JP4377135B2 - 温度センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水、防湿処理された温度感知素子を保護管内に収納してなる防水防湿構造の温度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、配管内を流れる温水や冷水などの流体の温度を測定するために保護管の内部に温度感知素子を収納したプローブ型の温度センサが用いられている。このような温度センサは、通常配管の外部から装着され、保護管を配管内の流体に接液させて使用されるため、温度感知素子が水分の影響を受けないように防水、防湿処理を施し水密構造とすることが求められている。
【0003】
温度感知素子に防水防湿処理を施す方法としては、例えば熱収縮絶縁体(チューブ)を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−243557号公報(第4頁、段落「0020」〜「0026」、図1)
【特許文献2】
特開平6−249716号公報(第3頁、段落「0017」、図1)
【特許文献3】
特開平11−108771号公報(第2〜3頁、段落「0009」〜「0011」、図1)
【0005】
特開2002−243557号公報に記載された温度センサは、内層と外層とからなる熱収縮性の二重チューブによって被覆した温度感知素子を金属ケース内に収納し、この金属ケースと熱収縮二重チューブとの隙間に溶融樹脂を充填して冷却固化させ樹脂成形体とすることにより、温度感知素子を熱収縮性二重チューブと樹脂成形体とによって二重に封止するようにしている。熱収縮性二重チューブは所定温度以上に加熱されることにより、内層の熱溶融接着剤が溶融して温度感知素子に密着し、外層の熱収縮性材料が熱収縮して内層を被覆する。金属ケースは、後端面に一体に突設した筒状のアンカー部を有し、このアンカー部を樹脂成形体の成形時に成形体内にかしめることにより、金属ケースの後端開口部の防水を図るようにしている。
【0006】
特開平6−249716号公報に記載されたサーミスタ温度センサは、セラミックサーミスタにリード線を非金属導電性接着剤によって電気的に接続し、このセラミックサーミスタとリード線との接続部を第1の熱収縮チューブによって被覆し、前記リード線の第1の熱収縮チューブから引き出された部分および前記第1の熱収縮チューブを第2の熱収縮チューブによって被覆し、さらに第1、第2の熱収縮チューブを含むセンサ全体を第3の熱収縮チューブによって被覆することにより、サーミスタを三重に封止するようにしている。
【0007】
特開平11−108771号公報に記載されたサーミスタ温度センサは、サーミスタから引き出された一対のリード線の内、一方のリード線をU字状に成形した後、それぞれのリード線に絶縁被覆リード線を半田によって接続し、サーミスタおよびリード線の端部を内層と外層の二重チューブからなる熱収縮性絶縁体によって被覆するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2002−243557号公報に記載された温度センサは、熱収縮性チューブを加熱して熱収縮させ温度検知素子に密着させることにより素子封入体を形成する工程と、この素子封入体を金属ケース内に差し込む工程に加えて樹脂成形体を形成する工程を必要とするため、製造が面倒で時間がかかり、また樹脂成形体の成形金型を必要とするため、製造コストが高くなるという欠点があった。
【0009】
また、温度感知素子を交換する必要が生じたときは樹脂成形体を破壊して内部の素子封止体を取り出さなければならないため事実上再使用することができなくなり、センサ全体を新しいものと交換する必要がある。さらに、交換のために金属ケースを配管のセンサ取付部から取り外すと、配管内部の流体がセンサ取付部から外部に流出するため、予め配管内の流体を抜き取る必要があり、センサの交換作業が煩わしく長時間を要するという問題もあった。
【0010】
特開平6−249716号公報および特開平11−108771号公報に記載されたサーミスタ温度センサは、熱収縮チューブによってサーミスタを被覆して素子封入体とし、この素子封入体を流体に直接接液させて使用するとき、流速が遅い流体の場合は問題ないが、流速が速い場合は素子封入体が水流によって折り曲げられると、熱収縮チューブどうしまたはチューブとリード線や温度感知素子との接合面にずれが生じ、防水防湿性能が低下するという問題があった。
【0011】
また、特に特開平11−108771号公報に記載されたサーミスタ温度センサは、標準品のチューブではなく一端が閉塞した袋状の熱収縮絶縁体を用いているため熱収縮絶縁体のコストが高く、またセンサの長さに対応する長さの熱収縮絶縁体を用意する必要があるため、その種類が増加するという問題もあった。
【0012】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構造で耐水耐湿性および組付け作業性に優れ、また温度感知素子の交換が容易で安価な温度センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、保護管内に挿抜可能に収納された温度感知素子と、この温度感知素子の複数本のリード端子にケーブル芯線が接続され前記保護管から外部に導出されたケーブルと、前記複数本のリード端子のうちの一本とこのリード端子に接続されるケーブル芯線との接続部を被覆する第1の熱収縮チューブと、前記温度感知素子、前記第1の熱収縮チューブ、前記第1の熱収縮チューブに被覆されていないリード端子とケーブル芯線および前記ケーブルの温度感知素子側端部外周を被覆する第2の熱収縮チューブとを備え、
前記第2の熱収縮チューブは、内層の熱溶融接着剤と、外層の熱収縮性のチューブとで構成される二重チューブが用いられ、
前記第1の熱収縮チューブの熱収縮温度T 1 、前記第2の熱収縮チューブの熱収縮温度T 2 が、
T 1 <T 2
の関係を満たすものである。
【0016】
第1の発明においては、第1の熱収縮チューブが第2の熱収縮チューブよりも低温度で熱収縮するので、温度センサの製造において、前記第1の熱収縮チューブに前記第2の熱収縮チューブを被せた状態で、前記第2の熱収縮チューブの熱収縮温度T2 以上の温度で加熱すれば、第1の熱収縮チューブの熱収縮、第2の熱収縮チューブの熱収縮がこの順番で行われるので、一度の加熱によって、前記第2の熱収縮チューブの内部に空気が残留することなく、第1の熱収縮チューブによるリード端子どうしの短絡防止作業と第2の熱収縮チューブによる温度感知素子とケーブルのシール作業を短時間に行うことができる。
【0019】
第2の発明は、保護管内に挿抜可能に収納された温度感知素子と、この温度感知素子の複数本のリード端子にケーブル芯線が接続され前記保護管から外部に導出されたケーブルと、前記複数本のリード端子のうちの一本とこのリード端子に接続されるケーブル芯線との接続部を被覆する第1の熱収縮チューブと、前記温度感知素子、前記第1の熱収縮チューブ、前記第1の熱収縮チューブに被覆されていないリード端子とケーブル芯線および前記ケーブルの温度感知素子側端部外周を被覆する第2の熱収縮チューブと、前記第2の熱収縮チューブのケーブル側端部と前記ケーブルの温度感知素子側端部外周を被覆する第3の熱収縮チューブとを備え、
前記第2の熱収縮チューブは、内層の熱溶融接着剤と、外層の熱収縮性のチューブとで構成される二重チューブが用いられ、
前記第1の熱収縮チューブの熱収縮温度T1 、前記第2の熱収縮チューブの熱収縮温度T2 、前記第3の熱収縮チューブの熱収縮温度T3 が、
T1 <T2 <T3
の関係を満たすものである。
【0020】
第2の発明においては、第1の熱収縮チューブが第2の熱収縮チューブよりも低温度で熱収縮するとともに、前記第2の熱収縮チューブが第3の熱収縮チューブよりも低温度で熱収縮するので、温度センサの製造において、前記第1の熱収縮チューブに前記第2の熱収縮チューブを被せ、さらに前記第2の熱収縮チューブのケーブル側端部とケーブルの温度感知素子側端部外周に前記第3の熱収縮チューブを被せた状態で、前記第3の熱収縮チューブの熱収縮温度T3 以上の温度で加熱すれば、第1の熱収縮チューブの熱収縮、第2の熱収縮チューブの熱収縮、第3の熱収縮チューブの熱収縮がこの順番で行われるので、一度の加熱によって、前記第2の熱収縮チューブの内部に空気が残留することなく、第1の熱収縮チューブによるリード端子どうしの短絡防止作業、第2の熱収縮チューブによる温度感知素子とケーブルのシール作業および第3の熱収縮チューブによる第2の熱収縮チューブとケーブル間の補強作業とを短時間に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る温度センサの一実施の形態を示す断面図、図2は素子封入体の断面図、図3は温度感知素子とケーブル端部間を第1、第2、第3の熱収縮チューブによって覆った加熱する前の状態を示す断面図、図4は温度感知素子のリード端子とケーブル芯線との接続部を示す図、図5は締付体の斜視図である。これらの図において、1は配管、2は配管1内を流れる温水、冷水などの流体、3は流体2の温度を測定する温度センサ、4は温度センサ3から外部に導出されたケーブルである。
【0022】
前記配管1の管壁外周面には、円筒状のセンサ取付部5が一体に突設されており、その内周面にはテーパ状の雌ねじ6が形成されている。
【0023】
前記温度センサ3は、内部に素子封入体8を挿抜可能に収納し前記配管1のセンサ取付部5にソケット9を介して取付けられる保護管7を備えている。保護管7は、金属(例えば:ステンレス)などの硬い材料によって製作されたパイプからなり、前端部側が前記配管1内に挿入されて流体2に接液し、後端部が前記ソケット9によって保持され、後端側開口部より前記ケーブル4がソケット9、後述するケーブル接続装置23を通って外部に導出されている。このような保護管7は、両端開放のパイプを所定の長さに切断し、前端側開口部を溶接によって閉塞することにより形成されている。
【0024】
前記素子封入体8は、前記流体2の温度を感知する温度感知素子11と、この温度感知素子11と前記ケーブル4の温度感知素子側端部間を覆う第1,第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14とで構成され、前記保護管7内に挿抜可能に収納されている。温度感知素子11としては、例えばセラミック等の絶縁基板上に白金等の金属薄膜抵抗体を形成したものが用いられ、2本のリード端子15a,15bに前記ケーブル4の芯線(軟鋼単線)16a,16b,16cがスポット溶接によってそれぞれ接続されている。このため、各芯線16a,16b,16cのスポット溶接部には、プロジェクション加工によって凸部17(図4)が形成されている。なお、本実施の形態においては、3線式の温度センサ1を示したが、これに限らず2線または4線式の温度センサであってもよい。
【0025】
前記ソケット9は、保護管7の後端部外周に嵌合され、前端が溶接18によって固定されている。ソケット9の前端部外周面には、前記センサ取付部5のテーパ状雌ねじ6に螺合するテーパねじ19が形成されている。一方、ソケット9の後端側には、前記ケーブル4をソケット9に対して固定しソケット9のケーブル挿通孔20を水密にシールする前記ケーブル接続装置23が取付けられている。
【0026】
前記第1の熱収縮チューブ12は、前記温度感知素子11の一方のリード端子15aと他方のリード端子15bとが接触して短絡するのを防止するために、リード端子15aとこれに接続するケーブル芯線16aとの接続部Sを被覆するものである。この第1の熱収縮チューブ12は、所定の温度以上に加熱されると熱収縮する特性を持ち、このような材料として、例えば熱収縮ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーンゴム等が用いられる。
【0027】
前記第2の熱収縮チューブ13は、前記温度感知素子11からケーブル4の温度感知素子側端部までの間の部分、すなわち温度感知素子11全体と、ケーブル4の温度感知素子側端部のケーブル芯線16a,16b,16cおよびケーブル外皮27と前記第1の熱収縮チューブ12を被覆し防水防湿構造とする。なお、この第2の熱収縮チューブ13は、非金属導電性の熱溶融接着剤(例えばポリアミド)を内層25とし、前記第1の熱収縮チューブ12と同様に所定温度以上に加熱されると熱収縮する特性を持つ熱収縮性材料(例えば、熱収縮ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーンゴム等)を外層26とする二重の熱収縮チューブであって、熱収縮するする前はその両端が開口している形状を持つ。また、内層25の熱溶融接着剤の熱溶融温度は、外層26の熱収縮材料の熱収縮温度よりも低くなっており、内層25は熱溶融温度以上に加熱されると溶融して温度感知素子11の表面に密着し、冷却することにより固化する。
【0028】
一方、外層26は熱収縮温度以上に加熱されると熱収縮して内層25の表面を被覆する。この場合、第2の熱収縮チューブ13の内層25は、流体2の温度が内層25の熱溶融温度以上になると再度溶け出すため、第2の熱収縮チューブ13から保護管7内に流れ出した後に、再度固化すると素子封入体8が保護管7の内面に接着され、素子封入体8内の温度感知素子11を交換のために保護管7から抜き出せなくなるおそれがある。このため、本実施の形態においては後工程により熱硬化性の接着剤28によって第2の熱収縮チューブ13の内層25の溶け出しを防止している。なお、熱硬化性接着剤28としては、例えばエポキシ樹脂接着剤が用いられている。
【0029】
前記第3の熱収縮チューブ14は、前記第2の熱収縮チューブ13のケーブル側端部と、ケーブル外皮27の温度感知素子側端部で前記第2の熱収縮チューブ13によって覆われていない部分を被覆することにより、第2の熱収縮チューブ13とケーブル4との接続部を補強するものであり、保護管7から温度感知素子11を抜き出して交換する際に、ケーブル4が強く引っ張られて前記第2の熱収縮チューブ13のケーブル側端とケーブル4が剥離してシールが損なわれることを防止する。第3の熱収縮チューブ14は、所定の温度以上に加熱されると熱収縮する特性を持ち、このような材料として例えば熱収縮ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーンゴム等が用いられる。
【0030】
ここで、第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14は、熱収縮温度または熱溶融温度が異なるものが用いられ、第1の熱収縮チューブ12の熱収縮温度をT1 、第2の熱収縮チューブ13の外層25の熱収縮温度をT2 、第3の熱収縮チューブ14の熱収縮温度をT3 とすると、
T1 <T2 <T3
の関係を満たしている。
すなわち、第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14は、内側のチューブ程熱収縮温度が低いものが用いられる。また、第2の熱収縮チューブ13の内層25もその熱溶融温度T4 が外層26の熱収縮温度T2 よりも低いものが用いられる。第2の熱収縮チューブ13の内層25の溶け出しを防止する前記熱硬化性接着剤28の熱硬化温度T5 は、常温〜60℃程度で、第2の熱収縮チューブ13の内層25の熱溶融温度T4 より低い(T5 <T4 )。
【0031】
前記ケーブル4を温度センサ3に接続する前記ケーブル接続装置23は、ソケット9の後端面に密着するシール部材31と、このシール部材31の外周に嵌着された締付体32と、シール部材31をソケット9の後端面に押し付けると同時に締付体32を締付けてシール部材31に押し付けるエンドキャップ33とで構成されている。
【0032】
前記シール部材31は、シリコーンゴム、天然ゴム等によって前記ケーブル4が貫通する筒状体に形成され、前記ソケット9の後端面に一体に突設した取付部36内に前記締付体32とともに嵌挿されている。取付部36は円筒状に形成されて、軸線方向の長さが前記シール部材31、締付体32よりも短く、外周面にはエンドキャップ33が螺合する雄ねじ37が形成されている。なお、シール部材31の外周面には、前記締付体32が嵌合する環状の溝38が形成されている。
【0033】
前記締付体32は、図5に示すように合成樹脂等によってシール部材31の溝38に嵌合し得る筒状体に形成され、周方向に所定の間隔をおいて離間する板厚方向に弾性変形自在な複数個の押圧片32Aと、これらの押圧片32Aの基端を連結する筒部32Bとで構成されている。また、各押圧片32Aの先端部外側面には楔形の突起39が一体に突設されている。締付体32が嵌着されたシール部材31を前記ソケット9の取付部36に嵌挿した状態において(図1参照)、前記押圧片32Aは取付部36の後方に突出している。
【0034】
前記エンドキャップ33は、内周面に前記取付部36の雄ねじ37に螺合する雌ねじ40が形成されており、後端面には前記シール部材31の後端部が嵌合する孔41が形成されている。また、エンドキャップ33の前記雌ねじ40が形成されている内周面と前記孔41とを接続する内壁面は、孔41に向かって縮径するテーパ状に形成され、前記締付体32の押圧片32Aの突起39を押圧する押圧面42を形成している。押圧面42の傾斜角度と突起39の斜面39aの傾斜角度は略等しい。エンドキャップ33を締め付けて押圧面42により突起39の斜面39aを押圧すると、シール部材31は締付体32とともに前方に移動してソケット9の後端面に押し付けられ、ソケット9のケーブル挿通孔20を水密にシールする。また、押圧片32Aが内側に弾性変形してシール部材31を挟圧保持する。このため、シール部材31は縮径方向に圧縮されて中心孔43の内周面がケーブル外皮27に密着し、ケーブル外皮27と中心孔43の隙間を水密にシールする。なお、エンドキャップ33の外周面には、指の滑りを防止する複数個の突条体44が周方向に所定の間隔をおいて一体に突設されている。
【0035】
次に、上記構造からなる温度センサ3の組付け手順について説明する。
先ず、ケーブル芯線16aの先端部に第1の熱収縮チューブ12を嵌装する。次に、温度感知素子11のリード端子15aとケーブル芯線16aの凸部17(図4)を重ね合わせてスポット溶接する。さらに、リード端子15bとケーブル芯線16b,16cを重ね合わせてスポット溶接する。スポット溶接後、第1の熱収縮チューブ12をケーブル芯線16aに沿って前方へ移動させ、リード端子15aとケーブル芯線16aとの接続部Sを覆う。
【0036】
次に、第2の熱収縮チューブ13をケーブル4の先端部に嵌装して温度感知素子11、第1の熱収縮チューブ12およびケーブル外皮27の温度感知素子側端部を覆う。さらに、第3の熱収縮チューブ14を第2の熱収縮チューブ13のケーブル側端部とケーブル外皮27とに嵌装する。図3はこの状態を示す。
【0037】
次に、適宜な加熱装置によって第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14を同時に加熱する。このときの加熱温度は、第3の熱収縮チューブ14の熱収縮温度T3 よりも高く設定される(例えば、180℃)。
【0038】
第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14を熱収縮温度T3 よりも高い温度で加熱すると、上記関係式T1 <T2 <T3 により、先ず第1の熱収縮チューブ12が熱収縮してリード端子15aとケーブル芯線16aとの接続部Sを被覆する。次に、第2の熱収縮チューブ12の内層25が溶融して温度感知素子11、リード端子15a,15b、ケーブル4のケーブル外皮27から露出している芯線16a,16b,16c、第1の熱収縮チューブ13およびケーブル外皮27に密着する。
【0039】
次に、外層26が熱収縮して内層25の表面に密着し、温度感知素子11、第1の熱収縮チューブ12、ケーブル外皮27から露出している芯線部分およびケーブル外皮27の先端部を被覆する。この後、第3の熱収縮チューブ14が熱収縮して第2の熱収縮チューブ13のケーブル側端部とケーブル外皮27とを被覆する。第3の熱収縮チューブ14が熱収縮した後、熱収縮チューブ12,13,14の加熱を停止して冷却すると、第2の熱収縮チューブ13の内層25は硬化する。
【0040】
第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14の熱収縮工程が終了し内層25が固化すると、第2の熱収縮チューブ13の先端部に熱硬化性接着剤28を塗布して常温〜60℃程度の温度で硬化させ、第2の熱収縮チューブ13の先端部を確実に封止し、もって素子封入体8が完成する。
【0041】
次に、素子封入体8とケーブル4をエンドキャップ33の孔41、シール部材31の中心孔43およびソケット9のケーブル挿通孔20に通して保護管7内に挿入する。しかる後、ソケット9を保護管7に嵌合し溶接18によって固定する。ただし、ソケット9は素子封入体8を保護管7に挿入する前に保護管7に溶接されているものであってもよい。さらに、シール部材31と締付体32をソケット9の取付部36に嵌挿し、エンドキャップ33を取付部36に螺合して締め付け、押圧面42によって締付体32の突起39を押圧する。このときの押圧力Fは突起39の斜面39aを押圧するため直交する2つの分力F1 、F2 (図1参照)に分解され、締付体32の軸線と平行な分力F1 によってシール部材31を前方に移動させてソケット9の後端面に押し付ける。一方、締付体32の軸線と直交する分力F2 によって押圧片32Aを内側に弾性変形させてシール部材31の外周に押し付ける。これにより、ソケット9のケーブル挿通孔20と、シール部材31の中心孔43とケーブル外皮27との隙間が水密にシールされ、温度センサ3の組付け作業が終了する。
【0042】
このような温度センサ3によれば、温度感知素子11のリード端子15aとケーブル芯線16aの接続部Sを第1の熱収縮チューブ12によって被覆し、温度感知素子11、ケーブル外皮27の端部および第1の熱収縮チューブ12全体を第2の熱収縮チューブ13によって被覆し、さらに第2の熱収縮チューブ13のケーブル側端部とケーブル外皮27を第3の熱収縮チューブ14によって被覆して素子封入体8を形成し、この素子封入体8をさらに保護管7内に収納しているため、温度感知素子11とケーブル4間の防水防湿性が高く、温度感知素子11やリード端子15とケーブル芯線16との接続部Sへの水や湿気による影響を略完全に遮断することができる。
【0043】
また、保護管7を備えているので、素子封入体8が流体2の流れによって曲げられたりすることがなく、第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14の剥離を防止することができる。さらに、温度感知素子11の交換時にエンドキャップ33を緩めて締付体32によるシール部材31の締付け状態を解除すると、保護管7から素子封入体8をケーブル4とともに容易に抜き出すことができるため、保護管7を配管1のセンサ取付部5から取り外す必要がなく、温度感知素子11の交換作業を容易にかつ迅速に行うことができる。
【0044】
また、第2の熱収縮チューブ13とケーブル4との接続部を第3の熱収縮チューブ14によって補強しているので、保護管7から温度感知素子11を抜き出して交換する際、ケーブル4が強く引っ張られて前記第2の熱収縮チューブ13のケーブル側端とケーブル4が剥離してシールが損なわれることもない。
【0045】
さらに、第1、第2、第3の熱収縮チューブ12,13,14を熱収縮温度T3 より高い温度で加熱すると、第1の熱収縮チューブ12の熱収縮、第2の熱収縮チューブ13の内層25の熱溶融、外層26の熱収縮、第3の熱収縮チューブ14の熱収縮がこのこの順序で順番に行われるため、熱収縮チューブ12,13,14による温度感知素子11の封止工程が一工程で済み、生産性を向上させることができる。それ故、安価で防水耐湿性に優れた温度センサを提供することができる。なお、第2の熱収縮チューブ13の内層25の熱溶融は、第1の熱収縮チューブ12の熱収縮の前であってもよい。
【0046】
なお、上記した実施の形態においては、第2の熱収縮チューブ13の先端部を熱硬化性接着剤28によって封止し、第2の熱収縮チューブ13の内層25の流れ出しを防止するようにしたが、内層25が流れ出さない温度範囲内で使用する場合は熱硬化性接着剤28による封止は不要である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る温度センサによれば、水、湿気等の浸入を確実に防止することができ、また構造簡易にして組付け作業性に優れた耐水耐湿構造の温度センサを提供することができる。
また、熱収縮温度が異なる3種類の熱収縮チューブをこれらチューブの熱収縮温度より高い温度で加熱すると、一度の加熱によって順次熱収縮させることができ、生産性を向上させることができる。
【0048】
また、第1の熱収縮チューブは温度感知素子のリード端子どうしの接触による短絡を防止し、第2の熱収縮チューブは温度感知素子とケーブルをシールし、第3の熱収縮チューブは第2の熱収縮チューブとケーブルとの接続部を補強しているので、短絡防止、シールおよび補強を同時に満たし、しかも温度感知素子の交換が容易な温度センサを提供することができる。
【0049】
また、第2の熱収縮チューブは熱収縮する前は両端が開口している形状を持つものを使用するため、安価な標準品の熱収縮チューブをセンサの長さに対応させて裁断すればよく、異なる多種の長さのセンサであっても安価にかつ作業性よく製造することができる。
【0050】
さらに、保護管を配管に取付けたままの状態で温度感知素子を保護管から抜き出すことができるため、温度感知素子を交換するとき配管内の流体を抜き取る必要がなく、温度感知素子の交換作業が容易で短時間に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る温度センサの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 素子封入体の断面図である。
【図3】 温度感知素子とケーブル端部間を第1、第2、第3の熱収縮チューブによって覆った加熱する前の状態を示す断面図である。
【図4】 温度感知素子のリード端子とケーブル芯線との接続部を示す図である。
【図5】 締付体の斜視図である。
【符号の説明】
1…配管、2…流体、3…温度センサ、4…ケーブル、5…センサ取付部、7…保護管、8…素子封入体、9…ソケット、11…温度感知素子、12…第1の熱収縮チューブ、13…第2の熱収縮チューブ、14…第3の熱収縮チューブ、15a,15b…リード端子、16a,16b,16c…ケーブル芯線、25…内層、26…外層、27…ケーブル外皮、31…シール部材、32…締付体、33…エンドキャップ。
Claims (2)
- 保護管内に挿抜可能に収納された温度感知素子と、この温度感知素子の複数本のリード端子にケーブル芯線が接続され前記保護管から外部に導出されたケーブルと、前記複数本のリード端子のうちの一本とこのリード端子に接続されるケーブル芯線との接続部を被覆する第1の熱収縮チューブと、前記温度感知素子、前記第1の熱収縮チューブ、前記第1の熱収縮チューブに被覆されていないリード端子とケーブル芯線および前記ケーブルの温度感知素子側端部外周を被覆する第2の熱収縮チューブとを備え、
前記第2の熱収縮チューブは、内層の熱溶融接着剤と、外層の熱収縮性のチューブとで構成される二重チューブが用いられ、
前記第1の熱収縮チューブの熱収縮温度T 1 、前記第2の熱収縮チューブの熱収縮温度T 2 が、
T 1 <T 2
の関係を満たすことを特徴とする温度センサ。 - 保護管内に挿抜可能に収納された温度感知素子と、この温度感知素子の複数本のリード端子にケーブル芯線が接続され前記保護管から外部に導出されたケーブルと、前記複数本のリード端子のうちの一本とこのリード端子に接続されるケーブル芯線との接続部を被覆する第1の熱収縮チューブと、前記温度感知素子、前記第1の熱収縮チューブ、前記第1の熱収縮チューブに被覆されていないリード端子とケーブル芯線および前記ケーブルの温度感知素子側端部外周を被覆する第2の熱収縮チューブと、前記第2の熱収縮チューブのケーブル側端部と前記ケーブルの温度感知素子側端部外周を被覆する第3の熱収縮チューブとを備え、
前記第2の熱収縮チューブは、内層の熱溶融接着剤と、外層の熱収縮性のチューブとで構成される二重チューブが用いられ、
前記第1の熱収縮チューブの熱収縮温度T1 、前記第2の熱収縮チューブの熱収縮温度T2 、前記第3の熱収縮チューブの熱収縮温度T 3 が、
T1 <T2 <T 3
の関係を満たすことを特徴とする温度センサ。
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