JP4377616B2 - ズームレンズ並びにそれを用いた電子スチルカメラ及びビデオカメラ - Google Patents

ズームレンズ並びにそれを用いた電子スチルカメラ及びビデオカメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズ並びにそれを用いた電子スチルカメラ及びビデオカメラに関する。さらに詳細には、電子スチルカメラやビデオカメラに用いられる高画質のズームレンズ並びにそれを用いた電子スチルカメラ及びビデオカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの進歩・普及と相まって、画像入力装置として、電子スチルカメラが急速に普及している。また、動画の他に高画質の静止画像を撮影できる機能を搭載したビデオカメラも商品化されている。
【0003】
電子スチルカメラとしては多くの形態が考えられるが、その1つの形態としてズーム比が3倍程度のズームレンズを搭載したコンパクトタイプがある。コンパクトタイプの電子スチルカメラにおいては、持ち運び易さが要望されており、この要望を満たすためには、少なくとも非使用時の光学全長(レンズ系全体の最も物体側のレンズ面の頂点から固体撮像素子の撮像面までの距離)を短くする必要がある。また、より高い結像性能を有するズームレンズ、広角端における画角の広いズームレンズが求められている。
【0004】
コンパクトタイプの電子スチルカメラに適したズームレンズとして、物体側から像面側に向かって順に配置された、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とにより構成された3群構成のズームレンズが数多く提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。これら3群構成のズームレンズは、広角端から望遠端へのズーミング(変倍)に際して、第1レンズ群と第2レンズ群との間の空気間隔が単調減少し、第2レンズ群と第3レンズ群との間の空気間隔が単調増加し、第3レンズ群は固定又は移動するように構成されている。また、フォーカス調整は、第3レンズ群を光軸方向に移動させることによって行われている。第3レンズ群は、テレセントリック性を良好にする作用を有している。また、第3レンズ群は、外径の小さい1枚のレンズによって構成されており、パワーの小さい小型モータを用いて高速駆動させることが可能であるため、高速移動が望まれるオートフォーカスのフォーカス調整用レンズ群に適している。第1レンズ群と第2レンズ群の移動は、円筒カムを用いて行われている。従って、円筒カムを利用して非使用時に3つのレンズ群をすべて固体撮像素子側に寄せて沈胴構成とすることが可能となる。そして、電子スチルカメラにこのようなズームレンズを搭載すれば、非使用時の電子スチルカメラの奥行を薄くすることが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−042218号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−141997号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2002−244043号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2002−267930号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に開示されたズームレンズの構成では、歪曲収差を十分に補正することができず、また、第2レンズ群の構成枚数が多くレンズ群の全長が長いために、沈胴構成を採用しても非使用時の光学全長を短くすることはできないという問題点を有している。また、上記特許文献2に開示されたズームレンズの構成では、各レンズ群の全長が長いために、上記特許文献1に開示されたズームレンズと同様に、沈胴構成を採用しても非使用時の光学全長を短くすることはできないという問題点を有している。また、上記特許文献3に開示されたズームレンズは、ズーム比が小さいという問題を有している。さらに、上記特許文献4に開示されたズームレンズの構成では、広角端における画角が狭く、また、第2レンズ群の構成枚数が多くレンズ群の全長が長いために、上記特許文献1に開示されたズームレンズと同様に、沈胴構成を採用しても非使用時の光学全長を短くすることはできないという問題点を有している。
【0010】
尚、ズームレンズの解像度特性は、一般に、画面中央部では高いが、画面周辺部では低いという傾向がある。また、画角を広げていくと、歪曲収差の補正が困難になるという傾向もある。
【0011】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍、広角端における画角が70°〜80°で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短く、歪曲収差が良好に補正されたズームレンズ並びにそれを用いた電子スチルカメラ及びビデオカメラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るズームレンズの構成は、物体側から像面側に向かって順に配置された、負パワーの第1レンズ群と、物体側に絞りが固定された正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなるズームレンズであって、
前記第1レンズ群は、物体側から順に配置された、負レンズの第1レンズと、負レンズの第2レンズと、正レンズの第3レンズとからなり
前記第2レンズ群は、物体側から順に配置された、正レンズの第4レンズと、負レンズの第5レンズと、正レンズの第6レンズとからなり
前記第3レンズ群は、正レンズの第7レンズからなり
前記第1レンズの像面側の面、前記第4レンズの物体側の面、及び前記第7レンズの物体側の面はいずれも非球面であり、
撮影距離が∞の場合の広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は像面側に凸の軌跡を描き、前記第2レンズ群は物体側に単調に移動し、 広角端における前記第1レンズの物体側の面の頂点から像面までの距離をLW 、望遠端における前記第1レンズの物体側の面の頂点から像面までの距離をLT 、撮影距離が∞で広角端におけるレンズ系全体の合成焦点距離をfW 、前記第2レンズ群の合成焦点距離をfG2、前記第3レンズ群の合成焦点距離をfG3、前記第4レンズの焦点距離をf4 、前記6レンズの焦点距離をf6 としたとき、
|LW −LT |/LW <0.1 ‥‥‥(1)
2<fG2/fW <3 ‥‥‥(2)
4<fG3/fW <5 ‥‥‥(3)
2<f4 /fG2<3 ‥‥‥(4)
0.3<f6 /fG2<0.5 ‥‥‥(5)
の各条件式を満足し、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍で、広角端における画角が70°〜80°であることを特徴とする。
【0013】
このズームレンズの構成によれば、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍、広角端における画角が70°〜80°で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短いズームレンズを実現することができる。
【0014】
また、前記本発明のズームレンズの構成においては、前記第4レンズの屈折率をn4 、アッベ数をν4 、前記第6レンズの屈折率をn6 、アッベ数をν6 としたとき、
4 >1.75 ‥‥‥(6)
ν4 >35 ‥‥‥(7)
6 >1.6 ‥‥‥(8)
ν6 >45 ‥‥‥(9)
の条件式を満足するのが好ましい。この好ましい例によれば、広角端から望遠端へのズーミングに際しての軸上色収差及び倍率色収差を小さくすることができると共に、像面湾曲を小さくすることができる。
【0015】
また、前記本発明のズームレンズの構成においては、前記第1レンズの焦点距離をf1 、前記第2レンズの焦点距離をf2 、前記第1レンズ群の合成焦点距離をfG1としたとき、
0.6<f1 /fG1<0.9 ‥‥‥(10)
1.5<f2 /fG1<4 ‥‥‥(11)
の条件式を満足するのが好ましい。この好ましい例によれば、第1レンズ群で発生する歪曲収差を補正することができると共に、第1レンズ群の光学全長を短くすることができる。
【0016】
また、前記本発明のズームレンズの構成においては、前記第2レンズ群の光学全長をdG2としたとき、
0.5<dG2/fG2<0.6 ‥‥‥(12)
の条件式を満足するのが好ましい。この好ましい例によれば、第2レンズ群で発生する諸収差をバランス良く補正することができると共に、第2レンズ群の光学全長を短くすることができる。
【0017】
また、前記本発明のズームレンズの構成においては、前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1F、像面側の面の曲率半径をR1R、前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR2F、像面側の面の曲率半径をR2Rとしたとき、
3<R1F/R1R<7 ‥‥‥(13)
1<R2F/R2R<2 ‥‥‥(14)
の条件式を満足するのが好ましい。この好ましい例によれば、第1レンズ群で発生する非点収差及び歪曲収差を容易に補正することができる。
【0018】
また、前記本発明のズームレンズの構成においては、前記第5レンズと前記第6レンズとが接合されているのが好ましい。この好ましい例によれば、第2レンズ群の全長を短くすることができると共に、第2レンズ群の偏心敏感度を低くすることもできる。
【0019】
また、前記本発明のズームレンズの構成においては、前記第4レンズの像面側の面が平面又は凹面であるのが好ましい。この好ましい例によれば、第4レンズの調心が容易となる。
【0020】
また、本発明に係る電子スチルカメラの構成は、固体撮像素子とを備えた電子スチルカメラであって、前記ズームレンズとして前記本発明のズームレンズを用いることを特徴とする。
【0021】
この電子スチルカメラの構成によれば、解像度が高く、非使用時の奥行が薄い電子スチルカメラを実現することができる。
【0022】
また、前記本発明の電子スチルカメラの構成においては、前記固体撮像素子が傾き調整可能であるのが好ましい。この好ましい例によれば、ズームレンズの各レンズ面が偏心している場合であっても、固体撮像素子を傾斜させることによって固体撮像素子の撮像面上の結像特性を良好なものとすることができるので、撮影画像の結像特性が全領域で良好な電子スチルカメラを実現することができる。
【0023】
また、本発明に係るビデオカメラの構成は、ズームレンズと、固体撮像素子とを備えたビデオカメラであって、前記ズームレンズとして前記本発明のズームレンズを用いることを特徴とする。
【0024】
このビデオカメラの構成によれば、解像度が高く、非使用時の奥行が薄いビデオカメラを実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態におけるズームレンズの構成を示す配置図であり、図1(a)は広角端の状態、図1(b)は中間位置の状態、図1(c)は望遠端の状態をそれぞれ示している。本実施の形態のズームレンズは、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍、広角端における画角が70°〜80°であり、この構成において、解像度が高く、非使用時の光学全長が短く、歪曲収差が良好に補正され、かつ、偏心敏感度の低いズームレンズを実現するものである。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態におけるズームレンズは、物体側(図1では左側)から像面50側(図1では右側)に向かって順に配置された、負パワーの第1レンズ群10と、正パワーの第2レンズ群20と、正パワーの第3レンズ群30とを備えた3群構成のズームレンズである。絞り8は、第2レンズ群20の物体側に固定され、第2レンズ群20と一緒に光軸方向に移動する。
【0028】
このズームレンズのズーミング(変倍)は、第1レンズ群10と第2レンズ群20との間の空気間隔を変えると共に、第3レンズ群30を光軸方向に移動させることによって行われる。そして、撮影距離が∞の場合の広角端(図1(a))から望遠端(図1(c))へのズーミングに際して、第1レンズ群10は像面側に凸の軌跡を描き、第2レンズ群20は物体側に単調に移動する。
【0029】
フォーカス調整は、第3レンズ群30を光軸方向に移動させることによって行われる。第3レンズ群30は、3つのレンズ群の中で最も軽いため、高速移動が望まれるオートフォーカスのフォーカス調整用レンズ群に適している。また、第3レンズ群30は、テレセントリック性を良好にする作用をも有するので、画素ごとに微小正レンズを設けた固体撮像素子を用いる場合に都合がよい。
【0030】
3群構成のズームレンズにおいて非使用時の光学全長(レンズ系全体の最も物体側のレンズ面の頂点から固体撮像素子の撮像面までの距離)を短くするには、3つのレンズ群の全長を短くすればよい。そのため、後述するように、3つのレンズ群は、いずれも構成枚数を少なくすると共に、各レンズ群の全長が極力短くなるように構成されている。
【0031】
本実施の形態のズームレンズは、広角端における光学全長と望遠端における光学全長との差を小さくすることにより、使用時の光学全長の最大値が小さくなるように構成されている。また、本実施の形態のズームレンズは、第2レンズ群20の合成焦点距離と第3レンズ群30の合成焦点距離を適切に設定し、第4レンズ4(第2レンズ群20の最も物体側のレンズ)の焦点距離と第6レンズ6(第2レンズ群20の最も像面側のレンズ)の焦点距離を適切に設定することにより、結像特性が良好となるようにされた上で、使用時の光学全長が短くなるように構成されている。
【0032】
負、正、正の3群構成のズームレンズの使用時における光学全長は、広角端又は望遠端で最長となり、途中のズーム位置で最短となる。
【0033】
本実施の形態におけるズームレンズは、以下のような特徴を有している。
【0034】
図1に示すように、第1レンズ群10は、その全長を短くするために、物体側から順に配置された、負レンズの第レンズ1、負レンズの第2レンズ2、正レンズの第3レンズ3の3枚のレンズによって構成されている。負レンズの第1及び第2レンズ1、2で負の歪曲収差が発生するが、正レンズの第3レンズ3で正の歪曲収差を発生させて、レンズ系全体の広角端における負の歪曲収差の低減が図られている。また、この歪曲収差をさらに小さくするために、第1レンズ1の像面側の面が非球面とされている。
【0035】
第2レンズ群20は、物体側から順に配置された、正レンズの第4レンズ4、負レンズの第5レンズ5、正レンズの第6レンズ6の3枚のレンズによって構成されている。そして、この場合、第4レンズ4は、物体側に曲率の強い面が向けられている。また、この場合、第4レンズ4の物体側近傍に絞り8が配置されているので、軸上光線の入射高は第4レンズ4で最大となり、第4レンズ4が両面とも球面の場合には第4レンズ4で負の球面収差が発生する。そこで、第4レンズ4の物体側の面を非球面とすることにより、第2レンズ群20で発生する球面収差の低減が図られている。また、第5レンズ5と第6レンズ6とを接合することにより、第2レンズ群20の全長が短くなるように構成されている。
【0036】
第3レンズ群30は、1枚の正レンズの第7レンズ7によって構成されており、その全長は短くなっている。この第7レンズ7は、物体側の面が非球面となっており、これにより、正の歪曲収差を発生させて、広角端における負の歪曲収差の絶対値の低減が図られている。
【0037】
フォーカス調整は、第1レンズ群10と第2レンズ群20を固定し、第3レンズ群30だけを光軸方向に移動させることによって行われる。この場合、第3レンズ群30は、撮影距離が短くなるにしたがって物体側に出ていく。第3レンズ群30は、1枚のレンズによって構成され、移動する他の機構部品をも含めた移動部分が軽いので、第3レンズ群30を小型でパワーの小さいモータを用いて高速で移動させることが可能となり、その結果、オートフォーカス調整を高速で行うことが可能となる。尚、フォーカス調整のために第7レンズ7が移動する際に倍率色収差が変化するが、実用上問題のない程度に抑制されている。
【0038】
ズームレンズの像面50側には、物体側から順に、赤外カットフィルタと、3枚の水晶板からなる光学ローパスフィルタと、固体撮像素子とが配置されており、固体撮像素子には保護のためのカバーガラスが取り付けられている。図1においては、赤外カットフィルタ、光学ローパスフィルタ及びカバーガラスが1つの等価な平行平板素子40として表されている。ズームレンズによる被写体の像は、固体撮像素子の撮像面(像面50)上に形成される。
【0039】
本実施の形態におけるズームレンズは、次の条件式を満足するように構成されている。
【0040】
|LW −LT |/LW <0.1 ‥‥‥(1)
2<fG2/fW <3 ‥‥‥(2)
4<fG3/fW <5 ‥‥‥(3)
2<f4 /fG2<3 ‥‥‥(4)
0.3<f6 /fG2<0.5 ‥‥‥(5)
ここで、LW は広角端における光学全長(第1レンズ1の物体側のレンズ面の頂点から固体撮像素子の撮像面までの距離)、LT は望遠端における光学全長、fW は撮影距離が∞で広角端におけるレンズ系全体の合成焦点距離である。また、fGiは、物体側から見て、第i番目(iは自然数)のレンズ群の合成焦点距離である。また、物体側から見て、第i番目(iは自然数)のレンズを第iレンズとしたとき、fi は第iレンズの焦点距離を表している。
【0041】
上記条件式(1)は、使用時の光学全長の最大値を小さくすると共に、良好な結像特性を確保するための条件式である。使用時の光学全長の最大値を小さくするには、広角端における光学全長と望遠端における光学全長とを等しくするのが理想的である。但し、広角端における光学全長と望遠端における光学全長を完全に等しくしようとすると、結像特性が犠牲となる場合もある。上記条件式(1)は、このことを考慮して得られた条件式である。上記条件式(1)が満足されない場合には、使用時の光学全長を短くすると共に、良好な結像特性を確保することが困難となる。
【0042】
上記条件式(2)は、使用時の光学全長を極力短くすると共に、諸収差の発生をバランス良く補正するための条件式である。fG2/fW が3以上になると、第2レンズ群20の物像間距離(物点から像点までの距離)が長くなるために、使用時の光学全長が長くなってしまう。この場合、第3レンズ群30の倍率を小さくすれば光学全長が短くなるが、第3レンズ群30のパワーが大きくなるために第3レンズ群30で発生する像面湾曲が補正不足となり、この像面湾曲を第1レンズ群10と第2レンズ群20とで補正することが困難となる。一方、fG2/fW が2以下になると、使用時の光学全長は短くなるものの、望遠端において第1レンズ群10と第2レンズ群20との間に絞り8を配置できるだけの空気間隔を確保することが困難となる。
【0043】
上記条件式(3)は、固体撮像素子に入射する最大像高における主光線の傾斜角を小さく、つまりテレセントリック性を良好にすると共に、像面湾曲を低減するための条件式である。fG3/fW が4以下になると、テレセントリック性は良好となるものの、レンズ系全体の像面湾曲を補正しきれなくなる。一方、fG3/fW が5以上になると、像面湾曲は低減するものの、テレセントリック性が不十分となる。
【0044】
上記条件式(4)及び(5)は、第2レンズ群20で発生する諸収差をバランス良く補正すると共に、使用時のレンズ系全体の光学全長を短くするための条件式である。f4 /fG2が3以上となる場合、又はf6 /fG2が0.3以下となる場合には、第2レンズ群20の物体側主点の物体側への偏りが不十分となるために、望遠端において第1レンズ群10の像面側主点から第2レンズ群20の物体側主点までの距離を所望の長さにしようとすると、第1レンズ群10と第2レンズ群20との間に絞り8を配置できるだけの空気間隔を確保することが困難となる。一方、f4 /fG2が2以下となる場合、又はf6 /fG2が0.5以上となる場合には、第2レンズ群20の物体側主点の物体側への偏りは十分となって、望遠端において第1レンズ群10と第2レンズ群20との間に絞り8を配置できるだけの空気間隔を確保すると共に、使用時の光学全長を短くすることができるが、第5レンズ5のパワーが過大となるために、第5レンズ5で発生する球面収差、コマ収差を他のレンズでバランス良く補正することが困難となる。
【0045】
また、本実施の形態におけるズームレンズは、次の条件式を満足するのが望ましい。
【0046】
4 >1.75 ‥‥‥(6)
ν4 >35 ‥‥‥(7)
6 >1.6 ‥‥‥(8)
ν6 >45 ‥‥‥(9)
ここで、ni は第iレンズの屈折率、νi は第iレンズのアッベ数である。
【0047】
上記条件式(6)〜(9)は、広角端から望遠端へのズーミングに際しての軸上色収差及び倍率色収差を小さくすると共に、像面湾曲を小さくするための条件式である。上記条件式(6)〜(9)のいずれかが満足されない場合には、いずれかのズーム位置において軸上色収差又は倍率色収差が大きくなるために色にじみが目立ったり、像面湾曲が小さくならないために撮影画像の一部で結像特性が悪くなったりするという問題が生じる。
【0048】
また、本実施の形態におけるズームレンズは、次の条件式を満足するのが望ましい。
【0049】
0.6<f1 /fG1<0.9 ‥‥‥(10)
1.5<f2 /fG1<4 ‥‥‥(11)
ここで、fi は第iレンズの焦点距離である。
【0050】
上記条件式(10)及び(11)は、第1レンズ群10で発生する歪曲収差を補正すると共に、第1レンズ群10の光学全長を短くするための条件式である。f1 /fG1が0.9以上となる場合、又はf2 /fG1が4以上となる場合には、歪曲収差を補正することは容易となるが、第1レンズ群10の光学全長が長くなるために、使用時の光学全長及び沈胴時の光学全長が長くなってしまう。一方、f1 /fG1が0.6以下となる場合、又はf2 /fG1が1.5以下となる場合には、第1レンズ群10の光学全長を短くすることはできるが、歪曲収差を補正することが困難となる。
【0051】
また、本実施の形態におけるズームレンズは、次の条件式を満足するのが望ましい。
【0052】
0.5<dG2/fG2<0.6 ‥‥‥(12)
ここで、dG2は第2レンズ群20の光学全長である。
【0053】
上記条件式(12)は、第2レンズ群20で発生する諸収差をバランス良く補正すると共に、第2レンズ群20の光学全長を短くするための条件式である。dG2/fG2が0.6以上になると、第2レンズ群20の光学全長を短くすることが困難となる。一方、dG2/fG2が0.5以下になると、球面収差、コマ収差をバランス良く補正することが困難となる。
【0054】
また、本実施の形態におけるズームレンズは、次の条件式を満足するのが望ましい。
【0055】
3<R1F/R1R<7 ‥‥‥(13)
1<R2F/R2R<2 ‥‥‥(14)
ここで、RiFは第iレンズの物体側の面の曲率半径、RiRは第iレンズの像面側の面の曲率半径である。
【0056】
上記条件式(13)及び(14)は、第1レンズ群10で発生する非点収差及び歪曲収差を補正するための条件式である。R1F/R1Rが7以上となる場合、又はR2F/R2Rが2以上となる場合には、歪曲収差の補正は容易であるが、非点収差が補正不足となる。一方、R1F/R1Rが3以下となる場合、又はR2F/R2Rが1以下となる場合には、歪曲収差を補正することが困難となる。
【0057】
以下に、具体的実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
【0058】
(実施例1)
本実施例におけるズームレンズの構成は、図1に示したものと同じである。本実施例におけるズームレンズは、非使用時に第1レンズ群10、第2レンズ群20及び第3レンズ群30を固体撮像素子側(像面50側)に寄せる沈胴構成とすることにより、沈胴時の光学全長が短くなるようにされている。沈胴構成は、第1レンズ群10と第2レンズ群20を光軸方向に移動させる円筒カムのカム溝を延ばすことによって実現することができる(後述する他の実施例2〜4についても同様である)
【0059】
本実施例のズームレンズを構成するレンズの一部のレンズ面は、非球面とされており、非球面形状は、下記(数1)によって定義される(後述する他の実施例2〜4についても同様である)。
【0060】
【数1】
Figure 0004377616
【0061】
但し、上記(数1)中、hは光軸からの高さ、Zは非球面上の光軸からの高さがhの点におけるサグ量、κは円錐定数、D、E、F、Gはそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数を表している。
【0062】
撮影距離が∞で広角端におけるレンズ系全体の合成焦点距離をfW 、望遠端におけるレンズ系全体の合成焦点距離をfT としたとき、焦点距離が下記(数2)によって表記されるfN となるズーム位置を『中間位置』と呼ぶ。
【0063】
【数2】
Figure 0004377616
【0064】
下記(表1)に、本実施例におけるズームレンズの具体的数値例(レンズデータ)を示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004377616
【0066】
表中の長さの単位は、すべて[mm]である。上記(表1)において、rはレンズの曲率半径、dは面間隔、nd、νdはそれぞれレンズのd線に対する屈折率、アッベ数を示している。また、G1〜G3はそれぞれ第1〜第3レンズ群10〜30に対応しており、L1〜L7は第1〜第7レンズ1〜7に対応しており、Pは平行平板素子40に対応している。また、*印を付した面は非球面である。以上のことは、後述する他の実施例2〜4についても同様である。
【0067】
下記(表2)に、本実施例におけるズームレンズの円錐定数及び非球面係数(非球面データ)を示す。
【0068】
【表2】
Figure 0004377616
【0069】
また、下記(表3)に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合における可変面間隔(mm)(可変面間隔データ)を示す。
【0070】
【表3】
Figure 0004377616
【0071】
上記(表3)において、d6、d12、d14は可変部の面間隔であり、その位置は図1に示すとおりである。また、f(mm)は焦点距離、FはFナンバー、ω(°)は入射半画角、Lは光学全長をそれぞれ示している。以上のことは、後述する他の実施例2〜4についても同様である。
【0072】
図2〜図4に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放の時の収差性能図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。図2は広角端の場合、図3は中間位置の場合、図4は望遠端の場合である。尚、球面収差図において、実線はd線に対する値、短い破線はF線に対する値、長い破線はC線に対する値をそれぞれ示している。また、非点収差図において、実線はサジタル像面湾曲、破線はメリディオナル像面湾曲をそれぞれ示している。以上のことは、後述する他の実施例2〜4についても同様である。
【0073】
図2〜図4に示す収差性能図から明らかなように、本実施例のズームレンズは、ズーム位置が変化した場合であっても良好な収差性能を示している。
【0074】
図1に示したズームレンズにおいては、第2レンズ群20の偏心敏感度が高い。このため、図1に示したズームレンズにおいては、第5レンズ5と第6レンズ6とを接合させている。また、第4レンズ4の像面側の面を凹面にして、組み立て時に第4レンズ4を調心し易いようにされている。
【0075】
第5レンズ5と第6レンズ6とを接合すると、接着剤の両面の境界では屈折率差が小さくなるために、第5レンズ5の像面側の面と第6レンズ6の物体側の面の偏心敏感度は低くなる。また、接合した場合には、面間隔の誤差を発生させ易いスペーサが不要となるため、スペーサを用いる場合に比べて面間隔の誤差を小さくすることができる。
【0076】
調心を行う場合には、次のようにすればよい。すなわち、まず、第5レンズ5と第6レンズ6とを接合したものをレンズ枠に組み込んだ後、第4レンズ4を所定の位置に取り付ける。そして、偏心測定装置を利用して、第2レンズ群20全体の偏心状態が小さくなるように、第4レンズ4の位置を調整し、最後に、接着剤によって第4レンズ4をレンズ枠に固定する。このとき、第4レンズ4の像面側の面が凸面の場合には、第4レンズ4を移動させようとすると、平行偏心と傾斜偏心との両方が生じるために、調心が困難となる。これに対して、図1に示したズームレンズにおいては、第4レンズ4の像面側の面を凹面としているので、第4レンズ4を傾斜させることなく平行移動させることができ、調心が容易となる。尚、第4レンズ4の像面側の面は平面としてもよく、この場合にも調心がやり易くなる。
【0077】
また、固体撮像素子の撮像面(像面50)上の一部の領域で結像特性が良好でない場合には、固体撮像素子を1°以内で傾斜させることにより、固体撮像素子の撮像面(像面50)上の結像特性を良好にすることができる。
【0078】
以上のように、本実施例におけるズームレンズは、撮影距離が∞の場合のズーム比が約3.0倍、広角端における画角が76.72°程度で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短く、歪曲収差が良好に補正されたものとなっている。
【0079】
尚、上記したレンズの接合、調心、及び固体撮像素子の傾斜に関する説明は、後述する他の実施例2〜4についても同様である。
【0080】
(実施例2)
図16に、本実施例におけるズームレンズの構成を示す。
下記(表4)に、本実施例におけるズームレンズの具体的数値例(レンズデータ)を示す。
【0081】
【表4】
Figure 0004377616
【0082】
下記(表5)に、本実施例におけるズームレンズの円錐定数及び非球面係数(非球面データ)を示す。
【0083】
【表5】
Figure 0004377616
【0084】
また、下記(表6)に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合における可変面間隔(mm)(可変面間隔データ)を示す。
【0085】
【表6】
Figure 0004377616
【0086】
図5〜図7に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放の時の収差性能図を示す。
【0087】
図5〜図7に示す収差性能図から明らかなように、本実施例のズームレンズは、ズーム位置が変化した場合であっても良好な収差性能を示している。
【0088】
以上のように、本実施例におけるズームレンズは、撮影距離が∞の場合のズーム比が約3.0倍、広角端における画角が76.97°で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短く、歪曲収差が良好に補正されたものとなっている。
【0089】
(実施例3)
図17に、本実施例におけるズームレンズの構成を示す。
下記(表7)に、本実施例におけるズームレンズの具体的数値例(レンズデータ)を示す。
【0090】
【表7】
Figure 0004377616
【0091】
下記(表8)に、本実施例におけるズームレンズの円錐定数及び非球面係数(非球面データ)を示す。
【0092】
【表8】
Figure 0004377616
【0093】
また、下記(表9)に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合における可変面間隔(mm)(可変面間隔データ)を示す。
【0094】
【表9】
Figure 0004377616
【0095】
図8〜図10に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放の時の収差性能図を示す。
【0096】
図8〜図10に示す収差性能図から明らかなように、本実施例のズームレンズは、ズーム位置が変化した場合であっても良好な収差性能を示している。
【0097】
以上のように、本実施例におけるズームレンズは、撮影距離が∞の場合のズーム比が約3.0倍、広角端における画角が76.98°程度で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短く、歪曲収差が良好に補正されたものとなっている。
【0098】
(実施例4)
図18に、本実施例におけるズームレンズの構成を示す。
下記(表10)に、本実施例におけるズームレンズの具体的数値例(レンズデータ)を示す。
【0099】
【表10】
Figure 0004377616
【0100】
下記(表11)に、本実施例におけるズームレンズの円錐定数及び非球面係数(非球面データ)を示す。
【0101】
【表11】
Figure 0004377616
【0102】
また、下記(表12)に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞の場合における可変面間隔(mm)(可変面間隔データ)を示す。
【0103】
【表12】
Figure 0004377616
【0104】
図11〜図13に、本実施例におけるズームレンズの撮影距離が∞で絞り開放の時の収差性能図を示す。
【0105】
図11〜図13に示す収差性能図から明らかなように、本実施例のズームレンズは、ズーム位置が変化した場合であっても良好な収差性能を示している。
【0106】
以上のように、本実施例におけるズームレンズは、撮影距離が∞の場合のズーム比が約3.0倍、広角端における画角が76.89°程度で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短く、歪曲収差が良好に補正されたものとなっている。
【0107】
下記(表13)に、以上説明した実施例1〜4の上記条件式(1)〜(14)の数値を示す。
【0108】
【表13】
Figure 0004377616
【0109】
[第2の実施の形態]
図14は本発明の第2の実施の形態における電子スチルカメラを示す概略構成図である。
【0110】
図14において、60はズームレンズ、51は固体撮像素子、61は液晶モニタ、11は第1レンズ群、22は絞り、21は第2レンズ群、31は第3レンズ群である。
【0111】
筐体62の前側にはズームレンズ60が配置され、ズームレンズ60の後側には、物体側から像面側に向かって順に、光学ローパスフィルタ41と、固体撮像素子51とが配置されている。筐体62の後側には液晶モニタ61が配置され、固体撮像素子51と液晶モニタ61とは近接している。固体撮像素子51の物体側にはカバーガラス42が設けられており、ズームレンズ60による被写体の像は固体撮像素子51の撮像面52に形成される。
【0112】
本実施の形態においては、ズームレンズ60として、上記第1の実施の形態の実施例1で説明したズームレンズが用いられている。
【0113】
鏡筒は、移動鏡筒63と、第1の円筒カム64と、主鏡筒65と、第2の円筒カム66と、第2レンズ群枠67と、第3レンズ群枠68とにより構成されている。第1レンズ群11は、移動鏡筒63に取り付けられている。移動鏡筒63は、第1の円筒カム64を介して主鏡筒65に組み込まれている。第1の円筒カム64の内壁には第2レンズ群枠67が固定されており、第2レンズ群枠67には、絞り22と第2レンズ群21が取り付けられている。また、第3レンズ群31は、第3レンズ群枠68に取り付けられている。そして、主鏡筒65の外側に取り付けられた第2の円筒カム66を回転させることにより、第1の円筒カム64が回転しながら光軸方向に移動し、この第1の円筒カム64の回転動作によって、移動鏡筒63及び第2レンズ群枠67が光軸方向に移動する。このように、第2の円筒カム66を回転させることにより、第1レンズ群11及び第2レンズ群21が固体撮像素子51を基準にした所定の位置に移動するので、広角端から望遠端までのズーミングを行うことができる。
【0114】
第3レンズ群枠68は、フォーカス調整用のモータによって光軸方向に移動可能となっている。そして、このモータによって第3レンズ群31を光軸方向に移動させながら撮影画像の高周波成分がピークとなる位置を検出し、その位置に第3レンズ群31を移動させることにより、オートフォーカス調整を行うことができる。
【0115】
非使用時に第1レンズ群11、第2レンズ群21、第3レンズ群31をすべて固体撮像素子51側に寄せる沈胴構成にすれば、ズームレンズの非使用時(沈胴時)の光学全長を短くすることができる。第1レンズ群11及び第2レンズ群21を固体撮像素子51側に寄せる機構は、第1及び第2の円筒カム64、66のカム溝を延ばすことによって実現可能である。
【0116】
以上により、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍、広角端における画角が70°〜80°程度で、解像度が高く、非使用時の奥行が薄い電子スチルカメラを実現することができる。
【0117】
尚、図14に示した電子スチルカメラにおいては、上記第1の実施の形態の実施例1のズームレンズが用いられているが、実施例1のズームレンズの代わりに実施例2〜4のズームレンズを用いることもできる。
【0118】
また、図14に示した電子スチルカメラの光学系は、動画を対象としたビデオカメラに用いることもできる。そして、この場合には、解像度の高い静止画像だけでなく、動画を撮影することもできる。
【0119】
[第3の実施の形態]
図15は本発明の第3の実施の形態における電子スチルカメラの要部を示す概略構成図である。図15に示した電子スチルカメラは、図14に示した電子スチルカメラにおいて、固体撮像素子51をズームレンズ60に対して傾斜させて構成されたものである。尚、上記第2の実施の形態の電子スチルカメラと同じ構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0120】
図15に示すように、固体撮像素子51には、取り付け板70が取り付けられている。取り付け板70には周辺部の3箇所に穴が穿設され、主鏡筒65の端面には取り付け板70の3箇所の穴に対応する3つのビス穴が螺設されている。主鏡筒65の3つのビス穴のうちの2つのビス穴の近傍には2つの穴が穿設され、その2つの穴にはそれぞれバネ72が挿入されている。3本のビス71(1本のビスは図示せず)が取り付け板70の3つの穴を貫通し、主鏡筒65の3つのビス穴に螺着されることにより、取り付け板70が主鏡筒65に取り付けられている。このとき、バネ72が取り付け板70を押すように作用するので、バネ72の近傍のビス71を回転させることにより、固体撮像素子51の傾斜角と傾斜方位を自由に調整することができる。そして、固体撮像素子51の傾斜角と傾斜方位を調整した後に、3本のビス71を接着剤で固定すれば、ズームレンズ60に対する固体撮像素子51の位置、姿勢を安定に保持することができる。
【0121】
ズームレンズ60の各レンズ面が偏心している場合に、固体撮像素子51をその撮像面52がズームレンズ60の光軸と垂直となるように取り付けると、撮像面52の一部の領域で結像特性が良好でない場合がある。しかし、上記のような構成を採用し、固体撮像素子51の傾斜角と傾斜方位を適切に調整すれば、撮像面52に生じていた結像特性の良好でない領域の結像特性を改善することができる。
【0122】
固体撮像素子51の傾斜角範囲は1°程度にするとよい。そして、実際に広角端から望遠端までのいくつかのズーム位置で撮影し、固体撮像素子51からの出力信号から結像特性の良好でない領域を探し、次いで、出力信号を見ながら、2つのバネ72の近傍にある2本のビスを回して、結像特性の良好でない領域の結像特性が良好となるように、固体撮像素子51の傾斜角と傾斜方位の調整を行うとよい。
【0123】
以上のように、本実施の形態における電子スチルカメラの構成によれば、ズームレンズの各レンズ面が偏心している場合であっても、固体撮像素子を傾斜させることによって固体撮像素子の撮像面上の結像特性を良好なものとすることができるので、撮影画像の結像特性が全領域で良好な電子スチルカメラを実現することができる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍、広角端における画角が70°〜80°で、解像度が高く、非使用時の光学全長が短いズームレンズを実現することができる。
【0125】
また、本発明のズームレンズを用いることにより、解像度が高く、非使用時の奥行が薄い電子スチルカメラ及びビデオカメラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態(同実施の形態の実施例1)におけるズームレンズの構成を示す配置図((a)は広角端の状態、(b)は中間位置の状態、(c)は望遠端の状態)
【図2】本発明の第1の実施の形態の実施例1におけるズームレンズの広角端の場合の収差性能図
【図3】本発明の第1の実施の形態の実施例1におけるズームレンズの中間位置の場合の収差性能図
【図4】本発明の第1の実施の形態の実施例1におけるズームレンズの望遠端の場合の収差性能図
【図5】本発明の第1の実施の形態の実施例2におけるズームレンズの広角端の場合の収差性能図
【図6】本発明の第1の実施の形態の実施例2におけるズームレンズの中間位置の場合の収差性能図
【図7】本発明の第1の実施の形態の実施例2におけるズームレンズの望遠端の場合の収差性能図
【図8】本発明の第1の実施の形態の実施例3におけるズームレンズの広角端の場合の収差性能図
【図9】本発明の第1の実施の形態の実施例3におけるズームレンズの中間位置の場合の収差性能図
【図10】本発明の第1の実施の形態の実施例3におけるズームレンズの望遠端の場合の収差性能図
【図11】本発明の第1の実施の形態の実施例4におけるズームレンズの広角端の場合の収差性能図
【図12】本発明の第1の実施の形態の実施例4におけるズームレンズの中間位置の場合の収差性能図
【図13】本発明の第1の実施の形態の実施例4におけるズームレンズの望遠端の場合の収差性能図
【図14】本発明の第2の実施の形態における電子スチルカメラを示す概略構成図
【図15】本発明の第3の実施の形態における電子スチルカメラの要部を示す概略構成図
【図16】本発明の第1の実施の形態の実施例2におけるズームレンズの構成を示す配置図((a)は広角端の状態、(b)は中間位置の状態、(c)は望遠端の状態)
【図17】本発明の第1の実施の形態の実施例3おけるズームレンズの構成を示す配置図((a)は広角端の状態、(b)は中間位置の状態、(c)は望遠端の状態)
【図18】本発明の第1の実施の形態の実施例4おけるズームレンズの構成を示す配置図((a)は広角端の状態、(b)は中間位置の状態、(c)は望遠端の状態)
【符号の説明】
1 第1レンズ
2 第2レンズ
3 第3レンズ
4 第4レンズ
5 第5レンズ
6 第6レンズ
7 第7レンズ
8、22 絞り
10、11 第1レンズ群
20、21 第2レンズ群
30、31 第3レンズ群
40 平行平板素子
41 光学ローパスフィルタ
42 カバーガラス
50 像面
51 固体撮像素子
52 撮像面
60 ズームレンズ
61 液晶モニタ
62 筐体
63 移動鏡筒
64 第1の円筒カム
65 主鏡筒
66 第2の円筒カム
67 第2レンズ群枠
68 第3レンズ群枠
70 取り付け板
71 ビス
72 バネ

Claims (10)

  1. 物体側から像面側に向かって順に配置された、負パワーの第1レンズ群と、物体側に絞りが固定された正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなるズームレンズであって、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に配置された、負レンズの第1レンズと、負レンズの第2レンズと、正レンズの第3レンズとからなり
    前記第2レンズ群は、物体側から順に配置された、正レンズの第4レンズと、負レンズの第5レンズと、正レンズの第6レンズとからなり
    前記第3レンズ群は、正レンズの第7レンズからなり
    前記第1レンズの像面側の面、前記第4レンズの物体側の面、及び前記第7レンズの物体側の面はいずれも非球面であり、
    撮影距離が∞の場合の広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は像面側に凸の軌跡を描き、前記第2レンズ群は物体側に単調に移動し、 広角端における前記第1レンズの物体側の面の頂点から像面までの距離をLW 、望遠端における前記第1レンズの物体側の面の頂点から像面までの距離をLT 、撮影距離が∞で広角端におけるレンズ系全体の合成焦点距離をfW 、前記第2レンズ群の合成焦点距離をfG2、前記第3レンズ群の合成焦点距離をfG3、前記第4レンズの焦点距離をf4 、前記6レンズの焦点距離をf6 としたとき、
    |LW −LT |/LW <0.1 ‥‥‥(1)
    2<fG2/fW <3 ‥‥‥(2)
    4<fG3/fW <5 ‥‥‥(3)
    2<f4 /fG2<3 ‥‥‥(4)
    0.3<f6 /fG2<0.5 ‥‥‥(5)
    の各条件式を満足し、撮影距離が∞の場合のズーム比が2.5〜3.2倍で、広角端における画角が70°〜80°であることを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第4レンズの屈折率をn4 、アッベ数をν4 、前記第6レンズの屈折率をn6 、アッベ数をν6 としたとき、
    4 >1.75 ‥‥‥(6)
    ν4 >35 ‥‥‥(7)
    6 >1.6 ‥‥‥(8)
    ν6 >45 ‥‥‥(9)
    の条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第1レンズの焦点距離をf1 、前記第2レンズの焦点距離をf2 、前記第1レンズ群の合成焦点距離をfG1としたとき、
    0.6<f1 /fG1<0.9 ‥‥‥(10)
    1.5<f2 /fG1<4 ‥‥‥(11)
    の条件式を満足する請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第2レンズ群の光学全長をdG2としたとき、
    0.5<dG2/fG2<0.6 ‥‥‥(12)
    の条件式を満足する請求項1〜3のいずれかに記載のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1F、像面側の面の曲率半径をR1R、前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR2F、像面側の面の曲率半径をR2Rとしたとき、
    3<R1F/R1R<7 ‥‥‥(13)
    1<R2F/R2R<2 ‥‥‥(14)
    の条件式を満足する請求項1〜4のいずれかに記載のズームレンズ。
  6. 前記第5レンズと前記第6レンズとが接合されている請求項1〜5のいずれかに記載のズームレンズ。
  7. 前記第4レンズの像面側の面が平面又は凹面である請求項1〜6のいずれかに記載のズームレンズ。
  8. ズームレンズと、固体撮像素子とを備えた電子スチルカメラであって、前記ズームレンズとして請求項1〜7のいずれかに記載のズームレンズを用いることを特徴とする電子スチルカメラ。
  9. 前記固体撮像素子が傾き調整可能である請求項8に記載の電子スチルカメラ。
  10. ズームレンズと、固体撮像素子とを備えたビデオカメラであって、前記ズームレンズとして請求項1〜7のいずれかに記載のズームレンズを用いることを特徴とするビデオカメラ。
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