JP4380316B2 - マスク取り付け治具および該マスク取り付け治具を用いたマスク取り付け方法 - Google Patents
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Description
このような露光装置としては、マスクとワークを接近させてマスクパターンをワーク上に転写するプロキシミティ露光装置と、マスクとワークを密着させてマスクパターンをワーク上に転写するコンタクト露光装置とがある。
まず、マスクをワークを載置するワークステージ上に置き、ワークステージを上昇させてマスクステージの下面に接触させる。次に、マスクステージにマスク吸着用真空を供給してマスクをマスクステージに保持させる。このような方法を採用することによって、大面積のワークに対応した大型のマスクの取り付け作業を容易化している。
液晶パネルの貼り合わせは、光透過性基板上に形成された紫外線硬化樹脂であるシール剤の囲みの中に液晶を滴下し、該基板上にもう一枚の光透過性基板を載せ、光透過性基板越しにシール剤に紫外線を照射して、2枚の光透過性基板を貼り合わせるものである。紫外線照射の際、紫外線が液晶に照射されると特性変化を起こすので、シール剤以外に紫外線が照射されないように遮光マスクが用いられる。
液晶パネルに用いられる基板は、年々大型化しており、1辺が1mを越えるもの(例えば、1100mm×1300mm〜1500mm×1800mm)があり、このような基板を貼り合わせるための紫外線照射は、基板全体を一括して行うことが多く、従って、上記の遮光マスクも液晶基板に応じて大型化している。
この出願は、マスクステージに設けたマスク保持手段の下面側にマスクを保持させるものである。このようなマスク保持手段の下面側にマスクを保持させる場合も、先に述べたと同様に、マスクをワークステージに置き、ワークステージを上昇させてマスクをマスクステージに保持させる方法が採られている。
また、マスクをマスクステージの下面に設けた場合は、マスクステージの開口は、パターンの露光に影響が出ない限り、極力小さくできるので、マスクも小さくすることができる。
即ち、マスクは、その全体がマスクステージまたはマスク保持手段(以下、両者を合わせてマスク保持手段と呼ぶ)に密着することにより、マスク保持手段に供給された真空により吸着保持される。しかし、ワークステージとマスク保持手段は、互いに厳密に平行になるように調整することは難しく、そのため、マスクをワークステージに載せて上昇させた時、マスクは一方の端が他方の端より先にマスク保持手段に接触してしまう。
他方の端がマスク保持手段に接触するようにワークステージをさらに上昇させようとすると、マスクの先に接触している一方の端は、ワークステージとマスク保持手段の間に挟まれて強い圧力がかかり、通常、ワークステージは高い表面精度を維持するために金属製であることが多いため、マスクに傷がついたり、破損したりする場合がある。
さらに、マスクはその全面を均一な力でマスク保持手段の真空を供給している孔や溝に押さえつけられるようにしなければならないが、マスクを押さえつける力が不均一であると、力の弱い部分から吸着用の真空が洩れてマスクを保持することができない問題が発生する。
第1の手段は、パターンが形成されたマスクをマスク保持手段の下面に保持し、ワークステージに載置されたワークに対し、上記マスクを介して紫外線を照射する光照射装置における、上記マスクを上記マスク保持手段に保持させるために使用するマスク取り付け治具において、前記マスク取り付け治具が、下部に複数の弾性部材が設置されたフレームと、該フレームの上部に設けられた、平面を保ち、ガラスより硬度が低く、表面に複数の溝を有する保護材とからなることを特徴とする。
図1は本実施形態の発明に係る光照射装置の構成を示す図である。
この光照射装置は、マスクがマスク保持手段に取り付けられる前の状態を示しており、同図において、1はワークステージ、2はワークステージ1上に載置されるマスク取り付け治具、21はマスク取り付け治具2を構成するフレーム、22はフレーム21に取り付けられ、ワークステージ1に対向するように設けられる、全体が傾かないように一定の力で押すことを可能にしたスプリングプランジャ等からなる弾性部材、23はフレーム21に取り付けられ、ワークステージとの接触を感知して感知信号を出力するセンサ、24はマスク取り付け治具2を構成し、フレーム21上に設けられる保護材、3は保護材24上に載せられた遮光部が形成されたマスク、4は、後述するマスク保持手段5を吸着して保持するマスクステージ、41はマスクステージ4に設けられ、マスク保持手段5を真空吸着して保持するための真空吸着溝、5は透明部材で構成され、マスクを吸着して保持するマスク保持手段、51はマスク保持手段5に設けられ、マスク3を真空吸着して保持するための真空吸着孔、6はマスク3をマスク保持手段5に吸着保持した後に、マスク保持手段5およびマスク3を介して図示していないワークに光照射する光照射部、61は光照射部6を構成するランプである。
同図において、241は保護材24上に設けられたマスク全体の平面を保つには影響を与えない程度の形状を有する複数の溝または凹凸である。その他の構成は図1に示す同符号の構成に対応する。
同図に示すように、マスク取り付け治具2は主としてフレーム21、弾性部材22、センサ23、および保護材24から構成される。
フレーム21は、光照射装置に取り付けて使用するマスク3の大きさに応じて作成され、少なくともマスク3と同じ大きさか、それ以上の大きさである。またフレーム21上には保護材24を介してマスク3が置かれるが、載せられたマスク3が撓まないように、フレーム21の格子の大きさや横木材の本数が設計される。なお、フレーム構造でなく、板状部材を用いてもよいが、強度を考慮すると、フレーム構造のほうが軽量となる。
同図に示すように、スプリングプランジャはシリンダ内に設けたスプリングによりピンがシリンダに対して出入りする構造となっている。後述するように、マスク取り付け治具2がワークステージ1によりマスク保持手段5に押し付けられた時、スプリングプランジャがシリンダ内に沈み、その反発力により、マスクが全面にわたり均一な力でマスク保持手段5に押し付けられる。
なお、弾性部材22としては、空気ばねを利用した構造のものであってもよい。
(1)保護材24上にマスク3を載せたとき、マスク3全体の平面を保つこと。光照射装置が液晶パネルの貼り合わせ装置に用いられる場合は、1辺が1m以上と大きいが、厚さは0.7mmと薄い。マスク3が撓むとマスク保持手段5に対して密着させることができないので、マスク保持手段5に吸着保持させることができない。そのため、保護材24はマスク3の自重による撓みが発生せず、マスク3の全面を平面に保持する材質を選択する。なお、マスク3の全面を平面に保持するためには、フレームの強度、格子の大きさ、横木材の数も係わるので、これらを考慮する必要がある。
(2)ガラスよりも硬度が低くてマスク3を傷つける心配がないこと。マスク3は載置する時、保護材24の上を横方向にずらしたり、マスク保持手段5に取り付ける時、保護材24に強く押し付けたりする。その際、マスク3が損傷したり跡が付いたりしないようにマスク3の材質であるガラスよりも硬度の低いものである必要がある。
(3)マスク3と保護材24との間に減圧空間が発生しないように保護材24の表面に複数の溝または凹凸241を有すること。ただし、この溝または凹凸241は、マスク3を平面に保持するための平面性に影響を与えない程度の大きさであること。以下にその理由を図4を用いて説明する。
なお、これらの装置における各構成は、図1に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
なお、センサ23の検出位置は、全ての弾性部材22のピンが沈み込み、マスク3が均一にマスク保持手段5に接した後であって、かつ、弾性部材22がストロークエンドに達する前であるような位置に設定する。
上記の待機時間が経過し、マスク3がマスク保持手段5に吸着保持されると、ワークステージ1は下降する。センサ23の接続線を取り外し、ワークステージ1からマスク取り付け治具2を取り除く。以上でマスク3の取り付け作業を終了する。
2 マスク取り付け治具
21 フレーム
22 弾性部材
23 センサ
24 保護材
241 溝または凹凸
3 マスク
4 マスクステージ
41 真空吸着溝
5 マスク保持手段
51 真空吸着孔
6 光照射部
61 ランプ
Claims (3)
- パターンが形成されたマスクをマスク保持手段の下面に保持し、ワークステージに載置されたワークに対し、上記マスクを介して紫外線を照射する光照射装置における、上記マスクを上記マスク保持手段に保持させるために使用するマスク取り付け治具において、
前記マスク取り付け治具が、下部に複数の弾性部材が設置されたフレームと、該フレームの上部に設けられた、平面を保ち、ガラスより硬度が低く、表面に複数の溝を有する保護材とからなることを特徴とするマスク取り付け治具。 - 上記フレームには、上記ワークステージまたはマスク保持手段との距離を検出する検出センサが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマスク取り付け治具。
- マスク取り付け治具を用いてマスクを前記マスク保持手段に取り付けるマスク取り付け方法において、
請求項1または請求項2に記載のマスク取り付け治具を、上記弾性部材が上記ワークステージ側になるようにワークステージ上に置き、上記マスクを上記保護材上に置く第1の工程と、上記マスク取り付け治具が載置された上記ワークステージを、上記マスク保持手段に近接する方向に移動させ、上記マスクを上記マスク保持手段に密着させて保持させる第2の工程と、上記マスク保持手段による上記マスクの保持後、上記ワークステージを上記マスク保持手段から離間する方向に移動させ、上記マスク取り付け治具を上記ワークステージから下ろす第3の工程とを含むことを特徴とするマスク取り付け方法。
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