JP6031802B2 - 温度制御装置 - Google Patents

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本発明は、温調対象物の温度を制御する温度制御装置に関する。
ペルチェ素子等の熱電変換素子を用いて温調対象物の温度制御を行う装置が知られている。熱電変換素子を採用することにより精密な温度調整が実現できる。
熱電変換素子の性質を利用して温調対象物の熱を電力として回収することができる温度制御装置が特許文献1及び2などに開示されている。また、特許文献3には、熱源の廃熱を利用して発電を行う熱発電装置が開示されている。
ところで、今日、CO排出量削減のために、様々な電子機器の低消費電力化が要求されている。特に、パソコンや携帯電話などの端末を用いたインターネットは、年々全世界の利用者人口が増加し、動画配信による情報量も増加している。そして、利用者や情報量の増加に伴い、光ファイバーを用いた通信網の敷設が増加し、伝送距離も増加し続けているため、光通信システムの低消費電力化の要求が高い。光通信システムには温度により特性が変化する光学素子(能動部品)が用いられることがあり、その温度を安定化させるために温度制御装置が採用されることが多い。前述のように、光通信システムは多数施設する必要が有り、そこに採用される温度制御装置も多数になるため、温度制御装置の1つ1つでは僅かな省電力化であっても全体として考えると膨大な省エネルギー化を実現することができる。従って温度制御装置については、低消費電力化の装置の需要が高い。
特開2008−71879号公報 特開2003−265626号公報 特開2011−239638号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、熱電変換素子を用いた低消費電力となる温度制御装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の構成上の特徴は、温調対象物との間で熱の授受ができるように配設される熱電変換素子の温度、及び/又は前記温調対象物の温度を測定する温度測定素子と、前記熱電変換素子への電力供給のON及びOFFを切り替え前記温度測定素子により測定された測定温度及び目標温度の差分に応じた電流又は電圧を出力する駆動回路と、前記駆動回路の前記出力で前記熱電変換素子を冷却又は加熱モードの温調駆動で駆動して前記温調対象物の温度を制御する装置であって、
前記駆動回路から前記熱電変換素子への前記出力がOFFの時、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる電圧による電力を取り出す取り出し手段と、
前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧の極性を整合させる極性整合手段と、
を有し、
前記取り出し手段は、前記熱電変換素子を前記温調駆動するための前記駆動回路の前記出力の供給電圧の極性と、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧の極性が一致するときのみ、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧による前記電力を取り出すことである。
また請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記電力を前記駆動回路又は前記温調対象物へ供給することである。
また請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記電力を充電するバッテリを有することである。
また請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項において、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧による前記電力とは異なる電力を前記熱電変換素子に供給可能な給電手段を有し、
前記給電手段の所定の給電値を超える電力を前記熱電変換素子に供給必要な場合、超過分を前記バッテリから供給することである。
また請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項において、温調開始時、前記バッテリから前記熱電変換素子へ電力を供給して前記温調対象物を所定温度範囲内に温調後、前記温調対象物への通電を開始することである。
また請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜の何れか1項において、光通信用レーザダイオード又は光通信用送受信装置と一体装置であることである。
請求項1に係る発明においては、温調対象物の温度を制御するために熱電変換素子を冷却モード又は加熱モードの温調駆動する駆動回路が、熱電変換素子を駆動していない時、熱電変換素子に生じる温度差によって生じる電圧による電力を取り出す取り出し手段を有する。取り出した電力は、温度制御装置の駆動にも温調対象物の駆動にもその他どんな用途にも利用することができる。発電用に熱電変換素子を追加したりすることなく、1つの熱電変換素子によって装置が構成できるため、モジュール増加に伴うコストの増加もなく、且つ発電された電力を利用することで、低消費電力の装置を実現することができる。
また、請求項に係る発明においては、熱電変換素子を温調駆動するための駆動回路の出力の供給電圧と、熱電変換素子に生じる温度差によって生じる電圧との極性が一致するときのみ、取り出し手段が熱電変換素子に生じる温度差によって生じる電圧による電力を取り出す。例えば、温調対象物の測定温度から、駆動回路が熱電変換素子を加熱モードで制御する極性の供給電圧を出力しているにも関わらず、熱電変換素子に生じる温度差によって生じる電圧の極性が冷却モードである場合、熱電変換素子は冷却モードで駆動するため、温調対象物の温度制御に悪影響を与えることになる。よって、供給電圧の極性と熱電変換素子に生じる電圧の極性とが一致するときのみ電力を取り出すことで、温度制御に影響を与えず、温度制御の精度を維持した発電併用システムを構築することができる。
請求項に係る発明においては、取り出し手段によって取り出した電力を、熱電変換素子を駆動する駆動回路や温調対象物の駆動へ供給することで、温度制御装置の低消費電力化や温調対象物の低消費電力化ができる。
請求項に係る発明においては、取り出した電力をバッテリに充電することができるため、電力が必要でない場合は充電しておき、電力が必要なときにその充電した電力を利用することができ、充電した電力を有効利用することができる。
請求項に係る発明においては、熱電変換素子を温調駆動するための電力が給電手段の供給可能な給電値を超えた場合に、バッテリから供給することができるため、給電手段が小型なものであっても温調駆動できる。つまり、消費電力の低い給電手段を利用しても温調駆動に影響を与えずに温度制御することができる。
請求項に係る発明においては、温調開始時、バッテリから熱電変換素子へ電力を供給して温調対象物を所定温度範囲内に温調後、温調対象物への通電を開始する。バッテリに充電されている電力のみで温調駆動することで、バッテリ以外の電力の消費を低減できる。更には、熱電変換素子を加熱モードで使用する場合、同一消費電力のヒータと比較した場合の発熱量は熱電変換素子の方が大きいため、温調完了までの時間を短縮でき、温調対象物が温調されている状態で始動でき、また始動も早い。
請求項に係る発明においては、光通信用のシステムと一体装置とすることで、光通信用のシステムを低消費電力で安定駆動させることができる。
実施形態1の温度制御装置の構成を示す回路図である。 実施形態2の温度制御装置の構成を示す回路図である。 実施形態2の温度制御装置に駆動回路の駆動モード及び熱電変換素子に生じる電圧の極性を各温度状況で場合分けした表である。 実施形態3の温度制御装置の構成を示す回路図である。 実施形態4の温度制御装置の構成を示す回路図である。
以下、実施形態を用いて本発明を具体的に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の温度制御装置の構成を図1に示す。本実施形態の温度制御装置は温調対象物9の温度を所定範囲内に制御する装置であり、熱電変換素子を構成要素に含む熱電変換モジュール(Thermo Electric Cooler:以下「TEC」と適宜称する)1と、TECコントローラ(駆動回路)2と、温度測定素子3と、駆動・発電切替手段(取り出し手段)4と、極性整合手段5とを有する。ここで、所定範囲は温調対象物9に要求される特性に応じて決定される。温調対象物9としてはレーザー発振器などが例示される。
本実施形態の温度制御装置が温度を制御する温調対象物9は、TEC1との間で熱の授受ができるように配設されている。TEC1が備える熱電変換素子としては、2種類の異なる、金属・半導体を接合したペルチェ素子を採用することが望ましく、特にN型・P型が対になった半導体素子によって構成された冷却素子を採用することが望ましい。N型に接続する端子とP型に接続する端子とに直流電流を流すことで一方の面(N型半導体素子側又はP型半導体素子側。印加する電圧の極性により反転する。図面では上方側)が吸熱(冷却)し、反対の面(図面では下方側)が放熱する(ペルチェ効果)。ここで、温調対象物9はTECの一方の面又は他方の面(温調対象物9側)に接合される。そしてTECの温調対象物9が接合された面とは反対の面にヒートシンク(図略)が接合される。
熱電変換素子は電源の極性を逆にすることで、吸熱・放熱の切り替えも可能となる。また、両面に温度差を与えることによって発電することも可能となる(ゼーベック効果)。TEC1は、TEC1に直流電流を流すための2つの端子、端子cと端子dとが取り付けられている。
温度測定素子3は、TEC1に取り付けられており、温調対象物9の温度やその温度に関連する温度(温調対象物側温度)を測定する。なお、温調対象物9の温度を直接測定してもよい。
TECコントローラ2は、温度測定素子3によって測定された温調対象物側温度が予め設定された目標温度になるようTEC1へ出力する電力の制御を行う。電力制御の方法としては少なくともTEC1への電力の出力を行わないOFFの状態をもつ制御を行う。具体的には単純なオンオフ制御の他、PWM制御などのOFF状態を含む制御を用いる。また、ON状態においては100%の出力を行うほか、PID制御のような大きさを連続的に制御する方法、PAM制御などの公知の制御方法を組み合わせて採用することもできる。特にOFF状態をTECコントローラ2により作成しなくても駆動・発電切替手段4により、端子(a,b)と端子(c、d)との間を切断することによりOFF状態を実現する構成であっても良い。本実施形態の装置はOFFの時間があるとその時間に電力の回収を行う装置である。
TECコントローラ2は、後述する駆動・発電切替手段4を介してTEC1の端子cと断続される出力aと、TEC1の端子dと断続される出力bとを有する。TECコントローラ2は、目標温度と温調対象物側温度との大小関係に応じてTEC1を冷却又は加熱モードで駆動するため、TEC1への供給電力の電圧の極性を反転する機能を有する。TECコントローラ2には、TEC1を温調駆動するためにTECコントローラ2が電力を出力する(H)か出力しない(L)かのどちらかの信号を出力するTEC電圧モニタ21が取り付けられており、TEC電圧モニタ21からの信号がトランジスタ71のベースに接続されている。トランジスタ71は、信号がHigh(H)のであればONになり、Aの電位(出力)がLow(L)になる。信号がLであれればトランジスタ71はOFFになり、Aの出力はHになる。ここで、TEC電圧モニタ21は温調対象物側温度(温度測定素子3から算出される)と目標温度との差が所定の範囲(目標温度範囲)内にある場合にはLを出力しそれ以上の温度制御は必要無いと判断し、目標温度範囲を超えている場合にはHを出力し継続的な温度制御を行う必要があると判断する。TECコントローラ2の端子a及び端子bからTEC1に出力される電力の極性は、温調対象物側温度が目標温度範囲を超えているときには冷却されるように、反対に目標温度範囲を下回っている場合には加熱するように制御される。TEC電圧モニタ21の出力がL(すなわち温調を行う必要が無いと判断した場合)には端子a及び端子bの状態はどのような状態であってもよく特に限定しない。
駆動・発電切替手段4は、TEC1の端子(c、d)がTECコントローラ2の端子(a、b)と接続するか、TEC1の端子(c、d)がTECコントローラ2の端子(a、b)とは切断されて後述する極性整合手段5に接続するかを切り替えることができる手段である。駆動・発電切替手段4の切り替えは、Aから入力される電圧がHigh(H)かLow(L)かで行われる。駆動・発電切替手段4は、例えば、セレクタICやリレーなどを用いることができる。温調対象物側温度が目標温度範囲内に到達していない場合、TECコントローラ2は、TEC1を冷却モードか加熱モードかで駆動しようとするための出力がある。TECコントローラ2の出力があることで、TEC電圧モニタ21もトランジスタ71へHの信号を出力するのでトランジスタ71がONし、駆動・発電切替手段4にLが入力される。このようにLが入力されたときに駆動・発電切替手段4は、TEC1とTECコントローラ2とを接続して温度調節を行う。
温調対象物側温度が目標温度範囲内に到達した場合、TEC1が冷却モードか加熱モードかのどちらでも駆動しないように、TECコントローラ2は出力を停止する。TEC電圧モニタ21は、TECコントローラ2の出力がないため、Lが出力され、トランジスタ71のベースには入力がなく、トランジスタ71はOFFする。そして、駆動・発電切替手段4を制御するためのAの電位はHとなり、駆動・発電切替手段4はTEC1と極性整合手段5とを接続する。
極性整合手段5は、駆動・発電切替手段4を介してTEC1の2つの端子、端子cと端子dと断続可能に接続し、出力がTECコントローラ2の入力側に接続される。極性整合手段5は、ダイオードブリッジで構成され、TECに加わる温度差によって生じる電圧の極性に関わらず、一定の極性を出力するように整合させる。TEC1に発生した温度差によって生じる電圧による電力は、極性整合手段5を介してTECコントローラ2を駆動する電力として、TECコントローラ2に入力される。なお、極性整合手段5から出力された電圧は、昇圧部72によって適宜昇圧され、TECコントローラ2に入力される。通常、TEC1から出力される電圧は小さいことが多いため、昇圧部72によって昇圧されてからTECコントローラ2に入力される。TECコントローラ2には、TEC1に生じる電圧による電力以外の電力、外部電源(給電手段)Vccからの電力が入力される構成である。
本実施形態の温度制御装置によれば、TEC1が温調駆動しないとき(TECコントローラ2からの出力がないとき)、TEC1に加わる温度差によって生じる電圧による電力を駆動・発電切替手段4の接続を切り替えて、TECコントローラ2に入力する(取り出して使う)ことができる。なお、生じた電圧は、極性整合手段5を介することで一定の極性で出力され、また昇圧部72において昇圧される。当該温度制御装置では、温調駆動されるのも発電された電力を取り出すのも1つのTEC1であり、別のTECを追加するコストの増加もなく、且つ発電された電力をTECコントローラ2に入力して電力を補助することができる。つまり、低消費電力の装置である。
(実施形態2)
本実施形態2の温調制御装置は、図2に示されるように、基本的な構成は実施形態1の温調制御装置と同じ構成及び作用効果を有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
本実施形態2の温調制御装置は、TEC1を温調駆動するためのTECコントロール2の出力の供給電圧の極性と、TEC1に生じる電圧の極性とが一致するときのみ、TEC1によって生じる電力を取り出す取り出し手段を有する点で実施形態1と異なる。
取り出し手段は、駆動・発電切替手段4、コンパレータ73、論理回路74〜76及びスイッチ77から構成される。そして、TECコントローラ2は、TEC1を冷却モードで駆動する出力の場合は電圧のLow(L)、加熱モードで駆動する出力の場合は電圧のHigh(H)を出力するTEC駆動モードモニタ22を有する。コンパレータ73には、TEC1の端子cと端子dとが駆動・発電切替手段4を介して接続されており、TEC1に生じた電圧の極性を判断した結果が出力され、論理回路74と論理回路75とに入力される。具体的には(温調対象物側温度)>(温調対象物9側の面とは異なる放熱側の面の温度)であり、TEC1より電力を取出すと温調対象物側温度が低下するような場合には(出力cの電位)>(出力dの電位)となりコンパレータ73の出力はHになる。反対に、(温調対象物側温度)<(温調対象物9側の面とは異なる放熱側の面の温度)であり、TEC1より電力を取出すと温調対象物側温度が上昇するような場合には(出力cの電位)<(出力dの電位)となりコンパレータ73の出力はLになる。
結果、論理回路74〜76により、(a)TECコントローラ2が冷却モードの時であって、TEC1から電力を取出すと温調対象物側温度が下がる場合には論理回路76の出力はHになり、(b)TECコントローラ2が加熱モードの時であって、TEC1から電力を取出すと温調対象物側温度が上がる場合にも論理回路76の出力はHになる。
論理回路76の出力はスイッチ77に入力されており、Hの入力で接続状態になる。従って、TECコントローラ2がTEC1を駆動しようとするモードに対応する電圧の極性と、TEC1の起電圧の極性とが一致するときのみ、TEC1とスイッチ77とを接続し、極性が一致しない場合は、スイッチ77はTEC1とスイッチ77とを切断する。
図3は、TEC1をペルチェモジュール及びゼーベックモジュールで併用した場合の、TECコントローラ2の駆動モードとTEC1に生じた電圧の極性とを、各温度状況で場合分けした結果である。考えられるケースとして4つある。以下、その4つの場合について説明する。なお、目標温度は45℃として説明する。
(ケース1)
温度測定素子3の測定温度(TEC1の一方の面:温調対象物9側の面)は50℃、TEC1の温度測定素子3によって測定される温調対象物9とは反対側(以下、「放熱側」とする)の面の温度が75℃の場合、TECコントローラ2はTEC1の端子c−d間に端子cを正(+)とする電圧(TEC1の一方の面が冷却される極性)を印加し、TEC1は冷却モードで駆動する。デューティ制御などのOFF周期時、TEC1の温調対象物側温度と放熱側の温度との大小関係から、TEC1の端子c−d間に端子dを正とする電圧が発生する。そのため、負荷抵抗を有する閉回路に接続して電力を取り出そうとすると、TEC1の端子c及び端子dには冷却モードで駆動するのとは反対の極性の電流が流れ(端子cは負、端子dは正)、温調対象物側温度は加熱側に加速される。従って、TEC1への電力出力がOFFであってもTEC1から電力を回収しない方が温度調整精度の向上及び投入電力の低減の観点からは望ましい。
そのため、本実施形態ではTEC駆動モードモニタ22の出力(TECコントローラ2が端子a及び端子bから出力する電力の極性に応じてHとLとに切り替わる)とTEC1に生じた温度差により端子c及び端子dとの間に生成した電圧の極性(コンパレータ73によりH又はLとに対応づけて出力している)とを論理回路(論理回路74〜76で形成している論理回路)にて比較し、結果、極性が一致しないためスイッチ77は切断状態になるように信号を出力する。
(ケース2)
温度測定素子3の測定温度は40℃、TEC1の放熱側の温度が75℃の場合、TECコントローラ2はTEC1の端子c−d間に端子dを正(+)とする電圧を印加し、TEC1は加熱モードで駆動する。デューティ制御などのOFF周期時、TEC1の温調対象物9側の温度と放熱側の温度との大小関係から、TEC1の端子c−d間に端子dを正とする電圧が発生する。そのため、負荷抵抗を有する閉回路に接続して電力を取り出そうとすると、TEC1の端子c及び端子dには加熱モードで駆動するのと同じ極性の電流が流れ(端子cは負、端子dは正)、温調対象物9側を加熱する加熱モードとなる。よって、供給電圧の極性は端子cが負で端子dが正、TEC1の電圧の極性は端子cが負で端子dが正となり、極性が一致する。この場合、温調対象物9の温度制御の精度が向上し、且つ、温度差を電力として有効に取出すことができる。
(ケース3)
温度測定素子3の温調対象物側温度は50℃、TEC1の放熱側の温度が30℃の場合、TECコントローラ2はTEC1の端子c−d間に端子cを正(+)とする電圧を印加し、TEC1は冷却モードで駆動する。デューティ制御などのOFF周期時、TEC1の温調対象物9側の温度と放熱側の温度との大小関係から、TEC1の端子c−d間に端子cを正とする電圧が発生する。そのため、負荷抵抗を有する閉回路に接続して電力を取り出そうとすると、TEC1の端子c及び端子dには冷却モードで駆動するのと同じ極性の電流が流れ(端子cは正、端子dは負)、温調対象物側温度を冷却する冷却モードとなる。よって、供給電圧の極性は端子cが正で端子dが負、TEC1の電圧の極性は端子cが正で端子dが負となり、極性が一致する。この場合、温調対象物9の温度制御の精度が向上し、且つ、温度差を電力として有効に取出すことができる。
(ケース4)
温度測定素子3の温調対象物側温度は40℃、TEC1の放熱側の温度が30℃の場合、TECコントローラ2はTEC1の端子c−d間に端子dを正(+)とする電圧を印加し、TEC1は加熱モードで駆動する。デューティ制御などのOFF周期時、TEC1の温調対象物側温度と放熱側の温度との大小関係から、TEC1の端子c−d間に端子cを正とする電圧が発生する。そのため、負荷抵抗を有する閉回路に接続して電力を取り出そうとすると、TEC1は冷却モードで駆動するのと同じ向きの電流が流れ(端子cは正、端子dは負)、温調対象物側温度を冷却する冷却モードとなる。よって、供給電圧の極性は端子cが負で端子dが正、TEC1の電圧の極性は端子cが正で端子dが負となり、極性が一致しない。この場合、温調対象物9を更に冷却するように温調対象物側温度を低下させ、温度制御に影響を及ぼし、温度制御の精度が充分で無くなるおそれがある。
(作用効果)
本実施形態2の温度制御装置は、ケース1〜4のうちケース2とケース3の場合、つまり、TECコントローラ2の出力の供給電圧とTEC1に生じる電圧の極性とが一致する場合のみ、TEC1に生じる電圧による電力を取り出し手段によって取り出し、バッテリに充電する。ケース2とケース3とでは、取り出す電力に係る電圧の極性が異なることが分かる。取り出した電力は、極性整合手段5によって一定の極性で出力され、昇圧部72で昇圧され、バッテリ6に入力される。なお、ケース2及び3の場合にはTECコントローラ2から積極的に電力を供給しないこともできる(つまり、OFF状態を継続する)。そうすると、電力を消費せずに最大限の電力を取出すことができる。TECコントローラ2から電力を供給すると(取出す電力よりも大きな電力を取出した場合)単純に電力を取出した場合と比べて温度制御を速やかに行うことができる。駆動・発電切替手段4による切替は温調精度と電力の取出し量の増大とのバランス(電力の取出し量(取出し時間:OFF状態時間)を増やせばエネルギーの回収量が増大し、TECコントローラ2からの電力投入量(ON時間)を増やせば温度調整をより速やかに行うことができる)を考慮して決定できる。
本実施形態2の温度制御装置によれば、TECコントローラ2の出力の供給電圧とTEC1に生じる電圧の極性とが一致する場合のみ、TEC1に生じる電圧による電力を取り出す。そのため、温度制御に悪影響を及ぼさず、温度制御の精度を維持した発電併用システムを構築できる。また、取り出した電力をバッテリ6に一旦蓄電し、温調対象物9の温調開始時などの測定温度と目標温度との差が大きい場合などに蓄電した電力と外部電源Vccの電力とを併用することで本装置の最大消費電力を低減できるため、外部電源を小型化できる。
(実施形態3)
本実施形態3の温度制御装置は、図4に示されるように、基本的な構成は実施形態2の温調制御装置と同じ構成及び作用効果を有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
本実施形態3の温度制御装置は、新たなトランジスタ78と第2スイッチ79とを有する。トランジスタ78のベースには、TEC電圧モニタ21の出力が入力される。第2スイッチ79は、バッテリ6と外部電源Vcc(TECコントローラ2)との間に位置し、バッテリ6の電力を外部電源Vccに供給するかどうかを、トランジスタ78の出力によって切り替える。TEC1をTECコントローラ2が駆動するかどうかをTEC電圧モニタ21で検知する。TEC電圧モニタ21の出力が所定の値を超えたときにトランジスタ78がONになり、第2スイッチ79はバッテリ6と外部電源Vccとの回路を接続する。第2スイッチ79が接続状態でバッテリ6の電力が外部電源Vccに供給される。バッテリ6の電力を供給するかどうかの開始条件は、トランジスタ78に接続する外部抵抗81及び外部抵抗82の値で設定することができる。また、トランジスタ78はオペアンプでコンパレータを構成し、バッテリ6の電力を供給開始する条件に、ヒステリシスを設ける構成でもよい。
(実施形態4)
本実施形態4の温度制御装置は、図5に示されるように、基本的な構成は実施形態2の温調制御装置と同じ構成及び作用効果を有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
本実施形態4の温度制御装置は、新たなコンパレータ83と第2スイッチ79とを有する。コンパレータ83は、温度測定素子3の測定温度と、コンパレータ73に接続した外部抵抗84で予め設定した温度閾値とを比較する。温調開始時などの測定温度と目標温度との差が大きい場合に、コンパレータ83の出力電圧がHigh(H)となると、第2スイッチ79はバッテリ6と外部電源Vccとの回路を接続する。第2スイッチ79が接続状態でバッテリ6の電力が外部電源Vccに供給される。なお、バッテリ6の電力を供給するかどうかの開始条件は、コンパレータ83に接続した外部抵抗84の値で設定することができる。外部抵抗84の設定(温度閾値)をマイコンやDACで構成することができ、バッテリ6の充電状態に応じて外部抵抗84の温度閾値を変更できるように可変式を採用することもできる。
本実施形態4の温度制御装置によれば、測定温度と目標温度との差が大きく、温度上昇又は温度下降の幅が大きい、すなわち電力消費量が大きい際に、バッテリ6の電力を供給することで、外部電源のピーク電力を低減することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、TEC1に生じた温度差によって発生する電圧による電力は、TECコントローラ2に入力されるのではなく、温調対象物9に入力される構成でもよい。
1:熱電変換素子(TEC)、
2:TECコントローラ(駆動回路)、 21:TEC電圧モニタ、
22:TEC駆動モードモニタ、
3:温度測定素子、
4:駆動・発電切替手段(取り出し手段)、
5:極性整合手段、
6:バッテリ、
71、78:トランジスタ、 72:昇圧部、 73、83:コンパレータ、
75〜76:論理回路、 77:スイッチ、 79:第2スイッチ、
81、82、84:外部抵抗、
9:温調対象物。

Claims (6)

  1. 温調対象物との間で熱の授受ができるように配設される熱電変換素子の温度、及び/又は前記温調対象物の温度を測定する温度測定素子と、前記熱電変換素子への電力供給のON及びOFFを切り替え前記温度測定素子により測定された測定温度及び目標温度の差分に応じた電流又は電圧を出力する駆動回路と、前記駆動回路の前記出力で前記熱電変換素子を冷却又は加熱モードの温調駆動で駆動して前記温調対象物の温度を制御する装置であって、
    前記駆動回路から前記熱電変換素子への前記出力がOFFの時、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる電圧による電力を取り出す取り出し手段と、
    前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧の極性を整合させる極性整合手段と、
    を有し、
    前記取り出し手段は、前記熱電変換素子を前記温調駆動するための前記駆動回路の前記出力の供給電圧の極性と、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧の極性が一致するときのみ、前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧による前記電力を取り出す温度制御装置。
  2. 前記電力を前記駆動回路又は前記温調対象物へ供給する請求項1に記載の温度制御装置。
  3. 前記電力を充電するバッテリを有する請求項1又は2に記載の温度制御装置。
  4. 前記熱電変換素子に生じる温度差によって生じる前記電圧による前記電力とは異なる電力を前記熱電変換素子に供給可能な給電手段を有し、
    前記給電手段の所定の給電値を超える電力を前記熱電変換素子に供給必要な場合、超過分を前記バッテリから供給する請求項に記載の温度制御装置。
  5. 温調開始時、前記バッテリから前記熱電変換素子へ電力を供給して前記温調対象物を所定温度範囲内に温調後、前記温調対象物への通電を開始する請求項に記載の温度制御装置。
  6. 光通信用レーザダイオード又は光通信用送受信装置と一体装置である請求項1〜5の何れか1項に記載の温度制御装置。
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