JP4377362B2 - ガスコンロ - Google Patents
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Description
図4は、この種温度センサ(1)を具備させたガスコンロの一例であり、天板(3)に設けた開口(30)内にガスバーナ(B)のバーナヘッド(2)が臨んでおり、その周縁には五徳(31)が設置されている。
このバーナ部(20)内の中央空間部に温度センサ(1)が配設されている。
これにより、前記感熱ヘッド(11)の集熱板(12)は、前記ばね(14)の付勢力によって、同図の二点鎖線に示すように、五徳(31)よりも上方へ突出する状態に付勢されていると共に、前記感熱ヘッド(11)は、支持パイプ(10)に対して上下方向に摺動可能となっている。
これにより、サーミスタ(13)が、集熱板(12)を介して鍋底(40)の温度を検出可能となる。
温度センサが降下した状態で固着してしまった場合、それに気付かずにコンロを継続して使用していくと、鍋底の異常過熱を検知することができず、鍋のこげつきや天ぷら油火災を生じさせる恐れがある。
煮こぼれの付着や過熱によるリード線の樹脂製被覆チューブの溶着等の固着原因にかかわらず、前記温度センサが降下した状態で固着される昇降異常を正確に検知できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の第1番目の技術的手段は、『前記温度センサが降下状態にあることを検知する昇降検知手段と、
前記昇降検知手段で前記温度センサが降下状態にあることが検知された状態にて、点火された回数をカウントする点火回数計数手段と、
前記点火回数計数手段にてカウントされた点火回数が規定回数を超えたとき、異常処理を行う異常処理手段とを備えたこと』である。
上記技術的手段は次のように作用する。
調理開始時に、鍋が五徳に載置されると、上方へ突出状態に付勢されている温度センサが、鍋底に押されて降下すると共に前記鍋底に付勢力により圧接する。
その状態で点火され、前記温度センサによって異常過熱が検知されない限り、この点火状態が継続される。
そして、調理終了後には、消火され、鍋が五徳から降ろされる。
これにより、温度センサは五徳よりも上方に突出する初期位置に弾性復帰する。
これが温度センサが固着されていない正常な状態の場合である。
しかしながら、温度センサが降下した状態で固着して前記初期位置に復帰しない状態においては、前記昇降検知手段によって、温度センサが降下状態のままであることが検知される。
この回数が規定回数以上となると、異常処理手段による異常処理が行われる。
この異常処理としては、請求項4のように、温度センサが固着していることを報知する、又は、請求項5のように、電磁安全弁を閉弁させる等の対策が考えられる。
上記課題と同様の解決するための本発明の第2番目の技術的手段は、『環状のバーナ部の中央空間部から上方へ突出する方向に付勢され且つ、五徳上に載置される鍋の鍋底に押されて降下すると同時に前記鍋底に圧接してその温度を検出する温度センサを具備するガスコンロにおいて、
前記温度センサが降下状態にあることを検知する昇降検知手段と、
前記昇降検知手段で検知された前記温度センサの降下状態が継続される時間を測定するタイマーと、
前記タイマーにて測定された経過時間が規定時間を超えると、異常処理を行う異常処理手段とを備えたこと』を特徴とするものである。
鍋が五徳に載置されると、前記温度センサが鍋底に押されて降下し、この状態を昇降検知手段が検知すると同時に、タイマーによって温度センサの降下状態での経過時間が測定される。
調理終了後に、鍋が五徳から降ろされた時点で、前記昇降検知手段が温度センサが初期位置に戻ったことを検知すると、前記タイマーによる測定時間は0にリセットされる。
そして、前記タイマーにより測定される経過時間が規定時間を超えると、異常処理手段により異常処理が行われる。
この異常処理として、請求項4のように、温度センサが固着していることを報知するようにしたものでは、コンロの使用、不使用にかかわらず、コンロの異常を家人に気付かせることができるように、例えば、ブザーを鳴らし続けたり、異常ランプを点灯又は点滅させ続けたりすることが考えられる。
尚、前記規定時間は、最初の調理開始時に点火動作してから、次の温め直しのために点火動作するまでの一般的な経過時間よりも長く設定されているものとする。
上記課題と同様の解決するための本発明の第3番目の技術的手段は、『環状のバーナ部の中央空間部から上方へ突出する方向に付勢され且つ、五徳上に載置される鍋の鍋底に押されて降下すると同時に前記鍋底に圧接してその温度を検出する温度センサを具備するガスコンロにおいて、
前記温度センサが降下状態にあることを検知する昇降検知手段と、
前記昇降検知手段で検知された前記温度センサの降下状態が継続される時間を測定するタイマーと、
前記タイマーにて測定された経過時間が規定時間を超えているときに、点火操作されると、異常処理を行う異常処理手段とを備えたこと』を特徴とするもので、請求項2と同様に、タイマーによって温度センサの降下状態での経過時間を測定するが、前記タイマーによる測定時間が規定時間を超えた時点ではなく、規定時間を超えた状態にて点火操作された時点で、異常処理手段による異常処理が行われるようにしたものである。
従って、コンロを使用しようとして点火操作した者は、確実にコンロの異常に気付くこととなる。
請求項4の発明は、上記請求項1から3のいずれかにおいて、『前記異常処理手段による異常処理は、異常状態を報知することである』としたもので、報知する手段としては、ブザーや音声、又は、異常ランプの点灯や点滅等が採用可能である。
請求項5の発明は、上記各請求項において、『前記バーナ部へ連通するガス回路を開閉制御する電磁安全弁が設けられ、
前記異常処理手段による前記異常処理は、前記電磁安全弁を閉弁させること』としたもので、例えば、前記電磁安全弁が開弁状態にあるコンロの使用中に、請求項2の発明のように、タイマーによる測定時間が規定時間を過ぎた場合、異常処理手段による異常処理として、電磁安全弁を閉弁させてガスの流れを停止させることができる。
[請求項1に係る発明]
請求項1のものでは、温度センサが降下状態で固着された昇降異常状態であるということは、昇降検知手段と点火回数計数手段とによって検知できるようにしたから、煮こぼれの付着や樹脂部品の溶着等の様々な固着原因にかかわらず、温度センサが固着してしまった場合には、異常処理手段によって異常処理が行われ、温度センサによる鍋底の異常過熱が検知されないことによる鍋の焦げ付きや、天ぷら油火災の発生を未然に防止することができる。
請求項2のものでは、温度センサが降下状態で固着された昇降異常状態であるということは、昇降検知手段と降下継続時間を測定するタイマーとによって検知できるようにしたから、上記請求項1の効果と同様の効果が期待できる。
又、前記タイマーによる測定時間が一定の規定時間を過ぎた時点で、コンロの使用、不使用にかかわらず、異常処理手段を作用させて、逸早く、温度センサの昇降異常を処理することができるようにしたから、安全性を向上させることができる。
請求項3のものでは、前記タイマーによる測定時間が規定時間を超えた後に、使用者が点火操作した時に異常処理手段による異常処理が行われるようにしたものであるから、コンロの使用時に、その使用者にコンロの異常を確実に気付かせることができる。
よって、使用者がコンロの異常に気付かずに、コンロを継続して使用し、鍋底の異常過熱による事故を引き起こすといった不都合を確実に防止することが出来る。
前記異常処理として、例えば、ブザーを鳴らす、音声で知らせる、異常ランプを点灯又は点滅させる等によって使用者に温度センサの異常を報知させることにより、異常に気付かずに調理が続行される危険を防止することができる。
請求項5のものでは、温度センサの異常が検知されると、コンロが使用中である場合には電磁安全弁を閉弁させ、電磁安全弁が開弁前の状態では、閉弁状態を維持させることにより、コンロを使用不可とする。
これにより、温度センサが降下状態で固着したまま調理を続行したために正確に鍋底温度を検知できない危険を確実に防止することができ、安全性の高いガスコンロを提供することができる。
本発明の実施の形態のガスコンロは、構造的には従来例で説明したものと同様な構成のものが採用可能であり、図1に示すように、ガスコンロの天板(3)に設けられた開口(30)の周辺に五徳(31)が設置されていると共に、ガスコンロ内にはガスバーナ(B)が収容されている。前記ガスバーナ(B)は、環状のバーナボディ(21)とその上方に載置されている環状のバーナヘッド(2)からなるバーナ部(20)を具備し、前記バーナ部(20)が、前記開口(30)内に略同心状に配設されている。
感熱ヘッド(11)は、前記バーナ部(20)の中央空間内に立設される支持パイプ(10)の上端に、上方へ突出する方向に付勢されており、その上端には、鍋底に圧接してその温度を検知するサーミスタ(13)が設けられている。
このように、リードスイッチ(23)がON・OFF状態になることによって、感熱ヘッド(11)が最上昇位置にあるか、又は、降下状態にあるかが検知されることから、前記リードスイッチ(23)が昇降検知手段として機能することとなる。
又、ガスバーナ(B)の前記バーナ部(20)の近傍には、点火電極(34)と、炎検知装置(35)とが配置されている。
尚、前記カウンター(36)が点火回数計数手段として機能する。
コンロの使用時には、五徳(31)に鍋等の調理器が置かれる。
これにより、感熱ヘッド(11)が鍋底に押されて降下し、それに伴って、チューブ(18)に設けた磁石(24)が下方にずれることから、リードスイッチ(23)がOFF状態となる。
これにより、温度センサ(1)が降下した状態であることが検知され、タイマーが降下継続時間の測定を開始する。
この状態で、点火・消火ボタン(330)から手を離して、押し込み操作を解除すると、前記点火・消火ボタン(330)は、前記ハートカムの中間位置で係止され、燃焼状態に保持される。
これにより、点火・消火ボタン(330)は、前記中間位置での係止が解除されて、消火操作状態となって前面パネル(32)上の元の位置まで復帰する。
これと共に、制御装置(5)からの指示により、前記電磁安全弁(51)への開弁保持電流が供給停止されて電磁安全弁(51)が閉弁される。
これが、調理1回分の正常な動作であり、前記カウンター(36)でカウントされる点火回数は1であり、リードスイッチ(23)がON状態となって、温度センサ(1)が元の突出位置まで復帰したことが検知されると、前記カウンター(36)及びタイマーによる測定は0にリセットされる。
このように、温度センサ(1)が降下したまま、すなわち、温度センサ(1)による鍋底の温度が検知されない状態では、ガスコンロの使用を不可とすることにより、鍋の異常過熱による焦げ付きや天ぷら油火災を確実に防止することができる。
尚、図2は請求項2の発明に対応させてあり、図3は請求項3の発明に対応させている。
又、両フローチャート中、「I」は、「コンロスイッチが点火操作される回数」を示している。
スタート時のS1のステップでは、マイクロコンピュータに内蔵されたタイマーの測定時間「T」の値及び「I」の値は0にセットされる。
そして、S2のステップでコンロスイッチ(33)からON信号が出力されて点火操作状態となったか否かが判別され、点火操作状態であることが判別されると、S3のステップで、リードスイッチ(23)がOFFか否かを判別する。
このように、S3のステップは、請求項1及び2における昇降検知手段として機能する。
尚、前記S3のステップで、リードスイッチ(23)がOFF状態でない、すなわち、温度センサ(1)が降下していないと判別された場合は、S4のステップで、鍋が載置されていないことを報知し、電磁安全弁(51)は閉状態を維持する。
S3のステップで、リードスイッチ(23)がOFF状態である(鍋が載置されている=温度センサ(1)が降下状態にある)ことが判別されると、S5のステップで「I」の値を1増加させる。
S6のステップで「I」の値が規定回数の3回に達していないことが判別されると、S7のステップで、電磁安全弁(51)が開弁して、ガスバーナ(B)が点火される。
この点火状態は、S8のステップで、コンロスイッチ(33)がOFF状態となったことが判別されるまで継続される。
その後、S2のステップに戻って、コンロスイッチ(33)がONにされないことが判別されると、S10のステップで、リードスイッチ(23)のON/OFFを判別する。
リードスイッチ(23)がOFFでない(=ON状態)と判別された場合は、鍋が五徳から降ろされたことにより、温度センサ(1)が元の突出状態に復帰されたことを意味するため、S11のステップに進んで、「I」の値、及び、タイマーの測定時間「T」は0にリセットされる。
以上が温度センサ(1)に異常が認められない場合の、点火から消火までの一連の制御動作である。
S12のステップで、タイマーによる前記測定時間「T」が48時間を越えていないことが判別された場合は異常とはみなされず、再度S2以下のステップが繰り返される。
これにより、温度センサ(1)が降下状態のまま固着して、前記温度センサ(1)が鍋底の温度を正確に検知できない状態であることに気付かずに調理が継続して行われる危険を防止することができる。
この実施の形態の場合、S8→S14のステップ、又は、S2→S10→S12のステップが実行された後に実行されるS13のステップが請求項2の異常処理手段として機能する。
これら報知手段は、コンロの使用、不使用時にかかわりなく、測定時間「T」が48時間を越えた時点で報知されるものであるから、コンロの傍に人がいないことも想定して、ブザーならば鳴りっ放しにし、エラー表示ランプならば点滅させ続けることにより、家人に逸早く気付かせるように設定しておくことが望ましい。
よって、S2以下のステップが繰り返されるにつれて、S5のステップで、「I」の値が1つずつ増加されていく。
この場合、S5→S6のステップが実行された後に実行されるS13のステップが請求項1の異常処理手段として機能することとなる。
図3に示すフローチャートは、請求項3の発明に対応するものであり、図2に示したフローチャートの、S2のステップとS3のステップとの間に、S12のステップを介在させて、S2のステップでコンロスイッチ(33)からON信号が出力されて点火操作状態となったことが判別されると、S12のステップで、タイマーによる測定時間「T」が、48時間に達しているか否かを判別するようにしたものである。
この場合、コンロスイッチ(33)を点火操作した使用者に、温度センサ(1)の昇降異常を確実に気付かせることができるから、温度センサ(1)が機能していないことを知らずにそのまま調理が行われて、鍋の焦げ付きや、天ぷら油火災を起こしてしまう危険を確実に防止することができる。
(10)・・・・・・支持パイプ
(2) ・・・・・・バーナヘッド
(23)・・・・・・昇降検知手段(リードスイッチ)
(31)・・・・・・五徳
(25)・・・・・・前方操作パネル(操作部)
(3) ・・・・・・ 天板
(36)・・・・・・燃焼部
Claims (5)
- 環状のバーナ部の中央空間部から上方へ突出する方向に付勢され且つ、五徳上に載置される鍋の鍋底に押されて降下すると同時に前記鍋底に圧接してその温度を検出する温度センサを具備するガスコンロにおいて、
前記温度センサが降下状態にあることを検知する昇降検知手段と、
前記昇降検知手段で前記温度センサが降下状態にあることが検知された状態にて、点火された回数をカウントする点火回数計数手段と、
前記点火回数計数手段にてカウントされた点火回数が規定回数を超えたとき、異常処理を行う異常処理手段とを備えたことを特徴とするガスコンロ。 - 環状のバーナ部の中央空間部から上方へ突出する方向に付勢され且つ、五徳上に載置される鍋の鍋底に押されて降下すると同時に前記鍋底に圧接してその温度を検出する温度センサを具備するガスコンロにおいて、
前記温度センサが降下状態にあることを検知する昇降検知手段と、
前記昇降検知手段で検知された前記温度センサの降下状態が継続される時間を測定するタイマーと、
前記タイマーにて測定された経過時間が規定時間を超えると、異常処理を行う異常処理手段とを備えたことを特徴とするガスコンロ。 - 環状のバーナ部の中央空間部から上方へ突出する方向に付勢され且つ、五徳上に載置される鍋の鍋底に押されて降下すると同時に前記鍋底に圧接してその温度を検出する温度センサを具備するガスコンロにおいて、
前記温度センサが降下状態にあることを検知する昇降検知手段と、
前記昇降検知手段で検知された前記温度センサの降下状態が継続される時間を測定するタイマーと、
前記タイマーにて測定された経過時間が規定時間を超えているときに、点火操作されると、異常処理を行う異常処理手段とを備えたことを特徴とするガスコンロ。 - 請求項1から3のいずれかに記載のガスコンロにおいて、前記異常処理手段による前記異常処理は、異常状態を報知することであるガスコンロ。
- 請求項1から4のいずれかに記載のガスコンロにおいて、前記バーナ部へ連通するガス回路を開閉制御する電磁安全弁が設けられ、
前記異常処理手段による前記異常処理は、前記電磁安全弁を閉弁させることであるガスコンロ。
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