており、これによって、前記内側傾斜面は、前記切り口形成手段が前記絶縁被覆内に食い込んで前記素線に接触する前に、前記絶縁被覆の外周面に圧接することを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項5に記載の接続クランプ装置にして、前記内側傾斜面の傾斜角度は、前記内側傾斜面が前記絶縁被覆の外周面に圧接したときに受ける反力のうち前記切り口形成手段を前記素線から引き離す方向に付勢する分力を生じさせるように設定されていることを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項5又は6に記載の接続クランプ装置にして、前記接続クランプ装置は前記接触ユニットと対向する電線保持部を有するクランプ本体を備え、前記隆起部が前記素線に接触したとき、前記外側傾斜面が前記電線保持部に設けられた穴に当接することにより、前記一対の接触クランプ片を移動しないように抑えて前記隆起部と前記素線との接触状態を維持することを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項1乃至7のいずれかの請求項に記載の接続クランプ装置にして、前記切り口形成手段は、前記一対の接触クランプ片の先端にそれぞれ形成されてなることを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項8に記載の接続クランプ装置にして、前記切り口形成手段は、各前記一対の接触クランプ片の上端縁を鋭利にすることにより形成される主切刃部と、各前記一対の接触クランプ片の背面側斜面の両側縁を鋭利にすることにより形成される副切刃部とを備えてなることを特徴とする接続クランプ装置。
- 請求項1乃至9のいずれかの請求項に記載の接続クランプ装置にして、前記一対の接触クランプ片は、ピンを介して前記接触ユニットに対して枢着され、前記ピンの外周に巻き付けられたコイルスプリングの各端部が前記一対の接触クランプ片のそれぞれに係止されることにより、互いに接近するように付勢されていることを特徴とする接続クランプ装置。
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JP29209799A JP4382213B2 (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 接続クランプ装置 |
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JP29209799A JP4382213B2 (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 接続クランプ装置 |
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JP2001119824A JP2001119824A (ja) | 2001-04-27 |
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