JP4378251B2 - 異なる基礎形式に跨り不同沈下を許容する建築架構 - Google Patents
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本発明の次の目的は、異なる基礎形式に跨り両基礎間の不同沈下を許容するが、前記不同沈下の修正が容易な建築架構を提供することにある。
沈下が少ない基礎に支持された建物に一側を支持され、沈下が大きい基礎に他側を支持された建築架構であって、
前記建築架構は、沈下が大きい基礎に支持されてほぼ垂直に立ち上がる垂直部材と、前記沈下が少ない基礎上の建物に片持ち支持されて水平方向に伸びる水平部材と、前記二つの部材間にピン接合された可動部材とで構成されていることを特徴とする。
沈下が少ない基礎上の建物に片持ち支持されて水平方向に伸びる水平部材は、方杖又は吊り材で前記建物に支持されていることを特徴とする。
可動部材と垂直部材との連結部に不同沈下修正機構が設けられており、前記不同沈下修正機構は、前記可動部材と垂直部材との間にピン接合されたリンク部材と、前記可動部材又は垂直部材とリンク部材とがなす角度を調整し支持する第二リンク部材とで構成されていることを特徴とする。
リンク部材には伸縮調整が可能な継手機構が設けられ、第二リンク部材も長さが異なるものと取り替え可能に構成されていることを特徴とする。
(1)沈下の少ない基礎に支持された建物側の水平部材と、沈下が大きい基礎側の垂直部材とを繋ぐ可動部材の両端をピン接合し、異なる基礎形式に跨る建築架構の不同沈下を許容する構成としたので、両基礎間の不同沈下に影響されることなく架構の健全性を維持できる。したがって、沈下が大きい基礎を無理に沈下の少ない杭基礎等にする無駄なコストと手間を回避することができる。
(2)特に地盤沈下が進行している地域では、敷地境界に接して配置される建築架構を簡易な直接基礎にすることが可能となる。その結果、地盤沈下が生じても地表面へ建物の基礎が表れ出て建築構造物の外観を損なうおそれがないし、それに伴う土盛り等の段差処理を行う必要がない。
(3)不同沈下修正機構を設けて、必要に応じて不同沈下の修正を容易に行える構成としたので、前記不同沈下により生じる沈下差の進行に伴う付加的な応力の発生を随時解消でき、建築架構の損傷を未然に防止できる。
(4)不同沈下を許容した後に行う修正作業は、リンク部材の継手機構及び第二リンク部材を取り替える、若しくはアンカーボルトの長さの範囲で垂直部材の柱脚位置を高くするだけの非常に簡易な方法で行うことができる。
前記建築架構2は、沈下が大きい基礎に支持されて垂直に立ち上がる垂直部材20と、前記沈下が少ない基礎上の建物1に片持ち支持されて水平方向に伸びる水平部材21と、前記二つの部材20、21間にピン接合された可動部材22とから成る構成とされている。
図1に示すように、前記沈下が小さい基礎として杭基礎Kが採用され、その上に支持される倉庫等の建物1と、他方の沈下が大きい基礎として採用した直接基礎Tとの間に大規模なトラックヤード、風除、庇(壁付き庇)等の建築架構2が支持されている。前記沈下が大きい直接基礎Tに支持されて垂直に立ち上がる垂直部材20と、前記杭基礎K上の建物1に片持ち支持されて水平方向に伸びる水平部材21と、前記二つの部材20、21間にピン3でピン接合された可動部材22とで両基礎K、Tの不同沈下を許容する建築架構2が構築されている(請求項1記載の発明)。
したがって、沈下の少ない基礎と沈下の大きい基礎という異なる基礎形式に跨る建築架構としても、不同沈下を確実に許容して建築架構の健全性を維持できるのである。
先ずリンク部材22a間に設けられている継手機構60を屋根レベル補正又は、垂直部材20の傾斜補正に必要となる長さの分だけ長く形成したものを新たに用意する。
そして、前記第二リンク部材22bも屋根レベル補正に必要となる長さ分だけ長く形成したものを新たに用意する。
次に、可動部材22と垂直部材20の上下間又は、可動部材22と地面間に前記可動部材22又は垂直部材20とリンク部材22aとがなす角度を仮保持させる仮受支柱8を設置する(噛ませる)。
その後、リンク部材22aの継手機構60を解除し、更に第二リンク部材22bを取り外す。
前記新たに用意した継手機構60’をリンク部材22aの切断部分(継手部分)にあてがいボルト止め等によりしっかりと固定して繋ぎ合わせる。同様に新たに用意した第二リンク部材22b’を所定箇所に取り付ける(図4B参照)。
そして、前記仮受支柱8を撤去して完了する。
2 建築架構
20 垂直部材
21 水平部材
22 可動部材
3 ピン
4 方杖
5 吊り材
6 不同沈下修正機構
60 継手機構
7 アンカーボルト
8 仮受支柱
Claims (4)
- 沈下が少ない基礎に支持された建物に一側を支持され、沈下が大きい基礎に他側を支持された建築架構であって、
前記建築架構は、沈下が大きい基礎に支持されてほぼ垂直に立ち上がる垂直部材と、前記沈下が少ない基礎上の建物に片持ち支持されて水平方向に伸びる水平部材と、前記二つの部材間にピン接合された可動部材とで構成されていることを特徴とする、異なる基礎形式に跨り不同沈下を許容する建築架構。 - 沈下が少ない基礎上の建物に片持ち支持されて水平方向に伸びる水平部材は、方杖又は吊り材で前記建物に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載した異なる基礎形式に跨り不同沈下を許容する建築架構。
- 可動部材と垂直部材との連結部に不同沈下修正機構が設けられており、前記不同沈下修正機構は、前記可動部材と垂直部材との間にピン接合されたリンク部材と、前記可動部材又は垂直部材とリンク部材とがなす角度を調整し支持する第二リンク部材とで構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した異なる基礎形式に跨り不同沈下を許容する建築架構。
- リンク部材には伸縮調整が可能な継手機構が設けられ、第二リンク部材も長さが異なるものと取り替え可能に構成されていることを特徴とする、請求項3に記載した異なる基礎形式に跨り不同沈下を許容する建築架構。
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