JP4378454B2 - 内視鏡の湾曲部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部に設けられた湾曲部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の湾曲部は、複数の節輪をカシメピンで連結することにより構成され、このように構成された湾曲部の内側には鉗子チューブ等の複数のチューブ部材が挿通されている。前記カシメピンは一般に、上下左右の4ヵ所に略90°間隔で配設されるとともに、節輪の内側に突出される部分(以下、ガイド部材)には、湾曲操作用ワイヤが挿通されるガイド孔が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の湾曲部は、カシメピンが略90°間隔に設けられているので、前記ガイド部材とガイド部材との間に鉗子チューブが挟まれるという問題が発生する。鉗子チューブがカシメピン間に挟まれた状態で湾曲部を湾曲させると、鉗子チューブが損傷したり、湾曲部の湾曲操作が重くなるという欠点がある。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、カシメピンのガイド部材間に被規制チューブ部材が挟まれるのを防止すると共に、該被規制チューブ部材の変形を確実に防止することができる内視鏡の湾曲部構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、内視鏡挿入部に設けられるとともに複数の節輪が連結されて構成され、その内部に複数のチューブ部材が挿通される内視鏡の湾曲部構造において、前記複数の節輪の内周面には、湾曲操作用ワイヤが挿通されるガイド孔が形成された複数のガイド部材が突出形成されるとともに、これらのガイド部材とガイド部材との隙間には、該隙間に前記複数のチューブ部材のうちの少なくとも1つのチューブ部材である被規制チューブ部材が挟まれるのを防止する位置規制部材が設けられ、前記位置規制部材は、前記被規制チューブ部材の外周面の形状に沿って形成された接触部を有し、該接触部は前記外周面の所定領域に複数点接触あるいは面接触にて当接することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、湾曲部内側のガイド部材同士の隙間に設けられた被規制チューブ部材の位置を規制する位置規制部材が前記被規制チューブ部材の外周面の形状に沿って形成された接触部を有し、該接触部は前記外周面の所定領域に複数点接触あるいは面接触にて当接しているので、前記被規制チューブ部材が前記ガイド部材同士に挟まれることがなく、また位置規制部材による前記被規制チューブ部材への負荷を分散させることができる。したがって、本発明の内視鏡の湾曲部構造は、前記被規制チューブ部材が前記ガイド部材に挟まれて被規制チューブ部材が損傷したり、湾曲部の湾曲操作性が悪化するのを防止することができ、また被規制チューブ部材の変形を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る内視鏡の湾曲部構造の好ましい実施の形態について詳述する。
図1は、本発明の内視鏡の湾曲部構造が適用された電子内視鏡10の全体構成図である。
【0008】
同図において、前記内視鏡10は、手元操作部12と、この手元操作部12に接続された挿入部14を有している。前記挿入部14は、挿入部側軟性部20、湾曲部22、先端硬質部24から構成されており、前記湾曲部22は、手元操作部12に設けられた一対の湾曲操作用ノブ26、26を回動させることにより遠隔的に湾曲操作され、前記先端硬質部24が所望の方向に向けられる。
【0009】
前記手元操作部12には、鉗子等の処置具が挿入される鉗子孔34が設けられるとともに、シャッターボタン28、吸引ボタン30、送気・送水ボタン32が並設されている。また、手元操作部12には、LG(ライトガイド)軟性部16を介してLG(ライトガイド)コネクタ18が連結されている。LGコネクタ18には、図示しない光源装置に接続されるライトガイド棒19が設けられ、さらにLGコネクタ18には可撓管36を介して電気コネクタ38が接続されている。なお、図1の符号56は、電気コネクタ38の防水用キャップである。
【0010】
前記湾曲部22は、図2及び図3に示すように、リング状に形成された隣接する複数の節輪40、40…をカシメピン42、42…によって軸方向に連結することにより構成されている。このように構成された湾曲部22の内部には、鉗子チューブ44、イメージガイド46、ライトガイド48、送気・送水チューブ50等の複数のチューブ部材が挿通されている。
【0011】
節輪40を連結するカシメピン(ガイド部材に相当)42、42…は図3の如く、湾曲部22の内周面に90°間隔に突出されている。各カシメピン42の先端部には、湾曲操作用ワイヤ52が挿通されるガイド孔42Aが穿設されている。
湾曲操作用ワイヤ52は、湾曲部22の内周面に沿って90°間隔で配設されている。湾曲操作用ワイヤ52はそれぞれ、その先端が湾曲部22の先端環41(図2参照)に固着され、後端が図1に示した湾曲操作用ノブ26、26で回動されるプーリに接続されて張設されている。これにより、前記湾曲操作用ノブ26、26を操作して前記プーリを回動すると、図2の湾曲操作用ワイヤ52、52…が引張操作され、湾曲部22が所望の方向に湾曲操作される。
【0012】
また、湾曲部22の内周面の所定の位置には、鉗子チューブ44がカシメピン42、42同士の隙間に挟まれるのを防止するための位置規制部材54が設けられている。この位置規制部材54は、図3に示したように下側のカシメピン42と左側のカシメピン42との隙間に設けられ、鉗子チューブ44が前記カシメピン42、42に挟まれる前に該鉗子チューブ44に当接するように構成されている。また、位置規制部材54は、前記節輪40と同じ材質、例えばステンレス等によって形成され、複数の節輪40の内周面に接着剤等により固着されている。
【0013】
このように、本実施の形態の湾曲部構造は、湾曲部22の内側に位置規制部材54が形成され、該位置規制部材54によって鉗子チューブ44が規制されるので、鉗子チューブ44がカシメピン42同士に挟まれることがない。したがって、本実施の形態の湾曲部構造は、鉗子チューブ44がカシメピン42同士に挟まれて損傷するのを防止することができる。また、本実施の形態の湾曲部構造は、節輪40の内側に位置規制部材54を設けた簡単な構造であり、前記湾曲操作用ワイヤ52は90°間隔で配設されている。したがって、湾曲操作用ワイヤ52を90°間隔で配設しない場合に生じる首曲がり現象(即ち、所望の方向に曲がらないこと)が発生することはない。
【0014】
上述した実施の形態は、本発明に係る湾曲部構造の一例であり、位置規制部材54の形状や個数は、これに限定するものではない。例えば、図4に示す湾曲部22では、節輪40を切り絞り加工することによって位置規制部材60が節輪40と一体形成されている。このように位置規制部材60と節輪40を一体形成すると、湾曲部の部品点数が少なくなる。
【0015】
また、図5に示す湾曲部は、図4に示した位置規制部材60が2個並設されている。したがって、鉗子チューブ44は位置規制部材60に2ヵ所で当接するので、位置規制部材60から鉗子チューブ44にかかる負荷を分散させることができる。これにより、鉗子チューブ44が位置規制部材60に当接した時の無理な変形を防止することができる。
【0016】
さらに図6に示す湾曲部は、位置規制部材62の先端部がフラットに形成され、鉗子チューブ44と面接触するように形成されている。このようにしても、位置規制部材60から鉗子チューブ44にかかる負荷を分散させることができる。なお、図3に示した位置規制部材54を、図7に示す位置規制部材64のように、鉗子チューブ44と面接触するように接触面を円弧状に形成しても同様の効果を得ることができる。
【0017】
また、上述した実施の形態では、鉗子チューブ44が挟み込まれるのを防止した構造について説明したが、これに限定するものではない。即ち、送気・送水チューブ50、ライトガイド48、イメージガイド46等のチューブ部材がカシメピン42に挟まれるのを防止する位置規制部材を形成してもよい。この場合にも、図6の位置規制部材62や図7の位置規制部材64のように、各チューブ部材と面接触するように位置規制部材を形成することが好ましい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る内視鏡の湾曲部構造によれば、湾曲部内側のガイド部材同士の隙間に設けられた被規制チューブ部材の位置を規制する位置規制部材が前記被規制チューブ部材の外周面の形状に沿って形成された接触部を有し、該接触部は前記外周面の所定領域に複数点接触あるいは面接触にて当接しているので、前記被規制チューブ部材が前記ガイド部材同士に挟まれることがなく、また位置規制部材による前記被規制チューブ部材への負荷を分散させることができる。したがって、湾曲部を湾曲させた際の被規制チューブ部材の損傷を防止することができ、さらに、湾曲部の湾曲操作性を向上させることができ、また位置規制部材からの被規制チューブ部材への負荷を分散し被規制チューブ部材の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の湾曲部構造が適用された内視鏡の全体構成図
【図2】図1に示した湾曲部の縦断面図
【図3】図2に示した湾曲部の3‐3線上に沿う断面図
【図4】図2に示した位置規制部材と別形状の位置規制部材を備えた湾曲部の断面図
【図5】図2に示した位置規制部材と別形状の位置規制部材を備えた湾曲部の断面図
【図6】図2に示した位置規制部材と別形状の位置規制部材を備えた湾曲部の断面図
【図7】図2に示した位置規制部材と別形状の位置規制部材を備えた湾曲部の断面図
【符号の説明】
22…湾曲部、40…節輪、42…カシメピン、42A…ガイド孔、44…鉗子チューブ、46…イメージガイド、48…ライトガイド、50…送気・送水チューブ、52…湾曲操作用ワイヤ、54…位置規制部材

Claims (2)

  1. 内視鏡挿入部に設けられるとともに複数の節輪が連結されて構成され、その内部に複数のチューブ部材が挿通される内視鏡の湾曲部構造において、
    前記複数の節輪の内周面には、湾曲操作用ワイヤが挿通されるガイド孔が形成された複数のガイド部材が突出形成されるとともに、これらのガイド部材とガイド部材との隙間には、該隙間に前記複数のチューブ部材のうちの少なくとも1つのチューブ部材である被規制チューブ部材が挟まれるのを防止する位置規制部材が設けられ、
    前記位置規制部材は、前記被規制チューブ部材の外周面の形状に沿って形成された接触部を有し、該接触部は前記外周面の所定領域に複数点接触あるいは面接触にて当接する
    ことを特徴とする内視鏡の湾曲部構造。
  2. 前記被規制チューブ部材は、鉗子チューブを含むことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の湾曲部構造。
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