JP4376478B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーとキャリアを有する二成分現像方式を用いる複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に現像装置について改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置では、例えば特開平05−107989号公報や特開平05−107990号公報に開示されているように、トナー及びトナー像担持体の帯電極性とは逆極性に帯電し、非画像領域に付着しているキャリアを、トナー像担持体上のトナー像を転写材に転写後、ブラシによりトナー像担持体表面から完全に除去し、それによってキャリアのブレードへの到達による感光体表面の傷付きをなくすようにしたものがある。
このようなブラシ方式を用いたキャリア除去は、転写材に像担持体上のトナー像を転写後に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトナーとキャリアを有する二成分現像方式において、現像剤担持体により二成分現像剤が像担持体にたどり着くと、現像剤担持体と像担持体電位の差により現像が行われる。像担持体上に潜像が有る場合は、トナーが像担持体側に引き寄せられるが、像担持体上に潜像が存在しない場合は、現像剤担持体側にトナーが引き寄せられる。
【0004】
上記の現像方式で、トナー消費の少ない(低濃度)画像を取り続けると、現像剤担持体上に常にトナーが引き寄せられ、二成分現像剤が現像剤担持体上から離れるときに現像剤担持体上に引き寄せられたトナーが離れにくくなる。このトナーは経時劣化し、現像剤担持体上にトナー固着する結果、画像濃度低下などの画像品質が劣化につながる。
【0005】
また、現像を行うと、現像剤担持体から微量のキャリアが像担持体に引き寄せられて付着することがある。この現象は、画像を乱すばかりではなく、画像形成装置内の部品を損傷させる恐れがある。
【0006】
そこで本発明は、現像剤担持体で保持されている二成分現像剤が像剤担持体を通過後、常に現像剤担持体側に引き寄せられていたトナーを現像剤担持体表面からブラシによって剥ぎ取り、ブラシローラ内部に磁力保持部材を所有することで、一度像担持体に引き寄せられたキャリアを直ちにブラシ表面に回収することにより、現像剤担持体にトナーを付着させず、画像品質の劣化を生じず、キャリアにより画像を乱さず、構成機器にもダメージを与えない画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、上記目的を達成するために、像担持体と、「トナーとキャリアとを有する二成分現像剤を担持して上記像担持体上の現像位置に回転搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の二成分現像剤の厚さを規制する現像剤規制部材と、キャリアを回収するための磁力保持部材を内包し上記現像剤担持体上のトナーを除去するブラシローラとを有する現像装置」と、を備えた画像形成装置であって、上記現像装置のブラシローラは、上記現像剤担持体の回転方向の上記現像位置下流側であって上記ブラシローラのブラシ先端と上記像担持体表面とが接触せず且つ上記磁力保持部材の磁力により像担持体上のキャリアが飛翔し得る距離に離間されるよう設置され、上記ブラシ先端と上記現像剤担持体表面とが接触するように設けられており、かつ上記ブラシローラは、「所定の位置に固定された磁力保持部材と、該磁力保持部材とは独立に回転可能な非磁性導電層と、該非磁性導電層上に形成されたブラシから構成され、上記非磁性導電層は上記現像剤担持体とは逆方向に回転し、上記像担持体上に付着したキャリアを上記磁力保持部材の磁力により上記ブラシに飛翔させて回収し、上記磁力保持部材の磁極配置により回収されたキャリアが上記現像装置内で上記ブラシローラから離れるようにし、かつ上記現像剤担持体上のトナーを上記ブラシにより掻き落とす構成とした」ことを特徴とする。
【0008】
従来のトナーとキャリアを有する二成分現像方式において、現像剤担持体にトナーが固着(蓄積)してしまった場合は、取り除くことが出来ない。そこで本発明は、ブラシローラを現像装置内に搭載し、ブラシローラ内部に磁力保持部材を有することで一度像担持体に引き寄せられたキャリアを、直ちに回収し、像担持体通過後の現像剤担持体上をブラシまたはブラシに保持されている現像剤による摩擦で現像剤担持体上にトナーが蓄積するのを防ぐ。
尚、ブラシローラが適切な場所に存在しないと像担持体の表面に引き寄せられたキャリアを回収することができない。また現像剤担持体上にブラシが届かずトナーが現像剤担持体に残りいずれ現像スリーブ上にトナーが固着し、画像品質の劣化を生じる。そこで本発明では、ブラシの設置場所として現像剤担持体の下流に位置し、電界印加部材表面と像担持体表面の距離は、キャリアが飛翔しうる距離であり、ブラシ表面と現像剤担持体表面の距離は、ブラシが現像剤担持体表面に触れる場所に設置することにより、像担持体上にキャリアを付着させたまま現像工程を終了することなく、現像剤担持体上にトナーを残留させないことにより、画像品質の劣化を生じないようにする。
【0010】
さらに本発明では、ブラシローラを現像剤担持体と逆方向に回転し、像担持体上に付着したキャリアを磁力保持部材の磁力により、ブラシに飛翔させて回収し、磁力保持部材の磁極配置により回収されたキャリアが現像装置内でブラシローラから離れるようにし、かつ現像スリーブ上のトナーをブラシにより掻き落とすようにする。
【0011】
同請求項2に係るものは、上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置において、上記ブラシローラの回転速度が上記現像剤担持体の線速度の0.5〜3倍であることを特徴とする。
【0012】
ブラシローラの回転速度が遅すぎる場合、現像剤担持体上の現像剤がブラシによりせき止められ、現像器から現像剤があふれ出して故障の原因となる。また回転速度が速すぎると、像担持体に近接してブラシローラが回転していることから、像担持体上のトナー像を乱し画像の劣化や、トナー飛散につながる。そこで現像剤担持体の回転線速の0.5〜3倍とすることにより、現像剤担持体上の現像剤の流れを妨げることなく、像担持体上のトナー像にも影響を与えることなく、像担持体上のキャリアの除去と、現像剤担持体上のトナーを残留させないことにより、画像品質の劣化を生じないようにする。
【0013】
同請求項3に係るものは、上記目的を達成するために、請求項1または2の画像形成装置において、上記ブラシローラが、マグネットローラとの表面に非磁性導電層を形成し、該非磁性導電層の表面にブラシ状に導電性磁性繊維を植毛した繊維保持型磁気ブラシローラであることを特徴とする。
【0014】
通常のブラシの繊維を用いて像担持体上に接することなく像担持体上のキャリアを除去を行うには、ブラシの内部の磁力保持部材をかなり強力なものにし、かつ磁力の効果を最大限利用するために、ブラシ先端と像担持体が接触せずに最近接する必要がある。そこでブラシの繊維に導電性磁性繊維を用いることにより、磁力がブラシ先端まで有効になり、内部の磁力保持部材を強力なものにすることなく、像担持体とブラシ先端との距離を離しても像担持体上のキャリアを回収することができ画像品質の劣化と装置構成機器にダメージを与えないようにする。
【0015】
同請求項4に係るものは、上記目的を達成するために、請求項3の画像形成装置において、上記導電性磁性繊維が、磁性材料を分散した導電性樹脂が繊維状に加工された合成繊維からなることを特徴とする。
【0016】
同請求項5に係るものは、上記目的を達成するために、請求項3の画像形成装置において、上記導電性磁性繊維が、磁性アモルファス金属繊維からなることを特徴とする。
【0017】
同請求項6に係るものは、上記目的を達成するために、請求項3の画像形成装置において、上記導電性磁性繊維が磁性スチール繊維からなり、上記繊維保持型磁気ブラシローラを、上記現像剤担持体との当接部において上記磁性スチール繊維の先端が上記現像剤担持体から適宜距離をおいて非接触であり、上記現像剤担持体表面のトナーを上記磁性スチール繊維先端に形成される磁性微粒子の磁気ブラシチェーンの先端部によって掻き落とし可能に配置してなることを特徴とする。
【0018】
上記請求項3の発明のように、繊維保持型磁気ブラシローラの導電性磁性繊維が磁性スチール繊維で構成されていると、磁性スチール繊維先端で現像スリーブを直接擦るトナーの除去はできるが、そうすると現像スリーブが傷つき、ダメージを与えてしまう。そこで現像剤担持体との当接部において磁性スチール繊維の先端を現像剤担持体から適度な距離をおいて非接触とし、現像剤担持体表面のトナーは磁性スチール繊維先端に形成される磁性微粒子の磁気ブラシチェーンの先端部によって掻き落とされるようにすることにより画像品質の劣化を生じず、装置構成機器にダメージを与えないようにする。
【0019】
同請求項7に係るものは、上記目的を達成するために、請求項1ないし3のいずれかの画像形成装置において、上記ブラシ表面に付着したトナーやキャリアを該ブラシ表面上から物理的に剥ぎ取る機構を上記現像装置内に備えることを特徴とする。
【0020】
電界印加部材表面に付着したトナー及びキャリアを剥ぎ取る機構が存在しないと、ブラシにトナーが蓄積し、ブラシの毛倒れし、感光体から回収したキャリアを巻き込んでブラシが固着し、いずれ現像剤担持体との擦れが少なくなり、現像剤担持体上のトナーを掻き取れなくなり、画像品質の劣化を生じる。そこでブラシに付着したトナー及びキャリアを物理的に剥ぎ取る機構を有することにより、トナーがブラシに蓄積し、毛倒れすることなく、回収したキャリアを巻き込んでブラシ上のトナーが固着せず安定して現像剤嘆じたと擦れることで画像品質の劣化を生じないようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお以下に説明する実施形態は、本発明を画像形成装置である電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した例を示す。
【0022】
図1、図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の構成概略を示す断面図で、現像装置1とトナー補給装置20と感光体ユニット40から構成されており、図示のように像担持体として感光体ドラム41に向けた開口部から一部が露出するように現像ローラ2が配置されている。この現像ローラ2は、複数のマグネット2bを所定位置に内蔵し、このマグネットとは独立に回転する現像スリーブ2a等で構成されている。
【0023】
現像装置1内には、現像ローラ2の回転方向後方にブラシローラ3が配置されている。ブラシローラ3は、内部に磁力保持部材として複数のマグネット3aを所定位置に内蔵し、このマグネットとは独立に回転する該非磁性導電層が表面であるスリーブ3b、スリーブ3bにブラシ状に導電性磁性繊維を植毛したブラシ3c等で構成されている。マグネット3aに使用可能な磁力は、50mT〜200mTである。
【0024】
現像スリーブ2aとブラシローラ3のスリーブ3bは、例えばアルミニウムのような導電性の非磁性体により構成され、現像スリーブ2aには、現像バイアス電圧印加手段としての現像バイアス電源4により現像バイアス電圧が印加され、スリーブ3bは、現像スリーブ2aと同電位であることが望ましい。感光体ドラム41上に一度現像ローラ2により可視化されたトナー像が接触していないブラシ3c先端からの放電により乱れることを防ぐためである。
【0025】
ブラシローラ3の設置場所の選定には注意が必要で、下記の二つの条件を満たす場所にブラシローラ3を設置する必要がある。すなわち、現像スリーブ2aとブラシ3cの先端は接触しており、感光体ドラム41上に付着したキャリアを回収するため、ブラシローラ3の設置場所は、感光体ドラム41とスリーブ3bとのギャップとしてキャリアが飛翔しうる距離で、かつブラシ3cが感光体ドラム41に接触しない場所に設置する必要がある。マグネット3aの磁力により感光体ドラム41とブラシローラ3の先端との距離が決まる。好ましくは、強いマグネットを用い、感光体ドラム41とブラシローラ3の先端との距離を出来るだけ広げることである。感光体ドラム41とブラシ3cが接触してしまうとトナー像が乱れてしまい、あまり感光体41と回収ローラ3が離れていると、磁力が感光体41上に届かず、キャリアを感光体上から回収することが出来なくなる。ブラシローラ3は、図示していないモータまたは、駆動部材により現像ローラ2と逆方向に回転し、感光体ドラム41上に付着したキャリアをマグネット3aの磁力により、ブラシ3cに飛翔させ、マグネット3a磁極配置により回収されたキャリアが現像装置1内でブラシローラから離れ、現像スリーブ2a上のトナーをブラシ3cにより掻き落とす構成となっている。
【0026】
このときブラシローラ3の回転線速度を、現像スリーブ2aの回転線速度0.5〜3倍望ましくは等倍から2倍とすることにより、現像ローラ2上の現像剤の流れを妨げることなく、感光体ドラム41上のトナー像にも影響を与えることがなく、感光体ドラム41上のキャリアの除去と、現像ローラ2上のトナーを残留させないことにより、画像品質の劣化が生じない。ブラシ3cを導電性にし、現像スリーブ2aと同電位にすることにより、ブラシ3c先端からの放電によって感光体ドラム41上のトナー像に影響を与えることもなくなる。
【0027】
ブラシ3c上に付着したトナーやキャリアをブラシ3cから分離するために現像装置1内部にブレード6をブラシ3cに接触するように配置する。このとき、あまり強くブレード6をブラシ3cに接触させるとブラシ3cの毛倒れの原因となるので注意が必要である。ブレード6の材質としては、SUS板等の金属板またはウレタンゴム等のゴム板またはプラスチック板とし得る。
【0028】
現像剤中のトナーは、トナー粒子のみまたはこれに添加剤を加えた粉状体であり、また現像剤中のキャリアとしては、例えば鉄粉、フェライト粉、酸化鉄粉、あるいはその各粒子を樹脂でコートしたもの等が用いられる。
【0029】
反時計方向に回転している現像ローラ2の現像スリーブ2aに、現像バイアス電源4によって現像バイアス電圧が印加され、現像スリーブ2a上に担持された現像剤は、現像ローラ2の磁力で現像ローラ2上に担持され、現像ドクタ8で所定厚みに規制された後、感光体ドラム41との対向部へと搬送され、時計方向に回転している感光体ドラム41上に形成された静電潜像が現像される。
【0030】
図3のブラシローラは、マグネット3aの外周面の非磁性導電層のスリーブ3b周面に、磁性材料を分散した導電性樹脂が繊維状に加工された導電性磁性繊維(合成繊維)3dをブラシ状に植毛した繊維保持型磁気ブラシローラ3eである。
【0031】
感光体ドラム41上のトナー像を乱さないために、導電性磁性繊維3d先端と感光ドラム41表面間のギャップ長△Gは0より大とし、具体的には感光ドラム41の表面から約0.5mm離間させて非接触に回転させても導電性磁性繊維3dの先端に磁気拘束力が働くので感光体上に付着したキャリアの回収と回収したキャリアの保持力が向上し、キャリアの飛散や感光体ドラム41表面への再付着を抑制することができる。また、導電性磁性繊維3dなので、現像スリーブ2aを傷つけることなくトナーを除去することができる。
【0032】
図4の磁気ブラシローラは、マグネット3aの外周面の非磁性導電層のスリーブ3b周面に磁性スチール繊維3fをブラシ状に植毛したスチール繊維磁気ブラシローラ3gである。感光体ドラム41上のトナー像を乱さないために、磁性スチール繊維3fの先端と感光体ドラム41表面間のギャップ長△Gは0より大とし、具体的には感光ドラム表面から約0.5mm離間させて非接触に回転させても磁性スチール繊維3fの先端に磁気拘束力が働くので、感光体ドラム41上に付着したキャリアの回収と、回収したキャリアの保持力が向上し、キャリアの飛散や感光体ドラム41表面への再付着を抑制することができる。
【0033】
スチール繊維3fの先端と現像スリーブ2a表面間のギャップ長△Gは0より大とし、具体的には現像スリーブ2a表面から約0.5mm離間させて非接触に回転させてもスチール繊維3fの先端に磁気拘束力が働くので感光体ドラム41上に付着したキャリアの回収と回収したキャリアの保持力が向上し、キャリアの飛散や感光体ドラム41表面への再付着を抑制することができる。
【0034】
これにより、安価な磁性スチール繊維3fを用いながら現像スリーブ2a表面をこの硬質な繊維先端で傷つけることなくトナーの除去が行える。
【0035】
図5の磁気ブラシローラは、回転磁石ローラ24の外周面の非磁性導電層のスリーブ3b周面に、Co-Fe−Cr−Si−Bの合金組成から成る磁性アモルファス金属繊維3hをブラシ状に植毛したアモルファス金属繊維磁気ブラシローラ3iである。感光体ドラム41上のトナー像を乱さないために、磁性アモルファス金属繊維3hの先端と感光体ドラム41表面間のギャップ長△Gは0より大とし、具体的には感光ドラム表面から約0.5mm離間させて非接触に回転させても磁性アモルファス金属繊維3hの先端に磁気拘束力が働くので感光体ドラム41上に付着したキャリアの回収と、回収したキャリアの保持力が向上し、キャリアの飛散や感光体ドラム41表面への再付着を抑制することができる。
【0036】
このアモルファス金属繊維磁気ブラシローラ3iの先端と現像スリーブ2a別間のギャップ長△Gは0以下とし、磁気ブラシローラ3iの先端を現像スリーブ2a表面に完全に接触した状態で当接させている。アモルファス金属繊維3hは特性上機械的強度が高く、変形に対する復元力も高いため、長期間の使用に耐える耐久性を有すると共に、100μm以下の細かい繊維化も容易なため柔軟性も高くでき、現像スリーブ2a表面を傷つけることなくトナーの除去が行える。
【0037】
なお以上説明してきた実施形態において使用したトナーは、流出開始温度は105℃(非常に低融点なトナー)、ワックスを重量比で5%含有し、体積平均粒径が6μm(小粒径)のものである。流出開始点は島津製高架式フローテスターにて測定した。測定条件は、ダイ径:1.0mm、荷重:20.0kg、昇温速度:6.0deg/minで行った。現像剤担持体へのトナー固着は、ワックス含有量、トナー粒径、流出開始温度の影響が大きく、ワックスを多く含有する、融点が低い、小粒径であるトナーを用いた時に固着が発生しやすいことが知られている。固着しやすいトナーに対しても有効である。ブラシ繊維の形状としては、直毛または、ループなどが有効である。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、ブラシローラを現像装置内に搭載し、ブラシローラ内部に磁力保持部材を有することで、一度像担持体に引き寄せられたキャリアを直ちに回収し、ブラシローラに像担持体通過後の現像剤担持体上をブラシや現像剤による摩擦で現像剤担持体上にトナーが蓄積するのを防ぎ、画像品質の劣化と画像形成装置としての構成機器にダメージを与えないようにできるという効果がある。
【0039】
また、ブラシの設置場所を現像剤担持体の下流に位置し、電界印加部材表面と像担持体表面の距離はキャリアが飛翔しうる距離であり、ブラシ表面と現像剤担持体表面の距離はブラシが現像剤担持体表面に触れる場所に設置することにより、上記の効果に加え、像担持体上にキャリアを付着させたまま現像工程を終了することなく、現像剤担持体上にトナーを残留させないことにより、画像品質の劣化を生じないという効果を奏する。
【0040】
請求項2に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、現像剤担持体の回転線速の0.5〜3倍とすることにより、上記請求項1との共通の効果に加え、現像剤担持体上の現像剤の流れを妨げることなく、像担持体上のトナー像にも影響を与えることなく、像担持体上のキャリアの除去と、現像剤担持体上のトナーを残留させないことにより、画像品質の劣化を生じないという効果を奏する。
【0041】
請求項3に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、ブラシの繊維に磁性繊維を用いることにより、請求項1または2との共通の効果に加え、磁力がブラシ先端まで有効になり、内部の磁力保持部材を強力なものにすることなく、像担持体とブラシ先端との距離を離しても像担持体上のキャリアを回収することができ、画像品質の劣化と画像形成装置を構成する機器にダメージを与えないようにできるという効果がある。
【0042】
請求項4に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、導電性磁性繊維先端と像担持体表面を非接触に回転させても導電性磁性繊維の先端に磁気拘束力が働くので、請求項3との共通の効果に加え、像担持体上に付着したキャリアの回収と回収したキャリアの保持力が向上し、キャリアの飛散や像担持体表面への再付着を抑制し、現像スリーブを傷つけることなくトナーを除去することができ、画像品質の劣化と画像形成装置を構成する機器にダメージを与えないようにできるという効果がある。
【0043】
請求項5に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、磁性アモルファス金属繊維先端と像担持体表面を非接触に回転させても磁性アモルファス金属繊維の先端に磁気拘束力が働くので、請求項3との共通の効果に加え、像担持体上に付着したキャリアの回収と回収したキャリアの保持力が向上し、キャリアの飛散や像担持体表面への再付着を抑制し、アモルファス金属繊維磁気ブラシローラの先端と現像スリーブ表面を完全に接触した状態で当接させてもアモルファス金属繊維は特性上機械的強度が高く、変形に対する復元力も高いため、長期間の使用に耐える耐久性を有し、また細かい繊維化も容易なため、柔軟性も高くでき、現像スリーブ表面を傷つけることなくトナーの除去することができ、画像品質の劣化と画像形成装置を構成する機器にダメージを与えないようにできるという効果がある。
【0044】
請求項6に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、現像スリーブとの当接部において、磁性スチール繊維の先端は現像スリーブから適度な距離をおいて非接触であり、現像剤担持体表面のトナーは、磁性スチール繊維先端に形成される磁性微粒子の磁気ブラシチェーンの先端部によって掻き落とされるようにしたことにより、請求項3との共通の効果に加え、画像品質の劣化を生じず、画像形成装置にダメージを与えないようにできるという効果がある。
【0045】
請求項7に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、ブラシに付着したトナー及びキャリアを物理的に剥ぎ取る機構を有することにより、請求項1ないし3のいずれかとの共通の効果に加え、トナーがブラシに蓄積し、毛倒れすることなく、回収したキャリアを巻き込んでブラシ上のトナーが固着せず、安定して現像剤担持体と擦ることで画像品質の劣化を生じさせないようにできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態の構成概略を示す断面図である。
【図2】同要部拡大断面図である。
【図3】ブラシローラの他の例を示す図2相当の断面図である。
【図4】磁気ブラシローラの例を示す図2相当の断面図である。
【図5】磁気ブラシローラの他の例を示す図2相当の断面図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 現像ローラ
2a 現像スリーブ
2b マグネット
3 ブラシローラ
3a マグネット
3b スリーブ
3c ブラシ
3d 導電性磁性繊維
3e 繊維保持型磁気ブラシローラ
3f 磁性スチール繊維
3g スチール繊維磁気ブラシローラ
3h 磁性アモルファス金属繊維
3i アモルファス金属繊維磁気ブラシローラ
4 現像バイアス電源
5 清掃バイアス電源
6 ブレード
8 現像ドクター
9 攪拌スクリュー
10 トナーセンサ
11 現像アジテータ
12 搬送スクリュー
20 トナー補給装置
21 トナー補給ローラ
22 トナー搬送ローラ
40 感光体ユニット
41 感光体
42 画像濃度検出素子
43 クリーニングブレード
44 クリーニングローラ
45 搬送スクリュー
Claims (7)
- 像担持体と、
トナーとキャリアとを有する二成分現像剤を担持して上記像担持体上の現像位置に回転搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の二成分現像剤の厚さを規制する現像剤規制部材と、キャリアを回収するための磁力保持部材を内包し上記現像剤担持体上のトナーを除去するブラシローラとを有する現像装置と、
を備えた画像形成装置であって、
上記現像装置のブラシローラは、上記現像剤担持体の回転方向の上記現像位置下流側であって上記ブラシローラのブラシ先端と上記像担持体表面とが接触せず且つ上記磁力保持部材の磁力により像担持体上のキャリアが飛翔し得る距離に離間されるよう設置され、上記ブラシ先端と上記現像剤担持体表面とが接触するように設けられており、
かつ上記ブラシローラは、所定の位置に固定された磁力保持部材と、該磁力保持部材とは独立に回転可能な非磁性導電層と、該非磁性導電層上に形成されたブラシから構成され、上記非磁性導電層は上記現像剤担持体とは逆方向に回転し、上記像担持体上に付着したキャリアを上記磁力保持部材の磁力により上記ブラシに飛翔させて回収し、上記磁力保持部材の磁極配置により回収されたキャリアが上記現像装置内で上記ブラシローラから離れるようにし、かつ上記現像剤担持体上のトナーを上記ブラシにより掻き落とす構成としたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、上記ブラシローラの回転速度が上記現像剤担持体の線速度の0.5〜3倍であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1または2の画像形成装置において、上記ブラシローラが、マグネットローラとの表面に上記非磁性導電層を形成し、該非磁性導電層の表面にブラシ状に導電性磁性繊維を植毛した繊維保持型磁気ブラシローラであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項3の画像形成装置において、上記導電性磁性繊維が、磁性材料を分散した導電性樹脂が繊維状に加工された合成繊維からなることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項3の画像形成装置において、上記導電性磁性繊維が、磁性アモルファス金属繊維からなることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項3の画像形成装置において、上記導電性磁性繊維が磁性スチール繊維からなり、上記繊維保持型磁気ブラシローラを、上記現像剤担持体との当接部において上記磁性スチール繊維の先端が上記現像剤担持体から適宜距離をおいて非接触であり、上記現像剤担持体表面のトナーを上記磁性スチール繊維先端に形成される磁性微粒子の磁気ブラシチェーンの先端部によって掻き落とし可能に配置してなることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし3のいずれかの画像形成装置において、上記ブラシ表面に付着したトナーやキャリアを該ブラシ表面上から物理的に剥ぎ取る機構を上記現像装置内に備えることを特徴とする画像形成装置。
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