JP4376339B2 - 真空検体採取システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液や尿などの液状検体あるいは呼気や作業環境の雰囲気のようなガス状検体の分析試験において、検体を採取するために用いられる、真空検体採取システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
真空検体採取システムの検体としては、血液が最も一般的である。そこで、以下の説明においては、真空検体採取容器として、真空採血容器を例にして説明する。
【0003】
従来の典型的な真空採血システムは、例えば、特開昭62−227316号公報に記載されている。図18は、このような従来の真空採血システムの基本的な構成を示す図である。図18(a)は、採血管32の開口端部に針穴シール性及びガスバリアー性を備えた栓体31を取付けて密封した真空採血容器30を示している。図18(b)は、真空採血容器30を挿入することができる真空採血用ホルダー33を示しており、このホルダー33の他方端側には採血針保持穴34が設けられている。採血針保持穴34には雌ねじが形成されている。図18(c)は、真空採血針35を示している。真空採血針35は、両側に針先37及び38を有しており、針先37側には、雄ねじ部が形成されたハブ36が設けられている。このハブ36は、図18(b)に示す真空採血用ホルダー33の採血針保持穴34に螺合する雄ねじ部である。
【0004】
図20は、図18に示す真空採血システムを用いて採血する際の状態を示す斜視図である。採血にあたっては、真空採血針35を、ホルダー33の採血針保持穴34にねじ止めし、次に真空採血容器30を、ホルダー33内に挿入し、採血針35の針先37を栓体31内に貫通しない程度に押し込んで、針先37を一旦封止する。これは、針先38を血管に刺入したときに、針先37から血液が漏出するのを防ぐためである。
【0005】
採血者は、図20に示すように、採血針35/ホルダー33/採血容器30を組み立てた全体を、被採血者の血管軸に沿った方向に寝かせるように手に保持し、血管刺通側の針先38を血管に刺通する。次いで、採血容器30をホルダー33内にさらに押し込むと、針先37が栓体31を貫通し、採血容器側と血管側の圧力差に応じて血液が採血容器30内に流入する。両側の圧力差がなくなれば、血液の流入は止まるので、組立体全体を血管から抜去し、採血作業を終わる。
【0006】
以上の説明で用いた採血針35は、いわゆるシングル採血針と呼ばれ、1本の真空採血容器にだけ採血するときに用いられるものである。複数の採血容器に採血するときには、採血容器の交換の際にも針を血管に刺入したままにしておかなければならない。このような場合、シングル採血針を用いると、針先37から血液が漏出してしまうので、図19に示すようなマルチプル採血針39が用いられる。マルチプル採血針39は、栓体刺通側の針先37が、弾性鞘体40で気密に被覆されており、血液の漏出を防ぐことができるようになっている。このようなマルチプル採血針39を用いる場合には、採血針39とホルダー33のみの組立体を、血管に刺入し、その後に採血容器30をホルダー33内に挿入して該採血容器30と血管とを連通せしめ、採血を行うことができる。
【0007】
図18(a)に示すような従来の栓体31に用いられる弾性材質としては、採血容器内部の減圧度を維持すべくガスバリアー性が要求され、かつ針先を抜いた後の針穴シール性が必要とされる。従って、従来、架橋イソブチレン・イソプレンゴム(架橋IIR、架橋ブチルゴム)が多用されている。
【0008】
図18(a)に示した栓体31は、従来の最もオーソドックスな形状を有する栓体であるが、採血後に該採血容器30内の検体を分取すべく、栓体31を除去しようとすると、栓体31が外れる瞬間に血液飛沫が飛ぶことがあるとされている。これは、採血容器30内部の減圧度を維持するために、密封性のよい栓体形状を採用していることによるものである。このような問題を解消するため、特開平5−168611号公報、特開平4−215961号公報、特開昭59−228831号公報、特開昭60−242367号公報、特開昭61−170437号公報、特開昭59−230539号公報、特開平3−505320号公報等には、血液飛沫を遮断するためのカバーを架橋ブチルゴム栓体に被せた複合構造の栓体が提案されている。
【0009】
上述のように、従来の栓体の材質としては、架橋ブチルゴムが多用されているが、架橋ブチルゴムは、加硫反応工程に長時間を要し、さらに溶出性物質を水洗除去しなければならない等の問題があり、生産性が悪いとされている。
【0010】
また、架橋ブチルゴムは、カバー部材とは接着性または融着性を示さないので、物理的な嵌め合い組立法が採用されているが、このような組立構造では栓体の抜け落ちが生じ易いという問題があった。そこで、抜け落ちを防止するために、カバー部材を略二重の円筒構造とし、内側の円筒部分を架橋ブチルゴム部材に嵌め込み埋設した構造が提案されている。しかしながら、架橋ブチルゴム栓体の優れた針穴シール性は、材質本来の特性だけでなく、該栓体を採血管に嵌合させたときに栓体が被る圧力が貫通した針穴を閉じるように作用するという点にも依存する。従って、略二重の円筒構造を有するカバー部材を用いた場合には、針穴シール性が低下するおそれがある。
【0011】
特開昭57−59536号公報では、ガスバリアー性に劣る熱可塑性エラストマーからなる栓本体にガスバリアー性の高い膜を被着させたり、あるいは埋設した栓体が提案されている。しかしながら、このような被着または埋設工程が必要となると、熱可塑性エラストマーを採用する最大の利点である高い生産性が犠牲にされる。
【0012】
また、射出成形が可能な生産性に優れた栓体は、特開昭58−58057号公報、特開昭61−64253号公報、特開昭59−28965号公報等に提案されている。これらの公報においては、射出成形可能な材質として、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーが用いられているが、弾性やガスバリアー性を確保するために、未架橋のブチルゴムや平板状の無機フィラー等を配合している。しかしながら、このような配合物は、針穴シール性に劣るため、別種の熱可塑性エラストマー部材を針管刺通部位に組み込む必要があり、かつ刺通抵抗も大きくなる。
【0013】
さらに、特開平4−279152号公報、及び特開平7−51253号公報では、針刺し可能な弾性部材に熱可塑性エラストマーのような射出成形可能な材料を用い、さらに上記の血液飛沫を遮断するカバーを栓体に被せた複合構造が提案されている。しかしながら、熱可塑性エラストマーのガスバリアー性の改善については、積極的な開示はなく、別種のガスバリアー性シートを付加的にカバー上面に組み込む等の従前の対策が図られているに過ぎない。
【0014】
特開昭57−154057号公報、実開昭62−160908号公報、特開平1−76831号公報、特開平2−174835号公報等では、典型的なゴム栓形状物とは一線を画した、アルミ箔と針穴シール性ゴムシートあるいはゴムチップ等からなる積層シートを直接、採血容器の開口端部に融着または接着することを特徴とする栓体が提案されている。この新しいタイプのシート状栓体は、アルミ箔のようなガス非透過性の材料を用いているため、ガスバリアー性が優れる上に、その薄さの故に、採血針の刺通抵抗が非常に小さく、採血作業の負担を大きく軽減することができるとされている。また、生産性も高い。しかしながら、採血容器の開口端部に直接融着された栓体は、一旦剥がすと、当然ながら再着脱することができないので、検体の保存には別途着脱可能な栓体を用意する必要がある。
【0015】
特開平3−97450号公報においては、射出成形可能な熱可塑性樹脂からなる栓体の軸心線に沿って針管が通り抜け可能な連通孔を設け、そこに注射針を差し込める弾性密封部材を充填するか、あるいはアルミ箔と加硫ゴムシートの積層密封部材を密着させた栓体が提案されている。この栓体と採血容器との嵌合は、従来栓体に共通している弾性嵌合ではなく、硬質の熱可塑性樹脂同士の強嵌合である。これは、ゴム弾性栓体を採血済みの採血管から一旦抜き取り、再度挿入しようとしても、元来密封性が非常によいため、栓体挿入中に採血管内部の空気が外部に逃げ出せないまま圧縮されて気圧が高まり、栓体がその反力で浮き上がってしまうのを防止するためとされている。弾性嵌合でなくとも、採血管内部の減圧は維持されるとされているが、熱可塑性樹脂の成形には、栓体と採血管内壁の密着性を損なう成形不良や残留歪みによる変形がつきものであるので、このような強嵌合を用いた栓体と採血管の嵌合は、品質管理上問題がある。
【0016】
他方、上述したいずれの従来の栓体を用いる場合であっても、採血にあたってマルチプル採血針39を使用すると、採血針の栓体刺通側針管に被覆されている弾性鞘体40による圧縮反発力を受ける。従って、真空採血管が真空採血用ホルダー33から外部に弾き返されるキックバック現象が生じ易くなる。
【0017】
キックバック現象を防止するには、栓体刺通側針管37の外表面と栓体の刺通部との摺動摩擦抵抗、あるいはホルダー内壁面と真空採血管の外表面との摺動摩擦抵抗をそれぞれ大きくする必要がある。しかしながら、前者では、必然的に刺通抵抗が増大することになり、後者では、ホルダー内壁面に凸条やばね弾性舌片を設けたり、固定式または可動式のフック機構を設けたりし、ホルダーと、採血管もしくは栓体外表面との摺動抵抗もしくは係合保持性を高める必要がある。しかしながら、いずれの方法を採用するにしても、ホルダー内への採血管を挿入する際の挿入抵抗及びホルダーからの引抜き抵抗が増大する。従って、採血者は不自然な姿勢で指先に力を加える作業を強いられ、血管内で針先がぶれやすくなり、採血者、被採血者の双方にとって負担が増大する。
【0018】
さらに、ホルダー内壁面と真空採血管の外表面との摩擦抵抗もしくは係合保持性を高めるにしても、1種類の採血管ホルダーに様々なサイズの採血管や栓体を対応させるのが通例であり、採血管もしくは栓体の外表面を、採血管ホルダーの内表面と摺動もしくは係合可能な大きさとなるように一律に拡径しなければならない。ところが、4〜7ml程度の小容量の採血管は、管本体が細く、これらを保持するための試験管ラックも、管本体に応じたサイズの収納部を有し、かつ保持されるべき管本体同士の間隔も小さいのが普通である。このような試験管ラックに、上記のように拡径された真空採血管を収納し、横一列に並べようとすると、拡径された部分同士が互いにぶつかりあり、並べることができなくなる。従って、やむを得ず、10ml容量用の大きな試験管ラックを用いているのが実情であるが、採血管ががたつきやすく、使い勝手が非常に悪かった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、真空採血容器用の栓体として、生産性に優れ、かつ採血管内の減圧を十分に維持することができ、針管刺通性、針穴シール性及びキックバック防止性に優れた真空採血容器用栓体が求められている。
【0020】
本発明の目的は、生産性に優れ、かつ採液管内の減圧度を十分に維持することができ、針管刺通性、針穴シール性及びキックバック防止性に優れた着脱自在な真空検体採取容器用栓体及び該栓体を用いた真空検体採取容器、真空検体採取ホルダー並びに栓体用熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る真空検体採取容器用栓体は、検体採取管の開口端部に着脱自在に嵌合し、かつ該検体採取管の内部を減圧状態に維持することができるように検体採取管の開口端部と気密に嵌合可能な栓体であって、栓体を把持するための環状の側壁部、及び該側壁部から内側に向かって延びる隔壁部を有し、隔壁部には検体採取のための針管を検体採取管に通すための貫通孔が形成されている把持部と、前記把持部の貫通孔を埋めるように設けられており、前記針管を通す刺通性及び前記針管を抜いた後の再シール性を有するゴム状弾性刺通部と、前記ゴム状弾性刺通部の周縁部から下方に延びるように構成されており、かつ前記検体採取管の開口端部の内面の表面形状に追従して該内面に接し、該開口端部に気密に嵌め合わされるゴム状弾性嵌合部とを備え、前記把持部が、前記針管刺通部及び前記嵌合部よりも高い剛性を有しており、前記把持部の環状の側壁部の内側には、キックバックを防止するために少なくとも1つの凹部または凸部が設けられていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る真空検体採取容器用栓体の特定の局面では、前記隔壁部から前記嵌合部に向かって延び、前記嵌合部中に埋め込まれる嵌合部支持部がさらに設けられており、前記針管刺通部の下面が嵌合部支持部の下端よりも上方に位置されており、針管刺通部の該下面に凸部が設けられている。
【0024】
本発明に係る真空検体採取容器用栓体では、好ましくは、前記貫通孔が前記針管刺通部の上方に向かうにつれて径が大きくなるように構成されている。
【0025】
さらに、本発明の別の特定の局面によれば、前記把持部の隔壁部の肉厚T1(mm)、及び25℃における酸素透過係数P1(ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg)、前記針管刺通部の刺通方向の肉厚T2(mm)、及び25℃における酸素透過係数P2(ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg)、前記把持部の貫通孔の最小断面積Sd(cm2 )並びに前記検体採取管の開口端部の開口面積So(cm2 )とが、下記の式(1)の関係を有するように構成される。
【0026】
【数2】
【0027】
本発明に係る真空検体採取容器用栓体では、好ましくは、前記把持部は、25℃における酸素透過係数P1が30×10-1ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性樹脂組成物からなり、前記針管刺通部は、25℃における酸素透過係数P2が700×10-1ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記嵌合部は、25℃の酸素透過係数が10000×10-1ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記把持部の貫通孔の最小断面積Sdと前記検体採取管の開口端部の開口面積Soとの比Sd/Soが、0.7以下とされている。
【0028】
また、本発明に係る真空検体採取容器用栓体では、特に限定されるわけではないが、前記把持部が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群から選択した少なくとも1種を主成分とし、前記刺通部及び前記嵌合部が、把持部と接着性または融着性を示す熱可塑性エラストマーにより構成されている。
【0029】
本発明に係る真空検体採取容器は、本発明に係る真空検体採取容器用栓体と、真空検体採取管とを備える。
【0030】
また、本発明に係る真空検体採取システムは、本発明に係る真空検体採取容器用栓体と、真空検体採取管と、一端に真空検体採取管を挿入可能な開口を有し、他端に検体採取のための針管を保持可能とされている筒状の真空検体採取用ホルダーと、真空検体採取針とを備え、前記真空検体採取用ホルダーの針管保持側の内奥部に、前記栓体の把持部の環状の側壁部の内側に設けられた凹部または凸部と係合自在な凸部または凹部を有する弾性部材が設けられている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下の本発明に従う実施形態においては、血液を採取する真空採血容器を例にとり説明する。
【0034】
図1は、本発明に従う一実施形態の真空採血容器を示す部分切欠半断面図である。真空採血容器20は、栓体1と採血管10とから構成されている。栓体1の上方部分は、着脱作業時に指先で掴み保持するための把持部2から構成されている。把持部2は、環状の側壁部2aと、側壁部2aの底部から内側に延びる隔壁部2bとを有している。隔壁部2bの内側端部は上方に突出し、その内側に貫通孔2cが形成されている。この貫通孔2cは、採血のための針管を採血管10に通すため形成されている。
【0035】
環状の側壁部2aの内周面2dの上端部近傍には、キックバック防止用のリング状凸部2eが全周にわたり設けられている。該リング状凸部2eは、該リング状凸部2eに平行な平面が、栓体1の軸方向すなわち真空採血管20の軸方向に直交するように配置されている。
【0036】
リング状凸部2eは、図13を参照して後述する真空採血用ホルダー60の真空採血針保持側の内奥部63に設けられたばね状弾性部材64と係合し得るように構成されている。このリング状凸部2eは、採血の際には後述のマルチプル採血針39の栓体刺通側の弾性鞘体40が圧縮されることにより発生する反発力に抗し、それによってキックバック現象を防止するように作用する。また、採血終了時には、採血管10を上記ホルダー60から引き抜く力を採血管10に加えると、該力にリング状凸部2eが抗し切れず、リング状凸部2eが凹部64aから離脱する。
【0037】
本実施態様では、リング状凸部2eが設けられているが、キックバックを防止するためには、リング状凸部2eに代えて、リング状凹部を形成してもよい。この場合には、ホルダー60の内奥部63の弾性部材64に設けられた係合部は、凸部とすればよい。また、リング状凸部2eまたは凸部2eに代わる凹部は、環状の側壁部2aの内周面2dの全周にわたり設けることが最も好ましいが、必ずしも全周にわたり設けられずともよい。すなわち、環状の側壁部2aの内周面2dに設けられるキックバック防止用の凸部または凹部は、局部的に設けられてもよく、さらに複数の凸部もしくは凹部が設けられていてもよい。
【0038】
把持部2の貫通孔2cには、貫通孔2cを埋めるように針管刺通部3が設けられている。この針管刺通部3は、ゴム弾性を有するように構成されている。また、貫通孔2cは、栓体の軸方向において、上方に向かうにつれて径が大きくなるように形成されており、すなわち、漏斗状の形状を有するように構成されている。後述するように、貫通孔2cの最小横断面積は、採血管10の開口端部11の開口面積に比べて小さいことが望ましい。従って、漏斗状の貫通孔2cの内壁は、採血のための真空採血針あるいは検体分取のためのサンプリングノズルを貫通孔2c内に正確に導くための誘導路として機能する。
【0039】
図1に示す実施態様においては、貫通孔2cは栓体1の軸心、すなわち把持部2の略中心の位置に1ヵ所設けられているが、貫通孔2cは、軸心からずれた位置に設けられてもよい。また、貫通孔は、必要に応じて複数個設けられてもよい。
【0040】
また、栓体1の下方部分は略円筒状の形状を有する嵌合部4から構成されている。嵌合部4は、ゴム弾性を有する略円筒状の形状を有する。また、嵌合部4は、上記針管刺通部3の下面周縁部から下方に延びるように形成されている。嵌合部4は、採血管10の開口端部11の内面11aと接して嵌め合わされる部分である。すなわち、嵌合部4の外周面4aが採血管10の開口端部11の内面11aの表面形状に追従して柔軟に接するようにして、嵌合部4が採血管10の開口端部11に嵌め合わされる。本実施形態では、嵌合部4は、針管刺通部3と同一材料で一体に形成されている。
【0041】
本発明においては、把持部2の隔壁部2bの肉厚をT1(mm)、及び25℃における酸素透過係数をP1(ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg)、針管刺通部3の刺通方向の肉厚をT2(mm)、及び25℃における酸素透過係数P2(ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg)、把持部2の貫通孔2cの最小横断面積をSd(cm2 )とし、採血管10の開口端11の開口面積をSo(cm2 )としたときに、下記の式(1)の関係を満たすように設定することが望ましい。
【0042】
【数3】
【0043】
上記式(1)の左辺は、栓体1のガスバリアー性を示す。式(1)の左辺の値Xが、10×10-10 よりも大きいと、真空採血管20内の減圧状態の維持性が劣化することがある。
【0044】
把持部2を構成する材料としては、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属、セラミックスなどを用いることができる。もっとも、生産性及び経済性を高めるには、熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
【0045】
また、針管刺通部3や嵌合部4を構成する材料としては、各種熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーなどを用いることができるが、生産性や経済性の観点から熱可塑性エラストマーを用いることが望ましい。
【0046】
本実施形態の栓体1では、より好ましくは、上述した式(1)を満たすだけでなく、▲1▼把持部2の25℃における酸素透過係数が30×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性樹脂組成物からなること、▲2▼針管刺通部3の25℃における酸素透過係数が700×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなること、▲3▼嵌合部4の25℃における酸素透過係数が10000×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなること、及び▲4▼把持部2の貫通孔2cの最小横断面積Sdと、採血管10の開口端部11の開口面積Soとの比Sd/Soが0.7以下であることを満たすことが望ましい。
【0047】
従って、好ましくは、把持部2は、25℃における酸素透過係数が30×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性樹脂組成物から形成される。このような熱可塑性樹脂組成物としては、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル/スチレン系共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、高密度あるいは低密度ポリエチレン等を主たる成分とするものが用いられ得る。これらの材料は、単独で用いられてもよく、複数種併用されてもよい。複数種併用する場合、複数の材料層を積層してもよく、あるいは複数の上記熱可塑性樹脂を混合して用いてもよい。
【0048】
把持部2は、より好ましくは、その酸素透過係数が15×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下とされ、このような酸素透過係数を実現する熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール、エチレン/ビニルアルコール系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、高密度ポリエチレン、ポリカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0049】
把持部2は、さらに好ましくは、その酸素透過係数が5×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下とされ、このような酸素透過係数を実現する熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール、エチレン/ビニルアルコール系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、高密度ポリエチレンなどが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく2種以上併用されてもよい。
【0050】
把持部2の25℃における酸素透過係数が大きすぎると、把持部2の隔壁部2bや針管刺通部3の肉厚を大きくしたり、あるいは針管刺通部3や嵌合部4を構成する材料として酸素透過係数が小さいものに制約されたりするため、針管刺通抵抗が増大したり、生産性や経済性が劣化することがある。
【0051】
針管刺通部3の25℃における酸素透過係数は、700×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下であることが好ましく、このような酸素透過係数を実現する熱可塑性エラストマー組成物としては、スチレン系、ウレタン系、アミド系、エステル系、塩化ビニル系もしくはオレフィン系エラストマーのジブロックあるいはトリブロック共重合体や、エチレン/酢酸ビニル共重合体などを主たる成分とするものが挙げられ、これらの主たる成分とする材料は単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。さらに、上記熱可塑性エラストマー組成物には、各種添加剤を配合してもよく、また2種以上の熱可塑性エラストマーを用いる場合、その併用方法についても限定されず、2種以上のエラストマーを積層してもよく、あるいは2種以上のエラストマーを混合して用いてもよい。
【0052】
なお、オレフィン系エラストマーと、その他の系のエラストマーとを併用する場合、スチレン/水添ブタジエンブロック共重合体系、スチレン/水添イソプレンブロック共重合体系、スチレン/イソブチレンブロック共重合体系、スチレン/エチレンプロピレンブロック共重合体系などの熱可塑性エラストマーを併用することが好ましい。
【0053】
さらに、スチレン/水添ブタジエン系熱可塑性エラストマーを用いる場合には、ブタジエンブロックが1,2結合成分を含むものであることが望ましく、スチレン/水添イソプレン系エラストマーを用いる場合には、イソプレンブロックが3,4結合成分を含むものであることがより好ましい。オレフィン系エラストマーに対し、上述した熱可塑性エラストマーを併用することにより、オレフィン系エラストマーと他の熱可塑性エラストマーとの相溶性を高めることができる。
【0054】
針管刺通部3は、好ましくは、その酸素透過係数が200×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下とされる。このような酸素透過係数を実現する材料としては、イソブチレンブロックを有するスチレン系エラストマー、架橋イソブチレンドメインを有するオレフィン系エラストマー、ウレタン系、アミド系もしくはエステル系エラストマーなどを主成分とするものが用いられる。これらの各エラストマーは単独で用いられてもよく、併用されてもよい。
【0055】
なお、ゴム弾性を有する架橋イソブチレンドメインが、イソブチレン−イソプレン共重合体をいわゆる動的架橋法により架橋することにより得られたものである場合には、酸化亜鉛などの遷移金属酸化物が架橋反応の触媒として用いられることが多い。従って、このような触媒として用いられている金属酸化物から生じた金属イオンの溶出を防止するために、該金属と難溶性の塩、または難溶性キレートを形成する化合物を併用することが望ましい。
【0056】
針管刺通部3の25℃における酸素透過係数が大きすぎると、針管刺通部3や把持部2の隔壁部2bの肉厚を大きくしたり、把持部2を構成する樹脂として、酸素透過係数が小さいものを用いる必要があることになり、結果として、針管刺通抵抗が増大したり、生産性や経済性が劣化することがある。
【0057】
嵌合部4を構成する熱可塑性エラストマー組成物としては、上述した針管刺通部3を構成するのに用い得る熱可塑性エラストマーを用いることができ、さらにシリコーン系エラストマーを主たる成分とするものも用いることができる。このようなエラストマーは単独で用いられてもよく、あるいは2種以上併用されてもよい。
【0058】
針管刺通部3により果たされる気密性は、ゴム弾性材料自身の酸素透過係数の大きさに依存する。これに対して、嵌合部4により発揮される気密性は、採血管10の開口端部11の内面11aの表面形状に追従する外周面4aの柔軟性に依存するところが大きい。従って、外周面4a近傍を形成するゴム弾性材料については、針管刺通部3よりも大きな酸素透過係数を有するものを用いることができる。
【0059】
嵌合部4の25℃における酸素透過係数は、10000×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下であることが望ましい。酸素透過係数がこれよりも大きいと、針管刺通部3や把持部2の隔壁部2cの肉厚を大きくしたり、把持部2を構成する樹脂として酸素透過係数が小さいものを用いる必要があったりし、結果として、針管刺通抵抗が増大したり、生産性や経済性が劣化することがある。
【0060】
針管刺通部3と嵌合部4とは、25℃における酸素透過係数が共に700×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなることが好ましく、より好ましくは、共に200×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物から構成されることが望ましい。さらに、針管刺通部3及び嵌合部4は、同一の熱可塑性エラストマー組成物を用いて一体的に構成することが好ましく、それによって生産性を高めることができる。
【0061】
また、嵌合部4において採血管10の開口端部11の内面11aと直接摺動する部分、すなわち外周面4aの部分は、JIS硬度AまたはASTMshore硬度Aが80以下であることが好ましく、さらに好ましくは60以下である。JIS硬度AまたはASTMshore硬度Aが大きすぎると、針管刺通抵抗や採血管への装着抵抗が増大したり、採血管10の内面11aに対する密着性が低下することがあり、作業性や気密性が低下することがある。
【0062】
また、嵌合部4の外表面4aには、採血管10の開口端部11への着脱を容易にするために、各種オイル、ワックス、脂肪酸、界面活性剤、可塑剤、あるいは滑性無機微粉末等の潤滑剤をスプレーや浸漬、塗擦等の従来公知の方法により塗布したり、あるいは成形前に予め配合しておくことが好ましい。
【0063】
把持部2の貫通孔2cの最小横断面積Sdと、採血管10の開口端部11の開口面積Soとの比Sd/Soは、0.7以下とすることが好ましい。Sd/Soが0.7より大きい場合には、把持部2の隔壁部2cや針管刺通部3の肉厚を大きくしたり、栓体構成材料の酸素透過係数を小さいものにしたりする必要があることがあり、針管刺通抵抗が増大したり、生産性や経済性が低下することがある。
【0064】
Sd/Soは、0.5以下とすることがより好ましく、その場合には、針管刺通部3や把持部2の隔壁部2bの肉厚を小さくすることができ、針管刺通抵抗が小さくなり、生産性や経済性も高め得る。より好ましくは、Sd/Soが0.3以下とされ、その場合には、上述した利点に加えて、酸素透過係数が比較的大きな栓体構成材料を用いることができ、経済性をより一層高め得る。
【0065】
好ましくは、把持部2は、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール、エチレン/ビニルアルコール系共重合体などの非オレフィン系熱可塑性樹脂の少なくとも1種を主たる成分とする熱可塑性樹脂組成物からなり、針管刺通部3及び嵌合部4が把持部2と接着性または融着性を有する熱可塑性エラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマー組成物から構成される。この場合、熱可塑性エラストマー組成物を構成する主成分としての熱可塑性エラストマーとしては、把持部2と接着性または融着性を有するスチレン系エラストマーの中でもイソブチレンブロックを有するエラストマー、オレフィン系エラストマーの中でも架橋イソブチレンドメインを有するオレフィン系エラストマー、ウレタン系、アミド系もしくはエステル系などの熱可塑性エラストマーを挙げることができ、これらは単独で、あるいは種々の方法で組み合わせて用いることができる。
【0066】
上記非オレフィン系熱可塑性樹脂組成物や熱可塑性エラストマー組成物を構成材料として用いることにより、焼却したときに有害なガスが発生するのを低減することができる。
【0067】
また、これらの組成物中における非燃焼性充填剤の配合割合を10重量%以下とすれば、焼却残灰量を低減することができ、より好ましい。
また、針管刺通部3及び嵌合部4が把持部2と接着性もしくは融着性を有するので、これらの構成部材の界面を経由して漏洩する外部雰囲気を遮断することができるので、採血容器内部の減圧度をより効果的に一定にすることができる。
【0068】
上記栓体1は、射出成形、真空成形、押出成形等の従来公知の各種成形方法により製造することができ、その製造方法は特に限定されるものではない。例えば、予め把持部2を射出成形しておき、これに針管刺通部3及び嵌合部4をインサート成形してもよいし、両者を同時に成形する、いわゆる多材射出成形法(マルチ射出成形法)により成形してもよい。また、予め各部材を別々に成形した後、組み合わせてもよいが、各部材が互いに気密に保持されていることが採血管の減圧維持のためには望ましいので、強嵌合か、あるいはより好ましくはホットメルト型、硬化反応型等の接着剤を用いて接着したり、超音波、高周波等を用いた加熱融着等を行うのが望ましい。
【0069】
また、栓体1を構成する各種の異種材料間の接着性あるいは融着性を高めるために、各成形品表面に接着性、相溶性改質剤を塗布、積層するか、あるいは成形前に予め配合しておくことが望ましい。
【0070】
把持部2を始めとする栓体1の各部は、採血管10の内部に収容された試薬類の区別を容易にするために、予め顔料や染料を配合して着色したり、あるいは印刷したり、別に成形した着色部材の嵌め込み等により識別可能にしてもよい。
【0071】
採血管10の材質としては、特に限定されるものではないが、軟質ガラス、硬質ガラス、硼珪酸ガラス等やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、アクリロニトリル/スチレン共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体等のような剛性を有する熱可塑性樹脂等が挙げられ、特に、25℃における酸素透過係数が30×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下であるように構成されたこれらの熱可塑性樹脂の1種以上含む熱可塑性樹脂組成物を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は単独で用いられてもよく、複数種併用されてもよく、併用する場合、複数の熱可塑性樹脂が積層されてもよく、混練されて用いられてもよい。
【0072】
採血管10の製造方法についても特に限定されず、射出成形、ブロー成形などの従来より公知の方法を用いることができる。また、パイプ状に押し出し成形した後、所望の長さに切断し、該パイプの一端を別に成形した部材により封止したり、あるいはパイプに栓体1を嵌め込んで封止することにより、有底管状の容器としてもよい。
【0073】
また、採血管10の内部には、何も収容されていなくてもよいが、血液凝固促進剤、抗凝固剤、解糖阻止剤、蛋白分解酵素阻害剤、除蛋白剤、培養剤、pH安定化剤等の各種試薬類や、血清分離剤、血液成分付着防止剤等の検体前処理を円滑に進めるための補助剤等の従来公知のものが収容されていてもよく、特に限定されることはない。
【0074】
図2は、本発明の他の実施形態に係る真空採液容器用栓体を示す部分切欠断面図である。図2に示す栓体では、嵌合部4の外周面4aの少なくとも採血管の開口端部の内面と接する表層部分4bが、針管刺通部とは異なるゴム状弾性体で構成されている。前述したように、針管刺通部3により果たされる気密性は、ゴム状弾性体自身の酸素透過係数の大きさに依存するのに対し、嵌合部4により果たされる気密性は、採血管10の開口端部の内面の表面形状に追従する外周面4aの柔軟性に負うところが大きい。従って、少なくとも外周面4a近傍を形成するゴム弾性材料については、針管刺通部3よりも大きな酸素透過係数を有する材料を用いることができる。
【0075】
図3は、本発明に従う他の好ましい実施形態の真空採血容器の栓体を示す部分切欠断面図である。図3に示す実施形態においては、略円筒状の形状を有する嵌合部4の下方部分に、嵌合部4の下方端部から上方に向かって延びる切り欠き溝5が形成されている。その他の構成は、図1に示す実施形態と同様であるので説明を省略する。このように切り欠き溝5を形成することにより、採血管の開口端部に栓体2を着脱する際、採血管内部からの気体の流出または採血管内部への気体の流入が可能となる。従って、採血管から検体の一部を分取するため一旦栓体を外した後、再度栓体を挿入する際に、余剰の外気が採血管内部に取り込まれて圧縮され、栓体を押し出そうとする反力を生じることが軽減されるので、栓体が浮き上がるのを防止することができる。
【0076】
切り欠き溝5の形状については、特に限定されるものではないが、切り欠き溝5の終端の溢路部に凝固した血液塊が滞留しないように、鋭角部や毛管部のない滑らかな形状にすることが望ましい。
【0077】
図4は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血容器に用いられる栓体を示す部分切欠断面図である。図4に示す実施形態においては、略円筒状の嵌合部4の周囲に、把持部2の外周下方端から下方に向かって延びる略円筒状のカバー6が設けられている。従って、嵌合部4は、カバー6の内側に設けられており、図1〜図3に示す実施形態に比べ、嵌合部4の径に対する把持部2の径が相対的に大きくなっている。
【0078】
図4に示す実施形態のように、カバー6を設けることにより、栓体2を指先で摘む把持面積が増えるため着脱作業が改善される。また、カバー6の下方端が嵌合部4を十分に覆うようにカバー6の長さを設定しておくことにより、栓体1を採血管から外した時に、血液飛沫が生じたとしても、これを遮断することができる。
【0079】
このようなカバー6は、把持部2を成形する際に、一体的に形成することができる。
図5は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血容器に用いられる栓体を示す部分切欠断面図である。本実施形態においては、図3に示す実施形態と同様に、嵌合部4に切り欠き溝5を形成すると共に、図4に示す実施形態と同様に、把持部2の径を相対的に大きくし、把持部2の下方端に嵌合部4を包囲するカバー6を設けている。従って、栓体を外し、再び栓体を挿入する際に、栓体が浮き上がるのを防止することができると共に、栓体の着脱作業性の改善が図られ、栓体を採血管から外したときの血液飛沫を遮断することができる。
【0080】
本実施形態のように、切り欠き溝5を形成すると共に、カバー6を設ける場合には、カバー6の下方端が、切り欠き溝5の上方端より下方に位置するようにカバー6を設けることが好ましい。このようにカバー6を十分な長さにすることにより、切り欠き溝5の上方端の近傍を遮蔽することができ、栓体1を採血管から取り外す際、切り欠き溝5の上方の終端部付近が、採血管の開口端部から外部に抜け出た瞬間に、血液の飛沫が外部に飛散したとしても、その飛沫をカバー6によって遮断し得る。従って、検査従事者が飛沫を浴びる可能性を無くすことができる。
【0081】
また、切り欠き溝5を形成すると、血液飛沫が飛散する箇所が切り欠き溝5の上方端部近傍となるので、上述のようにカバー6の長さは、図4に示す実施形態に比べると短くすることが可能になる。カバー6の長さを相対的に短くすることにより、栓体1を採血管に装着したときに、カバー6が採血管開口端部を覆う面積が少なくなるので、採血管の壁面に貼付されたり、印刷された検体識別用ラベルやバーコードなどを覆い隠すことが生じ難くなる。
【0082】
図6は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血容器の栓体を示す部分切欠図である。本実施形態においては、把持部2の隔壁部2bから、下方に向かって延び、嵌合部4中に挿入された嵌合部支持部7が設けられている。この嵌合部支持部7は、略円筒状の形状を有しており、略円筒状の形状を有する嵌合部4中に埋設された状態となっている。
【0083】
嵌合部支持部7の下端よりも、針管刺通部3の採血管側の内表面8が上方に位置されており、内表面8には略半球状の凸部8aが形成されている。
嵌合部支持部7は、把持部2と嵌合部4との複合構造を強固にするために設けられている。もっとも、嵌合部支持部7は、栓体1の着脱の際にゴム状弾性嵌合部4が過度に変形するのを防止する効果も有する。
【0084】
しかしながら、嵌合部支持部7が設けられていると、針管刺通部3に穿たれた針穴を閉じるように作用する嵌合部4と、採血管10の開口端部11との間の嵌合応力を遮断する作用があり、針穴シール性が弱められるおそれがある。
【0085】
採血管10の内部に収容された検体の内圧が何らかの原因で高まると、針管刺通部3の内表面8に対して法線方向に静水圧が作用する。針穴の貫通する方向は内表面8と略垂直であるため、静水圧は針穴が貫通する方向と同じ方向に作用する。従って、検体は針穴を容易に押し広げつつ逆流し、針管刺通部3の外表面に漏出するおそれがある。
【0086】
しかしながら、本実施形態では、針管刺通部3の内表面8に凸部8aが設けられているので、該凸部8aの表面の法線方向に作用する静水圧は針穴とは異なる方向、すなわち針穴を閉じる方向に作用することになる。従って、針穴シール性が高められる。
【0087】
上記凸部8aの形状については、特に限定されず、略半球状の形状の他、略円柱状や略円錐台状としてもよい。また、凸部8aは、針管刺通部3と一体に形成されていることが好ましい。
【0088】
なお、支持部7は、埋設ではなく嵌合部4の内壁面上に沿うように設けてもよいし、略円筒状とする代わりに柱列状としてもよい。
図7は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血容器において用いられる栓体を示す部分切欠断面図である。本実施形態では、図6に示す実施形態と同様に、嵌合部4を補強するための嵌合部支持部7が把持部2に設けられており、さらに嵌合部4に切り欠き溝5が形成されている。従って、栓体1を一旦採血管から外した後、再度採血管に挿入する際に、栓体1が浮き上がるのを防止することができる。
【0089】
図8は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血容器に用いられる栓体を示す部分切欠断面図である。本実施形態においては、嵌合部4を補強するための嵌合部支持部7が設けられると共に、嵌合部4の周囲を包囲するカバー6が設けられている。このようなカバー6を設けることにより、図4に示す実施形態と同様の作用効果を得ることができる。嵌合部支持部7及びカバー6は、把持部2を成形する際に一体的に形成することができる。
【0090】
図9は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血容器に用いられる栓体を示す部分切欠断面図である。本実施形態においては、嵌合部4を補強する嵌合部支持部7を設けると共に、嵌合部4に切り欠き溝5を形成し、嵌合部4の周囲を包囲するカバー6が設けられている。このように切り欠き溝5及びカバー6を設けることにより、図5に示す実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
図10は、上記の各実施形態の真空採血容器に用いられる採血管を示す斜視図であり、図1に示す採血管と同様の採血管を示している。本発明において用いられる採血管の形状は、図10に示すような採血管に限定されるものではなく、例えば、図11に示すような開口部側が細く底部側が太いボトル状の採血管など、従来公知のものを含め種々の採血管を用いることができる。
【0092】
図13(a)は、本発明に従う真空採血用ホルダーの他の実施形態を示す部分切欠断面図である。
真空採血用ホルダー60は、一端に真空採血管20を挿入することが可能とされている開口61を有し、他端には真空採血針39を保持するための保持部62を有する。ホルダー60の保持部62の内奥部63には、バネ状弾性部材64が配置されている。バネ状弾性部材64は、凹部64aを有し、該凹部64aは、栓体1の前述したキックバック防止用の凸部2eと係合自在とされている。バネ状弾性部材64の凹部64aは、内奥部63の内面と隔てられて、該内面に沿って設けられている。
【0093】
弾性部材64は、少なくとも1つ設けられておればよいが、略円筒形状に沿って複数箇所に弾性部材を配置することが好ましい。また、栓体1側のキックバック防止用の形状を、凸部から凹部に変更した場合には、ホルダー60側の凹部64aは凸状とすればよい。
【0094】
バネ状弾性部材64を構成する材料については、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは金属などを挙げることができ、特に限定されるわけではないが、生産性を高める上では熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリオキシメチレン(ポリアセタール)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(アクリロニトリル/スチレン共重合体)などの靱性と剛性とを兼ね備えた熱可塑性樹脂が好ましい。
【0095】
バネ状弾性部材64は、ホルダー60と一体的に成形されてもよいが、ホルダー60とは別部材として構成されたものをホルダー60に固定してもよい。この場合固定方法についても特に限定されず、嵌合構造を両者の間に設ける方法、あるいは接着もしくは融着等の方法を用いることができる。
【0096】
弾性部材64は、図13(b)に示すように、凹部64aが外周面に沿ってリング状に配置されている略円筒形状としてもよい。この場合には、剛性を高めることができるので、熱可塑性エラストマーや熱硬化性エラストマーなどのゴム弾性体により弾性部材64を別部材として構成することができ、このような弾性部材64をホルダーの内奥部63に固定すればよい。
【0097】
上記ホルダー60の使用に際しては、ホルダー60に真空採血針39を固定した後、針管38を血管に刺し入れる。しかる後、栓体1を装着した真空採血管20をホルダー60に挿入すると、栓体1の針管刺通部3に針管37が入り込むにつれ、弾性鞘体40が圧縮されて、該圧縮に伴う反発力が真空採血管20に作用し始める。しかしながら、栓体1の把持部2の側壁部2aの先端が、弾性部材64と内面との間の隙間に入り込み、栓体側の凸部2eとホルダー側の凹部64aとが係合する位置に達すると、弾性鞘体40の圧縮反発力に逆らって、真空採血管20がホルダー60内に保持される。従って、採血が円滑に行われる。
【0098】
採血終了時には、真空採血管20をホルダー60から引き抜くように力を作用させればよく、それによって凸部2eと凹部64aとの係合が解除され、真空採血管20がホルダー60外に取り出される。
【0099】
上記のように、キックバックの防止は、栓体1の把持部2の側壁部2aの内表面を利用して行われる。従って、把持部2の外表面をホルダー内表面と摺動させるように、把持部2の外径を大きくする必要がない。従って、4〜7ml少容量の小型真空採血管を用いる場合であっても、拡径する必要がないので、通常の試験管ラックに支障なく挿入し、正立させることができる。
【0100】
図14は、本発明に従う他の実施形態に係る真空採血管を示す部分切欠半断面図である。真空採血管90は、栓体70と、採血管80とを有する。
栓体70は、キックバック防止用の凸部2eが設けられていないこと、並びに針管刺通部3の下面8に突出部8aが設けられていること、さらに隔壁72bの下面から下方に嵌合部74が延ばされていることを除いては、図1に示した栓体1と同様に構成されている。
【0101】
従って、同一部分については、同一の参照番号を付することにより、その説明は省略する。
栓体70においては、針管刺通部3は、貫通孔2cを埋めるように設けられているが、さらに、針管刺通部3の下面8には、略半球状の凸部8aが設けられている。この凸部8aが設けられていることにより、針穴シール性が高められている。
【0102】
採血管80では、剛性を有する有底の管状容器82と、ゴム弾性を有する有底の管状容器83とが管状容器83が内側となるように入れ子構造とされて重ねられており、それによって採血管80の開口部内面にゴム弾性を有する嵌合部が構成されている。採血管80の内表面80aは、剛性を有する栓体の嵌合部74の外表面74aの表面形状に追従する柔軟性を有しているので、栓体70が気密に装着され、採血管80内部の減圧を維持することができる。
【0103】
もっとも、ゴム弾性を有する管状容器83に代えて、管状容器82の内面において、嵌合部74の外表面74aが接する領域近傍のみをゴム状弾性材料で構成してもよいことはいうまでもない。
【0104】
また、本実施形態に係る真空採血容器においても、栓体70に、キックバック防止用の凸部または凹部を形成してもよい。
本実施形態における栓体70の把持部72、針管刺通部3を構成する材料については、図1に示した真空採血容器20の場合と同様とすることができ、好ましい材料についても同様である。
【0105】
採血管80のうち、剛性を有する管状容器82は、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂により構成することができるが、25℃における酸素透過係数や材料についての好ましい例は、図1に示した真空採血容器の採血管10の場合と同様である。
【0106】
他方、ゴム状弾性を有する管状容器83については、スチレン系、ウレタン系、アミド系、エステル系、塩化ビニル系、オレフィン系エラストマーなどのジブロックもしくはトリブロック以上の共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性エラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマー組成物を用いることができる。この場合、上記熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0107】
また、2種以上の熱可塑性エラストマーを併用する場合、その併用方法についても決定されず、2種以上のエラストマーを積層したり、2種以上のエラストマーを混合したりする方法など、任意である。また、上記熱可塑性エラストマー組成物には、各種添加剤を配合してもよい。
【0108】
さらに、ゴム状弾性を有する管状容器83は、シリコーン系エラストマーのような熱硬化性エラストマーを用いて構成してもよい。
ゴム状弾性を有する管状容器83は、剛性の管状容器82と接着もしくは融着されていることが必要である。この場合、各種接着性改質剤や融着性改質剤を両者の界面に適用することができる。もっとも、上記熱可塑性もしくは熱硬化性エラストマー自身が接着性もしくは融着性を有していることが好ましい。従って、ウレタン系、アミド系、エステル系もしくはスチレン系などの熱可塑性エラストマーを1種以上主成分とするもの、あるいはスチレン系エラストマーとのトリブロック以上の複合共重合体としたもの、さらにこれらに各種添加剤を配合したものなどが好適に用いられる。あるいは、プライマーを配合したシリコーン系熱硬化性エラストマーが好適に用いられる。
【0109】
採血管80の製造に際しては、別々に成形された管状容器82にゴム状弾性管状容器83を嵌め込み、接着もしくは融着してもよいが、マルチ射出成形などの公知の方法を用いて製造することができる。
【0110】
また、図15に示すように、上記熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとを共押出法により、二層パイプ状に押出成形した後、所望の長さに切断し、該二層パイプ状の一端を同じく上記熱可塑性樹脂を用いて別に成形された封止部材84を嵌合させることにより封止してもよい。この方法によれば、任意の長さの採血管を製造することができる。
【0111】
また、図15の右下方に示すように、封止部材84に代えて、栓体70を嵌め込み着脱自在に封止すれば、採血管の上下端いずれからも検体を分取することができる採血管を構成することができる。
【0112】
本発明においては、上記熱可塑性エラストマー組成物としては、好ましくは、架橋されたゴム弾性ドメインを有する熱可塑性エラストマーを含む組成物であって、該組成物が遷移金属と共に水難溶性の塩もしくはキレートを形成する化合物を含んでいるものが用いられる。
【0113】
上記ゴム弾性ドメインの動的架橋の触媒として、しばしば用いられる金属酸化物は、架橋反応終了後も、過剰量がエラストマー中に残存する。従って、上記エラストマーを用いて栓体を構成すると、水性検体に接触したときに、金属酸化物由来の金属イオンが検体中に溶出するおそれがある。
【0114】
上記のような金属イオンの検体中への溶出を防止するには、上記エラストマーの原料段階で、またはエラストマーを栓体に成形した後に、希塩酸などにより金属イオンを抽出すればよい。しかしながら、より好ましくは、上記遷移金属に対して水難溶性の塩、またはキレートを形成する化合物を、栓体の成形の前にエラストマーに配合しておけば、金属イオンの溶出を抑制することができる。
【0115】
水難溶性の塩を形成する化合物の例としては、ナフテン酸、オクチル酸、オレイン酸、エルカ酸、ステアリン酸、もしくは大豆油脂肪酸等の疎水性残基とカルボキシル基とを含む高級脂肪酸、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸もしくは無水マレイン酸などのカルボン酸残基を含む高分子化合物などが挙げられる。
【0116】
水難溶性のキレートを形成する化合物の例としては、疎水性残基とO,O配位子、O,N配位子、O,S配位子、N,N配位子、N,S配位子、S,S配位子などを含む低分子もしくは高分子化合物を適宜用いることができ、このような化合物の例としては、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン、N−シンナモイル−N−フェニルヒドロキシルアミン、o−(サリチリデンアミノ)チオフェノール等の低分子化合物、あるいは、これらに加えてエチレンジアミン四酢酸、ポルフィリンなどの残基やアミド結合を含む高分子化合物などが挙げられる。
【0117】
これらの化合物を上記熱可塑性エラストマー中に含ませるには、適当な有機溶媒を用いて溶解し、混合したり、押出混練機を用いて溶融混練したりする方法を用いることができる。また、上記エラストマーを成形する前に、バンバリーミキサーや成形機中のホッパー中に上記化合物を投入し、攪拌してもよい。
【0118】
これらの水難溶性の塩、またはキレートを形成する化合物は、上記熱可塑性エラストマー中に粒状に分散させてもよいが、残存する遷移金属とそれぞれ、塩やキレートを形成するのを促進するには、エラストマー中に良好に分散させることが望ましい。従って、上記化合物としては、エラストマーの成形温度以下の融点を有するものを用いることがより好ましい。
【0119】
上記本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、本発明に係る真空検体採取容器用栓体の全体を構成する材料として用いられてもよいが、少なくともゴム弾性を有する針管刺通部及びゴム状弾性嵌合部が上記熱可塑性エラストマー組成物により構成されておれば、検体中への金属イオンの溶出を防止することができ、好ましい。
【0120】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
【0121】
以下の実施例においては、図9に示す実施形態の栓体のうち、針管刺通部3の下面8に設けた半球状の凸部8aを除いたものを用いている。図12は、図9に示す栓体の各部の寸法を示すための部分切欠断面図である。aは貫通孔2cの最小部分の直径を、bは嵌合部4の直径を、cは針管刺通部3の厚みを、dは隔壁部2bの厚みを、eは切欠溝5の長さを、fはカバー6の長さを、gは嵌合部4の一定直径部分の長さを、hは嵌合部4の先端のテーバー部分の長さを、iは栓体1の全体の長さを、jは栓体1の全体の直径を各々示している。
【0122】
1.減圧度維持性についての実施例/比較例
〔実施例1〜19〕
(真空採血管の作成)
各実施例につき、図12の各部の寸法(単位:mm)、カバー部並びに嵌合部支持部を有する把持部の材質と酸素透過係数(単位:ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg)、針管刺通部並びに嵌合部の材質とショアー硬度A及び酸素透過係数(単位:ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg)を各々、表1〜3に示す。また、両者の接合面の接着性を改善するための接着剤、栓体着脱時の潤滑性を付与するための潤滑剤を同じく表2,3に示す。さらに、針管刺通部の最小断面積Sdと採血管の開口端部の断面積Soの比Sd/So、式(1)の値を併せて表2,3に示す。
【0123】
各栓体を作成するにあたっては、把持部を射出成形した後、必要な場合は接合面に接着剤を少量塗布して乾燥させた後、針管刺通部並びに嵌合部をインサート成形した。最後に潤滑剤を嵌合部表面に少量塗布した。なお、把持部の環状側壁部の内周面には、リング状にキックバック防止用の凸部を設けた。
【0124】
別途、ポリエチレンテレフタレートを用いて、開口端部の内径10.7mm、全100mm、容量7mlの採血管を射出成形し、これに減圧状態で前述の各栓体を打栓して、6ml採血用の真空採血管を作成した。
【0125】
(評価)
市販の21Gのマルチプル真空採血針及び同じく市販のキックバック防止機構のない真空採血用ホルダーを用い、通常の真空採血法に従って、先に作成した各真空採血管に30℃の水を吸引採取した。吸引中は、採血管底部を指先で押さえて、キックバックを防止した。吸引前後の重量変化から、実際に吸引することのできた水の量を算出した。かかる吸引量測定を真空採血管の試作直後と50℃のオーブン中で1週間保存した後の2回実施し、吸引量の経時変化を評価した。また、真空採血針の栓体刺通時の抵抗について官能評価を行った。さらに水を吸引採取させた採血管を30秒管逆さまに保持したときの針穴からの水滴の漏出の有無を目視観察し、針穴シール性について評価した。
【0126】
〔比較例1〕
(真空採血管の作成)
一般に市販されている典型的な真空採血管用ゴム栓として、図13の各部の寸法(単位:mm)を表2の通りとし、加熱プレス成形法によって、酸素透過係数が約30×10-10 ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHgの架橋ブチルゴム製の栓体を作成した。構成を表4に示す。その後、着脱時の潤滑性を付与するために、嵌合部表面にポリジメチルシロキサンを少量塗布した。本栓体を用いて、実施例1〜19と同様にして6ml採血用の真空採血管を作成した。
【0127】
(評価)
実施例1〜19と同様にして評価した。
〔実施例20〜22〕
(真空採血管の作成)
表1に記載した構成で、実施例1〜19と同様にして6ml採血用の真空採血管を作成した。
【0128】
(評価)
実施例1〜19と同様にして評価した。
(実施例1〜22及び比較例1の結果)
各々の実施例の結果を表5にまとめて示す。実施例1〜19では、真空採血管の減圧度の維持性、採血針の刺通抵抗、針穴シール性ともに良好であり、比較例1と遜色がなかった。これに対して、実施例20〜22は、式(1)を満足しない栓体構成であるため、真空採血管としての減圧度の維持性に乏しい。ただし、実施例20〜22では、真空採血針の栓体刺通時の抵抗や針穴シール性については、比較例1と比べて遜色のない結果であった。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】
【0134】
2.改良された針穴シール性についての実施例/比較例
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明の別の態様をさらに詳細に説明する。以下の実施例においては、図9に示す実施形態の栓体を用いている。針管刺通部の採血管側の表面8に設けた半球状の凸部8aを除くその他の寸法説明は、図12と同じであるので省略する。
【0135】
〔実施例23〕
(真空採血管の作成)
図12の各部の寸法、材料特性等について表6,7に示す。半球状の凸部8aの直径は、図12のaと同じである。本栓体を用いて、実施例1〜19と同様にして6ml採血用の真空採血管を20本作成した。
【0136】
(評価)
実施例1と同様にして30℃の水を吸引採取させた後、実施例1〜19よりも過酷な条件下での針穴シール性を評価するために、40℃の恒温水槽に20秒間、垂直に埋没させた。この時、針穴から漏れ出る気泡の有無を目視観察した。
【0137】
〔比較例2〕
(真空採血管の作成)
比較例1と同様の6ml採血用の真空採血管を20本作成した。
【0138】
(評価)
実施例23と同様にして、針穴から漏れ出る気泡の有無を目視観察した。
〔比較例3〕
(真空採血管の作成)
半球状の凸部8aを設けなかったこと以外は、実施例23と同様の6ml採血用の真空採血管を20本作成した。
【0139】
(評価)
実施例23と同様にして、針穴から漏れ出る気泡の有無を目視観察した。
(実施例23及び比較例2,3の結果)
結果を表6,7に示す。実施例23において、気泡漏出率は1/20であり、比較例2と同等であった。これに対して、比較例3では、気泡漏出率は12/20であり、過酷な条件下ではあるが、針穴シール性が不完全であった。
【0140】
【表6】
【0141】
【表7】
【0142】
3.真空採血用ホルダーについての実施例/比較例
〔実施例24〕
(真空採血用ホルダーの作成)
図13(a)に示した真空採血用ホルダーのバネ状弾性部材64について、図16(b)のように、ホルダー本体とは別の組み込み用部品としてポリオキシメチレンを用いて射出成形した。これを、図18(b)に示したような、一般に市販されているポリプロピレン製真空採血用ホルダーの内奥部に嵌め込み固定した。図16(a)は、作成した真空採血用ホルダーの部分切欠断面図である。
【0143】
(評価)
実施例1と同様の真空採血管と市販の21Gマルチプル採血針を本ホルダーと組み合わせて、実施例1〜19と同様にして30℃の水を吸引採取し、吸引中のキックバック防止性能を目視観察した。
【0144】
(結果)
真空採血管をホルダー奥まで挿入すると、栓体把持部のキックバック防止リング状凸部とホルダー内奥部のキックバック防止弾性部材の凹部が弾性的に係合し、マルチプル採血針のゴム鞘の反発力に抗して、良好な状態で採血管をホルダー内に保持することができた。吸引終了後は、採血管を引き抜くような力を作用させると、該凹凸の係合が外れ、採血管をホルダー外に取り出すことができた。
【0145】
〔比較例4〕
(真空採血用ホルダーの作成)
図18(b)に示したような、キックバック防止部材を有しない一般に市販されているポリプロピレン製真空採血用ホルダーをそのまま使用した。
【0146】
(評価)
実施例24と同様に行った。
(結果)
ホルダーに本発明の真空採血管を挿入するにつれて、マルチプル採血針のゴム鞘の反発力による強いキックバック力を生じ、採血管底部を指先で押さえていないと吸水作業を続けることができなかった。
【0147】
4.動的架橋の触媒として遷移金属酸化物を含む熱可塑性エラストマーからの金属イオンの溶出を低減する配合物についての実施例/比較例
〔実施例25,26〕
(配合ぺレットの作成)
配合組成について表8に示す。実施例25では、難溶性の金属塩を形成する添加剤として、エチレン−メタクリル酸共重合体(ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル製)を、また実施例26では、難溶性の金属キレートを形成する添加剤として、スチレン/アミド系の熱可塑性エラストマー(プリマロイE、三菱化学製)を使用した。オレフィン/架橋イソブチレン系の熱可塑性エラストマー(トレフシン、AESジャパン製)で使用されている動的架橋触媒は、酸化亜鉛であった。各配合成分同士を攪拌して大まかに混和した後、押出機を用いて溶融混練を行い、押し出されたストランドを水中冷却して配合ぺレットを作成した。
【0148】
(評価)
ぺレットの重量の10倍量のイオン交換水にぺレットを浸漬して、40℃で24時間抽出した。次いで、該イオン交換水中の亜鉛イオン濃度を原子吸光法により測定した。
【0149】
〔比較例5〕
(配合ぺレットの作成)
オレフィン/架橋イソブチレン系の熱可塑性エラストマー(トレフシン、AESジャパン製)のぺレットをそのまま使用した。
【0150】
(評価)
実施例25,26と同様に行った。
(実施例25,26及び比較例5の結果)
実施例の測定値をオレフィン/架橋イソブチレン系の熱可塑性エラストマー(トレフシン、AESジャパン製)の配合割合で除し、さらに比較例5の測定値で除して、比較例5での溶出亜鉛濃度を1.0としたときの換算値を表9に示す。実施例では、いずれも溶出濃度が1/4に低減されており、効果が確認された。
【0151】
【表8】
【0152】
【表9】
【0153】
【発明の効果】
本発明に係る真空検体採取容器用栓体では、把持部、ゴム弾性を有する針管刺通部及びゴム状弾性嵌合部を備える構造を有し、複雑な複合構造を有しないため、生産性に優れている。また、上記把持部の環状側壁部の内側には、キックバックを防止するために少なくとも1つの凹部または凸部が設けられているので、真空検体採取ホルダーの針管保持部の内奥部に該凹部または凸部と係合し得る凸部または凹部を形成しておくことにより、例えばマルチプル採血針を用いた場合の弾性鞘体によるキックバック現象を確実に防止することができる。
【0154】
加えて、ゴム状の弾性嵌合部が栓体採取管の開口端部の内面に気密的に嵌め合わされるので、真空検体採取容器内の減圧度維持性を効果的に高めることができる。
【0155】
また、上記針管刺通部は、刺通性及び再シール性を有するので、それによっても真空検体採取容器内の密封性を確実に維持することができる。
本発明に係る真空検体採取容器用栓体において、嵌合部中に埋め込まれる嵌合部支持部が設けられている場合には、嵌合部と栓体の複合強度が高められ、それによって栓体の着脱の際の弾性嵌合部の過度の変形を抑制することができる。
【0156】
加えて、嵌合部支持部が設けられていることによる針穴シール性の低下が、上記針管刺通部の下面に設けられた凸部により抑制される。すなわち、針管刺通部の下面に凸部が設けられているので、前述したように、該凸部により針穴シール性が確保される。
【0158】
本発明に係る真空検体採取容器用栓体において、貫通孔が針管刺通部の上方に向かうにつれて径が大きくなるように構成されている場合には、例えば真空採血針や検体分取のためのサンプリングノズルを貫通孔内に、ひいては真空採血針やサンプリングノズルの先端を真空検体採取容器内に容易に導くことができる。
【0159】
また、把持部の隔壁部の肉厚T1、及び25℃における酸素透過係数P1、針管刺通部の刺通方向の肉厚T2及び25℃における酸素透過係数P2、把持部の貫通孔の最小断面積Sd並びに検体採取管の開口端部の開口面積Soが、式(1)を満たすように構成されている場合には、栓体のガスバリアー性が十分な大きさとされており、それによって真空検体採取容器内の減圧度を確実に維持することができる。
【0160】
本発明に係る真空検体採取容器用栓体において、把持部が上記特定の熱可塑性樹脂組成物からなり、針管刺通部、及び嵌合部が上記特定の各熱可塑性エラストマー組成物からなり、Sd/Soが0.7以下である場合には、ガスバリアー性に優れており、真空検体採取容器内の減圧度を確実に維持することができる。加えて、上記熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性エラストマー組成物を用いて構成されているので、射出成形等により容易に生産することができ、真空検体採取容器用栓体の生産性を高めることもできる。
【0161】
把持部が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群から選択した少なくとも1種を主成分とし、刺通部及び嵌合部が、把持部と接着性または融着性を示す熱可塑性エラストマーにより構成されている場合には、ガスバリアー性に優れ、真空検体採取容器内の減圧度を確実に維持することができるだけでなく、把持部に対し、刺通部及び嵌合部を容易に接着または融着することができ、真空検体採取容器用栓体の生産性を高め得る。
【0162】
本発明に係る真空検体採取容器は、本発明の栓体と、真空検体採取管とを備えるので、生産性及びガスバリアー性に優れた栓体を有し、内部の減圧度を確実に維持し得る真空検体採取容器を提供することができる。
【0164】
本発明に係る真空検体採取システムは、本発明の真空検体採取容器用栓体と、真空検体採取管と、真空検体採取用ホルダーと、真空検体採取針とを備えており、真空検体採取用ホルダーの針管保持側の内奥部に、栓体の把持部の環状の側壁部の内側に設けられた凹部または凸部と係合自在な凸部または凹部を有する弾性部材が設けられているので、マルチプル真空検体採取針を使用した場合の上述したキックバック現象を確実に防止することができると共に、ガスバリアー性に優れかつ生産性に優れた真空検体採取システムを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施形態の真空採血管を示す部分切欠断面図。
【図2】本発明に従う他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図3】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図4】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図5】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図6】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図7】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図8】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図9】本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血管の栓体を示す部分切欠断面図。
【図10】本発明の真空採血管に用いられる採血管の一例を示す斜視図。
【図11】本発明の真空採血管に用いられる採血管の他の例を示す斜視図。
【図12】本発明に従う実施例の栓体の寸法を示すための部分切欠断面図。
【図13】(a)及び(b)は、本発明に従う他の実施形態の真空採血ホルダーを示す部分切欠斜視図であり、(b)は、本発明に従うさらに他の実施形態の真空採血ホルダーを示す部分切欠断面斜視図。
【図14】本発明の他の実施形態に係る真空採血容器を示す部分断面斜視図。
【図15】本発明に従うさらに他の真空採血容器を説明するための分解斜視図。
【図16】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明に従うさらに他の実施形態に係る真空採血ホルダーを説明するための図であり、(a)は部分切欠斜視図、(b)は弾性部材を示す斜視図。
【図17】従来例の栓体の寸法を示すための部分切欠断面図。
【図18】従来の真空採血システムの基本的な構成を示す図。
【図19】マルチプル採血針を示す側面図。
【図20】真空採血システムを用いて採血する際の状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…栓体
2…把持部
2a…側壁部
2b…隔壁部
2c…貫通孔
2d…側壁部内面
2e…キックバック防止用凸部
3…針管刺通部
4…嵌合部
4a…嵌合部の外周面
4b…嵌合部の外周部
5…切り欠き溝
6…カバー
7…嵌合部支持部
8…針管刺通部の下面
8a…凸部
10…採血管
11…採血管の開口端部
11a…開口端部の内面
Claims (6)
- 真空検体採取容器用栓体と、真空検体採取管と、一端に真空検体採取管を挿入可能な開口を有し、他端に検体採取のための針管を保持可能とされている筒状の真空検体採取用ホルダーと、真空検体採取針とを備える真空検体採取システムであって、
前記真空検体採取容器用栓体は、検体採取管の開口端部に着脱自在に嵌合し、かつ該検体採取管の内部を減圧状態に維持することができるように検体採取管の開口端部と気密に嵌合可能で、
栓体を把持するための環状の側壁部、及び該側壁部から内側に向かって延びる隔壁部を有し、隔壁部には検体採取のための針管を検体採取管に通すための貫通孔が形成されている把持部と、
ゴム弾性を有し、前記把持部の貫通孔を埋めるように設けられており、前記針管を通す刺通性及び前記針管を抜いた後の再シール性を有する針管刺通部と、
前記針管刺通部または把持部の下方に連結されており、かつ前記検体採取管の開口端部の内面の表面形状に追従して該内面に接し、該開口端部に気密に嵌め合わされるゴム状弾性嵌合部とを備え、
前記把持部が、前記針管刺通部及び前記嵌合部よりも高い剛性を有しており、
前記把持部の環状の側壁部の内側には、少なくとも1つの凹部または凸部が設けられており、
前記真空検体採取用ホルダーは、前記真空検体採取用ホルダーの針管保持側の内奥部に、前記栓体の把持部の環状の側壁部の内側に設けられた凹部または凸部と係合自在な凸部または凹部を有する弾性部材が設けられていることを特徴とする真空検体採取システム。 - 前記真空検体採取容器用栓体には、前記隔壁部から前記嵌合部に向かって延び、前記嵌合部中に埋め込まれる嵌合部支持部がさらに設けられており、前記針管刺通部の下面が嵌合部支持部の下端よりも上方に位置されており、針管刺通部の該下面に凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空検体採取システム。
- 前記貫通孔が前記針管刺通部の上方に向かうにつれて径が大きくなるように構成されている請求項1又は2に記載の真空検体採取システム。
- 前記把持部は、25℃における酸素透過係数P1が30×10-1ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性樹脂組成物からなり、前記針管刺通部は、25℃における酸素透過係数P2が700×10-1ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記嵌合部は、25℃の酸素透過係数が10000×10-1ml/cm2 ・mm-1・sec・cmHg以下である熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記把持部の貫通孔の最小断面積Sdと前記検体採取管の開口端部の開口面積Soとの比Sd/Soが、0.7以下である請求項4に記載の真空検体採取システム。
- 前記把持部が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリアセタール及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群から選択した少なくとも1種を主成分とし、
前記刺通部及び前記嵌合部が、把持部と接着性または融着性を示す熱可塑性エラストマーにより構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の真空検体採取システム。
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