JP4374874B2 - 磁気的異方性希土類系ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

磁気的異方性希土類系ボンド磁石の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有する磁気的異方性希土類系ボンド磁石の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nd−Fe−B系磁石粉末に代表されるR−Fe−B系磁石粉末などの希土類系磁石粉末を、バインダとして熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを用いて所定形状に加熱成形することで製造される希土類系ボンド磁石は、樹脂バインダを含有しているために希土類系焼結磁石に比較すれば磁気特性が低くなるものの、フェライト磁石などに比べればなお十分に高い磁気特性を有しており、また、複雑形状や薄肉形状の磁石やラジアル異方性磁石を容易に得ることができるといった希土類系焼結磁石にはない特徴を持っている。従って、希土類系ボンド磁石は、特にスピンドルモータやステッピングモータなどの小型モータに多く用いられ、近年、その需要が増加している。
中でも、例えば、所定の組成を有する希土類系磁石合金を水素中で加熱して水素を吸蔵させた後、脱水素処理し、次いで冷却してから粉砕することによって得られる、HDDR(Hydrogenation-Disproportionation-Desorption-Recombination)磁石粉末(特公平6−82575号公報参照)などの磁気的異方性磁石粉末を用いて所定形状に加熱成形した磁気的異方性希土類系ボンド磁石は、高い磁気特性を有することから、これまで磁気的等方性希土類系ボンド磁石などが用いられていた製品への応用展開に注目が高まっている。
しかしながら、磁気的異方性希土類系ボンド磁石は高い磁気特性を有する反面、ボンド磁石を構成する磁石粉末の組成の大半をRやFeが占めることから、腐食や酸化を起しやすいという問題がある。特に、HDDR磁石粉末は、酸化による磁気特性の低下が顕著な磁石粉末であり、HDDR磁石粉末と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製し、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら射出成形などにより所定形状に加熱成形してボンド磁石を製造した場合、コンパウンド調製時や加熱成形時の高温環境下(通常150℃以上であり場合によっては250℃を超えることもある)において、HDDR磁石粉末が酸化することで高い磁気特性を有するボンド磁石が得られない場合がある。
【0003】
以上のような問題を解決する方法としては、下記の特許文献1にて提案されているような、蒸着、スパッタリング、めっきなどにより、磁気的異方性を有するR−Fe−B系磁石合金の粉砕粉末の表面に金属被膜を形成し、金属被膜で表面被覆された磁石粉末を用いて希土類系ボンド磁石を製造する方法がある。この特許文献には、この方法の効果として磁石粉末の耐酸化性の向上が記載されており、また、磁石粉末の表面に金属被膜を形成した後、300℃〜1000℃の範囲で熱処理を施すことで、磁石粉末と金属被膜との密着性の向上を図ることができるとともに、被膜を構成する金属の磁石粉末への拡散による磁気特性の向上を図ることができるとされ、その実施例1では、磁石粉末の表面に蒸着によりアルミニウム被膜を形成し、次いで900℃で1時間と600℃で1時間の2段熱処理を施している。
下記の特許文献1に記載された方法は注目に値するものである。しかしながら、HDDR磁石粉末などのような、平均結晶粒径が1μm以下の微細な結晶粒を有する磁石粉末に対してこの特許文献に記載された方法に従ってその表面にアルミニウム被膜を形成し、900℃や600℃という高温での熱処理を施すと、磁石粉末の微細な結晶粒が粗大化することで磁気特性が低下するという問題がある。また、このような問題とともに、アルミニウム被膜が軟化や溶融することで磁石粉末の凝集が起こるという問題がある。HDDR磁石粉末のような磁気的異方性希土類系磁石粉末が凝集した場合、凝集体に含まれる磁石粉末の容易磁化方向はランダムであるので、このような凝集体と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製し、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら射出成形などにより所定形状に加熱成形してボンド磁石としても、磁石粉末の容易磁化方向を磁界方向に十分に配向させることができないことで、高い磁気特性(特に減磁曲線の角型性)が得られない。また、磁石粉末と樹脂バインダを十分に混練できないことで、ボンド磁石として十分な成形性や機械的強度が得られない。もちろん、凝集体を解砕してもよいが、このような処理を行うと、磁石粉末の表面からのアルミニウム被膜の剥離が多少なりとも起こるので、ボンド磁石中における磁石粉末の酸化を防止するという本来的な目的を達することができなくなるという問題がある。また、アルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末に対して900℃や600℃という高温での熱処理を施した場合、磁石粉末へのアルミニウムの拡散が必要以上に起こることで磁気特性の低下を招くという問題がある。従って、下記の特許文献1に記載された方法では、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有する磁気的異方性希土類系ボンド磁石を製造することはできないと言わざるを得ない。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−217003号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有する磁気的異方性希土類系ボンド磁石の新規な製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の点に鑑みて種々の検討を行った結果、気相成長法によって磁気的異方性希土類系磁石粉末の表面に無機質被膜を形成するに際し、無機質被膜の形成源となる無機質材料の蒸発方法と被膜形成方法の最適化を図るとともに、無機質被膜の膜厚の適正化を図ることで、樹脂バインダと混練してボンド磁石用コンパウンドを調製し、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら射出成形などにより所定形状に加熱成形する際、容易磁化方向を磁界方向に十分に配向させることができる無機質被膜被覆磁石粉末を得ることができ、この無機質被膜被覆磁石粉末を用いることで、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有する磁気的異方性希土類系ボンド磁石を製造することができることを知見した。
【0007】
上記の知見に基づいてなされた本発明の磁気的異方性希土類系ボンド磁石の製造方法は、請求項1記載の通り、磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源となるアルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmのアルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末を得る工程、得られたアルミニウム被膜被覆磁石粉末と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製する工程、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら所定形状に加熱成形する工程を含むことを特徴とする。
また、請求項2記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、イオンプレーティングを行う際の真空処理室の内部のバックグラウンド真空度を1×10−3Pa以下とすることを特徴とする
た、請求項記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、アルミニウム被膜被覆磁石粉末中におけるアルミニウム被膜の体積比率を3%以下とすることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、樹脂バインダが熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、所定形状への加熱成形を射出成形、押出成形、ロール成形から選ばれるいずれか一つの方法で行うことを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の平均粒径が50μm〜150μmであることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項記載の製造方法において、磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の平均結晶粒径が1μm以下であることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項または記載の製造方法において、磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末がHDDR磁石粉末であることを特徴とする。
また、本発明の磁気的異方性希土類系ボンド磁石は、請求項記載の通り、請求項1記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とする。
また、本発明のアルミニウム被膜被覆磁石粉末の製造方法は、請求項10記載の通り、磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源となるアルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmのアルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末を得る工程を含むことを特徴とする。
また、本発明のアルミニウム被膜被覆磁石粉末は、請求項11記載の通り、請求項10記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とする。
また、本発明のボンド磁石用コンパウンドの製造方法は、請求項12記載の通り、磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源となるアルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmのアルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末を得る工程、得られたアルミニウム被膜被覆磁石粉末と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明のボンド磁石用コンパウンドは、請求項13記載の通り、請求項12記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気的異方性希土類系ボンド磁石の製造方法においては、まず、磁気的異方性希土類系磁石粉末の表面に無機質被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容した無機質被膜の形成源となる無機質材料に照射することで無機質材料を加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面に無機質被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmの無機質被膜で表面被覆された磁石粉末を得る第1工程を行う。
【0009】
二重圧力勾配型直交磁場放電(Double-Pressure-Gradient-Type PIG Discharge)が二重の圧力勾配型放電とPIG放電を組み合わせた放電方式であることは当業者にとって自明である(浦本上進,「真空」,第37巻,第10号,1994,p833-838を必要ならば参照のこと)。本発明においては、この放電方式で発生させた放電プラズマ流が極めて高いプラズマ密度を有することに着目し、この放電プラズマ流を無機質被膜の形成源となる無機質材料に照射し、無機質材料の加熱蒸発とイオン化を効率的に行うことにした。また、気相成長法による被膜形成方法としてイオンプレーティングを行うことにより、高い被膜形成効率で密着性に優れた無機質被膜を磁気的異方性希土類系磁石粉末の表面に形成することにした。これにより、短時間で優れた特性を有する無機質被膜を所望する膜厚で磁石粉末の表面に形成することができるので、生産性の向上を図ることができる他、加熱された溶融蒸発部からの輻射熱などによる、磁石粉末の微細な結晶粒の粗大化の問題や、無機質被膜としてアルミニウム被膜などの比較的低い融点を有する金属被膜を用いた場合における金属被膜の軟化や溶融に起因する磁石粉末の凝集の問題を回避することができるので、磁気特性の低下を未然に防止することができる。
【0010】
この第1工程は、例えば、図1にその模式的正面を示したイオンプレーティング装置を用いて実施することができる。
図1において、真空処理室1の内部上面には、無機質被膜の形成源となる無機質材料2を収容した溶融蒸発部3がターゲットとして配置されており、溶融蒸発部3の下方には、図略の手段により上下左右に振動させることが可能な磁気的異方性希土類系磁石粉末Xを収容するための粉体保持容器4が配置されている。符号30は、溶融蒸発部3に収容された無機質材料2から生成したイオン粒子の降下領域である。
真空処理室1の内部下面には排気口5が設けられ、この排気口5を介して排気手段としての真空ポンプ6により、真空処理室1の内部を真空排気するようになっている。真空ポンプ6は、真空処理室1の内部の真空度を少なくとも1×10-3Pa未満に真空化できる性能を有するものが望ましい。真空処理室1の左側面には、例えば、アルゴン、ヘリウム、水素などのキャリアガスを真空処理室1の内部に導入するためのキャリアガス導入口7が開口しており、キャリアガス導入口7に連通するキャリアガス導入経路8に放電プラズマ流発生装置としてのプラズマガン9が配置されている。このプラズマガン9は、陰極10、筒状第1中間電極11、筒状第2中間電極12、補助陽極筒13、補助陽極リング14を、キャリアガスの流れ方向に沿って順次に備えている。陰極10としては、プラズマ発生用に適したTa−LaB6複合陰極などを用いることが望ましい。
符号15は、プラズマガン9における補助陽極領域(補助陽極筒13と補助陽極リング14)を通過する放電プラズマ流Fを収束させるための空芯の電磁コイルである。符号16は、補助陽極リング14を抜けた放電プラズマ流Fを真空処理室1の内部上面に配置された溶融蒸発部3の方向に偏向させるための磁場手段としての永久磁石である。符号17は、筒状第1中間電極11、筒状第2中間電極12、補助陽極筒13、補助陽極リング14及び溶融蒸発部3と、陰極10との間の電位差を段階的に増大させるための放電電源である。符号18は、真空処理室1の内部上面に設けられ、イオン粒子と反応させるための、酸素、窒素、アセチレンなどの反応ガスや、真空処理室1の内部での易酸化性の無機質材料や無機質被膜の酸化を抑制するための、水素などの還元性ガスとアルゴンなどの不活性ガスとの混合ガスを導入するガス導入口である。
陰極10からの放電プラズマ流Fは、筒状第1中間電極11、筒状第2中間電極12、補助陽極筒13、補助陽極リング14を順次に抜けて、キャリアガス導入口7を通して真空処理室1の内部に導入される。プラズマガン9における補助陽極領域には、放電プラズマ流Fに平行な強磁場(例えば300〜500ガウス)がかかっており、電子は多数回のマグネトロン運動と中性粒子との多数回の衝突の後に陽極としての補助陽極リング14の中央まで到達できる。補助陽極リング14を抜けた放電プラズマ流Fは、真空処理室1の内部には適当な磁場があるので、陽極としての溶融蒸発部3に照射されることになる。
放電プラズマ流Fは、プラズマガン9に導入するキャリアガス量と真空処理室1の内部の排気速度を調節することで、陰極領域を10Pa〜100Paに、中間電極領域−補助陽極領域を0.1Pa〜10Paに、真空処理室の内部を1×10-2Pa〜0.1Paに維持することにより、二重の圧力勾配の存在下で直流放電が行われて発生させられる。溶融蒸発部3は、例えば、Mo,W,Cまたはセラミックなどの耐熱材料で構成される。溶融蒸発部3の底面が無機質被膜の形成源となる無機質材料2の蒸発面3aとなっており、この蒸発面3aには多数の微小な蒸発孔3bが形成されている。溶融蒸発部3に収容された無機質材料2は、微小な蒸発孔3bを通して溶融蒸発部3の外部に臨むことになるが、微小な蒸発孔3bは、溶融した無機質材料2の落下を防止しつつその蒸気化を促すことのできる孔径に設定されている。具体的には微小な蒸発孔3bの孔径としては、0.1mm〜数mm程度が望ましい。
磁気的異方性希土類系磁石粉末Xは、粉体保持容器4に収容され、この粉体保持容器4を矢示の如く上下左右に振動させることで磁石粉末Xを振動および/または攪拌させる一方、以上の二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流Fを、溶融蒸発部3に収容した無機質被膜の形成源となる無機質材料2に照射することで無機質材料2を加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行う。溶融蒸発部3を磁石粉末Xの上方に配置し、溶融蒸発部3に収容された無機質材料2から生成したイオン粒子を重力降下させて磁石粉末Xに被着させることにより、高い被膜形成効率で、かつ、均一に磁石粉末Xの表面に無機質被膜を形成することができる。磁石粉末Xの表面に無機質被膜を形成するための具体的処理条件は、磁石粉末Xの処理量や所望する無機質被膜の種類や膜厚などに応じて適宜決定される。
【0011】
イオンプレーティングを行う際の真空処理室1の内部のバックグラウンド真空度は、1×10-3Pa以下とすることが望ましい。1×10-3Paを超えると、無機質被膜の形成源となる無機質材料として易酸化性のアルミニウムなどの金属材料を用いた場合、良質の金属被膜が形成できなかったり、磁石粉末の表面における無機質被膜の成長が柱状に起こることで形成された無機質被膜の表面の凹凸が顕著になり、樹脂バインダと混練してボンド磁石用コンパウンドを調製し、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら射出成形などにより所定形状に加熱成形する際、無機質被膜の表面の凹凸が障害となって、容易磁化方向を磁界方向に十分に配向させることができなかったりすることで、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有する磁気的異方性希土類系ボンド磁石を製造することができない恐れがあるからである。
【0012】
耐酸化性被膜としての無機質被膜としては、磁気的異方性希土類系磁石粉末に耐酸化性を付与することができるものであれば特段制限されるものではないが、磁石粉末との密着性に優れる点において金属被膜が好適である。中でも、既出のアルミニウム被膜の他、Zn,In,Sn,Biなどの被膜のような比較的低い融点を有する金属被膜は、高い被膜形成効率で磁石粉末の表面に形成することができ、加熱された溶融蒸発部からの輻射熱などの影響を最小限に抑えることができる点において望ましい金属被膜である。とりわけ、アルミニウム被膜は、磁石粉末との密着性に極めて優れる点において望ましい。耐酸化性被膜としての無機質被膜としては、以上のような比較的低い融点を有する金属被膜の他、Si,Ti,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zr,Ag,Taなどの被膜や、金属酸化物や金属窒化物や金属炭化物の被膜などが挙げられる。
【0013】
本発明において、磁気的異方性希土類系磁石粉末の表面に形成する無機質被膜の膜厚を0.05μm〜2μmと規定するのは、無機質被膜の膜厚が0.05μm未満であると、磁石粉末に十分な耐酸化性を付与することができずに、コンパウンド調製時や加熱成形時の高温環境下において、磁石粉末が酸化することで高い磁気特性を有するボンド磁石を製造することができない恐れがある一方、無機質被膜の膜厚が2μmを超えると、無機質被膜被覆磁石粉末中における磁石粉末の有効体積が小さくなり、ボンド磁石とした際に高い磁気特性を確保することができなくなる恐れや、無機質被膜の表面の凹凸が顕著になり、樹脂バインダと混練してボンド磁石用コンパウンドを調製し、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら射出成形などにより所定形状に加熱成形する際、無機質被膜の表面の凹凸が障害となって、容易磁化方向を磁界方向に十分に配向させることができないことで、高い磁気特性を有するボンド磁石を製造することができない恐れがあるからである。なお、磁石粉末の表面に形成する無機質被膜の膜厚は、望ましくは0.1μm〜1μmである。
【0014】
膜厚が0.05μm〜2μmの無機質被膜で表面被覆された磁気的異方性希土類系磁石粉末(無機質被膜被覆磁石粉末)中における無機質被膜の体積比率は3%以下とすることが望ましく、1%以下とすることがより望ましい。3体積%を超えると、無機質被膜被覆磁石粉末中における磁石粉末の有効体積が小さくなり、ボンド磁石とした際に高い磁気特性を確保することができなくなる恐れがあるからである。
【0015】
次に、第2工程として、以上のようにして得られた金属被膜被覆磁石粉末と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製する工程を行う。この工程は、自体公知の方法で行えばよい。コンパウンドは、無機質被膜被覆磁石粉末を90質量%〜96質量%含有してなることが望ましい。無機質被膜被覆磁石粉末の含有割合が90質量%未満であると、高い磁気特性を有するボンド磁石を製造することができなくなる恐れがある一方、無機質被膜被覆磁石粉末の含有割合が96質量%を超えると、樹脂バインダが少なすぎて優れた流動性を有するコンパウンドが得られないことで、射出成形や押出成形やロール成形などが困難になる恐れがあるからである。
【0016】
樹脂バインダとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド(ナイロン66やナイロン6やナイロン12など)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑性樹脂、ゴムやエストラマ、これらの変性体や共重合体や混合物(例えば、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)に熱可塑性樹脂の粉末を分散させたもの:F.Yamashita, Applications of Rare-Earth Magnets to the Small motor industry, pp.100-111, Proceedings of the seventeenth international workshop, Rare Earth Magnets and Their Applications, August 18-22, 2002, Newark, Delaware, USA, Edited by G.C. Hadjipanayis and M.J.Bonder, Rinton Pressを参照)などを用いることができるが、例えば、射出成形におけるスプルーのリサイクルなどの観点からは熱可塑性樹脂を用いることが望ましい(融点が250℃以上のものを用いることがより望ましい)。コンパウンドを調製する際には、カップリング剤や潤滑剤や硬化剤などの添加剤をその目的に応じて通常用いられる添加量にて添加してもよい。
【0017】
最後に、第3工程として、以上のようにして調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら所定形状に加熱成形する工程を行うことで磁気的異方性希土類系ボンド磁石を得る。この工程は、自体公知の条件下にて磁界中で配向させながら射出成形や押出成形やロール成形などで行えばよい。なお、磁気的異方性希土類系ボンド磁石は脱磁が困難であるので、磁気的異方性希土類系ボンド磁石は、それが適用される部品に直接磁界中で配向させながら加熱成形するようにしてもよい。
【0018】
本発明は、とりわけ平均粒径が50μm〜150μmである磁気的異方性希土類系磁石粉末を用いて磁気的異方性希土類系ボンド磁石を製造する際にその効果を発揮する。平均粒径が50μm未満であると、十分な耐酸化性を磁石粉末に付与することができるに足る膜厚の無機質被膜を磁石粉末の表面に形成した場合、無機質被膜被覆磁石粉末中における磁石粉末の有効体積が小さくなり、ボンド磁石とした際に高い磁気特性を確保することができなくなる恐れがある一方、平均粒径が150μmを超えると、樹脂バインダと混練してボンド磁石用コンパウンドを調製しても、流動性や磁界中での配向性に優れたコンパウンドが得られず、射出成形や押出成形やロール成形などにより所定形状に加熱成形することが困難になる恐れがあるからである。
【0019】
本発明が適用される磁気的異方性希土類系磁石粉末としては、既出のHDDR磁石粉末が挙げられる。本発明によりHDDR磁石粉末を用いてボンド磁石を製造すれば、平均結晶粒径が1μm以下の微細な結晶粒を粗大化させることもなく、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有するボンド磁石を得ることができる。平均粒径が50μm〜150μmであるHDDR磁石粉末は、所定の組成を有する希土類系磁石合金を水素中で加熱して水素を吸蔵させた後、脱水素処理し、次いで冷却してから所望する平均粒径になるように粉砕することによって得ることができる。また、所定の組成を有する希土類系磁石合金を所望する平均粒径になるように粉砕してから、水素中で加熱して水素を吸蔵させた後、脱水素処理し、次いで冷却することによって得ることもできる。
なお、本発明が適用される磁気的異方性希土類系磁石粉末はHDDR磁石粉末に限定されるものではなく、例えば、急冷合金法によって得られた合金粉をホットプレスなどにより低温で焼結し、さらに温間据え込み加工によって磁気的異方性を付与したバルク状磁石体を粉砕する温間加工・粉砕法や、急冷合金法によって得られた合金粉をそのまま金属製容器に充填封入し、温間圧延などの塑性加工によって磁気的異方性を付与する方法などによって得られる磁気的異方性希土類系磁石粉末であってもよい。
【0020】
なお、本発明により製造される磁気的異方性希土類系ボンド磁石に、耐食性を付与することなどを目的として、その表面に樹脂塗装被膜や電気めっき被膜や化成処理被膜などの各種被膜を単層形成や積層形成してもよいことはいうまでもない。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例は、高周波溶解によって組成がNd:12.4原子%,Fe:64.9原子%,Cu:0.1原子%,Co:16.1原子%,Ga:0.2原子%,Zr:0.1原子%,B:6.2原子%の鋳隗を作製し、アルゴンガス雰囲気中で1100℃×24時間焼鈍したものを酸素濃度0.5%以下のアルゴンガス雰囲気中で粉砕して平均粒径100μmの合金粉末としてからこれを0.15MPaの水素ガス加圧雰囲気中で870℃×3時間の水素化熱処理を行い、その後、減圧(1kPa)アルゴンガス流気中で850℃×1時間の脱水素処理を行ってから冷却して製造したHDDR磁石粉末(平均結晶粒径850nm:磁石粒子の破面の走査型電子顕微鏡観察による)を用いて行った。
【0022】
A:アルミニウム被膜で表面被覆されたHDDR磁石粉末の製造とその特性
図1に示すイオンプレーティング装置を用いてHDDR磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成した。アルミニウム被膜の形成源としては純アルミニウムを用いた。
内径500mmの粉体保持容器にHDDR磁石粉末を100g収容した後、真空処理室の内部のバックグラウンド真空度が1×10-4Pa以下になるまで真空排気した。
続いて、プラズマガンに導入するアルゴンガス(キャリアガス)量と真空処理室の内部の排気速度を調節することで、陰極領域を約40Paに、中間電極領域−補助陽極領域を約1.3Paに、真空処理室の内部を4×10-2Paに維持した。
その後、粉体保持容器を上下左右に振動させることにより、HDDR磁石粉末を振動および/または攪拌させながら、プラズマガンによって直流放電電流100A、放電電圧70Vの条件で二重圧力勾配型直交磁場放電を起こして放電プラズマ流を発生させ、発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源としての純アルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、5種類の処理時間でイオンプレーティングを行うことにより、表1に示す5種類の膜厚のアルミニウム被膜で表面被覆されたHDDR磁石粉末(サンプル2〜サンプル6)を作製した(サンプル1は未処理のHDDR磁石粉末)。
サンプル2〜サンプル6を光学顕微鏡にて観察したところ、磁石粉末の凝集体は見当たらず、個々の磁石粒子がアルミニウム被膜によって均一に表面被覆されていた。なお、HDDR磁石粉末の表面に形成されたアルミニウム被膜の膜厚は、サンプルを乳鉢で軽く粉砕することによって生じた磁石粒子の破面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより求めた。また、サンプル2〜サンプル6について、サンプル中におけるアルミニウム被膜の体積比率を、ICP発光分析によって求めたアルミニウムの質量比率、未処理のHDDR磁石粉末(サンプル1)の密度(7.6g/cm3)、アルミニウムの密度(2.7g/cm3)から算出した。結果を表1に示す。
サンプル1〜サンプル6に対して、200℃×1時間の大気中放置試験を行い、試験前後の各サンプルの磁気特性(BH)maxを振動試料型磁力計(VSM)で測定するとともにその低下率を算出した。結果を表1に示す。表1から明らかなように、HDDR磁石粉末の表面に形成されたアルミニウム被膜の膜厚が厚くなるにつれて、耐酸化性が向上することで磁気特性の低下が抑制された。
【0023】
B:アルミニウム被膜で表面被覆されたHDDR磁石粉末を用いたボンド磁石の製造
サンプル1〜サンプル6について、サンプル:92質量%、ナイロン12樹脂:6.7質量%、チタネート系カップリング剤(味の素ファインテクノ社製:KR−TTS):0.75質量%、ステアリン酸アミド:0.55質量%を混合し、ラボプラストミルを用いて回転数80rpm、混練温度230℃、混練時間10分の条件で混練してボンド磁石用コンパウンドを調製した。調製されたコンパウンドを粉砕した後、磁界中射出成形機を用い、射出温度270℃、配向磁場800kA/m(試料の高さ方向)、金型温度80℃の条件にて、直径10mm×高さ7mmの円柱状ボンド磁石を作製した。
得られた円柱状ボンド磁石の磁気特性をBHトレーサにより評価した。結果を表1に示す。なお、Br/J1.2は、配向度を示す指標で、磁場1.2MA/mにおける磁化Jの値で残留磁束密度Brを除したものであり、数値が1に近いほど配向性に優れることを示す。
表1から明らかなように、サンプル2〜サンプル5を用いて作製されたボンド磁石は、高い磁気特性を有するものであった。中でも、サンプル2〜サンプル4を用いて作製されたボンド磁石は、HDDR磁石粉末の表面に形成したアルミニウム被膜の膜厚が1μm以下であることで、優れた配向性を示すものであった。とりわけ、サンプル2とサンプル3を用いて作製されたボンド磁石は、サンプル中におけるアルミニウム被膜の体積比率を3%以下としたことにより、極めて高い磁気特性を有するものであった。
一方、サンプル1は、アルミニウム被膜が表面に形成されていない未処理のHDDR磁石粉末であることから、耐酸化性が不十分であり、コンパウンド調製時や加熱成形時の高温環境下において酸化されることで、高い磁気特性を有するボンド磁石を作製することができなかった。また、サンプル6は、HDDR磁石粉末に対して十分な耐酸化性を付与するものであったが、HDDR磁石粉末の表面に形成されたアルミニウム被膜の膜厚が厚すぎたことで、磁気特性が低かったことに加え、容易磁化方向を磁界方向に十分に配向させることができなかったことから、高い磁気特性を有するボンド磁石を作製することができなかった。
【0024】
【表1】
Figure 0004374874
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、耐酸化性に優れるとともに高い磁気特性を有する磁気的異方性希土類系ボンド磁石の新規な製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法を実施するためのイオンプレーティング装置の一例の模式的正面図である。
【符号の説明】
1 真空処理室
2 無機質材料
3 溶融蒸発部
4 粉体保持容器
5 排気口
6 真空ポンプ
7 キャリアガス導入口
8 キャリアガス導入経路
9 プラズマガン
10 陰極
11 筒状第1中間電極
12 筒状第2中間電極
13 補助陽極筒
14 補助陽極リング
15 電磁コイル
16 永久磁石
17 放電電源
18 ガス導入口
30 イオン粒子の降下領域
F 放電プラズマ流
X 磁気的異方性希土類系磁石粉末

Claims (13)

  1. 磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源となるアルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmのアルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末を得る工程、得られたアルミニウム被膜被覆磁石粉末と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製する工程、調製されたコンパウンドを用いて磁界中で配向させながら所定形状に加熱成形する工程を含むことを特徴とする磁気的異方性希土類系ボンド磁石の製造方法。
  2. イオンプレーティングを行う際の真空処理室の内部のバックグラウンド真空度を1×10−3Pa以下とすることを特徴とする請求項1記載の製造方法
  3. アルミニウム被膜被覆磁石粉末中におけるアルミニウム被膜の体積比率を3%以下とすることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 樹脂バインダが熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  5. 所定形状への加熱成形を射出成形、押出成形、ロール成形から選ばれるいずれか一つの方法で行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  6. 磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の平均粒径が50μm〜150μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  7. 磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の平均結晶粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  8. 磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末がHDDR磁石粉末であることを特徴とする請求項または記載の製造方法。
  9. 請求項1記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とする磁気的異方性希土類系ボンド磁石。
  10. 磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源となるアルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmのアルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末を得る工程を含むことを特徴とするアルミニウム被膜被覆磁石粉末の製造方法。
  11. 請求項10記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とするアルミニウム被膜被覆磁石粉末。
  12. 磁気的異方性R−Fe−B系磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法として、真空処理室の内部にて、二重圧力勾配型直交磁場放電により発生させた放電プラズマ流を、溶融蒸発部に収容したアルミニウム被膜の形成源となるアルミニウムに照射することでアルミニウムを加熱蒸発させてイオン化し、イオンプレーティングを行うことにより、振動および/または攪拌させた磁石粉末の表面にアルミニウム被膜を形成する方法を採用し、この方法で膜厚が0.05μm〜2μmのアルミニウム被膜で表面被覆された磁石粉末を得る工程、得られたアルミニウム被膜被覆磁石粉末と樹脂バインダを混練してボンド磁石用コンパウンドを調製する工程を含むことを特徴とするボンド磁石用コンパウンドの製造方法。
  13. 請求項12記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とするボンド磁石用コンパウンド。
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