JP4371860B2 - フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミド系前駆体樹脂を導体上に直接塗布し乾燥して加熱硬化することにより、接着性、耐熱性、寸法安定性に優れたカールやシワがなく外観品質に優れたフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法に関する。
従来、フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法としては(1)ポリイミドフイルムと金属箔とを接着層を介して積層する方法(2)金属箔上にポリイミド前駆体樹脂溶液を直接塗布して乾燥した後、イミド化してポリイミド層を金属箔上に形成する方法(例えば特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、上記(1)の方法では、接着層の耐熱性が十分でなく、ポリイミドフイルム本来の耐熱性が生かされないばかりか、得られるフレキシブルプリント配線板の耐屈曲性に乏しく、カールや歪みを生ずるといった問題がある。また、上記(2)の方法は、接着剤を使用しないため高寸法安定性、耐熱性の向上等の利点を有するが、充分な特性を得るためには高温で長時間熱処理する必要があり、高価な設備を必要とし、生産性も低い。
このような問題を解決するために、塗賦、乾燥後、直径50〜100mmの円筒に金属箔面を内側に巻き付けて300℃から350℃まで段階的に昇温又は保持加熱して加熱硬化する方法(例えば特許文献2参照)が提案されているが、この方法では塗布面と塗布されてない金属の裏面部とが接触するため、昇温時にこの間で通気性が阻害されて癒着が発生し、加熱硬化が円滑に進まずに樹脂の諸特性が低下したり、金属箔の表面酸化等の劣化を促進する等の問題があった。
上記問題の解決策として、通気性を確保するために表面に凹凸を有するスペーサーと伴巻きする方法(例えば特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、この方法では、スペーサーの凹凸形状が金属箔の表面に転写され、擦れや凹み等の傷が発生し易い等の不良製品発生の原因となるという問題があった。
特開昭61−307789号公報 特公平7−53801号公報 特開平4−84488号公報
従って、本発明の目的は、ポリイミドフイルムと導体の高温接着強度に優れ、カールがなく、特に導体の表面に擦れや凹凸などの傷の発生もなく外観品質に優れたフレキシブルプリント配線板用基板を提供することにある。
そこで本発明者等は上記課題を解決するために、ポリイミド前駆体樹脂溶液を導体上に直接塗布し乾燥した後、特定の積層手段で3層伴巻きで巻きつけた多重層円筒体を均一に加熱硬化する方法を採用することにより外観品質に優れたフレキシブル配線用基板を生産性よく製造することができることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、導体の粗化面にポリイミド系前駆体樹脂溶液を直接塗布し乾燥処理した撓み性シート状基板と、平均表面粗さRaが0.5μm以上の二種のシート状材料とをそれぞれガイドロールを経由し、回転ロール上にて上記撓み性シート状基板の樹脂層側にステンレス製金網のシート状材料、導体側にRaが0.5〜5μmの芳香族ポアミド系の繊維からなる織布あるいは不織布のシート状材料の順に3層積層状態で接触させると共に、強制回転される円筒体の外表面に3層伴巻きで巻きつけて多重層円筒体とした後、該多重層円筒体を加熱硬化炉内に移動して静置しポリイミド系前駆体樹脂層を加熱硬化させることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法である。
上記本発明における回転ロールは、強制駆動させることなく、軸の両端を上部の固定した支点軸から懸垂して揺動自在に強制回転する円筒体に対して接触させて自由回転させることが望ましい。
また上記本発明におけるステンレス製金網のシート状材料が、透過精度200〜350メッシュのステンレス製金網である組合わせが望ましい。
さらにまた上記本発明における加熱硬化炉内は、不活性ガス雰囲気下或いは100Torr以下の減圧下で300〜360℃前後まで徐々にあるいは段階的に昇温させて行うことが望ましい。
さらに上記本発明における加熱硬化炉内に静置した多重層円筒体の導電性金属箔に通電して抵抗加熱で円筒体の内部全体を均一加熱すること、さらに加熱硬化後の多重層円筒体は冷却後に巻き戻して、シート状材料と保護材を分離することこと等が望ましい。
かかる本発明によれば、加熱硬化炉内に静置した多重層円筒体の熱硬化過程で、撓み性シート状基板の両面に介在させた二種の表面凹凸の粗面化したシート状材料がスペーサーとして揮発分を円滑に除去する通気作用を発揮し、同時に、樹脂層のシート状材料が熱膨張しても導体側に介在させた軟質のシート状材料が保護材と通気性を兼ねて擦れや凹凸などの傷の発生を防止することから、シート状材料2と3を巻戻して分離したロール状製品は、導体の表面に擦れや凹凸などの傷の発生やカール、シワがなく外観品質に優れ、接着性、耐熱性、寸法安定性にも優れたフレキシブルプリント配線板用基板が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、撓み性基板を製造するために用いられる導体としては、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属箔を使用できるが、好ましくは厚さ5〜150μmの銅箔である。またフレキシブルプリント配線板用基板を製造するために用いられるポリイミド系前駆体樹脂溶液としては、加熱硬化させることによりイミド結合を生ずるものであり、代表的にはポリアミック酸である。硬化後のカールを極力防止する上で、線膨張係数3×10-5(1/K)以下の低熱膨張性ポリイミド系樹脂が好ましく、より好ましくは硬化後の構造式が下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリアミドイミド樹脂、又は、下記一般式(2)で表される構成単位を含むポリイミド樹脂である。
Figure 0004371860
(但し、式中R1〜R8は水素、ハロゲン、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれたいずれかの基であり、そのうちR3〜R6の少なくとも1つは低級アルコキシ基であり、Arは
Figure 0004371860
又は
Figure 0004371860
のいずれかを示す)。
Figure 0004371860
(但し、式中R9〜R12は水素、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基及びニトリル基から選ばれたいずれかの基を示す)。
また、このポリイミド系前駆体樹脂中には、可撓性付与や流動性改質を目的として他の樹脂やフイラーあるいは消泡剤、レベリング剤のような添加剤を加えることもできる。
導体上へのポリイミド系前駆体樹脂を塗布する際には、液状樹脂又は樹脂溶液を任意の塗工機を用いて塗工することができるが、好ましくは、グラビアコーター、リバースロールコーター、バーリーバースロールコーター、バーコーター、ドクダーブレードコーター、ダイコーター及び多層ダイコーター等である。特に厚塗りを行う場合にはダイコーターやナイフコーターが適している。また、塗工に使用するポリイミド系前駆体溶液のポリマー濃度は、ポリマーの重合度にもよるが、通常5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。ポリマー濃度が5重量%より低いと一回のコーティングで充分な膜厚が得られず、また、30重量%より高くなると溶液粘度が高くなりすぎて塗工しずらくなる。更に、これらを用いてカール防止や諸特性向上を目的として、1種又は2種以上の樹脂溶液を2層以上塗布してもよい。
乾燥に用いる装置についても任意のものを用いることができる。好ましくは塗布された導体が、装置に接触しないフローティング形式のものを使用することが好ましい。フローティング形式とは、塗布された導体を熱風気流中で連続的に浮遊した状態で走行させつつ乾燥するものである。乾燥は通常150℃以下、好ましくは90〜130℃にて溶媒等の揮発分を乾燥除去するために行われるが、ポリイミド系前駆体溶液中の溶媒は、塗賦時の樹脂に使用された溶媒の少なくとも50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、まで乾燥して除去することが望ましい。溶媒が50重量%を超えて残留すると樹脂表面にタック性が残り、円筒状に巻回する際にスペーサーと樹脂との癒着などが生じ、加熱硬化後の樹脂特性が劣化する。
また、本発明で用いる撓み性基板の両面にスペーサーとして介在させる二種のシート状材料は、加熱硬化工程で塗布した樹脂層中の残留溶媒や昇温時に発生する反応水分、未反応モノマー或いは低分子量成分等の揮発成分の除去を円滑に行うために、少なくとも片面が表面粗Ra=0.5μm以上のもので、350℃における加熱収縮率が1%以下の熱安定性が高いものが好ましい。このようなシート状材料しては、例えば耐熱性に優れた芳香族ポアミド系の繊維からなる織布あるいは不織布があり、この場合の表面粗さRa0.5〜5μmの範囲である。Ra=0.5μmより小さいと揮発分の除去が充分に行えず、樹脂表面に曇りが発生したり、癒着したりして樹脂劣化の原因となる。また、Raが5μmを超えると樹脂面に部分的に繊維の付着が発生し、品質のばらつきの原因となる。
他の好ましいシート材料としては、透過精度200〜350メッシュの範囲のステンレス鋼金網が挙げられる。この場合、透過精度200メッシュより小さいと樹脂面上に金網の跡が転写され、膜厚の不均一化をもたらし、また350メッシュを超えると樹脂面との癒着が発生する。なお、200メッシュのステンレス鋼金網のRaは8.0μmであり、同じく350メッシュのRaは4.8μmに相当する。なお、二種のシート材料としては、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。しかし上記撓み性シート状基板の樹脂層側に接触させるシート状材料は、透過精度200〜350メッシュのステンレス製金網とし、導体側のシート状材料は芳香族ポアミド系の繊維からなる織布あるいは不織布である組合わせが好ましい。
上記ステンレス鋼金網等は硬質であり上記撓み性シート状基板の樹脂層側だけに使用すると、伴巻きの際や加熱硬化処理による膨張・収縮によって導体との摩擦が生じ導体表面に擦れや凹み等の傷が発生しやすいために好ましくない。そこで、本発明では導体側に軟質性の芳香族ポアミド系の繊維からなる織布あるいは不織布を用いることにより基板の導体側表面の傷の発生を防止するものである。すなわち、伴巻きに際して導体側がステンレス鋼金網等の硬質のシート状材料と直接接触しないように軟質のシート状材料を介在することで擦れや凹み等の傷の発生を防止する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に従って更に詳細に説明する。図1は、本発明の撓み性シート状基板1の両面にシート状材料2と3を積層して3層伴巻きからなる多重層円筒体を得るときの概略の製造フローである。図において1は導体の粗化面にポリイミド系前駆体樹脂溶液を直接塗布し連続的に乾燥処理した後で巻き取られた撓み性シート状基板である。2は平均表面粗さRaが0.5μm以上のシート状材料であり、好ましくはステンレス鋼金網等から選ばれる。3は平均表面粗さRaが0.5μm以上のシート状材料であって、好ましくは芳香族ポアミド系の繊維からなる織布あるいは不織布である。
これら3層はそれぞれしわやねじれが入らないようにテンションをかける為にガイドロールa,b,cを経由し、回転ロール4上にて上記撓み性シート状基板1の樹脂層側にシート状材料2、基板1の導体側にシート状保護材3の順に3層積層状態で接触させると共に、該回転ロール4に接触して強制回転されている円筒体5の外表面に3層伴巻きで巻き付ける。3層を伴巻きする際は、しわやねじれが入らないように巻くのが重要である。その為には、特に回転ロール4は強制駆動させる必要はなく、且つ中心軸の両端を、垂直位置から前方へ変位した上部に固定して設けた支点軸7から棒状体又は紐体8で懸垂して揺動自在に強制回転する円筒体5に対して押圧接触させて回転ロール4に従って自由回転させることが望ましい。
この場合円筒体5で3層を伴巻きすることで積層体6の直径が大きくなるが、それに伴って回転ロール4は支点軸7を中心に揺動して後退し、積層体の成長を阻害しないものである。またシート状材料2で樹脂層の塗布面をすべて覆う必要はなく、円筒体5の両端外周に近い部分は熱伝導性が比較的良好なため、シート状材料と伴巻きされていなくても差し支えない。
シート状材料2が内側に保護材3が外側になるように3層伴巻きで巻きつけて多重層円筒体6とした後、該多重層円筒体6を図示していない加熱硬化炉内に移動して静置しポリイミド系前駆体樹脂層を加熱硬化させる。なお3層伴巻きに際しては、上記に限定されず保護材3が内側にシート状材料2が外側になるように3層伴巻きで巻きつけて多重層円筒体6としてもよい。特に、昇温時のポリイミド樹脂層の残留応力を緩和するため、導体部分が内側を、樹脂面が外側を向くように伴巻きすることが好ましい。
加熱硬化炉内においては、乾燥後の多重層円筒体であることから、樹脂の硬化は不活性ガス雰囲気下或いは100Torr以下の減圧下で行うことが好ましく、連続的に5Torr以下の減圧下で行うのがより好ましい。これは塗布した樹脂中から発生する残留有機溶媒及びイミト化閉環反応中に発生する水分や未反応モノマー等を円滑に完全に除去するためである。特に水分が雰囲気中に残留すると樹脂の加水分解が起こり樹脂の重合度が低くなり、結果としてポリイミド層の物性の低下を招く恐れがある。また、同様にして酸素の存在下で加熱硬化を行うと導体の酸化が起こり品質の低下を招く原因となる。
加熱硬化工程における加熱炉内での昇温手段としては、大きく分けて脱気、脱溶媒を充分に行う段階と硬化反応を完了させる段階の2段階で行うのがよい。すなわち、先ず150℃前後、好ましくは有機溶媒の沸点付近まで徐々にあるいは段階的に昇温させ、樹脂中の残留溶媒を充分に揮発させた後、300〜360℃前後まで徐々にあるいは段階的に昇温させるようにするのが好ましい。より好ましくは、その昇温速度が0.75〜12℃/minの範囲で行うのがよい。昇温速度が12℃/minを超えると急激に脱溶媒されるため、樹脂中に発泡が起こることがあり好ましくない。また0.75℃/minより小さいと最高温度まで達するまでの時間が長くなり、樹脂が長時間高温に晒されることになり樹脂が劣化する原因となる。
なお、加熱硬化炉内に静置した多重層円筒体の導体に対して、電源からの配線を接続して通電することによって導体の抵抗加熱で多重層円筒体の内部全体を補助的に均一加熱することが望ましい。また、加熱硬化後室温まで冷却する際には、不活性ガス雰囲気下あるいは100Torr以下の真空下で行うのが好ましく、より好ましくは10Torr以下の真空下で冷却するのがよい。冷却手段としては、単に放置してもよいが、生産効率を考慮して冷却水を流す等の強制冷却手段を用いることが好ましい。
導電性金属箔に均一な厚みに塗工されたポリアミック酸溶液は、かかる熱処理によって溶剤が除去されさらにイミド閉環される。この場合、急激に高温で熱処理すると、樹脂表面にスキン層が生成して溶剤が蒸発しずらくなったり、発泡したりするので低温から徐々に高温まで上昇させながら熱処理していくのが望ましい。この際の最終的な熱処理温度としては、通常340〜400℃が好ましく、400℃以上ではポリイミドの熱分解が徐々に起こり始め、また、340℃以下ではポリイミド皮膜が導電性金属箔上に充分に配向せず、平面性の良い片面導体積層体が得られない。
このようにして形成された加熱硬化後の多重層円筒体は、冷却後に加熱硬化前と同様なロール巻返し機にて巻き戻して、シート状材料と保護材を分離したロール巻状態で製品化される。分離したシート状材料と保護材は、再度多重層円筒体のスペーサーと保護シートとして再使用される。絶縁体としてのポリイミド系樹脂層の全体の厚みは通常10〜150μmである。
以下、実施例に基づいて、本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、以下の実施例において、各物性値の測定方法は下記の通りとした。
(a)平均表面粗さは平均粗さ計上測定機(東京精密株式会社製、サーフコム110B)を用いて測定面を高精度の差動変圧器式ピックアップでトレースすることにより求めた。
(b)線膨張係数は、イミド化反応が十分終了した試料を用い、セイコー電子工業社製サーモメカニカルアナライザー(TMA100)を用いて、250℃に昇温後に10℃/分の速度で冷却し、240℃〜100℃の間における平均の線膨張係数を算出して求めた。
(c)接着力は、テンションテスターを用い、幅10mmの銅張品の樹脂側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅箔を180°の角度で5m/minの速度で剥離するときの強さから求めた。
(d)加熱収縮率は、幅10mm、長さ200mmの半導体をエッチングした後のフイルムを用い、250℃の熱風オーブン中で30分間熱処理しその前後の寸法変化率により求めた。
(e)エッチング後のフイルムのカールは、導体を塩化第二鉄水溶液で全面エッチングした後、縦10cm×横10cmの大きさのフイルムを100℃で10分間乾燥した後、発生したカールの屈曲半径を求めて数値化した。
(f)エッチング後のフイルムの強度及び弾性率はJIS Z−1702、ASTMD−882−67に準じて行った。
(g)はんだ耐熱試験は、硬化が十分に終了した後、試料を400℃のはんだ浴中に1分間浸漬し、その際のフクレ、はがれ等の異常の有無により判定した。
また、実施例及び比較例中では以下の略号を使用した。
PMDA:無水ピロメリット酸
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物
DDE:4,4−ジアミノジフェニルエーテル
MABA:2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリド
(合成例1)
ガラス製反応器に窒素を通じながらN,N−ジメチルアセトアミド2532gを仕込み、続いて攪拌下に0.5モルのDDEと0.5モルのMABAとを仕込み、その後完全に溶解させた。この溶液を10℃に冷却し、反応液が30℃以下の温度に保たれるように1モルのPMDAを少量ずつ添加し、添加終了後引き続いて室温で2時間攪拌を行い、重合反応を完結させた。得られたポリイミド前駆体溶液はポリマー濃度15重量%及びB型粘度計による25℃でのみかけ粘度1000mPa・sであった。
(合成例2)
ジアミン成分としてDDEの1モルを使用し、酸無水物成分としてBTDAの1モルを使用した以外は、合成例1と同様にしてポリイミド前駆体溶液を調整した。得られたポリイミド前駆体溶液はポリマー濃度15重量%及びB型粘度計による25℃でのみかけ粘度300mPa・sであった。
実施例1
合成例2のポリイミド前駆体溶液を粗化面と光沢面を持つ厚さ35μmの電解銅箔の粗化面に厚さが15μmになるように塗布し130℃で12分間乾燥し、さらに合成例1のポリイミド前駆体溶液を200μmになるように塗布し130℃で乾燥した後、さらに合成例2のポリイミド前駆体溶液を20μmになるように塗布し130℃で乾燥して溶媒が揮発したポリイミド系樹脂と銅箔よりなるロール巻の銅張品である撓み性シート状基板を得た。この時の樹脂中の溶媒残留量は0.78重量%であり、樹脂は乾固し、タック性は認められなかった。次に上記撓み性シート状基板1を添付図1のシャフトに取り付け、このシャフトから繰り出された銅張品をテンションのガイドロールbを経由させて回転ロール4に供給した。このロール4では、撓み性シート状基板1の樹脂層側にシャフトから繰り出された透過精度325メッシュの厚さ70μmのステンレス鋼金網2を、及び基板1の導体側にシャフトから繰り出されたRa=1.5μmで厚さ40μmの芳香族ポリアミド系不織布3とを重ね合わせ、強制回転シャフトに取り付けられてある外径90mmの表面研磨を施した金属アルミニウム製の円筒体に前記ステンレス銅金網2が内側を、芳香族ポリアミド系不織布3が外側をそれぞれ向くように3層伴巻きで巻きつけて多重層円筒体6を得た。
上記伴巻きした多重層円筒体6を円筒型真空乾燥炉内に横置きし、炉内圧を10-1Torrに減圧し、多重層円筒の温度が均一に150℃になるように徐々に昇温し、この状態で2時間保持し、脱溶媒を十分に行ったのち、再び2時間かけて330〜340℃になるように調整した。次に、炉内を減圧したまま、炉壁に冷却水を流し降温した後、炉内から伴巻き品を取り出し、先の伴巻き手順と全く逆の手順で巻き返しを行って前記芳香族ポリアミド系不織布2と銅箔保護シート3を分離したロール巻のフレキシブルプリント配線板用基板を得た。このようにして得られたフレキシブルプリント配線板用基板は、導体面への擦れや凹凸等の傷は勿論、カールもなく外観の優れたものであった。その接着力は2.0kg/cmであり、加熱収縮率は0.05%であり、線膨張係数は11×10-6(1/K)であり、はんだ耐熱試験ではなんらの異常も認められなかった。また、銅箔の光沢面の酸化は皆無であり、所望の回路パターン形成を容易に行うことができた。
実施例2
実施例1と同様して、但し厚さ18μmの圧延銅箔の粗化面に合成例2及び合成例1のポリイミド前駆体樹脂溶液を順次塗布乾燥したものを撓み性シート状基板1とし、芳香族ポリアミド系不織布3のかわりに透過精度325メッシュの厚さ70μmのステンレス鋼金網4を用いた以外は、実施例1と同様にして3層伴巻きで巻きつけて多重層円筒体6を得た。次に同じ真空炉内で10-1Torrの減圧下、脱溶媒及び熱硬化を行った。得られたフレキシブルプリント配線板は、導体面への擦れや凹凸等の傷は勿論、カールもなく外観の優れたものであった。また樹脂層上に異物や凹凸等も全く認められずフラットであり、接着力は1.8kg/cmであり、加熱収縮率は0.05%であり、線膨張係数は10×10-6(1/K)であり、耐はんだ試験では全く異常は認められなかった。
比較例1
実施例1において、伴巻きする芳香族ポリアミド系不織布3を用いなかった以外は全く同様にして試験を行ったところ、得られたフレキシブルプリント配線用基板の導体側には一部に擦れが認められた。
比較例2
実施例1において、伴巻きする芳香族ポリアミド系不織布のRaが0.1μmのものを用いた以外は全く同様にして試験を行ったところ、得られたフレキシブルプリント配線板用基板の樹脂面には曇りや癒着が見られ、フイルム強度が1.5kg/cmしかなかった。また、21mmのフイルムカールが発生していた。
比較例3
実施例1において、伴巻きする芳香族ポリアミド系不織布のRaが1.5μmのものを用い、かつ、ポリアミドイミド前駆体の塗布、乾燥後の溶媒残留が60重量部であった以外は全く同様にして試験を行ったところ、シート状材料と樹脂面が接着してしまい、加熱硬化後は樹脂は明らかに劣化していた。
比較例4
実施例1において、伴巻きする芳香族ポリアミド系不織布のRaが10μmのものを用いた以外は全く同様にして試験を行ったところ、得られたフレキシブルプリント配線板用基板は部分的に繊維の付着が見られた。
比較例5
実施例2において、伴巻きするシート状保護材料3を用いなかった以外は全く同様にして試験を行ったところ、得られたフレキシブルプリント配線用基板の導体側には一部に擦れや凹凸の傷の発生が認められた。
比較例6
実施例2において、伴巻きするステンレス鋼金網の透過精度が400のものを用いた以外は全く同様にして試験を行ったところ、ステンレス鋼金網の表面形状が樹脂表面に転写しており、シート状基板の導体表面には細かい傷が観察された。
本発明の撓み性シート状基板の両面にシート状材料とシート状保護材を積層して3層伴巻きからなる多重層円筒体を得るときの概略の製造フローである。
符号の説明
1 撓み性シート状基板
2 シート状材料
3 表面平滑なシート状保護材
4 回転ロール
5 強制駆動される円筒体
7 支点軸
8 棒状体又は紐体
a、b、c:ガイドロール

Claims (6)

  1. 導体の粗化面にポリイミド系前駆体樹脂溶液を直接塗布し乾燥処理した撓み性シート状基板と、平均表面粗さRaが0.5μm以上の二種のシート状材料とをそれぞれガイドロールを経由し、回転ロール上にて上記撓み性シート状基板の樹脂層側にステンレス製金網のシート状材料、導体側にRaが0.5〜5μmの芳香族ポアミド系の繊維からなる織布あるいは不織布のシート状材料の順に3層積層状態で接触させると共に、強制回転される円筒体の外表面に3層伴巻きで巻きつけて多重層円筒体とした後、該多重層円筒体を加熱硬化炉内に移動して静置しポリイミド系前駆体樹脂層を加熱硬化させることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
  2. 回転ロールは、強制駆動させることなく、軸の両端を上部の固定した支点軸から懸垂して揺動自在に強制回転する円筒体に対して接触させて自由回転させる請求項1記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
  3. ステンレス製金網のシート状材料が、透過精度200〜350メッシュのステンレス製金網である請求項1又は2記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
  4. 加熱硬化炉内は、不活性ガス雰囲気下或いは100Torr以下の減圧下で段階的に昇温させ、樹脂中の残留溶媒を充分に揮発させた後、300〜360℃前後まで徐々にあるいは段階的に昇温させて行う請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
  5. 加熱硬化炉内に静置した多重層円筒体の導体に通電して導体の抵抗加熱で多重層円筒体の内部全体を補助的に均一加熱する請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
  6. 加熱硬化後の多重層円筒体は冷却後に巻き戻して、二種のシート状材料を分離する請求項1〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
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