JP4372406B2 - 不揮発性半導体記憶装置および半導体集積回路装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置および半導体集積回路装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性メモリのベリファイ技術に関し、特に、データ書き換えによって生じるメモリセルの劣化によるデータ読み出しの信頼性の確保に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より電気的に書換可能な不揮発性メモリとして、EEPROMとフラッシュメモリが知られている。
【0003】
EEPROMは絶縁領域中に局所的な電荷トラップ領域を複数有する窒化膜を電荷蓄積層として有し、データを書き換えるために書き込み/消去を行う。このEEPROMは電荷トラップ領域に電荷をトラップすることによりしきい値電圧の変化を生じ、データの格納を可能とするのであるが、電荷トラップ領域の数は有限であることからしきい値電圧の変化もある程度有限の範囲内になることから、メモリセルへの書き込み/消去では電荷蓄積層へ電子を注入し又はホットホール書き込みを行う高電圧をメモリセルに印可し、所定時間高電圧を印可することで書き込み/消去は終了する。EEPROMにおける書き換え動作については特許文献1に記載されている。
【0004】
フラッシュメモリは、導体性のフローティングゲートを電荷蓄積層として有し、フローティングゲートに電荷を注入し又は引き抜くことで電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、データを書き換えるために書き込み/消去を行う。フラッシュメモリではフローティングゲートが導体性であることから、メモリセルのしきい値電圧はEEPROMと比べて広く変化する。このフラッシュメモリの書き込み/消去の手順を以下に示す。
【0005】
まず、書き込み/消去動作を起こす高電圧を所定の時間、メモリアレイなどに印加する。次に、ベリファイを行い、書き込み/消去レベルが所定の値に達していたら書き込み/消去を終了する。
【0006】
書き込み/消去レベルが所定の値に達していなかったら、再び書き込み/消去動作を起こす高電圧を所定の時間印加、ベリファイし、所定の書き込み/消去レベルに達するまでその動作を繰り返す。このように、ベリファイは書き込み/消去のレベルを所定の値にするために実施される。
【0007】
このベリファイにおいては、たとえば、メモリセルのドレイン電圧を約1V程度にした時のドレイン電流が約1μA程度流れる場合のコントロールゲート(以下、メモリゲートという)に印加される電圧をしきい値電圧とし、ベリファイは、前記しきい値電圧を検出することにより行うものがある(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、しきい値電圧検出のベリファイで書き込み/消去のレベルを制御する。
【0008】
図17は、本発明者が検討したフラッシュメモリにおけるベリファイの概念を表すメモリ電流特性図である。この図17においては、縦軸がメモリ電流、横軸がメモリゲート電圧をそれぞれ示しており、メモリセルのI(電流)−V(電圧)特性を示している。
【0009】
図中のI−V特性は、フラッシュメモリセルのしきい値電圧が「low level」と「high level」との2種類であり、さらに初期状態とデータ書き換え後(たとえば、1万回程度)との場合をそれぞれ示している。
【0010】
図より、読み出し時のメモリゲート電圧は電圧Vrであり、読み出し可能なメモリ電流はlow level時で電流Irl以上、high level時が電流Irl以下である。
【0011】
フラッシュメモリのベリファイ動作は、しきい値電圧管理であるために、メモリゲート電圧はlow level時には、メモリゲート電圧Vvl、highlevel時にはメモリゲート電圧Vvh、ベリファイ判定電流は、low level時、high level時ともに電流Ivである。すなわち、ベリファイ判定電流と読み出しに必要なメモリ電流とは異なることになる。
【0012】
また、書き込み、および消去時と読み出し時とで温度が異なる場合、しきい値電圧分布が変化することによる誤読み出しを防止するためにベリファイ時のメモリゲート電圧に温度依存を行うものがある(たとえば、特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開昭62−99996号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平8−339693号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような半導体集積回路装置によるベリファイ技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0016】
すなわち、図17に示すデータの書き換え後のメモリセルのように、I−V特性が劣化(メモリの飽和電流の減少、しきい値電圧の上昇)した場合、データの読み出し時、low levelではメモリ電流が電流Irl以下となり、high levelでは電流Irh以上となるので、読み出しができないことになる。
【0017】
すなわち、データ書き換えによってメモリセル特性が劣化する場合、しきい値電圧を検出して行うベリファイでは、しきい値電圧は所定の値に達しているが、読み出しに必要なメモリ電流を必ずしも確保することができないことになり、誤読み出しなどが生じる恐れがある。
【0018】
本発明の目的は、不揮発性メモリセルの書き換え耐性の向上、およびデータ読み出しの信頼性を大幅に向上することのできる不揮発性半導体記憶装置および半導体集積回路装置を提供することにある。
【0019】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)本発明の不揮発性半導体記憶装置は、ベリファイ時に、不揮発性メモリセルのしきい値電圧を判定する2つの電流レベルの判定電流を生成するセンスアンプ部を備えたものである。
【0021】
また、本願のその他の発明の概要を簡単に示す。
【0022】
センスアンプ部が生成する一方のレベルの判定電流は、読み出し動作時電流が流れたと判定できる前記不揮発性メモリにおけるメモリ電流と同じ程度であり、センスアンプ部が生成する他方のレベルの判定電流は、読み出し動作時電流が流れないと判定できる不揮発性メモリにおけるメモリ電流と同じ程度である。
【0023】
不揮発性半導体記憶装置は、温度に依存して前記2つのレベルの判定電流をそれぞれ変化させる温度補償回路、あるいはベリファイ時に、不揮発性メモリセルのメモリゲート電圧を温度に依存して変化させるベリファイ用電源発生回路を備えたものである。
(2)不揮発性記憶部と、中央処理装置とを有し、該中央処理装置は、所定の処理を実行し、不揮発性記憶部に動作指示を行うことが可能であり、不揮発性記憶部は、情報を格納する複数の不揮発性メモリセルを有する半導体集積回路装置であって、該不揮発性記憶部に、ベリファイ時に前記不揮発性メモリセルのしきい値電圧を判定する2つのレベルの判定電流を生成するセンスアンプ部を備えたものである。
(3)絶縁領域中に局所的な電荷トラップ領域を複数有する窒化膜を電荷蓄積層として有し、データを書き換えるために書き込み/消去が可能な不揮発性メモリにおいて、書き込み動作時にしきい値電圧を検出するベリファイ動作を行うものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態によるフラッシュメモリのブロック図、図2は、図1のフラッシュメモリに設けられたベリファイセンスアンプ回路の回路図、図3は、ベリファイの概念を表すメモリセルの電流特性図、図4は、図3のベリファイ時における問題点を示したメモリセルの電流特性図、図5は、ベリファイの判定電流に温度勾配を設けた場合のメモリセルの電流特性図、図6は、ベリファイの判定電流に温度勾配を設けた場合の他の例を示したメモリセルの電流特性図、図7は、ベリファイ時のメモリゲート電圧に温度勾配を設けた際のメモリセルの電流特性図、図8は、ベリファイ時のメモリゲート電圧に温度勾配を設けた際の他の例を示したメモリセルの電流特性図、図9は、図1のフラッシュメモリに設けられたメモリセルにおける書き込み、消去動作の説明図、図10は、図1のフラッシュメモリに設けられたベリファイセンスアンプ回路(センスアンプ部)の他の構成例を示した回路図、図11は、判定電流に温度勾配を設けるための一例を示した説明図、図12は、図11の温度補償回路の回路構成の一例を示した回路図、図13は、メモリゲート電圧に温度勾配を設ける電圧発生回路の回路構成の一例を示す回路図、図14は、本発明の一実施の形態によるフラッシュメモリ内蔵シングルチップのマイクロコンピュータのブロック図、図15は、本発明の一実施の形態によるメモリセルの他の構成例を示す説明図、図16は、図15のメモリセルにおける書き込み、消去動作の説明図である。
【0026】
本実施の形態において、フラッシュメモリ(不揮発性半導体記憶装置)1は、図1に示すように、制御回路2、入出力回路3、アドレスバッファ4、行デコーダ5、列デコーダ6、ベリファイセンスアンプ回路7、高速リードセンスアンプ回路8、書き込みラッチ9、フラッシュメモリアレイ10、および電源回路11などから構成されている。
【0027】
制御回路2は、接続先のマイクロコンピュータなどホストから入力される制御用信号を一時的に格納し、動作ロジックの制御を行う。入出力回路3には、フラッシュメモリアレイ10を読み出したデータ、プログラムデータなどの各種信号が入出力される。アドレスバッファ4は、外部から入力されたアドレスを一時的に格納する。
【0028】
アドレスバッファ4には、行デコーダ5、ならびに列デコーダ6がそれぞれ接続されている。行デコーダ5は、アドレスバッファ4から出力されたカラム(行)アドレスに基づいてデコードを行い、列デコーダ6は、該アドレスバッファ4から出力されたロウ(列)アドレスに基づいてデコードを行う。
【0029】
ベリファイセンスアンプ回路7は、消去/書き込みベリファイ用のセンスアンプであり、高速リードセンスアンプ回路8は、データリード時に用いられるリード用センスアンプである。書き込みラッチ9は、入出力回路3を介して入力された書き込みデータをラッチする。
【0030】
フラッシュメモリアレイ10は、記憶の最小単位であるメモリセルが規則正しくアレイ状に並べられている。このフラッシュメモリアレイ10に設けられたメモリセルは、電気的にデータの書き換えが可能であり、データの保存に電源が不要となっている。
【0031】
電源回路11は、データ書き込みや消去、ベリファイ時などに用いられる様々な電圧を生成する電圧発生回路などから構成される。
【0032】
また、ベリファイセンスアンプ回路7の回路構成について、図2を用いて説明する。
【0033】
ベリファイセンスアンプ回路7は、アンプ12、比較器13、およびトランジスタM1〜M3などから構成されている。トランジスタM1はNチャネルMOSであり、トランジスタM2,M3はPチャネルMOSからなる。
【0034】
トランジスタM2のゲートには、アンプ12の出力部とトランジスタM3のゲート、ドレインには、正側入力端子(+)、およびトランジスタM1の一方の接続部がそれぞれ接続されている。
【0035】
また、アンプ12、比較器13の負側入力端子(−)には、ある基準電圧である入力電圧vinがそれぞれ入力されるように接続されており、トランジスタM1のゲートには電源回路11が生成したゲート電圧vgiが入力されるように接続されている。
【0036】
トランジスタM1は電流源となるMOSトランジスタであり、アンプ12は、図中のノードN1の電位を入力電圧Vinと等しくするようにトランジスタM2のゲート、すなわち図中のノードN2の電位を制御する。
【0037】
また、トランジスタM3の一方の接続部には電源電圧が接続されており、該トランジスタM3の他方の接続部には、比較器13の正側入力端子が接続されており、さらに、ビット線yd<m>を介してフラッシュメモリアレイ10に設けられたメモリセル(不揮発性メモリセル)Sが接続されている。そして、比較器13の出力部からは、比較結果の信号outv<m>が出力される。
【0038】
このように、カレントミラー回路を構成するトランジスタM1,M3に流れる電流とメモリセルSに流れる電流とを比較器13によって比較することにより、メモリセルSのベリファイを行う。
【0039】
なお、前記に説明したベリファイセンスアンプ部7は、ベリファイ使用に限定されるものでなく、読み出しに使用してもよい。その場合、高速リードセンスアンプ8はフラッシュメモリ1になくてもよい。
【0040】
次に、本実施の形態におけるフラッシュメモリ1の作用について説明する。
【0041】
まず、フラッシュメモリ1における書き込み、消去、読み出し動作について、図1を用いて説明する。
【0042】
始めに書き込み動作について以下に説明する。
【0043】
アドレスがアドレスバッファ4に入力されると、行デコーダ5、および列デコーダ6がフラッシュメモリアレイ10の中から少なくとも1つのメモリセルSを選択する。
【0044】
そして、入出力回路3にデータが入力されると、そのデータは書き込みラッチ9に格納され書き込むべきメモリセルSに接続される。その後、電源回路11が生成した高電圧の書き込みパルスを選択したメモリセルSに印加することによって該メモリセルSの電流を小さくする。
【0045】
また、消去動作においては、アドレスがアドレスバッファ4に入力されると、行デコーダ5、ならびに列デコーダ6がフラッシュメモリアレイ10の中から複数のメモリセルSを選択する。その後、電源回路11が生成した消去パルスを選択したメモリセルSに印加することによって該メモリセルSの電流を大きくする。
【0046】
さらに、読み出し動作では、アドレスがアドレスバッファ4に入力されると、行デコーダ5、および列デコーダ6がフラッシュメモリアレイ10の中から少なくとも1つのメモリセルSを選択する。
【0047】
選択されたメモリセルSの電流値の大小をベリファイセンスアンプ回路7、ならびに高速リードセンスアンプ回路8によって検出し、その結果を入出力回路3を介して出力する。
【0048】
ここで、本発明におけるベリファイの概念を表すメモリセルの電流特性について、図3〜図8を用いて説明する。
【0049】
図3〜図8においては、たとえば、しきい値電圧がlow levelの場合は消去動作時、しきい値電圧がhigh levelの場合はデータ書き込み時とするが、これらは特に制限はされず、その逆であってもよい。
【0050】
図3においては、縦軸がメモリ電流、横軸がメモリゲート電圧であり、メモリセルSのI−V特性を示している。図中の左側のカーブはメモリセルSのしきい値電圧がlow levelのI−V特性であり、右側のカーブはメモリセルSのしきい値電圧がhigh levelのI−V特性である。また、各々のしきい値電圧において、初期状態と書き換え後(たとえば1万回程度)とのメモリセルSのI−V特性をそれぞれ示している。
【0051】
さらに、メモリゲート電圧は、読み出し時ではメモリゲート電圧Vr、しきい値電圧がlow levelにおけるベリファイ時はメモリゲート電圧Vvl、しきい値電圧がhigh levelにおけるベリファイ時ではメモリゲート電圧Vvhとしてそれぞれ示している。
【0052】
また、読み出しに必要なメモリ電流は、しきい値電圧がlow levelではメモリ電流Irlであり、しきい値電圧がhigh levelの場合メモリ電流Irhとして示す。
【0053】
ベリファイの判定電流は、しきい値電圧がlow levelの場合、判定電流Ivlであり、しきい値電圧がhigh levelでは判定電流Ivhとしてそれぞれ示す。
【0054】
本発明は、ベリファイの判定電流を読み出しに必要なメモリ電流Irl,Irhと同じ程度にするものである(判定電流Ivl≒メモリ電流Irl、判定電流Ivh≒メモリ電流Irh。ただし、メモリ電流Irl≦判定電流Ivl、メモリ電流Irh≧判定電流Ivh)。
【0055】
すなわち、しきい値電圧がlow level時には判定電流Ivlにして読み出し時のメモリ電流Irlを確保する。しきい値電圧がhigh level時には判定電流Ivhにして読み出し時のメモリ電流Irhを確保する。
【0056】
また、読み出し時のメモリゲート電圧Vrとベリファイ時のメモリゲート電圧Vvl,Vvhの関係は、読み出しの信頼性を確保するため、メモリゲート電圧Vvl≦メモリゲート電圧Vr≦メモリゲート電圧Vvhに設定する。
【0057】
ここで、本発明者が検討したベリファイの判定電流を読み出しに必要なメモリ電流Irl,Irhと同じ程度にするベリファイ方式を採用した際に起こりうる問題点を図4に示す。
【0058】
図4においては、縦軸がメモリ電流、横軸がメモリゲート電圧であり、メモリセルのI−V特性を示した図である。図中の左側のカーブは、メモリセルのしきい値電圧がlow levelの場合のI−V特性であり、右側のカーブは、メモリセルのしきい値電圧がhigh levelの場合のI−V特性である。さらに、左右のカーブにおいては、温度Ta、および温度TbでのI−V特性をそれぞれ示している。ここで、温度Ta<温度Tbとする。
【0059】
図4において、たとえば、温度Taでベリファイを行い、温度Tbで読み出しする場合(ただし、読み出しのメモリゲート電圧は全温度でメモリゲート電圧Vrを使用するものとする)、しきい値電圧がlow level時、メモリゲート電圧Vvlでベリファイを行うと、温度Tbでの読み出し時ではメモリ電流Irl以下となるために読み出しが不可能となる。
【0060】
そこで、図4に示した問題点をベリファイの判定電流に温度勾配を設けることにより解決する技術について、図5を用いて説明する。
【0061】
この図5においても、縦軸はメモリ電流、横軸はメモリゲート電圧であり、メモリセルのI−V特性を示した図である。図中の左側のカーブは、メモリセルのしきい値電圧がlow levelの場合のI−V特性であり、右側のカーブは、メモリセルのしきい値電圧がhigh levelの場合のI−V特性である。これら左右のカーブにおいては、温度Ta、および温度TbでのI−V特性をそれぞれ示している。
【0062】
図示するように、しきい値電圧がlow level時において、温度Taでは、判定電流を判定電流Ivltaにしてベリファイを実施し、温度Tbでは判定電流Ivltbによりベリファイを行う。
【0063】
しきい値電圧がhigh levelの場合、温度Taでは判定電流Ivhtaによりベリファイを行い、温度Tbでは判定電流Ivhtbによりベリファイを行う。
【0064】
図5では、ベリファイ時のメモリゲート電圧Vvl,Vvhを読み出し時のメモリゲート電圧Vrと同じにしたが、図3に示したようにベリファイ時のメモリゲート電圧Vvl,Vvhと読み出し時のメモリゲート電圧Vrとは異なっていてもよい。ただし、これら3つの電圧は、読み出しの信頼性を確保するため、メモリゲート電圧Vvl≦メモリゲート電圧Vr≦メモリゲート電圧Vrhに設定する。
【0065】
また、図6は、図5に示したベリファイの判定電流に温度勾配を設けることにより解決する技術において、メモリセルの温度によるI−V特性の他の例を示した図である。図6では、図5に示したI−V特性と異なり、該I−V特性が上方で交わっている。
【0066】
この場合、しきい値電圧がlow level時において、温度Taでは、判定電流Ivltaによりベリファイを実施し、温度Tbでは判定電流Ivltbによりベリファイを行うことになるが、図示するように判定電流Ivltbよりも判定電流Ivltbが大きい電流値となる。
【0067】
しきい値電圧がhigh levelの場合、温度Taでは判定電流Ivhtaによりベリファイを行い、温度Tbでは判定電流Ivhtbによりベリファイを行う。
【0068】
また、図7は、ベリファイ時のメモリゲート電圧に温度勾配を設けることにより、図4に示した問題点を解決する場合のメモリ電流特性を示す図である。
【0069】
この図7においても、縦軸はメモリ電流、横軸はメモリゲート電圧であり、図中の左側のカーブは、メモリセルのしきい値電圧がlow levelの場合のI−V特性であり、右側のカーブは、メモリセルのしきい値電圧がhigh levelの場合のI−V特性である。これら左右のカーブにおいては、温度Ta、および温度TbでのI−V特性をそれぞれ示している。
【0070】
この場合、しきい値電圧がlow level時の温度Taでは、メモリゲート電圧をメモリゲート電圧Vvltaにしてベリファイを行い、温度Tbではメモリゲート電圧をメモリゲート電圧Vvltbにしてベリファイを実施する。
【0071】
一方、しきい値電圧がhigh level時の温度Taでは、メモリゲート電圧をメモリゲート電圧Vvhtaにしてベリファイを行い、温度Tbではメモリゲート電圧をメモリゲート電圧Vvhtbにしてベリファイを実施する。
【0072】
また、図8は、図7に示したベリファイ時のメモリゲート電圧に温度勾配を設ける技術において、メモリセルの温度によるI−V特性の他の例を示した図である。この図8においても、図7に示したI−V特性と異なり、該I−V特性が上方で交わっている。
【0073】
しきい値電圧がlow level時の温度Taでは、メモリゲート電圧Vvltaによりベリファイを行い、温度Tbではメモリゲート電圧Vvltbによってベリファイを実施する。
【0074】
一方、しきい値電圧がhigh level時の温度Taでは、メモリゲート電圧Vvhtaによってベリファイを行い、温度Tbではメモリゲート電圧Vvhtbによりベリファイを実施する。
【0075】
この場合、図示するように、メモリゲート電圧Vvltaはメモリゲート電圧Vvltbより高い電圧となる。
【0076】
次に、上記したベリファイを行うベリファイセンスアンプ回路7の動作について説明する。
【0077】
まず、フラッシュメモリアレイ10のメモリセルSにおける書き込み、消去動作について説明する。
【0078】
メモリセルSは、たとえば、2層ポリシリコン構造の1トランジスタ方式のスタックゲート型からなる。メモリセルSは、図9に示すように、ソースSC、ドレインDからなる拡散層と、それらソースSC−ドレインD間の半導体基板W上にゲート酸化膜を介してフローティングゲートFG、およびメモリゲートMGがスタックド構造に構成されている。
【0079】
図9(a)は、メモリセルSにおける書き込み動作を示した図である。
【0080】
メモリゲートMGにたとえば約10V程度、ドレインDにたとえば約5V程度、ソースSC、ならびに半導体基板Wにたとえば、0V程度を印加すると、ドレインD−ソースSC間に電流が流れてホットエレクトロン注入が起こる。その結果、フローティングゲートFGに電荷が蓄積され、メモリセルSの電流が小さくなる。
【0081】
また、図9(b)は、メモリセルSの消去動作を示した図である。
【0082】
メモリゲートMGにたとえば約−10V程度、ソースSC、および半導体基板Wにたとえば約−10V程度を印加し、さらにドレインDをオープンにすると、フローティングゲートFGに蓄積された電子が半導体基板Wに放出され、メモリセルSの電流が大きくなる。
【0083】
図2のベリファイセンスアンプ回路7において、メモリセルSを読み出す場合、判定電流となるトランジスタM3を流れる電流とメモリセルSを流れる電流との大小関係でビット線yd<m>(図2)の電位が決定され、その電位を比較器13が検出し、その検出した信号outv<m>を出力することにより、メモリセルSの電流値が所望の値になっているかをベリファイする。
【0084】
比較器13から出力される信号outv<m>が、LoレベルからHiレベルに遷移する境界条件では、トランジスタM2とトランジスタM3とのゲート電圧がそれぞれ同じであるため、トランジスタM1に流れる電流=トランジスタM2に流れる電流=トランジスタM3に流れる電流=メモリセルSに流れる電流の関係が成り立つ。
【0085】
したがって、トランジスタM3の電流値は、トランジスタM1の電流値で決定される。よって、トランジスタM1のゲートに印加されるゲート電圧vgiを可変することにより、トランジスタM1に流れる電流値を、前述した判定電流Ivl,Ivhに設定することが可能になる。
【0086】
この電流源用トランジスタ(M1)に流れる電流値は、ゲート電圧vgiによって調整するのでなく、たとえば、2つの電流源用トランジスタを用意し、モードによってそれぞれを切り替えるように構成してもよい。これは判定電流が2つ以上ある場合でも同様である。
【0087】
さらに、図10は、ベリファイセンスアンプ回路7の他の構成例を示した回路図である。
【0088】
図10のベリファイセンスアンプ回路7は、図2に示す回路構成に対して、カレントミラー回路15,16、切り替え用のトランジスタM4、M5、およびトランジスタM6が新たに追加されている。
【0089】
カレントミラー回路15は、PチャネルMOSのトランジスタM11,M12、ならびにNチャネルMOSのトランジスタM10,M13,M14から構成されている。
【0090】
カレントミラー回路16は、PチャネルMOSのトランジスタM21,M22、およびNチャネルMOSのトランジスタM20,M23,M24から構成されている。
【0091】
そして、トランジスタM10,M20には、ゲート電圧vgiがそれぞれ印加されるように接続されている。トランジスタM10とトランジスタM20とは、トランジスタサイズのほぼ等しい電流源用のトランジスタであり、ゲート電圧Vgiに応じて基準電流が流れる。そして、この基準電流から、カレントミラーによりベリファイの判定電流Ivl,Ivhが生成される。
【0092】
すなわち、カレントミラー回路15,16の電流比(トランジスタM11とトランジスタM12とのトランジスタサイズ比、トランジスタM21とトランジスタM22とのトランジスタサイズ比)をカレントミラー回路15,16の出力電流(トランジスタM13,M1、およびトランジスタM23,M6に流れる電流値)が判定電流Ivl,Ivhになるように設定する。
【0093】
これら判定電流Ivl,Ivhは、たとえば、制御回路2(図1)から出力される制御信号sel0,sel1に基づいてトランジスタM4,M5によりそれぞれ切り替えられる。
【0094】
この構成にすることにより、2つの判定電流Ivl,Ivhではなく、1つの基準電流値を調整すればよいことになり、判定電流の調整時間を短縮することができる。
【0095】
また、ベリファイセンスアンプ回路の回路構成の一例について、図2、ならびに図10に示したが、該ベリファイセンスアンプ回路の回路構成はこれに限定されるものではない。
【0096】
図11は、判定電流に温度勾配を設けるための一例を示した図である。図示した温度補償回路20は、温度に依存した電圧を出力する回路である。この温度補償回路20は、たとえば、電源回路11(図1)に設けられており、ベリファイセンスアンプ回路7(図2、図10)に接続される。
【0097】
温度補償回路20の入力部に、ある基準電圧からなる電圧vgを入力すると、出力部から温度勾配のある電圧vgiが出力される。
【0098】
この温度補償回路20が生成した電圧vgiをベリファイセンスアンプ回路7に入力することにより、電流源用のトランジスタを流れる電流、すなわち、判定電流Ivlta,Ivltb,Ivhta,Ivhtbは温度に依存することになる。
【0099】
また、温度補償回路20は、ベリファイセンスアンプ回路7内に設けるようにしてもよい。
【0100】
図12は、図11の温度補償回路20の回路構成の一例を示した図である。
【0101】
温度補償回路20は、トランジスタM30〜M34から構成されている。トランジスタM30,M31、M34はNチャネルMOSからなり、トランジスタM32,M33はPチャネルMOSからなる。
【0102】
トランジスタM32,M33の一方の接続部には、電源電圧がそれぞれ接続されており、トランジスタM32の他方の接続部には、トランジスタM30の一方の接続部が接続されている。
【0103】
トランジスタM33の他方の接続部には、トランジスタM31の一方の接続部、およびゲートがそれぞれ接続されている。トランジスタM30,M31の他方の接続部には、トランジスタM34の一方の接続部が接続されており、該トランジスタM34の他方の接続部には基準電位が接続されいる。
【0104】
また、トランジスタM33のゲートには、トランジスタM32のゲート、ならびに他方の接続部が接続されている。そして、トランジスタM30のゲートには電圧Vgが入力されるように接続されており、トランジスタM31のゲートから、ゲート電圧Vgiが出力される。
【0105】
このような構成の温度補償回路20では、入力側のトランジスタM30と出力側のトランジスタM31とをサブスレッショルド領域でともに等しい電流が流れるように制御することにより、出力電位にα(ΔT)log(トランジスタM30のチャネル幅/トランジスタM31のチャネル幅)の温度勾配を持たせることができる。ただし、ΔT:依存性を持たせる温度範囲。
【0106】
図13は、ワード線x<n>に印加する電圧(メモリゲート電圧)に温度勾配を設ける電圧発生回路30の回路構成の一例を示す図である。メモリゲート電圧に温度勾配を設ける電圧発生回路30は、たとえば、電源回路11(図1)に設けられており、出力電圧voutを出力する。
【0107】
あるワード線x<n>は、アドレスに従って行デコーダ5(図1)により選択される。図13における選択状態は、該行デコーダ5のドライバdrvを構成するCMOSインバータ構成のPチャネルMOSトランジスタが導通した状態であり、そのときのワード線x<n>の電圧値は該ドライバdrvの電源、すなわち出力電圧voutである。
【0108】
電圧発生回路30は、チャージポンプ31、、温度補償回路33、比較器34、およびラダー抵抗35などから構成されている。
【0109】
温度補償回路33の入力部には電源回路11が生成した基準電圧vref1が入力されるように接続されており、該温度補償回路33の出力部には比較器34の負側入力端子に接続されている。
【0110】
比較器34の出力部にはチャージポンプ31の入力部が接続されており、該チャージポンプ31の出力部と基準電位との間にはラダー抵抗35が接続されている。ラダー抵抗35の分圧電圧の出力部である中間タップには比較器34の正側入力端子が接続されている。
【0111】
また、チャージポンプ31の出力部には、切り替え回路32が接続されている。この切り替え回路32は、制御回路2(図1)から出力される制御信号に基づいて、電圧発生回路30、あるいは電圧発生回路40などの複数の電圧発生回路から出力される電圧の出力切り替えを行う。
【0112】
電圧発生回路40などは、たとえば、データ書き込み時の電圧、データ消去時の電圧などを生成し、内部の回路構成の一例は、チャージポンプ41、温度補償回路43、比較器44、およびラダー抵抗45などから構成されており、電圧発生回路30と同じであるので説明を省略する。さらに、電圧発生回路40においては、温度補償回路43を省略してもよい。また、電圧発生回路30、電圧発生回路40はチャージポンプに限定されるものではなく、降圧電源回路などの電圧を発生する回路であればよい。
【0113】
電圧発生回路30において、チャージポンプ31により昇圧された電圧は、ラダー抵抗35によって分圧されて、比較器34の正側入力端子に入力される。一方、基準電圧vref1は、温度補償回路33によって温度勾配のある基準電圧に変換され、比較器34の負側入力端子に入力される。ここで、温度補償回路33は、たとえば、図12に示す温度補償回路20と同じ回路構成である。
【0114】
比較器34は、ラダー抵抗35が分圧した電圧と温度補償回路33から出力された温度勾配のある基準電圧とを比較し、その比較結果に応じてチャージポンプ31をON/OFF制御することにより、出力電圧voutを生成する。これにより、チャージポンプ31の出力電圧voutに温度勾配を設けることができる。
【0115】
また、メモリゲート電圧に温度勾配を設ける電圧発生回路は、これに限定されるものではなく、たとえば、電圧発生回路30をドライバdrvのPチャネルMOSトランジスタに接続したり、あるいは2つの電圧発生回路30を設け、ドライバdrvのPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとにそれぞれ接続するようにしてもよい。
【0116】
図14は、本発明にかかる半導体集積回路装置の一例であるフラッシュメモリ内蔵シングルチップのマイクロコンピュータ(半導体集積回路装置)MCのブロック図である。
【0117】
このマイクロコンピュータMCは、前記したフラッシュメモリ1(図1)と同じ構成からなるフラッシュメモリ(不揮発性記憶部)1aをオンチップで備えたシステムLSIであり、その他にCPU(中央情報処理装置)50、CPG51、DMAC52、タイマ53、SCI54、ROM55、BSC56、RAM57、入出力ポートIOP1〜IOP9などから構成されている。
【0118】
CPU(Central Processing Unit)は、ROM55に格納されたプログラムなどに基づいてマイクロコンピュータMCのすべての制御を司る。
【0119】
ROM(Read Only Memory)55は、CPU50が実行すべきプログラムや固定データなどを記憶する。RAM(Random Access Memory)57は、CPU50による演算結果を記憶したり、該CPU50の作業領域を提供する。
【0120】
DMAC(Direct Memory Access Controler)52は、ROM56、ならびにRAM57と外部接続された主メモリとの間のデータを所定のブロック単位で転送する制御を司る。
【0121】
SCI(Serial Communication Interface)54は、外部装置との間でシリアル通信を行う。タイマ53は、設定された時間をカウントし、設定時間に達したらフラグをセットしたり、割り込み要求を発生する。
【0122】
CPG(Clock Pulse Generator)51は、ある周波数のクロック信号を生成し、動作クロックとしてシステムクロックを供給する。入出力ポートIOP1〜IOP9は、マクロコンピュータを外部接続する際の入出力端子である。
【0123】
また、マイクロコンピュータMCは、CPU50、フラッシュメモリ1、ROM55、RAM57、DMAC52、および一部の入出力ポートIOP1〜IOP5がメインアドレスバスIAB、メインデータバスIDBによってそれぞれ相互に接続されている。
【0124】
さらに、タイマ53やSCI54などの周辺回路と入出力ポートIOP1〜IOP9とは、周辺アドレスバスPAB、ならびに周辺データバスPDBとによって相互に接続されている。
【0125】
BSC56は、上記したメインアドレスバスIAB、およびメインデータバスIDBと周辺アドレスバスPAB、ならびに周辺データバスPDBとの間で信号の転送を制御するとともに、各々のバスの状態を制御する。
【0126】
また、本実施の形態においては、メモリセルS(図9)がスタックゲート型からなる場合について記載したが、メモリセルはそれに限定されるものではなく、たとえば、図15に示すようなEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などに用いられるメモリセル(不揮発性メモリセル)S1などであってもよい。
【0127】
このメモリセルS1は、図示するように、選択MOSトランジスタと電荷蓄積MOSトランジスタとの2つのトランジスタで1つのメモリセルを構成する構造からなる。
【0128】
メモリセルS1にはビット線yd<m>が接続されており、該メモリセルS1の一方のゲート(コントロールゲート)にはワード線xc<n>が接続されており、他方のゲート(メモリゲート)にはワード線x<n>が接続されている。
【0129】
そして、メモリセルS1において、コントロールゲートにはワード線xc<n>を介してコントロールゲート電圧が印加され、メモリゲートにはワード線x<n>を介してメモリゲート電圧が印加される。
【0130】
メモリセルS1は、図16に示すように、ソースSC、ドレインDからなる拡散層が形成されている。これらソースSC−ドレインD間の半導体基板W上にはゲート酸化膜を介して、電荷蓄積層DC、およびメモリゲートMGがスタックド構造によって形成されており、そのとなり側にはコントロールゲートCGが形成された2トランジスタ構成になっている。
【0131】
図16(a)は、メモリセルS1における書き込み動作を示した図である。
【0132】
このメモリセルS1は、絶縁領域中に局所的な電荷トラップ領域を複数有する窒化膜を電荷蓄積層DCとしている。
【0133】
メモリゲートMGに、たとえば、8V程度、コントロールゲートCGに約1.5V程度、ソースSCに約5V程度、ドレインDに約0V程度、半導体基板Wに約0V程度を印加すると、ドレインD−ソースSC間に電流が流れ発生したホットエレクトロンが、ソースサイドインジェクションにより、電荷蓄積層DCに電子が蓄積されて、メモリセルS1の電流が小さくなる。
【0134】
また、図16(b)は、メモリセルS1の消去動作を示した図である。
【0135】
メモリゲートMGに、たとえば、約10V程度、コントロールゲートCGにたとえば、1.5V程度、ソースSC、ドレインD、および半導体基板Wに、たとえば約0V程度を印加すると、電荷蓄積層DCに蓄積された電子がメモリゲートMGに放出され、メモリセルS1の電流が大きくなる。
【0136】
このメモリセルS1においても、温度勾配を設けたベリファイ時のメモリゲート電圧は、メモリゲートMGに印加される。この温度勾配を設けたメモリゲート電圧の印加は、特に限定されることはなく、該メモリゲート電圧をコントロールゲートCGに印加するようにしてもよい。
【0137】
それにより、本実施の形態によれば、フラッシュメモリ1のデータ読み出し時において、読み出しに必要なメモリ電流をベリファイ動作において確保することにより、データ書き換えにより劣化したメモリセルSであってもデータ読み出しの信頼性を向上させることができる。
【0138】
さらには絶縁領域中に局所的な電荷トラップ領域を複数有する窒化膜を電荷蓄積層として有するメモリセルにおいても、書き込み動作/消去動作のそれぞれにおいてベリファイ動作を行うことにより、しきい値電圧の変化が完了したか否かを把握することが可能となり、メモリセルのしきい値電圧の変化が完了したにもかかわらず書き込み電圧/消去電圧を印可され続けることが無くなり、メモリセルへの書き込み動作/消去動作を高速化することができ、メモリセルの電荷蓄積領域に電圧が印可され続けることによるストレスを低減でき、また消費電力を低減させることができる。
【0139】
また複数のメモリセルに対して並列に書き込み動作/消去動作を行う場合、ベリファイ動作を行うことにより、しきい値電圧の変化が完了したメモリセルに対してはソース・ドレイン間の電位差を小さくし、メモリセル電流を流さないようにすることで、消費電力を低減させることができる。
【0140】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0141】
たとえば、前記実施の形態では、フラッシュメモリのメモリセルが、1トランジスタ、および2トランジスタによってメモリセルを構成するスタックゲート型の場合について記載したが、該メモリセルの構成はこれに限定されるものではなく、不揮発性メモリであればどのような構成であってもよい。
【0142】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0143】
(1)読み出し可能なメモリ電流をベリファイ動作において確保することにより、データ読み出しの信頼性を向上させることができるとともに、データの書き換え回数を大幅に向上することができる。
【0144】
(2)また、上記(1)により、不揮発性半導体記憶装置、ならびにそれを用いた半導体集積回路装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるフラッシュメモリのブロック図である。
【図2】図1のフラッシュメモリに設けられたベリファイセンスアンプ回路の回路図である。
【図3】ベリファイの概念を表すメモリセルの電流特性図である。
【図4】図3のベリファイ時における問題点を示したメモリセルの電流特性図である。
【図5】ベリファイの判定電流に温度勾配を設けた場合のメモリセルの電流特性図である。
【図6】ベリファイの判定電流に温度勾配を設けた場合の他の例を示したメモリセルの電流特性図である。
【図7】ベリファイ時のメモリゲート電圧に温度勾配を設けた際のメモリセルの電流特性図である。
【図8】ベリファイ時のメモリゲート電圧に温度勾配を設けた際の他の例を示したメモリセルの電流特性図である。
【図9】図1のフラッシュメモリに設けられたメモリセルにおける書き込み、消去動作の説明図である。
【図10】図1のフラッシュメモリに設けられたベリファイセンスアンプ回路の他の構成例を示した回路図である。
【図11】判定電流に温度勾配を設けるための一例を示した説明図である。
【図12】図11の温度補償回路の回路構成の一例を示した回路図である。
【図13】メモリゲート電圧に温度勾配を設ける電圧発生回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図14】本発明の一実施の形態によるフラッシュメモリ内蔵シングルチップのマイクロコンピュータのブロック図である。
【図15】本発明の一実施の形態によるメモリセルの他の構成例を示す説明図である。
【図16】図15のメモリセルにおける書き込み、消去動作の説明図である。
【図17】本発明者が検討したフラッシュメモリにおけるベリファイの概念を表すメモリ電流特性図である。
【符号の説明】
1 フラッシュメモリ(不揮発性半導体記憶装置)
1a フラッシュメモリ(不揮発性記憶部)
2 制御回路
3 入出力回路
4 アドレスバッファ
5 行デコーダ
6 列デコーダ
7 ベリファイセンスアンプ回路
8 高速リードセンスアンプ回路
9 書き込みラッチ
10 フラッシュメモリアレイ
11 電源回路
12 アンプ
13 比較器
15,16 カレントミラー回路
20 温度補償回路
30 電圧発生回路
31 チャージポンプ
32 切り替え回路
33 温度補償回路
34 比較器
35 ラダー抵抗
40 電圧発生回路
41 チャージポンプ
43 温度補償回路
44 比較器
45 ラダー抵抗
M1〜M3 トランジスタ
S,S1 メモリセル(不揮発性メモリセル)
Vr メモリゲート電圧
Vvl メモリゲート電圧
Vvh メモリゲート電圧
Irl メモリ電流
Irh メモリ電流
Iv 判定電流
Ivl 判定電流
Ivh 判定電流
Ivlta 判定電流
Ivltb 判定電流
Ivhta 判定電流
Ivhtb 判定電流
Vvlta メモリゲート電圧
Vvltb メモリゲート電圧
Vvhta メモリゲート電圧
Vvhtb メモリゲート電圧
SC ソース
D ドレイン
DC 電荷蓄積層
W 半導体基板
MG メモリゲート
FG フローティングゲート
CG コントロールゲート
Ta,Tb 温度
N1,N2 ノード
vg,vgi 電圧
vin 入力電圧
sel0,sel1 制御信号
vref1,vref2 基準電圧
yd<m> ビット線
X<n>,xc<n> ワード線
drv ドライバ
vout 出力電圧
M4〜M6 トランジスタ
M10〜M14 トランジスタ
M20〜M24 トランジスタ
M30〜M34 トランジスタ
MC マイクロコンピュータ(半導体集積回路装置)
50 CPU(中央情報処理装置)
51 CPG
52 DMAC
53 タイマ
54 SCI
55 ROM
56 BSC
57 RAM
IOP1〜IOP9 入出力ポート
IAB メインアドレスバス
IDB メインデータバス
PAB 周辺アドレスバス
PDB 周辺データバス
CK クロックライン

Claims (6)

  1. ベリファイ時に、不揮発性メモリセルのしきい値電圧を判定する判定電流を生成するセンスアンプ部を備え、
    前記センスアンプ部が生成する判定電流は、第1電流と、第2電流との2つの電流レベルからなり、
    前記第1電流の電流レベルは、
    読み出し動作時電流が流れたと判定できる前記不揮発性メモリセルにおけるメモリ電流の下限と同じ程度であり、
    前記第2電流の電流レベルは、
    読み出し動作時電流が流れないと判定できる前記不揮発性メモリセルにおけるメモリ電流の上限と同じ程度であり、
    前記ベリファイ時において、前記読み出し電圧より低い第1ベリファイ電圧を前記不揮発性メモリセルに印加し、前記センスアンプ部は前記不揮発性メモリセルに流れる電流が前記第1電流と同じ程度の電流レベルであるかを判定し、または前記読み出し電圧より高い第2ベリファイ電圧を前記不揮発性メモリセルに印加し、前記センスアンプ部は前記不揮発性メモリセルに流れる電流が前記第2電流と同じ程度の電流レベルであるかを判定することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
    前記センスアンプ部に、温度に依存して前記2つのレベルの判定電流をそれぞれ変化させる温度補償回路を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、ベリファイ時に、前記不揮発性メモリセルのメモリゲート電圧を温度に依存して変化させるベリファイ用電源発生回路を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  4. 不揮発性記憶部と、中央処理装置とを有し、前記中央処理装置は、所定の処理を実行し、前記不揮発性記憶部に動作指示を行うことが可能であり、前記不揮発性記憶部は、情報を格納する複数の不揮発性メモリセルを有する半導体集積回路装置であって、
    前記不揮発性記憶部に、ベリファイ時に前記不揮発性メモリセルのしきい値電圧を判定する2つのレベルの判定電流を生成するセンスアンプ部を備え、
    前記センスアンプ部の生成する第1の判定電流レベルは、第1電流レベルと、第2電流レベルとであり、
    前記第1電流レベルは、
    読み出し動作時電流が流れないと判定できる前記不揮発性メモリセルにおけるメモリ電流の上限と同じ程度であり、
    前記第2電流レベルは、
    読み出し動作時電流が流れたと判定できる前記不揮発性メモリセルにおけるメモリ電流の下限と同じ程度であり、
    前記ベリファイ時において、前記読み出し電圧よりも高い第1ベリファイ電圧を前記不揮発性メモリセルに印加し、前記センスアンプ部は前記不揮発性メモリセルに流れる電流が前記第1電流レベルと同じ程度であるかを判定し、または前記読み出し電圧よりも低い第2ベリファイ電圧を前記不揮発性メモリセルに印加し、前記センスアンプ部は前記不揮発性メモリセルに流れる電流が前記第2電流レベルと同じ程度であるかを判定することを特徴とする半導体集積回路装置。
  5. 請求項記載の半導体集積回路装置において、前記センスアンプ部に、温度に依存して前記2つのレベルの判定電流をそれぞれ変化させる温度補償回路を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 請求項または記載の半導体集積回路装置において、前記不揮発性記憶部は、ベリファイ時に、前記不揮発性メモリセルのメモリゲート電圧を温度に依存して変化させるベリファイ用電源発生回路を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
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