JP4374905B2 - 粉末成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、粉末成形方法に関し、特に、ソフトフェライト原料粉末を用いて成形体を形成する粉末成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外部から磁界が加わると磁石としての力を発揮するとともに、磁界がなくなると元の状態に戻る性質を有するソフトフェライトが知られている。このソフトフェライトを形成する際には、たとえば、Fe2O3と、NiOまたはMnOとを主に含むソフトフェライト原料粉末を圧縮成形することによって形成する。
【0003】
図11〜図14は、従来のソフトフェライト原料粉末からなる成形体を形成するための粉末成形方法を説明するための断面図である。図11〜図14を参照して、従来のソフトフェライト原料粉末からなる成形体の粉末成形方法について説明する。まず、Fe2O3と、NiOまたはMnOとを主に含むソフトフェライト原料を、仮焼後、所定の粒径に粉砕する。そして、バインダ(結合材)を添加することによって、造粒粉を形成する。その後、その造粒粉を、図11に示すように、成形金型101と上パンチ102と下パンチ103とによって囲まれた空間(キャビティ)101aに充填することによって、成形前のソフトフェライト原料粉末300aを形成する。
【0004】
次に、図12に示すように、上パンチ102を下降させるとともに、上パンチ102および下パンチ103により、ソフトフェライト原料粉末300a(図11参照)を圧縮成形する。これにより、成形体300が形成される。
【0005】
次に、図13に示すように、上パンチ102を上昇させる。この後、図14に示すように、下パンチ103を上昇させることによって、成形体300を、成形金型101のキャビティ101aから外部に露出させる。この後、成形体300を取り出す。
【0006】
上記した従来のソフトフェライト原料粉末300aからなる成形体300の粉末成形方法では、図12に示した圧縮成形後に、図13および図14に示したように、成形体300をキャビティ101aから抜き出すと、上パンチ102または下パンチ103の成形面102aおよび103aに、ソフトフェライト原料粉末300aが付着するという不都合があった。これは以下の理由による。すなわち、圧縮成形後に上パンチ102を上昇させた段階で、成形体300のスプリングバック力による応力が上下方向に開放されるため、その応力の開放時に、上パンチ102および下パンチ103の成形面102aおよび103aにソフトフェライト原料粉末300aが付着しやすいと考えられる。さらに、ソフトフェライト原料粉末300aが、バインダ(結合材)を含んでいるため、下パンチ103および上パンチ102の成形面102aおよび103aに付着しやすいという理由も考えられる。このように上パンチ102および下パンチ103の成形面102aおよび103aにソフトフェライト原料粉末300aが付着した状態で、成形を続けると、成形体300の表面が凹凸状(あばた状)になる現象や成形体に亀裂が発生する現象が生じ、その結果、成形不良が発生するという不都合があった。
【0007】
従来では、このような不都合を防止するために、上パンチ102および下パンチ103の成形面102aおよび103aをラッピング加工することによって、上パンチ102および下パンチ103の成形面102aおよび103aの表面状態を、ソフトフェライト原料粉末300aが付着しにくい状態にしていた。
【0008】
なお、従来の粉末が成形面に付着するのを抑制する他の方法として、上パンチと下パンチとにより粉末成形体を押圧狭持したまま同時に上昇させることにより粉末成形体を露出させることによって、粉末成形体のスプリングバック力による応力を上パンチおよび下パンチの成形面に平行な方向(水平方向)に開放した後、上パンチを上昇させる方法も提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭55−162435号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法では、上パンチおよび下パンチの成形面の表面状態が良好でない場合には、粉末成形体が成形面に沿って伸びにくくなるため、粉末成形体の成形面に平行な方向への伸びが十分でなくなる。このため、粉末成形体の応力が十分に成形面に平行な方向に開放されない状態で、上パンチが上昇される。この場合には、上パンチの上昇の際に、スプリングバック力による上下方向の応力が働くため、または、上パンチおよび下パンチの成形面の表面状態が良好でないため、上パンチおよび下パンチの成形面に粉末が付着しやすいという問題点がある。したがって、特許文献1に開示された方法でも、結局のところ、上パンチおよび下パンチの成形面の表面状態を良好にして粉末が付着しにくい状態にするために、ラッピング加工する必要があると考えられる。
【0010】
特に、成形体の平面形状が長方形などの中心に対して非対称な形状である場合には、成形体の応力を成形面に平行な方向に開放するためには、成形体が長手方向に大きく伸びることが必要である。しかし、上パンチおよび下パンチの成形面の表面状態が良好でないと、成形体が成形面に沿って長手方向に伸びにくくなるため、上パンチの上昇の際に、スプリングバック力による上下方向の応力が働きやすくなる。このため、上パンチおよび下パンチの成形面に粉末がより付着しやくなるという問題点がある。したがって、特に、成形体の平面形状が長方形などの中心に対して非対称な形状である場合には、特許文献1に開示された方法を用いる場合にも、上パンチおよび下パンチの成形面の表面状態を良好にして粉末が付着しにくい状態にするために、ラッピング加工する必要があると考えられる。
【0011】
しかしながら、上記のようなラッピング加工は、加工に数時間を要するため、所定の成形回数毎に上パンチおよび下パンチの成形面のラッピング加工を行うと、生産効率が低下するという問題点がある。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、上パンチおよび下パンチのラッピング加工を行うことなく、上パンチおよび下パンチの成形面への粉末の付着を抑制することが可能な粉末成形方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明の一の局面による粉末成形方法は、ソフトフェライト原料粉末を用いて中心に対して非対称な平面形状を有する成形体を形成する粉末成形方法であって、少なくとも一方の成形面が長手方向に加工すじが形成されるように加工された上パンチおよび下パンチを準備する工程と、ソフトフェライト原料粉末を、上パンチ、下パンチおよび金型により形成された空間に充填する工程と、上パンチの成形面および下パンチの成形面によりソフトフェライト原料粉末を圧縮成形することによって、成形体を形成する工程と、その後、上パンチおよび下パンチにより成形体に圧力を加えた状態で、成形体を空間から露出させる工程とを備えている。
【0014】
この一の局面による粉末成形方法では、上記のように、中心に対して非対称な平面形状を有する成形体を形成する場合に、ソフトフェライト原料粉末を圧縮成型した後、少なくとも一方の成形面が長手方向に加工すじが形成されるように加工された上パンチおよび下パンチを準備するとともに、上パンチおよび下パンチの成形体に対する圧力を加えた状態で、成形体を空間から露出させることによって、成形体を空間から露出させたときに、成形体と上パンチおよび下パンチの成形面との界面には、スプリングバック力により成形面に平行な方向の応力(せん断力)が働くとともに、そのせん断力に起因して、上パンチおよび下パンチの成形面の長手方向の加工すじに沿って成形体が伸びやすくなる。これにより、成形体が成形面に平行な方向の長手方向に十分に延びるので、成形面に平行な方向に十分応力を開放することができる。このため、成形体の成形面に直交する方向(上下方向)のスプリングバック力(応力)が十分に低減されるので、上パンチおよび下パンチの成形面をラッピング加工した場合と同程度に、ソフトフェライト原料粉末が上パンチおよび下パンチの成形面に付着するのを抑制することができる。これにより、上パンチおよび下パンチの成形面をラッピング加工することなく、上パンチおよび下パンチの成形面にソフトフェライト原料粉末が付着することに起因して発生する成形体の表面の凹凸形状や亀裂を抑制することができる。その結果、中心に対して非対称な平面形状を有する成形体を形成する場合にも、加工に数時間を要するラッピング加工を所定の成形回数毎に行う必要がなく、加工が数分で済む砥石などによる長手方向に加工すじを形成する加工を所定の成形回数毎に行えばよいので、生産効率を向上させることができる。
【0015】
上記一の局面による粉末成形方法において、好ましくは、上パンチおよび下パンチを準備する工程は、上パンチおよび下パンチのうちの少なくとも一方の成形面を、砥石およびエンドミルのいずれかにより長手方向に加工すじが形成されるように加工する工程を含む。このように砥石またはエンドミルを用いて、上パンチおよび下パンチのうちの少なくとも一方の成形面を、長手方向に加工すじが形成されるように加工すれば、容易に、上パンチおよび下パンチの成形面をラッピングした場合と同程度に、ソフトフェライト原料粉末が上パンチおよび下パンチの成形面に付着するのを抑制することができる。
【0016】
上記一の局面による粉末成形方法において、好ましくは、上パンチおよび下パンチの少なくとも一方の成形面は、0.5μm以上1.9μm以下の中心線平均粗さを有する。このような中心線平均粗さに上パンチおよび下パンチの少なくとも一方の成形面を加工すれば、上記した長手方向に加工すじが形成される加工との組み合わせにより、容易に、上パンチおよび下パンチの成形面をラッピングした場合と同程度に、ソフトフェライト原料粉末が上パンチおよび下パンチの成形面に付着するのを抑制することができる。
【0019】
上記一の局面において、好ましくは、成形体を空間から露出させる工程は、成形圧が100MPa以上200MPa以下である場合に、上パンチおよび下パンチの成形体に対する圧力を3MPa以上17MPa以下に保持した状態で、成形体を空間から露出させる工程を含む。このように構成すれば、容易に、成形面に平行な方向のせん断力(応力)に起因して成形体が上パンチおよび下パンチの成形面に平行な方向に伸びやすくなるので、ソフトフェライト原料粉末が、上パンチおよび下パンチの成形面に付着するのを容易に抑制することができる。
【0020】
上記一の局面において、好ましくは、上パンチおよび下パンチにより成形体を押圧した状態で、成形体を上パンチおよび下パンチの成形面に平行な方向に引き抜く工程をさらに備える。このように構成すれば、上パンチを上方に移動させた後成形体を取り出す場合に比べて、ソフトフェライト原料粉末が上パンチおよび下パンチの成形面に付着するのをより抑制することができる。
【0023】
上記一の局面による粉末成形方法において、好ましくは、ソフトフェライト原料粉末は、Fe2O3と、NiOまたはMnOとを主成分とする粉末である。このような材料からなるソフトフェライト原料粉末については、上記一の局面による粉末成形方法を用いることにより、上パンチおよび下パンチの成形面をラッピングした場合と同程度の粉末付着抑制効果を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図6は、本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための平面図および断面図である。図7は、図5に示した状態で成形体に働くスプリングバック力を説明するための平面図である。図8および図9は、本発明の一実施形態と比較例との保持圧を説明するための相関図である。図10は、本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法に用いる成形圧と保持圧との関係を説明するための相関図である。以下、図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による粉末成形方法について説明する。
【0026】
なお、本実施形態では、成形体が長方形の平面形状を有する場合について説明する。
【0027】
まず、本実施形態では、図1に示すように、超硬合金からなる上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aは、長方形形状に形成されているとともに、縦横比(a:b)が、(1:2)以上(1:10)以下程度に設定されている。この長方形形状の成形面2aおよび3aは、放電加工を用いて切断加工することによって形成される。その後、#400〜#800の砥石を用いて、成形面2aおよび3aを、長手方向(図1のB方向)に加工すじが形成されるように加工する。この場合の中心線平均粗さ(Ra)は、約0.05μm〜約0.1μmにするのが好ましい。上記のような成形面2aおよび3aを有する上パンチ2および下パンチ3を準備してプレス装置にセットする。
【0028】
なお、上パンチ2および下パンチ3を超硬合金により形成することにより、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aの面荒れを防止することが可能となる。
【0029】
また、ソフトフェライト原料としては、Fe2O3と、NiOまたはMnOとを主に含むソフトフェライト材料を用いる。組成は、Fe2O3が45mol%〜55mol%、NiOまたはMnOが10mol%〜35mol%、ZnOおよびCuOが残部である。このような組成の原料を仮焼した後、所定の粒径(約0.8μm〜約1.5μm)に粉砕する。そして、この粉砕された粉末に、バインダ(結合材)を添加することによって、造粒粉を形成する。この造粒粉の粒度分布は、約10μm〜約500μmであるのが好ましい。バインダとしては、PVA(ポリビニルアルコール)などを用いるとともに、約0.5wt%〜約1.5wt%を添加する。
【0030】
また、本実施形態で用いるプレス装置は、図2に示すように、成形金型1と、上パンチ2と、下パンチ3と、造粒粉を給粉するフィーダーボックス(図示せず)と、上パンチ2および下パンチ3を駆動させるための駆動機構(図示せず)とを備えている。成形金型1は、上パンチ2および下パンチ3と同様、超硬合金によって形成されている。
【0031】
本実施形態では、図2に示すように、上記した造粒粉からなるソフトフェライト原料粉末100aをフィーダーボックス(図示せず)により成形金型1のキャビティ1aに給粉する。
【0032】
この後、図3に示すように、上パンチ2を下降させるとともに、約100MPa〜約200MPaの成形圧で、ソフトフェライト原料粉末100a(図2参照)を約2.95g/cm3〜約3.20g/cm3の密度まで圧縮することによって、成形体100を形成する。この後、上パンチ2による圧力を減少させながら、図4に示すように、上パンチ2および下パンチ3を同時に上昇させる。これにより、成形体100は、図5に示すように、キャビティ1aから完全に露出された状態になる。この状態では、成形体100は、上パンチ2および下パンチ3により上下方向に押圧された状態であるため、上下方向には応力(スプリングバック力)を開放できない。このため、図5に示す状態では、成形体100は、成形面2aおよび3aに平行な方向(水平方向)にスプリングバック力(応力)を開放していく。
【0033】
図5に示すような成形体100が完全に露出した状態における、成形体100に対する上パンチ2および下パンチ3による保持圧は、本実施形態では、約3MPa〜約17MPaに設定されている。図5に示す状態では、成形体100の長手方向および短手方向に、平面的に見て、図7に示すような成形面2aおよび3aに平行な方向(水平方向)のスプリングバック力に起因するせん断力が加わる。この場合、成形体100の長手方向のせん断力は、短手方向のせん断力よりも大きくなる。したがって、成形体100の長手方向の伸び量は、短手方向の伸び量よりも大きくなる。このように、成形体100が水平方向のせん断力に起因して伸びることによって、水平方向のスプリングバック力(応力)が開放される。この場合、本実施形態では、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aは、長手方向に加工すじが形成されるように加工されているので、成形体100は、成形面2aおよび3aの長手方向の加工すじに沿って伸びやすい。
【0034】
図5に示した工程により、成形体100の水平方向のスプリングバック力(応力)を開放した後、図6に示すように、上パンチ2および下パンチ3の成形体100に対する圧力を約1MPaに保持した状態(押圧状態)で、成形体100を水平方向に引き抜くことによって、成形体100を取り出す。
【0035】
本実施形態では、上記のように、長方形の平面形状を有する成形体100を形成する場合に、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aを、#400〜#800の砥石により長手方向に加工すじが形成されるように加工するとともに、上パンチ2および下パンチ3の成形体100に対する圧力を加えた状態で、成形体100をキャビティ1aから取り出すことによって、成形体100をキャビティ1aから露出させた時に、成形体100と成形面2aおよび3aとの界面には、成形面2aおよび3aに平行な方向のスプリングバック力に起因するせん断力が働くとともに、そのせん断力に起因して上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aの長手方向の加工すじに沿って成形体100が伸びやすくなる。これにより、成形体100が成形面2aおよび3aに平行な方向の長手方向に十分に延びるので、成形面2aおよび3aに平行な方向に十分応力(スプリングバック力)を開放することができる。このため、成形面2aおよび3aに直交する方向の成形体100のスプリングバック力が十分に低減されるので、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aをラッピング加工した場合と同程度に、成形体100を構成するソフトフェライト原料粉末100aが、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aに付着するのを抑制することができる。
【0036】
これにより、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aをラッピング加工することなく、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aにソフトフェライト原料粉末100aが付着することに起因して発生する成形体100の表面の凹凸形状(あばた状)や亀裂を抑制することができる。その結果、加工に数時間を要するラッピング加工を所定の成形回数毎に行う必要がなく、加工時間が数分で済む砥石による長手方向に加工すじを形成する加工を所定の成形回数毎に行えばよいので、生産効率を向上させることができる。
【0037】
また、上パンチ2および下パンチ3の成形体100に対する圧力を約1MPaに保持した状態で成形体100を水平方向に引き抜くことにより、上パンチ2を上方に移動させた後に成形体100を取り出す場合に比べて、ソフトフェライト原料粉末100aが上パンチ2および下パンチ3に付着するのをより抑制することができる。
【0038】
次に、図8〜図10を参照して、上記した本実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。まず、図8および図9を参照して、図5に示した工程において、上パンチ2および下パンチ3による成形体100に対する保持圧がある場合(本実施形態)と保持圧がない場合(比較例)との比較実験を行った。図8に示す本実施形態では、図3〜図5に示した工程(1)、(2)および(3)でのそれぞれの上パンチ2および下パンチ3の保持圧の変化が示されている。本実施形態では、図8に示すように、図5に示した成形体100が完全に露出された状態(工程(3))において、保持圧を有する。
【0039】
これに対して、図9に示す比較例では、図5に示した工程(3)において、保持圧が0(保持圧なし)である。図8および図9に示すような保持圧で、成形を繰り返したところ、図8に示す本実施形態では、30回成形を繰り返しても上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aには、ソフトフェライト原料粉末100aが付着せずに、良好な成形体100を得ることができた。これに対して、図9に示した保持圧なし(保持圧が0)の比較例では、成形を10回以内繰り返し行った場合にも、ソフトフェライト原料粉末100aが上パンチ2および下パンチ3に付着することによって、成形体100の表面が凹凸形状(あばた状)になった。これにより、図5に示した成形体100が完全にキャビティ1aから露出された状態において、所定の保持圧を加えることが有効であることが確認できた。
【0040】
図10には、ソフトフェライト原料からなる成形体の圧縮成形の際の成形圧と、成形体がキャビティ外に完全に露出された状態での保持圧との関係が示されている。図10を参照して、成形圧が100MPa〜200MPaの場合に、保持圧が低くなると、成形体には、上パンチ2および下パンチ3への原料粉末の付着に起因する凹凸形状および剥離領域が形成された。また、成形圧が100MPaより小さい領域で保持圧が小さい場合には、上パンチおよび下パンチにソフトフェライト原料粉末が付着することに起因して成形体の表面に剥離領域が形成された。また、保持圧が大きくなりすぎる場合には、成形体100の一部で座屈領域が発生することにより成形体100に亀裂が発生した。
【0041】
その一方、成形圧が100MPaである場合に、保持圧が約3MPa〜約10MPaの範囲にあれば、成形体に、上記した凹凸形状や剥離領域、亀裂などは発生しなかった。また、成形圧が200MPaである場合には、保持圧が、約5MPa〜約17MPaの範囲にあれば、成形体に、上記した凹凸形状や剥離領域、亀裂などは発生しなかった。したがって、成形圧が100MPaである場合には、保持圧を約3MPa〜約10MPaの範囲に設定するのが好ましく、成形圧が200MPaである場合には、保持圧を、約5MPa〜約17MPaの範囲に設定するのが好ましいことが判明した。なお、成形圧が、100MPa〜200MPaの範囲にある場合には、その時の成形圧に応じて、約3MPa〜約17MPaの範囲から適正な保持圧を設定すればよい。
【0042】
次に、図1を参照して、上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aの加工方法と、粉末付着状態との関係について行った実験について説明する。この実験結果は、以下の表1に示されている。
【0043】
【表1】
上記表1を参照して、この実験では、図1に示した上パンチ2および下パンチ3の成形面2aおよび3aの縦横比(a:b)が(1:8)である場合に、成形面2aおよび3aを、エンドミルにより長手方向(B方向)に加工した場合、エンドミルにより短手方向(A方向)に加工した場合、放電加工により放電面を形成した場合、砥石(SG:Surface Grinder)(#400)で長手方向に加工した場合、砥石(#800)で長手方向に加工した場合、および、ラッピング加工した場合のそれぞれについて、保持圧がある場合と保持圧がない場合とで粉末の付着が現れるまでのショット数(成形回数)を測定した。なお、成形圧は、200MPaで行った。表1から明らかなように、ラッピング加工を行う場合には、図5に示した成形体100がキャビティ1aから完全に露出された状態において、保持圧がある場合のみならず保持圧がない場合においても、粉末付着サイクルは、30ショット以上であることがわかる。
【0044】
これに対して、エンドミルにより長手方向に加工した場合、砥石(#400)および砥石(#800)により長手方向に加工した場合には、保持圧がない場合には、粉末付着サイクルが10ショット以下になる一方、保持圧がある場合には、粉末付着サイクルが、30ショット以上になり、ラッピングした場合と同等の粉末付着サイクルを得ることができることがわかる。すなわち、エンドミルにより長手方向に加工した場合、砥石(#400)および砥石(#800)により長手方向に加工した場合に、保持圧がある場合には、ラッピングした場合と同様、粉末の付着を有効に抑制することができることが判明した。
【0045】
その一方、エンドミルにより短手方向に加工した場合および放電加工により放電面を形成した場合には、保持圧がない場合のみならず、保持圧がある場合にも、5ショット以下と、粉末付着を抑制することが困難なことが判明した。
【0046】
また、成形面2aおよび3aの加工方向による効果をさらに確認するために、下記の表2に示すような実験を行った。
【0047】
【表2】
上記表2に示した実験では、図1に示した縦横比(a:b)を変化させた状態で、B方向に加工すじを入れた場合の粉末付着サイクル(粉末が付着するまでに成形回数)を測定した。なお、この実験においては、図5に示した成形体100がキャビティ1aから完全に露出された状態において、保持圧がある状態で実験を行った。
【0048】
具体的には、本発明例1においては、縦横比(a:b)を1:2にして砥石(#400)でB方向(長手方向)に加工した場合の粉末付着サイクルを測定した。この場合の中心線平均粗さ(Ra)は、0.07μmであった。本発明例1においては、粉末付着サイクルが30ショットであり、粉末の付着を有効に抑制することができることが判明した。また、本発明例2では、縦横比(a:b)を1:8に設定した状態で、エンドミルによりB方向(長手方向)に加工すじが形成されるように加工した。この場合の、成形面2aおよび3aの中心線平均粗さ(Ra)は、0.19μmであった。この本発明例2においても、粉末付着サイクルは30ショットであり、粉末付着を有効に抑制することができることが判明した。
【0049】
また、本発明例3では、縦横比(a:b)を1:10にした状態で、砥石(#800)によりB方向(長手方向)に加工すじを入れるように加工した。この場合の成形面2aおよび3aの中心線平均粗さ(Ra)は、0.05μmであった。この本発明例3においても、粉末付着サイクルは30ショットであり、粉末付着を有効に抑制することができることが判明した。
【0050】
その一方、比較例1では、縦横比(a:b)を8:1にした状態で、エンドミルをB方向(短手方向)に加工すじが入るように加工した。この場合の中心線平均粗さ(Ra)は、0.19μmであった。この比較例1では、粉末付着サイクルは5ショットであり、粉末付着を抑制するのが困難であることが判明した。
【0051】
以上の結果から、本発明例1〜3のように長方形形状の成形面2aおよび3aの長手方向にエンドミルまたは砥石による加工すじを入れた場合には、粉末付着を有効に抑制することができる一方、成形面2aおよび3aの短手方向に加工すじを入れた場合には、粉末付着を有効に抑制するのは困難であることが判明した。したがって、成形面2aおよび3aを加工する場合には、長手方向に加工すじが入るように砥石またはエンドミルにより加工するのが好ましい。
【0056】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0057】
たとえば、上記実施形態では、中心に対して非対称な平面形状を有する成形体の一例として、長方形の平面形状を有する成形体を成形する例について説明したが、本発明はこれに限らず、長方形以外の中心に対して非対称な平面形状(たとえば、弓形やかまぼこ形)を有する成形体にも同様に適用可能である。
【0058】
また、上記実施形態では、上パンチおよび下パンチの両方の成形面を長手方向に加工すじが形成されるように加工したが、本発明はこれに限らず、上パンチおよび下パンチのいずれか一方の成形面を長手方向に加工すじが形成されるように加工してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、上パンチからの圧力を減少させながら上パンチおよび下パンチを同時に上昇させることにより、キャビティから成形体を完全に露出するようにしたが、本発明はこれに限らず、上パンチからの圧力を減少させながら成形金型を下降することにより、キャビティから成形体を完全に露出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による粉末成形方法に用いる上パンチおよび下パンチの成形面の形状を示した平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図4】 本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図5】 本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図6】 本発明の一実施形態によるソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図7】 本発明の一実施形態による粉末成形方法において成形体に加わるスプリングバック力を示した平面図である。
【図8】 本発明の一実施形態による粉末成形方法における上パンチおよび下パンチによる成形体に対する保持圧の状態の変化を説明するための相関図である。
【図9】 本発明の一実施形態の比較例による粉末成形方法における上パンチおよび下パンチによる成形体に対する保持圧の変化を説明するための相関図である。
【図10】 本発明の一実施形態による粉末成形方法における成形圧に対する適正な保持圧の範囲を説明するための相関図である。
【図11】 従来のソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図12】 従来のソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図13】 従来のソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【図14】 従来のソフトフェライト原料粉末の粉末成形方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 成形金型(金型)
1a キャビティ(空間)
2 上パンチ
2a 成形面
3 下パンチ
3a 成形面
100 成形体
Claims (6)
- ソフトフェライト原料粉末を用いて中心に対して非対称な平面形状を有する成形体を形成する粉末成形方法であって、
少なくとも一方の成形面が長手方向に加工すじが形成されるように加工された上パンチおよび下パンチを準備する工程と、
前記ソフトフェライト原料粉末を、前記上パンチ、前記下パンチおよび金型により形成された空間に充填する工程と、
前記上パンチの成形面および前記下パンチの成形面により前記ソフトフェライト原料粉末を圧縮成型することによって、成形体を形成する工程と、
その後、前記上パンチおよび前記下パンチにより前記成形体に圧力を加えた状態で、前記成形体を前記空間から露出させる工程とを備えた、粉末成形方法。 - 前記上パンチおよび下パンチを準備する工程は、
前記上パンチおよび前記下パンチのうちの少なくとも一方の成形面を、砥石およびエンドミルのいずれかにより長手方向に加工すじが形成されるように加工する工程を含む、請求項1に記載の粉末成形方法。 - 前記上パンチおよび前記下パンチの少なくとも一方の成形面は、0.5μm以上1.9μm以下の中心線平均粗さを有する、請求項1または2に記載の粉末成形方法。
- 前記成形体を前記空間から露出させる工程は、
成形圧が100MPa以上200MPa以下である場合に、前記上パンチおよび前記下パンチの前記成形体に対する圧力を3MPa以上17MPa以下に保持した状態で、前記成形体を前記空間から露出させる工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末成形方法。 - 前記上パンチおよび前記下パンチにより前記成形体を押圧した状態で、前記成形体を前記上パンチおよび前記下パンチの成形面に平行な方向に引き抜く工程をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉末成形方法。
- 前記ソフトフェライト原料粉末は、Fe2O3と、NiOまたはMnOとを主成分とする粉末である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末成形方法。
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