本発明は、リードフレーム材のランド部に凸部を形成するためのエッチングを行うことなく製造工数を大幅に削減することができると共に、リード部の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすることがないリードフレームを与えるリードフレーム成形金型を提供するという目的を、載置されるリードフレーム材のランド部が形成される位置に凹部又は貫通孔部を形成することにより実現した。
また、本発明は、リードフレーム材のランド部に凸部を形成するためのエッチングを行うことなく製造工数を大幅に削減することができると共に、リード部の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすることがないリードフレームの製造方法を提供するという目的を、プレス加工によりランド部にリード部より肉厚の凸部を形成することにより実現した。
さらに、リード部の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすることがないリードフレームを提供するという目的を、プレス加工によりランド部にリード部より肉厚の凸部を形成することにより実現した。
また、本発明は、リード部の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすることがなく、製造時のワイヤボンディング工程においてワイヤの結線不良が起こり難い半導体装置を提供するという目的を、リードフレーム製造時にプレス加工によりランド部にリード部より肉厚の凸部を形成することにより実現した。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、凹部が形成された雌型のリードフレーム成形金型に薄板状のリードフレーム材と前記凹部の深さと略等しい厚みである薄板状の打ち抜き材とを重ねて載置し、前記リードフレーム成形金型の前記凹部に対向して配設された雄型のパンチにより前記打ち抜き材を打ち抜きながら前記リードフレーム材の一方の面に打ち込んで抜き打ち部を形成し、前記リードフレーム材の他方の面に凸部を形成し、前記打ち抜き部が打ち抜かれた前記打ち抜き材を前記リードフレームから分離し、前記リードフレーム材の前記一方の面と前記抜き打ち部の表面を略平面状に形成することを特徴とする。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)セット工程において所定位置に凹部又は貫通孔部が形成されたリードフレーム成形金型上にリードフレーム材と1乃至複数の打ち抜き材とを重ねて載置し、プレス加工工程においてパンチを上方から下降させ打ち抜き材を上面側から打ち抜きながらリードフレーム材に打ち込み、リードフレーム材のランド部が形成される位置等にリード部より肉厚の凸部を形成し、分離工程において打ち抜かれた打ち抜き材をリードフレーム材から分離することができるので、製造工数を大幅に削減し低原価で量産できると共に、リード部の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすることを防止できる。
(2)リードフレーム材に打ち抜き部が打ち込まれることによりリードフレーム材のランド部の上面において打ち抜き部とリードフレーム材の境界部分に断面形状が略楔状の間隙が形成されるため、その略楔状の間隙に半導体装置製造時のモールディング工程において封止樹脂が入り込み、これにより、リードフレーム材と封止樹脂との熱膨張差による剥離が起こり難くなり、リードフレーム材のランド部が封止樹脂層に強固に固定され、ワイヤボンディング工程においてリードフレーム材のランド部に結線されるワイヤにかかる機械的応力が軽減するので、半導体装置としての信頼性を向上させることができる。
ここで、セット工程においては、リードフレーム材をリードフレーム成形金型の上面に位置決めして載置することが好ましい。位置決め手段としては、リードフレーム材の側部等に位置決め用の孔部を形成し、リードフレーム成形金型に該孔部に対応したピンや突起等を立設して位置決めするか、或いはリードフレーム材をその外周部又は側縁部でリード
フレーム成形金型に拘束するようにリードフレーム成形金型にリードフレーム材の外周部又は側縁部に沿って形成された突起部を設けてもよい。なお、打ち抜き材はリードフレーム材と同様にして位置決めするかリードフレーム材に溶接等により固定することもできる。
リードフレーム材の材質としては、ニッケルと鉄の合金や銅等が用いられる。打ち抜き材の材質としては、リードフレーム材と同じ材質を用いてもよく、異なる材質、例えばアルミニウム、黄銅等を用いてもよい。なお、打ち抜き材の材質としてリードフレーム材より熱膨張率の高い材質を用いることもできる。これにより、リードフレームが組み込まれた半導体装置を製造する際の熱履歴により、リードフレーム材に打ち込まれた打ち抜き部がリードフレーム材内で膨張し強固に固定されるためリードフレーム材から脱落することを防止できる。
リードフレーム材の厚さとしては、打ち抜き材の厚さより小さいものを用いることもでき、或いは大きいものを用いることもできる。打ち抜き材より厚さが大きいリードフレーム材を用いた場合は、プレス加工工程において打ち抜き材を打ち抜きながらリードフレーム材に打ち込むことにより、リードフレーム材を塑性変形させ凸部を形成することができる。打ち抜き材より厚さが小さいリードフレーム材を用いた場合は、打ち抜き材を打ち抜きながら打ち抜いた打ち抜き部をリードフレーム材に打ち込むことにより、打ち抜き部がリードフレーム材を打ち抜いてリードフレーム材の下面から突出して凸部を形成することができる。
プレス加工工程においては、油圧式や水圧式等のプレス機械が用いられる。プレス機械には、下部に雌型の固定型として凹部又は貫通孔部が形成されたリードフレーム成形金型を装着し、上部に可動型としてパンチを装着した雄型を配設する。なお、プレス加工工程は、冷間により行うことが金型精度を維持する上で好ましい。
また、プレス加工工程において、雄型のパンチの打ち込み長さは、打ち抜き材の厚さと同一、又はそれより大きくても或いは小さくてもよい。パンチの打ち込み長さを打ち抜き材の厚さより小さく設定した場合は、打ち抜いた打ち抜き部の上端部がリードフレーム材の上面から所定長さ突出するようにパンチを打ち込むことができるので、プレス加工工程の後にこの突出部分をスタンパ等で押圧する平坦化工程等を行うことにより、打ち抜き部を打ち込んだ部分を平坦化すると共に突出部分をその周囲に埋め込んで打ち抜き部を脱落し難くすることができる。
プレス加工工程において、リードフレーム材に凸部を形成すると同時に、リードフレーム材の表面の所定位置にノッチを形成することもできる。これにより、後の打ち抜き工程やエッチング工程、すなわちダイパッド部やリード部、ダムバー部等を形成する部分を残してリードフレーム材を打ち抜く又は不要部分を溶解除去する工程の後に、リード部に形成されたランド部を各々島状に独立させる際に、ノッチが形成された部分を切断して容易にランド部を独立させることができる。なお、打ち抜き工程においては、打ち抜き工程に使用する金型に、プレス加工工程においてリードフレーム材に形成された凸部を潰さないように逃がすための凹部を設けることが好ましい。
分離工程においては、打ち抜き用の雄型のパンチの先端をリードフレーム材に打ち込まれた打ち抜き部の上面に当接させた状態で、打ち抜き材を上方へ移動させることでリードフレーム材から容易に且つ完全に分離させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
まず、本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法のセット工程、プレス加工工程、及び分離工程について説明する。
図1(a)は本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法のセット工程を説明する要部概略説明図であり、図1(b)は本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法のプレス加工工程を説明する要部概略説明図であり、図1(c)は本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法の分離工程を説明する要部概略説明図であり、図1(d)はリードフレーム材に形成された凸部の要部拡大断面図であり、図2は凸部が形成されたリードフレーム材の要部背面図である。
図1において、1は上部の所定位置に凹部1aが形成された雌型のリードフレーム成形金型、2はリードフレーム成形金型1の凹部1aの上部に配設されたパンチ、3は金属製の薄板により形成されリードフレーム成形金型1の上面に位置決めされ載置されたリードフレーム材、4は金属製の薄板により形成されリードフレーム材3の上面に載置された打ち抜き材、5は打ち抜き材4をパンチ2により打ち抜いてリードフレーム材3の上面に打ち込んだ打ち抜き部、6は打ち抜き部5が打ち込まれることによりリードフレーム材3の下面に形成された凸部である。また、図1(d)において、3aはリードフレーム材3の上面において打ち抜き部5の外周部とリードフレーム材3との境界部分に形成された断面略楔状の間隙である。
ここで、リードフレーム成形金型1の凹部1aの内径及びそれに対応するパンチ2の外径は、所望する凸部6の外径により適宜設定されている。なお、リードフレーム成形金型1の凹部1aとパンチ2のクリアランスは、リードフレーム材3及び打ち抜き材4の厚さや材質にもよるが、本実施の形態1においては約0.003mmに設定した。
また、凹部1aはリードフレーム成形金型1の上面の所定位置、すなわち後述の打ち抜き工程やエッチング工程において不要部分を除去してリードフレーム材3のランド部が形成される位置に複数箇所形成されている。なお、凹部1aに対応してその上部に雄型(図示せず)のパンチ2が複数設けられている。凹部1aの深さとしては、予め設定された凸部6の高さと同様又はそれより大きい深さに設定されている。
リードフレーム材3の材質としては、ニッケルと鉄の合金や銅等が用いられる。打ち抜き材4の材質はリードフレーム材3と同じ材質を用いてもよく、異なる材質、例えばアルミニウム、黄銅等を用いてもよい。なお、打ち抜き材4の材質としてリードフレーム材3より熱膨張率の高い材質を用いることもできる。これにより、リードフレームが組み込まれた半導体装置を製造する際の熱履歴によりリードフレーム材3に打ち込まれた打ち抜き部5がリードフレーム材3内で膨張し強固に固定されるためリードフレーム材3から脱落するのを防止できる。なお、本実施の形態1においては、リードフレーム材3の厚さとして、打ち抜き材4の厚さより大きいものを用いた。本実施の形態1においては、打ち抜き材4の厚さとして0.08mmのものを用い、リードフレーム材3の厚さとして0.127mmのものを用いた。これにより、プレス加工工程において打ち抜き材4を打ち抜きながら、打ち抜いた打ち抜き部5をリードフレーム材3に打ち込むことにより、リードフレーム材3を塑性変形させ凸部6を形成することができる。
また、本実施の形態1においては、リードフレーム材3及び打ち抜き材4は帯状に形成
され、ロール状に巻かれており、各々の工程においてリードフレーム材3及び打ち抜き材4を逐次取り出しながら連続的にリードフレームを成形できるようになっている。
リードフレーム材3をリードフレーム成形金型1の上面に位置決めして載置するための位置決め手段としては、リードフレーム材3の側部等に位置決め用の孔部を形成し、リードフレーム成形金型1に該孔部に対応したピン等を立設して位置決めするか、或いはリードフレーム材3をその外周部又は側縁部でリードフレーム成形金型1に拘束するようにリードフレーム成形金型1にリードフレーム材3の外周部又は側縁部に沿って形成された突起部を設けてもよい。なお、打ち抜き材4はリードフレーム材3と同様にしてリードフレーム成形金型1及び/又はリードフレーム材3に固定することができる。
以上のように構成された本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法のセット工程、プレス加工工程、及び分離工程について、以下図面を用いて説明する。
まず、図1(a)に示すように、図示しないプレス機械に凹部1aが形成された雌型のリードフレーム成形金型1とパンチ2を装着した雄型を配置する。なお、リードフレーム成形金型1は固定型として下部に装着し、パンチ2を装着した雄型は可動型として上部に装着する。次に、リードフレーム成形金型1の上面にリードフレーム材3を上述した位置決め手段により位置決めして載置し固定する。さらに載置されたリードフレーム材3の上面に打ち抜き材4を載置して固定する(セット工程)。なお、本実施の形態1においては、リードフレーム材3上に1枚の打ち抜き材4を載置したがこれに限られるものではなく、2乃至複数枚の打ち抜き材4を載置することもできる。
ここで、プレス加工工程の前に、打ち抜き材4の上面を加圧装置等により押圧して打ち抜き材4をリードフレーム材3に密着させることもできる(密着工程)。これにより、打ち抜き材4とリードフレーム材3との密着性を向上させることができ、この後のプレス加工工程において、パンチ2による打ち抜き又は打ち込みによりリードフレーム材3や打ち抜き材4が歪んだり変形したりすることを防ぎ、加工精度の低下を防ぐことができる。また、密着工程によりリードフレーム材3をリードフレーム成形金型1に密着させ密着性を向上させることもできる。
次に、図1(b)に示すように、プレス機械を駆動しパンチ2を打ち抜き材4に向かって下降させ、打ち抜き材4からパンチ2の断面形状と同様の断面形状の打ち抜き部5を剪断力で打ち抜きながら、打ち抜いた打ち抜き部5をリードフレーム材3に打ち込みリードフレーム材3を塑性変形させてリードフレーム成形金型1の凹部1a内に凸部6を形成する(プレス加工工程)。なお、プレス加工工程においては、パンチ2をその先端が打ち抜き材4の下面と同一又はそれ以上になるまで打ち込むことにより、打ち抜き材4から打ち抜き部5を剪断力で打ち抜きながらリードフレーム材3に打ち込むことができる。これにより、後述の分離工程において容易に打ち抜き材4をリードフレーム材3から分離することができる。
続いて、図1(c)に示すように、パンチ2を打ち抜き部5の上面に当接させた状態で、打ち抜き部5が打ち抜かれた打ち抜き材4を上方へ移動させリードフレーム材3から分離すると共に、リードフレーム材3をリードフレーム成形金型1から取り外す(分離工程)。これにより、図2に示すようにリードフレーム材3に凸部6が形成される。
なお、分離工程の後に、リードフレーム材3の上面の打ち抜き部5が打ち込まれた部分をスタンピングして平坦化する平坦化工程を行うこともできる。これにより、後の打ち抜き工程やエッチング工程で不要部分を除去して形成されるランド部14の上面を平坦にすることができるので、半導体装置を製造する際のワイヤボンディング工程において半導体
チップから延びるワイヤの結線を確実にし結線不良を防止できより良好なワイヤボンディング性を得ることができる。
また、図1(d)に示すように、リードフレーム材3に打ち抜き部5が打ち込まれると、リードフレーム材3の打ち抜き部5との境界部分が塑性変形し、断面形状が略楔状の間隙3aが形成される。これにより、半導体装置製造時のモールディング工程において、略楔状の間隙3aに封止樹脂が入り込むため、リードフレーム材3と封止樹脂との熱膨張差による剥離が起こり難くなり、リードフレーム材のランド部が封止樹脂層に強固に固定される。さらに、半導体装置製造時のワイヤボンディング工程においてリードフレーム材3のランド部に結線されるワイヤにかかる機械的応力が軽減するので、半導体装置としての信頼性を向上させることができる。
次に、本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法の打ち抜き工程及びテープ貼着工程について説明する。
図3(a)は本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法の打ち抜き工程により打ち抜かれたリードフレームを示す要部背面図であり、図3(b)はリードフレームのランド部を示す一部破断要部斜視図であり、図4(a)は本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法のテープ貼着工程により粘着テープが貼着されたリードフレームを示す要部断面図であり、図4(b)はリードフレームを備えた半導体装置のテープ剥離前の状態を示す要部断面図である。
図中、3はリードフレーム材、5は打ち抜き部、6は凸部であり、これらは図1又は図2において説明したものと同様のものであるので同一の符号を付けて説明を省略する。10はプレス加工工程において凸部6が形成され打ち抜き工程において不要部分が打ち抜かれて形成されたリードフレーム、11はリードフレーム10の略中央に形成され半導体チップが搭載されるダイパッド部、12はダイパッド部11の四隅を支持する吊りリード部、13はダイパッド部11の周囲に放射状に形成された複数のリード部、14は各々のリード部13に形成されたランド部、15は各々リード部13を連結するダムバー部である。図4において、16はリードフレーム10の下面に貼着された粘着テープ、17はリードフレーム10を備えた半導体装置、17aはダイパッド部11に搭載された半導体チップ、18は半導体チップ17aとリード部13とを結線するワイヤ、19はダイパッド部11やリード部13、ランド部14、半導体チップ17a、ワイヤ18を封止するための封止樹脂である。なお、ワイヤ18の一端は半導体チップ17aに接続され、他端はリード部13の先端又はランド部14、或いはランド部14に打ち込まれた打ち抜き部5に接続されている。
以上のように構成された本実施の形態1におけるリードフレームの製造方法の打ち抜き工程及びテープ貼着工程について、以下図面を用いて説明する。
まず、図2に示すリードフレーム材3を打ち抜き用の金型(図示せず)にセットし、不要部分を打ち抜いて図3(a)に示すリードフレーム10を形成する(打ち抜き工程)。なお、プレス加工工程で形成した凸部6は、図3(b)に示すように、リードフレーム10のリード部13に形成されたランド部14の略中央部に形成される。次に、図4(a)に示すように、リードフレーム10の下面側の各々の凸部6の頂部に一枚の粘着テープ16が貼着される(テープ貼着工程)。これにより、リード部13の撚れや歪み、折れ等を防ぐことができる。
このようにして粘着テープ16が貼着されたリードフレーム10は、粘着テープ16が貼着された状態で、ダイパッド部11に半導体チップ17aが搭載され、搭載された半導
体チップ17aとリード部13がワイヤ18により結線(ワイヤボンディング)され、封止樹脂19により封止(モールディング)される。さらに、図3(a)に示す破線Aでリード部13及び吊りリード部12が切断されて図4(b)に示す半導体装置17が製造される。ここで、例えば、一つのリード部13に対して複数のランド部14が形成されている場合は、テープ貼着工程の後に、一つのリード部13に形成された各々のランド部14を互いに分離させ島状に独立させるために、リード部13の所定位置を切断するリード部切断工程を行うこともできる。また、このリード部切断工程の際にリード部13の所定位置を容易に切断できるように、予めノッチを形成しておくこともできる。
以上のように本実施の形態1におけるリードフレーム成形金型1及びリードフレームの製造方法並びにその方法により製造されたリードフレーム10及び半導体装置17は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)リードフレーム成形金型1は、上面の所定位置、すなわち後の打ち抜き工程においてリードフレーム材3のランド部14が形成される位置に凹部1aが形成されているので、プレス加工により凹部1aの位置のリードフレーム材3に凸部6を形成することができる。
(2)リードフレームの製造方法では、セット工程において所定位置に凹部1aが形成されたリードフレーム成形金型1上にリードフレーム材3と打ち抜き材4とを重ねて載置し、プレス加工工程においてパンチ2を上方から下降させ打ち抜き材4を上面側から打ち抜きながらリードフレーム材3に打ち込み、リードフレーム材3のランド部14が形成される位置に凸部6を形成し、分離工程において打ち抜かれた打ち抜き材4をリードフレーム材3から分離することができる。
(3)リードフレーム材3に形成される凸部6は、LGAの半導体装置では封止樹脂層の裏面からその一部が露出して外部電極を形成する。BGAの半導体装置ではさらにその外部電極に導電性ボールが取り付けられる。凸部は半導体装置に実装される際の基板との電気的接続のために用いられる。リードフレーム成形金型1を用いたプレス加工工程によりリードフレーム材3に凸部6を形成することにより、従来のようにエッチングを行うことなく、電気的接続用の肉厚の凸部6を形成したリードフレームを容易に、且つ量産性が高く、製造工数が少なく、低原価で製造することができる。
(4)リード部13の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすること防止できる。
(5)リードフレーム10は、プレス加工によりランド部14にリード部13より肉厚の凸部6が形成されているので、従来のようにエッチングを行うことなく製造工数を大幅に削減することができると共に、リード部13の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすること防止できる。
(6)プレス加工工程の前に密着工程を行うことにより、打ち抜き材4とリードフレーム材3との密着性を向上させることができ、この後のプレス加工工程において、パンチ2による打ち抜き又は打ち込みによりリードフレーム材3や打ち抜き材4が歪んだり変形したりすることを防ぎ、加工精度の低下を防ぐことができる。
(7)分離工程の後に、リードフレーム材3の上面の打ち抜き部5が打ち込まれた部分をスタンピングして平坦化する平坦化工程を行うことにより、後の打ち抜き工程やエッチング工程で不要部分を除去して形成されるランド部14の上面を平坦にすることができ、半導体装置17を製造する際のワイヤボンディング工程において半導体チップ17aから
延びるワイヤ18の結線を確実にし結線不良を防止できより良好なワイヤボンディング性を得ることができる。
(8)半導体装置17は、プレス加工によりランド部14にリード部13より肉厚の凸部6を形成したリードフレーム10を備えているので、従来のようにエッチングを行うことなくリード部13の先端部が針状になったり極端に肉薄になって変形したり強度が低下したりすることがないので、半導体装置17製造時のワイヤボンディング工程においてワイヤ18の結線不良が起こり難く生産性に優れる。
(実施の形態2)
図5(a)は本実施の形態2におけるリードフレームの製造方法のセット工程を説明する要部概略説明図であり、図5(b)は本実施の形態2におけるリードフレームの製造方法のプレス加工工程を説明する要部概略説明図であり、図5(c)は本実施の形態2におけるリードフレームの製造方法の分離工程を説明する要部概略説明図であり、図6はリードフレームのランド部を示す一部破断要部斜視図である。
図中、21は所定位置に貫通孔部21aが形成された雌型のリードフレーム成形金型、22はリードフレーム成形金型21の貫通孔部21aの上部に配設された雄型(図示せず)のパンチ、23は金属製の薄板により形成されリードフレーム成形金型21の上面に位置決めされ載置されたリードフレーム材、24は金属製の薄板により形成されリードフレーム材23の上面に載置された打ち抜き材、25は打ち抜き材24をパンチ22により打ち抜いてリードフレーム材23の上面側から打ち込んで下面側に貫通させた打ち抜き部、26は打ち抜き部25の下端部がリードフレーム材23の下面から突出して形成された凸部、27は打ち抜き部25により打ち抜かれたリードフレーム材23のフレーム材スクラップ部である。図6において、13はリード部、14はランド部であり、これらは図3において説明したものと同様のものであるので同一の符号を付けて説明を省略する。
なお、本実施の形態2におけるリードフレームの製造方法が実施の形態1と異なる点は、凸部26として打ち抜き部25の下端部をリードフレーム材23の下面から突出させて形成した点である。以下、本実施の形態2のセット工程、プレス加工工程、及び分離工程について、図面を用いて説明する。
まず、図5(a)に示すように、図示しないプレス機械に貫通孔部21aが形成された雌型のリードフレーム成形金型21とパンチ22を装着した雄型を配置する。次に、リードフレーム成形金型21の上面にリードフレーム材23を位置決め手段により位置決めして載置し固定する。さらに載置されたリードフレーム材23の上面に打ち抜き材24を載置して固定する(セット工程)。
次に、図5(b)に示すように、プレス機械を駆動しパンチ22を打ち抜き材24に向かって下降させ、打ち抜き材24からパンチ22の断面形状と同様の断面形状の打ち抜き部25を剪断力で打ち抜きながら、打ち抜いた打ち抜き部25をリードフレーム材23に打ち込む。本実施の形態2においては、リードフレーム材23の厚さとして、打ち抜き材24の厚さより小さいものを用いた。また、打ち抜き部25の上端部がリードフレーム材23の上面と略同一になるまでパンチ22を打ち込んだ。これにより、打ち抜き材24を打ち抜き抜きながらさらにリードフレーム材23を打ち抜くことにより、打ち抜き部25をリードフレーム材23の下面から突出させ凸部26を形成することができる(プレス加工工程)。なお、プレス加工工程において打ち抜かれたリードフレーム材23のフレーム材スクラップ部27はリードフレーム成形金型21の貫通孔部21aを通って系外へ排出される。
続いて、図5(c)に示すように、パンチ22を打ち抜き部25の上面に当接させた状態で、打ち抜き部25が打ち抜かれた打ち抜き材24を上方へ移動させリードフレーム材23から分離すると共に、リードフレーム材23をリードフレーム成形金型21から取り外す(分離工程)。これにより、図6に示すように、リードフレーム材23のランド部14が形成される部分に凸部26が形成される。
以上のように本実施の形態2におけるリードフレームの製造方法は構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)リードフレーム材23の厚さとして、打ち抜き材24の厚さより小さいものを用い、また、プレス加工工程において、打ち抜き部25の上端部がリードフレーム材23の上面と略同一になるまでパンチ22を打ち込むことにより、打ち抜き材24を打ち抜きながら打ち抜いた打ち抜き部25によりリードフレーム材23を打ち抜き、打ち抜き部25をリードフレーム材23の下面から突出させ凸部26を形成することができる。
(2)打ち抜き部25自体が凸部26として外部電極を形成しているので、ワイヤを打ち抜き部25の上面に結線することにより半導体装置の外部との電気的接続が確実になり半導体装置の信頼性を高めることができる。
(実施の形態3)
図7(a)は本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法のセット工程を説明する要部概略説明図であり、図7(b)は本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法のプレス加工工程を説明する要部概略説明図であり、図7(c)は本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法の分離工程を説明する要部概略説明図であり、図7(d)は本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法の平坦化工程を説明する要部概略説明図であり、図7(e)は本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法の平坦化工程を説明する要部概略説明図であり、図7(f)は凸部の外径より大きい内径の受け入れ部を有する平坦化用金型を用いた平坦化工程を説明する要部概略説明図であり、図8はリードフレームのランド部を示す一部破断要部斜視図である。
図中、13はリード部、14はランド部、21は雌型のリードフレーム成形金型、21aは貫通孔部、22はパンチ、23はリードフレーム材、24は打ち抜き材、25は打ち抜き部、26は凸部、27はフレーム材スクラップ部であり、これらは実施の形態2の図5又は図6において説明したものと同様のものであるので同一の符号を付けて説明を省略する。図中、30はリードフレーム材23の上面の打ち抜き部25が打ち込まれる部分の周囲に形成された有底凹状孔部、31は上面に凹状の受け入れ部31aが形成された平坦化用金型、32は雄型(図示せず)に装着されたスタンパ、33は打ち抜き部25の上端部がかしめられたかしめ部である。また、図7(f)において、31′は凸部26の外径より大きい内径の受け入れ部31a′を有する平坦化用金型、34は打ち抜き部25の下端部の周縁部に形成された拡径部である。
なお、本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法が実施の形態2と異なる点は、リードフレーム材23の上面に有底凹状孔部30が形成されている点、及び平坦化工程を備えた点である。以下、本実施の形態3のセット工程、プレス加工工程、分離工程、及び平坦化工程について、以下図面を用いて説明する。
まず、図7(a)に示すように、図示しないプレス機械に貫通孔部21aが形成された雌型のリードフレーム成形金型21とパンチ22を装着した雄型(図示せず)を配置する。次に、リードフレーム成形金型21の上面にリードフレーム材23を位置決め手段により位置決めして載置し固定する。さらに載置されたリードフレーム材23の上面に打ち抜
き材24を載置して固定する(セット工程)。なお、本実施の形態3においては、リードフレーム材23の上面の打ち抜き部25が打ち込まれる部分の周囲に有底凹状孔部30が形成されている。
次に、図7(b)に示すように、プレス機械を駆動しパンチ22を打ち抜き材24に向かって下降させ、打ち抜き材24からパンチ22の断面形状と同様の断面形状の打ち抜き部25を剪断して打ち抜きながら、打ち抜いた打ち抜き部25をリードフレーム材23に打ち込み、打ち抜き部25によりリードフレーム材23を打ち抜くことにより、打ち抜き部25をリードフレーム材23の下面から突出させ凸部26を形成することができる(プレス加工工程)。なお、リードフレーム材23の厚さとして、打ち抜き材24の厚さより小さいものを用いた。また、プレス加工工程において、打ち抜き部25の上端部がリードフレーム材23の上面よりわずかに突出するようにパンチ22を打ち込んだ。
続いて、図7(c)に示すように、パンチ22を打ち抜き部25の上面に当接させた状態で、打ち抜き部25が打ち抜かれた打ち抜き材24を上方へ移動させリードフレーム材23から分離すると共に、リードフレーム材23をリードフレーム成形金型21から取り外す(分離工程)。
次に、図7(d)に示すように、形成された凸部26に受け入れ部31aが嵌合するように平坦化用金型31をリードフレーム材23の下面側に装着し、リードフレーム材23の上方からスタンパ32を打ち抜き部25の上端部に押圧して打ち抜き部25の上端部のかしめ部33を有底凹状孔部30に埋め、かしめると共にリードフレーム材23の上面を平坦化する(平坦化工程)。続いて、図7(e)に示すように、リードフレーム材23から平坦化用金型31を取り外す。
これにより、図8に示すように、リードフレーム材23のランド部14が形成される部分に凸部26が形成されると共に、打ち抜き部25の上端部は有底凹状孔部30にかしめられ、打ち抜き部25はリードフレーム材23に強固に固定される。
なお、図7(f)に示すように、平坦化工程において、凸部26の外径より大きい内径の受け入れ部31a′を有する平坦化用金型31′を用いることもできる。これにより、受け入れ部31a′に凸部26を挿入し、打ち抜き部25の上面をスタンパ32によりスタンピングし打ち抜き部25の下端部の凸部26の下面を平坦化用金型31′の受け入れ部31a′の底面で平坦化することができると共に、凸部26の下面が受け入れ部31a′の底面に押圧され潰れて拡径部34が形成され、先端が先太りするため、半導体装置製造時のモールディング工程において凸部26の外周部と封止樹脂との密着性が向上し、リードフレーム材23から封止樹脂が剥離し難くなる。
以上のように本実施の形態3におけるリードフレームの製造方法は構成されているので、実施の形態1及び実施の形態2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)平坦化工程において、リードフレーム材23の下面に平坦化用金型31を装着し、凸部26を受け入れ部31aに保持して、リードフレーム材23に打ち込まれた打ち抜き部25の上端部をスタンパ32によりスタンピングすることによりリードフレーム材23の上面を平坦化すると共に打ち抜き部25の上端部を潰して有底凹状孔部30に埋め込むことで、打ち抜き部25をリードフレーム材23に強固に固定することができ、打ち抜き部25がリードフレーム材23から脱落することを防止できる。
(2)平坦化工程において、リードフレーム材23の上面の打ち抜き部25が打ち込まれた部分をスタンピングして平坦化することにより、後の打ち抜き工程やエッチング工程
で不要部分を除去して形成されるランド部14の上面を平坦にすることができるので、半導体装置を製造する際のワイヤボンディング工程において半導体チップから延びるワイヤの結線不良を防止できる。また、平坦化工程によりリードフレーム材23のランド部14の上面に残留したカットばりの発生を減少させることができる。
(3)平坦化工程において、打ち抜き部25の下面を平坦化用金型31の受け入れ部31aの底面に押圧して平坦化することができるので、後のテープ貼着工程でのテープとの密着性を向上させることができる。
(4)平坦化工程において、凸部26の外径より大きい内径の受け入れ部31a′を有する平坦化用金型31′を用いた場合は、凸部26の下面が受け入れ部31a′の底面に押圧され潰れて拡径部34が形成され、先端が先太りするため、半導体装置製造時のモールディング工程において凸部26の外周部と封止樹脂との密着性が向上し、リードフレーム材23から封止樹脂が剥離し難くなる。
(5)打ち抜き部25の上面の面積が有底凹状孔部30の面積まで拡がるので、ワイヤボンディング工程において直接この部分にワイヤを結線することが容易になり、これにより外部電極との電気的接続がより確実となるので半導体装置としての信頼性を高めることができる。
(実施の形態4)
図9(a)は本実施の形態4におけるリードフレームの製造方法のセット工程を説明する要部概略説明図であり、図9(b)は本実施の形態4におけるリードフレームの製造方法のプレス加工工程を説明する要部概略説明図であり、図9(c)は本実施の形態4におけるリードフレームの製造方法の分離工程を説明する要部概略説明図である。
図中、41は所定位置に凹部41aが形成された雌型のリードフレーム成形金型、42はリードフレーム成形金型41の凹部41aの上部に配設された雄型(図示せず)のパンチ、43はフレーム孔部43aを有し金属製の薄板により形成されリードフレーム成形金型41の上面にフレーム孔部43aと凹部41aが連通するように位置決めされ載置されたリードフレーム材、44は金属製の薄板により形成されリードフレーム材43の上面に載置された打ち抜き材、45は打ち抜き材44をパンチ42により打ち抜いてリードフレーム材43のフレーム孔部43aに上面側から打ち込んで下面側に貫通させた打ち抜き部、46は打ち抜き部45の下端部がリードフレーム材43の下面から突出して形成された凸部である。
なお、本実施の形態4におけるリードフレームの製造方法が実施の形態2と異なる点は、リードフレーム材43にフレーム孔部43aが形成されている点である。以下、本実施の形態4のセット工程、プレス加工工程、及び分離工程について、図面を用いて説明する。
まず、図9(a)に示すように、図示しないプレス機械に凹部41aが形成された雌型のリードフレーム成形金型41とパンチ42を装着した雄型を配置する。次に、リードフレーム成形金型41の上面にリードフレーム材43を位置決め手段により位置決めして載置し固定する。さらに載置されたリードフレーム材43の上面に打ち抜き材24を載置して固定する(セット工程)。なお、このとき、リードフレーム材43の各フレーム孔部43aがリードフレーム成形金型41の各凹部41aと連通するように位置決めされ固定される。
次に、図9(b)に示すように、プレス機械を駆動しパンチ42を打ち抜き材44に向
かって下降させ、打ち抜き材44からパンチ42の断面形状と同様の断面形状の打ち抜き部45を剪断力で打ち抜きながら、打ち抜いた打ち抜き部45をリードフレーム材43のフレーム孔部43aに打ち込む。本実施の形態4においては、リードフレーム材43の厚さとして、打ち抜き材44の厚さより小さいものを用いた。また、打ち抜き部45の上端部がリードフレーム材43の上面と略同一になるまでパンチ42を打ち込んだ(プレス加工工程)。なお、フレーム孔部43aの内径は打ち抜き部45の外径より若干小さくなるように形成することが好ましい。これにより、打ち抜き部45をフレーム孔部43aに打ち込んで嵌め込むことができ、打ち抜き部45がフレーム孔部43aから抜け難くなりリードフレーム材43に強固に固定することができる。
続いて、図9(c)に示すように、パンチ42を打ち抜き部45の上面に当接させた状態で、打ち抜き部45が打ち抜かれた打ち抜き材44を上方へ移動させリードフレーム材43から分離すると共に、リードフレーム材43をリードフレーム成形金型41から取り外す(分離工程)。これにより、リードフレーム材43のランド部が形成される部分に凸部46が形成される。
以上のように本実施の形態4におけるリードフレームの製造方法は構成されているので、実施の形態2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)リードフレーム材43としてランド部が形成される位置にフレーム孔部43aが予め穿設されたものを用いることにより、打ち抜き材44を打ち抜きながら打ち抜いた打ち抜き部45をリードフレーム材43のフレーム孔部43aに打ち込み、打ち抜き部45をリードフレーム材43の下面から突出させ凸部46を形成することができる。また、リードフレーム材43に予めフレーム孔部43aが形成されているので、打ち抜き部45をフレーム孔部43aに打ち込んだ際にリードフレーム材43に歪みや変形が生じることを防ぐことができる。
(実施の形態5)
図10は本実施の形態5におけるリードフレームの製造方法を説明する要部概略説明図である。
図中、51は所定位置に凹部51aが形成された雌型のリードフレーム成形金型、52はリードフレーム成形金型51の凹部51aの上部に配設された雄型(図示せず)の装着部、53はフレーム孔部53aを有し金属製の薄板により形成されリードフレーム成形金型51の上面にフレーム孔部53aと凹部51aが連通するように位置決めされ載置されたリードフレーム材、54は金属製の柱状に形成され装着部52に装着された打ち込み部材である。
なお、本実施の形態5におけるリードフレームの製造方法が実施の形態4と異なる点は、パンチにより打ち抜き材を打ち抜いてフレーム孔部に打ち込む代わりに、装着部52に装着した打ち込み部材54をフレーム孔部53aに打ち込む点である。以下、本実施の形態5の載置工程、装着工程、及びプレス加工工程について、図面を用いて説明する。
図10に示すように、図示しないプレス機械に凹部51aが形成された雌型のリードフレーム成形金型51と装着部52を有する雄型を配置する。次に、リードフレーム成形金型51の上面にリードフレーム材53を位置決め手段により位置決めして載置し固定する(載置工程)。なお、このとき、リードフレーム材53の各フレーム孔部53aがリードフレーム成形金型51の各凹部51aと連通するように位置決めされ固定される。
次に、装着部52に打ち込み部材54を装着する(装着工程)。ここで、打ち込み部材
54は円柱状、角柱状等の柱状に形成され、その断面形状はフレーム孔部53aと略同形状になるように形成されている。また、打ち込み部材54の材質としては、リードフレーム材53と同じ材質を用いてもよく、異なる材質、例えばアルミニウム、黄銅等を用いてもよい。
続いて、プレス機械を駆動し装着部52をリードフレーム材53に向かって下降させ、装着部52に装着された打ち込み部材54をリードフレーム材53のフレーム孔部53aに打ち込む。本実施の形態5においては、リードフレーム材53の厚さとして、打ち込み部材54の高さより小さいものを用いた。また、打ち込み部材54の上端部がリードフレーム材53の上面と略同一になるまで打ち込んだ(プレス加工工程)。なお、フレーム孔部53aの内径は打ち込み部材54の外径より若干小さくなるように形成することが好ましい。これにより、打ち込み部材54をフレーム孔部53aに打ち込んで嵌め込むことができ、打ち込み部材54がフレーム孔部53aから抜け難くなりリードフレーム材53に強固に固定することができる。以上のようにして、リードフレーム材53のランド部が形成される部分に凸部が形成される。
以上のように本実施の形態5におけるリードフレームの製造方法は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)装着部52に柱状の打ち込み部材54を装着し、プレス加工工程において、打ち込み部材54の上端部がリードフレーム材53の上面と略同一になるまで打ち込むことにより、打ち込み部材54をリードフレーム材53のフレーム孔部53aに打ち込み、打ち込み部材54をリードフレーム材53の下面から突出させ凸部を形成することができる。
(2)打ち込み部材54自体が凸部として外部電極を形成しているので、ワイヤを打ち込み部材54の上面に結線することにより半導体装置の外部との電気的接続が確実になり半導体装置の信頼性を高めることができる。
(3)リードフレーム材53としてランド部が形成される位置に予めフレーム孔部53aが穿設されているので、打ち込み抜き部54をフレーム孔部53aに打ち込んだ際にリードフレーム材53に歪みや変形が生じることを防ぐことができる。また、打ち込み時に打ち込み部材54がリードフレーム材53に押圧されて変形することが防ぐことができる。