JP4379337B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製造途中にある半導体基板をヘキサメチルジシラザン[(CH3 3 SiNHSi(CH3 3 、以下、HMDSと略す]の蒸気中に曝して表面処理した後、半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す半導体装置の製造方法に関する。
HMDSは、半導体製造プロセスにおけるフォトレジスト密着剤として使用され、基板表面の水分と反応してトリメチルシロキサン[(CH3 3 SiO]基を主成分とするシラン化層を基板表面に形成し、フォトレジスト材との密着性を向上させるものである。
HMDSは、フォトレジスト形成前に半導体基板にスピンコートにより塗布、あるいはフォトレジスト形成前の半導体基板をHMDS蒸気中に曝して表面処理(以下、HMDS処理と略す)する方法で使用される。このようなHMDSの膜厚管理方法が、例えば、特開2001−203250号公報(特許文献1)に開示されている。
図6に、「半導体製造装置 実用便覧」(非特許文献1)に開示された、HMDS処理によるフォトレジスト剥がれ率の改善効果を示す。図6の試験は、シリコン酸化膜(SiO)に対するポジレジストの剥がれ率を調べた結果で、150℃のHMDS処理では2分以上の処理で、また125℃のHMDS処理では5分以上の処理で、いずれもフォトレジストの剥がれ率が0%となっている。尚、一般的に、ポジレジストはシリコン酸化膜との密着性が悪く、ネガレジストはシリコン酸化膜との密着性が良い。このため、ネガレジストを用いる場合には、1分以下のHMDS処理で、フォトレジストの剥がれ率を0%とすることができる。
特開2001−203250号公報 元山裕孝著「半導体製造装置 実用便覧」、p.236 サイエンスフォーラム出版、昭59年12月25日
図6に示すように、フォトレジスト形成前に半導体基板をHMDS処理することで、フォトレジストの剥がれを防止することができる。しかしながら、各種半導体装置の中にはフォトリソグラフィによるパターニング加工精度が電気特性に大きく影響するものがある。
例えば、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタでは、ベース幅の寸法精度が電気特性に大きな影響を及ぼし、このベース幅は、エミッタとコレクタを形成するp導電型不純物のイオン注入マスクのフォトリソグラフィによるパターニング加工精度に依存する。特に、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタとNPN型バイポーラトランジスタを組み合わせて両トランジスタで差動増幅を行うオペアンプでは、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタの電気特性がばらつくと無信号時の出力電圧(オフセット電圧)レベルがばらついて、製品歩留まりが低下する。
従って、上記のような半導体装置においては、HMDS処理についても、フォトレジストの剥がれ防止だけでなく、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度のばらつきを低減する最適な処理条件設定が必要と考えられる。
そこで本発明の目的は、製造途中にある半導体基板をHMDS処理した後、半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す半導体装置の製造方法であって、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつきを低減した、製品歩留まりの高い製造方法を提供することにある。従って当方法によれば歩留向上により省エネ効果も得られる。
請求項1に記載の発明は、製造途中にある半導体基板をHMDSの蒸気中に曝して表面処理した後、前記半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す半導体装置の製造方法において、前記HMDS処理における処理温度をx[℃]とし、前記HMDS処理における処理時間をy[分]としたとき、
(数1) y≧−0.16x+32, 100≦x≦170
の範囲内で、HMDS処理することを特徴としている。
上記数式1のHMDS処理条件は、従来の処理条件と比較すると、同じ処理温度において処理時間を大幅に長くした処理条件となっている。上記数式1の長い処理時間でHMDS処理した半導体基板上にフォトレジストを形成し、例えばウェットエッチングでパターニング加工を施した半導体装置では、短い処理時間でHMDS処理した従来の半導体装置に比べて、サイドエッチング割合がステップ状に増大するものの、製造した半導体装置の電気特性ばらつきが低減した。これは、HMDS処理時間を大幅に長くした結果、半導体基板とフォトレジストの密着状態が従来とは異なる密着状態となり、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつきが低減したためであると考えられる。尚、上記ステップ状に増大したサイドエッチング割合は、上記数式1のHMDS処理条件の範囲内において一定であり、予めそれを見込んだ設計が可能である。
従って、上記半導体装置の製造方法は、製造途中にある半導体基板をHMDS処理した後、半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す半導体装置の製造方法であって、HMDS処理条件を最適化し、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつきを低減した、製品歩留まりが高く、省エネにつながる製造方法となっている。
請求項2に記載のように、上記半導体装置の製造方法は、前記HMDS処理を行う製造途中の半導体基板の表面が、シリコン酸化膜からなる場合に好適である。
HMDSは、基板表面における水分と反応して、トリメチルシロキサン[(CH3 3 SiO]基を主成分とするシラン化層を基板表面に形成し、フォトレジスト材との密着性を向上させるものである。従って、HMDS処理を行う上記半導体基板の表面は、シリコン(Si)、シリコン窒化膜(Si)あるいは各種金属であってもよいが、シリコン酸化膜(SiO)は特に表面に水分を吸着し易く、上記HMDS処理によるフォトレジストの密着性改善効果が大きい。
また請求項3に記載のように、上記半導体装置の製造方法は、前記半導体装置が、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタを有する半導体装置であり、前記シリコン酸化膜を、前記ラテラルPNP型バイポーラトランジスタのエミッタおよびコレクタを形成するp導電型不純物のイオン注入マスクにパターニング加工する場合に適している。
ラテラルPNP型バイポーラトランジスタでは、ベース幅の寸法精度が電気特性に大きな影響を及ぼし、このベース幅が、エミッタとコレクタを形成するp導電型不純物のイオン注入マスクのフォトリソグラフィによるパターニング加工精度に依存する。従って、上記半導体装置の製造方法を用いてエミッタおよびコレクタを形成するためのイオン注入マスクのパターニング加工精度を向上し、ベース幅の寸法精度ばらつきを低減して、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタの電気特性ばらつきを低減することができる。
さらに、請求項4に記載のように、上記半導体装置の製造方法は、前記半導体装置が、NPN型バイポーラトランジスタと前記ラテラルPNP型バイポーラトランジスタの組み合わせからなるオペアンプを有する半導体装置である場合に適している。
ラテラルPNP型バイポーラトランジスタとNPN型バイポーラトランジスタを組み合わせて両トランジスタで差動増幅を行うオペアンプでは、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタの電気特性がばらつくと無信号時の出力電圧(オフセット電圧)レベルがばらついて、製品歩留まりが低下する。このため、上記半導体装置の製造方法を用いて、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタの電気特性ばらつきを低減することで、オペアンプの製品歩留まりを高めることができる。
請求項5に記載のように、前記HMDS処理は、減圧下の恒温槽内で行うことが好ましい。
上記半導体装置の製造方法におけるHMDS処理は、例えば、基板加熱を行う枚葉式のインライン方式でも可能であるが、減圧下の恒温槽内で行うことで、処理温度と処理時間の正確な設定が可能となる。
上記半導体装置の製造方法におけるHMDS処理は、前記フォトレジストがポジレジストである場合だけでなく、請求項6に記載のように、ネガレジストである場合にも効果的である。
一般的に、ネガレジストはポジレジストに較べて安価であり、シリコン酸化膜との密着性もよい。従って、剥がれを防止する従来のHMDS処理は、主としてポジレジストに対して効果的である。しかしながら、上記半導体装置の製造方法におけるHMDS処理は、フォトレジストの剥がれ防止だけでなく、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつき低減を目的としたものであり、ポジレジストに較べて安価であり、シリコン酸化膜との密着性もよいネガレジストについても、その効果が発揮される。
請求項7に記載のように、上記半導体装置の製造方法は、前記パターニング加工が、ウェットエッチングを用いたパターニング加工である場合に効果的である。
ウェットエッチングを用いたパターニング加工では、ドライエッチングを用いたパターニング加工に較べて、半導体基板に対するフォトレジストの高い密着性が要求される。従って、上記半導体装置の製造方法を用いて半導体基板とフォトレジストの密着状態を従来とは異なる密着状態とすることにより、ウェットエッチングを用いたパターニング加工においても、高い加工精度を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
本発明は、製造途中にある半導体基板をHMDSの蒸気中に曝して表面処理(HMDS処理)した後、半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す、半導体装置の製造方法に関するものである。
図1は、上記本発明の製造方法を用いて好適に製造できる半導体装置の一例で、半導体装置10の断面を模式的に示す図である。
図1に示す半導体装置10は、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTを有する半導体装置である。シリコン(Si)からなる半導体基板1に形成された2つのp+型拡散領域1e,1cが、それぞれ、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTのエミッタとコレクタであり、半導体基板1に形成されたn−型拡散層1bが、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTのベースである。尚、図中の符号3e,3c,3bは、それぞれ、アルミニウム(Al)からなるエミッタ電極,コレクタ電極,ベース電極である。また、符号2は、シリコン酸化膜(SiO)からなる層間絶縁膜であり、符号4は、シリコン窒化膜(Si)からなる保護膜である。図1のラテラルPNP型バイポーラトランジスタTにおいては、図中に示したベース幅wの寸法精度が、電気特性に大きな影響を及ぼす。
図2(a)〜(e)は、図1のラテラルPNP型バイポーラトランジスタTのベース幅wに係わる、2つのp+型拡散領域1e,1cのイオン注入工程を示す工程別断面図である。
最初に、図2(a)に示すように、シリコン(Si)からなる半導体基板1を熱酸化して、ベースとなるn−型拡散層1b上に、シリコン酸化膜(SiO)である熱酸化膜sを形成する。次に、熱酸化膜sの形成後の半導体基板1を、脱水ベークする。
次に、熱酸化膜sが形成された半導体基板1をヘキサメチルジシラザン[(CH3 3 SiNHSi(CH3 3 、HMDS]の蒸気中に曝して、表面処理(HMDS処理)する。これによってHMDSの蒸気が熱酸化膜s表面の水分と反応し、図2(b)に示すように、トリメチルシロキサン[(CH3 3 SiO]基を主成分とするシラン化層saが熱酸化膜sの表面に形成される。このように、HMDS処理によるシラン化層saの形成と共に熱酸化膜s表面に存在した水分が無くなって、次工程で形成するフォトレジストrの熱酸化膜sへの密着性が高められる。
後述するように、本発明は、上記の図2(b)に示すHMDS処理に特徴がある。尚、上記HMDS処理は、減圧下の恒温槽内で行うことが好ましい。HMDS処理は、例えば基板加熱を行う枚葉式のインライン方式でも可能であるが、減圧下の恒温槽内で行うことで、処理温度と処理時間の正確な設定が可能となる。
次に、図2(c)に示すように、熱酸化膜s上にネガのフォトレジストrを形成する。尚、熱酸化膜s上に形成するフォトレジストrは、ポジのフォトレジストであってもよい。
次に、図2(d)に示すように、フォトリソグラフィを用いてフォトレジストrに開口部re,rcを形成する。続いて開口部re,rcが形成されたフォトレジストrをマスクにして、熱酸化膜sをウェットエッチングし、熱酸化膜sに開口部se,scを形成する。
最後に、図2(e)に示すように、開口部se,scが形成された熱酸化膜sをマスクにして、n−型拡散層1bにp導電型不純物をイオン注入し、2つのp+型拡散領域1e,1cを形成する。
図1のラテラルPNP型バイポーラトランジスタTでは、図1および図2(e)に示すベース幅wの寸法精度が、電気特性に大きな影響を及ぼす。このベース幅wは、2つのp+型拡散領域1e,1cを形成するためのイオン注入マスク(熱酸化膜s)のフォトリソグラフィによるパターニング加工精度に依存する。
より詳細に説明すると、図2(d)の工程において、最初のフォトリソグラフィによるフォトレジストrのパターニングでは、高い寸法精度で、開口部間距離wrを形成することができる。しかしながら、次のフォトレジストrをマスクとしたウェットエッチングでは、図示したようなサイドエッチングが発生し、熱酸化膜sにおける開口部間距離wsのパターニング加工精度は、種々の要因で悪化する。
上記ウェットエッチング時におけるパターニング加工精度の悪化要因の一つに、フォトレジストrと熱酸化膜sの密着性があり、高い密着状態にあるフォトレジストrと熱酸化膜sを安定して製造できないと、エッチング後の熱酸化膜sにおける開口部間距離wsがばらついてしまう。開口部間距離wsがばらつくと、図2(e)のイオン注入後におけるベース幅wの寸法がばらつき、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTの電気特性もばらついてしまう。
特に、図1に示す半導体装置10が、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTと別位置に形成されるNPN型バイポーラトランジスタ(図示省略)の組み合わせからなる、オペアンプを有する半導体装置である場合には、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTの電気特性のばらつき低減が重要である。
ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTとNPN型バイポーラトランジスタを組み合わせて、両トランジスタで差動増幅を行うオペアンプでは、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTの電気特性がばらつくと、無信号時の出力電圧(オフセット電圧)レベルがばらついて、製品歩留まりが低下する。従って、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTの電気特性ばらつきを低減することで、オペアンプの製品歩留まりを高め省エネにつなぐことができる。
前述したように、本発明の半導体装置の製造方法は、図2(b)に示すHMDS処理に特徴がある。
図3は、本発明の半導体装置の製造方法に係わるHMDS処理結果の一例で、図2(b)のHMDS処理における処理温度および処理時間と、図2(d)のウェットエッチング後におけるサイドエッチング量(wr−ws)の関係を調べた結果である。
図6からわかるように、従来のHMDS処理では、比較的短い処理時間でレジスト剥がれ率が0%となるため、125℃の処理温度においても5分以下の短い処理時間が採用されていた。一方、図3の調査では、HMDS処理の処理温度は同じであるが、従来と異なり5分以上の長い処理時間が採用されている。
図3の結果より、HMDS処理の処理時間を長くしていくと、サイドエッチング量が途中でステップ状に急増するものの、それ以降は安定して一定値となることが判明した。この境界時間は、125℃のHMDS処理では12分以上であり、150℃のHMDS処理では8分以上である。
図4は、図1の半導体装置10がラテラルPNP型バイポーラトランジスタTとNPN型バイポーラトランジスタ(図示省略)の組み合わせからなるオペアンプである場合について、図2(b)のHMDS処理条件とオフセット電圧のばらつきの関係を調べた結果である。尚、図4には、150℃のHMDS処理における処理時間を変えた結果と共に、HMDSをスピンコートして得られた結果を示した。
図4からわかるように、図3においてサイドエッチング量が安定して一定値となった8分以上のHMDS処理品では、オペアンプのオフセット電圧のばらつきが、スピンコート品や5分のHMDS処理品に較べて60%程度に低減した。これは、8分以上のHMDS処理品では、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタTの電気特性ばらつきが低減した結果、NPN型バイポーラトランジスタとのペア性が向上したことによる。
図5は、HMDS処理における処理温度と処理時間について、図4と同様にして、オペアンプのオフセット電圧のばらつきが小さくなる範囲を調べた結果である。図中の×印が従来と同様のオフセット電圧のばらつきが起きた条件であり、図中の○印が従来に較べてオフセット電圧のばらつきが60%程度に低減した条件である。
図5の結果より、HMDS処理における処理温度をx[℃]とし、記HMDS処理における処理時間をy[分]としたとき、
(数2) y≧−0.16x+32, 100≦x≦170
の範囲内でHMDS処理することにより、オペアンプのオフセット電圧のばらつきを従来に較べて60%程度に低減することができる。尚、HMDS処理における処理温度が100℃より低い場合にはレジストの密着性が不十分となり、HMDS処理における処理温度が170℃より高い場合にはHMDSが分解し易くなる。
上記数式2のHMDS処理条件は、図6に示す従来の処理条件と比較すると、同じ処理温度において処理時間を大幅に長くした処理条件となっている。 図2(a)〜(e)に示した半導体装置10の製造工程において、上記数式2の長い処理時間でHMDS処理した半導体基板1上にフォトレジストrを形成し、ウェットエッチングでパターニング加工を施した半導体装置10では、短い処理時間でHMDS処理した従来の半導体装置に比べて、サイドエッチング量がステップ状に増大するものの、製造した半導体装置(オペアンプ)10の電気特性(オフセット電圧)ばらつきが低減した。これは、HMDS処理時間を大幅に長くした結果、半導体基板1とフォトレジストrの密着状態が従来とは異なる密着状態となり、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつきが低減したためであると考えられる。尚、上記ステップ状に増大したサイドエッチング量は、上記数式2のHMDS処理条件の範囲内において一定であり、予めそれを見込んだ設計が可能である。
以上のように、上記半導体装置の製造方法は、製造途中にある半導体基板1をHMDS処理した後、半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す半導体装置の製造方法であって、HMDS処理条件を最適化し、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつきを低減した、製品歩留まりの高い、省エネになる製造方法となっている。
尚、上記半導体装置の製造方法は、HMDS処理を行う製造途中の半導体基板の表面が、シリコン酸化膜からなる場合であった。
HMDSは、基板表面における水分と反応して、トリメチルシロキサン[(CH3 3 SiO]基を主成分とするシラン化層を基板表面に形成し、フォトレジスト材との密着性を向上させるものである。従って、HMDS処理を行う上記半導体基板の表面は、シリコン(Si)、シリコン窒化膜(Si)あるいは各種金属であってもよい。しかしながら、シリコン酸化膜(SiO)は、特に表面に水分を吸着し易く、上記HMDS処理によるフォトレジストの密着性改善効果が大きい。
また、上記半導体装置の製造方法は、図2(d)に示すパターニング加工が、ウェットエッチングを用いたパターニング加工であった。しかしながら、図2(d)に示すパターニング加工は、ドライエッチングを用いたパターニング加工であってもよい。
ウェットエッチングを用いたパターニング加工では、ドライエッチングを用いたパターニング加工に較べて、半導体基板1に対するフォトレジストrの高い密着性が要求される。従って、上記半導体装置の製造方法は、図2(d)に示すパターニング加工がウェットエッチングを用いたパターニング加工である場合に特に効果的で、半導体基板1とフォトレジストrの密着状態を従来とは異なる密着状態とすることにより、ウェットエッチングを用いたパターニング加工においても、高い加工精度を得ることができる。
さらに、上記半導体装置の製造方法におけるHMDS処理は、フォトレジストがポジレジストとネガレジストのいずれである場合にも効果的である。
一般的に、ネガレジストはポジレジストに較べて安価であり、シリコン酸化膜との密着性もよい。従って、剥がれを防止する従来のHMDS処理は、主としてポジレジストに対して効果的である。しかしながら、上記半導体装置の製造方法におけるHMDS処理は、フォトレジストの剥がれ防止だけでなく、フォトリソグラフィによるパターニング加工精度ばらつき低減を目的としたものであり、ポジレジストに較べて安価であり、シリコン酸化膜との密着性もよいネガレジストについても、その効果が発揮される。
また、上記した半導体装置の製造方法は、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタやオペアンプを有する半導体装置に限らず、製造途中にある半導体基板をHMDS処理した後、半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す任意の半導体装置の製造方法に適用することができる。
本発明の製造方法を用いて好適に製造できる半導体装置の一例で、半導体装置の断面を模式的に示す図である。 (a)〜(e)は、図1のラテラルPNP型バイポーラトランジスタのベース幅に係わる、2つのp+型拡散領域のイオン注入工程を示す工程別断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法に係わるHMDS処理結果の一例で、図2(b)のHMDS処理における処理温度および処理時間と、図2(d)のウェットエッチング後におけるサイドエッチング量の関係を調べた結果である。 図1の半導体装置がオペアンプである場合について、HMDS処理条件とオフセット電圧のばらつきの関係を調べた結果である。 HMDS処理における処理温度と処理時間について、図4と同様にして、オペアンプのオフセット電圧のばらつきが小さくなる範囲を調べた結果である。 従来文献に開示された、HMDS処理によるフォトレジスト剥がれ率の改善効果を示す図である。
符号の説明
10 半導体装置
T ラテラルPNP型バイポーラトランジスタ
1 半導体基板
1e p+型拡散領域(エミッタ)
1c p+型拡散領域(コレクタ)
1b n−型拡散層(ベース)
2 層間絶縁膜
3e エミッタ電極
3c コレクタ電極
3b ベース電極
4 保護膜
s 熱酸化膜
sa シラン化層
r フォトレジスト
re,rc (フォトレジスト)開口部
se,sc (熱酸化膜)開口部

Claims (7)

  1. 製造途中にある半導体基板をヘキサメチルジシラザン[(CH3 3 SiNHSi(CH3 3 、以下、HMDSと略す]の蒸気中に曝して表面処理(以下、HMDS処理と略す)した後、前記半導体基板上にフォトレジストを形成してパターニング加工を施す半導体装置の製造方法において、
    前記HMDS処理における処理温度をx[℃]とし、前記HMDS処理における処理時間をy[分]としたとき、
    (数1) y≧−0.16x+32, 100≦x≦170
    の範囲内で、HMDS処理することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記HMDS処理を行う製造途中の半導体基板の表面が、シリコン酸化膜からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体装置が、ラテラルPNP型バイポーラトランジスタを有する半導体装置であり、
    前記シリコン酸化膜を、前記ラテラルPNP型バイポーラトランジスタのエミッタおよびコレクタを形成するp導電型不純物のイオン注入マスクにパターニング加工することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記半導体装置が、NPN型バイポーラトランジスタと前記ラテラルPNP型バイポーラトランジスタの組み合わせからなるオペアンプを有する半導体装置であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記HMDS処理を、減圧下の恒温槽内で行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記フォトレジストが、ネガレジストであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記パターニング加工が、ウェットエッチングを用いたパターニング加工であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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