JP4379930B2 - ファンユニットへの電力供給制御装置 - Google Patents
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- Y02D10/00—Energy efficient computing, e.g. low power processors, power management or thermal management
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンユニットへの電力供給制御装置に関し、特にノート型パソコン等の携帯機器に好適なファンユニットへの電力供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばノート型パソコン等の携帯機器は各種性能が向上し、小型化が進展してきており、それに伴いCPU等の熱源が発する熱の処理が重要な問題となってきている。
従来、発熱処理の手段として、例えばファンユニット(電動ファン)を使用して、CPU等の発熱素子が発生する熱を携帯機器の筐体の外部に排出するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、従来の携帯機器におけるファンユニットの場合は、携帯機器の電源投入により一定の直流電圧で回転駆動させるタイプのものが殆どである。従って、携帯機器の如く一次電池や二次電池を電源とし、できるだけ消費電力を低減することにより使用可能時間を長くしたい機器にとっては、従来のファンユニットへの回転駆動の電源供給手段は無駄な電力消費が多い方式であった。また、ファンユニットの回転に伴う騒音(メカ騒音)は、電源投入から電源切断まで継続するので、騒音の発生期間が長かった。
【0004】
そこで本発明の課題は、ファンユニットによる電力消費を極力減らしたファンユニットへの電力供給制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明は、筐体の発熱を送風により冷却するファンユニットと、筐体に熱伝達シートを介して取り付けられ、放熱用のフィンを並列配置してなるヒートシンクとを備えている。そして、筐体の内部に設けられ、筐体の内部温度の変化に応じてバネ力が変化して伸縮する形状記憶合金製の圧縮コイルバネと、電源がオフで筐体の内部温度が低く圧縮コイルバネのバネ力が小さいときには、圧縮コイルバネよりも大きいバネ力となり、電源がオンになって筐体の内部温度が高くなり圧縮コイルバネ力が大きくなると、圧縮コイルバネのバネ力より小さなバネ力となるバイアス用コイルバネとからなる温度検出手段を有する。更に、この圧縮コイルバネの一端が一方の面に固定され、バイアス用コイルバネの一端が他方の面に固定されており、筐体の内部温度の変化による圧縮コイルバネのバネ力の変化に応じて移動可能とされる摺動端子と、フィンが形成する溝の間に配置され、圧縮コイルバネ及びバイアス用コイルバネの伸縮に応じて摺動端子の移動を検出するスライドボリュームとからなる電力供給制御手段と、を備えている。そして、筐体の内部温度が高いときには、ファンユニットを高速回転させて熱排出を強力にし、筐体の内部温度が低いときには、ファンユニットを低速回転させて熱排出を弱くすることを特徴としている。また、本発明の好ましい形態として、上記ヒートシンクは放熱用のフィンを並列配置してなり、この放熱用のフィンが形成する溝の間にスライドボリュームが配置されている。
【0006】
このようにすれば、発熱体の発熱による温度に応じてスライドボリュームの形状記憶合金製のコイルバネが伸縮して摺動端子が移動し、この摺動端子の移動に応じてファンユニットへの電力供給を電力供給制御手段で制御するので、例えば高温の場合には電力供給を大きくしてファンユニットを高速回転させて熱排出を強力にし、低温の場合には電力供給を小さくしてファンユニットを低速回転させて熱排出を弱くする。従って、絶えず熱排出を強力にしていた従来の場合に比較し、電力消費を削減することができる。
また、スライドボリュームを動作させる場合に、形状記憶合金という機械的手段を用いているので、電力供給制御手段の動作のために電力を消費することがない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明をノート型パソコン10に適用した場合の実施の形態の断面図、図2は同実施の形態におけるヒートシンクアセンブリ20の分解斜視図であり、図3,図4は同実施の形態におけるファンユニット32を回転させる電気回路図である。
【0008】
図1,図2に示すように、メインのプリント基板11の下面には「発熱体」であるCPU等からなる矩形状の発熱素子12が固定されている。
発熱素子12の下面に熱伝達シート13を介して次に説明するヒートシンクアセンブリ20のフィン21a側(凹凸側)を密着し、更にヒートシンクアセンブリ20の平坦側21dに次に説明するファンユニットアセンブリ(軸流ファンモータアセンブリ)30を取り付ける。
【0009】
前記ヒートシンクアセンブリ20を構成するアルミニウム製のヒートシンク21の下面〔図2において〕に複数のフィン21aを並列に形成し、中央部にスライドボリューム(スライド抵抗器)22等を収納する長方形の穴21bを設ける。穴21bの長手方向近傍に2個の取付用のネジ穴21cを形成する。
また、「電力供給制御手段」をなす直方体をしたスライドボリューム22のスライド用の摺動端子22aの左側に、「温度検出手段」であるNi−Ti合金等の形状記憶合金からなる圧縮コイルバネ23の一端を固定し、該コイルバネ23の他端は前記収納穴21bの左側面に固定する。摺動端子22aの右側に、「温度検出手段」をなすステンレス製のバイアス用の圧縮コイルバネ24の一端を固定し、他端を収納穴21bの右側面に固定する。
【0010】
スライドボリューム22の上面〔図2において〕を長方形の取付板25に固定し、ビス26を穴25aに挿通して取付板25をヒートシンク21に取り付ける。
このようにスライドボリューム22をヒートシンク21の内部に取り付けたので、筐体内部の最も高温の箇所の近傍の温度を検出することができる。
【0011】
前記ファンユニットアセンブリ30は、内蔵したモータの回転数が電圧に応じて可変するタイプのファンユニット32を支持する支持枠31と、次に説明するようにファンユニット32の回転を制御するドライブ回路〔例えば図4のドライブ回路36〕)等を搭載したドライブ基板33とを備えている。該ドライブ基板33には放熱用の穴33aを形成する。該穴33aは支障の無いかぎり、できるだけ多く設け、熱伝達を良好にする。
【0012】
次に本実施の形態の制御系の電気回路を説明する。
図3に示すように、スライドボリューム22の一端には電池35の一端を接続し、スライドボリュームの摺動端子22bにはファンユニット32の一端を接続し、該ファンユニット32の他端は接地する。
【0013】
次に図1乃至図6を参照しつつ本実施の形態の作用を説明する。図5,図6はスライドボリューム22の摺動端子22aの移動を示す模式図である。
ノート型パソコン10の電源オフの状態では、筐体の内部温度が低いので、バイアス用のコイルバネ24のばね力が形状記憶合金製のコイルバネ23のばね力より大きくなるので(コイルバネ24のばね力>コイルバネ23のばね力)、図5に示す状態となる。この状態では摺動端子22bの位置は図3に示すポジションP1 となり、また電源オフなので当然ファンユニット32は回転しない。
【0014】
その後、電源がオンされると発熱素子12が発熱を開始すると、その熱が発熱素子12から熱伝達シート13を介してヒートシンク21に伝達される。
時間経過と共に発熱素子12の温度が上昇するとヒートシンク21の温度も上昇し、収納穴21bの内部温度も上昇する。すると、形状記憶合金製の圧縮コイルバネ23のばね力が圧縮バネ24のばね力より大きくなり(コイルバネ23のばね力>コイルバネ24のばね力)、図6に示す状態となる。このとき、摺動端子22bはポジションP1 からP2 方向に移動することになるので、ファンユニット32に印加される電源電圧は徐々に大きくなる。即ち、ヒートシンク21の温度に対応してファンユニット32の回転数を可変することができ、例えばヒートシンク21の温度が低い間はファンユニットの回転数を低くし、ヒートシンク21の温度が高くなった場合は回転数を高くして熱の排出量を多くし、発熱素子12の発熱を排出する効率を高くする。
【0015】
なお、電源オフにより筐体内部の温度が下降すると、形状記憶合金からなるコイルバネ23は常温の形状に戻るので、摺動端子22bは元の位置に戻り、図5に示した状態となる。
【0016】
また、図4に示すように、電池35にスライドボリューム22を並列接続し、分圧電圧に応じてファンユニット32のモータを駆動するドライブ回路36の供給電力を制御するようにしてもよい。
このようにしても、ヒートシンク21の温度の高低を形状記憶合金製のコイルバネ23等を介して検出し、温度の高低に応じてファンユニット32の回転数を制御し、電池35の消費電力を削減することができる。
【0017】
<変形例>
図7は本変形例の斜視図である。
図7に示すように、ヒートシンク41の2枚のフィン41aにより構成される溝41bにスライドボリューム22Aを挿入し、スライドボリューム22Aをフィン41aに固定してもよい。
このようにすれば、コイルバネ23,24の保持に際しては溝41bの両脇のフィン41aおよびスライドボリューム22Aの上面を使用しているので、保持用の部品〔例えば、図1の取付板25〕を使用しないでも、スライドボリューム22A、コイルバネ23,24等を保持することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、発熱素子の発熱による温度に応じてスライドボリュームの形状記憶合金製のコイルバネが伸縮して摺動端子が移動し、この摺動端子の移動に応じてファンユニットへの電力供給を電力供給制御手段で制御するので、高温の場合には電力供給を大きくしてファンユニットを高速回転させて熱排出を強力にし、低温の場合には電力供給を小さくしてファンユニットを低速回転させて熱排出を弱くする。
従って、絶えず熱排出を強力にしていた従来の場合に比較し、電力消費を削減することができる。
また、電源オンであっても周囲温度が低温の間はファンユニットが回転しないので、騒音の発生期間を短くすることができる。
また、スライドボリュームを動作させる場合に、形状記憶合金という機械的手段を用いているので、電力供給制御手段の動作のために電力を消費することがない。
また、ファンユニットの回転駆動頻度が減少するので、例えば軸受構造を簡単にすることができ、機器のコストダウンに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の断面図である。
【図2】図1に示す実施の形態の要部の分解斜視図である。
【図3】同実施の形態の制御系の電気回路図である。
【図4】同実施の形態の制御系の電気回路図である。
【図5】温度に応じてスライドボリュームの摺動端子の移動する状況を説明する模式図であって、電源オフ(低温)の場合の図である。
【図6】温度に応じてスライドボリュームの摺動端子の移動する状況を説明する模式図であって、電源オン(高温)の場合の図である。
【図7】同実施の形態の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…ノート型パソコン、11…メインのプリント基板、12…発熱素子(発熱体)、13…熱伝達シート、20…ヒートシンクアセンブリ、21,41…ヒートシンク、21a,41a…フィン、21b…収納穴、21c…ネジ穴、22,22A…スライドボリューム(電力供給制御手段)、22a…摺動端子(電力供給制御手段)、23…形状記憶合金製の圧縮コイルバネ(温度検出手段)、24…バイアス用の圧縮コイルバネ(温度検出手段)、25…スライドボリュームをファンに固定する取付板、30…ファンユニットアセンブリ、31…支持枠、32…ファンユニット、33…ドライブ基板、35…電池、36…ドライブ回路、41b…フィン間の溝。
Claims (1)
- 筐体の発熱を送風により冷却するファンユニットと、
前記筐体に熱伝達シートを介して取り付けられ、放熱用のフィンを並列配置してなるヒートシンクと、
前記筐体の内部に設けられ、前記筐体の内部温度の変化に応じてバネ力が変化して伸縮する形状記憶合金製の圧縮コイルバネと、電源がオフで前記筐体の内部温度が低く前記圧縮コイルバネのバネ力が小さいときには、前記圧縮コイルバネよりも大きいバネ力となり、電源がオンになって前記筐体の内部温度が高くなり前記圧縮コイルバネ力が大きくなると、前記圧縮コイルバネのバネ力より小さなバネ力となるバイアス用コイルバネとからなる温度検出手段と、
前記圧縮コイルバネの一端が一方の面に固定され、前記バイアス用コイルバネの一端が他方の面に固定されており、前記筐体の内部温度の変化による前記圧縮コイルバネのバネ力の変化に応じて移動可能とされる摺動端子と、前記フィンが形成する溝の間に配置され、前記圧縮コイルバネ及び前記バイアス用コイルバネの伸縮に応じて前記摺動端子の移動を検出するスライドボリュームとからなる電力供給制御手段と、を備え、
前記筐体の内部温度が高いときには、前記ファンユニットを高速回転させて熱排出を強力にし、前記筐体の内部温度が低いときには、前記ファンユニットを低速回転させて熱排出を弱くすることを特徴とするファンユニットへの電力供給制御装置。
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