JP4376360B2 - 発電システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外部のエネルギを利用して発電する発電手段を内蔵する発電システムに関し、特に、環境により発電手段の発電電圧の極性が反転するような場合でも、その発電した電気エネルギを効率良く利用して負荷手段(電子機器等)を駆動することができる発電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光エネルギや熱エネルギ、あるいは機械的エネルギなどの外部エネルギを電気エネルギに変換する発電手段を内蔵し、それによって発電した電気エネルギを電子機器の駆動に利用することができる発電システムがある。
【0003】
このような発電システムとしては、その発電手段が太陽電池である太陽電池システム、回転錘の機械的エネルギを電気エネルギに変換して利用する手段である機械発電システム、あるいは複数直列に接続した熱電対を用いてその両端の温度差による熱エネルギで発電する手段である温度差発電システムなどがある。
【0004】
上記のうち、特に従来の発電システムの一例として、図7に示すように、小型の電子携帯機器の代表である電子時計に応用した温度差発電(熱電)システムがある。
【0005】
この熱電システムである電子時計は、発電手段10がスイッチ手段30を介して蓄電手段22と計時手段21とからなる負荷手段20に接続され、発電手段10の発電電力を負荷手段20において利用可能に構成されている。すなわち、この例においては、発電手段10の発電電圧により発生する電流をスイッチ手段30によって整流し、この整流された電流を蓄電手段22および計時手段21に出力し、蓄電手段22への充電と計時手段21の駆動を行なうようになっている。
【0006】
発電手段10は、図示しない熱電対を複数直列に接続して構成されている。この熱電システムのように電子時計を駆動する場合の発電手段10は、温接点側をその時計の裏蓋に接触させるとともに、冷接点側を裏蓋から熱絶縁されたケースに接触させるように配置されている。そして、この配置によって、携帯時において外気によって冷やされるケースと体温によって温められる裏蓋との間に発生する温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換して発電し、その発電した電力によって計時手段を含む負荷手段を駆動する。
【0007】
負荷手段20は、時計機能を有する計時手段21と、2次電池である蓄電手段22を並列に接続して構成されている。計時手段21は、正極端子を接地し、負極端子を負荷手段20の負極としてスイッチ手段30に接続している。
【0008】
スイッチ手段30は、第1から第4のダイオード36〜39からなり、いわゆる全波整流器を構成するようにこれらのダイオードをブリッジ状に接続している。すなわち、発電手段10の一端が第1のダイオード36のアノードと第4のダイオード39のカソードに接続し、発電手段10の他端が第2のダイオード37のアノードと第3のダイオード38のカソードに接続している。
【0009】
また、第3のダイオード38のアノードと第4のダイオード39のアノードが負荷手段20の負極に接続され、第1のダイオード36のカソードと第2のダイオード37のカソードが接地されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような熱電システムにおける熱電対(熱電素子)からなる発電手段は、発電電圧の極性が外部から与えられる温度差の方向により変化する性質がある。このため、熱電システムにおける発電手段には、環境の変化により発電電圧の正負の極性が逆転する現象が生じる。
【0011】
例えば、前述した電子時計が腕に装着して使用する腕時計の場合、通常は外気に触れるケース側よりも腕に密着する裏蓋側の方が温度が高いが、真夏の直射日光下や高温作業時あるいは酷暑地などで使用するときには、裏蓋側よりもケース側の方が温度が高くなることがある。それによって、発電手段10による発電電圧の極性が反転することになる。
【0012】
図7におけるスイッチ手段30は、このように発電手段10による発電電圧の極性が反転しても、その発電電力を有効に利用できるようにするために設けられている。
しかし、時計内部に生じるわずかな温度差によって、電子時計の動作に必要な1.0V程度の発電電圧を発電手段10から得るためには、発電手段10には熱電対を2000個以上直列に接続して設けなければならない。このような発電手段を時計のような限られたスペースの中で実現しようとすると、熱電対の内部抵抗が最低でも数10KΩという大きさになってしまう。そのため、スイッチ手段30の図7に示したようなブリッジ整流回路をショットキバリアダイオードなどで構成しても、それほど電流を流すことができず、負荷手段20側に取り出せる電力は、本来得られる電力の40%程度にしかならないので、発電電力の利用効率が非常が悪いという問題があった。
【0013】
この発明は、上記のような問題を改善し、発電電圧の極性が反転する性質を有する発電手段を使用する発電システムにおいても、常にその発電電力を効率良く利用することができるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明による発電システムは、上記目的を達成するため、外部からのエネルギを電気エネルギに変換して発電電圧を出力する発電手段と、複数のスイッチング素子からなり、その発電手段の発電電圧を出力する一対の発電端子へそれぞれ接続可能な一対の出力端子を有するスイッチ手段と、該スイッチ手段の出力電圧を計測するスイッチ出力計測手段、または上記発電手段の発電電圧を計測する発電電圧計測手段と上記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段と、上記スイッチ手段の一対の出力端子に接続され該スイッチ手段の出力電圧が印加されてその電力により動作する負荷手段と、上記スイッチ出力計測手段の計測結果または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測結果に応じて、上記スイッチ手段の複数のスイッチング素子を制御して、上記発電手段の一対の発電端子と上記スイッチ手段の一対の出力端子との接続関係を逆転させることを含む制御をする制御手段とを備えたものである。
【0016】
上記発電システムにおいて、上記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手が、その計測動作を所定の周期で間欠的に行なうようにするとよい。
【0017】
また、上記制御手段が、上記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段の計測動作時に、上記発電手段と上記負荷手段とを切り離すかあるいは上記負荷手段が低負荷状態となるように、上記スイッチ手段を制御する手段を有するとよい
【0018】
上記負荷手段が、上記発電手段による電力供給を不要とするときは、上記発電手段の一対の発電端子間を短絡するように上記スイッチ手段を制御する手段を有するようにしてもよい。
【0019】
さらに、上記制御手段が動作停止状態にあるときおよび該動作停止状態から上記発電手段が発電を開始するときには、上記発電手段の発電電圧を上記負荷手段を介さずに上記制御手段に印加する初期化手段を有するとよい。
【0020】
また、上記スイッチ手段の一対の出力端子間に、上記負荷手段への給電方向と逆方向の電圧成分を短絡する短絡手段を備えることもできる。
【0021】
上記制御手段が、上記スイッチ手段の出力電圧が所定の値を下回っているときに、該スイッチ手段が上記発電手段の発電電圧の極性を反転して上記負荷手段に印加するように、上記発電手段の一対の発電端子と上記スイッチ手段の一対の出力端子との接続関係を制御する手段、または前記発電手段と前記負荷手段とを切り離すように制御する手段を有するようにするとよい。
【0022】
さらに、上記制御手段が、上記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段の計測動作時には、上記発電手段の一対の発電端子の一方の電位上記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段の接地電位と等しくし、他方の発電端子の電圧を前記発電電圧計測手段と上記スイッチ出力計測手段との一方もしくは両方の計測手段が計測するように、上記スイッチ手段を制御する手段を有するようにするとよい
【0023】
またさらに、上記制御手段が、上記スイッチ出力計測手段の計測結果により、該スイッチ出力計測手段の計測動作の周期を変えるように制御する手段を有するとよい
【0024】
また、上記制御手段が、上記発電電圧計測手段によって計測された発電手段の発電電圧が所定の値以上のときと、該所定の値を下回るときとで、上記発電手段の一対の発電端子とスイッチ手段の一対の出力端子との接続関係を逆転するように、上記スイッチ手段を制御する手段を有するようにしてもよい
【0027】
以上のような構成により、例えば熱電発電装置のように、外部エネルギの状況によって発電電圧の極性が順方向あるいは逆方向へ変化するような発電手段を備えた発電システムであっても、発電電圧の変化を計測して、その計測結果に応じて、発電手段の一対の発電端子とスイッチ手段の一対の出力端子との接続関係を制御することによって、発電電圧の極性に係わりなく、スイッチ手段の出力端子には常にを負荷手段の要求に適した極性の電圧が出力されるよにする。したがって、発電手段による発電電力を常に効率良く、負荷手段によって利用することが可能になる。
【0028】
このため、この発明によれば、従来は効率良く利用することができなかった逆極性の発電電圧をも利用できることになり、両方向の発電電圧を高効率で利用できる発電システムを実現することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の発電システムを実施するための最適な形態である電子時計について図面を用いて説明する。
[第1の実施形態:図1から図3]
図1は、この発明による発電システムの第1の実施形態である電子時計の構成を示すブロック回路図である。図2はその制御手段の具体的な回路例を示す回路図、図3はその電子時計の要部の電圧および信号の波形を示すタイミング図である。
【0030】
まず、図1を用いてこの電子時計のシステム構成について説明する。この図1に示す電子時計は、図7に示した従来例と同じように、発電手段が発電する電圧による電力で駆動される電子時計である。
【0031】
この電子時計は、発電手段10にスイッチ手段3を介して負荷手段2を接続するとともに、そのスイッチ手段3および負荷手段2を制御する制御手段5を接続している。さらに、発電手段10の一方の発電端子g1に発電電圧計測手段8とダイオード11のカソードを接続し、そのダイオード11のアノードを制御手段5の負極端子に接続し、スイッチ手段3の一方の出力端子e1にスイッチ出力計測手段4を接続している。
【0032】
発電手段10は、図示はしないが、外部に存在する熱エネルギを電気エネルギに変換する発電素子として多数の熱電対を直列に接続して構成された熱電発電装置であり、その温接点側と冷接点側の間に温度差が与えられることにより発電を行う。例えば、温接点側と冷接点側との間の温度差が1℃のときに、一対の発電端子g1,g2間に約0.8Vの発電電圧が発生するものを想定している。
【0033】
そして、発電手段10は電子時計である腕時計の内部に、温接点側が裏蓋に接触し、冷接点側が裏蓋から断熱されたケースの内面に接触するように配置されている。その電子時計が使用者の腕に装着されて携帯されるときに、腕に密着する裏蓋側と外気に触れるケース側との温度差によって、発電手段10の両接点間に温度差が発生し、その温度差の熱エネルギによって発電する構造になっている。
【0034】
このような電子時計では、通常は腕に密着する裏蓋側は体温で温められる裏蓋側の方が外気で冷されるケース側よりも温度が高く、発電手段10はその温度差の方向に応じた極性の発電電圧を発生する。
しかし、先に説明したように、電子時計を取り巻く環境によっては温接点側と冷接点側の温度が入れ替わって、温接点側が冷されて冷接点側が温められることがある。そのように温度差の方向が逆転すると、発電手段10を構成する熱電対の特性上、当然ながら逆方向の極性の発電電圧が発生する。
【0035】
そこで、便宜上、電子時計が通常使用される状態で、発電手段が発生する電圧の方向を順方向として、そのときに温まる側を温接点、冷える側を冷接点と称する。さらに、そのときに高い電位が現れる端子を正極端子とし、低い電位が現れる端子を負極端子とする。そして、図1に示す発電手段10は、発電端子g1が負極端子、発電端子g2が正極端子であり、通常は正極端子g2がアースライン6に接続され、負荷手段2および制御手段5には負電圧を印加するようになっている。
【0036】
スイッチ手段3は、発電手段10の一対の発電端子g1,g2に常時接続される一対の入力端子i1,i2と、発電端子g1,g2にそれぞれ選択的に接続可能な一対の出力端子e1,e2を有し、その出力端子e1,e2の出力電圧を負荷手段2に印加し、その電力で負荷手段2が動作する。
【0037】
さらに、このスイッチ手段3の入力端子i1,i2と出力端子e1,e2の間に、スイッチング素子であるMOS電界効果トランジスタ(FET)からなる4個のスイッチ31〜34が接続されている。
すなわち、入力端子i2と出力端子e2の間に第1のスイッチ31が、入力端子i1と出力端子e2の間に第2のスイッチ32が、入力端子i1と出力端子e1との間に第3のスイッチ33が、入力端子i2と出力端子e1の間に第4のスイッチ34がそれぞれ接続されている。このスイッチ手段3の動作については後述する。
【0038】
負荷手段2は、時計機能を有する計時手段21と、リチウムイオン等の2次電池からなる蓄電手段22および昇圧手段23と、それぞれスイッチング素子であるFETからなる放電スイッチ24、第1の分配スイッチ25および第2の分配スイッチ26とから構成されている。
【0039】
計時手段21は、図示はしないが、一般的な電子時計と同様に、水晶発振器の発振周波数を少なくとも周期が2秒となる周波数まで分周し、さらにその分周信号を後述のステッピングモータの駆動に必要な波形の駆動信号に変形する計時回路と、この計時回路からの駆動信号により回転駆動されるステッピングモータ、およびそのステッピングモータの回転を輪列で減速伝達し、時刻表示用の指針を回転駆動する時刻表示系とから構成されている。
【0040】
上記の時刻表示系はアナログ表示方式の電子時計の場合であるが、デジタル表示方式の電子時計の場合には、計時回路にステッピングモータの駆動に必要な波形の駆動信号を形成する回路に代えて、上記分周信号をデコードして時刻の数値表示信号を形成する回路を設け、時刻表示系は、その数値表示信号によって時刻をデジタル表示する液晶表示器とその駆動回路によって構成される。
この計時手段21は、計測クロックS1、昇圧クロックS2、および分配クロックS3を発生しており、発生する各クロック信号をともに後述する制御手段5へ入力させる。
【0041】
計測クロックS1はロウレベルとなる時間が8ミリ秒(m sec)で周期が2秒(sec)の波形である。昇圧クロックS2は、周波数が4KHzの矩形波であり、分配クロックS3は周波数が8Hzの矩形波である。なお、これらの計測クロックS1、昇圧クロックS2および分配クロックS3の波形生成は、水晶発振器の発振信号を分周した信号の簡単な波形合成で可能であるため、その生成回路についての詳しい説明は省略する。
【0042】
昇圧手段23は、2個のコンデンサの接続状態を並列と直列に切り替えて、入力電圧を2倍に昇圧する昇圧回路とする。2個のコンデンサを並列に接続して入力電圧で充電し、その後直列に接続して2個のコンデンサの充電電圧を加算した電圧を出力する。この昇圧手段23は、後述の制御手段5によって昇圧クロックS2が加工された昇圧信号S20で、上記2個のコンデンサの接続状態を切り替えるスイッチング素子のオン/オフが制御されて昇圧動作を行うように構成されている。なお、昇圧手段23の構成についての詳しい説明は省略する。
【0043】
そして、昇圧手段23の負の入力端子はスイッチ手段3の出力端子e1に接続しており、昇圧手段23の負の出力端子には第2の分配スイッチ26を介して蓄電手段22の負極端子が接続され、第1の分配スイッチ25を介して計時手段21の負極端子が接続されている。なお、この昇圧手段23、蓄電手段22、および計時手段21の各正極端子は、いずれもアースライン6に接続して接地されている。
【0044】
放電スイッチ24、第1の分配スイッチ25および第2の分配スイッチ26は、いずれもNチャンネルFETからなり、計時手段21、蓄電手段22および昇圧手段23のそれぞれの間の充放電を行うために接続したものである。すなわち、放電スイッチ24は、計時手段21の負極端子と蓄電手段22の負極端子との間に接続され、第1の分配スイッチ25は、計時手段21の負極端子と昇圧手段23の負の出力端子との間に接続され、第2の分配スイッチ26は、蓄電手段22の負極端子と昇圧手段23の負の出力端子との間に接続されている。
【0045】
放電スイッチ24は、発電手段10が発電を行っていないときにオンにされ、蓄電手段22に蓄えられた電力により計時手段21を駆動可能にする。また、第1の分配スイッチ25と第2の分配スイッチ26は、発電手段10が発電を行っているときに昇圧手段23の昇圧動作に同期してそのいずれかがオンにされることにより、昇圧手段23の昇圧出力を計時手段21あるいは蓄電手段22のいずれかに印加する。
【0046】
そして、放電スイッチ24と第1の分配スイッチ25および第2の分配スイッチ26のオン/オフ制御は、制御手段5によってそれぞれ放電信号S24、第1の分配信号S25、および第2の分配信号S26を、各スイッチ24,25,26のゲート端子に印加することによって行なわれる。
【0047】
制御手段5は、計時手段21と並列に接続され、計時手段21が動作していれば動作可能になっている。この制御手段5は、計時手段21からの計測クロックS1、昇圧クロックS2および分配クロックS3を入力するとともに、スイッチ出力計測手段4と発電電圧計測手段8から、それぞれスイッチ出力計測信号S4および発電電圧計測信号S5を入力している。
【0048】
そして、この制御手段5は出力として、第1のスイッチ信号S31、第2のスイッチ信号S32、第3のスイッチ信号S33、および第4のスイッチ信号S34をスイッチ手段3に出力し、さらに放電信号S24、第1の分配信号S25、および第2の分配信号S26を負荷手段2に出力している。なお、この制御手段5の構成および作用についての詳しい説明は後述する。
【0049】
スイッチ出力計測手段4は、電源の正極端子と負極端子が制御手段5の正極端子(接地)と負極端子に接続している(図1における符号Aは互いに接続されることを示している)。そして、入力電圧の電位が−0.6V以上でなければ、ハイレベルの信号を出力し、−0.6以上(正電位も含む)であればロウレベルの信号を出力する比較アンプ回路である。
このスイッチ出力計測手段4は、スイッチ手段3の出力端子e1の電圧を入力し、出力信号であるスイッチ出力計測信号S4を制御手段5に入力させる。
【0050】
発電電圧計測手段8も、電源の正極端子と負極端子が制御手段5の正極端子(接地)と負極端子に接続している。そして、入力電圧の電位が−0.2V以上でなければハイレベルの信号を出力し、−0.2V以上(正電位も含む)であればロウレベルの信号を出力する比較アンプ回路である。
この発電電圧計測手段8は、発電手段10の発電端子g1の電圧を入力し、出力信号である発電電圧計測信号S5を制御手段5に入力させる。
【0051】
制御手段5は、これらの発電電圧計測手段8の計測結果である発電電圧計測信号S5と、スイッチ出力計測手段4の計測結果であるスイッチ出力計測信号S4とに応じて、第1から第4のスイッチ信号S31からS34を、スイッチ手段3の各第1から第4のスイッチ31から34の各ゲートに選択的に出力し、そのオン/オフ状態を制御する。
【0052】
それによって、発電手段10の発電端子g1,g2とスイッチ手段3の出力端子e1,e2との間の接続関係を制御する。
スイッチ手段3の第1,第2のスイッチ31,32はPチャンネルFETであり、第3,第4のスイッチ33,34はNチャンネルFETである。
【0053】
なお、上述したスイッチ手段3、負荷手段2の計時手段21の計時回路や昇圧手段のコンデンサ以外の部分、制御手段5、ダイオード11、スイッチ出力計測手段4、および発電電圧計測手段8の各回路群は一般的な電子時計と同様に、すべて同一の集積回路に設けることができる。
【0054】
次に、図2を用いて、前述した制御手段5の具体的な回路例およびその動作について詳細に説明する。
【0055】
図2に示す制御手段5は、第1のフリップフロップ回路51および第2のフリップフロップ回路52と、第1のインバータ53および第2のインバータ56と、第1のアンドゲート54および第2のアンドゲート55と、発振停止検出回路57と、第1のノアゲート58および第2のノアゲート59と、マルチバイブレータ60と、充放電制御回路70と、過充電検出回路90とによって構成されている。
【0056】
第1のフリップフロップ回路51は、入力クロックの立ち上がり時にデータ入力の値を保持して出力するデータタイプのフリップフロップ回路である。そして、この第1のフリップフロップ51は、入力クロックとして計測クロックS1が入力され、データ入力として発電電圧計測手段8の出力信号である発電電圧計測信号S5が入力される。そして、出力信号S7を出力する。
【0057】
第2のフリップフロップ回路52は、入力クロックの立ち上がり時にデータ入力の値を保持して出力する、セット端子付きのデータタイプのフリップフロップである。そして、この第2のフリップフロップ回路52には、データ入力としてスイッチ出力計測手段4の出力であるスイッチ出力計測信号S4が入力され、入力クロックとしてマルチバイブレータ60の出力信号S1Tが入力される。またセット端子はアクティブロウであり、計時手段21からの計測クロックS1が入力される。そして、出力信号S6を出力する。
【0058】
第1のインバータ53は、第1のフリップフロップ回路51の出力信号S7を入力して、その反転信号を出力する。
第1のアンドゲート54は、3入力のアンドゲートであって、第1のインバータ53の出力信号(フリップフロップ回路51の出力信号S7の反転信号)と、計測クロックS1および第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6を入力し、それらの論理積とって第4のスイッチ信号S34として出力する。
【0059】
同様に、第2のアンドゲート55も3入力のアンドゲートであって、第1のフリップフロップ回路51の出力信号S7と、計測クロックS1および第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6を入力し、それらの論理積をとって第3のスイッチ信号S33として出力する。
第2のインバータ56は、計測クロックS1を入力して、その反転信号を出力する。
【0060】
発振停止検出回路57は、入力信号として昇圧クロックS2を入力して、昇圧クロックS2の周波数に応じて動作する。すなわち、この発振停止検出回路57は、入力信号が振動していない状態ではハイレベルの信号を出力し、ひとたび入力信号が一定の周波数以上で振動を始めればロウレベルの信号を出力する。なおこの発振停止検出回路の構成は一般的であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
第1のノアゲート58は、2入力のノアゲートであって、第4のスイッチ信号S34と後述する過充電検出信号S8を入力し、それらの論理和の反転信号を第2のスイッチ信号S32として出力する。
【0062】
また、第2のノアゲート59は、4入力のノアゲートであって、発振停止検出回路57の出力信号、過充電検出信号S8、第3のスイッチ信号S33、および計測クロックS1の反転信号を入力し、それらの論理和の反転信号を第1のスイッチ信号S31として出力する。
【0063】
特に、この第2のノアゲート59と発振停止検出回路57は、他の論理回路部分と異なり、制御手段5に電源を投入した直後から所定の信号を出力することができるものを使用する。
【0064】
マルチバイブレータ60は、入力波形がロウレベルに立ち下がったときから一定時間経過すれば、入力波形の状態によらずハイレベルを出力するタイマ回路であり、ここではロウレベルを維持する時間は16ミリ秒(m sec)に設定してあるものとする。このマルチバイブレータ60は、計測クロックS1を入力し、出力信号S1Tを出力する。
【0065】
なお、この実施形態で使用するフリップフロップ回路は単純化のため、すべて電源投入時に保持データがセットされるように構成されているものとする。
過充電検出手段90は、−2.0Vより低い電圧が入力されるとハイレベルを出力する比較アンプ回路であり、入力端子が蓄電手段22の負極に接続され、過充電検出信号S8を出力する。
【0066】
なお、この発振停止検出回路57と第2のノアゲート59とともに、図1に示したダイオード11と第1のスイッチ31とが初期化手段に相当しており、この実施の形態の初期起動動作を実現する構成要素となっている。
【0067】
充放電制御回路70は、第3のアンドゲート74と、第3のインバータ75と、第4のインバータ76と、第5のインバータ77および第4のアンドゲート78と、第5のアンドゲート79とから構成されている。
【0068】
第3のアンドゲート74は3入力のアンドゲートであって、第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6と、昇圧クロックS2およびマルチバイブレータ60の出力信号S1Tの論理積をとって、昇圧信号S20として出力する。
【0069】
第3のインバータ75は、第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6を入力して反転し、放電信号S24として出力する。第4のインバータ76は、昇圧クロックS2を入力し、その反転信号を出力する。第5のインバータ77は、分配クロックS3を入力し、その反転信号を出力する。
【0070】
第4のアンドゲート78は4入力のアンドゲートであって、昇圧クロックS2の反転信号と、第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6と、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tと、分配クロックS3とを入力し、それらの論理積をとって、第1の分配信号S25として出力する。
【0071】
第5のアンドゲート79も4入力のアンドゲートであって、昇圧クロックS2の反転信号と、第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6と、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tと、第5のインバータ77の出力である分配クロックS3の反転信号とを入力し、それらの論理積をとって、第2の分配信号S26として出力する。
この充放電制御回路70は、後述するこの発明の第2の実施形態においても同様に使用する。
【0072】
次に、上述した電子時計による発電システムとしての動作について、図3も参照しながら説明する。
図3は、発電手段10の発電電圧V10を初めとして、この電子時計における要部の電圧および信号の波形を示すタイミング図である。発電電圧V10は、発電手段10の発電端子g1,g2の間に発生する電位差の電圧波形を示し、説明を分かりやすくするため、負荷電流による電圧降下がない状態での開放電圧を示している。
【0073】
以下の説明では、蓄電手段22に蓄電された電力がほとんどないため、その端子電圧が0.6V程度となっており、負荷手段2を構成する計時手段21と制御手段は、動作停止状態にあるものとする。
そして、この電子時計は、この動作停止状態から発電手段10が順方向に1.0V以上発電すると始動することができるように構成されている。そこで、まずその始動動作から説明する。
【0074】
上記停止状態から発電手段10が順方向(発電端子g1側が負極性)の発電を開始すると、制御回路5には負荷手段2を介さずにダイオード11を通して、その発電電圧が印加される。
【0075】
このとき、図2に示した制御手段5の発振停止検出回路57は、入力信号が振動していないためにハイレベルの信号を出力する。したがって、第2のノアゲート59は強制的にロウレベルの信号を出力する。これによって、第1のスイッチ信号S31がロウレベルとなり、図1におけるスイッチ手段3の第1のスイッチ31は、計時手段21の停止時であってもアナログ的にオン状態になりやすいようになっている。
【0076】
したがって、発電手段10が順方向に発電を始めて約1.0Vの発電電圧が発生すると、ダイオード11がオン状態となり、かつ第1のスイッチ31もすぐにオン状態になる。そうするとその結果、発電手段10の発電電圧が制御手段5および計時手段21に印加されることによって、電力が投入され所定の動作を開始することになる。
【0077】
計時手段21は動作開始に伴って、計測クロックS1、昇圧クロックS2および分配クロックS3の出力を開始しつつ、電子時計としての計時動作を開始する。また、昇圧クロックS2を入力する発振停止検出回路57も、発振開始によりロウレベルの信号を出力するようになる。なお、ひとたび制御手段5が動作を開始すれば、発振停止検出回路57は、その後の制御手段5の動作に影響を及ぼさない。
【0078】
一方、図2における第1のフリップフロップ回路51の出力信号S7および第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6は、制御手段5が始動した直後はハイレベルに初期化される。
【0079】
よって、計測クロックS1がハイレベルとなっている間は、図1におけるスイッチ手段3の第1のスイッチ31および第3のスイッチ33がオン状態となり、第2のスイッチ32と第4のスイッチ34はオフ状態となる。したがって、スイッチ手段3は、発電手段10の発電端子g1,g2を、それぞれスイッチ手段3の出力端子e1,e2に順方向に接続し、入力される発電電圧をそのまま出力することとなる。
【0080】
また、計測クロックS1が立ち下がるまではマルチバイブレータ60の出力信号S1Tもハイレベルであるので、図2において、この出力信号S1Tと第2のフリップフロップ回路52のハイレベルの出力信号S6とを入力する第3のアンドゲート74は、昇圧クロックS2を昇圧信号S20としてそのまま昇圧手段23へ出力する。それにより昇圧手段23が昇圧動作を行う。
【0081】
このとき、スイッチ手段3は、発電手段10の発電電圧をそのまま出力しているので、昇圧手段23は発電手段10が順方向に発電している発電電圧を少ない損失で昇圧することが可能である。
【0082】
さらに、分配クロックS3がハイレベルとなっている間は、第1の分配信号S25は昇圧クロックS2の反転信号を出力し、反対に分配クロックS3がロウレベルとなっている間は、分配クロックS3の反転信号を入力する第2の分配信号S26が、昇圧クロックS2の反転信号を出力する。
【0083】
これにより、図1における負荷手段2の第1の分配スイッチ25と第2の分配スイッチ26が交互にオンとオフになり、昇圧手段23からの昇圧出力が計時手段21側と蓄電手段22側とに交互に印加され、充電と計時動作が並行して行われる。
【0084】
一方、図2における第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6がハイレベルの間は、第3のインバータ75により反転された放電信号S24はロウレベルになる。したがって、図1の負荷手段2における放電スイッチ24はオフ状態で、蓄電手段22と計時手段21とが切り離された状態になる。
なお、上記動作とは直接の関係はないが、蓄電手段22は蓄電電圧が0.6V程度であるため、過充電検出手段90は過充電検出信号S8をロウレベルになっている。
【0085】
ここで、この電子時計の制御手段5が、発電電圧計測手段8やスイッチ出力計測手段4の計測結果を処理する場合の動作について説明する。この動作は計時手段21からの計測クロックS1がロウレベルになると行われる。
【0086】
計測クロックS1が立ち下がると、図2に示した制御手段5の第2のフリップフロップ回路52は保持データがセットされ、その出力信号S6がハイレベルになるが、マルチバイブレータ60からは、一定時間ロウレベルの出力信号S1Tが出力される。このため、その一定時間は昇圧信号S20がロウレベルになり、昇圧手段23の昇圧動作は停止する。
【0087】
それによって、発電手段10が負荷手段2から切り離された開放状態と同様な状態となり、発電手段10の発電端子g1,g2間には、無負荷状態の正しい発電電圧が得られる。
また、放電信号S24もロウレベルを継続する。同様に、第1の分配信号S25と第2の分配信号S26もロウレベルとなり、負荷手段2に含まれる3個のスイッチ24,25,26はすべてオフ状態となる。
【0088】
さらに、スイッチ手段3の第2のスイッチ32と第3のスイッチ33と第4のスイッチ34はオフ状態となる。ただし、第1のスイッチ31だけはオン状態を継続するため、発電手段10の発電端子g1,g2のうち正極側の発電端子g2がアースライン6に接続され、その発電端子g2の電位が発電電圧計測手段8の接地電位と等しくなる。これにより、以下に説明する発電電圧計測手段8による計測動作が正しく行われ、発電手段10の負極側の発電端子g1の電圧が計測される。
【0089】
さて、発電手段10が順方向に1.0V以上の電圧を発生している状態では、その負極側の発電端子g1の接地電位に対する電圧である発電電圧計測手段8の入力電圧は、−1.0Vより低い電圧になっている。このため、発電電圧計測手段8は、入力電圧を内部のしきい値である−0.2Vと比較し、入力電圧の方が低いため、発電電圧計測信号S5としてハイレベルの信号を出力する。
【0090】
その後、計測クロックS1がハイレベルに立ち上がるが、この立上りのエッジで、第1のフリップフロップ回路51はハイレベルの発電電圧計測信号S5を取り込むので、その出力信号S7は再びハイレベルとなる。
【0091】
このときも、発電手段10は順方向に1.0V以上の電圧を発生しており、さらに、計測クロックS1がハイレベルになると、図1におけるスイッチ手段3の第1のスイッチ31および第3のスイッチ33がオン状態となり、第2のスイッチ32と第4のスイッチ34はオフ状態になる。
【0092】
そのため、発電手段10の正極側の発電端子g2がアースライン6に接続されたままで、スイッチ出力計測手段4の接地電位と等しくなるとともに、負極側の発電端子g1がスイッチ手段3の出力端子e1に接続され、スイッチ出力計測手段4には発電手段10の発電電圧が順方向に正しく入力される。よって、スイッチ出力計測手段4の接地電位に対する入力電圧は−1.0Vより低い電圧となるため、スイッチ出力計測手段4は入力電圧と内部のしきい値である−0.6Vとを比較し、入力電圧の方が低いためスイッチ出力計測信号S4としてハイレベルの信号を出力する。
【0093】
計測クロックS1が立ち上がった後8ミリ秒(m sec)が経過すると、図2におけるマルチバイブレータ60の出力信号S1Tが立ち上がる。その立上りエッジで、第2のフリップフロップ回路52がハイレベルのスイッチ出力計測信号S4を取り込み、その出力信号S6を再びハイレベルにする。
【0094】
このように、第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6と第1のフリップフロップ回路51の出力信号S7がともにハイレベルであれば、制御手段5はスイッチ信号S31からS34によって、スイッチ手段3の第1のスイッチ31および第3のスイッチ33をオン状態にし、第2のスイッチ32と第4のスイッチ34をオフ状態にし続ける。したがって、スイッチ手段3は発電手段10の発電電圧をそのまま出力する状態を継続する。
【0095】
さらに、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tがハイレベルとなると、昇圧信号S20と、第1の分配信号S25および第2の分配信号S26がアクティブになり、昇圧手段23が動作を開始し、スイッチ手段3の出力端子e1,e2から印加される発電電圧を昇圧して、蓄電手段22への充電および計時手段21への電力供給を行う。
【0096】
次に、発電手段10の発電電圧V10が1.0V程度から低下して、順方向で0.4V付近となった場合について説明する。
【0097】
前述の状態から引き続いて、計測クロックS1が再び立ち下がると、第1のフリップフロップ回路51および第2のフリップフロップ回路52が信号の取り込み準備をする。すなわち、制御手段5からの各信号により昇圧手段23が昇圧動作を停止し、負荷手段2中の3個のスイッチ24,25,26がすべてオフ状態になる。また、スイッチ手段3では第1のスイッチ31だけがオン状態を継続するようになる。
【0098】
そして、発電電圧計測手段8には、接地電位に対する発電手段10の負極側の発電端子g1の電圧−0.4Vが入力される。したがって、その入力電圧は内部のしきい値である−0.2Vより低いため、発電電圧計測手段8はこのときも発電電圧計測信号S5としてハイレベルの信号を出力する。
【0099】
そして、その8ミリ秒(m sec)後に計測クロックS1が立ち上がると、第1のフリップフロップ回路51がそのタイミングでハイレベルの発電電圧計測信号S5を取り込むので、その出力信号S7はハイレベルに維持される。それによって、第1のスイッチ信号S31はローレベル、第3のスイッチ信号S33はハイレベルになるため、スイッチ手段3における第1のスイッチ31と第3のスイッチ33が再びオン状態になり、発電手段10の発電電圧を負荷手段2に対してそのまま(順方向に)印加する。
【0100】
このとき、スイッチ出力計測手段4には発電手段10の発電電圧が順方向に正しく印加されるが、その印加電圧は−0.4Vである。したがって、内部のしきい値である−0.6Vより高いため、スイッチ出力計測手段4はローレベルのスイッチ出力計測信号S4を出力する。
【0101】
さらにその8ミリ秒後に、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tが立ち上がると、このローレベルのスイッチ出力計測信号S4を第2のフリップフロップ52が取り込むため、その出力信号S6がロウレベルに変化する。
【0102】
第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6がロウレベルとなると、第1のスイッチ信号S31と第2のスイッチ信号S32はハイレベルになり、第3のスイッチ信号S33と第4のスイッチ信号S34はロウレベルになる。したがって、スイッチ手段3内の4個のスイッチ31〜34はすべてオフ状態になる。
【0103】
さらに、昇圧信号S20と第1の分配信号S25と第2の分配信号S26もロウレベルになるから、昇圧手段23は昇圧動作を停止した状態になる。これにより、負荷手段2内の第1の分配スイッチ25および第2の分配スイッチ26はいずれもオフ状態となる。ただし、放電信号S24は第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6を反転した信号であるからハイレベルになるので、放電スイッチ24はオン状態になる。こうして、蓄電手段22に蓄えた電力によって、計時手段21と制御手段5を継続して動作させることが可能になる。
【0104】
次に、この電子時計の環境が変化して、発電手段10の発電電圧が順方向の0.4V程度から逆方向の0.4V付近になった場合について説明する。
【0105】
この状態において、計測クロックS1が再び立ち下がると、第1のフリップフロップ回路51および第2のフリップフロップ回路52が信号の取り込み準備をする。すなわち、制御手段からの各信号によって昇圧手段23が昇圧動作を停止し、負荷手段2に設けられた3個のスイッチ24,25,26はすべてオフ状態となる。
【0106】
また、スイッチ手段3においては、第1のスイッチ31だけがオン状態を継続するので、発電手段10の負極側の発電端子g1の接地電位に対する電圧である+0.4Vが発電電圧計測手段8に入力される。この入力電圧は発電電圧計測手段8の内部のしきい値である−0.2Vより高いため、発電電圧計測手段8は発電電圧計測信号S5としてローレベルの信号を出力する。なお。発電電圧計測手段8は、入力電圧が接地電位より高いときは接地電位として検知する。
【0107】
その8ミリ秒後に計測クロックS1が立ち上がるが、そのタイミングで第1のフリップフロップ回路51がローレベルの発電電圧計測信号S5を取り込み、その出力信号S7をロウレベルにする。これにより、第1のスイッチ信号S31と第4のスイッチ信号S34がハイレベル、第2のスイッチ信号S32と第3のスイッチ信号S33がローレベルになり、スイッチ手段3において、第2のスイッチ32と第4のスイッチ34がオン状態となり、第1のスイッチ31と第3のスイッチ33はオフ状態になる。
【0108】
したがって、制御手段5によって、発電手段10の一対の発電端子g1,g2とスイッチ手段3の一対の出力端子e1,e2との接続関係が逆転するように、すなわち発電端子g1と出力端子e2が、発電端子g2と出力端子e1がそれぞれ接続されるようにスイッチ手段3が制御される。これによって、スイッチ手段3は発電手段10の発電電圧をその極性を反転して出力し、負荷手段2へそれまでと同じ正常な極性の電圧を印加することになる。
【0109】
このとき、スイッチ出力計測手段4には発電手段10の発電電圧がその正常な極性で印加される。しかし、その接地電位に対する電圧は−0.4Vであるので、スイッチ出力計測手段4は、その内部のしきい値である−0.6Vより高いため、スイッチ出力計測手段4はローレベルのスイッチ出力計測信号S4を出力する。
【0110】
さらにその8ミリ秒後に、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tが立ち上がると、このロウレベルのスイッチ出力計測信号S4を第2のフリップフロップ回路52が取り込み、その出力信号S6はロウレベルを維持する。
【0111】
第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6がロウレベルであると、第1のスイッチ信号S31と第2のスイッチ信号S32はハイレベルとなる。また、第3のスイッチ信号S33と第4のスイッチ信号S34はロウレベルとなり、スイッチ手段3内の4個のスイッチ31〜34は再びすべてオフ状態になる。
【0112】
さらに、昇圧信号S20と第1の分配信号S25と第2の分配信号S26もロウレベルになるため、昇圧手段23は昇圧動作を停止した状態になり、第1の分配スイッチ25および第2の分配スイッチ26はオフ状態になる。ただし、放電信号S24は第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6を反転した信号を入力するためハイレベルになり、放電スイッチ24はオン状態になる。したがって、蓄電手段22に蓄えた電力で計時手段21および制御手段5を継続して動作することができる状態になる。
【0113】
次に、この電子時計を取り巻く環境がさらに変化して、発電手段10の発電電圧が上記の状態から逆方向の1.0V付近になった場合について説明する。
【0114】
このとき、計測クロックS1が再び立ち下がり、第1のフリップフロップ回路51と第2のフリップフロップ回路52が信号を取り込む準備をする。すなわち制御手段5からの各信号により、昇圧手段23が昇圧動作を停止し、負荷手段2中の3個のスイッチ24,25,26がすべてオフ状態になる。
【0115】
また、スイッチ手段3においては、第1のスイッチ31だけがオン状態を継続するので、発電電圧計測手段8には発電手段10の負極側の発電端子g1から接地電位に対して+1.0Vの電圧が入力される。したがって、発電電圧計測手段8は、その入力電圧が内部のしきい値である−0.2Vより高いので、ロウレベルの発電電圧計測信号S5を出力する。
【0116】
その8ミリ秒後に計測クロックS1が立ち上がると、そのタイミングで第1のフリップフロップ回路51がロウレベルの発電電圧計測信号S5を取り込み、その出力信号S7をロウレベルにする。これにより、スイッチ手段3においては、第2のスイッチ32と第4のスイッチ34がオン状態となり、第1のスイッチ31および第3のスイッチ33はオフ状態となる。これにより、スイッチ手段3は発電手段10の発電電圧を極性を反転させて出力し、正常な極性の電圧を負荷手段2に印加する。
【0117】
よって、スイッチ出力計測手段4には、発電手段10の発電電圧が極性を反転されて入力されるが、その接地電位に対する電圧は−1.0Vになっているのでその入力電圧が内部のしきい値−0.6Vより低いため、ハイレベルのスイッチ出力計測信号S4を出力する。
【0118】
さらにその8ミリ秒後に、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tが立ち上がると、このハイレベルのスイッチ出力計測信号S4を第2のフリップフロップ回路52が取り込み、その出力信号S6をハイレベルに維持する。
【0119】
第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6がハイレベルであると、第1のスイッチ信号S31と第4のスイッチ信号S34はハイレベルとなり、また第2のスイッチ信号S32と第3のスイッチ信号S33はロウレベルとなる。その結果、スイッチ手段3では、第2のスイッチ32と第4のスイッチ34だけがオン状態になり、スイッチ手段3は前述の逆接続状態を継続する。
【0120】
また、昇圧信号S20と第1の分配信号S25と第2の分配信号S26がアクティブとなり、昇圧手段23は昇圧動作を行って、その昇圧した電圧を蓄電手段22に充電するか又は計時手段21および制御手段5に印加する。ただし、第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6を反転した放電信号S24は、ロウレベルになるので、放電スイッチ24はオフ状態になり、蓄電手段22に蓄電された電力は放出されなくなる。
【0121】
次に、蓄電手段22への充電が進んで蓄電手段22が過充電状態になった場合について説明する。
【0122】
上述のようにして、発電手段10の発電電圧を昇圧して蓄電手段22を充電していくと、やがて蓄電手段22の端子間電圧が上昇して、2.0Vを越えた状態になる。この状態では、蓄電手段22の接地電位に対する負極端子の電圧は−2.0Vより低くなっているので、図2に示すように蓄電手段22の負極端子に接続している過充電検出手段90は、この電圧を入力してロウレベルであった過充電検出信号S8をハイレベルにする。
【0123】
そして、過充電検出信号S8がハイレベルとなると、これを入力する第1のノアゲート58と第2のノアゲート59は、他の入力信号に関係なくロウレベルの信号を出力する。すなわち、第1のスイッチ信号S31と第2のスイッチ信号S32がロウレベルになるため、スイッチ手段3における第1のスイッチ31と第2のスイッチ32が共にオン状態になる。したがって、この第1のスイッチ31と第2のスイッチ32により、発電手段10の一対の発電端子g1,g2間が短絡される。
【0124】
その後に、第2のフリップフロップ52がスイッチ出力計測信号S4を取り込む際には、スイッチ出力計測手段4の入力電圧がほぼ0Vになっているので、スイッチ出力計測信号S4はロウレベルとなり、当然ながら第2のフリップフロップ回路52がこれを取り込めば、その出力信号S6はロウレベルになる。
【0125】
このため、昇圧信号S20は、ロウレベルとなって昇圧手段23の昇圧動作も停止する。したがって、蓄電手段22への充電も停止するため、蓄電手段22の過充電を防止することができる。
【0126】
さて、これまでの動作説明より明らかであるが、この電子時計では、発電手段10からひとたび充分な発電電圧が得られれば、全体の動作が停止した状態からでも正しく負荷手段2を始動させることができる。
また、発電電圧が順方向であるときは、スイッチ手段3を順方向の接続状態にし、発電電圧が逆方向であるとき、又は順方向に微小であるときは、発電手段10の発電電極g1,g2とスイッチ手段3の出力端子e1,e2の接続関係を切り換えるように制御手段5が各スイッチ31〜34を制御する。
【0127】
そして、発電手段10の発電電圧を、スイッチ手段3によって常に所定の極性にして、その電圧が負荷手段2で利用可能なレベルにあるときだけ昇圧手段23を動作させ、発電電力を負荷手段2の駆動に利用できるようにしている。
【0128】
[第2の実施の形態:図4から図6]
次に、この発明による発電システムの第2の実施形態について図4乃至図6によって説明する。
図4は、この発明による発電システムの第2の実施形態である電子時計の構成を示すブロック回路図である。図5はその制御手段の具体的な回路構成を示す回路図、図6はその電子時計の動作を説明するための要部の電圧および信号の波形を示すタイミング図である。
【0129】
まず、図4を用いてこの実施形態の電子時計のシステム構成について説明する。
この電子時計は、前述した第1の実施形態の電子時計とほとんど同じ構成を有しているが、スイッチ手段13および制御手段15の構成が第1の実施形態のスイッチ手段3および制御手段5と異なっており、第1の実施形態における発電電圧計測手段8を省略している。
【0130】
なお、負荷手段2の計時手段21も、その出力信号として第1の実施形態と同様な計測クロックS1(周期が若干異なる),昇圧クロッS2,および分配クロックS3に加えて、計測禁止クロックS9を出力する点で第1の実施形態の計時手段21と若干相違するが、負荷手段と計時手段には説明の便宜上第1図と同じ符号を付している。
以下での説明ではこれらの相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同じ部分についてはその説明を省略ないし簡略化する。
【0131】
図4に示すスイッチ手段13は、図1に示したスイッチ手段3と同様に、一対の出力端子e1,e2と発電手段10の一対の発電端子g1,g2にそれぞれ接続された一対の入力端子i1,i2との間に、それぞれスイッチング素子であるFETからなる第1から第4のスイッチ31〜34を接続しているが、さらに、その出力端子e1,e2間にショットキバリアダイオードによる短絡手段35が出力端子e1からe2の方向に順方向になるように接続されている。
【0132】
この短絡手段35は、スイッチ手段13の出力端子e1,e2間に、負荷手段2への供給方向と逆方向の電圧(この例では接地電位に対してプラスの電圧)が出力されたとき、その電圧成分を短絡するために設けたものである。
【0133】
計時手段21は、第1の実施の形態の計時手段21と若干異なり、計測禁止クロックS9を発生するように構成されている。計測禁止クロックS9は、2秒周期で16ミリ秒(m sec)間ロウレベルとなる波形の信号であって、計測クロックS1の立ち下がるタイミングの8ミリ秒前に立ち下がるような波形の信号である。
そして、この計測禁止クロックS9は、計測クロックS1,昇圧クロッS2,および分配クロックS3と同様に制御手段15に入力される。なお、この計測禁止クロックS9の波形を生成する回路についての説明は省略する。
【0134】
また、この実施形態では、スイッチ出力計測手段4の計測処理のタイミングが第1の実施形態での計測処理タイミングと若干異なるため、計測クロックS1を16Hz(周期62.5ミリ秒)でロウレベルになる時間が8ミリ秒となるようにしている。なお、この計測処理についても後に詳述する。
【0135】
また、この第2の実施形態では、第1の実施形態では設けた発電電圧計測手段8を設けていないため、この実施形態における制御手段15は、発電電圧計測信号S5が入力されない構成になっている。
【0136】
次に、その制御手段15の構成を図5によって説明する。
この制御手段15は、アンドゲート61および66と、オアゲート62および69と、フリップフロップ回路63および67と、ディレイバッファ64と、インバータ65および68と、充放電制御回路70とから構成されている。
【0137】
アンドゲート61は2入力のアンドゲートであって、オアゲート62の出力とオアゲート69の出力とが入力され、出力端子から計測信号S10を出力する。
オアゲート62は2入力のオアゲートであって、計時手段21から出力される計測クロックS1と計測禁止クロックS9とを入力し、その出力をアンドゲート61の一方の入力にする。オアゲート69も2入力のオアゲートであって、計測クロックS1と、フリップフロップ回路63の出力信号S4Lとを入力し、その出力をアンドゲート61の他方の入力にする。
【0138】
フリップフロップ回路63は、入力クロックの立ち上がり時にデータ入力の値を保持して出力するデータタイプのフリップフロップ回路であり、入力クロックとしては、計測信号S10が入力され、データ入力としてスイッチ出力計測信号S4が入力される。
【0139】
なお、この第2の実施形態で使用するフリップフロップ回路についても、説明の単純化のために、すべて電源投入時に保持データがセットされるような構成であるものとする。
ディレイバッファ64は、フリップフロップ回路63とインバータ65の応答時間の和程度の伝達遅れを有しており、計測信号S10を遅らせた(たとえば約50マイクロ秒ほど)信号を、遅延信号S10Dとして出力する。この遅延信号S10Dはアンドゲート66の一方の入力端子と充放電制御回路70に入力される。
【0140】
インバータ65は、フリップフロップ回路63の出力信号を反転し、それをアンドゲート66の一方の入力端子に入力させる。アンドゲート66は、インバータ65の出力信号と遅延信号S10Dとを入力してその論理積を出力する。
【0141】
フリップフロップ回路67は、入力クロックの立ち上がり毎に保持しているデータの値を反転して出力するトグルタイプのフリップフロップ回路であり、アンドゲート66の出力信号を入力クロックとして入力している。そして、このフリップフロップ回路67は、出力信号を第3のスイッチ信号S33および第2のスイッチ信号S32として出力する。
【0142】
このフリップフロップ回路67はトグルタイプであるため、スイッチ手段13のスイッチ動作は、フリップフロップ回路67が出力をハイレベルに保持するときは、入出力端子間を順方向に接続するように制御され、逆にフリップフロップ回路67が出力をロウレベルに保持するときは、入出力端子間を逆方向に接続するように制御される。
【0143】
インバータ68は、フリップフロップ回路67から出力される第2のスイッチ信号S32および第3のスイッチ信号S33を反転して、第1のスイッチ信号S31および第4のスイッチ信号S34として出力する。
【0144】
充放電制御回路70は、第1の実施の形態における図2に示した充放電制御回路70と同じ構成であり、昇圧クロックS2および分配クロックS3を入力して昇圧信号S20、放電信号S24、第1の分配信号S25および第2の分配信号S26を負荷手段2へ出力する。
【0145】
なお、この第2の実施形態においては、第1の実施の形態で充放電制御回路70へ入力していた第2のフリップフロップ回路52の出力信号S6の代わりにフリップフロップ回路63の出力信号S4Lを入力し、マルチバイブレータ60の出力信号S1Tの代わりに遅延信号S10Dを入力している。
【0146】
次に、図4から図6を用いてこの第2の実施形態の発電システムとしての動作について説明する。
図6に示す発電電圧V10は、発電手段10の発電端子g1,g2間の電位差を電圧波形として示したもので、説明を分かりやすくするため、この発電電圧V10は、負荷電流による電圧降下のない状態での開放電圧を示している。
【0147】
この発電システムである電子時計においては、説明の簡単のため、蓄電手段22には計時手段21および制御手段15が動作するのに充分な電力が蓄えられており、かつ充電可能な容量も充分大きいことを前提としている。このため、第1の実施の形態で示したような過充電防止の機能や、発電システムの動作停止時から起動動作を実現するための機能を有しておらず、蓄電手段22の端子電圧は、1.2Vの一定値であることを想定している。
【0148】
まず、発電手段10が順方向に1.0V以上の電圧で発電している場合の動作について説明する。
この場合、この電子時計における計時手段21および制御手段15には必要な電力が供給されているので、計測クロックS1、分配クロックS2、昇圧クロックS3および計測禁止クロックS9は、所定の波形となって計時手段21より出力されている。
【0149】
そして、説明の都合上、図5に示したフリップフロップ回路63の出力信号S4Lはハイレベルであり、かつ、フリップフロップ回路67も出力信号をハイレベルに保持しているものとする。このフリップフロップ回路67が出力信号をハイレベルにしていれば、第2,第3のスイッチ信号S32,S33がハイレベルで、S31,S34がローレベルになるため、スイッチ手段13は入出力端子間を順方向に接続する状態になっている。
【0150】
このとき、スイッチ出力計測手段4は、発電手段10の順方向の発電電圧を入力するため、ハイレベルのスイッチ出力計測信号S4を出力している。
また、フリップフロップ回路63の出力信号S4Lがハイレベルであれば、オアゲート69が常にハイレベルの信号を出力する。
【0151】
さらに、オアゲート62が計測クロックS1と計測禁止クロックS9との論理和の信号を出力するので、アンドゲート61はその論理和の信号をそのまま計測信号S10として出力する。このときの計測信号S10は、計測クロックS1の本来の62.5ミリ秒の周期を、計測禁止クロックS9の周期である2秒周期に変更した波形の信号となる。
【0152】
これによって、スイッチ出力計測手段4による計測動作の周期が変更され、フリップフロップ回路63はスイッチ出力計測信号S4を2秒周期で取り込むことになる。ここでは発電手段10が1.0V以上の電圧で発電しているので、フリップフロップ回路63はハイレベルとなっているスイッチ出力計測信号S4をとりこみ、ハイレベルの出力信号S4Lを継続して出力する。
【0153】
このとき、アンドゲート66は、フリップフロップ回路63のハイレベルの出力信号S4Lの反転信号を入力しているので、出力信号はロウレベルのままとなる。したがって、その後のフリップフロップ回路67の信号には変化がないため、スイッチ手段13は入出力端子間を順方向に接続する状態を維持する。
【0154】
なお、この間は充放電制御回路70において、ハイレベルで入力されるフリップフロップ回路63の出力信号S4Lを反転して放電信号S24がロウレベルにするので、図4に示す放電スイッチ24はオフ状態になる。一方、昇圧信号S20はアクティブとなり、昇圧手段23の昇圧動作は継続される。
【0155】
次に、この電子時計の環境が変化して、発電手段10の発電電圧が順方向に0.4V程度になった場合について説明する。
【0156】
これまでの動作では、スイッチ手段13は入出力端子間を順方向に接続する状態になっているが、この状態で発電手段10の発電電圧が順方向に0.4V程度になると、スイッチ出力計測手段4には接地電位に対して−0.4Vの電圧が入力される。このため、これを閾値(threshold)である−0.6Vと比較し、入力電圧がそれ以上の電圧であるので、ロウレベルのスイッチ出力計測信号S4が出力される。
【0157】
また、これまでは、図5におけるフリップフロップ回路63の出力信号S4Lはハイレベルであったので、計測信号S10は2秒おきにアクティブになったが、このときフリップフロップ回路63がロウレベルのスイッチ出力計測信号S4を取り込むと、その出力信号S4Lがロウレベルに変化する。
【0158】
すると、インバータ65の出力信号がハイレベルに変化し、このハイレベルになったインバータ65の出力信号と、計測信号S10よりも立ち上がりが遅れて現れる遅延信号S10Dとを入力するアンドゲート66は、遅延信号S10Dの立上りを受けて出力信号をロウレベルからハイレベルに変化させる。
【0159】
これによって、フリップフロップ回路67はこのアンドゲート66の出力信号の立ち上がりで、ハイレベルであった出力信号をロウレベルに反転する。これにより、第1から第4のスイッチ信号S31〜S34のレベルがすべて反転するため、図4におけるスイッチ手段13は第2,第4のスイッチ32,34がオンになり、第1,第3のスイッチS31,S32はオフになって、入出力端子間を逆方向に接続する状態になる。したがって、発電手段10の発電電圧の極性がスイッチ手段13によって反転されて出力される。
【0160】
なお、放電信号S24はフリップフロップ回路63の出力信号S4Lを受けてハイレベルになり、放電スイッチ24はオン状態となる。したがって、計時手段21は放電スイッチ24を介して、蓄電手段22から電力の供給を受けて安定して駆動されることになる。一方、昇圧信号S20はロウレベルとなるから、昇圧手段23の昇圧動作は停止する。
【0161】
次に、発電手段10の発電電圧が絶対値で0.6V未満になった場合について説明する。
このような環境の場合、スイッチ手段13がどのような順方向または逆方向のいずれの接続状態になっていても、スイッチ出力計測手段4に接地電位に対して−0.6Vを下回る電位が入力されることはない。したがって、発電電圧が絶対値で0.6V未満である間は、スイッチ出力計測信号S4はロウレベルのまま出力される。
【0162】
また、これまでフリップフロップ回路63の出力信号S4Lはロウレベルとなっているが、この間はオアゲート69およびアンドゲート61は計測クロックS1をそのまま出力するので、計測信号S10は62.5ミリ秒周期で高速にアクティブとなる。そして、この周期でフリップフロップ回路63がスイッチ出力計測信号S4を取り込むが、スイッチ出力計測信号S4がロウレベルである間は、フリップフロップ63は出力信号S4Lをロウレベルに維持する。
【0163】
このとき、アンドゲート66は計測信号S10を遅らせた遅延信号S10Dをそのまま出力するので、フリップフロップ回路67は62.5ミリ秒周期で出力信号のトグル動作を繰り返す。それによって、スイッチ手段13は、その入出力端子間を順方向に接続する状態と逆方向に接続する状態とを交互に繰り返すことになる。
【0164】
このように、発電手段10の発電電圧が順方向あるいは逆方向のいずれの方向にも不十分な電圧であるときには、スイッチ手段13は62.5ミリ秒周期で接続状態を切り換え、出力電圧の極性を反転させるので、スイッチ出力計測手段4により発電手段10が発電を開始する極性をすばやく判別できる。なお、この間は放電スイッチ24はオン状態を継続し、昇圧信号S20はロウレベルになり、昇圧手段23の昇圧動作は停止したままになる。
【0165】
ここで、スイッチ手段13は、入出力端子間の接続方向を順方向と逆方向に切り換えているが、この実施形態では、そのスイッチ手段13の出力端子e1,e2間に短絡手段35を備えており、出力端子e1,e2間に負荷への給電方向と逆方向の電圧成分が生じたときには短絡手段35が出力端子e1,e2間を短絡する。したがって、発電手段10の発電電圧がどのような値であっても、負荷手段2側に接地電位を越える逆方向電圧が印加されることはなく、負荷手段2を含む集積回路を破損などから保護することができる。
【0166】
次に、発電手段10の発電電圧が1.0Vで逆方向に発電した場合について説明する。
上記の過程では、スイッチ手段13は入出力端子間を順方向または逆方向に接続する状態になるが、スイッチ手段13が逆方向の接続状態であるときに発電手段10が逆方向に1.0Vの電圧を出力していると、スイッチ手段13によってその電圧の極性が逆転されて出力され、接地電位に対して−1.0Vの電圧がスイッチ出力計測手段4に入力するので、スイッチ出力計測信号S4はロウレベルからハイレベルに変化する。そして、図5におけるフリップフロップ回路63がこのハイレベルのスイッチ出力計測信号S4を取り込んで、その出力信号S4Lをハイレベルにする。
【0167】
フリップフロップ回路63の出力信号S4Lがハイレベルになると、アンドゲート66の出力信号はロウレベルになり、フリップフロップ67のトグル動作は停止する。この結果、スイッチ手段13は入出力端子間を逆方向に接続する状態を継続するので、逆方向に発電した発電電圧の極性を順方向に反転して、負荷手段2へ出力する。したがって、この逆方向の発電電圧による電力も負荷手段2で有効に利用することができ、昇圧手段23によって昇圧して蓄電手段22に充電したり、計時手段21および制御手段15の動作に使用することができる。
【0168】
これまでの動作説明より明らかであるが、この実施形態においては、発電手段10による発電電圧が順方向で充分な電圧であるときは、スイッチ手段13を順方向の接続状態にし、反対に発電電圧が逆方向で充分な電圧であるときは、スイッチ手段13を逆方向の接続状態にして、発電電圧をその極性を反転させて出力する。そして、このときも昇圧手段23を動作させることによって、その電力を負荷手段の駆動に利用するようにしている。
【0169】
さらに、発電手段10の発電電圧が順方向あるいは逆方向のいずれにも微小であるときは、スイッチ手段13の接続状態を順方向と逆方向に交互に切り換えて発電手段10が充分に発電を開始する極性を判定し続けるようにしており、第1の実施形態で設けた発電電圧計測手段8を省略している。
【0170】
以上説明した第1,第2の実施形態は、この発明による発電システムを電子時計に適用した例について説明したが、この発明による発電システムはこれに限るものではなく、各種携帯機器や小型電子機器などの電源システムとしても同様に適用できることは勿論である。
【0171】
また、この発電システムに使用する発電手段は、熱電発電装置の場合に発電電圧の極性の反転が生じやすいので、主にそれを想定して説明したが、それ以外の発電手段であっても、使用環境等によって発電極性が変わる発電装置を使用する場合には、すべて有効である。
【0172】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の発電システムによれば、発電電圧の極性が順方向あるいは逆方向へ変化するような発電手段を備えた発電システムであっても、その発電電圧の極性変化に応じて、スイッチ手段の接続状態を切り換えることによって、出力電圧の極性を負荷手段で必要とする所定の状態に極めて低損失で変換することができる。
【0173】
したがって、従来の全波整流器を用いた発電システムでは効率良く利用することができなかった、熱電発電装置のような発電手段による両方向の発電電圧成分を高効率で利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による発電システムの第1の実施形態である電子時計の構成を示すブロック回路図である。
【図2】図1における制御手段の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図3】図1における電子時計の動作を説明するための各部の電圧および信号の波形を示すタイミング図である。
【図4】この発明による発電システムの第2の実施形態である電子時計の構成を示すブロック回路図である。
【図5】図4における制御手段の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図6】図4における電子時計の動作を説明するための各部の電圧および信号の波形を示すタイミング図である。
【図7】従来の発電システムの一例である電子時計の構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
2:負荷手段 3,13:スイッチ手段
4:スイッチ出力計測手段 5,15:制御手段
6:アースライン 8:発電電圧計測手段
10:発電手段 11:ダイオード
21:計時手段 22:蓄電手段
23:昇圧手段 24:放電スイッチ
25:第1の分配スイッチ 26:第2の分配スイッチ
31:第1のスイッチ 32:第2のスイッチ
33:第3のスイッチ 34:第4のスイッチ
57:発振停止検出回路 70:充放電制御回路

Claims (10)

  1. 外部からのエネルギを電気エネルギに変換して発電電圧を出力する発電手段と、
    複数のスイッチング素子からなり、前記発電手段の発電電圧を出力する一対の発電端子へそれぞれ接続可能な一対の出力端子を有するスイッチ手段と、
    該スイッチ手段の出力電圧を計測するスイッチ出力計測手段、または前記発電手段の発電電圧を計測する発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段と、
    前記スイッチ手段の前記一対の出力端子に接続され、該スイッチ手段の出力電圧が印加されてその電力により動作する負荷手段と、
    前記スイッチ出力計測手段の計測結果または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測結果に応じて、前記スイッチ手段の複数のスイッチング素子を制御して、前記発電手段の前記一対の発電端子と前記スイッチ手段の前記一対の出力端子との接続関係を逆転させることを含む制御をする制御手段と
    を備えたことを特徴とする発電システム。
  2. 前記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段が、その計測動作を所定の周期で間欠的に行なうことを特徴とする請求項1記載の発電システム。
  3. 前記制御手段が、前記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段の計測動作時に、前記発電手段と前記負荷手段とを切り離すかあるいは前記負荷手段が低負荷状態となるように、前記スイッチ手段を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載の発電システム。
  4. 前記制御手段が、前記負荷手段が前記発電手段による電力供給を不要とするときは、前記発電手段の前記一対の発電端子間を短絡するように前記スイッチ手段を制御する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  5. 前記制御手段が動作停止状態にあるときおよび該動作停止状態から前記発電手段が発電を開始するときには、前記発電手段の発電電圧を前記負荷手段を介さずに前記制御手段に印加する初期化手段を有することを特徴とする請求項1記載の発電システム。
  6. 前記スイッチ手段の前記一対の出力端子間に、前記負荷手段への給電方向と逆方向の電圧成分を短絡する短絡手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の発電システム。
  7. 前記制御手段が、前記スイッチ出力計測手段によって計測された前記スイッチ手段の出力電圧が所定の値を下回っているときに、該スイッチ手段が前記発電手段の発電電圧の極性を反転して前記負荷手段に印加するように、前記発電手段の前記一対の発電端子と前記スイッチ手段の前記一対の出力端子との接続関係を制御するか、または前記発電手段と前記負荷手段とを切り離すように前記スイッチ手段を制御する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  8. 前記制御手段が、前記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との両方の計測手段の計測動作時には、前記発電手段の前記一対の発電端子の一方の電位前記スイッチ出力計測手段または前記発電電圧計測手段の接地電位と等しくし、他方の発電端子の電圧を前記発電電圧計測手段と前記スイッチ出力計測手段との一方もしくは両方の計測手段が計測するように、前記スイッチ手段を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載の発電システム。
  9. 前記制御手段が、前記スイッチ出力計測手段の計測結果により、該スイッチ出力計測手段の前記計測動作の周期を変えるように制御する手段を有することを特徴とする請求項に記載の発電システム。
  10. 前記制御手段が、前記発電電圧計測手段によって計測された前記発電手段の発電電圧が所定の値以上のときと、該所定の値を下回るときとで、前記発電手段の前記一対の発電端子と前記スイッチ手段の前記一対の出力端子との接続関係を逆転するように、前記スイッチ手段を制御する手段を有することを特徴とする請求項に記載の発電システム。
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