JP4132838B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビカメラに適した固定焦点の撮像レンズに関し、特に、2群構成で長いバックフォーカスを有する広角な撮像レンズおよび撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、シネマ用の映像を撮像し得る、いわゆるEシネマ用カメラと称されるテレビ放送用撮像カメラが知られている。
【0003】
このEシネマ用カメラに用いられる撮像レンズは、通常のテレビ放送用撮像カメラに比して、さらなる広角化および結像面全域における高性能化が要求される。
また、このようなEシネマ用カメラにおいて固体撮像素子を用いる場合には、通常のテレビ放送用撮像カメラと同様に、撮像レンズと固体撮像素子との間にローパスフィルタや赤外カットフィルタが配設されるため、撮像レンズのバックフォーカスを長くする必要がある。さらに、各原色光毎に撮像素子を用いたいわゆる多板式のものにおいては、各固体撮像素子の前段において色分解プリズムが配設されるため、撮像レンズのバックフォーカスはさらに長く設定する必要がある。
【0004】
一方、上述したようなテレビ放送用撮像カメラにおいて、フォーカシングに伴う諸収差変動や画角変動を抑制するためインナーフォーカス方式を採用することが好ましい。
【0005】
このような各種の要求を満足させたものとして本出願人が既に開示している、特開平4-118612号公報に記載されたものが知られている。この公報記載の技術は、レトロフォーカス型の高性能撮像レンズであって、画角を90゜以上としても十分に良好な性能を得ることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報記載の撮像レンズにおいては、前群を構成するレンズ(前玉)の有効系を大幅に小さくすることが難しく、最近の撮像カメラのコンパクト化という要請に対して必ずしも満足し得るものとはなっていなかった。
【0007】
例えば、同公報に記載の第1実施例の撮像レンズにおいては、焦点距離が5.0mm、Fナンバが1.8、画角95.5度の条件下(イメージサークルφ11.0mm)において前玉有効径がφ95.0mmとなっており、これを半分程度のサイズにしたいという要求があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、レトロフォーカス型の高性能撮像レンズにおいて、前玉有効径を大幅に小さくすることが可能で、撮像カメラのコンパクト化を図りうる撮像レンズおよび撮像装置を提供することを第1の目的とするものである。
【0009】
一方、上述したような撮像カメラ用撮像レンズにおいて、フォーカシングに伴なう諸収差変動や画角変動を抑制するためインナーフォーカス方式を採用するものが知られている。
【0010】
この種の広角な撮像レンズにおいてインナーフォーカス方式を採用したものとしては、上記公報記載のもののほか、特開2000-131606号公報に記載された撮像レンズが知られている。この公報記載のものは、2群構成とされ、前群を構成する2つのレンズ群のうち結像面側の正レンズ群(第1−2群)が前後に移動することによってフォーカシングを行なうように構成されている。
【0011】
しかしながら、この公報記載の撮像レンズは、全系の焦点距離に対するバックフォーカスの比(レトロ比)が2.6程度であり、必ずしもバックフォーカスが十分とはなっていなかった。
【0012】
また、前述した特開平4-118612号公報に記載されたものにおいては、前群を構成する2つのレンズ群のうち結像面側のレンズ群を移動させるとともに後群をも移動させることによってフォーカシングを行なうように構成されており、フォーカシングのためのメカ的機構が複雑化する。さらに、フォーカシングに伴なう画角の変動が少なくないことから、前述したEシネマ用カメラ等に搭載することが必ずしも適切とはいえない場合も生じる。
【0013】
本発明はこのような事情にも鑑みなされたもので、上記第1の目的に加え、特にEシネマ用等のテレビ放送用撮像カメラに用いられる、インナーフォーカス方式を採用した撮像レンズにおいて、フォーカシングのメカ的機構を複雑にすることなく、またフォーカシングに伴なう画角変動を大きくすることなくフォーカシングに伴なう諸収差の変動を抑制することができ、さらに、バックフォーカスを十分に確保することができる撮像レンズおよび撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
さらに、上述した広角な撮像レンズにおいては、色収差を良好に補正したいという要請があり、この要請に対応したものとして、第2レンズ群中の凸レンズに異常分散性ガラスを用いたものが知られている。
【0015】
しかしながら、異常分散性ガラスは温度変化に応じた屈折率の変化が大きいという特性を有する。したがって、第2レンズ群中の凸レンズに異常分散性ガラスを用いたものによっては、温度変化に伴うバックフォーカスの変化量が大きくなってしまうという問題があった。
【0016】
本発明はこのような事情にも鑑みなされたもので、上記第1の目的に加え、レトロフォーカス型の高性能撮像レンズにおいて、温度変化に伴うバックフォーカスの変化量を大きくすることなく色収差を良好に補正し得る撮像レンズおよび撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明により撮像レンズは、
物体側より順に、全体として負の屈折力を有する第1レンズ群、絞り、および全体として正の屈折力を有する第2レンズ群が配列されてなる撮像レンズにおいて、
前記第1レンズ群が、物体側から順に、最も物体側に配された複数枚の負レンズとこの結像面側に配された少なくとも2枚の正レンズを備え全体として負の屈折力を有する第1aレンズ群、物体側から順に単独の負レンズおよび正レンズと負レンズからなる接合レンズを配列され全体として負の屈折力を有する第1bレンズ群、ならびに少なくとも1組の正レンズおよび負レンズを備えた第1cレンズ群を配列してなり、
前記第1aレンズ群の少なくとも2枚の正レンズのうち最も結像面側に配されたレンズが物体側に強い曲率の面を向けた両凸レンズからなり、
前記第1bレンズ群の接合レンズが下記条件式(1)を満足するように構成され、無限遠物点から至近物点にフォーカシングする際には、前記接合レンズを物体側に繰り出して行うことを特徴とするものである。
2.0 <f c /f 1b < 7.5 ・・・・・・・(1)
ただし、
fc:フォーカシングする際に移動する接合レンズの焦点距離
f 1b :第1bレンズ群全体の焦点距離
【0019】
また、前記第2レンズ群が、少なくとも1枚の異常分散性ガラスからなる正レンズを含むとともに、第1bレンズ群の接合レンズを構成する負レンズが、下記条件式(2)を満足することを特徴とするものである。
dn/dt<-0.000005 ・・・・・・・(2)
ただし、
dn/dt:温度による屈折率の変化(/℃)
【0020】
また、前記第2レンズ群が、物体側から順に、第2aレンズ群および第2bレンズ群を配列されてなり、前記第1レンズ群および前記第2aレンズ群の合成焦点距離がほぼ無限大となるように構成し、前記第2bレンズ群を光軸に沿って移動させることによりバックフォーカス長を調整することが望ましい。
【0021】
また、本発明による撮像装置は、上述したいずれかの撮像レンズを筐体内に収納してなることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には本発明の実施形態に係る撮像レンズが示されている(後述する実施例1のレンズ構成が代表して示されている)。
【0023】
この撮像レンズは、例えば、Eシネマ用の撮像カメラの撮像レンズとして、カメラ筐体内に収容されるもので、物体側より順に、全体として負の屈折力を有する第1レンズ群G1、絞り3と該絞り3の結像面側に配置された、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2が配列されてなるレトロフォーカスタイプの撮像レンズである。また、前記第1レンズ群G1は、物体側から複数枚の負レンズと少なくとも2枚の正レンズをこの順に配列され全体として負の屈折力を有する第1aレンズ群G1a、単独の負レンズと、1組の正レンズおよび負レンズからなる接合レンズを有し全体として負の屈折力を有する第1bレンズ群G1b、少なくとも1組の正レンズおよび負レンズからなる接合レンズを備えた第1cレンズ群G1cからなるように構成されている。この撮像レンズに入射した光束は、3色分解光学系(ローパスフィルタ等を含む)2を介して固体撮像素子の結像面1上に結像される。また、前記第1aレンズ群の少なくとも2枚の正レンズのうち最も結像面側に配されたレンズが物体側に強い曲率の面を向けた両凸レンズからなる。
【0024】
このように、本実施形態の撮像レンズにおいては、第1aレンズ群G1aを物体側から複数枚(例えば3枚とする)の負レンズと少なくとも2枚の正レンズをこの順に配列し、かつ最も結像面側に配されたレンズが物体側に強い曲率の面を向けた両凸レンズからなるように構成しており、光線軌跡を結像面側からみた場合、上述した少なくとも2枚の正レンズ(図1の撮像レンズではL4、L5)によって一旦絞り込まれ、次に複数枚の負レンズ(図1の撮像レンズではL1、L2、L3)によって大きく発散せしめられる状態となるため、前玉有効径を小さなものとしつつ広画角化を達成することができ、レンズ系全体のコンパクト化を達成することができる。
【0025】
また、この撮像レンズは、無限遠物点から至近物点にフォーカシングする際には、第1bレンズ群G1bの接合レンズG1bfを光軸Xに沿って物体側に移動させて行い、至近物点から無限遠物点にフォーカシングする際には、その接合レンズG1bfを光軸Xに沿って結像面側に移動させて行なうインナーフォーカスタイプとされており、この接合レンズG1bfのみの移動によりフォーカシングを行なうように構成されているのでフォーカシングを行なうための駆動力を小さいものとすることができ、メカ的機構も簡易となり、製造コストも廉価となる。また、フォーカシングを行なう際の、物体距離の変化に伴なう像面特性が向上するとともに、フォーカシングに伴なう画角変動を抑制することができる。
【0026】
また、上記接合レンズG1bfは下記条件式(1)を満足するように構成されている。
2.0<fc/f1b<7.5 ・・・・・・・(1)
ただし、
fc:フォーカシングする際に移動する接合レンズG1bfの
焦点距離
f1b:第1bレンズ群全体の焦点距離
【0027】
このように、本実施形態の撮像レンズにおいては、フォーカシングする際に移動する接合レンズG1bfの焦点距離を規定しており、これによりフォーカシングに伴うタンジェンシャル像面の変動およびコマ収差の増大を抑制することができるとともに、フォーカシングの際のレンズ移動量を抑制することができる。
【0028】
すなわち、条件式(1)の下限を下回ると、フォーカシングに伴うタンジェンシャル像面の変動が大きくなる。一方、その上限を上回るとフォーカシングの際の移動量が大きくなることから前後のレンズとの間隔を十分確保することが難しくなり、またコマ収差も増大する。
【0029】
さらに、本実施形態の撮像レンズにおいては、前記第2レンズ群G2中に少なくとも1枚の異常分散性ガラスからなる正レンズを含むとともに、前記第1レンズ群G1中の接合レンズを構成する負レンズが、下記条件式(2)を満足するように構成されている。
dn/dt<−0.000005 ・・・・・・・(2)
ただし、
dn/dt:温度による屈折率の変化(/℃)
【0030】
このように構成することにより、前記第1レンズ群G1中に配設された、異常分散性ガラスにより形成される負レンズにおいて、温度変化に伴うバックフォーカスの変化を生ぜしめ、前記第2レンズ群G2中の異常分散性ガラスからなる正レンズにおいて生じる、上記バックフォーカスの変化方向とは逆方向の、温度変化に伴うバックフォーカスの変化を相殺することができるので、温度変化に伴うバックフォーカスの変化量を大きくすることなく色収差を良好に補正することができる。
【0031】
上記条件式(2)の上限を上回ると上述したバックフォーカスの変化の相殺が不十分となる。
【0032】
また、前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、第2aレンズ群G2aおよび第2bレンズ群G2bを配列されてなり、前記第1レンズ群G1、前記第2aレンズ群G2aの合成焦点距離がほぼ無限大となるように構成され、前記第2bレンズ群G2bを光軸Xに沿って移動させることによりバックフォーカス長を調整するように構成されている。
【0033】
このように構成することにより、撮像レンズをカメラ本体に接続した際に生じる光軸方向の機械的誤差を、機構的に複雑にすることなく容易に調整することが可能となる。
【0034】
【実施例】
<実施例1>
この実施例1に係る撮像レンズは、前述したように図1に示す如き構成とされている。
【0035】
以下、詳細なレンズ構成を述べる。各レンズ群および各レンズは物体側より順にレンズ番号が増加するようになっている。
【0036】
第1aレンズ群G1aは、凹面を結像面側に向けた負のメニスカスレンズからなる第1レンズL1および第2レンズL2、両凹レンズからなる第3レンズL3、凸面を結像面側に向けた正のメニスカスレンズからなる第4レンズL4ならびに物体側に強い曲率の面を向けた両凸レンズからなる第5レンズL5からなる。
【0037】
また、第1bレンズ群G1bはフォーカス用の接合レンズG1bfを含んでおり、結像面側に凹面を向けた負のメニスカスレンズからなる第6レンズL6、ならびに結像面側に凸面を向けた正のメニスカスレンズからなる第7レンズL7および凹面を物体側に向けた負のメニスカスレンズからなる第8レンズL8の接合レンズからなる。
【0038】
また、第1cレンズ群G1cは、強い曲率の面を結像面側に向けた両凹レンズからなる第9レンズL9および強い曲率の面を物体側に向けた両凸レンズからなる第10レンズL10の接合レンズからなる。
【0039】
また、第2aレンズ群G2aは、両凸レンズからなる第11レンズL11、ならびに両凹レンズからなる第12レンズL12および両凸レンズからなる第13レンズL13の接合レンズからなる。
【0040】
また、第2bレンズ群G2bは、バックフォーカス調整群であって、凹面を結像面側に向けた負のメニスカスレンズからなる第14レンズL14および強い曲率の面を物体側に向けた両凸レンズからなる第15レンズL15の接合レンズ、ならびに強い曲率の面を物体側に向けた両凸レンズからなる第16レンズL16からなる。
【0041】
この実施例1に係る撮像レンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表1に示すようになっている。なお表中の数字は物体側からの順番を表すものである(表2、3、4において同じ)。
【0042】
【表1】
【0043】
なお、実施例1における、全系の焦点距離f´(mm)、バックフォーカスBf´(mm)およびFナンバFno、ならびに条件式(1)および条件式(2)に係る値を表1の下段に示す。表1に示すように条件式(1)、(2)はともに満足されている。ここで、実施例1において異常分散性のガラス材料からなるレンズは、負の第8レンズL8、正の第13レンズL13および正の第15レンズL15である。
また、実施例1の前玉有効径はφ46.0mmであり広角レンズのコンパクト化を図ることができる。
【0044】
さらに、図2は無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例1における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図である。図2から明らかなように、実施例1の撮像レンズは諸収差が良好なものとされている。
【0045】
<実施例2>
実施例2に係る撮像レンズの構成および作用は実施例1とほぼ同様である。
この実施例2に係る撮像レンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表2に示すようになっている。
【0046】
【表2】
【0047】
なお、実施例2における、全系の焦点距離f´(mm)、バックフォーカスBf´(mm)およびFナンバFno、ならびに条件式(1)および条件式(2)に係る値を表2の下段に示す。表2に示すように条件式(1)、(2)はともに満足されている。ここで、実施例2において異常分散性のガラス材料からなるレンズは、負の第8レンズL8および正の第15レンズL15である。
また、実施例2の前玉有効径はφ46.0mmであり広角レンズのコンパクト化を図ることができる。
【0048】
さらに、図3は無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例2における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図である。図3から明らかなように、実施例2の撮像レンズは諸収差が良好なものとされている。
【0049】
<実施例3>
実施例3に係る撮像レンズの構成および作用は実施例1とほぼ同様であるが、主として、第1aレンズ群G1aの物体側から3番目のレンズである第3レンズL3が凹面を結像面側に向けた負のメニスカスレンズからなり、第1bレンズ群G1bの物体側から3番目のレンズである第8レンズL8が物体側に強い曲率の面を向けた両凹レンズからなり、第1cレンズ群G1cの物体側から1番目のレンズである第9レンズL9が結像面側に凹面を向けた負のメニスカスレンズからなる点で異なっている。
【0050】
この実施例3に係る撮像レンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表3に示すようになっている。
【0051】
【表3】
【0052】
なお、実施例3における、全系の焦点距離f´(mm)、バックフォーカスBf´(mm)およびFナンバFno、ならびに条件式(1)および条件式(2)に係る値を表3の下段に示す。表3に示すように条件式(1)、(2)はともに満足されている。ここで、実施例3において異常分散性のガラス材料からなるレンズは、負の第8レンズL8、正の第13レンズL13および正の第15レンズL15である。
また、実施例3の前玉有効径はφ45.5mmであり広角レンズのコンパクト化を図ることができる。
【0053】
さらに、図4は無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例3における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図である。図4から明らかなように、実施例3の撮像レンズは諸収差が良好なものとされている。
【0054】
<実施例4>
実施例4に係る撮像レンズの構成および作用は実施例1とほぼ同様であるが、主として、第1bレンズ群G1bの物体側から3番目のレンズである第8レンズL8が物体側に強い曲率の面を向けた両凹レンズからなり、第1cレンズ群G1cの物体側から1番目のレンズである第9レンズL9が結像面側に凹面.を向けた負のメニスカスレンズからなる点で異なっている。
【0055】
この実施例4に係る撮像レンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表4に示すようになっている。
【0056】
【表4】
【0057】
なお、実施例4における、全系の焦点距離f´(mm)、バックフォーカスBf´(mm)およびFナンバFno、ならびに条件式(1)および条件式(2)に係る値を表4の下段に示す。表4に示すように条件式(1)、(2)はともに満足されている。ここで、実施例4において異常分散性のガラス材料からなるレンズは、負の第8レンズL8、正の第13レンズL13および正の第15レンズL15であるである。
また、実施例4の前玉有効径はφ43.3mmであり広角レンズのコンパクト化を図ることができる。
【0058】
さらに、図5は無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例4における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図である。図5から明らかなように、実施例4の撮像レンズは諸収差が良好なものとされている。
【0059】
なお、本発明の撮像レンズとしては、上記実施例のものに限られるものではなく種々の態様の変更が可能であり、例えば各レンズ群を構成するレンズの形状、およびレンズの枚数は適宜選択し得る。
【0060】
また、本発明の撮像装置としても、前述したテレビ放送用撮像カメラの他、種々の撮像装置に適用可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の撮像レンズおよび撮像装置によれば、第1レンズ群を、物体側から複数枚の負レンズと少なくとも2枚の正レンズをこの順に配列するとともに該少なくとも2枚の正レンズのうち最も結像面側に配されたレンズが物体側に強い曲率の面を向けた両凸レンズからなるように構成しているため、光線軌跡を結像面側からみた場合、該少なくとも2枚の正レンズによって一旦絞り込まれ、次に複数枚の負レンズによって大きく発散せしめられる状態となるため、前玉有効径を小さなものとしつつ広画角化を達成することができ、レンズ系全体のコンパクト化を達成することができる。
【0062】
また、この撮像レンズは、無限遠物点から至近物点にフォーカシングする際には、第1bレンズ群の接合レンズのみを光軸に沿って物体側に移動させて行なうインナーフォーカスタイプとすることで、駆動力が小さくてすみ、フォーカシングを行うためのメカ的機構が簡易となり、製造コストも廉価となる。また、フォーカシングを行なう際に、物体距離の変化に伴なう像面特性が向上し、フォーカシングに伴なう画角変動を抑制することが可能となる。
【0063】
また、第2レンズ群G2中に少なくとも1枚の異常分散性ガラスからなる凸レンズを含むとともに、第1レンズ群G1中の接合レンズを構成する負レンズが、異常分散性を表す所定の条件式を満足することで、第2レンズ群G2中の異常分散性ガラスからなる凸レンズにおいて生じる、温度変化に伴うバックフォーカスの変化を相殺することができるので、温度変化に伴うバックフォーカスの変化量を大きくすることなく色収差を良好に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る撮像レンズの構成図
【図2】無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例1における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図
【図3】無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例2における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図
【図4】無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例3における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図
【図5】無限遠および至近にフォーカス調整した場合の実施例4における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーション、倍率色収差、コマ収差)を示す収差図
【符号の説明】
L1〜L16 レンズ
R1〜R32 レンズ等の面の曲率半径
D1〜D31 レンズ等の面間隔(レンズ厚)
X 光軸
1 結像面
2 3色分解光学系
3 絞り
Claims (4)
- 物体側より順に、全体として負の屈折力を有する第1レンズ群、絞り、および全体として正の屈折力を有する第2レンズ群が配列されてなる撮像レンズにおいて、
前記第1レンズ群が、物体側から順に、最も物体側に配された複数枚の負レンズとこの結像面側に配された少なくとも2枚の正レンズを備え全体として負の屈折力を有する第1aレンズ群、物体側から順に単独の負レンズおよび正レンズと負レンズからなる接合レンズを配列され全体として負の屈折力を有する第1bレンズ群、ならびに少なくとも1組の正レンズおよび負レンズを備えた第1cレンズ群を配列してなり、
前記第1aレンズ群の少なくとも2枚の正レンズのうち最も結像面側に配されたレンズが物体側に強い曲率の面を向けた両凸レンズからなり、
前記第1bレンズ群の接合レンズが下記条件式(1)を満足するように構成され、無限遠物点から至近物点にフォーカシングする際には、前記接合レンズを物体側に繰り出して行うことを特徴とする撮像レンズ。
2.0 <f c /f 1b < 7.5 ・・・・・・・(1)
ただし、
fc:フォーカシングする際に移動する接合レンズの焦点距離
f 1b :第1bレンズ群全体の焦点距離 - 前記第2レンズ群が、少なくとも1枚の異常分散性ガラスからなる正レンズを含むとともに、第1bレンズ群の接合レンズを構成する負レンズが、下記条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
dn/dt<-0.000005 ・・・・・・・(2)
ただし、
dn/dt:温度による屈折率の変化(/℃) - 前記第2レンズ群は、物体側から順に、第2aレンズ群および第2bレンズ群を配列されてなり、前記第1レンズ群および前記第2aレンズ群の合成焦点距離がほぼ無限大となるように構成し、前記第2bレンズ群を光軸に沿って移動させることによりバックフォーカス長を調整することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
- 請求項1から3のうちいずれか1項記載の撮像レンズを筐体内に収納してなることを特徴とする撮像装置。
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