JP4381629B2 - 電線保護チューブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂を使用した新規な電線保護チューブに関する。詳しくは、軟質塩化ビニル樹脂(以下、「PVC」ともいう)を使用した電線保護チューブと同等、場合によっては、それにも勝る優れた特性を発揮することが可能であり、しかも、押出成形による生産性にも優れた電線保護チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
電線の保護・集束に用いられる電線保護チューブは、PVCを主材料として使用したものが広く知られている。この電線保護チューブは、軟質塩化ビニル樹脂の持つ特性により、耐摩耗性、電線集束時の屈曲性などに優れる。しかも、耐水性、耐油性も良好であり、家庭用、自動車用電線の保護・集束に多用されていた。
【0003】
しかし、PVCよりなる電線保護チューブは、環境負荷が大きく、その配慮からPVCを使用しない電線保護チューブの開発が行われている。中でも、耐水性、耐油性の特性に優れたポリオレフィン系樹脂を使用したものが種々提案されており、現在では、可撓性を発揮させるために多量のエチレン単位を含有するエラストマーを主成分とする軟質ポリオレフィンを主材料として使用した電線保護チューブが主流を占めている。
【0004】
ところが、軟質ポリオレフィンは、エチレン単位を多量に含むため、得られる電線保護チューブは耐熱性に劣るという問題がある。また、軟質ポリオレフィンを使用した電線保護チューブは、樹脂のゴム的特性の不足により、チューブ製造時に巻取り難い、電線集束時の屈曲性が悪い、集束作業性が低下する等の問題も有する。更には、軟質ポリオレフィンには、得られる電線保護チューブの機械的強度を向上させたり、難燃性を付与することを目的として、一般に、無機充填材が配合されるが、電線保護チューブとしたときに耐摩耗性が低下するという問題を有する。特に、可撓性を発揮せしめるために軟質ポリオレフィンの曲げ弾性率を2,000MPa以下に調整した場合、電線保護チューブのスクレープ摩耗性が大幅に低下する。
【0005】
そこで、従来では、無機充填材を配合した軟質ポリオレフィンよりなる電線保護チューブの耐摩耗性を改良するため、軟質ポリオレフィンに有機酸基を結合させて変性した変性軟質ポリオレフィン樹脂を用いることが提案されているが、スクレープ摩耗性の改良効果が不充分であるばかりでなく、耐熱性の改良には至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、軟質ポリオレフィンの有する良好な絶縁性、耐水性、耐油性を有しながら、更に、屈曲性、耐スクレープ摩耗性、耐熱性が改良され、しかも、生産性が良好な電線保護チューブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電線保護チューブ材料として、昇温溶離分別法により測定される特定の結晶性分布を有するプロピレン単位を主成分とする、ポリプロピレンとプロピレン−エチレンランダム共重合体とのミクロブレンドと、該ミクロブレンドの一部を酸変性した変性ミクロブレンドとの混合物にイオン架橋性充填材を使用して得られる組成物を使用することにより、かかる課題を全て解消し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記の(A)、(B)、(C)の成分よりなり、且つ、曲げ弾性率が2000MPa以下である樹脂組成物より実質的に成ることを特徴とする電線保護チューブである。
(A)(A−1)ミクロブレンド10〜90重量%と、(A−2)前記ミクロブレンドに、該ミクロブレンドとの合計量で1g当たり0.01〜1ミリモルの割合にて有機酸基を結合させてなる変性ミクロブレンド90〜10重量%との混合物
〔但し、前記ミクロブレンドは、(a)ポリプロピレン1〜70重量%と、(b)エチレン重合単位が15〜50モル%でプロピレン重合単位が85〜50モル%であるプロピレン−エチレンランダム共重合体99〜30重量%との混合物であり、且つ、下記(i)及び(ii)を満足する。
(i)o−ジクロロベンゼンを溶媒とする昇温溶離分別法により分別された溶出成分が(a)−40℃以上+20℃未満の溶出成分を20〜80重量%、(b)+20℃以上+100℃未満の溶出成分を10〜70重量%および(c)+100℃以上の溶出成分を1〜40重量%含有
(ii)o−ジブロモベンゼンを溶媒とする昇温溶離分別法により分別された全溶出成分中に−40℃〜+30℃の溶出成分を10〜90重量%含有
(B)前記混合物100重量部に対して0〜700重量部のポリプロピレン
(C)マグネシウムオキシサルフェート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイトから選ばれる1種を、上記(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対して5〜200重量部
【0009】
尚、本発明において、曲げ弾性率は、JIS K7203に準じて測定した値である。また、本発明において用いられる昇温溶離分別法とは、ポリオレフィン等の結晶性高分子の組成又は立体規則性や非晶性の分布を解析する手段であり、次の操作により行われる。先ず、試料樹脂の高温溶液を、珪藻土又はガラスビーズ等の充填材を充填したカラムに導入し、カラム温度を徐々に低下させることにより充填材表面に融点の高い成分から順に結晶化させる。次に、カラム温度を徐々に上昇させることにより、融点の低い成分から順に溶出させて分取する。本発明においては、上記測定におけるカラム温度の降温速度を2℃/時間とし、カラム温度の上昇速度を4℃/時間とした。昇温溶離分別法の具体的な操作方法については、Journal of Applied Polymer Science ; Applied Polymer Symposium 45、1−24(1990年)に詳細に記載されている。本分別法による分別では、常温以下の比較的低温の温度区分で非晶性又は極めて結晶性の低い成分が分別され、溶出温度の上昇に伴い結晶性の高い成分が分別される。各分別成分量は、横軸に溶出温度、縦軸に積算重量割合をとった溶出曲線により算出することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0011】
本発明の電線保護チューブは、ミクロブレンドと、このミクロブレンドを有機酸基で変性した変性ミクロブレンドとの混合物と、ポリプロピレンとを樹脂成分として含有する。
【0012】
ミクロブレンドは、下記の条件を同時に満足する樹脂であることが重要である。
▲1▼o−ジブロモベンゼン溶媒を用いた昇温溶離分別法により分別された全溶出成分に占める−40℃〜+30℃の溶出成分(以下、「低温溶出成分」ともいう)が10〜90重量%、好ましくは、30〜80重量%である。
▲2▼ポリプロピレン1〜70重量%、好ましくは1〜40重量%と、エチレン重合単位15〜50モル%、好ましくは15〜40モル%とプロピレン重合単位85〜50モル%、好ましくは85〜60モル%からなるプロピレン−エチレンランダム共重合体を99〜30重量%、好ましくは99〜60重量%とからなる。
【0013】
即ち、上記ミクロブレンドの特徴は、プロピレン−エチレンランダム共重合体に占めるプロピレン重合単位が多いにもかかわらず、低温溶出成分が十分な割合で確保されている点にある。これらの特徴により、得られる電線保護チューブは、優れた耐スクレープ摩耗性とゴム的物性を発揮すると共に、エチレン重合単位を主成分とした軟質ポリオレフィンを使用した従来の耐摩耗性樹脂組成物を使用した電線保護チューブと比較して、優れた加熱変形性を発揮する。また、上記ミクロブレンドの使用により、引張強度等の機械的物性が向上し、電線保護チューブは、これによる強度の向上ももたらされる。
【0014】
上記ミクロブレンドの低温溶出成分が10重量%未満である場合、樹脂組成物中に結晶成分を多く含むために可撓性が低下し、曲げ弾性率2000MPa以下の樹脂組成物が得られ難く、電線保護チューブの可撓性の低下を招く。また、上記ミクロブレンドの低温溶出成分が90重量%を超える場合、電線保護チューブの瞬間耐熱性が低下すると共に、樹脂の粘着性が高いことにより、電線保護チューブの切断がし難くなる等の問題が発生し易くなる傾向がある。
【0015】
また、上記ミクロブレンドは、昇温溶離分別法により分別される溶出成分が、下記の段階的な溶出成分の分布を有するものであるとき、電線保護チューブに更に優れた柔軟性や耐熱性等の諸特性を与えることができ、好ましい。即ち、ミクロブレンドは、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた昇温溶離分別法により分別された溶出成分が、−40℃以上20℃未満の溶出成分(以下、「(a)成分」という)の割合が20〜80重量%、20℃以上100℃未満の溶出成分(以下、「(b)成分」という)の割合が10〜70重量%及び100℃以上の溶出成分(以下、「(c)成分」という)の割合が1〜40重量%(但し、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計は100重量%)であるものが特に好ましい。
【0016】
(a)成分は樹脂組成物の可撓性発現に寄与する成分であり、その割合が20重量%未満の場合、樹脂組成物の可撓性が損なわれ易く、得られる電線保護チューブの柔軟性の低下を招く。一方、(a)成分の割合が80重量%を超えた場合、樹脂組成物の耐熱性が低下し、得られる電線保護チューブの耐熱性が低下する。より良好な柔軟性と耐熱性を有する電線保護チューブを得る為には、(a)成分の割合は30〜70重量%が好ましい。電線保護チューブの柔軟性は、チューブの切断加工性や電線束の収束性及び組み付け性において必要な性状である。
【0017】
(b)成分は、(a)成分と(c)成分との相溶性を発現させる成分であり、その結果、得られる樹脂組成物の可撓性と耐熱性のバランスが良好となり、得られる電線保護チューブの特性に反映される。(a)成分での性状と同様、(b)成分の割合が10重量%未満では樹脂組成物の良好な可撓性が低下する傾向があり、70重量%を超える場合には樹脂組成物の耐熱性が不足しがちとなる。得られる電線保護チューブのより好適な柔軟性と耐熱性とのバランスを保つ為には、(b)成分の割合は15〜50重量%が好ましい。
【0018】
(c)成分は、ポリプロピレンの特徴である優れた耐熱性を発揮し、電線保護チューブに優れた耐熱性を付与するために必要な成分である。従って、(c)成分が1重量%未満の場合、樹脂組成物の耐熱性が不充分となり、得られる電線保護チューブの耐熱性が低下する傾向にある。(c)成分が40重量%を超える場合、樹脂組成物の可撓性が損なわれ、得られる電線保護チューブの柔軟性が低下する。より良好な耐熱性を得る為に、(c)成分は5〜30重量%の範囲が好ましい。
【0019】
本発明に使用するミクロブレンドにおいて、ポリプロピレンは、上記昇温溶離分離法(以下、「TREF」ということがある)で溶出する(c)成分に相当する。そして、このポリプロピレンとしては、例えばプロピレンの単独重合体、プロピレン以外の他のα−オレフィンの重合単位を10モル%以下の割合で含有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、ポリプロピレンとプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とのミクロブレンドを使用することができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0020】
尚、かかるα−オレフィンとしては、例えばエチレン、ブテン−1、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0021】
また、本発明のミクロブレンドにおいて、プロピレン−エチレンランダム共重合体は、上記TREFで溶出する(a)成分及び(b)成分におおよそ相当する。そして、かかるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分において、エチレン重合単位の割合が15〜50モル%およびプロピレン重合単位の割合が85〜50モル%であることが本発明の目的を達成するために重要である。更に好ましくは、プロピレン重合単位の割合が85〜60モル%およびエチレン重合単位の割合が15〜40モル%である。プロピレン重合単位の割合が85モル%を超えそしてエチレン重合単位の割合が15モル%未満の場合、樹脂組成物の可撓性が損なわれ、得られる電線保護チューブの柔軟性が低下する。一方、プロピレン重合単位の割合が50モル%未満でエチレン重合単位の割合が50モル%を超える場合、樹脂組成物の耐熱性が損なわれ、得られる電線保護チューブの耐熱性が低下する。
【0022】
本発明において、上記ミクロブレンドは、その特性を著しく変化させない範囲内で、プロピレン重合単位およびエチレン重合単位以外の他のα−オレフィン重合単位を含有していてもよい。具体的には、1−ブテン等のα−オレフィンの重合単位を10モル%以下の割合で含有することができる。
【0023】
本発明において、上述したミクロブレンドは、例えば、特開平5−320468号公報に記載された方法に従って製造することができる。特開平5−320468号公報は本明細書の記載として合体される。本発明において、「ミクロブレンド」とは、上記方法で製造されるような、ポリプロピレンとプロピレン−エチレンランダム共重合体とが分子レベルあるいはそれに近いレベルで混合しているものであると理解できる。上記ミクロブレンドは慣用的に、プロピレン−エチレンブロック共重合体と呼ばれることもある。
【0024】
本発明において、ミクロブレンドの重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、ゲル パーミュレーション クロマトグラフ(ポリスチレン換算)による重量平均分子量で、好ましくは7万〜700万であり、更に好ましくは20万〜300万の範囲であり、特に好ましくは30万〜200万の範囲である。
【0025】
また、ミクロブレンドはメルトフローレート(MFR)を0.3〜150g/10分程度に調整して使用することが好ましい。尚、本発明において、メルトフローレートは、JIS K7210に準じて測定した値である。
【0026】
本発明において、無機充填材の添加によって低下する樹脂組成物の耐摩耗性を、該無機充填材の添加効果を阻害することなく改良し、これを電線保護チューブのスクレープ摩耗性を向上せしめるために、該ミクロブレンドに有機酸基を結合させた、変性ミクロブレンドを併用することが重要である。また、変性ミクロブレンドを併用することにより、後述するイオン架橋性充填材を樹脂組成物中に均一分散させることができるようになり、優れた屈曲性、折り曲げ耐白化性が得られる。
【0027】
使用される有機酸基の種類は、特に制限されない。一般には、不飽和有機酸又はその酸無水物の如き誘導体によって付与される有機酸基が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の一塩基酸及び二塩基酸や酸無水物が挙げられる。また、上記不飽和有機酸の金属塩、イミド、アミド、エステル等も挙げられる。
【0028】
ミクロブレンドに有機酸基を結合させて変性ミクロブレンドを得る方法としては、公知の方法が何ら制限なく使用できる。例えば、ミクロブレンドと不飽和有機酸又はその酸無水物の如き誘導体を不活性有機溶媒中で接触させる方法や電子線、X線、α線、γ線等の放射線を照射する方法、ミクロブレンドと不飽和有機酸又はその酸無水物の如き誘導体に、有機過酸化物を代表例とする反応開始剤を混合し溶融混練する処理を行う方法などが挙げられるが、上記溶融混練する処理が工業的に最も好ましい。また、ミクロブレンドの重合時に酢酸ビニル、アクリル酸エステル、不飽和カルボン酸などを共重合する方法も実施可能である。
【0029】
尚、上記変性ミクロブレンドを得る方法において使用される有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ−3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソブチル)ベンゼン、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。
【0030】
また、変性ミクロブレンドはメルトフローレート(MFR)を0.3〜250g/10分程度に調整して使用することが好ましい。
【0031】
上記変性ミクロブレンドにおける有機酸基の量は、上記未変性のミクロブレンドと該変性ミクロブレンドとの混合物全量1g当り0.01〜1ミリモルの割合であることが重要である。即ち、総ミクロブレンドに対する有機酸基の結合濃度が0.01ミリモル/g未満の場合、樹脂組成物の耐摩耗性が低下し、電線保護チューブの耐スクレープ性が低下する。また、有機酸基の結合濃度が1ミリモル/gを超えると、増量に見合う効果の向上が得られず、経済上好ましくないばかりでなく、得られる電線保護チューブの耐絶縁破壊性も低下する場合がある。総ミクロブレンドに対する有機酸基の好ましい結合濃度は0.05〜0.7ミリモル/g、特に0.1〜0.3ミリモル/gである。
【0032】
本発明において、ミクロブレンドと変性ミクロブレンドとの混合物は、有機酸基をミクロブレンド1g当り0.01〜1ミリモルの範囲を超えて多量に結合させたマスターバッチを作り、このマスターバッチとミクロブレンドとを混合し、前記有機酸基の濃度となるように調整することによって製造することができる。ミクロブレンドと変性ミクロブレンドとの混合物は、好ましくは、ミクロブレンド10〜90重量%と変性ミクロブレンド90〜10重量%の混合物である。
【0033】
本発明において、得られる樹脂組成物の前記曲げ弾性率を満足する範囲内で、別途ポリプロピレンを添加することが、樹脂組成物の耐熱性を向上せしめ、得られる電線保護チューブの耐熱性を向上させるために好ましい。ポリプロピレンは、上記混合物の総ミクロブレンド100重量部当り、好ましくは700重量部以下、より好ましくは600〜10重量部、特に好ましくは500〜40重量部で用いられる。即ち、ポリプロピレンの割合が700重量部を超えた場合、樹脂組成物の可撓性が損なわれ易く、得られる電線保護チューブの柔軟性が低下する。また、ポリプロピレンは、10重量部以上の割合で配合することが、樹脂組成物の耐熱性をより高め、電線保護チューブの耐熱性を一層向上せしめることができる。
【0034】
上記ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、プロピレン以外の、他のα−オレフィンの重合単位を15モル%以下の割合で含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体およびポリプロピレンとプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とのミクロブレンドを使用することができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。かかる他のα−オレフィンとしては、例えばエチレン、ブテン−1、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。また、上記ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、0.3〜150g/10分程度のものが好適である。
【0035】
上記変性ミクロブレンド、ミクロブレンド、ポリプロピレン間のメルトフローレート比、結晶化度、立体規則性、粘度、ヘプタンやヘキサン、p−キシレン等の溶剤可溶分(又は不溶分)、融点、融解熱量、その他各種パラメータ等は、本発明において性状を損なわない範囲で、何ら制限なく適用できる。
【0036】
本発明において、電線保護チューブに使用される上記(A)、(B)成分を含む樹脂組成物に、耐摩耗性、耐熱性、ゴム的性質を与え、得られる電線保護チューブの耐スクレープ摩耗性、耐熱性を他の特性とバランス良く発現させるために、マグネシウムオキシサルフェート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイトから選ばれる1種(以下、「イオン架橋性充填材」)が配合される。即ち、イオン架橋性充填材は、溶融混練において前記ミクロブレンドに含有される有機酸基と作用してイオン架橋構造を形成するものである。また、該樹脂組成物は架橋体であるにもかかわらず、極めて良好なリサイクル性を発揮する。
【0037】
イオン架橋性充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の多価金属の水酸化物が特に好適であり、水酸化マグネシウムが最も好適である。また、イオン架橋性充填材は、天然品及び合成品の何れであってもよい。
【0038】
また、イオン架橋性充填材の形状は、繊維状及び/又は板状が挙げられる。繊維状としては、その平均繊維径が好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.5〜1.0μmであり、そしてアスペクト比が好ましくは3〜1000、より好ましくは15〜80のものが好適である。また、板状としては、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定による平均粒子径が、0.5〜10μm、好ましくは1〜6μmであり、アスペクト比が3〜200、好ましくは15〜80のものが好適に使用される。繊維状と板状のイオン架橋性充填材は、任意の割合で併用して用いることができる。
【0039】
また、イオン架橋性充填材の表面は、公知の表面処理剤で処理することができる。表面処理剤としては、例えば分散性を向上させる為に、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸や、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、又はステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸金属塩、シリコン系、シラン系、燐系化合物、リン酸エステル系、リン酸エステルアミン系等、各種カップリング剤等などが挙げられる。中でも、オレイン酸、ステアリン酸の脂肪酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムの脂肪酸金属塩、リン酸エステル系で表面処理されていることが分散性、難燃性、耐湿性、耐水性、耐温水性、耐塩水性等を向上させる点で好ましい。これら表面処理剤は、2種以上を併用してもよい。
【0040】
本発明において、上記イオン架橋性充填材は、樹脂組成物に対して、架橋剤として作用すると共に、多量に添加することにより難燃剤としても作用し、また、架橋後のフリーの酸をキャッチする酸捕捉剤としても作用する。特に、金属水酸化物の難燃剤としての作用は、変性ミクロブレンドと相乗的に作用し、極めて良好な難燃性能を発揮することができる。従って、かかるイオン架橋性充填材の添加量は、前記(A)および(B)成分を主とする全樹脂成分の合計量100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜180重量部である。イオン架橋性充填材の配合量が全樹脂成分100重量部に対して5重量部未満では、樹脂組成物において十分なイオン架橋が達成されず、また、200重量部を越えると、得られる電線保護チューブの外観が悪くなる。
【0041】
上記イオン架橋性充填材によって形成されたイオン架橋の存在および重合は、内在するゲル部分について赤外線スペクトルを調べることにより確認できる。即ち、1560〜1580cm-1にカルボキシル基或いは酸無水物基と多価金属イオンとの結合に基づく吸収帯が生じ、これにより上記架橋反応の行なわれたことを確認することができる。
【0042】
本発明において、ゲル部分の割合は、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%の範囲である。ゲル部分の割合は、変性ミクロブレンドにおける有機酸基濃度、ミクログレンドとの配合割合、イオン架橋性充填材の配合量等を制御することによって調整することができる。
【0043】
上記のように、変性ミクロブレンドに由来する特殊なゲル部分が存在することにより、樹脂組成物は、耐熱性において、従来のポリオレフィン系エラストマーに比して極めて顕著な効果を発揮し、前記したように、得られる電線保護チューブの耐スクレープ摩耗性、耐熱性の向上、更には、生産性の向上に反映される。
【0044】
本発明において、上記ゲル部分の存在により上述した効果を発現し得る作用機構は明らかでないが、該ゲル部分は特殊な結晶性分布を有する変性ミクロブレンドのイオン架橋体を含むものであり、その性状は、平均架橋密度を比較的高くした場合にも、溶媒に対して適度な膨潤性を示すことによっても特徴づけられ、これにより、マトリックス樹脂中に極めて良好に分散するものと推定される。
【0045】
尚、本発明において、前記樹脂組成物のゲルには、有機酸基を接合する反応で若干の架橋体が生成するが、本発明におけるゲル分はイオン架橋体と共にかかる架橋体を一部含んでいてもよい。
【0046】
本発明において、樹脂組成物中のゲル部分とは、粒径2.5〜3.5mmにストランドカットした試料樹脂組成物に対してp−キシレンによるソックスレー抽出を6時間実施した後の不溶分の割合をいう。また、ゲル部分は、重合体組成に対していうものであり、組成物が架橋重合体以外の不溶性成分、例えば、無機物質を含む場合には、かかる成分を除いたゲル部分の割合で算出される。
【0047】
本発明において、樹脂組成物の溶融時の流動性は、特に制限されるものではなく、メルトフローレイト(以下、MFRとも略す)が100g/10min以下範囲であるのが好ましく、20g/10min以下の範囲のものが一般的である。
【0048】
本発明で使用する樹脂組成物には、本発明の構成要件を満足する範囲で、種々の添加剤を配合することができる。例えば、前記ミクロブレンド、変性ミクロブレンドおよびポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂を配合することができる。例えば、プロピレン・エチレンランダム共重合体、ポリプロピレンとプロピレン・エチレンランダム共重合体とのミクロブレンド、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体よりなる線状ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPDM)、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ペンテン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン樹脂を配合してもよい。
【0049】
また、上記以外の樹脂として、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合、エチレンメタクリレート、ポリクロロプレン、ハロゲン化ポリエチレン、ハロゲン化ポリプロピレン、フッ素樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、ポリブタジエンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、フッ素ゴム、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等の石油樹脂系炭化水素や、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−プロピレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体や上記共重合体の水添物等の芳香族系ビニル系ゴムを配合することができる。上記樹脂は前記有機酸基を結合して有していてもよい。
【0050】
これらの添加剤としての樹脂は、前記混合物100重量部に対して、好ましくは100重量部以下の範囲、より好ましくは50重量部以下の範囲、更に好ましくは40重量部以下の範囲で配合することが好適である。
【0051】
また、本発明において、チューブ材料を構成する樹脂組成物には、上記イオン架橋性充填材の他に必要に応じて、チタン酸カリウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アスベスト、ワラストナイト、石膏繊維、鉱物繊維、有機繊維(ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等)等の公知の繊維状充填材、タルク、マイカ、クレー、ガラスフレーク、グラファイト、アルミフレーク、カオリンクレー、酸化鉄、セリサイト、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、ヒル石等の公知の板状充填材、ゼオライト、珪藻、炭酸カルシウム、シリカ、シリケート、ガラスビーズ等の公知の球状充填材を配合してもよい。これら充填材は、2種以上を併用してもよい。また、これら充填材の配合量は、全樹脂成分100重量部に対して、0.1〜80重量部であることが好ましい。
【0052】
また、本発明で使用する樹脂組成物には、更に、発明の効果を損なわない程度で、更に他の添加剤を配合することができる。具体的には、ヒンダードアミン系等の熱安定剤;ヒンダードアミン系等の耐候剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;オキシド系等の分解剤;メラミン系、ヒドラジン系、アミン系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、赤リン系、シリコン系、シリカ系、メラミン系、ガラス系、含水無機物系等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;ソルビトール系、芳香族リン酸金属塩系、有機酸金属系等の透明化剤または造核剤;防曇剤;アンチブロッキング剤;発泡剤;有機充填材;金属イオン系などの無機抗菌剤、有機抗菌剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これら他の添加剤は、2種以上を併用してもよい。
【0053】
更に、本発明で使用する樹脂組成物には、必要に応じて公知のフェノール系酸化防止剤が何等制限されることなく使用できる。具体的には、2,6−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノール、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フォスホネート、チオジエチレングリコールビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4′−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3′−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4′−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−第三ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアネート、テトラキス[メチレン(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−ビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。これらフェノール系酸化防止剤は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、フェノール系酸化防止剤は、全樹脂成分100重量部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは、0.01〜0.8重量部である。上記フェノール系酸化防止剤の添加量が0.001重量部未満では、樹脂の劣化が著しくなる為、樹脂が黄変し好ましいものではない。一方、1重量部を超える場合、経済的に好ましくない。
【0054】
更にまた、本発明で使用する樹脂組成物には、必要に応じて公知の有機リン系酸化防止剤が何等制限されることなく使用できる。具体的には、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1′,3−トリス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタントリホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクタデシルホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。これら有機リン系酸化防止剤は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、有機リン系酸化防止剤は、全樹脂成分100重量部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは、0.01〜0.8重量部配合させるのが好適である。かかる添加量が0.001重量部未満では、樹脂の劣化が著しくなる為、樹脂が黄変し好ましいものではない。一方、1重量部を超える場合、経済的に好ましくない。
【0055】
本発明で使用する樹脂組成物には、必要に応じて公知のチオエーテル系酸化防止剤が何等制限されることなく使用できる。具体的には、チオジプラピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)などのポリオールでβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。これらのチオエーテル系酸化防止剤は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、チオエーテル系酸化防止剤は、全樹脂成分100重量部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは、0.01〜0.8重量部配合させるのが好適である。かかる添加量が0.001重量部未満では、樹脂の劣化が著しくなる為、樹脂が黄変し好ましいものではない。一方、1重量部を超える場合、経済的に好ましくない。
【0056】
上記に挙げるフェノール系酸化防止剤、有機リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤は単独使用の他、2種以上を併用することもできる。併用する場合、その総添加量は、全樹脂成分100重量部に対して、0.001〜2重量部、好ましくは、0.01〜1重量部である。
【0057】
本発明において、上記各成分の配合は、樹脂の混合で行われている通常の方法を何等制限なく採用することができる。例えば、パウダー及びまたはペレット状の前記樹脂に、他の樹脂や添加剤、充填材等を添加し、タンブラーやヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボンフィーダー、スーパーミキサー等にて混合した後、単軸または多軸の押出機(好ましくは脱気が出来る溶融混練装置)、ロール、ニーダー、バンバリー等にて、混練温度150℃〜350℃、好ましくは、190℃〜280℃で溶融混練し、ペレット等にする方法が好適である。上記各成分の添加順序は、特に規定はなく、上記方法と異なる順序で各成分を混合してもよい。また、他の添加剤や充填材成分を高濃度に濃縮配合したマスターバッチを作り、混合使用することもできる。
【0058】
本発明の電線保護チューブは、上記樹脂組成物を使用することにより、チューブ製造時における樹脂の押出性に優れ、生産性が良好である。即ち、高速押出し成形による電線保護チューブの生産において、外観性状に影響を及ぼすことなく生産できるためには、メルトフラクチャー現象が無く、スウエル比が小さい樹脂特性が必要となる。高速生産時における外観特性に乏しいPE系電線は、メルトフラクチャー現象による外観性状に劣る。また、PVC系の生産においてもより高速成形時にメルトフラクチャー現象が発生し、生産スピードに限界がある。これに対して、本発明の樹脂組成物を使用することで、PVC系による限界生産スピード以上において、メルトフラクチャー現象による外観不良がなく、安定した生産が可能であり、生産性の向上が得られる事から、経済性にも優れる。また、本発明の電線保護チューブは、これを構成する樹脂組成物により、前記特性に加え、リサイクル性や燃焼時の有害ガス発生防止等の環境保全にも優れている。
【0059】
本発明において、保護する電線は、PVC電線をはじめ、ハロゲン系難燃剤及び/又はノンハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成物より実質的に成る電線等、公知の電線が何ら制限なく使用される。絶縁電線を構成する態様は、例えば、図1に示す単線、図2に示すフラット線、図3に示すシールド線等公知の態様を特に制限なく採用することができる。また、本発明の電線保護チューブは、自動車ハーネス電線、家電電線、電力電線、機器電線、情報通信線、光ファイバー線、電車や船舶、航空機など、あらゆる電線の集束・保護に、制限無く使用できる。また、上記態様において、チューブの厚みは、一般に、0.1〜5mm程度が採用される。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するため実施例及び比較例に従って説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において各種の測定及び評価は、以下の方法により測定した。また、本評価に用いた電線保護チューブは、後述される樹脂組成物を50mmφ押出機(φ50 L/D=2.3FFスクリュー)によりダイス温度200℃、引取り速度40m/分で押出成形し、肉厚0.3mm、内径10mmとしたものを用いた。
【0061】
(1)電線保護チューブの評価
(ア)耐摩耗性(スクレープ摩耗試験)
図4に示すように、直径5mmの金属棒106に長さ約40mmのチューブ111を外嵌し、サンプルホルダー105に載置してクランプ104で固定する。そして、プランジ103の先端に設けた直径0.45mmのピアノ線108を、押圧う材101により総荷重10Nを負荷し、往行距離15mmで、チューブ111の上で往復させ、プランジ103がチューブ111を貫き、金属棒106と接するまでの往復回数を測定した。
○:往復回数が250回以上 ×:250回未満
【0062】
(イ)チューブ柔軟性(チューブ巻取り性)
半径0.6mのドラムにテンションをかけずに巻きつけを行い、チューブの束巻状態を確認した。
○:良好 ×:折れ曲がり発生
【0063】
(ウ)耐油性
チューブをハラサキし、JIS C 6251に規定される3号形ダンベル状に打ち抜いた試験片を、50℃に加熱された試験油〔エンジンオイル:灯油=50:50(重量比)〕に20時間浸漬後、破断荷重及び破断伸度を測定した。
○:伸び残率70%以上 ×:伸び残率70%未満
【0064】
(エ)耐熱性 (瞬間耐熱性)
温度170℃のオーブンにチューブを30分保持し、取り出し後チューブの溶融,き裂,割れの発生の有無を確認した。
○:変化無し ×:溶融、亀裂、割れ発生
【0065】
(2)樹脂組成物の物性等
(a)プロピレン−エチレンブロック共重合体の重量平均分子量
使用装置および測定条件としては、ウォータース社製GPC−150C型、温度135℃、溶媒オルトジクロロベンゼン、使用カラム東ソー製TSK GMH6−HT、ゲルサイズ10〜15μm を用いた。そして、ポリプロピレンの溶出曲線を分子量分布曲線に変換する較正曲線は以下の方法により求めた。即ち、分子量が950、2,900、1万、5万、49.8万、270万、675万、2060万の単分散ポリスチレンを標準試料として、ポリスチレン用の較正曲線を得、これを文献「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(丸善株式会社 昭和51年5月20日発行)」の第64頁〜66頁に示される方法により、ポリプロピレンでの較正曲線に変換した。なお、変換に用いた常数は、同文献の付表5に示される値を用いた。
【0066】
(b)変性プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂中の有機酸基の測定
変性プロピレン−エチレンブロック共重合体中のグラフト有機酸量を測定する為、検量線を作成した。スチレンと所定の有機酸をベンゼン中に入れ、アゾビスイソブチルニトリルを添加してスチレン−有機酸共重合体を得た後、ホモポリプロピレンに混合してシートにし、赤外分光光度計により有機酸吸光度とシート厚みとから、検量線を求めた。変性プロピレン−エチレンブロック共重合体をp−キシレン中で加熱して全溶させた後、多量のメタノール中で再沈澱後、乾燥してシートにし、赤外分光光度計にて有機酸吸光度を測定し、その検査線を用いて変性プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂中の有機酸基を測定した。
【0067】
(c)温度昇温溶離分別法
(株)センシュー科学社製、SSC−7300型を用い、以下の測定条件により行った。
溶媒 ;o−ジクロロベンゼン又はo−ジブロモベンゼン
流速 ;2.5ml/min
昇温速度 ;4.0℃/Hr
サンプル濃度 ;0.7wt%
サンプル注入量;100ml
検出器 ;赤外検出器、波長3.14μm
カラム ;φ30mm×300mm
充填材 ;Chromosorb P 30〜60mesh
カラム冷却速度;2.0℃/Hr
【0068】
(d)曲げ弾性率
JIS K7203に準じて行った。
【0069】
(e)ゲル部分の割合
粒径2.5〜3.5mmのストランドカット試料5gをステンレス金網の袋に入れ、p−キシレン沸点下で6時間ソックスレー抽出を行った。抽出サンプルを真空乾燥機で70℃、18時間乾燥した後、抽出残量(ゲル分率)を測定した。尚、ゲル部分は、重合組成に対して云うものであり、組成物が架橋体以外の不溶成分、例えば、無機物質を含む場合には、該不溶成分を焼成等により除いてゲル部分の割合を算出した。
【0070】
[試料1の調製]
(予備重合)
攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘキサン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジシクロペンチルジメトキシシラン4.2mmol、ヨウ化エチル21.5mmol、トリエチルアルミニウム21.5mmol及び三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製)21.5mmolの割合で加えた後、プロピレンを三塩化チタン1g当たり3gとなるように30分間連続的に反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで十分に置換し、引き続き得られたチタン含有ポリプロピレンを精製ヘキサンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化チタン1g当たり2.7gのプロピレンが重合されていた。
【0071】
(本重合)
2 置換を施した2m3 のオートクレーブに、液体プロピレンを1m3 、トリエチルアルミニウム2.4mol、ジシクロペンチルメトキシシラン1.2mol、水素を気相中の濃度が1.0mol%になるように加え、オートクレーブの内温を55℃に昇温した。次に、エチレンを気相中の濃度が1.5mol%になるように供給した後、予備重合で得られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして0.3mol加え55℃で20分間プロピレン−エチレンの共重合を行った(工程1)。次いで、気相中のエチレンガス濃度を10mol%に上昇せしめるように供給して120分間の重合を行った(工程2)。その後、未反応モノマーをパージしてミクロブレンドを得た。このようにして得られたミクロブレンドは70℃で1時間乾燥した。このミクロブレンドの各種特性の測定結果を表1に試料7として示す。
【0072】
(分子量調節)
上記ミクロブレンドに酸化防止剤を0.2重量部、有機過酸化物として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを0.05重量部添加して混合した後、230℃で押出成形して分子量が低減されたペレットを得た。このようにして得られたミクロブレンドの各種特性の測定結果を表1に試料1として示す。
【0073】
[試料2の調製]
試料1の調製方法において、エチレンの供給量及び水素の供給量を変えた以外は同様にして、ミクロブレンドを製造し、また、試料1の調製方法と同様にして分子量調節されたミクロブレンド(試料2)を得た。得られたミクロブレンドの各種特性の測定結果を表2として表1に示す。
【0074】
[試料8の調製]
また、試料2の分解前のミクロブレンドについて、各種特性の測定結果を試料8として表1に示す。
【0075】
[試料3の調製]
試料1の調製方法において、工程1でエチレンガス濃度を1.0mol%とし、55℃で150分重合を行い、工程2を行わず、プロピレン−エチレンランダム共重合体を得た。各種特性の測定結果を試料3として表1に示す。
【0076】
[試料4の調製]
触媒としてメタロセン系触媒を使用し、ミクロブレンドを製造し、また、試料7の調製方法と同様にして分子量調節されたミクロブレンド(試料4)を得た。得られたミクロブレンドの各種特性の測定結果を試料4として表1に示す。
【0077】
[試料5の調製]
市販のエチレン−プロピレン共重合体よりなるTPOを使用した。各種特性の測定結果を試料5として表1に示す。
【0078】
[試料6の調製]
市販のポリプロピレン((株)トクヤマ製、RB110)を使用した。各種特性の測定結果を試料6として表1に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0004381629
【0080】
また、実施例及び比較例において使用した充填材の略号を表2に示す。
【0081】
【表2】
Figure 0004381629
【0082】
尚、実施例、比較例において示す表において、プロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレン共重合体成分の割合は、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた温度昇温溶離分別法により分別される20℃未満の溶出成分(a)成分と20℃以上100℃未満の溶出成分(b)成分の合計割合を、また、共重合体中のエチレン含有量は、上記プロピレン−エチレン共重合体中のエチレン含量をそれぞれ示す。
【0083】
(実施例1)
ミクロブレンド(試料7)100重量部に対して、酸化防止剤テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05重量部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソブチル)ベンゼンを0.9重量部と無水マレイン酸を4.5重量部配合し、ヘンシェルミキサーにて攪拌混合を十分行った。その後、50mmφ単軸押出機によって溶融混練を行い、ストランドカットによって変性ミクロブレンドを得た。得られた変性ミクロブレンドは、MFR50g/10min、有機酸基濃度0.29mmol/gであった。
【0084】
次いで、表3に示す量で、ミクロブレンド、変性ミクロブレンド、ポリプロピレン、及び、表2に示す充填材A(水酸化マグネシウム(架橋剤))及び酸化防止剤テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05重量部配合し、ヘンシェルミキサーにて攪拌混合を十分行った。その後、ベント付き45mmφ2軸押出機にて溶融混練を行い、ストランドカットによって樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を用いて前述の方法によって電線保護チューブを成形した。各種の物性測定値を表3に、また評価結果を表5に示した。
【0085】
(実施例2〜4)
実施例1において、ミクロブレンド、変性ミクロブレンド及び水酸化マグネシウムの配合量を表3に示すように変えた以外は、同様にして樹脂組成物を得た。そして、得られた樹脂組成物を用いて電線保護チューブを成形した。各種の物性測定値を表3に、また評価結果を表5に示した。
【0086】
(実施例5)
ミクロブレンド(試料8)100重量部に対して、酸化防止剤テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05重量部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソブチル)ベンゼンを0.9重量部と無水マレイン酸を4.5重量部配合し、ヘンシェルミキサーにて攪拌混合を十分行った。その後、50mmφ単軸押出機によって溶融混練を行い、ストランドカットによって変性ミクロブレンドを得た。得られた変性ミクロブレンドは、MFR107g/10min、有機酸基濃度0.20mmol/gであった。
【0087】
次いで、ポリプロピレン100重量部に対して、表3に示す量でミクロブレンド(試料1)、上記変性ミクロブレンド、水酸化マグネシウム(架橋剤)及び酸化防止剤テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05重量部配合し、ヘンシェルミキサーにて攪拌混合を十分行った。その後、ベント付き45mmφ2軸押出機にて溶融混練を行い、ストランドカットによって樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を用いて前述の方法によって電線保護チューブを成形した。各種の物性測定値を表3に、また評価結果を表5に示した。
【0088】
(比較例1〜7)
表4に示す量で、変性ミクロブレンドとランダム重合体又はミクロブレンド、ポリプロピレン、水酸化マグネシウムを配合した以外は、実施例1と同様にして電線保護チューブを得た。各種の物性測定値を表4に、また評価結果を表5に示した。
【0089】
【表3】
Figure 0004381629
【0090】
【表4】
Figure 0004381629
【0091】
【表5】
Figure 0004381629
【0092】
表5から明らかなように、本発明に従う各実施例は何れも、全ての評価項目において良好な結果を示している。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明より理解できるように、本発明の電線保護チューブは、特定の軟質ポリオレフィン組成物である樹脂組成物を使用することにより、軟質ポリオレフィンの有する良好な絶縁性、耐水性、耐油性を有しながら、更に、屈曲性、耐スクレープ摩耗性、耐熱性が改良され、しかも、押出成形による製造における生産性にも優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電線保護チューブが適用される電線の一例(単線)を示す斜視図である。
【図2】本発明の電線保護チューブが適用される電線の他の例(フラット線)を示す斜視図である。
【図3】本発明の電線保護チューブが適用される電線の更に他の例(シールド電線)を示す斜視図である。
【図4】スクレープ摩耗試験に用いた試験装置を示す概略図である。
【符号の説明】
101 押圧部材
103 プランジ
104 クランプ
105 サンプルホルダー
106 金属棒
108 ピアノ線
111 チューブ

Claims (2)

  1. 下記の(A)、(B)、(C)の成分よりなり、且つ、曲げ弾性率が2000MPa以下である樹脂組成物より実質的に成ることを特徴とする電線保護チューブ。
    (A)(A−1)ミクロブレンド10〜90重量%と、(A−2)前記ミクロブレンドに、該ミクロブレンドとの合計量で1g当たり0.01〜1ミリモルの割合にて有機酸基を結合させてなる変性ミクロブレンド90〜10重量%との混合物
    〔但し、前記ミクロブレンドは、(a)ポリプロピレン1〜70重量%と、(b)エチレン重合単位が15〜50モル%でプロピレン重合単位が85〜50モル%であるプロピレン−エチレンランダム共重合体99〜30重量%との混合物であり、且つ、下記(i)及び(ii)を満足する。
    (i)o−ジクロロベンゼンを溶媒とする昇温溶離分別法により分別された溶出成分が(a)−40℃以上+20℃未満の溶出成分を20〜80重量%、(b)+20℃以上+100℃未満の溶出成分を10〜70重量%および(c)+100℃以上の溶出成分を1〜40重量%含有
    (ii)o−ジブロモベンゼンを溶媒とする昇温溶離分別法により分別された全溶出成分中に−40℃〜+30℃の溶出成分を10〜90重量%含有
    (B)前記混合物100重量部に対して0〜700重量部のポリプロピレン
    (C)マグネシウムオキシサルフェート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイトから選ばれる1種を、上記(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対して5〜200重量部
  2. 前記樹脂組成物が、ゲルを10〜80重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の電線保護チューブ。
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