JP4381154B2 - 水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具 - Google Patents

水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具 Download PDF

Info

Publication number
JP4381154B2
JP4381154B2 JP2004012865A JP2004012865A JP4381154B2 JP 4381154 B2 JP4381154 B2 JP 4381154B2 JP 2004012865 A JP2004012865 A JP 2004012865A JP 2004012865 A JP2004012865 A JP 2004012865A JP 4381154 B2 JP4381154 B2 JP 4381154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
thin plate
mesh
tool
aggregates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004012865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005205281A (ja
Inventor
誠 市橋
Original Assignee
日本ポリグル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本ポリグル株式会社 filed Critical 日本ポリグル株式会社
Priority to JP2004012865A priority Critical patent/JP4381154B2/ja
Publication of JP2005205281A publication Critical patent/JP2005205281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4381154B2 publication Critical patent/JP4381154B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Description

本発明は、凝集用薬剤の混合、攪拌により凝集して水中に浮遊する汚濁物質のフロック(凝集物)の回収・除去方法とこれに用いる回収具の改良に関するものであり、小型水槽等の水や沼湖や河川、港湾等の広大な水域の水の浄化処理に利用されるものである。
近年、環境汚染の防止や汚染された地球環境の回復が人類社会の重要な課題となっており、その中でも、特に河川や港湾等を対象とする大規模な水環境の回復、改善は、優先的に解決されるべき問題となって来ている。
そのため、各種の汚水処理用薬剤や汚水処理用薬剤の散布方法が開発され、港湾や河川を対象とする大規模な水の浄化処理が試みられている。
ところが、従前の処理用薬剤を用いた水の浄化処理、例えば凝集用薬剤を用いた浄化処理に於いては、水中の汚濁物質をうまく凝集沈殿させることが出来たとしても、これ等の凝集物の大部分は河床等に未分解のまま堆積することになり、潮流の変化等の自然現象により凝集した沈殿物が再浮上したり、或いは河床上でヘドロ化すると云う問題があった。 勿論、凝集した沈殿物の一部は、微生物の作用により自然分解されて行くが、この微生物による自然分解の速度は極めて遅いため、現実には凝集した沈殿物の60〜80%が潮流の変化等によって再浮上すると云われている。
一方、上述の如き問題を解決するものとして、本願発明者等は先きに、ポリグルタミン酸架橋物を主体とする生分解性の水質浄化剤(日本ポリグル株式会社製 使用品名 PGα21)を開発すると共に、この生分解性の水質浄化剤を用いて、各地の河川や沼湖に於いて水中汚濁物質の凝集沈殿実験を繰り返して来た。尚、生分解性の浄化剤(凝集剤)を用いたのは、当該凝集剤を核にして凝集した沈殿物の方が、少なくとも従前のポリアクリルアミド等の合成高分子凝集剤により凝集せしめた沈殿物よりも、自然分解される可能性が高かく且つ自然分解速度も早いからである。
尚、上記生分解性凝集剤は、自然界で容易に分解されて天然アミノ酸の一種であるグルタミン酸に変換されるものであり、分解されるとモノマーのアクリルアミドになる従前のポリアクリルアミドを主体とする高分子凝集剤とは物性を基本的に異にするものである。
また、本願発明者等は、上記生分解性水質浄化剤の水中への散布方法についても多くの試験を積み重ね、その試験結果から、河川や沼湖、港湾等の大規模な環境浄化処理対象域に対しても容易に適用することが出来、高能率で域内の水中汚濁物質を凝集沈殿せしめて水の浄化処理が行なえると共に、凝集沈殿せしめた沈殿物質を比較的早期に自然分解できるようにした水中への薬剤の散布方法とこれに用いる散布器とを開発し、これを公開している。
図8は、上記河川等の浄化処理に使用する散布システムの一例を示すものであり、船舶等に生分解性凝集用薬剤Bを貯留した薬剤タンク16を積載すると共に、船体の後方に吸水管11を介して筒状噴射体12を取り付ける。そして、回転駆動装置14によってインペラ13を高速回転させることにより、吸水孔15から水を吸入すると共に、制御弁17を通して適宜量の凝集用薬剤Bを吸水管11内へ吸引させ、これ等を噴射口12aから被処理水W中へ噴出する。尚、筒状噴射体12の水深は約1〜3m程度に設定されている。
上記図8の散布システムを用いて大阪湾近傍(陸地より約300m)で水の浄化処理試験を行なったところ、船舶の後方の深さ1.5〜2.0mの領域内へ薬剤Bはほぼ均一に拡散混合され、且つ凝集剤Bが拡散・混合された領域内の水中に存在する汚濁物質は、60〜300分後にはほぼ完全に凝集・沈殿することが判明した。
尚、この時の試験条件は、船舶の航行速度10km/hr、薬剤投入量20kg/min、インペラー回転数600rpm、筒状噴射ケース12の内径300mm、長さ1000mm、吸水管11の内径75mm、吸入孔15の径15mmφ×8ケであった。
また、海水の汚濁度は、凝集用薬剤Bの混入前のCOD値が約2.0ppmであったものが、処理後(凝集用薬剤Bの混入後約60分)には約0.5〜0.2ppmとなった。
当該テスト結果からも明らかなように、本願発明者等が先きに開発をした生分解性凝集用薬剤B並びにこれを用いた水の浄化処理方法は、広大な水域面積の汚濁物質の沈殿分離に適用することができ、特に深さ3〜4m程度の上層水の浄化処理、即ち、水深5〜10m程度の河川や沼湖の浄化処理に於いては、優れた実用的効用を奏するものである。
しかし、上記水の浄化処理システムにも、まだ解決すべき多くの問題が残されている。その中でも特に問題となる点は、凝集により沈殿・分離された汚濁物質の自然分解の点である。
前述の通り、凝集用薬剤Bにより凝集された汚濁物質は順次河床等へ沈殿・堆積し、ここで自然分解されることになるが、完全に分解される迄には相当の時間を必要とする。そのため、河川の水流の変化や潮流の変化によって、一旦分離・沈殿した物質が再浮上することになり、浄化処理した水が再度汚損状態に戻る虞れがあると云う点である。
そこで、本願発明者等は、凝集用薬剤Bの混合、攪拌により凝集された汚濁物質が、分離・沈殿して河床等へ到達する迄に相当の時間的余裕(約20〜60分程度)があることに着目し、水中に浮遊している状態の汚濁物質の凝集物(フロック)をこれが沈殿する前に回収することを着想し、各種の凝集物の回収具並びに凝集物の回収方法について実用化試験を繰り返した。
本願発明は、上記着想とこれに基づく実用化試験の結果から創案されたものであり、水中に浮遊する汚濁物質の凝集物(フロック)を簡単且つ確実に回収具に付着させてこれを回収することができ、且つ付着した汚濁物質を極く簡単に回収具から脱離させることが出来るようにすることにより、回収具の再利用を可能とした点に特徴を有するものである。
本願請求項1の発明は、被処理水内へ凝集用薬剤を混合、攪拌すると共に、当該被処理水内をメッシュ状薄板体から成る回収具を移動させ、凝集用薬剤の混合、攪拌により凝集して被処理水内に浮遊した状態の汚濁物質のフロックを、前記メッシュ状薄板体の外表面へ固着させて回収するようにした水中の凝集物の回収方法において、被処理水を水槽、河川又は湖沼の水若しくは港湾などの塩水とすると共に、凝集用薬剤をポリグルタミン酸架橋物を主体とする生分解性凝集剤としたことを発明の基本構成とするものである。
本願請求項2の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、船舶により凝集用薬剤の混合、攪拌及び回収具によるフロックの回収を行うようにしたものである。
本願請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、回収具のメッシュ状薄板体に付着した汚濁物質のフロックを、当該付着物が乾燥、硬化する前にメッシュ状薄板体に振動を与えて剥離脱落させると共に、当該付着物を脱落させた後の回収具を再使用するようにしたものである。
前記本願発明は、河川や港湾等の水の浄化処理だけでなく、一般家庭における鑑賞魚水槽やプール、散水用池等の水の浄化処理や土木工事関係における浚渫時のヘドロ含有水や、地盤改良時の薬剤混入排出水、漁業関係に於ける赤潮(海水)、農業・畜産関係に於ける農業用水池の貯水や畜舎排水、工業施設に於ける各種排水及び災害発生時に於ける非常用生活水等の浄化処理にも適用可能なものであることは、勿論である。また、本願発明は、池や河川底、海底等に堆積したヘドロの回収等にも応用することができる。
本発明に於いては、凝集されて水中にフロッグ状態で浮遊する汚濁物質が、回収具の主体をなす薄板体メッシュ体に強固に、しかも積層状に順次付着されることになり、凝集物を、これが河床等へ沈殿する前に高能率で水中から分離回収することが出来る。その結果、水槽等にあっては浄化水を引き続き利用することができ、また、河川等にあっては、沈殿した汚濁物質の凝集物のヘドロ化等を完全に防止することができる。
また、本発明に於いては、回収具に積層状に付着した汚濁物質を、乾燥等の予備的な処理を全く行なうことなしに、回収具に極く弱い機械的振動を与えるだけで能率よく脱離させることができ、その結果、回収具の再利用が可能となって、経済性に優れている。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
先ず、本願発明者等は、「凝集用薬剤Bの混入により凝集されて水中にフロック状態で浮遊する汚濁物質(以下フロックと呼ぶ)」の分離回収のための基礎資料を得るため、凝集用薬剤の種類と回収具を形成する資材の種類を変えて回収効率の比較試験を行なった。
試験の方法は、500mm×500mm×300mmの水槽内へ所定濃度の汚濁物質を含む被処理水を一定量貯溜し、これに所定量の凝集用薬剤(PGα21、PGα21Ca、PAC)を投入する。次に、棒状の軸芯に10cm×20cmのメッシュ状薄板体(メッシュ間隔1.5mmのポリエステル製のメッシュ布及び不織布)を2枚放射状に取付けした回収具により、前記凝集用薬剤Bを混入した被処理水を一定の速度で一定の時間に亘って攪拌混合し、各メッシュ状薄板体に付着して回収された汚濁物質の量を測定した。
また、水中から引上げた後、所定時間(約10分)経過後に回収具に振動を与え、付着した汚濁物質の脱離量を測定した。
尚、各凝集用薬剤及び各回収具について、凝集用薬剤の投入量や被処理水の汚濁物質濃度等の各試験条件が同一に保持されていることは勿論である。
表1は上記試験結果をまとめたものである。
Figure 0004381154
尚、凝集剤のPGα21及びPGα21Caは後述する日本ポリグル株式会社製の凝集剤(商品名)であり、PACは市販の高分子凝集剤である。
上記表1からも明らかなように、本願発明の適用が可能な被処理水は、凝集用薬剤としてPGα21Caを使用して汚濁物質を凝集させたものであり、且つ汚濁物質の凝集物を回収する回収具の主体を形成するメッシュ状薄板体は所謂メッシュを多数有する薄板体でなければならないことになる。
図1は、上記試験結果から、一般家庭や工場に於ける水浄化処理用に利用する回収具の一例を示すものであり、また図2は回収具の第2実施例を、図3は第3実施例を、図4は第4実施例を夫々示すものである。
図1乃至図4に於いて、Aは回収具、1は支持体、2はメッシュ状薄板体であり、支持体1及びメッシュ状薄板体2から回収具Aが形成されている。
また、前記支持体1は合成樹脂又は金属体により所望の形状に形成されている。
更に、メッシュ状薄板体2としては厚手の合成樹脂製繊維の布状体やシート体が最適であり、本実施例では約1.5mm×1.5mmメッシュのポリエステル製厚布体(厚さ約0.5〜0.8mm)が使用されている。
尚、支持体やメッシュ状薄板体の形状が如何なるものであってもよいことは勿論である。
一方、家庭用の鑑賞魚用水槽等の水の浄化処理に際しては、水槽内へ凝集用薬剤Bとして所定量の前記PGα21Caを混入すると共に、回収具Aを水中へ挿入して水を軽く攪拌する。
そうすると、凝集剤Bにより水中の汚濁性物質が凝集し始めると共に、凝集したフロックがメッシュ状薄板体2へ順次付着することにより、水中より回収される。
例えば、容量300〜500l程度の鑑賞魚用水槽(約1〜2ケ月使用済み、大形金魚20〜25匹)であれば、約5〜10grのPGα21Caの投入でもって2〜3分間の浄化処理で、汚濁物質をほぼ完全に回収することが出来る。そして、浄化処理後の水は引き続き使用に供することが出来る。
また、汚濁物質の回収を終えた回収具Aは、付着した汚濁物質が乾燥、固化する前に、即ち回収した付着物(フロック)が水分を含有して柔軟な状態にある時に回収具Aに振動を与え、これをメッシュ状薄板体2から脱落させる。現実には、回収具Aを軽く床面等へ接当させることにより、付着した汚濁物質は略全量が簡単に脱落し、回収具Aは再利用に供することが出来る。
尚、付着物(フロック)が乾燥固化してしまうと、単に振動を与えた程度ではこれを脱落させることが出来なくなる。
前記凝集用薬剤Bは、本件出願人が開発して実用に供している商品名PGα21Caと呼ばれる粉体状凝集剤であり、生分解性を有するγ−ポリグルタミン酸を主体とする新規な自然分解性の物質であり、下記の構造式であらわされるものである。
Figure 0004381154
また、凝集剤B内のO、Ca、Fe、Si等は通常2CaSO4 ・H2 O、NaCO3 ・H2 O、NaSO4 、MgSO4 ・6H2 O、Al2 (SO4 )・18H2 O等の化学構造式で表わされる物質の型で当該凝集剤B内に含まれている。
即ち、当該凝集用薬剤Bは、下記の成分量(wt%)を有している。
成分構成(wt%)
PGα21=14%、C=0.5%、O=45%、Na=8%、Al=0.5%、Si =12%、Cl=0.4、Ca=15%、K=0.1%、Fe=15%。
図5は、本願発明を河川や沼湖、港湾等の広域な範囲の水(又は海水)を浄化処理する場合に使用する凝集物の回収具Aの斜面図であり、支持体1とメッシュ状薄板体2とから回収具Aが形成されている。
即ち四角状の枠体に形成された支持体1に、メッシュ状薄板体2を複数枚格子状に組み合せて形成したメッシュ状ユニット3の一端が固定されており、当該支持体1が保持枠4(図示省略)を介して船舶等により牽引されることにより、凝集用薬剤により汚濁物質が凝集されてフロック状態で水中に浮遊している凝集物が、メッシュ状薄板体2の外表面へ付着回収される。
本実施例に於いては、支持体1は横幅5〜6m、高さ3〜5mに選定されており、メッシュ状薄板体2の長さ寸法は約8〜12m、厚さは1.0〜1.5mm程度に選定されている。
また、当該回収具Aは図6に示すように船体5に固定した保持枠4に取り付けすることにより、これを水中の所定位置に保持し乍ら牽引きされることになる。
前記メッシュ2枚ユニット3は、1.2〜3mm角の四角状の孔又は1.0〜2.0mmφの丸孔を多数穿設した厚さ1.0〜1.5mm、長さ8〜12m、横幅5〜8m程度のメッシュ状薄板2を、断面形状が格子状となるように多数(約30mmピッチで150〜200枚)組み合せ固着することにより、角柱状に形成されている。
図6本発明を港湾等の海水の浄化処理へ適用した場合の説明図であり、図6に於いて、5は船舶、6は薬剤タンク、7は薬剤定量フィーダー、8はコンプレッサー、9は薬剤噴出ノズル、10は配管路、Sは船舶のスクリュー、Cは薬剤散布装置、Bは凝集用薬剤である。
前記薬剤散布装置Cは、薬剤噴出ノズル9の部分を除いて船舶5のデッキ上に配設されており、所定のスピード(例えば10km/H)で航行しつつ海水内へ所定量(例えば10〜30kg/min)の凝集用薬剤が噴出され、海水内へ混合される。
凝集用薬剤Bは、船舶5後方の深さ1.5〜3m、横幅3〜5mの領域内へ均等に拡散混合され、これにより海水内の汚濁物質は凝集され、所謂フロックとなつて海水中に浮遊する。
前記凝集された汚濁物質(フロック)は、海水の動きが少ない場合には約40〜60分後に、ほぼ完全に凝集沈殿するが、凝集用薬剤Bの散布から約30分間ほどの間は、凝集しつつフロック状態で海水中に浮遊している。
そのため、凝集用薬剤Bの散布後10〜30分後に船舶5を前記薬剤Bの散布領域を航行させることにより、回収具Aに凝集した汚濁物質を付着させることが出来る。
尚、船舶5の航行速度が速いと、凝集剤Bが機能して汚濁物質が凝集を始める前に回収具Aが通過することになり、その結果、回収具Aに凝集した汚濁物質を固着させることは困難となる。そのため、前述の通り船舶5を回航するか、又は後退させ先に凝集用薬剤Bを散布した領域を再度走行させるようにしている。
又、図6に於いては、凝集用薬剤Bの散布と凝集した汚濁物質の回収とを同一の船舶5を用いて、夫々別々の工程により行うようにしているが、船舶5の航行速度を極く低速とし、薬剤Bの散布と回収具Aによる凝集汚濁物質の回収とを同時に平行的に行うことも可能である。
このようにした場合には、船舶5の回航が不要となり、総合的な海水の処理効率が向上することになる。
図7は、凝集用薬剤Bの散布と凝集した汚濁物質(フロック)の回収とを別個に行うようにした場合の汚濁物質の回収船の斜面図であり、回収具Aを保持枠4を介して牽引することにより、凝集した汚濁物質の付着回収が行なわれる。
回収船により回収具Aを牽引することにより、凝集用薬剤Bの散布によって凝集をし、海水中に浮遊した状態の汚濁物質(フロック)は、回収具Aのメッシュ状薄板体の外表面へ固着し、海水中から分離されることになる。
回収具Aの牽引速度は30〜50m/min程度が最適であり、且つ回収時間は凝集用薬剤Bの散布後10〜20分程度が最適である。
凝集した汚濁物質が付着した回収具Aは、各メッシュ状薄板体2の外表面の付着量が所定量(約10〜30mmの厚さ)に達すると、回収具Aを船舶上又は地上へ引上げ、付着物が乾燥する前に回収具Aに適宜の振動を与えることにより、固着物(フロック)を剥離させる。
上記処理操作をサイクル的に繰り返すことにより、拡大な領域の河川や港湾であっても海水の浄化処理を連続的に高能率で行うことができ、しかも河床等への沈殿物を大幅に減少させることが出来るため、凝集用薬剤が生分解性であることも相挨つて、ヘドロ化等の危険が大幅に減少することになる。
海面に発生した所謂赤潮を処理対象として、本願発明を実施した。先ず、図6の形態の船舶を用い、処理海域の水面下500〜1000mmの位置へ20〜30kg/minの割合(航行速度約10km/Hr・散布幅約4m)で凝集用薬剤(PGα21Ca)Bを噴出し、スクリューSにより凝集用薬剤Bと海水とを強制的に攪拌混合させた。次に、約30〜40分後に図6の形態の船舶を用い、回収具Aを約5〜10km/Hrの速度で牽引することにより、赤潮が凝集して形成された海水中に浮遊するフロックを回収した。
当該浄化処理により、赤潮の大部分は回収されてしまい、処理後の海面には赤潮が殆んど残留しないことが判明した。
河川底に堆積するヘドロを処理対象として本願発明を実施した。実施に際しては、先ず小型船舶を走行させ、河川底に堆積したヘドロを攪拌しつつ凝集用薬剤(PGα21Ca)Bを約30kg/min(走行速度約10km/Hr・散布幅約4m)の割合で水中へ噴出し、これを水中へ攪拌混合させた。そして、約20〜30分後に、水中に沈めた前記図6形態の回収具Aを約5〜8km/Hrの速度で牽引し、凝集用薬剤Bによりフロック化された汚泥を回収具Aに付着させることにより、回収した。
上記浄化処理後に河川底を検査したところ、堆積したヘドロは大幅に減少していることが判明した。当該実施例により、河川底等に体積したヘドロであっても、これを攪拌等によって水中へ再浮上させることにより、本願発明によって効率よく回収できることが判明した。
本願発明は、河川や港湾等の海水、一般家庭に於ける水槽やプールの水、農業用溜池、土木関係廃水、漁業関係の水槽水、赤潮、工業用排水、畜産用排水及び非常用生活水等の各種水(又は海水)の浄化処理に適用可能なものである。
本発明で使用する回収具の第1実施例を示す斜面図である。 回収具の第2実施例を示す斜面図である。 回収具の第3実施例を示す斜面図である。 回収具の第4実施例を示す斜面図である。 広域な面積の河川や港湾等の水(海水)の浄化処理に使用する回収具の斜面図である。 海水の浄化処理方法の説明図である。 海水の浄化処理方法の他の例を示す説明図である。 先に開発した凝集用薬剤散布装置の説明図である。
符号の説明
A 汚濁物質の回収具、B 凝集用薬剤、C 薬剤散布装置、1 支持体、2 メッシュ状薄板体、3 メッシュ枚ユニット、4 保持枠、5 船舶、6 薬剤タンク、7 薬剤定量フィーダ、9 薬剤噴出ノズル、10 配管路。

Claims (3)

  1. 被処理水内へ凝集用薬剤を混合、攪拌すると共に、当該被処理水内をメッシュ状薄板体から成る回収具を移動させ、凝集用薬剤の混合、攪拌により凝集して被処理水内に浮遊した状態の汚濁物質のフロックを、前記メッシュ状薄板体の外表面へ固着させて回収するようにした水中の凝集物の回収方法において、被処理水を水槽、河川又は湖沼の水若しくは港湾などの塩水とすると共に、凝集用薬剤をポリグルタミン酸架橋物を主体とする生分解性凝集剤としたことを特徴とする水中の凝集物の回収方法。
  2. 船舶により凝集用薬剤の混合、攪拌及び回収具によるフロックの回収を行うようにした請求項に記載の水中の凝集物の回収方法。
  3. 回収具のメッシュ状薄板体に付着した汚濁物質のフロックを、当該付着物が乾燥、硬化する前にメッシュ状薄板体に振動を与えて剥離脱落させると共に、当該付着物を脱落させた後の回収具を再使用するようにした請求項1又は請求項2に記載の水中の凝集物の回収方法。
JP2004012865A 2004-01-21 2004-01-21 水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具 Expired - Fee Related JP4381154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004012865A JP4381154B2 (ja) 2004-01-21 2004-01-21 水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004012865A JP4381154B2 (ja) 2004-01-21 2004-01-21 水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005205281A JP2005205281A (ja) 2005-08-04
JP4381154B2 true JP4381154B2 (ja) 2009-12-09

Family

ID=34899118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004012865A Expired - Fee Related JP4381154B2 (ja) 2004-01-21 2004-01-21 水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4381154B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012101150A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Yoshihara Kensetsu Sangyo Kk 貯水池の藍藻類の除去方法及び除去具

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042603A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Chisso Corp 微生物の不活化剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012101150A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Yoshihara Kensetsu Sangyo Kk 貯水池の藍藻類の除去方法及び除去具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005205281A (ja) 2005-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4186523B2 (ja) 排水浄化装置および排水浄化システム
JP3964415B2 (ja) 水質改善方法
KR100319326B1 (ko) 하천수의 현위치 정화장치
CN108911461A (zh) 一种河道底泥污染物原位消减处置船
JP4365190B2 (ja) 水中へ薬剤の散布方法及び薬剤散布器
KR100675950B1 (ko) 응집혼화롤 및 이를 구비하는 호수 정화 장치
JP4381154B2 (ja) 水中の凝集物の回収方法とこれに用いる水中の凝集物の回収具
JP4490795B2 (ja) 水の浄化処理方法
KR101853095B1 (ko) 수중 조류 제거방법
JP3267359B2 (ja) 液中の汚濁物質除去方法
JP3797296B2 (ja) 水底汚泥の浄化方法
CN203200128U (zh) 食品废水一体化处理设备
KR200205360Y1 (ko) 수질정화용 선박
KR20160005409A (ko) 수중 부상분리 촉진 장치 및 방법
JP6258277B2 (ja) 水質浄化方法および水質浄化システム
JP5080734B2 (ja) 泥水処理方法、泥水処理装置及び泥水処理用海藻ペースト
JP2011235260A (ja) 池や濠等の水の浄化処理方法
JP4997389B2 (ja) 水質浄化システム及び水質浄化方法
KR101702346B1 (ko) 이동식 부유물 제거 장치 및 방법
CN207552128U (zh) 一种集成膜法杂化去除低浓度含硒废水的装置
JP2003181465A (ja) 水底浄化工法
CN214990980U (zh) 一种基于磁混凝的农村黑臭水体净化系统
JP2002370100A (ja) 河川・湖沼等の浄化方法及び浄化システム
JP3600306B2 (ja) 淡水性廃水中の汚濁物質除去方法
CN107759024A (zh) 一种集成膜法杂化去除低浓度含硒废水的方法及装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090915

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees