JP4372561B2 - レジスト用共重合体およびその製造方法、レジスト組成物ならびにパターン製造方法 - Google Patents

レジスト用共重合体およびその製造方法、レジスト組成物ならびにパターン製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジスト用共重合体およびその製造方法、そのレジスト用共重合体を含むレジスト組成物ならびにパターン製造方法に関し、特にエキシマレーザーや電子線を使用する微細加工に好適な化学増幅型レジスト用共重合体に関する。
近年、半導体素子や液晶素子の製造における微細加工の分野においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては、一般に露光光源の短波長化が用いられ、具体的には従来のg線、i線に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へ変化してきている。
現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)リソグラフィー技術が市場に導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(193nm)リソグラフィー技術が導入されようとしており、さらに次世代の技術としてはF2エキシマレーザー(157nm)リソグラフィー技術が研究されている。また、これらと若干異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
このような短波長の光源あるいは電子線に対する高解像度のレジストとして、インターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)社より「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
また、光源の短波長化においては、レジストに使用される樹脂もその構造変化を余儀なくされている。KrFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、248nmに対して透明性の高いポリヒドロキシスチレンやその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものが用いられたが、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、上記樹脂は193nmにおいては透明性が不十分でほとんど使用不可能であるため、193nmにおいて透明なアクリル系樹脂あるいはシクロオレフィン系樹脂が注目されている。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が特許文献1、特許文献2等に記載されている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの総称である。
特開平10−319595号公報 特開平10−274852号公報 さらに、近年のリソグラフィー技術のさらなる細線化によるレジストの薄膜化に対応するために、ラクトン骨格に脂環構造を導入した多環式ラクトン骨格を有する単量体を用いたレジスト用共重合体が特許文献3、特許文献4等に記載されている。 特開2000−26446号公報 特開2001−242627号公報 しかし、レジスト用共重合体を構成する単量体単位の全部または大部分が脂環構造を有し、かつ単量体単位の全部がメタクリル体の場合、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面の荒れが大きいため、膜内にピンホールが存在することが多くなり、シリコン基板等の被加工基板へのパターン転写時に回路の断線や欠陥などの不具合が生じ、半導体製造工程での歩留まりを下げる要因となることがある。さらに、一旦は均一に溶解したレジスト溶液中のレジスト用共重合体が経時的に凝集し、マイクロゲルと呼ばれる不溶分が発生してレジストパターンに抜けが発生することで、上記と同様、回路の断線や欠陥などの不具合が生じ、半導体製造工程での歩留まりを下げる要因となることがある。
また、レジスト用共重合体を構成する単量体単位の全部または大部分が脂環構造を有し、かつ単量体単位の全部がアクリル体の場合、露光後の熱処理により、レジストパターンのひずみや倒壊が起こり、その後のシリコン基板等の被加工基板へドライエッチング処理によってパターンを転写することができない場合がある。
一方、上述のような脂環式骨格を有する単量体とラクトン骨格を有する単量体を共重合してレジスト用共重合体を製造する方法において、例えば、特許文献1、特許文献3では、単量体成分、重合溶剤、重合開始剤、場合によっては連鎖移動剤(分子量調整剤)を重合装置に一括して仕込む方法を採用している。ただし、この方法では、重合後期に共重合単量体比率がずれることで、また共重合反応性比の大きく異なる単量体成分を用いることで、組成分布が広がることが懸念される。
そのため、このような方法で製造されたレジスト用共重合体は、レジスト溶液を調整する際の溶剤への溶解性が十分でない傾向にあり、溶解に長時間必要となったり、不溶分が発生することで製造工程数が増加するなど、レジスト溶液の調製に支障を来している。また、一旦は均一に溶解したレジスト溶液中のレジスト用共重合体が経時的に凝集し、マイクロゲルと呼ばれる不溶分が発生してレジストパターンに抜けが発生することで、回路の断線や欠陥などの不具合が生じ、半導体製造工程での歩留まりを下げる要因となることがある。さらに、エキシマレーザーでのパターニング、その後の現像処理によって生成するレジストパターンの側壁荒れ(以下、「ラインエッジラフネス」とも言う。)が発生し、回路幅の不均一、回路の断線や欠陥などの不具合が生じ、マイクロゲルと同様に、半導体製造工程での歩留まりを下げる要因となることがある。
このように、工業的にレジストの高い感度および/または解像度を損ねることなく、レジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れの低減、熱処理によるレジストパターンの直立性、ラインエッジラフネスに優れたレジスト用共重合体が望まれているのが現状である。
本発明は、上述した各従来技術の課題を解決すべく、なされたものであり、その目的とするところは、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー等に用いた場合に、レジストの高い感度および/または解像度が損なわれることなく、レジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れの低減、熱処理によるレジストパターンの直立性、ラインエッジラフネスに優れたレジスト用共重合体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討し、特に、レジスト用共重合体の主鎖構造と、立体規則性、共重合連鎖構造およびその分布、あるいは末端基構造等の微細構造に着目し、その結果、レジスト用共重合体の主鎖構造と共重合連鎖分布がレジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れの低減、熱処理によるレジストパターンの直立性、ラインエッジラフネスに大きく影響することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、(A6)で表されるラクトン骨格を有する単量体単位と、(A1)〜(A4)および(A10)で表される脂環式骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも1つの単量体単位とを含むレジスト用共重合体であって、該レジスト用共重合体が、アクリル単量体単位を20モル%以上68モル%以下含むことを特徴とするレジスト用共重合体である
(式(A6)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R63、R64 水素原子し、とAとが一緒になってチレンを表す

(式(A1)〜(A4)および(A10)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R、R、R3は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示す。R4は、水素原子を示す。R41〜R42は水素原子を表し、R45〜R48のいずれかが−CNであり他が水素原子であり、R 49 は水素原子である
は、−CH2示すまた、pは0表す。R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または水酸基を示す。R101は炭素数1〜3のアルキル基を示し、rは0〜2の整数を示す。)
本発明の第3は、上記レジスト用共重合体の何れかの製造方法であって、溶剤を予め重合容器に仕込み、該重合容器を所定の重合温度まで加熱した後、単量体と重合開始剤、場合によっては分子量調整剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器中に滴下することを特徴とするレジスト用共重合体の製造方法である。
本発明の第4は、上記レジスト用共重合体の何れかの製造方法であって、単量体の一部を予め重合容器に仕込み、該重合容器を所定の重合温度まで加熱して重合を開始した後、残りの単量体と重合開始剤、場合によっては分子量調整剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器中に滴下することを特徴とするレジスト用共重合体の製造方法である。
上記レジスト用共重合体の製造方法は、単量体組成比が異なる、少なくとも2種類以上の単量体溶液を、独立して準備し、それぞれ重合容器中に滴下するのが好ましい。
本発明の第5は、上記何れかのレジスト用共重合体を含むことを特徴とするレジスト組成物である。
本発明の第6は、上記何れかのレジスト用共重合体と光酸発生剤を含むことを特徴とする化学増幅型レジスト組成物である。
本発明の第7は、少なくとも、上記第5または第6の発明のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後現像する工程と、を含むパターン製造方法である。
上記パターン製造方法は、露光に用いる光が、ArFエキシマレーザー光であることが好ましい。
本発明の第8は、少なくとも、上記第5または第6の発明のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後現像する工程と、を含むパターン製造方法である。
本発明のレジスト用共重合体およびレジスト組成物は、高い感度および/または解像度を損なうことなく、レジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れの低減、熱処理によるレジストパターンの直立性、ラインエッジラフネスに優れており、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。そのため、本発明のレジスト用共重合体およびレジスト組成物は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーに好適に用いることができる。
本発明のレジスト用共重合体は、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むものである。
本発明のアクリル単量体単位とは、下記式(M)を有する単量体単位である。このような単位をレジスト用共重合体に導入するためには、(共)重合可能な下記式(m)で表される単量体を用いて共重合を行なえばよい。
レジスト用共重合体中のアクリル単量体単位が20モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは35モル%以上であれば、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面の大きな荒れや、膜内に存在するピンホールによる、シリコン基板等の被加工基板へのパターン転写時の回路の断線や欠陥などの不具合が抑制できる。また、一旦は均一に溶解したレジスト溶液中のレジスト用共重合体が経時的に凝集し、マイクロゲルと呼ばれる不溶分が発生することに由来するレジストパターンの抜けや、パターン転写時の回路の断線や欠陥などの不具合も抑制できる。
一方、レジスト用共重合体中のアクリル単量体単位が68モル%以下、好ましくは65モル%以下、さらに好ましくは60%以下であれば、露光後の熱処理によるレジストパターンのひずみや倒壊、その後のシリコン基板等の被加工基板へのドライエッチング処理によるパターン転写不能の問題を抑制できる。
レジスト用共重合体中のアクリル単量体単位は、単一の脂環式骨格を有する単量体単位だけ、あるいは単一のラクトン骨格を有する単量体単位だけで構成する必要はなく、脂環式骨格を有する単量体単位とラクトン骨格を有する単量体単位との混合体であっても、これらと他の骨格を有するアクリル単量体単位との混合体であってもよい。
脂環式骨格を有する単量体単位とは、環状の飽和炭化水素を1個以上有する構造を有する単量体単位である。このような単位をレジスト用共重合体に導入するためには、例えば、脂環式骨格を有する単量体を用いて共重合を行なえばよい。以下、重合体中に脂環式骨格を有する単量体単位を導入できる単量体を、「脂環式骨格を有する単量体」と言う。
この脂環式骨格を有する単量体としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、およびこれら化合物の脂環式環上に置換基を有する誘導体が好ましい。なお、本発明において「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称である。
脂環式骨格を有する単量体単位を含むレジスト用共重合体は、ドライエッチング耐性に優れており、またこれら単量体単位が酸により脱離する保護基を含有していると優れた感度を有する。さらに、これら単量体単位が水酸基を含有していると優れたレジストパターン形状安定性を有する。
脂環式骨格を有する単量体は、1種あるいは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式骨格を有する単量体を共重合する場合、脂環式骨格を有する単量体は、単量体成分全体に対し10〜90モル%の範囲で用いることが好ましく、30〜70モル%の範囲で用いることがより好ましい。
脂環式骨格を有する単量体は、多いほど得られるレジスト用共重合体およびその樹脂組成物のドライエッチング耐性が向上し、少ないほど他の単量体の性質が強く現れる傾向がみられる。他の単量体がラクトン骨格を有する単量体の場合、脂環式骨格を有する単量体が少ないほど密着性が向上する。
前記式(A1)中、R1における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。この単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(1−1)〜(1−4)
が挙げられる。中でも、レジスト組成物とした際の感度および解像度に優れる点から、前記式(1−1)〜(1−4)で表される単量体が好ましい。なお、Rは水素原子またはメチル基を示す。
前記式(A2)中、R2、R3における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。この単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(2−1)〜(2−10)
が挙げられる。中でも、レジスト組成物とした際の感度および解像度に優れる点から、前記式(2−1)で表される単量体が好ましい。なお、Rは水素原子またはメチル基を示す。
前記式(A3)の単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(3−1)〜(3−164)

が挙げられる。中でも、レジスト組成物とした際の感度および解像度に優れる点から、前記式(3−1)、前記式(3−2)、前記式(3−5)、前記式(3−6)、前記式(3−9)〜(3−20)、前記式(3−25)〜(3−28)、前記式(3−37)〜(3−40)、前記式(3−49)〜(3−52)、前記式(3−61)〜(3−64)、前記式(3−73)〜(3−76)、前記式(3−85)〜(3−88)、前記式(3−97)〜(3−100)、前記式(3−109)〜(3−112)、前記式(3−117)〜(3−164)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましい。また、レジスト組成物とした際のレジストパターン矩形性に優れる点から、前記式(3−21)〜(3−92)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましい。なお、Rは水素原子またはメチル基を示す。
前記式(A4)の単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(4−1)〜(4−4)
が挙げられる。中でも、レジスト組成物とした際のレジストパターン矩形性に優れる点から、前記式(4−1)で表される単量体が好ましい。なお、Rは水素原子またはメチル基を示す。
前記式(A10)の単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(10−1)〜(10−9)
が挙げられる。中でも、レジスト組成物とした際の感度および解像度に優れる点から、前記式(10−2)、前記式(10−5)で表される単量体が好ましい。なお、Rは水素原子またはメチル基を示す。
ラクトン骨格を有する単量体単位とは、環内にカルボキシル基を含む環状の飽和炭化水素を有する構造を有する単量体単位である。このような単位をレジスト用共重合体に導入する為には、例えば、ラクトン骨格を有する単量体を用いて共重合を行なえばよい。また、ラクトン骨格を有する単量体単位はさらに脂環式骨格を有していてもよい。以下、重合体中にラクトン骨格を有する単量体単位を導入できる単量体を、「ラクトン骨格を有する単量体」と言う。
このラクトン骨格を有する単量体としては、例えば、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、多環式ラクトンを有する(メタ)アクリレート等、およびこれらの化合物のラクトン環を含む環状の飽和炭化水素骨格に置換基を有する誘導体等が挙げられる。
ラクトン骨格を有する単量体単位を含むレジスト用共重合体は、金属表面等の極性の高い表面に対する密着性に優れており、またこれら単量体単位が酸により脱離する保護基を含有していると優れた感度を有する。さらに、これら単量体単位が高い炭素密度を含有していると優れたドライエッチング耐性を有する。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種、あるいは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラクトン骨格を有する単量体を共重合する場合、ラクトン骨格を有する単量体は、単量体成分全体に対し10〜90モル%の範囲で用いられることが好ましく、より好ましくは、30〜70モル%の範囲である。ラクトン骨格を有する単量体は、多いほど得られるレジスト用共重合体およびその樹脂組成物の密着性が向上し、少ないほど他の単量体の性質が強く現れる傾向がみられる。他の単量体が脂環式骨格を有する単量体であり、ラクトン骨格を有する単量体が脂環式骨格を有さない場合、ラクトン骨格を有する単量体が少ないほどドライエッチング耐性が向上する。
前記式(A5)の単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(5−1)〜(5−11)
が挙げられる。
中でも、レジスト溶剤への溶解性の点から、前記式(5−3)で表される単量体が好ましく、ドライエッチング耐性の点から、前記式(5−2)、前記式(5−4)、前記式(5−5)および前記式(5−9)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましく、レジスト溶剤への溶解性の点から、前記式(5−3)で表される単量体が好ましく、感度が良好な点から、前記式(5−9)、前記式(5−10)および前記式(5−11)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましく、パターン形状が良好な点から、前記式(5−6)および前記式(5−8)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましい。
前記式(A6)の単量体単位を導入できる単量体の具体例として、下記式(6−1)〜(6−14)
が挙げられる。中でも、ドライエッチング耐性の点から、前記式(6−2)、前記式(6−4)、前記式(6−6)および前記式(6−8)、前記式(6−9)、前記式(6−10)および前記式(6−11)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましく、レジスト溶剤への溶解性の点から、前記式(6−3)、前記式(6−7)、前記式(6−12)、前記式(6−13)および前記式(6−14)で表される単量体およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが好ましい。
本発明のレジスト用共重合体をArFエキシマレーザーリソグラフィー用に使用する場合は、脂環式骨格を有する単量体単位とラクトン骨格を有する単量体単位の両方を含むことが好ましい。また、本発明のレジスト用共重合体は、脂環式骨格を有する単量体単位および/またはラクトン骨格を有する単量体単位以外の単量体単位が含まれていてもよい。すなわち、本発明のレジスト用共重合体は、脂環式骨格を有する単量体および/またはラクトン骨格を有する単量体と共重合可能な他のビニル系単量体(以下「他のビニル系単量体」という)を共重合したものであってもよい。
さらに、レジスト用共重合体中のアクリル単量体単位は、単一の脂環式骨格を有する単量体単位だけ、単一のラクトン骨格を有する単量体単位だけ、あるいは単一の他の骨格を有するアクリル単量体単位だけで構成する必要はなく、これらの単量体単位の混合体であってもよい。
本発明のレジスト用共重合体に含まれてもよい他のビニル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、n−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、iso−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、iso−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、tert−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル(メタ)アクリレート、α−(トリ)フルオロメチルアクリレートメチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレートエチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート2−エチルヘキシルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−n−プロピルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−iso−プロピルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−n−ブチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−iso−ブチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−tert−ブチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレートメトキシメチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレートエトキシエチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−n−プロポキシエチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−iso−プロポキシエチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレートn−ブトキシエチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレート−iso−ブトキシエチルエステル、α−(トリ)フルオロメチルアクリレートtert−ブトキシエチルエステル等の直鎖または分岐骨格構造を持つ(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン、p−tert−パーフルオロブチルスチレン、p−(2−ヒドロキシ−iso−プロピル)スチレン等の芳香族アルケニル化合物;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、塩化ビニル、エチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルピロリドン等が挙げられる。
これらは、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これら単量体が酸により脱離する保護基を含有していると優れた感度を有する。
他のビニル系単量体は、得られるレジスト用共重合体の密着性およびドライエッチング耐性を大きく損なわない範囲で用いることができる。一般には、単量体成分全体に対して20モル%以下とすることが好ましい。
重合開始剤を使用する重合では、重合開始剤のラジカル体が反応溶液中に生じ、このラジカル体を起点として単量体の連鎖重合が進行する。
本発明のレジスト用共重合体の製造に用いられる重合開始剤は、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物;などが挙げられる。
また、ArFエキシマレーザー(193nm)光源を用いるリソグラフィー用のレジスト用共重合体を製造する場合は、光線透過率をできるだけ低下させないように、分子構造中に芳香環を有しないものが好ましい。さらに、重合時の安全性等を考慮すると、重合開始剤は10時間半減期温度が60℃以上のものが好ましい。
レジスト用共重合体を製造する際には連鎖移動剤を使用してもよい。
連鎖移動剤を用いると、低分子量のレジスト用共重合体を製造する際に重合開始剤の量を少なくすることができる、レジスト用共重合体の分子量分布を小さくすることができる等の利点がある。
好適な連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール等が挙げられる。
重合反応においては、成長末端にラジカルをもつ重合体が反応溶液中に生じるが、連鎖移動剤を使用すると、この成長末端のラジカルと連鎖移動剤が衝突して成長末端が失活した重合体になる。一方、連鎖移動剤はラジカルを持った構造になり、このラジカル体が起点となって、再び単量体が連鎖重合してゆく。そのため、得られた重合体の末端には連鎖移動残基が存在する。
ArFエキシマレーザー(193nm)光源を用いるリソグラフィー用のレジスト用共重合体を製造する場合は、レジスト用共重合体の光線透過率をできるだけ低下させないよう、芳香環を有しない連鎖移動剤を用いることが好ましい。
本発明のレジスト用共重合体がレジスト溶剤への溶解性に優れ、また本発明のレジスト用共重合体を使用することによって、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れの低減、熱処理によるレジストパターンの直立性に優れた性能を発現する理由について、本発明者らは次のように推定している。
すなわち、従来のレジスト用共重合体は、リソグラフィー技術の細線化によるレジストの薄膜化に対応するために、レジスト用共重合体を構成する単量体単位の全部または大部分が脂環構造を有するものになり、さらに単量体単位の全部または大部分がメタクリル体の場合、分子鎖1本の屈曲性が低くなった結果、分子鎖へのレジスト溶剤の浸透性、つまりレジスト溶剤への溶解性が十分でなく、レジスト溶液中でマイクロゲルが生成した。また、単量体単位の全部または大部分がメタクリル体の場合、ガラス転移温度が露光後の熱処理温度より十分に高いため、露光後加熱時にレジスト膜を形成する分子鎖が緩和し難く、レジスト膜内部に溶剤が残存した状態でドライエッチング処理されることで、溶剤分子が占めていた部分の空隙が表面上に現れ、表面荒れを引き起こした。
一方、単量体単位の全部または大部分がアクリル体の場合、ガラス転移温度が露光後の熱処理温度よりも低いため、レジストパターンのひずみや倒壊が発生した。
本発明はこの点を制御することで、そのような課題を解決したものである。
本発明のレジスト用共重合体を製造する方法としては、一般に溶液重合と言われる重合方法が好ましい。滴下重合法における重合温度は、特に限定されないが、50〜150℃の範囲内であることが好ましい。
滴下重合法に用いる有機溶剤は、単量体、重合開始剤と、連鎖移動剤を併用する場合はその連鎖移動剤、および得られるレジスト用共重合体のいずれも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、1,4−ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」とも言う。)、乳酸エチル等が挙げられる。
有機溶剤に溶解させた単量体溶液の濃度は、特に限定されないが、5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
この滴下重合法では、溶剤を予め重合容器に仕込み、重合容器を所定の重合温度まで加熱した後、単量体と重合開始剤、場合によっては分子量調整剤、を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器中に滴下する。
または、この滴下重合法では、単量体の一部を予め重合容器に仕込み、重合容器を所定の重合温度まで加熱して重合を開始した後、残りの単量体と重合開始剤、場合によっては分子量調整剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器中に滴下する。
予め重合容器に仕込む一部の単量体の量は、使用する単量体全量に対して3〜70質量%の範囲が好ましい。予め重合容器に仕込む単量体の量を、使用する単量体全量に対して3質量%以上とすると、共重合反応における単量体消費速度が遅い単量体が、重合後期において、これらの単量体の長連鎖構造を多く発生することがなく、レジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ラインエッジラフネスに優れ好ましい。予め重合容器に仕込む単量体の量を、使用する単量体全量に対して70質量%以下とすると、共重合反応における単量体消費速度が速い単量体が、重合初期において、これらの単量体の長連鎖構造を多く発生することがなく、レジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ラインエッジラフネスに優れ好ましい。
また、この滴下重合法では、各単量体の重合速度、単量体消費速度や共重合反応性比を勘案して、単量体組成比が異なる、少なくとも2種類以上の単量体溶液を調製し、これらを独立して滴下することができる。
各単量体の重合速度、単量体消費速度や共重合反応性比を勘案して、単量体組成比が異なる少なくとも2種類以上の単量体溶液を調製し、これらを独立して滴下すると、共重合反応における各単量体の消費速度を一定に保つことができるので、重合前期に単量体消費速度の速い単量体の長連鎖構造が多く発生することがなく、また、重合後期に単量体消費速度の遅い単量体の長連鎖構造が多く発生することもなく、レジスト溶剤への溶解性、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ラインエッジラフネスに優れるため好ましい。そのため、少なくとも、単量体組成比が異なる単量体溶液を2種類以上調製し、一般的には、最初滴下する単量体溶液における単量体消費速度が遅い単量体の単量体組成比を大きくし、続いて滴下する単量体溶液における単量体消費速度が遅い単量体の単量体組成比を先の単量体溶液よりも小さくすることが好ましい。
少なくとも2種類以上の単量体溶液を独立して滴下するとは、前段の単量体溶液が重合容器へ滴下終了した直後に、前段の単量体組成比とは異なる、次段の単量体溶液を滴下開始してもよいし、前段の単量体溶液が重合容器へ滴下終了した後から、重合終了までの間の任意のタイミングで次段の単量体溶液を滴下開始してもよい。また、場合によっては、前段の単量体溶液の滴下終了前に、次段の単量体溶液の滴下を開始してもよい。
本発明の製造方法により得られたレジスト用共重合体がレジスト溶剤への溶解性に優れ、また本発明のレジスト用共重合体を使用することによって、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成の抑制、ラインエッジラフネスに優れた性能を発現する理由について、本発明者らは次のように推定している。
すなわち、従来のレジスト用共重合体は、分子鎖1本中における同種の単量体連鎖長が長いので、レジスト用共重合体全体として単量体連鎖分布が不均一となり、レジスト溶剤への溶解性が十分でなく、レジスト溶液中でマイクロゲルが生成した。また、単量体連鎖分布が不均一であると、レジスト膜表面および内部において酸により脱離する保護基の分布が不均一になり、これによりラインエッジラフネスが乏しいものとなった。
これに対し本発明のレジスト用共重合体は、単量体連鎖分布を制御することで、分子鎖1本中における同種の単量体連鎖長が従来技術のものに比較して短く、レジスト用共重合体全体として単量体連鎖分布が均一となり、これにより従来技術にみられた課題を解決したものである。
本発明のレジスト用共重合体の重量平均分子量は特に限定はされないが、1,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。
次に、本発明のレジスト用共重合体の使用方法の一例について説明する。
溶液重合等の方法で製造されたレジスト用共重合体溶液は、1,4−ジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、PGMEA、乳酸エチル等の良溶剤にて適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水等の多量の貧溶剤中に滴下してレジスト用共重合体を析出させる。
その後、その析出物を濾別し十分に乾燥する。
この工程は一般に「再沈殿」と呼ばれ、場合により不要となることがあるが、重合溶液中に残存する未反応の単量体、あるいは重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物は、そのまま残存しているとレジスト性能に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ取り除くことが好ましい。
本発明のレジスト組成物を得るには、本発明のレジスト用共重合体を溶剤に溶解させる。この溶剤は目的に応じて任意に選択されるが、溶剤の選択は樹脂の溶解性以外の理由、例えば、塗膜の均一性、外観あるいは安全性等からも制約を受けることがある。
本発明において通常使用される溶剤としては、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖状ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ−ルモノイソプロピルエ−テル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、n−プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコ−ル、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
溶剤の使用量は、通常、レジスト用重合体(本発明の共重合体)100質量部に対して200質量部以上であり、300質量部以上であることがより好ましい。また、溶剤の使用量は、通常、レジスト用重合体(本発明の共重合体)100質量部に対して5000質量部以下であり、2000質量部以下であることがより好ましい。
本発明のレジスト用共重合体を化学増幅型レジストに使用する場合は、光酸発生剤を用いることが必要である。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として使用可能なものの中から任意に選択できる。
このような光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、およびジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物が好適である。
具体的にはトリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
光酸発生剤は単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
光酸発生剤の使用量は選択された光酸発生剤の種類により便宜選定されるが、レジスト用共重合体100質量部当たり、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
光酸発生剤の使用量をこの範囲にすることにより、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることができる。光酸発生剤の使用量を0.1質量部以上とすると、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることができ、20質量部以下とすると、レジスト組成物の安定性が高く、組成物を塗布する際の塗布むらや現像時のスカム等の発生を防止することができるので好ましい。
さらに、本発明のレジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、クエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することもできる。これらの添加剤は、当該分野で既知のもであればいずれも使用可能である。また、これらの添加剤の配合量は特に限定されず、適宜決めればよい。
次に、本発明のパターン製造方法の一例について説明する。
最初に、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、この化学増幅型レジスト組成物が塗布された被加工基板は、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、基板上にレジスト膜を形成する。
次いで、このようにして得られたレジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光を照射する(露光)。露光に用いる光は、KrFエキシマレーザー光またはArFエキシマレーザー光であることが好ましく、特にArFエキシマレーザー光であることが好ましい。
光照射(露光)後、適宜熱処理(露光後ベーク、PEB)し、基板をアルカリ現像液に浸漬し、露光部分を現像液に溶解除去する(現像)。アルカリ現像液は公知のものいずれを用いてもよい。そして、現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
通常、レジストパターンが形成された被加工基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。エッチングを行った後、レジストは、通常、剥離剤を用いて除去される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。なお、各実施例、比較例中「部」とあるのは特に断りのない限り「質量部」を示す。また、実施例および比較例中の物性等の測定は以下の方法を用いて行った。
(1)レジスト用重合体の重量平均分子量
約20mgのレジスト用共重合体を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、0.5μmメンブランフィルターで濾過した試料溶液を東ソー製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。分離カラムはShodex GPC K−805L(商品名)を3本直列、溶剤はテトラヒドロフラン、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mL、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用した。
(2)レジスト用共重合体の平均共重合組成比(モル%)
1H−NMRの測定により求めた。この測定は、日本電子(株)製GSX−400型FT−NMR(商品名)を用いて、レジスト用共重合体試料の約5質量%の重水素化クロロホルム、重水素化アセトンあるいは重水素化ジメチルスルホキシドを直径5mmφの試験管に入れ、測定温度40℃、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、64回の積算で行った。
(3)レジスト溶剤への溶解性
固形分濃度が20質量%になるように、所定量のPGMEAおよび乳酸エチル(以下、「EL」とも言う。)に室温で攪拌しながらレジスト用共重合体を溶解させ、完全に溶解するまでの時間を測定した。
表1中の記号の意味は、レジスト用共重合体が完全に溶解するまでの時間が、
◎:1時間未満であった、
○:1時間以上3時間未満であった、
△:3時間以上24時間未満であった、
×:24時間以上、または不溶であった、
である。
(4)感度
レジスト用共重合体100部に、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレートを2部、および溶剤としてPGMEA700部を混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、レジスト組成物溶液を調整した。その後、この組成物溶液をシリコンウエハー上にスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚0.4μmのレジスト膜を形成した。次いでArFエキシマレーザー露光機を使用して露光した後、ホットプレートを用いて120℃、60秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で現像し、純水で洗浄し、乾燥して、レジストパターンを形成した。
(5)感度
0.16μmのライン・アンド・スペースパターンのマスクが0.16μmの線幅に転写される露光量(mJ/cm)を感度として測定した。
(6)解像度
上記露光量を露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度とした。
(7)マイクロゲル量
上記のように調製したレジスト組成物溶液について調液直後(マイクロゲル初期値)と、4℃で1週間放置した後(経時後のマイクロゲルの数)の液中のマイクロゲルの数を、リオン製パーティクルカウンターにてカウントした。マイクロゲル初期値とともに、(経時後のマイクロゲルの数)―(マイクロゲル初期値)で計算されるマイクロゲル増加数を評価した。なお、マイクロゲルは、レジスト組成物液1ml中に存在する0.25μm以上の粒径を有するマイクロゲルの数
をカウントした。
(8)ラインエッジラフネス
マスクにおける0.20μmのレジストパターンを再現する最小露光量により得られた0.20μmのレジストパターンの長手方向の側端5μmの範囲について、パターン側端があるべき基準線からの距離を、日本電子製JSM−6340F型電界放射形走査型電子顕微鏡により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さいほど良好な性能であることを示す。
(9)レジストパターンの直立性
上記の0.20μmのレジストパターンの垂直方向について、日本電子製JSM−6340F型電界放射形走査型電子顕微鏡(商品名)により観察し、レジストパターン10本中に、ひずみや倒壊があるパターン数を調べた。この値が小さいほど良好な性能であることを示す。
(10)ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れ
膜厚0.4μmのレジスト膜(上記調製のレジスト組成物溶液を用いて製膜)が塗布されたシリコンウエハーを、昭和真空製SPE−220T型ドライエッチング装置(商品名)にてドライエッチング処理した。処理条件は、ガス種およびガス流量(標準状態)をCF4/O2=95cm3/min /5.0cm3/min 、処理室内圧力を15Pa、プラズマ電力を200Wとし、処理時間を3分間とした。そして、1μm×1μmの測定範囲について、レジスト膜表面があるべき基準線からの距離を、シリコンナイトライド製のカンチレバーを装備したセイコーインスツルメンツ製SPI3700/SPA−300型原子間力顕微鏡(商品名)を用いて100点測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さいほど良好な性能であることを示す。測定はAFMモードにて、走査線数を256として行った。
参考例1>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを29.1部、γ−ブチロラクトンを3.2部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−exo−メタクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン(ONLMAと表すことがある)19.3部、4−メタクリロイルオキシ−4−エチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン(EDMAと表すことがある)20.8部、1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン(HAdAと表すことがある)8.4部、PGMEA101.9部、γ−ブチロラクトン11.3部、1−オクタンチオール0.58部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.50部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−1)を得た。沈殿物に残存する単量体を完全に取り除くために、得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。得られた沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−1の各物性を測定した結果を表1に示した。
参考例2>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、テトラヒドロフランを37.1部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。2−exo−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン(OTNAと表すことがある)18.3部、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(MAdMAと表すことがある)26.2部、テトラヒドロフラン66.8部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート4.60部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、70℃の温度を1時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体A−2を得た。得られた共重合体A−2の各物性を測定した結果を表1に示した。
<実施例3>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを53.4部、8−または9−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン(OTDMAと表すことがある)2.0部、8−または9−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン(OTDAと表すことがある)5.2部、2−メタクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン(EAdMAと表すことがある)3.3部、HAdA3.3部を入れ(単量体組成比:OTDMA/OTDA/EAdMA/HAdA=14/39/22/25(mol%))、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。その後、γ−ブチロラクトン5.9部、2−メルカプトエタノール0.06部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.30部を混合した開始剤/連鎖移動剤溶液をフラスコへ投入し、重合を開始した。その直後から、OTDMA5.9部、OTDA11.0部、EAdMA10.8部、HAdA4.8部(単量体組成比:OTDMA/OTDA/EAdMA/HAdA=18/35.5/31/15.5(mol%))、PGMEA44.0部、γ−ブチロラクトン4.9部、2−メルカプトエタノール0.14部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.68部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を30分間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体A−3を得た。得られた共重合体A−3の各物性を測定した結果を表1に示した。
<実施例4>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA38.4部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA6.5部、EAdMA4.3部、HAdA2.9部(単量体組成比:OTDA/EAdMA/HAdA=49/29/22(mol%))、PGMEA20.7部、1−オクタンチオール0.08部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.34部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から一定速度で1.5時間かけてフラスコ中へ滴下した。前記滴下液を滴下し終わった直後に、OTDA14.0部、EAdMA12.2部、HAdMA6.2部(単量体組成比:OTDA/EAdMA/HAdA=45/35/20(mol%))、PGMEA48.5部、1−オクタンチオール0.20部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.80部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から一定速度で4.5時間かけてフラスコ中へ滴下した。その後、80℃の温度を30分間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体A−4を得た。得られた共重合体A−4の各物性を測定した結果を表1に示した。
参考例5>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを31.0部、γ−ブチロラクトンを13.3部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−1)で表される単量体と下記式(20−2)で表される単量体との混合物(以下、DOLAMAと言う。)22.8部、
MAdMA19.2部、HAdA11.1部、PGMEA55.8部、γ−ブチロラクトン23.9部、1−オクタンチオール0.14部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.32部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を1時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体A−5を得た。得られた共重合体A−5の各物性を測定した結果を表1に示した。
<実施例6>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを34.7部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA17.8部、1−メタクリロイルオキシ−1−エチルシクロヘキサン(以下、ECHMAと言う。)15.7部、2−または3−シアノ−5−ノルボルニルメタクリレート(以下、CNNMAと言う。)8.2部、PGMEA62.5部、1−オクタンチオール0.12部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.32部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を1時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体A−6を得た。得られた共重合体A−6の各物性を測定した結果を表1に示した。
参考例7>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを37.2部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(21−1)で表される単量体と下記式(21−2)で表される単量体との混合物(以下、DOLAと言う。)17.2部、
MAdMA18.7部、HAdA12.9部、PGMEA73.2部、1−オクタンチオール0.24部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.32部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を1時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体A−7を得た。得られた共重合体A−7の各物性を測定した結果を表1に示した。
<比較例1>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、テトラヒドロフランを38.9部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。2−exo−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン(OTNMAと表すことがある)25.3部、EAdMA21.3部、テトラヒドロフラン70.0部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート4.60部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、70℃の温度を1時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体B−1を得た。得られた共重合体B−1の各物性を測定した結果を表1に示した。
<比較例2>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、OTNA27.0部、EAdMA17.4部、PGMEA73.2部、1−オクタンチオール0.30部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。PGMEA20.0部、γ−ブチロラクトン5.2部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.96部を混合した開始剤溶液をフラスコへ投入し、重合を開始した。その後、70℃の温度を7時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体B−2を得た。得られた共重合体B−2の各物性を測定した結果を表1に示した。
<比較例3>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを38.1部、γ−ブチロラクトンを11.9部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA17.3部、2−アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(MAdAと表すことがある)24.6部、HAdA8.9部、PGMEA68.6部、γ−ブチロラクトンを7.6部、2−メルカプトエタノール0.16部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.14部を混合した単量体溶液の入った滴下装置から、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を1時間保持した。以降の操作は、得られた反応溶液を約30倍量の水/メタノール(20/80(体積%))混合溶液中に攪拌しながら滴下する以外は、実施例1と同様の操作で、共重合体B−3を得た。得られた共重合体B−3の各物性を測定した結果を表1に示した。
<比較例4>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、OTNA5.0部、OTNMA13.8部、MAdMA26.7部、テトラヒドロフランを76.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。テトラヒドロフラン30.0部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート5.52部を混合した開始剤溶液をフラスコへ投入し、重合を開始した。その後、70℃の温度を7時間保持した。以降の操作は実施例1と同様の操作で、共重合体B−4を得た。得られた共重合体B−4の各物性を測定した結果を表1に示した。
このように、実施例3、4及び6においては感度および/または解像度を損なわず、レジスト溶剤への溶解性、熱処理によるレジストパターンの直立性、ラインエッジラフネスが向上し、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れが低減され、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成が抑制された。一方、比較例1および4においては、熱処理によるレジストパターンの直立性は改善されたが、レジスト溶剤への溶解性やラインエッジラフネスは改善されず、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成が多く確認され、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れも十分に改善されなかった。また、比較例2および3においては、レジスト溶剤への溶解性、ラインエッジラフネス、ドライエッチング処理後のレジスト膜表面荒れが改善され、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成も抑制されたが、熱処理によるレジストパターンの直立性が十分に改善されなかった。

Claims (8)

  1. (A6)で表されるラクトン骨格を有する単量体単位と、(A1)〜(A4)および(A10)で表される脂環式骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも1つの単量体単位とを含むレジスト用共重合体であって、該レジスト用共重合体が、アクリル単量体単位を20モル%以上68モル%以下含むことを特徴とするレジスト用共重合体。
    (式(A6)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R63、R64は水素原子を表し、AとAとが一緒になってメチレン基を表す。)
    (式(A1)〜(A4)および(A10)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、R、R、R3は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示す。R4は、水素原子を示す。R41〜R42は水素原子を表し、R45〜R48のいずれかが−CNであり他が水素原子であり、R 49 は水素原子である。Xは、−CH2−を示す。また、pは0を表す。R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または水酸基を示す。R101は炭素数1〜3のアルキル基を示し、rは0〜2の整数を示す。)
  2. 請求項1に記載のレジスト用共重合体の製造方法であって、溶剤を予め重合容器に仕込み、該重合容器を所定の重合温度まで加熱した後、単量体と重合開始剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器中に滴下することを特徴とするレジスト用共重合体の製造方法。
  3. 請求項1に記載のレジスト用共重合体の製造方法であって、単量体の一部を予め重合容器に仕込み、該重合容器を所定の重合温度まで加熱して重合を開始した後、残りの単量体と重合開始剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器中に滴下することを特徴とするレジスト用共重合体の製造方法。
  4. 請求項2または3に記載のレジスト用共重合体の製造方法であって、単量体組成比が異なる、少なくとも2種類以上の単量体溶液を独立して準備し、それぞれ重合容器中に滴下することを特徴とするレジスト用共重合体の製造方法。
  5. 請求項1に記載のレジスト用共重合体を含むことを特徴とするレジスト組成物。
  6. 少なくとも、請求項5記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程とを含むパターン製造方法。
  7. 露光に用いる光が、ArFエキシマレーザー光であることを特徴とする請求項6に記載のパターン製造方法。
  8. 少なくとも、請求項5記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程とを含むパターン製造方法。
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