JP2004094185A - 画像形成装置 - Google Patents

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石井 宏一
Satoshi Takano
高野 聡
Shinichi Kawahara
川原 真一
Hiroshi Saito
斉藤 洋
Toshihiro Sugiyama
杉山 敏弘
Yuji Arai
荒井 裕司
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Abstract

【課題】クリーニングブラシを用いた場合のクリーニング特性の悪化を防止すると共に、クリーニングブレードによる掻き取り効率を向上させることができる構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像部と非画像部とに形成された画像を一様にクリーニングすることで感光体2に対向して配置されているクリーニング装置に装備されているクリーニングブラシ8Aでの残留付着物の掻き取り量が低下するのを抑制して直接ブラシ先端が感光体2表面に接触することが原因とする帯電量の増加を防止して回収効率が低下しないようにすることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、潜像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉あるいはトナーや転写紙に含まれる添加剤の除去構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写紙などの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されるわけではなく、一部が感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング工程に供される。 上述した添加剤は、転写紙のもでなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるための添加剤が含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング工程では感光体表面に圧接するクリーニングブレードを設け、クリーニングブレードによる感光体表面の研削、いわゆる研磨によって残留物の除去を行う構成が知られており、研磨に際しては研磨剤を供給する方法も知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかし、感光体表面を研磨した場合には、研磨剤や研磨された感光層の一部が現像剤中に混入することがあり、これにより画質の悪化を招いたり、感光層の膜厚変化により帯電特性の変化さらには表面が傷つくなどの不具合を生じる虞があった。そこで、クリーニングブレードのような静的状態を維持する部材の代わりにゴムローラなどの弾性体を感光体表面の移動に連動させる構成も提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、感光体が停止した場合にはゴムローラと感光体との当接位置の残留付着物が感光体表面に押し付けられたままとなり、これにより感光体の表面に残留付着物が積極的に付着してしまうことになる場合がある。
【0006】
感光体表面での研磨量を少なくするには感光体表面とクリーニング部材との間での摩擦抵抗の低減化あるいは感光体表面硬度を上げることが考えられるが、摩擦抵抗を低減した場合には、感光体表面に付着する上述した残留付着物以外の物質である放電生成物の除去ができなくなる虞がある。放電生成物は、放電時に発生するオゾン及び窒素酸化物(NO)やその窒素酸化物に基づく硝酸化合物(硝酸アンモニュウム)が代表的なものである。この場合の放電生成物は、気中放電形式の帯電だけでなく、感光体に接触するローラを帯電部材として用いた場合にも発生する。硝酸化合物は、吸湿性物質で低湿時は抵抗が高く、高湿時には空気中の水分を吸収し抵抗が低くなる。このような放電生成物の残留が継続されると、例えば、硝酸化合物の場合でいうと、これが画像部と地肌部とに跨った状態で存在していると、地肌部での電荷が画像部の方に流れやすくなり、潜像部に相当する画像部での電位が高まることでその部分にトナーが付着しにくくなることが原因する白抜け現象が発生しやすくなる。
【0007】
一方、感光体上で除去されないままの放電生成物やトナーあるいは添加剤等の残留付着物は感光体上で薄層化してフィルミングと称される残留付着物の堆積層を形成する。フィルミングは感光体表面に当接しているクリーニングブレードによる残留付着物の押し付けが原因して助長されるものであり、特に、感光体表面の摩擦係数が高いとクリーニングブレードとの間の摩擦力増加によって促進されやすくなる。しかも、感光体に対して圧接した状態のクリーニングブレード先端にもフィルミング内の残留付着物が堆積する場合もあり、これにより感光体表面に対する異物除去効率が低下することとなり、結果として、フィルミングがさらに起こりやすくなる条件となる。
【0008】
フィルミングが発生すると感光体表面での帯電、現像、転写およびクリーニングニングという各工程での感光体表面の特性悪化が影響して正常に行うことができなくなることにより画像劣化を招く虞がある。特にクリーニング特性が悪化してしまうとクリーニングブレードをすり抜けた残留付着物によるフィルミング領域の拡大が起こりやすくなり、さらに画像劣化が進行しやすくなる。
【0009】
感光体表面の硬度が低い場合にはクリーニングブレードにより感光体表面が削り取られて摩滅することにより感光体表面のリフレッシュ作用が得られるが、近年、感光体の長寿命化という要望にこたえるべく表面硬度の高い材料を用いた場合には感光体表面での削り取りが行われにくいことによってフィルミングを確実に解消することができなくなるという新たな問題が生じる虞がある。
【0010】
一般に感光体として用いられるOPC感光体を対象としてクリーニングブレードを用いた場合の不具合を解消するために、クリーニングブレードに感光体表面が対向する前に感光体表面の残留付着物を掃き取ることができるクリーニングブラシを設け、クリーニングブラシに対してクリーニングブレードと感光体表面との間の摩擦係数を低減するための潤滑剤を塗布するようにした構成が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−169315号公報(「0013」欄)
【特許文献2】
特開平9−237022号公報(「0015」欄)
【特許文献3】
特開2001−235987号公報(「0008」欄および図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、クリーニングブラシを用いて感光体表面のクリーニングを行う場合には、感光体表面からの残留物の回収量によって、次のような新たな問題が発生する。
クリーニングブラシは、感光体表面での付着残留物の除去に加えてクリーニングブレードで掻き落とされた付着残留物が落下するのを受けてそれら付着残留物を感光体表面から異なる位置に向けて搬送する機能を持ち合わせているので、感光体表面での付着残留物の量が少なくなるとクリーニングブラシに付着している付着残留物の量も減少し、ブラシのみが感光体表面に接触する状態に近似してくる。このため、クリーニングブラシに接触する感光体表面が摩擦帯電されやすくなり、感光体表面で帯電ムラが発生したり、感光体からの残留付着物の回収が困難となる虞がある。つまり、感光体表面にブラシそのものが接触しながら移動すると接触位置で摩擦帯電が起こり、掃き取られた残留付着物、特にトナーの帯電量が増加することになる。このため、感光体表面での残留付着物、特にトナーとブラシ側に掃き取られたトナーとが反撥しやすくなることで感光体表面からトナーを回収することが困難となる。
【0013】
クリーニングブラシによる掃き取りに際しては、感光体表面の摩擦係数も影響し、摩擦係数が小さい場合には掃き取りやすいことから感光体表面からのトナーの回収が円滑となる結果、回収されるはずの感光体に残留するトナーが少なくなりやすい。このため、クリーニングブラシと感光体表面とが直接接触する機会が増えることで摩擦帯電が発生しやすくなり、上述した帯電量増加による不具合が助長されてしまうことになる。
【0014】
クリーニングブラシにおける残留付着物の回収効率が低下すると、クリーニングブレードでの掻き取り負荷が増大してしまうことになり、感光体表面に押し付けられる残留付着物の量も増加することになり、結果として、上述したフィルミングの発生も多くなる。
【0015】
本発明の目的は、上記従来のクリーニング装置を備えた画像形成装置における問題に鑑み、クリーニングブラシを用いた場合のクリーニング特性の悪化を防止すると共に、クリーニングブレードによる掻き取り効率を向上させることができる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、感光体表面に接触可能なクリーニングブレードおよびまたはクリーニングブラシを備えたクリーニング装置により感光体表面に残存している異物を除去する構成を備えた画像形成装置において、上記感光体はその表面が上記クリーニングブレードによって削り取りにくい材質で構成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記感光体として、アモルファスシリコンが用いられることを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記感光体として、最表層面に無機粒子を含有する材質が用いられる構成とされていることを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の発明に加えて、上記感光体表面の摩擦係数μがμ=0.2以上とされていることを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニング装置のクリーニングブラシは、その先端が感光体に接触可能なループ形状とされ、該感光体に対する接触面圧が50gf/cm以上に設定された構成とされていることを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうちの一つに記載の発明に加えて、上記感光体における非画像部に現像処理対象となる画像を形成することを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の発明に加えて、上記非画像部に形成される画像は、クリーニング工程において一様な現像剤除去が行える形態で形成されることを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のうちの一つに記載の発明に加えて、上記非画像部に形成される画像は、それまで形成された画像部での画像面積が基準に達しなかった場合に形成されることを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のうちの一つに記載の発明に加えて、上記非画像部に形成される画像は、感光体の主走査方向での書き込み量の多少に対応した濃度を設定されることを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9の一つに記載の発明に加えて、上記非画像部に形成される画像は光書き込みによる静電潜像形成により形成されることを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項1乃至9の一つに記載の発明に加えて、上記非画像部に形成される画像は、帯電電位、現像バイアス転写バイアスのいずれかを画像部でのそれらと異ならせた条件に基づき形成されることを特徴としている。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項1乃至9のうちの一つに記載の発明に加えて、感光体上の画像部に形成された画像の転写に用いられる転写装置が感光体に接触する接触方式の構成である場合には、非画像部に形成された画像が転写位置を通過する際に転写条件を変更若しくは上記感光体から転写装置が離間されることを特徴としている。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項1乃至9のうちの一つに記載の発明に加えて、上記非画像部に形成される画像は、少なくとも最初の画像形成が開始されるとき若しくは最終の画像形成が終了した時のいずれかに形成されることを特徴としている。
【0029】
請求項14記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、上記感光体の回転方向下流側に位置する縁部により残留付着物を掻き取り可能であることを特徴としている。
【0030】
請求項15記載の発明は、請求項1乃至14のうちの一つに記載の発明に加えて、上記感光体およびクリーニング装置に加えて、これら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記感光体およびクリーニング部材とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(請求項1乃至3,14,15記載の発明の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す模式的な配置図であり、同図に示されている画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0032】
図1においてプリンタ1は、ドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。 本実施形態では、感光体ドラム2に対するクリーニング工程を実行するクリーニング装置7の構成として、クリーニングブラシ8とともに感光体ドラム2上の残留付着物を除去するためのクリーニングブレード9が設けられており、図1で示す構成では、感光体ドラム2およびクリーニング装置7を含む画像形成処理に用いられる装置が、符号Pで示すように、画像形成装置に対して着脱可能に設けられているカートリッジ内に装備されている。
図1においてクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の回転方向下流側の縁を感光体ドラム2に対向させて、いわゆるカウンタ当接により感光体ドラム2上の残留付着物を掻き取る構成を備えている。
【0033】
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0034】
図1に示すプリンタ1では、感光体ドラム2が次の構成とされている。
感光体ドラム2としては、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることができる。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
【0035】
感光体ドラム2の層構成に関しては、以下の通りである。
図2は、層構成を説明するための模式的構成図であり、図2(A)に示す感光体2は、支持体2Aの上にa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層2Bが設けられている。
図2(B)に示す感光体2は、支持体2A’の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層2B’と、アモルファスシリコン系表面層2C’とから構成されている。
図2(C)に示す感光体(便宜上、符号12で示す)は、支持体12Aの上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層12Bと、アモルファスシリコン系表面層12Cと、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層12Dとから構成されている。
図2(D)に示す感光体(便宜上、符号12’で示す)は、支持体12A’の上に、光導電層12B’が設けられている。該光導電層12B’はa−Si:H,Xからなる電荷発生層12E’ならびに電荷輸送層12F’とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層12C’が設けられている。
【0036】
層構成に用いられる支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形成し得るように適宜決定するが、画像形成装置用感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0037】
層構成に用いられる注入防止層は、アモルファスシリコン感光体には必要に応じて導電性支持体と光導電層との間に設けられることにより、導電性支持体側からの電荷の注入を効果的に阻止するために設けられている。すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、および経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0038】
層構成における光導電層は、必要に応じて下引き層上に形成され、光導電層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
【0039】
層構成での電荷輸送層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子と弗素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性,電荷発生特性および電荷輸送特性を有する。本実施形態においては、酸素原子を含有することが特に好ましい。電荷輸送層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から適宜所望にしたがって決定され、電荷輸送層については、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
【0040】
層構成に用いられる電荷発生層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si:Hから成り、所望の光導電特性、特に電荷発生特性,電荷輸送特性を有する。電荷発生層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとされる。
【0041】
層構成における表面層は、本実施形態におけるアモルファスシリコン感光体において必要に応じて、上述のようにして支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面層を設けられ、アモルファスシリコン系の表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において所定条件を達成するために設けられる。本発明における表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられる。
【0042】
層構成における表面層としては、上述したアモルファスシリコン系の表面層に代えて、例えば、基材に無機粒子を含むファイバーリーンフォースメント(FR)からなる有機感光層とすることも可能である。
【0043】
(請求項4記載の発明の実施形態)
感光体ドラム2における表面の摩擦係数μは、μ=0.2以上とされ、転写後に接触するクリーニング装置7でのクリーニングブラシ8およびクリーニングブレード9との間での摺擦抵抗を低減するようになっている。なお、感光体表面の摩擦係数に関する測定は、図10に示すように、オイラーベルト式(日本機械学会 機械工学便覧 基礎編A3力学・機械力学 P35(1986年発行))と称される測定方式によるものであり、この方式において例えば、重り(W)=100gを吊し、μ=In(F/100)/(π/2))で求める。
【0044】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7に対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の付着残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0045】
(請求項5記載の発明の実施形態)
クリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニングブラシ8がそして下流側にはウレタン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と接触可能にそれぞれ配置されている。さらにクリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向上流側入り口を封止するシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを示している。
【0046】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されたファーブラシを有する構成を備えており、その詳細が図3に示されている。
図3において、クリーニングブラシ8は、感光体ドラム2と接触する位置でファーブラシ8Aが相対する方向に移動できる回転方向が設定されている。
ファーブラシ8Aは、図3(A)に示すように、基布8Bにループ形状の線材基端が植毛されて構成されており、図3(B)に示すように、基布8Bがクリーニングブラシ8の芯金8Cに巻き付けられて一体化されている。
【0047】
本実施例では、ファーブラシ8Aの植毛方向が、図3(B)および(C)に示すように、基布8Bが芯金8Cに巻き付けられる方向で得られる角度(θ)に対応させてあり、さらに、植毛間隔により微細な残留トナーや紙粉あるいは添加物の通過を阻止できるを密度とされている。
【0048】
本実施例でのブラシ線材の植毛密度は、50〜300ループ/inch以上に設定され、さらにファーブラシ8Aの先端での感光体ドラム2に対する接触面圧が50gf/cm以上となるように、ブラシとして用いられる原糸の外径(太さ)および基布8Bからの張り出し長さ(ループ長さ)が設定されている。この場合にいう接触面圧は、感光体ドラム2に対して狙いとする食い込み量を確保したときにブラシに生じる反力に相当している。つまり、図11に示すように、平坦面の支持台上にブラシ(図11において基布と植毛部とを含む)を配置し、このブラシに対してこれに対向する平面が単位面積(1cm)を有する棒材などで所定の食い込み量、この場合には1.5mm食い込ませた場合に生じるブラシの反力の大きさに相当している。図11では、平面の面積が1.5cmとされた棒材をブラシに押し当てた場合を対象としているが、より大きな面積の平面を押し当ててブラシに食い込ませ、その反力の大きさをその面積で除算して単位面積あたりでの反力の大きさを得るようにしても良い。これにより、感光体ドラム2の表面にブラシが接触すると、ファーブラシと違って感光体表面での残留付着物の掃き取りに必要な反力が得られることで残留付着物の除去性が高められ、しかも感光体表面への損傷も低減できる。特にブラシを用いた残留付着物の除去性が高められるとそれだけクリーニングブレードでの掻き取り負荷が軽減できることになるのでクリーニングブレードの押し付け作用によるフィルミングの発生も抑制できることになる。
【0049】
本実施形態では、以上のような構成のクリーニング装置7によりファーブラシ8Aが感光体ドラム2の表面に対して線接触しながら移動する。これによりパイル状に先端を形成したファーブラシと違って上述した接触面圧とした場合に感光体ドラム2の表面を傷つけることが抑制され、しかも、その面圧によって感光体ドラム2表面に付着しているトナーや紙粉は勿論のこと、これよりも微細な添加物をも拭き取って除去することができる。
ファーブラシ8Aは感光体ドラム2の回転方向においてクリーニングブレード9の上流側に位置しているので、クリーニングブレード9により掻き取られたトナーが落下した場合にそれを受け止めて感光体ドラム2の表面から遠ざかる位置に向けて搬送することができる。
【0050】
本発明者は、クリーニングブラシ8の機械的な特性である太さ、ループ長さおよび密度を種々設定してそのクリーニング効果について実験したところ、表1に示す結果を得た。
【0051】
【表1】
Figure 2004094185
【0052】
表1に示す結果は、ファーブラシ8Aの原糸の太さを、250d/25F〜300d/15Fとし、ループ長さを、2〜4.5mmとし、密度を、50〜450ループ/inchとし、クリーニングブレード9の感光体ドラム2に対する接触圧力を21g/cmとして10℃15%RHの低温低湿環境を設定した場合の結果である。また、このときのクリーニングブラシの移動速度は、感光体ドラム2の速度の0.5〜1.6倍程度に設定すると良好なクリーニング効果、つまり、殆ど付着残留物が存在していない状態を得ることができた。なお、クリーニングブレード9の接触圧力に関しては上述した低温低湿環境ではなく高温高湿環境とした場合、ブレード先端が感光体ドラム2に引きずられてめくれるという現象がない場合には上述した圧力以上とすることも可能である。
【0053】
本発明者は、感光体ドラム2の摩擦係数μを種々設定してクリーニング効果について、従来の構成と本実施形態での構成とを比較実験したところ、表2、表3に示す結果を得た。表2は従来の構成による結果、表3は本実施形態の構成による結果である。
【0054】
【表2】
Figure 2004094185
【0055】
【表3】
Figure 2004094185
【0056】
表2および3に示す結果のいずれも、300K枚のプリント実行時での結果である。
表2および3とを比較すると明らかなように、本実施形態のようにファーブラシ8Aの感光体ドラム2に対する接触面圧を規定することにより、感光体ドラム2からのトナーを始めとした残留付着物の回収効率が高められることになり、クリーニングブレード9と感光体ドラム2との間の摩擦係数が増加することが原因の一つとなるフィルミングを抑制することができ、これによって、高い摩擦係数であってもクリーニング余裕度が高められることになる。
【0057】
(請求項6乃至13記載の発明の実施形態)
本実施形態は、クリーニングブラシ8におけるファーブラシ8Aの先端と感光体ドラム2とが直接接触する機会を少なくすることによりファーブラシ8Aでの摩擦帯電を抑制することを特徴としている。
【0058】
クリーニング装置7では、感光体ドラム2上で形成される画像部に残留付着しているトナーや紙粉あるいは種々の添加物を対象として除去作業が実行されるが、本実施形態では、画像部と非画像部とにそれぞれ画像を形成してクリーニング装置7において回収される付着残留物の量を均等化するようになっている。これにより、ファーブラシ8Aによって感光体ドラム2から掃き取られるトナーの量が少なくなるのを防いでファーブラシ8Aの先端が直接感光体ドラム2に接触する機会を少なくして帯電量増加を抑えるようになっている。つまり、ファーブラシ8Aの側のトナー帯電量(Q/M)の上昇は、ファーブラシ8Aに含まれるトナー量に影響されるので、本実施形態では、上述したように、画像部と非画像部とにそれぞれ画像を形成することによりファーブラシ8Aでのトナー量の減少、換言すれば、感光体ドラム2から掃き取ることができるトナーが減少するのを抑えるようになっている。
特に、上述したように、感光体ドラム2表面での摩擦係数を0.2以上とした場合には、この値以下の摩擦係数の場合と違ってトナーがファーブラシ8A側に転位しにくくなることからファーブラシ8Aによる掃き取りが困難となることが原因して掃き取られるトナーが少なくなる。このため、継続したクリーニング動作が行われると、次第にファーブラシ8Aの先端が直接感光体ドラム2の表面に接触しやすくなることで摩擦帯電が発生しやすくなる。このような現象に対して本実施形態では、ブラシ側に掃き取られるべきトナーの量を減少させない、換言すれば、掃き取られるトナー量を増加させるようにしてブラシ先端が感光体ドラムに直接接触した際の摩擦帯電量を抑えるようになっている。
【0059】
本実施形態では、画像部同士の間に位置する非画像部に画像を形成するようになっており、非画像部への画像形成は、書き込み装置を用いた光書き込みによって行われる。
光書き込みである場合には、書き込み量が所望の書き込み量に設定できる利点があり、本実施例では、感光体ドラム2の主走査方向が全幅で、副走査方向が0.2mmの線像を形成できる書き込み量とされている。ただし、この書き込み量は、クリーニング装置7による画像部を対象とした付着残留物の回収量に対して極端に少なくしないことが前提であり、感光体ドラム2の線速や感光体ドラム2での摩擦係数や表面粗さ、表面でのうねり等の特性に影響される付着残留物の付着性、さらには使用されるトナーの粒径や流動性および帯電量などの特性によって変更できるものである。
【0060】
非画像部での画像形成は、画像部と非画像部とでクリーニング装置7による付着残留物の回収効率が極端に変化するのを防止することを意図しているので、画像の形成方式においては、上述した書き込み量に基づくだけでなく、ベタ画像や単位面積当たりの現像量を変化させた画像としたり、破線状あるいは形成間隔を順次変化させて線像の場合には順次形成本数が増加したり減少したりすることも可能である。このような画像形成方式を異ならせる目的は、トナーの付着量が多すぎるとクリーニング装置7での回収負荷が増大してしまい、却ってクリーニング効果が低下するのを防止するためである。
【0061】
光書き込みに際しての書き込み条件としては、次の条件がある。
(1)帯電電位を下げる時期よりも前に形成された所定回数での画像部の画像面積が基準に達しなかった場合に光書き込みを行う。
この条件に基づく実施例としては、画像部に形成された画像の画素数が画像面積当たりの3%に満たない場合に次の画像を形成する前に、換言すれば、プリント動作同士の間で上述した書き込み量に基づく画像を1本形成することが挙げられる。
(1)に挙げた条件に基づく別の実施例としては、過去10枚のプリント作業の間に形成された画像の平均画像面積率が3%に満たない画像が含まれていた場合に次の画像を形成する作業前に、換言すれば、プリント動作同士の間で上述した書き込み量に基づく画像を10本形成することが挙げられる。
さらに(1)に挙げた条件に基づく他の実施例としては、過去10枚のプリント作業の間に形成された画像のなかで画像面積率が3%に満たない画像が含まれていた場合に次の画像を形成する作業前に、換言すれば、プリント動作同士の間で上述した書き込み量に基づく画像を1本形成することが挙げられる。
(2)感光体ドラムの主走査方向での書き込み量の多少に応じて少ない場合には光書き込みを行う。
この条件に基づく実施例としては、形成された画像全体(A4版の転写紙であればそのサイズ全体)で主走査方向での画素分布を判別し、画像面積率が3%に満たない状態に相当する部分が存在している場合に上述した書き込み量に基づく画像を1本形成することが挙げられる。
(2)に挙げた条件に基づく別の実施例としては、過去10枚の転写紙を対象として形成された画像全体のなかで主走査方向での画素分布が、3%の画像面積率に満たない状態に相当する部分が存在している場合に上述した書き込み量に基づく画像を3%の画像面積率に満たない画像数(転写紙の枚数)と同じ本数形成することが挙げられる。
非画像部への画像形成に際しては、画像部とはそれぞれ異なる帯電電位、現像バイアスおよび転写バイアスのいずれかあるいは複数が選択される。
【0062】
図4は、非画像部への画像形成に際して非画像部での帯電電位を画像部に対して変更した場合のタイミングチャートを示しており、同図においては、図1に示した転写装置6がコロナチャージャを用いる非接触型の構成が対象となっているまた、使用されるトナーがマイナス帯電されていることが前提となっている。
【0063】
図4以降の示すタイミングチャートは、画像形成処理を実行する各工程が同じ時期に実行されているように示されているが、これは、感光体ドラムを展開して周方向で一枚の転写紙毎で実行される各工程を並べたためであり、実際には、感光体ドラム2の任意の位置が経時的に各工程間を順次移動するので時間軸(水平軸)上でずれたタイミングとなる。
【0064】
図4においては、所定枚数(図4では、2枚毎)のプリント作業実行毎に非画像部への画像形成が行われ、非画像部への画像形成時には画像部での帯電電位よりも下げた電位を設定してその部分にトナーを付着させて地肌汚れを生じさせる。
【0065】
図5は、帯電電位に代えて現像バイアスを変更するタイミングチャートを示しており、同図においては、非画像部での現像バイアスを画像部でのそれよりも高めて現像装置5から供給されるトナーが非画像部に付着しやすい状態とされて地肌汚れを生じさせる。
図4および5に示すタイミングチャートは、図1に示したプリンタ1における転写装置6がコロナチャージャを用いる非接触方式を採用した構成とされているので、非画像部に形成された画像、この場合には地肌汚れとなる部分に付着したトナーはそのままクリーニング装置7に至り、画像部に残留しているトナーの除去と同様に除去されることになる。これにより、画像部での付着残留物の回収率と非画像部での付着残留物の回収率とが大きく変化することがなく、具体的には非画像部を対象とした全粒物の回収率が極端に減少することがないので、クリーニング装置7でのファーブラシ8Aに付着している付着残留物の量が減少したときに発生するファーブラシ8Aの先端が直接感光体ドラム2に接触するような事態が防がれることになる。
【0066】
一方、転写装置6の構成には、図6に示すようにベルトやローラを感光体ドラム2に接触させた接触方式を採用した構成がある。なお、図6において(A)はベルトを用いた構成が示されており、(B)はローラを用いた例がそれぞれ示されている。
(B)に示した構成では、ローラを用いた転写装置7によりトナー像が転写された転写紙が転写装置7の近傍に配置されているベルトを用いた搬送装置14に向けて送り出され、搬送装置14によって定着装置に搬送されるようになっている。
【0067】
このような接触方式による転写装置6を用いた場合には、感光体ドラム2とベルトあるいはローラが常時接触している関係上、非画像部に形成された画像がベルトやローラに転移し、ベルトやローラの汚損や次に送られてくる転写紙の裏面に画像中のトナーが転移することで裏汚れを発生することになる。
このような現象が発生すると、非画像部に形成されている画像中に含まれているトナーの量が少なくなり、クリーニング装置7に至るトナーの量も減少してしまい、結果として、画像部での付着残留物の回収率と大きく異なってしまう。
【0068】
転写装置6に有するベルトやローラへのトナーの転移を防止するには、非画像部が転写装置6を通過するときにベルトやローラを感光体ドラム2から離すことが考えられる、しかし、このような動作を実行した場合には、当接を繰り返すための時間が必要となり、これにより、プリント動作時間が長大化してプリント生産性が低下する虞がある。そこで、本実施例では、転写バイアスを低くしてベルトやローラへのトナーの転移を少なく若しくは全く生じない状態としている。
【0069】
図7は、非画像部への画像形成のために図4に示した帯電電位を下げる場合を対象として転写条件である転写バイアスが低くなるように変更した場合のタイミングチャートである。
同図において、所定回数のプリント動作毎に実行されれる非画像部への画像形成時には転写バイアスが画像部を対象とするそれよりも低くされる。これにより、画像部でのトナーの転写時よりも転写効率を低下させてベルトやローラへのトナーの転移が抑制されることになる。
【0070】
図8は、接触方式の転写装置7に用いられる部材としてベルトを例にした場合にそのベルトが接離する構成の場合のタイミングチャートを示しており、同図においては、ベルトの接離、特に非画像部が転写装置7に対峙した際にベルトが離されるのに同期して転写バイアスが下げられる。
【0071】
次に本発明の実施形態に係る他の実施例について説明する。
本実施例では、非画像部への画像形成が、プリンタ1が始動された直後で最初の画像形成が開始される前、若しくは最終の画像形成が終了した時の少なくともいずれかに実行されることを特徴としている。つまり、画像が形成されるまでの間、感光体ドラム2に対してクリーニング装置7におけるファーブラシ8Aが常時当接しているので画像部を対象として画像形成が開始されるまでの間にファーブラシ8A中に含まれるトナーの量が減少しているとファーブラシ8Aの先端が直接感光体ドラム2の表面を摺擦して感光体ドラム2に摩擦帯電が発生してしまうのを防止するようになっている。
【0072】
図9は、上述した非画像部への画像形成タイミングを説明するためのタイミングチャートであり、同図において最初の画像形成が開始される前および最終の画像形成が終了した後に帯電電位が画像部よりも高められて非画像部にトナーを付着させやすい状態を設定する。この状態は、図4に示した場合と同様に、クリーニング装置のクリーニングブラシに含まれるトナーの量が極端に変化、減少することを抑えることができ、これにより、クリーニングブラシを構成するファーブラシ7Aの先端が直接感光体ドラム2の表面に接触するのが回避される。
【0073】
図7乃至9においては、マイナス帯電のトナーを用いることを前提として、転写バイアスを0μAに設定しているが、トナーの帯電特性や転写装置7での部材の電気的特性に対応させて画像部のトナー像転写時より少な目のプラス(マイナス帯電トナーを転写する電界)あるいはこれと逆の極性を有する転写バイアスとすること勿論可能である。
【0074】
図8に示したタイミングチャートでは、転写装置7におけるベルトが感光体ドラム2に対して接離することを前提としているので、帯電電位や転写バイアスを特別な値に変更しなくても、ベルトが感光体ドラム2から離れているときに画像部を対象とする条件と同じにして画像を形成することもでき、これにより、特別な条件設定を付加することなく既存条件に基づいて容易に感光体ドラム2の帯電容易を防止できるようになる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1乃至3記載の発明によれば、感光体としてその表面層がクリーニングブレードにより掻き取りにくい材質で構成され、特に請求項2および3記載の発明においては高硬度が得られるアモルファスシリコンあるいは無機粒子を含む材質とされることにより感光体の長寿命化、膜厚変化による特性変化の抑制さらには表面の損傷防止が可能となり、表面性が悪化した場合に発生する付着残留物の擦りつけによる堆積を防止できる。しかも、このようなクリーニングブレードで削り取りにくい高硬度の材質を感光体に用いた場合でも、クリーニングブレードおよびまたはクリーニングブラシを用いるだけで感光体上からの付着残留物の回収が可能となる。
【0076】
請求項4記載の発明によれば、感光体の表面摩擦係数(μ)がμ=0.2以上とされているので、極端に摩擦係数を低くするような作業が必要ないので、潤滑剤の供給などの特別な摩擦係数低減構造を不要にしてコスト上昇を防止することが可能となる。
【0077】
請求項5記載の発明によれば、クリーニングブラシが感光体との接触面圧を50gf/cm以上に設定されているので、像担持体表面に残留する付着物の掃き取りに必要な反力を得ることができると共に感光体表面への損傷をなくすことができる。しかも残留する異物の掃き取りに必要な反力が得られることで異物の除去効率が高められることによりクリーニングブレードとの組み合わせ構成とした場合には、クリーニングブレードでの掻き取り負荷、つまり、像担持体表面に対する接触圧力を低減させてブレードの押しつけにより発生するフィルミングをなくすことが可能となる。
【0078】
請求項6記載の発明によれば、感光体の回転方向下流側に位置するクリーニングブレードの縁部において感光体の回転方向下流側の縁部により残留付着物を除去するようになっているので、掻き取り効率を向上させて残留付着物の回収を効率よく行うことが可能となる。
【0079】
請求項7および8記載の発明によれば、非画像部に画像部とは別の画像を形成することにより、クリーニングブラシに対する残留付着物の接触量を増加させることができ、残留付着物の回収不足によりブラシ先端が直接感光体表面に接触機会を抑制すると共に接触した場合の摩擦帯電による帯電量の増加を防止することができる。これにより、接触した場合の摩擦帯電を抑制して残留付着物の回収効率の低下を防止することが可能となる。
【0080】
請求項9乃至11記載の発明によれば、非画像部に形成される画像が書き込み制御しやすい光書き込みによる潜像によって構成され、この潜像形成条件として、画像部と非画像部とでクリーニングされる現像剤量の変化が小さくなるようにされているので、クリーニング工程で用いられるブラシに含まれる回収付着残留物の量を一様化してブラシのみが感光体表面に接触することにより発生する摩擦帯電を防止して帯電による感光体からの残留付着物の回収効率低下を防止することが可能となる。
【0081】
請求項12記載の発明によれば、非画像部に形成される画像が、通常画像形成処理において実行される条件を用いているので、特別な処理を要することなく既存構造を利用して感光体の帯電ムラを防止することが可能となる。
【0082】
請求項13記載の発明によれば、接触方式を用いる転写装置である場合に転写条件を変更したり転写装置を感光体から離すことにより、転写装置側への非画像部の画像転移を防止して転写装置での汚損や転写紙の裏汚れを防止することができ、クリーニング装置での付着残留物の回収率が大きく変化しないようにしてクリーニングブラシが直接感光体に接触するのを抑制することが可能となる。
【0083】
請求項14記載の発明によれば、非画像部への画像形成時期として、画像形成が開始される際にはクリーニング工程に用いられるブラシと感光体との接触状態が最適化され、具体的には、ブラシのみが接触する状態を解消されているので、感光体からの残留不純物の回収効率の向上と共に画像形成処理が開始された時点での感光体の帯電ムラによる異常画像の発生を未然に防止することが可能となる。
【0084】
請求項15記載の発明によれば、感光体およびクリーニング装置さらには画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に感光体およびクリーニング装置と共に一つのカートリッジに装備されているので、作像部が複数接地されているような場合には各作像部毎に保守点検および交換が可能となり、装置全体の作像部を一括して保守点検あるいは交換する場合に比べてコスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像形成装置の一例を示す図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる感光体の構成を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施形態による画像形成装置に用いられるクリーニング装置におけるクリーニングブラシの構成を説明するための図である。
【図4】図3に示したクリーニングブラシを備えたクリーニング装置での作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】図3に示したクリーニングブラシを備えたクリーニング装置での別の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】図1に示した画像形成装置に用いられるクリーニング装置の構成の一部変形例を説明するための図である。
【図7】図6に示した構成のクリーニング装置での作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】図6に示した構成のクリーニング装置での別の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】図6に示した構成のクリーニング装置でのさらに別の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】感光体の表面での摩擦係数を求める際の実験装置を示す模式図である。
【図11】ブラシの接触面圧の意味を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置としてのプリンタ
2 感光体ドラム
3 帯電装置
5 現像装置
6 転写装置
7 クリーニング装置
8 クリーニングブラシ
8A ファーブラシ
P   カートリッジ

Claims (15)

  1. 感光体表面に接触可能なクリーニングブレードおよびまたはクリーニングブラシを備えたクリーニング装置により感光体表面に残存している異物を除去する構成を備えた画像形成装置において、
    上記感光体はその表面が上記クリーニングブレードによって削り取りにくい材質で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記感光体として、アモルファスシリコンが用いられることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記感光体として、最表層面に無機粒子を含有する材質が用いられる構成とされていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記感光体表面の摩擦係数μがμ=0.2以上とされていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記クリーニング装置のクリーニングブラシは、その先端が感光体に接触可能なループ形状とされ、該感光体に対する接触面圧が50gf/cm以上に設定された構成とされていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至4のうちの一つに記載尾画像形成装置において、
    上記クリーニング装置のクリーニングブレードは、上記感光体の回転方向下流側に位置する縁部により残留付着物を掻き取り可能であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記感光体における非画像部に現像処理対象となる画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記非画像部に形成される画像は、クリーニング工程において一様な現像剤除去が行える形態で形成されることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記非画像部に形成される画像は、それまで形成された画像部での画像面積が基準に達しなかった場合に形成されることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記非画像部に形成される画像は、感光体の主走査方向での書き込み量の多少に対応した濃度を設定されることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至10の一つに記載の画像形成装置において、
    上記非画像部に形成される画像は光書き込みによる静電潜像形成により形成されることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至10の一つに記載の画像形成装置において、
    上記非画像部に形成される画像は、帯電電位、現像バイアス転写バイアスのいずれかを画像部でのそれらと異ならせた条件に基づき形成されることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1乃至10のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    感光体上の画像部に形成された画像の転写に用いられる転写装置が感光体に接触する接触方式の構成である場合には、非画像部に形成された画像が転写位置を通過する際に転写条件を変更若しくは上記感光体から転写装置が離間されることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至10のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記非画像部に形成される画像は、少なくとも最初の画像形成が開始されるとき若しくは最終の画像形成が終了した時のいずれかに形成されることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至14のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記感光体およびクリーニング装置に加えて、これら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記感光体およびクリーニング部材とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴とする画像形成装置。
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