JP4376684B2 - 歩行体および歩行体の歩行方法 - Google Patents
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胴体部と、
当該胴体部に対して前後方向へ揺動自在に枢支された左右一対の脚体と、
前記胴体部に対して左右方向へ揺動自在に枢支された揺動体と、
当該揺動体を揺動させる駆動手段とを有し、
前記脚体は、脚軸と、脚軸の下端に形成した接地部材を有し、
前記接地部材の底面には、前後方向および左右方向へ向かって傾斜した傾斜面若しくは湾曲面を形成した底足部が設けられ、
前記接地部材は、後半部が前半部より重たくなるように形成されており、
前記駆動手段による揺動体の揺動に伴って前記胴体部を左右方向へ揺動させて接地している一方の前記底足部を浮かせると、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により一方の脚体が前方向へ揺動して進行させるように構成したことを特徴とする歩行体。
前記揺動体は、前記胴体部の上部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の歩行体。
前記駆動手段は、永久磁石とコイルを用いた電磁石の吸着と反発を利用したものであることを特徴とする請求項1または2記載の歩行体。
胴体部に前後方向へ揺動自在に設けた左右一対の脚体と、胴体部に左右方向へ揺動自在に設けた揺動体と、前記揺動体を揺動させる駆動手段とを有し、前記脚体は、脚軸と、脚軸の下端に形成した接地部材を有し、当該接地部材は後半部が前半部より重たくなるように形成され、前記接地部材の底面に、前後方向および左右方向へ向かって傾斜した傾斜面若しくは湾曲面を形成した底足部が設けられた歩行体において、
前記駆動手段により揺動体を左方向に揺動させて重心移動させ、胴体部を左方向へ揺動させると、接地している右の脚体が浮いて、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により右の脚体が自重により前方向に揺動し、
前記駆動手段により揺動体を右方向に揺動させて重心移動させ、胴体部を右方向へ揺動させると、前記右の脚体が前方に移動した状態で底足部が接地し、接地している左の脚体が浮いて、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により左の脚体が自重により前方向に揺動し、
前記駆動手段により揺動体を左方向に揺動させて重心移動させ、胴体部を左方向へ揺動させると、前記左の脚体が前方に移動した状態で底足部が接地し、接地している右の脚体が浮いて、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により右の脚体が自重により前方向に揺動して歩行させるようにしたことを特徴とする歩行体の歩行方法。
また、所謂「のこのこ」と称されている歩行玩具と似た可愛らしい歩行動作をするにもかかわらず、歩行のために傾斜面を必要としないという効果を有する。特に、動物やアニメーションキャラクタ等を模した人形体として構成した場合には、頭部を揺動体とすることにより頭部を左右方向へ揺動させ、さらに胴体部を揺動させながら歩行させることができるので、外観上のデザインに合わせて可愛らしく歩行させることが出来るという効果を有する。
また、床面と接する底足部の形状を湾曲面としているので床面との接触による摩擦抵抗が少なくなり、歩行のテンポに合わせて胴体部自体が脚体の長手方向を軸として左右方向へ交互に小刻みに回動する。このように、胴体部を左右に振りながら歩行をさせることができ、玩具としてかわいらしい歩行形態を提供することが出来るという効果を有している。
また、歩行体は揺動体の揺動に伴う胴体部の揺動によって脚体を動作させるものであり、当該胴体部の揺動や脚体の揺動は、歩行体全体の重量や重心位置、揺動体を動作させる駆動手段の強さ等がバランスよく所定の条件を満たした場合に円滑に行われるものである。当該所定の条件は最終的には実験によって求められるものであるため、歩行体の重量や重心位置を変化させやすい構造であることが望ましい。本願発明に係る歩行体では、揺動体の駆動機構に磁石とコイルを用いた簡単な機構を用いることにより、歩行体内における駆動機構の配置位置や重量設定等が比較的変更しやすくなっている。これにより、外観形状の異なる他のデザインの歩行体を形成する場合であっても、円滑な歩行を行わせるためのバランスが取りやすいという効果を有している。
図1は本願発明に係る歩行体のうち、最良の形態としての歩行玩具1を表したものであり、図1(a)は歩行玩具1を側面側から表した断面図、図1(b)は当該歩行玩具1が有している左右一対の脚体2の底面(底足部)を表した図である。また、図2(a)は図1(a)のA−A線断面図、図2(b)は図1(a)のB−B線断面図を表している。
歩行玩具1は、前記左右一対の脚体2と、当該脚体2を揺動自在に枢支した胴体3と、当該胴体3に揺動自在に枢支された揺動部材としての頭体4を有している。また、歩行玩具1は、前記頭体4を揺動駆動するための駆動手段5を有している。
歩行玩具1の一部を構成する胴体3は、人形体として所定の外観形状にデザインされた上下に開口を設けた筒状の筒状部6と、当該筒状部6の上端部7開口に略垂直に一体的に設けた板状の保持板8を有している。また、前記左右一対の脚体2を揺動自在に枢支する支軸9の両端をそれぞれ支持する軸受部10(10a、10b)が、前記筒状部6の上端部(上端開口)7内周に一体的に設けられている。
脚体2は、上端が前記支軸9に枢支された脚軸11と、当該脚軸11の下端に形成した接地部材12を有している。当該接地部材12の底面には、歩行玩具1の歩行時に床面と接する底足部13が設けられている。
当該底足部13は前記脚軸11に対する取り付け部付近を中心として、前半部は前方上方に向う湾曲した傾斜面を有し、後半部は前記脚軸11と略直角若しくは後方上方に向ってやや湾曲した緩やかな傾斜面を有した形状に形成されている。また、左右の各底足部13は前記脚軸11に対する取り付け部付近を中心として、各左右外側方向に向かって上方に向う湾曲した傾斜面を有している。
すなわち、前記左右の各底足部13は、脚軸11に対する取り付け部付近を中心として、前方および左右外側方向へ向って上方に傾斜する湾曲面を有し、後方に向かって脚軸11と略直角な面若しくは上方に若干傾斜した湾曲面を有した3次元的な曲面に形成されている。
また、接地部材12は、支軸9を設けた胴体3の下端開口16から突出した状態で前後方向へ揺動できるように設けられており、当該揺動によって胴体3を前方に進行させるようになっている。
本実施の形態では、頭体4は下部に開口18を有する中空の球状体として形成されており、前面には目や鼻等の人形体としてのデザインを表す所定の凹凸や彩色が行われた部材である。
前記胴体3と一体的に形成された保持板8には、前記頭体4の軸受部17が設けられている。当該軸受部17には軸19が挿通されており、また、当該軸19は頭体4の下端中央の前後方向にそれぞれ設けられた軸受部20に回動自在に支持されている。当該構成によって、頭体4が左右方向へ揺動可能となっている。
前記制御部22は、電池23の電力によって一定間隔で前記コイル21に所定の電流を出力するように、電気回路および電子部品によって構成されたものである。制御部22は
、一方のコイルに所定時間電流を出力し、所定時間経過後に通電を停止し他方のコイルに所定時間電流を出力する制御を繰り返すように設定されている。当該制御部22によって一方のコイル21にのみ電流が流れると、当該コイルが電磁石として作用し、前記頭体4に固定した2個の磁石MGを吸引して頭体4を通電したコイル側に傾けさせるようになっている。また、反対側のコイルにのみ通電を行うと当該コイル側に頭体4が傾き、以後コイルに対して交互に通電を行うことにより通電を行ったコイル側に頭体4が傾くという動作を繰り返し、頭体4が揺動動作を繰り返すようになっている。
頭体4のフック25は、頭体4の回動中心である軸19から、半径方向に略6mm程度隔たった位置にアーム27を介して設けられている。頭体4が中立の状態では、スプリング24が一番縮んだ状態でアーム27、スプリング24が一直線状を為し、頭体4が左右の何れかに傾くとスプリング24が伸びるとともにアーム27とスプリング24との間に屈曲が生じるようになっている。頭体4が傾くと、前記アーム27とスプリング24との屈曲を無くす方向にスプリング24の引っ張り力が作用し、当該引っ張り力は屈曲角度が大きくなる程強くなるようになっている。
また、当該突片31は、前記頭体4の左右への揺動とともに回動するフック25と係合可能となっている。突片31は、脚体2が後方側へ傾くと当該脚体2の回動に伴って下降する。突片31が下降した状態で、頭体4が揺動してフック25が上方に向かって回動すると、当該フック25が突片31の下面と衝撃的に当接する。フック25が突片31に当接すると、フック25を押し上げて脚体2を回動させる力が生じ、脚体2を後方から前方に傾けるようになっている。歩行時には、左右の脚体2それぞれに同様の動作が行われ、交互に脚体2を揺動させるようになっている。
当該電池23は、電力の供給を目的とする他、頭体4の揺動動作が円滑に行われるように、頭体4の重心位置を決定する錘としての機能も有している。また、頭体4は、揺動によって生じた運動量を胴体3に伝達して胴体3を揺動させる揺動部材であるので、一定の重量を有している必要がある。電池23は、当該目的のために頭体4の重量を増加させる錘としての機能も有している。
図3(a)の左側の図は歩行玩具1の歩行開始前の直立した状態を表した左側面図であり、図3(a)の右側の図は同状態の前記頭体4およびアーム27とスプリング24の関係を表した背面図である。この状態では、左右の各脚体は揃っていて各脚軸がそれぞれ床面に対して略直角であり、頭体4も中立位置となっている。
図3(b)の左側の図は歩行玩具1が歩行を開始した状態を表した左側面図であり、図3(b)の右側の図は同状態の前記頭体4およびアーム27とスプリング24の関係を表した背面図である。図3(b)は、頭体4が左側へ傾いた状態の歩行状態を表している。頭体4が左側へ傾くと歩行玩具1の重心が左側へ移動する。前述のように左右の脚体2は
、脚軸11に対する取り付け部付近を中心として左右外側方向に向かって上方に傾斜した湾曲面によって床面と接しているので、当該頭体4の左右への揺動に応じて歩行玩具1(胴体3)は左右に傾動するようになっている。従って、歩行玩具1の重心が左側へ移動すると、当該重心の移動に伴って底足部13の湾曲面と床面との接地位置が外側に移動し、当該接地位置の移動とともに、右側の脚体を若干床面から持ち上げるまで歩行玩具1が左側に傾動する。
左の脚体2の接地が解除され、床面に対する垂線よりも脚体2が前方に傾き、当該脚体2の傾きによって歩行玩具1全体の重心位置が前方に移動する。歩行玩具1全体の重心位置が前方へ移動すると、右の脚体2の床面と接している部分が前方へ移動する。底足部13には前方に向かって上方傾斜した湾曲面が形成されているので、当該湾曲によって転がるように接地部分が前方へ移動し、当該接地部分の移動に伴って右の脚体2は垂線よりも後方に傾斜する。このように、浮いた脚体2が前方に揺動すると、これに伴って歩行玩具1が前方に移動し、接地している脚体2が後方に取り残される形で後方に向かって傾斜し、見かけ上は人形が一歩踏み出したように歩行玩具1を一歩前進させることができる。
また、当該脚体2の前方への揺動動作の際には、前述したように頭体4のフック25が脚体2の突片31と当接して脚体2を前方へ付勢するようになっており、脚体2の自重によって揺動動作を補助するようになっている。
以上のように、本実施の形態に係る歩行玩具1は頭体4の傾き方向を変えることによって左右方向への重心位置を変化させ、当該重心位置の変化に伴って左右の脚体2を交互に揺動させ、一歩一歩前進させることができるようになっている。
御は、前記制御部22が記憶している所定のプログラムによって行われる。
所謂「のこのこ」と称される歩行玩具は、人形体の重量、重心位置、底足部13の湾曲形状等の所条件が整った場合に、円滑に歩行を行わせることができるものである。歩行玩具の外観形状は、所定のアニメーションキャラクタに似せる等予めデザインが定められている場合が多く、外観形状の変更には制約が設けられている。また、外観形状が異なると、同一の駆動機構を用いたとしても歩行玩具全体のバランスが崩れて円滑な歩行が出来なくなってしまう。
当該外観形状の変更に制約が設けられている等の状態で、前述のように人形体の重量、重心位置等を適切な状態とするには、内部機構の配置等を実験的に求める必要がある。本実施の形態ではコイル21と磁石MGの吸着・反発を利用した方式を採用している。コイル21と磁石MG間には機械的な連結が無いので両者の配置位置、大きさ、重量等の設定が比較的自由であり、円滑な歩行を行わせるための好適な条件を見いだしやすいという作用・効果がある。
このような磁石とコイルの配置は、歩行体の外観形状や歩行のために要求される重量バランス等を考慮し、適時選択的に採用されるものである。
2 脚体
3 胴体
4 頭体
5 駆動手段
6 筒状部
7 上端部
8 保持板
9 支軸
10(10a、10b) 軸受部
11 脚軸
12 接地部材
13 底足部
14 金属塊
15 空洞部
16 下端開口
17 軸受
18 開口
19 軸
20 軸受部
21 コイル
22 制御部
23 電池
24 引っ張りコイルスプリング
25 フック
26 フック
27 アーム
28 蓋体
MG 磁石
Claims (4)
- 胴体部と、
当該胴体部に対して前後方向へ揺動自在に枢支された左右一対の脚体と、
前記胴体部に対して左右方向へ揺動自在に枢支された揺動体と、
当該揺動体を揺動させる駆動手段とを有し、
前記脚体は、脚軸と、脚軸の下端に形成した接地部材を有し、
前記接地部材の底面には、前後方向および左右方向へ向かって傾斜した傾斜面若しくは湾曲面を形成した底足部が設けられ、
前記接地部材は、後半部が前半部より重たくなるように形成されており、
前記駆動手段による揺動体の揺動に伴って前記胴体部を左右方向へ揺動させて接地している一方の前記底足部を浮かせると、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により一方の脚体が前方向へ揺動して進行させるように構成したことを特徴とする歩行体。 - 前記揺動体は、前記胴体部の上部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の歩行体。
- 前記駆動手段は、永久磁石とコイルを用いた電磁石の吸着と反発を利用したものであることを特徴とする請求項1または2記載の歩行体。
- 胴体部に前後方向へ揺動自在に設けた左右一対の脚体と、胴体部に左右方向へ揺動自在に設けた揺動体と、前記揺動体を揺動させる駆動手段とを有し、前記脚体は、脚軸と、脚軸の下端に形成した接地部材を有し、当該接地部材は後半部が前半部より重たくなるように形成され、前記接地部材の底面に、前後方向および左右方向へ向かって傾斜した傾斜面若しくは湾曲面を形成した底足部が設けられた歩行体において、
前記駆動手段により揺動体を左方向に揺動させて重心移動させ、胴体部を左方向へ揺動させると、接地している右の脚体が浮いて、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により右の脚体が自重により前方向に揺動し、
前記駆動手段により揺動体を右方向に揺動させて重心移動させ、胴体部を右方向へ揺動させると、前記右の脚体が前方に移動した状態で底足部が接地し、接地している左の脚体が浮いて、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により左の脚体が自重により前方向に揺動し、
前記駆動手段により揺動体を左方向に揺動させて重心移動させ、胴体部を左方向へ揺動させると、前記左の脚体が前方に移動した状態で底足部が接地し、接地している右の脚体が浮いて、後半部が前半部より重たくなる接地部材の構成により右の脚体が自重により前方向に揺動して歩行させるようにしたことを特徴とする歩行体の歩行方法。
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