JP4377046B2 - ミラー検出回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等のディスク状記録媒体上に記録された情報の再生にあたり、複数の情報トラックを跨いで光スポットを移動させた後に、トラッキングサーボループを閉状態とするタイミングを示すミラー信号を生成するミラー検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(コンパクトディスク)等の光ディスク装置では、光ピックアップの位置制御信号として、ミラー部を検出して、位置制御を行っている。すなわち、光ディスク等の記録媒体を光学的に再生する場合、再生に用いられる光ビームの焦点位置を当該情報により記録媒体上に形成される情報トラックの位置に一致させるためのトラッキングサーボ制御と、焦点位置とディスクにおける情報記録面の位置とを一致させるフォーカスサーボ制御が行われており、情報再生時に、所望する情報が記録されているディスク上の位置に、複数の情報トラックをまたいで焦点位置を移動させるトラッキングジャンプ動作が行われる。このトラッキングジャンプ動作において、トラッキングサーボループを開状態とするとともに、所望の情報トラック上に焦点位置が位置したタイミングで当該トラッキングサーボループを閉状態に切り替え、トラッキングサーボ制御が再開される。トラッキングジャンプ動作等を行っているときに検出される再生RF(Radio Frequency)信号(光ビームのディスクからの反射光に基づいて検出される再生すべき情報に対応した再生信号)に基づいて、当該光ビームの焦点位置が情報トラック上にあるとき、Low、情報トラック以外の領域(隣接する情報トラックに挟まれた領域)にあるときHighレベルとなるミラー信号を、ミラー信号生成回路で生成し、このミラー信号を用いて、焦点位置と情報トラックの位置との関係を把握してトラッキングサーボループの閉状態の切替えが行われている(例えば特開平11−161967号公報等参照)。
【0003】
従来の光ディスク装置におけるミラー検出回路(ミラー信号生成回路)の一例として、図8にブロック図として示すような構成が知られている。ミラー検出回路へ入力される再生信号(RF信号)RFINは、通常、図9の(A)に示すような波形となり、第1ピーク検波回路1と、第1ボトム検波回路2へ入力される。
【0004】
第1ピーク検波回路1の検波時定数は、出力がDC(直流)となるようなかなり遅い値であり、第1ボトム検波回路2の検波時定数は、光ディスクの回転周期のエンベロープに追従できる程度の値である。
【0005】
第1ピーク検波回路1の出力ピーク値S1は、図9の(B)に示す波形となり、引算器7の同相入力端に接続され、第1ボトム検波回路2の出力ボトム値S2は、図9の(C)に示す波形となり、引算器7の逆相入力端に接続される。
【0006】
引算器7の出力S3は、図9の(D)に示す波形となり、第2ピーク検波回路8と第2ボトム検波回路9へ入力される。
【0007】
第2ピーク検波回路8の出力ピーク値S4は、図9の(E)に示す波形となり、第2ボトム検波回路9の出力ボトム値S5は、図9の(F)に示す波形となる。
【0008】
出力値S4、S5は、中間電圧点作成回路10へ入力され、その出力S6は、図9の(G)に示す波形となる。
【0009】
引算器7の出力S3と中間電圧点作成回路10の出力S6はコンパレータ12に入力され、コンパレータ12の出力S8は、図9の(H)に示す波形のミラー信号となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8を参照して説明した従来のミラー検出回路においては、ミラー部を正しく検出することができない場合がある、という問題点を有している。すなわち、上記した従来のミラー検出回路においては、RF信号の無信号時(RF信号が無くなり入力RFINの振幅がほぼ0になった状態)、RF信号に対して、通常無視できるレベルであったノイズ信号が、RFINの振幅の大部分を占めることになり、コンパレータ12の出力であるミラー信号S8は、ノイズ信号振幅の中間電圧点で比較を行うため、ミラー部ではない部分をミラー部と誤検出してしまうことになる。
【0011】
したがって本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、入力されるRF信号の振幅が小さくなった場合に、ミラー部ではない部分をミラー部と誤検出することを回避しミラー信号を正しく生成するミラー検出回路及び該ミラー検出回路を備えた情報再生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明は、再生RF信号を入力としそのピーク値を検波して出力する第1のピーク検波回路と、前記再生RF信号を入力としそのボトム値を検波して出力する第1のボトム検波回路と、前記第1のピーク検波回路の出力と前記第1のボトム検波回路の出力を入力しこれらを引き算した値を出力する引算器と、前記引算器の出力を入力しそのピーク値を検波して出力する第2のピーク検波回路と、前記引算器の出力を入力しそのボトム値を検波して出力する第2のボトム検波回路と、前記第2のピーク検波回路の出力と前記第2のボトム検波回路の出力を入力し該二つの入力の中間電圧値を出力する中間電圧点作成回路と、前記中間電圧点作成回路の出力電圧と、予め定められた第1の基準電圧とを入力とし、電圧値の高い方を選択して出力するコンパレータ入力電圧選択回路と、前記引算器の出力と前記コンパレータ入力電圧選択回路の出力との大小を比較し、ミラー信号を出力するコンパレータと、を備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るミラー検出回路の一実施の形態の構成を示す図である。図1を参照すると、図8に示した従来の回路構成と比較して、中間電圧点作成回路10と、コンパレータ12との間に、中間電圧点作成回路10の出力S6と、基準電圧バイアスV1の値DC1のうち高い値を出力してコンパレータ12に比較電圧として供給するコンパレータ入力電圧選択回路11を備えており、このため、入力RF信号の振幅が小さくなった場合の誤検出を無くし、安定したミラー信号を作成できる。本発明に係るミラー検出回路は、光ビームを用いて情報を再生する情報再生装置に設けられ、光ビームの焦点位置と記録媒体上に前記情報により形成されている情報トラックの位置と、を一致させるためのトラッキングサーボループが開状態になっているときに、前記光ビームの前記記録媒体からの反射光に基づいて生成される前記情報に対応する再生RF信号を入力し、焦点位置が情報トラック上にあるか否かを示すミラー信号を検出する。
【0014】
本発明は、好ましい一実施の形態において、再生RF信号を入力としそのピーク値を検波して出力する第1のピーク検波回路(1)と、再生RF信号を入力としそのボトム値を検波して出力する第1のボトム検波回路(2)と、第1のピーク検波回路の出力と第1のボトム検波回路の出力を入力しこれらを引き算した値を出力する引算器(7)と、引算器の出力を入力しそのピーク値を検波して出力する第2のピーク検波回路(8)と、引算器の出力を入力しそのボトム値を検波して出力する第2のボトム検波回路(9)と、第2のピーク検波回路の出力と第2のボトム検波回路の出力を入力し該二つの入力の中間電圧値を出力する中間電圧点作成回路(10)と、中間電圧点作成回路の出力電圧と、予め定められた第1の基準電圧(DC1)とを入力とし、電圧値の高い方を選択して出力するコンパレータ入力電圧選択回路(11)と、引算器(7)の出力とコンパレータ入力電圧選択回路(11)の出力との大小を比較し、ミラー信号を出力するコンパレータ(12)と、を備え、コンパレータ(12)からは、ミラー部であるときHighレベルの信号が出力される。
【0015】
本発明は、別の実施の形態において、引算器(7)の出力には、予め定められた第2の基準電圧(DC2)が重畳され、コンパレータ入力電圧選択回路(11)に入力される第1の基準電圧(DC1)が、第2の基準電圧(DC2)よりも、所定電圧分、高い電圧値に設定されている。
【0016】
本発明は、別の実施の形態において、再生RF信号を入力としそのピーク値を検波して出力する第1のピーク検波回路(1)と、再生RF信号を入力としそのボトム値を検波して出力する第1のボトム検波回路(2)と、第1のピーク検波回路の出力と第1のボトム検波回路の出力を入力しこれらを引き算した値を出力する引算器(7)と、を備えており、引算器(7)の出力には予め定められた第2の基準電圧(DC2)が重畳され、引算器(7)の出力を入力しそのピーク値を検波して出力する第2のピーク検波回路(8)と、第2のピーク検波回路の出力と第2の基準電圧を入力し中間電圧値を生成出力する中間電圧点作成回路(10)と、中間電圧点作成回路の出力と、予め定められた第1の基準電圧(DC1)とを入力とし、電圧値が高い方を選択して出力するコンパレータ入力電圧選択回路(11)と、引算器の出力をコンパレータ入力電圧選択回路の出力との大小を比較し、ミラー信号を出力するコンパレータ(12)と、を備えている。
【0017】
【実施例】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明するため、本発明の実施例について図面を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施例のミラー検出回路の構成を示す図である。図1を参照すると、ミラー検出回路は、第1ピーク検波回路1と、第1ボトム検波回路2と、抵抗3、4、5、6と、引算器7と、第2ピーク検波回路8と、第2ボトム検波回路9と、中間電圧点作成回路10と、コンパレータ入力電圧選択回路11と、コンパレータ12とを備えて構成されている。
【0018】
第1ピーク検波回路1は、RF信号RFINを入力とし、ピーク値を検波して出力する(S1)。
【0019】
第1ボトム検波回路2は、RF信号RFINを入力とし、ボトム値を検波して出力する(S2)。
【0020】
抵抗3は、基準電圧バイアスV2と引算器7の同相入力端間に接続されており、抵抗4は、第1ピーク検波回路1の出力S1と引算器7の同相入力端間に接続されており、抵抗5は、第1ボトム検波回路2の出力S2と引算器7の逆相入力端間に接続されており、抵抗6は、引算器7の逆相入力端と引算器7の出力端間に接続されている。
【0021】
第2ピーク検波回路8は、引算器7の出力S3を入力とし、ピーク値を検波して出力する(S4)。
【0022】
第2ボトム検波回路9は、引算器7のボトム値を検波して出力する(S5)。
【0023】
中間電圧点作成回路10は、第2ピーク検波回路8の出力S4と第2ボトム検波回路9の出力S5を入力とし、中間電圧値を出力する(S6)。
【0024】
コンパレータ入力電圧選択回路11は、中間電圧点作成回路10の出力S6と、基準バイアス値DC1を持つ電圧バイアスV1を入力とし、高い値を選択して出力する(S7)。
【0025】
コンパレータ12は、コンパレータ入力電圧選択回路11の出力S7をコンパレート点として、引算器7の出力S3をコンパレートする。
【0026】
次に、本実施例の動作について説明する。図5は、図1のミラー検出回路に通常のRF信号を入力したときの出力信号波形を示す図である。以下、回路構成については図1を参照し、その各々の出力での信号波形は図5を参照して説明を行う。
【0027】
まず、光ディスクに記録されている情報データを、光ピックアップにて読み取り、RFアンプ内のRFアンプ、AGC(自動利得制御)アンプ(光ディスク、光ピックアップ、RFアンプは、図示されない)を経て生成された再生信号であるRF信号RFINは、第1ピーク検波回路1と、第1ボトム検波回路2に、それぞれ供給される。
【0028】
RFINの信号は、図5の(A)に示すような波形となる(図9(A)と同じ入力信号としている)。
【0029】
第1ピーク検波回路1の時定数は、出力がDC(直流)となるようなかなり遅い値に設定し、第1ボトム検波回路2の時定数は、エンベロープに追従できる程度の値に設定する。第1ピーク検波回路の出力S1と第1ボトム検波回路の出力S2は、それぞれ、図5の(B)、(C)に示すような波形となる。
【0030】
第1ピーク検波回路の出力S1は、抵抗4を介して、引算器7の同相入力端に接続され、第1ボトム検波回路の出力S2は、抵抗5を通して、引算器7の逆相入力端に接続される。また、DC2の基準電圧値を持つ電圧バイアスV2は、抵抗3を介して、引算器7の同相入力端に接続される。そして引算器7の出力S3は、抵抗6を介して引算器7の逆相入力端に接続され帰還回路を構成し、さらに引算器7の出力S3は、コンパレータ12の同相入力端に接続される。
【0031】
引算器7の出力S3は、図5の(D)に示すような波形となる。この構成では、抵抗3、4、5、6をすべて同じ抵抗値としているが、この抵抗を可変抵抗にすることで、引算器7の出力S3のゲインを調整するようにしてもよい。
【0032】
また、引算器7の出力S3は、第2ピーク検波回路8と第2ボトム検波回路9にそれぞれ供給される。第2ピーク検波回路8と第2ボトム検波回路9のそれぞれの検波時定数は、出力がDC(直流)となるような遅い値に設定する。各々の検波回路8、9の出力S4、S5は、それぞれ、図5の(E)、(F)に示す波形となり、中間電圧点作成回路10に入力される。
【0033】
図2は、中間電圧点作成回路10の回路構成の一例を示す図である。入力S4を抵抗値Rの抵抗31を介してバッファ33の同相入力端に接続し、入力S5を抵抗値Rの抵抗32を介してバッファ33の同相入力端に接続する。更にバッファ33の出力S6はバッファ33の逆相入力端に接続され帰還回路を構成している(バッファ33はボルテージフォロワ構成とされ、出力端からは同相入力端電圧と同じ電圧が出力される)。従ってバッファ33の出力S6は入力S4とS5の中間電圧値となり、図5の(G)に示す波形となる。さらに、抵抗31と32を可変できるようにすることで、出力S6の電圧値を上側や下側にシフトさせて中間電圧値を微調整する構成としてもよい。中間電圧点作成回路10の出力S6はコンパレータ入力電圧選択回路11へ入力される。
【0034】
図3は、コンパレータ入力電圧選択回路11の回路構成の一例を示す図であり、2通りの回路構成の例が示されている。
【0035】
図3(A)に示す例では、中間電圧点作成回路10の出力S6とDC1の基準電圧値を持つ電圧バイアスV1をNPNトランジスタ41、42のベースに差動入力することで、高い電圧値の方のNPNトランジスタに電流源43で作成した電流Iが流れる。そしてNPNトランジスタ41、42のコレクタ同士を接続し、そこにPチャネルMOSトランジスタ44と45からなるカレントミラー回路を接続することで、NPNトランジスタ46にも同じ電流Iが流れる。なお、VCCは電源電圧である。
【0036】
NPNトランジスタ41、42のうち高い電圧値を入力にしているトランジスタと、NPNトランジスタ46には同じ電流Iが流れ(同じベース・エミッタ間電圧Vbe電圧を持つ)、更にNPNトランジスタ41、42、46のエミッタ同士を共通接続し、NPNトランジスタ46のベースとコレクタを接続することによって、入力S6、V1のうち高い値と、出力S7は同じ電圧になる。
【0037】
図3(B)に示す例では、コンパレータ入力電圧選択回路11の入力S6をコンパレータ47の同相入力端に接続し、入力V1をコンパレータ47の逆相入力端に接続する。図3(C)は、図3(B)の回路のスイッチの開閉動作を表で示したものである。そして、コンパレータ47の出力値がHighレベルの場合(S6>V1)、スイッチ48をONとし、スイッチ49をOFFとし、一方、コンパレータ47の出力値がLowレベルの場合(S6<V1)、スイッチ48をOFFとし、スイッチ49をONとすることで、S6とV1のうち高い値が、出力S7に出力される。
【0038】
通常は、S6>V1となるように、基準電圧バイアスV1を設定しているため、出力S7の波形は、図5の(G)の波形となる。つまり通常の場合、従来の構成と、同じコンパレート点(比較電圧)を持つ。
【0039】
ここで、基準電圧バイアスV1の値DC1は、基準電圧バイアスV2の値DC2より若干高めにしておく。具体的には、引算器7の出力S3の振幅値が1Vであれば1/10の100mVほどDC2より高い電圧に設定しておくことが望ましく、引算器7の出力S3を外部ピンに出しIC外部からモニタできるようにすれば、より精度良く値を設定することができる。
【0040】
更に、基準電圧バイアスV1の供給の仕方として、デジタルアナログ変換器により与える構成、あるいは外部ピンから与える構成としてもよい。
【0041】
コンパレータ入力電圧選択回路11の出力S7をコンパレータ12の同相入力端に接続し、引算器7の出力S3をコンパレータ12の逆相入力端に接続することによって、コンパレータ12からは、ミラー信号S8として、図5の(H)に示すような信号波形が得られる。そして、このミラー信号S8の信号波形は、前述した従来の構成(図8参照)と同じ出力波形となる。
【0042】
本発明の一実施例は、コンパレータ入力電圧選択回路11を備えており、RF信号が無くなり入力RFINの振幅がほぼ0になった場合(この状態を「無信号」という)、ミラー部の誤検出を無くすことができる。
【0043】
入力RF信号が無信号になった場合の、本実施例の波形出力を図6に示し、比較例として、従来の回路構成(図8)の波形出力を図7に示す。
【0044】
まず、入力RF信号RFINが無信号の場合、RF信号がある場合に比べ、入力信号が十分小さいため、無視されていたノイズ信号などの影響がRFIN信号の振幅値の大半を占め、ノイズ成分による振幅値を持つ。そのため、引算器7の出力S3も振幅値を持ち、図7の(D)、図6の(D)に示す波形となる。
【0045】
更に、引算器7の出力は、第2ピーク検波回路8と第2ボトム検波回路9の入力となるため、第2ピーク検波回路8と第2ボトム検波回路は、図7の(E)、(F)、図6の(E)、(F)に示す波形となる出力S4、S5を出力する。
【0046】
そして第2ピーク検波回路8と第2ボトム検波回路9の出力S4、S5は中間電圧点作成回路10の入力となり、図7の(G)、図6の(G)に示す波形となる出力S6を出力する。
【0047】
従来の回路構成(図8参照)では、その後、中間電圧点作成回路10の出力S6、つまり図7の(G)と引算器7の出力S3、つまり図7の(D)を比較するため、図7の(H)のように、本来ミラー部ではない部分を、ミラー部であると出力する誤検出が多い。
【0048】
これに対して、本実施例では、コンパレータ入力電圧選択回路11を備えており、RF信号が無信号時には、第2ピーク検波回路8の出力S4以上の基準電圧値DC1を与えることで、コンパレータ12の出力であるミラー信号S8は、図6の(H)のように、ずっとLowレベルとされており、ミラー部の誤検出を無くすことができる。
【0049】
また、引算器7の出力S3を基準電圧バイアスV2の値DC2に重畳しているため、基準電圧バイアスV1の値DC1は、基準電圧バイアス値V2の値DC2より、ノイズ信号のピーク値分だけ高めに設定すれば良い。具体的には、前述した通り、引算器7の出力S3の振幅値が1Vであれば、その1/10の100mVほど高い電圧に設定しておけばよい。
【0050】
次に、本発明の他の実施例について説明する。図4(A)及び図4(B)は、本発明の第2、第3の実施例の構成を示す図である。図4(A)を参照すると、本発明の第2の実施例は、図1に示した前記実施例の構成から、抵抗3、4、5、6と、基準電圧バイアスV2を取り除いたものである。この場合、基準電圧バイアスV1の値DC1を設定する基準が無くなるが、引算器7の出力をモニタして、基準電圧バイアスV1の値DC1の値を適宜決定することにより、図1に示した前記実施例と同等に動作することができる。
【0051】
また図4(B)を参照すると、本発明の第3の実施例は、図1に示した前記第1の実施例から第2ボトム検波回路9を取り除き、中間電圧点作成回路10の入力を、第2ピーク検波回路8の出力と基準電圧バイアスV2の値DC2としたものである。この第3の実施例では、第2ボトム検波回路9が存在しないため、中間電圧点作成回路10は、中間電圧値を正確に出力することはできないが、コンパレータ入力電圧選択回路11と基準電圧バイアスV1が設けられており、中間電圧点作成回路10に入力される基準電圧バイアスV2の値を調整することによって、精度は若干落ちるものの、中間電圧値を選択することができるため、図1に示した前記実施例とほぼ同等に動作することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、再生RF信号が無信号時には、コンパレータから出力されるミラー信号は一定レベルとされ、ミラー部の誤検出を無くすことができる、という効果を奏する。
【0053】
その理由は、本発明においては、中間電圧点作成回路と、コンパレータとの間にコンパレータ入力電圧選択回路を備え、中間電圧点作成回路の出力と、基準電圧バイアスの値のうち高い値を出力してコンパレータに比較電圧として供給する構成としたためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の中間電圧作成回路の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例のコンパレータ入力電圧選択回路の構成を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の通常時の動作を示す信号波形図である。
【図6】本発明の一実施例の入力無信号時の動作を示す信号波形図である。
【図7】比較例として、図8のミラー検出回路の入力無信号時の動作を示す信号波形図である。
【図8】従来のミラー検出回路の構成を示す図である。
【図9】図8のミラー検出回路の通常時の動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
1 第1ピーク検波回路
2 第1ボトム検波回路
3、4、5、6 抵抗
7 比較器
8 第2ピーク検波回路
9 第2ボトム検波回路
10 中間電圧点作成回路
11 コンパレータ入力電圧選択回路
12 コンパレータ
41、42、46 NPNトランジスタ
43 定電流源
44、45 PNPトランジスタ
47 コンパレータ
48、49 スイッチ

Claims (9)

  1. 再生RF信号を入力としそのピーク値を検波して出力する第1のピーク検波回路と、
    前記再生RF信号を入力としそのボトム値を検波して出力する第1のボトム検波回路と、
    前記第1のピーク検波回路の出力と前記第1のボトム検波回路の出力を入力しこれらを引き算した値を出力する引算器と、
    前記引算器の出力を入力しそのピーク値を検波して出力する第2のピーク検波回路と、
    前記引算器の出力を入力しそのボトム値を検波して出力する第2のボトム検波回路と、
    前記第2のピーク検波回路の出力と前記第2のボトム検波回路の出力を入力し該二つの入力の中間電圧値を出力する中間電圧点作成回路と、
    前記中間電圧点作成回路の出力電圧と、予め定められた第1の基準電圧とを入力とし、電圧値の高い方を選択して出力するコンパレータ入力電圧選択回路と、
    前記引算器の出力と前記コンパレータ入力電圧選択回路の出力との大小を比較し、ミラー信号を出力するコンパレータと、
    を備えている、ことを特徴とするミラー検出回路。
  2. 前記コンパレータ入力電圧選択回路に入力される前記第1の基準電圧は、前記再生RF信号が無信号時の前記第2のピーク検波回路の出力電圧以上とされている、ことを特徴とする請求項1記載のミラー検出回路。
  3. 前記引算器の出力には、予め定められた第2の基準電圧が重畳され、
    前記コンパレータ入力電圧選択回路に入力される前記第1の基準電圧が、前記第2の基準電圧よりも、所定電圧分、高い電圧値に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載のミラー検出回路。
  4. 再生RF信号を入力としそのピーク値を検波して出力する第1のピーク検波回路と、
    前記再生RF信号を入力としそのボトム値を検波して出力する第1のボトム検波回路と、
    前記第1のピーク検波回路の出力と前記第1のボトム検波回路の出力を入力しこれらを引き算した値を出力する引算器と、を備え、
    前記引算器の出力には予め定められた第2の基準電圧が重畳され、
    前記引算器の出力を入力しそのピーク値を検波して出力する第2のピーク検波回路と、
    前記第2のピーク検波回路の出力と前記第2の基準電圧を入力し中間電圧値を生成出力する中間電圧点作成回路と、
    前記中間電圧点作成回路の出力と、予め定められた第1の基準電圧とを入力とし、電圧値が高い方を選択して出力するコンパレータ入力電圧選択回路と、
    前記引算器の出力と前記コンパレータ入力電圧選択回路の出力との大小を比較し、ミラー信号を出力するコンパレータと、
    を備えている、ことを特徴とするミラー検出回路。
  5. 前記コンパレータ入力電圧選択回路に入力される前記第1の基準電圧が、前記第2の基準電圧よりも、所定電圧分高い電圧値に設定されている、ことを特徴とする請求項4記載のミラー検出回路。
  6. 前記第2の基準電圧の入力端と前記引算器の同相入力端間に接続されている第1の抵抗と、
    前記第1のピーク検波回路の出力端と前記引算器の同相入力端間に接続されている第2の抵抗と、
    前記第1のボトム検波回路の出力端と前記引算器の逆相入力端間に接続されている第3の抵抗と、
    前記引算器の逆相入力端と前記引算器の出力端間に接続されている第4の抵抗とを備えている、ことを特徴とする請求項3又は4記載のミラー検出回路。
  7. 前記コンパレータ入力電圧選択回路が、
    定電流源で駆動され、前記中間電圧点作成回路の出力電圧と前記第1の基準電圧とを差動入力とする差動トランジスタ対と、
    前記差動トランジスタ対の出力対の共通接続点を入力端に接続し、出力端を前記コンパレータ入力電圧選択回路の出力端子に接続したカレントミラー回路と、
    前記コンパレータ入力電圧選択回路の前記出力端子と、前記差動トランジスタ対と前記定電流源との接続点との間に挿入され、ダイオード接続されたトランジスタと、を備えたことを特徴とする請求項1又は4記載のミラー検出回路。
  8. 前記コンパレータ入力電圧選択回路が、
    前記中間電圧点作成回路の出力電圧と前記第1の基準電圧とを入力とする比較器と、
    前記中間電圧点作成回路の出力端と前記コンパレータ入力電圧選択回路の出力端子間に挿入された第1のスイッチと、
    前記第1の基準電圧の入力端と前記コンパレータ入力電圧選択回路の前記出力端子間に挿入された第2のスイッチと、
    前記比較器の出力に基づき、前記中間電圧点作成回路の出力電圧が前記第1の基準電圧よりも大の場合、前記第1のスイッチをオンし、前記第2のスイッチをオフし、
    前記中間電圧点作成回路の出力電圧が前記第1の基準電圧以下の場合、前記第2のスイッチをオンし、前記第1のスイッチはオフする、ことを特徴とする請求項1又は4記載のミラー検出回路。
  9. 光ビームを用いて情報を再生する情報再生装置であって、前記光ビームの焦点位置と、記録媒体上に前記情報により形成されている情報トラックの位置と、を一致させるためのトラッキングサーボループが開状態になっているときに、前記光ビームの前記記録媒体からの反射光に基づいて生成される前記情報に対応する再生RF信号を入力し、前記焦点位置が前記情報トラック上にあるか否かを示すミラー信号を検出するミラー検出回路として、請求項1乃至8のいずれか一に記載のミラー検出回路を備えたことを特徴とする情報再生装置。
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