JP6396788B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
アングルリングはワイヤ保持部として、アングルワイヤを保持する機能を有している。そのためアングルリングの内周には、例えば90度毎の4箇所に、アングルワイヤの先端を固定する固定部が設けられている。この固定部には、小径の後側管部と、この後側管部に連通し段差を介して設けられ大径の前側管部とからなる係止孔が形成される。アングルワイヤの先端に円筒状の小体(太径部)が、カシメ付け等により固定されている。
また、挿入部は、一般的に、細径化、即ち外径を小さくすることが望まれている。
このように、挿入部には、内径を極力大きくしつつも外径は極力小さくする、といった相反する技術的課題が存在している。
本発明の内視鏡装置は、アングルワイヤと、前記アングルワイヤの先端を保持するワイヤ保持部とを有し、前記挿入部の先端を湾曲させる湾曲機構と、を備える内視鏡装置において、前記アングルワイヤはその先端に、先端側に形成された細径部と、当該細径部よりも基端側に形成された太径部と、を有すると共に、前記アングルワイヤは前記挿入部の中心軸から偏心した位置に配置され、前記ワイヤ保持部には、前記アングルワイヤが前記ワイヤ保持部に保持された状態にて、前記細径部の前記挿入部径方向内側に、前記細径部にのみ当接し得る当接面を有する鍔部が設けられていることを特徴としている。
また、上記の内視鏡装置において、前記ワイヤ保持部は、前記中心軸に沿う内部空間を形成するための内壁面を有し、前記鍔部における前記当接面の背面は、前記内壁面の一部を構成し、前記背面は、前記太径部の外表面における前記挿入部径方向内側の位置に対して、一致もしくは前記挿入部径方向内側に位置するように形成されることがより好ましい。
図1は本実施形態における内視鏡装置の全体図である。図2は同内視鏡装置の挿入部の先端側を、その挿入部の中心軸Cを含む平面での断面図である。図3は同内視鏡装置の関節受けにワイヤ部を取付けた状態での、関節受けの一部を破断した外観斜視図である。図4は関節受けにワイヤ部を取付けた状態での、関節受けに形成された孔部周辺を、その孔部の中心軸S方向から見た外観平面図である。図5は同関節受けにワイヤ部を取付けた状態での、関節受けに形成された孔部周辺を、挿入部の中心軸Cと孔部の中心軸Sとを含む平面での断面図である。図6は関節受けに形成された孔部の中央における、挿入部の中心軸Cに直交する平面での断面図である。
本実施形態の内視鏡装置1は、図1及び図2に示すように、長尺の挿入部10と、挿入部10に内蔵され挿入部10の湾曲部12を湾曲させる湾曲機構36と、挿入部10の基端部に接続され挿入部10等を操作するための操作部55と、操作部55に接続された内視鏡本体65と、挿入部10で後述するように取得された画像を表示する表示部70とを備えている。
なお、図2では、説明の便宜のため、後述する配線部19及びライトガイド21を先端側のみ示し、後述する関節受け23や湾曲駒47を見やすくしている。
以下では、操作部55に対する挿入部10側を先端側、挿入部10に対する操作部55側を基端側とそれぞれ称する。
硬質部本体15の基端部の外周面には、外径を小さくすることで段部15aが形成されている。硬質部本体15は、ステンレス鋼などの金属で形成されている。
被検体で反射された光は、先端硬質部11よりも先端側からカバーガラス17を通して観察ユニット16の観察光学系に入射する。観察光学系の複数のレンズは、入射した光を撮像素子の受光面に結像させる。撮像素子は、受光面で結像した被検体の像を画像として取得する。撮像素子は、この画像を信号に変換し、配線部19を通して送信する。
関節受け23は、図2及び図3に示すように、中空円筒形状の受け部本体24と、受け部本体24の先端側に設けられ受け部本体24よりも内径の大きい中空円筒形状の接続部25とを有している。
孔部24cは、外壁面24aと内壁面24bとの間を貫通する孔であり、図4に示すように、孔部24cの中心軸S(挿入部10の中心軸Cに直交する方向)から見たときに、中心軸C方向の長さL1を長径とする長孔状に形成されている。
壁部27は、図5に示すように、内壁面24bにおける孔部24cの先端側の縁部に、この内壁面24bから中心軸Cに向かって突出して形成される。この壁部27の突出端、即ち中心軸Cに向かって突出する端部には、挿入部10の基端側(図5の右方)に延在する鍔部28が設けられている。
鍔部28は、孔部24cの内周面から突出するように形成され、外壁面24a側に形成される当接面28aと、当該当接面28aの背面側、即ち内壁面24b側に形成される背面28bとを有する。当接面28aは挿入部10の基端側に向かうにしたがって中心軸Cに近づくように傾斜している。背面28bは、受け部本体24の内壁面24bの一部を構成している。
本実施形態では、孔部24c、壁部27、鍔部28、及びワイヤ受け部29からなる組は、受け部本体24に中心軸C周りに90度ごとに4つ形成される。
受け部本体24と接続部25とは、中心軸C方向に位置をずらして同軸となるように一体的に成形されている。受け部本体24と接続部25との境目には、段部30が形成されている。受け部本体24及び接続部25は、ステンレス鋼や真鍮で形成されたブロックを切削加工することで一体に形成されている。
受け部本体24の内壁面24b、及び接続部25の内壁面25bは、挿入部10の中心軸Cに沿う内部空間Rを形成する。
アングルワイヤ35は、図4及び図5に示すように、ワイヤ部38と、ワイヤ部38の先端部の外周面に取付けられた管状部材(太径部)39とを有する。
ワイヤ部38は、複数の素線を撚り合わせた撚り線によって構成される。そして、ワイヤ部38の外径は、溝部29aの幅L3よりも小さい。
管状部材39は、ワイヤ部38にカシメ付けや、ロウ付け等により固定されている。
アングルワイヤ35は関節受け23に形成された孔部24c等に対応して、4つ備えられている。
アングルゴム42は受け部本体24の外周面全体を覆っており、結果的に孔部24cをも覆っている。このため、アングルゴム42における受け部本体24の外壁面24aの外側の部位では、図6に示すように受け部本体24の外壁面24aに倣って円弧状(円筒面状)に形成され、孔部24cの外側の部位では、図6に示すように孔部24cの内方に向かう膨らみ42aが形成される。
アングルゴム42は、さらに被覆チューブ43で覆われる。被覆チューブ43の先端は、アングルゴム42を超えて関節受け23の段部30まで延びている。被覆チューブ43におけるアングルゴム42を超えた部分は、固定糸44で関節受け23の受け部本体24に固定されている。
このように、関節受け23は挿入部10の先端硬質部11や湾曲部12に固定されている。
管状部材39は、孔部24c内に収納されることで、外壁面24a側から見たとき、及び内壁面24b側から見たとき、共に管状部材39の外表面が露出されることになる。なお、アングルワイヤ35が関節受け23に掛止された状態において、先端の細径部38aが、図4及び図5に示すように、中心軸C方向に鍔部28の当接面28aと重複するように位置づけられると共に、鍔部28の当接面28aに対して挿入部10径方向の外側に位置づけられる。
なお、アングルワイヤ35の中で最も径が太い管状部材39が、関節受け23の孔部24c内に収納されるわけだが、その管状部材39の挿入部10径方向外側、及びその管状部材39の挿入部10径方向内側にはそれぞれ、管状部材39を覆うような壁面等が関節受け23には形成されておらず、管状部材39が外側も内側も露出している。このため、関節受け23の肉厚を薄くすることができ、挿入部10の外径が大きくなることを抑制することができる。
しかしながら、アングルワイヤ35の細径部38aの進路の先には鍔部28が形成されているため、細径部38aはこの鍔部28の当接面28aに突き当てられ、その鍔部28を乗り越えて内部空間Rに入り込むことができない。その結果、アングルワイヤ35の先端(細径部38a及び管状部材39を含む)と、関節受け23の内部空間Rに内蔵される内蔵物とが接触することがないので、当該内蔵物が傷ついたり、破損したりすることを防止できる。
なお、管状部材39の特にエッジ部分が、関節受け23の内部空間Rに内蔵される内蔵物から離間させることができるならば、必ずしも鍔部28の背面28bの径方向位置P1が、管状部材39の外表面の径方向の位置P2に対して中心軸C側に位置させる必要はなく、例えば位置P1と位置P2とを一致させる程度であってもよい。つまり位置P1は位置P2に一致させるか、もしくは位置P2よりも中心軸Cに寄せるように、背面28bの位置を設定させればよい。
湾曲部12では、関節受け23の基端側に複数の湾曲駒47が設けられている。湾曲駒47は、環状に形成された公知の構成のものである。
湾曲駒47の基端面には、中心軸Cを挟むように一対の凸部48が形成されている。湾曲駒47の内周面には、中心軸C周りに等角度ごとに4つのワイヤ支持部49が設けられている。各ワイヤ支持部49には、中心軸C方向に延びる貫通孔49aが形成されている。
中心軸C方向に隣り合う湾曲駒47は、中心軸C周りに90°向きを変えて配置されている。すなわち、中心軸C方向に見たときに、中心軸C方向に1つおきに配置された湾曲駒47の凸部48は重なる。
ケーシング56内に設けられている不図示の複数のモータには、前述のアングルワイヤ35の基端部がそれぞれ接続されている。湾曲操作ボタン57の操作によりモータを駆動させることで、所望のアングルワイヤ35を基端側に牽引させ、湾曲部12を所望の向きに湾曲させることができる。
光源部は図示しないランプを備えている。このランプが発した照明光は、ライトガイド21を介して先端側に導かれる。
制御部は、配線部19の基端部、光源部、及び表示部70に接続されている。制御部は、観察ユニット16が取得し、配線部19を通して送信された画像の信号を適宜処理し、表示部70に出力する。
電源部は、配線部19等を通して観察ユニット16、光源部、制御部、及び表示部70等に必要な電力を供給する。
表示部70は、内視鏡本体65の制御部で処理された画像データを表示する。
関節受け23がアングルゴム42で覆われている場合には、アングルゴム42の弾性力によりアングルワイヤ35は中心軸C側に押圧され、内部空間Rに入り込もうとする。しかし、この場合であっても細径部38aの外表面38bが鍔部28の当接面28aに当て付き、それ以上アングルワイヤ35の先端が挿入部10径方向内側に倒れこむことがない。
管状部材39は、外壁面24a及び内壁面24bのいずれ側から見たときでも、管状部材39の外表面が露出するように孔部24c内に収納される。孔部24cには壁部は形成されないため、孔部24c内にアングルワイヤ35が収納された状態の関節受け23及びアングルワイヤ35の全体としての外径を小さく抑えることができる。
例えば、前記実施形態では、図7及び図8に示すようにアングルワイヤ75を用いてもよい。アングルワイヤ75は、前述のワイヤ部38の先端に管状部材76が取付けられて構成されている。
管状部材76は、先端に形成された円柱状の細径部77と、細径部77よりも基端側に形成された管状の太径部78とを有している。細径部77の外径よりも太径部78の外径の方が大きい。管状部材76は、前述の管状部材39と同一の材料をプレス加工すること等で一体に形成されている。
管状部材76は、太径部78の管路内にワイヤ部38の先端を挿入した状態で、ワイヤ部38にカシメ付けや、ロウ付け等により固定されている。
この変形例でも、鍔部28の当接面28aに、アングルワイヤ75の細径部77の外表面であって中心軸Cに近い外表面77aが当接している。
このように構成された変形例の内視鏡装置1Aによっても、前記実施形態の内視鏡装置1と同様の効果を奏することができる。
中径部86及び太径部87は、前述の管状部材39と同様に形成することができる。
内部空間Rをより広く形成しようとするならば、鍔部28の当接面28aを細径部38aに当接しえる位置に形成することが好ましいが、最大外径を有する太径部87の外表面に当接しないように鍔部28の位置や形状を設定することで、内部空間Rを広く形成することは可能である。即ち、図9に示すように、鍔部28の当接面28aを中径部86に当接しえる位置に形成しても、十分に内部空間Rを広く形成することが可能となる。
関節受け23に孔部24cが形成されず、この孔部24cの位置に壁部が形成されていてもよい。このように構成しても、関節受け23に対して細径部38aが内側に倒れるのを防止することができるからである。
内視鏡装置1が水中以外で使用される場合等には、内視鏡装置1がアングルゴム42や被覆チューブ43を備えなくてもよい。
10 挿入部
23 関節受け(ワイヤ保持部)
24a、25a 外壁面
24b、25b 内壁面
24c 孔部
28 鍔部
28a 当接面
28b 背面
35、75、85 アングルワイヤ
36 湾曲機構
38a、77 細径部
38b、77a 外表面
39 管状部材(太径部)
78、87 太径部
C 中心軸
P1、P2 位置
R 内部空間
Claims (4)
- 挿入部と、
アングルワイヤと、前記アングルワイヤの先端を保持するワイヤ保持部とを有し、前記挿入部の先端を湾曲させる湾曲機構と、
を備える内視鏡装置において、
前記アングルワイヤはその先端に、先端側に形成された細径部と、当該細径部よりも基端側に形成された太径部と、を有すると共に、前記アングルワイヤは前記挿入部の中心軸から偏心した位置に配置され、
前記ワイヤ保持部には、前記アングルワイヤが前記ワイヤ保持部に保持された状態にて、前記細径部の前記挿入部径方向内側に、前記細径部にのみ当接し得る当接面を有する鍔部が設けられている
ことを特徴とする内視鏡装置。 - 前記太径部は、前記アングルワイヤの先端にて最大径を有する部位であり、
前記細径部は、前記太径部よりも先端側の部位であり、かつ前記太径部外径よりも小さい外径を有する部位であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。 - 前記ワイヤ保持部は、前記中心軸に沿う内部空間を形成するための内壁面を有し、
前記鍔部における前記当接面の背面は、前記内壁面の一部を構成し、
前記背面は、前記太径部の外表面における前記挿入部径方向内側の位置に対して、一致もしくは前記挿入部径方向内側に位置するように形成されることを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。 - 前記ワイヤ保持部は、
外壁面と、
前記中心軸に沿う内部空間を形成するための内壁面と、
前記外壁面と前記内壁面との間を貫通する孔部と、
を有する中空円筒形状であって、
前記太径部は、前記外壁面側及び前記内壁面側から見てそれぞれ太径部の外表面が露出するように、前記孔部内に収納される
ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
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