JP4371791B2 - 床下換気装置 - Google Patents

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Description

この発明は、建物の床下に流入する外気を既存の床下空気に効率的に混合させることが可能な建物の床下換気装置に関するものである。
通常、一般家屋等の建物の床下に外気を取り込む工法を用いた構成としては、図5(a),(b)に示すように、直方体の土台下パッキン材51を使った構成が知られている。すなわち、この構成では、例えばコンクリート製の基礎52とこの基礎52の上に設ける木製土台53との間に、基礎52の長手方向に所定間隔を確保した複数の土台下パッキン材51を介装させた構成であり、基礎52の上面と木製土台53の下面および土台下パッキン材51同士の側面とによって形成された隙間を、床下の空間から内気を、およびこの空間へ外気を通過させる空気通路にして床下換気を行なっている。なお、56は、床下空間に面して形成された開口から壁体55内に至る空気通路として横架材などの土台53に設けられた通気孔であり、この通気孔56を介して床下の空気を壁体55内に供給するようにしている。
また、図6(a),(b)に示すように、土台下パッキン材としてのパッキン本体68を基礎52と土台53との間に一様に敷き詰め、このパッキン本体68はその下部に、床下内外を連通する通気路65を形成し、この通気路65の上側から下向きに傾斜して突出したつば部62を設けるとともに、パッキン本体68の上部に、予め設けた床下内から壁体55内に連絡した空気通路66に接続され連通する第2通気路67を設けた構成の土台下パッキン及びそれを含む建物の換気装置63が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この換気装置63では、外気である建物の外部から通気路65を通過して流入する空気の流れを、図6(a)中に矢印で示したように、つば部62によって立面的に下方へのみ変更するように強制している。
したがって、この換気装置63によれば、壁体内換気システムとして、外部からの空気を直接壁体55内に流入させることなく、床下の乾燥空気によくなじませたのち、壁体55内に流入させることができる。すなわち、換気装置63では、つば部62によって、通気路65を通過する床下への外気の流れを下向きにしているので、この通気路65よりも上方に位置した第2通気路67に直接的に外気が流れ込まずに済み、また下向きの流れの外気を既存の乾燥した床下空気と攪拌する作用が得られる。
特開平11−211209号公報(第4,5頁、図2)
しかしながら、上記の図5(a),(b)に示した工法による構成では、矢印で示すように外部からの空気の流れの向きを何ら変更してなく、また図6(a),(b)に示した特許文献1の構成では、矢印で示した外部からの空気の流れをパッキン本体68のつば部62で立面的に下方にのみ変更すように強制しているので、既存の床下空気と外気である床下に流入した空気とによる床下全体の湿度を一様に近づけるための空気の攪拌作用としては不十分であるという問題が生じた。すなわち、図6(b)に示すように、上方から下方に視て(以降、平面視と称する)、空気の流れは平行流のまま、その向きが下向きに変更されている。このため、この空気の流れは、全体としてその流れの幅方向で整然と揃った一様な流れのまま、既存の床下空気に向かっているので、この幅方向の全域に渡って均一な攪拌作用が得られることになる。この結果、攪拌作用としては、不十分となる。
また、特許文献1の構成による効果を、土台の長さ方向に渡って一様に得ようとすると、土台下パッキン材としてのパッキン本体68を土台下に一様に連続して敷き詰める必要がある。このため、土台下パッキン材自体の材積が多くなり、コスト高になる不都合がある。すなわち、このような材料の体積としての材積が多量化して、土台長さあたりで使用するパッキン材の原材料の使用料が増大する。さらに、このようなパッキン材の材積の増加に伴って、パッキン材の梱包費、輸送費も高くなる傾向にある。これらの結果、建物のトータルコストを押し上げるものとなっている。
そこでこの発明は、前記従来の問題点を解決し、トータルコストの上昇を抑制しながら、外気と既存の床下空気との攪拌作用が充分に得られる床下換気装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、この発明は、建物の基礎と土台との間に間隙を形成し、かつこの間隙を空気通路にして床下換気する換気部材を有した床下換気装置であって、前記換気部材は、前記基礎の上に互いに所定間隔を設定して複数設置され、前記間隙を複数形成する第1の部材と、これらの第1の部材に支持されて複数設置され、外気の流れ方向を平面方向でそれぞれ変更する第2の部材とを有し、前記第2の部材は、前記第1の部材に支持され、前記基礎の外面と平行な長辺と、この長辺の対辺であって長辺に対して同一平面上で所定に傾斜した直線からなる屈折線と、を有して平面視で四辺形状に形成された平坦面からなる上面部と、この上面部の床下側に接合された外気の流れ方向を変更するガイド部とを有し、前記ガイド部は、前記上面部と前記屈折線で接合され、前記屈折線から下向きに傾斜して形成され、前記間隙を通過する外気の流れ方向を下向きに傾斜させるとともに、平面方向で変更して、外気の流れ方向を全体としてランダムなものとすることを特徴とする。
この発明の床下換気装置によれば、既存の床下空気に建物の床下に流入する外気を効率的に混合させることが可能となる。すなわち、床下換気装置の換気部材が、床下に流れ込む外気の流れ方向を、平面方向で変更するように構成されているので、流れ方向を変更した外気の流れを複数、形成するとともに、これらの流れ方向を全体としてランダムなものとでき、このように空気流として分割され各流れが互いに異方向とされた外気全体と既存の床下空気との間に生じる攪拌作用を強化できる。
また、基礎と土台との間に間隙を形成する第1の部材を複数設置し、これらの第1の部材により支持された複数の第2の部材を配置し、これらの第2の部材が有したガイド部によって、床下に流れ込む外気の流れを、下向きに傾斜した空気流とするとともに、平面的な方向を変更し、しかも変更した空気流を、少なくとも隣の第2の部材が変更した空気流とは、平面的な方向としての向き、変更した角度のいずれか、または両方を互いに異ならせたランダムなものとできるので、このようにして導入した空気流と既存の床下空気との間に、より大きな攪拌作用を得ることが可能となる。したがって、この攪拌作用によって、床下全体の空気の湿度を、早期かつ効率的に一様化(乾燥化)させることが可能となる。
さらに、この床下換気装置によれば、コスト面においても、材積が少なくなり、有利となる。すなわち、通気用の孔を設けた土台下パッキン材を土台下に一様に連続して敷き詰めなくても、前記の攪拌効果を得ることが可能となる。したがって、例えば、アンカーボルト部分のみなどのように必要な箇所にだけ土台下パッキン材を使用すればよいので、土台下パッキン材の使用数量を少なくできる。このため、通気用の孔を有した土台下パッキン材を土台下に一様に敷き詰めた構成に比べ、材積を非常に少なくでき、結果としてトータルコストの低減が図れるという利点がある。
この発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、建物に設置された床下換気装置を示し、(a)は縦断面図、(b)はb−b矢視の平断面図であり、図2は、この床下換気装置の全体構成を示し、(a)は分解斜視図、(b)は土台を省略した平面図であり、図3(a)〜(d)は、床下換気装置が有した第2パッキン材の詳細を示す、それぞれ平面図、正面図、右側面図、斜視図である。
床下換気装置が有した換気部材としての土台下パッキン1は、図1および図2に示すように、コンクリート製などで枠状に形成され地面に固定された建物の基礎2と、この基礎2の上に設置される土台3との間に介装されて設置され、この土台下パッキン1が、基礎2と土台3との間に空気通路としての隙間を形成し、この隙間を通過して外部から床下に流入する外気の流れを複数の流れに分流し、これらの分流した外気の流れをそれぞれ下向きに変更するとともに、少なくも隣りの流れとは平面方向で互いに異なる方向の流れに変更して、これらの流れ方向を全体として、つまり床下に流れ込む空気流全体としては、一様に揃ったものではなく、ランダムなものとしている。換言すれば、土台下パッキン1によって、床下に流入する空気流を、下向き、かつそれぞれの平面方向がランダムな流れの集合体に変換している。
なお、この実施形態では、外気の流れ方向を平面方向で変更するとは、土台下パッキン1によって変更される前の外気の流れ方向を基準にして、この流れ方向に対してある向き(右向きまたは左向き)に変更し、かつその向きに所定の角度で変更することであり、また隣りの流れと互いに異なる方向の流れとは、前記の向き、その向きに変更する角度のいずれかまたは両方を、隣りの流れと異ならせていることとする。すなわち例えば、ある2つの流れを同じ向きに変更していても、変更する角度が異なっていれば、互いに異なる流れ方向の流れであるとする。また、同図中の4は床パネル、5は壁体であり、この壁体5と土台3には、壁体内換気用の空気通路として床下内の空間から壁体5に至る通気孔6が形成されている。さらに、7は外壁材である。
この土台下パッキン1は、土台3の長手方向に所定間隔を確保して設置された複数の第1の部材である第1パッキン材8と、基礎2と土台3およびこれらの第1パッキン材8,8同士の間に形成された隙間を空気通路にして外部から床下に流入する外気の流れ方向を、それぞれ所定にガイドするガイド部10を設けた複数の第2の部材である第2パッキン材9とを有し、各第2パッキン材9のガイド部10は、外気の流れ方向を下向きにするとともに、少なくとも隣接した第2パッキン材9同士で平面視において互いに異なる方向にして、外気の流れ方向を変更するように形成されている。
第1パッキン材8は、硬質ゴムなどの弾性材料を用いて、平らな略直方体形状に形成され、基礎2上に設置された場合に、この基礎2と上下方向の間隙を所定に確保しながら土台3を安定して支持するために各第1パッキン材8が担当する負担に応じた充分な強度と、所定の高さ寸法とが設定されている。すなわち、第1パッキン材8を土台3の長手方向に互いに離間させて配置することにより、空気通路として隙間を形成しているので、第1パッキン材8自体には空気通路用の貫通孔や溝を形成しなくて済み、強度を確保した中実状に形成できる。したがって、充分な強度を確保しながら、第1パッキン材8の形状などの構成が簡素化されるので、部品としての低コスト化を図れる。
また、第1パッキン材8の高さと、土台3上に設置された第1パッキン材8同士の間隔とは、これらの高さと間隔距離によって形成した隙間の開口面積が、建築基準法施行令により規定された大きさ以上を確保するように設定されている。すなわち、この規定では、開口面積が、土台の長さ方向における5m毎に300平方cm以上の大きさを確保することとされている。したがって、この規定を満たしていれば、隙間が砂埃などにより塞がれないことを考慮しながら、建物の設置場所や気候などの各種の条件に応じて、第1パッキン材8に関連した高さや間隔などの寸法は、適宜、任意に変更できるものとする。
第2パッキン材9は、合成樹脂製または金属製とされ、図3(a)〜(c)に示すように、その概略の形状が長尺形状で薄板の部材を、その長手方向に沿って所定に設定した直線状の屈折線A0を境界にして、下向きに折り曲がった形状とされている。すなわち、第2パッキン材9は、その上面部11とガイド部10とを屈折線A0で接合した形状とされ、この上面部11である略長方形状の一端側の長辺に対して、平行となる角度から所定の斜めの角度を有した屈折線A0が設定され、この屈折線A0から下側が、ガイド部10とされている。この下向きに傾斜した面としてのガイド部10は、面としては一様な平坦面であり、その下向きの傾斜角度が一定に所定の角度に形成されている。
すなわち、屈折線A0は、図3(a)に示された左右方向である、同図中の長尺部材としての第2パッキン材9の上面部11の長手方向において、その右端から左端に向かうに伴い上面部11の長辺からの最短距離が増大するように傾斜した直線に形成されている。換言すれば、同図3(a)中に平面視で示した上面部11において、その左端が右端よりも大きく、床下側に突出された形状とされている。また、同図中に示された上面部11の右端の長さ、つまり上記の長手方向に対して直交した上面部11の幅方向における最短の幅寸法は、少なくとも設置対象の基礎2が有した幅よりも大きく設定されている。したがって、この第2パッキン材9が設置された場合には、平面視において、屈折線A0が基礎2の床下側の周縁を越えて床下内に位置し、この屈折線A0で接合されたガイド部10が、確実に床下内に下向きに突出されて位置するようにしている。
また、第2パッキン材9では、屈折線A0を境にして下向きに向けられたガイド部10の傾斜角度を、図3(a)〜(c)に示すように、同一の角度α10としている。
したがって、第2パッキン材9が、屈折線A0を上面部11が有した長辺に対して所定に傾斜して設定され、この屈折線A0から下向きに同一角度で傾斜して形成した面をガイド部10としたので、平面方向において、このガイド部10によって変更される前の例えば長辺に対して直交かつ水平な中心線Oに沿った流れに対して、図3(a)中に仮想線O10で示した向きに、外気の流れの向きが変更される。換言すれば、中心線Oから、ガイド部10として床下側により大きく突出した方に向かうように、流れの向きが変更される。つまり平面視において全体の流れの方向が、屈折線A0における上面の長辺に最も近い端部を通過する垂直線を軸にして、左回りに旋回した左向きの流れ方向に変更される。
このように形成したガイド部10によれば、このガイド部10単体で外気の流れ方向を3次元方向の所定の方向に変更しているので、簡素な構成で効率的に流れ方向を変更できる。すなわち、流れ方向を平面方向で変更する部材と下向きに変更する部材とを組合わせた構成に比べて、上記のように所定に傾斜した屈折線A0から下向きに形成したガイド部10単体だけで平面方向および下向きに流れ方向を変更できる。このため、構成が簡素化され、低コスト化を図れる。しかも前記の2つの部材を組合わせた構成では、流れ方向の変更がそれぞれの部材による2段階となるのに対して、このガイド部10では、ガイド部10による単一の段階で直接的に流れ方向を所定の方向に変更できるので、このような変更によって流れの勢いが低下することを抑制でき、結果として方向変更を効率的に行なえる。
このように上面部11の長辺に対する第2パッキン材9の屈折線A0が傾斜した向きやその向きの傾斜角度を所定に設定することにより、この屈折線A0に接合されたガイド部10によって、外気の流れの方向を任意の向きに変更し、かつその向きに変更する角度を任意に設定できる。そして、土台下パッキン1としては、前記の向きや傾斜角度を様々に設定した第2パッキン材9を有している。
次に、第2パッキン材9の他の例を説明する。第2パッキン材9では、その下向きに傾斜した面としてのガイド部10が、面としては一様な平坦面であるが、その下向きの傾斜角度が第2パッキン材9の長手方向に向かうに伴い連続的に変化するように形成されている。すなわち、ガイド部10は、前記上面部11が有した長辺に対して所定に傾斜した屈折線A0で接合され、この屈折線A0から下向きに、かつ当該屈折線A0の一端から他端に向かうに伴い所定に変化する角度で傾斜した面に形成されている。
より詳細には、図4(c)および(d)に示すように、水平面を基準とすると、長尺部材としての第2パッキン材9の長手方向における一端側では、水平面に対してガイド部10としての下向きの面が有した傾斜角度は、小さい傾斜角度α20が(傾斜が浅く)確保されているのに対して、他端側では、大きい傾斜角度α21が(傾斜が深く)確保され、長手方向に沿って一方の端部から他方の端部に向かうに伴って徐々に連続的に角度が変化するように形成されている。すなわち、ガイド部10は、図4(d)に示す長手方向においてその左端から右端に向かうに伴いその下向きの傾斜角度が、小さい傾斜角度α20から大きい傾斜角度α21まで徐々に増大するように形成されている。したがって、このガイド部10は、図4(a)に示す左側に向かうほど深く傾斜した面とされている。このため、ガイド部10は、面として、下向きに傾斜するとともに、平面視で屈折線A0における大きい傾斜角度α21を有した端部を通過し、かつ垂直線から傾いた軸を回転軸にして左回りに旋回して傾斜した面となる。
したがって、このように形成したガイド部10の面によってガイドして変更した外気の流れが進む向きは、図4(b)に示されるように、ガイドされる前の例えば長辺に対して直交かつ水平な中心線Oに沿った流れに比べて、垂直方向の下向きに変更され、しかも水平方向で流れの進行方向が、仮想線020で示す、左向きに変更される。すなわち、外気の流れをベクトルとして表したとき、その垂直方向成分に、下向きの角度成分が付加されるとともに、水平成分に左向きの角度成分が付加される。
このため、その方向が変更された外気全体の流れとしては、このガイド部10よって、なめらかに曲げられて、その向きが左向きに変更されることになる。他方、流れ全体としては、その変更された方向に進む方向を軸にして、ガイド部10を同一の傾斜角度とした構成に比べて、さらに左回りに深く回転して傾斜した流れとなる。
このように傾斜角度を変化させたガイド部10によれば、外気の空気流と既存の床下空気との間に生じる攪拌作用を促進できる。すなわち、ガイド部10の下向きの傾斜角度が大きい側では、この傾斜角度が大きい箇所に沿って流れる空気は、この箇所による変更角度が大きくつまり空気抵抗が大きくなるので、流速が低下する。他方、ガイド部10の傾斜角度が小さい側では、この傾斜角度が小さい箇所に沿って流れる空気は、この箇所による変更角度が小さくつまり抵抗が少なくなるので、流速がほぼ維持され、傾斜角度が大きい側よりも速くなる。そして、これらの両側の中間の領域では、それぞれの側に近づくに伴い、徐々に減少または増加した流速の空気流が得られる。したがって、ガイド部10が外気の流れの向きや角度を所定に変更することに加えて、この部材の長手方向の範囲内において、空気流の勢いに強弱の変化を付与できる。すなわち、第2パッキン材9つまり単一の部材単位で、その流れの幅方向に渡って、流速分布が均一な流れではなく変化を有した流れにできる。このため、このように形成した外気の空気流と既存の床下空気とを攪拌させる作用をより促進させることができる。この結果、床下全体の空気の湿度を、より一層効率的かつ早期に一様化(乾燥化)できる。
なお、上記の傾斜角度が一定または変化させた構成のいずれでも、第2パッキン材9としての幅方向におけるガイド部10の上端である屈折線A0から下端までの長さは、隙間における床下側に面した開口に対向して、この開口を覆える程度の長さが確保されている。すなわち、第2パッキン材9が建物に設置された場合に、ガイド部10の下端は、隙間の床下側に開口された周縁下部よりも、低い位置に到達できる長さが確保されている。したがって、第2パッキン材9を、その上面部11の長辺が、基礎2の外側の周縁と平行関係を確保して設置すれば、つまり図2(a)に示されるように、基礎2の外側周縁と土台3の外側周縁とが垂直面上に揃う場合に、前記の長辺を基礎2の外面を延在した面上に一致するように揃えて設置すれば、隙間の床下側の開口に対向し、かつ基礎2の外側周縁に対して平面上で所定に傾いた角度の姿勢を確保してガイド部材を位置させることができる。したがって、間隙の床下側開口から吹出す外気をガイド部10に確実に接触させることができ、このガイド部10によって、外気の流れ方向を所定に変更できる。
また、このような形状の第2パッキン材9は、例えば予め所定の展開形状に形成された板状部材を、立面的な曲げ加工することにより形成している。したがって、立面的な曲げ加工によって第2パッキン材9を形成しているので、設置状況に応じた形状の微調整が可能となる。すなわち、例えば第2パッキン材9を金属材料を用いて形成した場合には、第2パッキン材9を設置する現場で、設置場所に応じて、ガイド部10の折り曲げの程度、つまりガイド部10の傾斜角度を微調整し、ガイド部10によってガイドされる床下に流れ込む外気の流れ方向を、床下内の妨害物を回避するなどのように微調整することができる。このため、外気の流れ方向を設置場所に応じた適切なものとできるので、攪拌作用を含めて外気による床下の換気をより有効に行なえる。
このように構成された床下換気装置としての土台下パッキン1を実際に設置して用いる場合には、図2(b)に示すように、第2パッキン材9が有したガイド部10としての形状が、少なくとも隣の第2パッキン材9とは互いに異なる複数の第2パッキン材9,9を組合わせて設置すれば、ガイド部10がガイドして変更する外気の流れの平面的な方向が交互に右向きまたは左向きになるようにしたり、同一の向きでも変更した角度を、少なくとも隣の第2パッキン材9が変更した外気の流れとは互いに異なるようにしたりすることができる。このため、同図2(b)に白抜き矢印で示したように、これらの第2パッキン材9がそれぞれ形成した外気の流れを、床下に流れ込ませる空気流全体として不規則なランダムなものにすることができる。この結果、既存の床下空気との攪拌作用を向上できる。特に、ある2つの第2パッキン材9,9によって2つの流れを互いに向かい合う流れとした場合には、少なくとも2つの第2パッキン材9,9の境界部分で合流した流れとなるので、この合流した流れによっても攪拌作用の向上を図れる。すなわち、このように合流した流れは強勢な流れとなるので、各流れの流れ方向を不揃いにしたランダムさに加えて、流速のランダムさを加えることができる。
なお、このように複数の第2パッキン材9,9を組合わして設置する場合には、第2パッキン材9の上面部11における長手方向の一端が第1パッキン材8の上面部に支持され、その他端が隣の第2パッキン材9の一端に接合または突き合わされて設置されるが、これに限られることなく、同図2(b)中の略中央に示すように、その両端が、隣の第2パッキン材9の一端に支持されたり、図示しないが上面部11の長手方向の略中央が第1パッキン材8の上面部に支持されたりして設置されてもよく、これらのいずれかを、第1パッキン材8自体の設置間隔や設置場所の状況などに応じて適宜、任意に選択できるものとする。要は、第2パッキン材9のガイド部10が、空気通路としての間隙の床下側の開口に対して床下内で所定の間隙距離を確保して対向し、かつ上面部11が土台3の下面に接した状態で設置されればよい。
したがって、このように第2パッキン材9の上面部11が第1パッキン材8と土台3との間に介装され、間隙における床下側の開口にガイド部10が対向配置されているので、間隙の空気通路としての横断面積を減少させずに済む。このため、この間隙を通過する空気の流量を最大限に確保できるので、第2パッキン材9によって外気の流れ方向を所定の変更したことによる既存の床下空気との攪拌作用を充分に得ることができる。他方、このように間隙内に妨害物がないフラットな内形状とされていても、外気の入口となる間隙の外側開口に対して、ガイド部10を床下内に配置しているので、ガイド部10を外方に露出させず奥に引き込んだ箇所に位置させることができ、間隙にスリット状などの防護部材を配置することなく、ガイド部10の保護が図れる。
さらに、外気の流れの平面的な方向を変更しない第2パッキン材9を含んだ組合わせを設置したり、平面的な方向を同一の向きと角度とに変更する複数の第2パッキン材9を基礎2の長手方向の所定範囲に渡って連続させて配置したり、第2パッキン材9を設置しない間隙のままの部分を残して設置したりしてもよく、これらの場合にも、全体として不規則なランダムな複数の流れを有した外気として床下に取り込めるので、結果として攪拌作用の向上を図れる。
また、図1(a)に示されるように、これらのいずれの第2パッキン材9,9でも、それぞれが有した各ガイド部10によって形成した外気からなる下向きの空気流と、壁体5に向かう上向きの空気流とは、上下方向に分離され、しかも互いに反対方向に向かう逆方向の流れなので、2つの流れとして整然と区別され、互いに混合させずに済む。したがって、外気が床下に流入する場合には、壁体5に供給する空気を、必ず流入した外気を既存の床下空気と攪拌させた後の空気とすることができる。このため、湿った状態の外気を直接、壁体5に供給させずに済む。
以上説明したように、この実施形態の床下換気装置によれば、基礎と土台との間に間隙を形成する第1パッキン材を複数設置し、これらの第1パッキン材により支持された複数の第2パッキン材を配置し、これらの第2パッキン材に所定に形成したガイド部によって、床下に流れ込む外気を下向きに傾斜した空気流とするとともに、平面的な方向を変更し、しかも変更した各空気流の平面的な方向角度を互いにランダムに異なるものとしているので、既存の床下空気と床下に導入した外気との間の攪拌作用を増強することが可能となる。すなわち、所定の傾きを有した面として形成したガイド部によって、外気の流れを立体的に下向きで、かつ左また右向きの流れ、または同じ向きの流れでもその向きが有した角度に緩急の変化を設けた流れに変更できる。このため、このような複数の第2パッキン材を通過した空気の流れは、全体としてその流れの幅方向で互いに異なるランダムな向きの分割流を集合させたものとなって、既存の床下空気に向かっているので、この幅方向の全域に渡る攪拌作用を不均衡なものとできる。換言すれば、全体としての外気の流れを、整然と揃った流れではなく、適度な乱流にして、既存の床下空気に合流させている。したがって、外気の流れとしては様々に異なった分割流を、既存の床下空気に衝突させることができるので、攪拌作用を活発化して増強できる。この増強された攪拌作用によって、床下全体の空気の湿度を、常に効率的かつ短期間での均一化が可能となる。他方、湿度の高い外気が床下で局所的に滞留する機会を減少できる。すなわち、外気が有した流速の高低によって、ガイド部による外気の曲がり具合の程度も変動することが期待でき、床下に導入した外気の到達範囲を固定せずに済む。
このため、例えば床下の空気を壁体内に供給している場合には、このように一様化(乾燥化)された空気を供給できるので、壁体内での結露をより確実化を図って防止できる。すなわち、湿気を含んだ外気をそのまま直接、壁体等に供給することなく、一旦、外気を既存の床下空気と充分に攪拌混合した上で供給できるので、より一層確実な壁体内における結露の防止が図れる。この結果、建物腐食やカビ発生の抑制が可能となる。この結果、建物の耐用年数や住環境の向上が可能となる。
なお、上記の実施形態において、第2パッキン材の上面が有した長辺に対して傾斜した屈折線を設定したが、これに限られることなく、長辺と平行な屈折線を設定し、この屈折線から下向きの傾斜角度がその長手方向に連続的に増加または減少するガイド部を形成した構成としてもよい。また上記の実施形態では、各第2パッキン材の長手方向の長さが、ほぼ同一のものを示したが、攪拌作用が充分に得られるならば、適宜、建物における第2パッキン材の設置箇所に応じて、長さを変更してもよい。すなわち、攪拌作用の観点からは、ある程度は不揃いなほうが好ましい。
さらに、第1パッキン材と第2パッキン材とを別体に設けたが、床下換気部材として第1パッキン材と第2パッキン材とを一体に設けた構成にしてもよく、この構成の場合には、両部材の結合強度が高まり、基礎と土台との間に介装される部材としての強度を向上できる。他方、このように両部材が一体の床下換気部材を設置する場合には、この床下換気部材を構成する第1パッキン材と第2パッキン材との位置関係が予め固定され決まっているので、簡易に設置できる。
また、上記の実施形態では、ガイド部を一様な平坦面に形成した構成としたが、その一部または全体を、平坦面に準じて空気流を乱さない程度の曲面に形成した構成としてもよい。したがって、このように、例えば下向きに凹形状となる曲面によりガイド部を形成した構成の場合には、ガイド部が、少なくともその一部に凹状部分が形成されているので、面としての強度の向上を図れる。このため、外気の流れの強さに対抗して、ガイド部の面形状を保持できるので、ガイド部による流れ方向の変更を充分に行なえる。
さらにガイド部を、屈折線から直接所定の傾斜角度を有するように形成したが、第2パッキン材の上面とガイド部との間に湾曲部を介在させて、連続的になめらかに上面部の水平な角度からガイド部への下向きに傾斜した角度に変化するように形成してもよい。したがって、この場合には、このような湾曲部を経由して流れの向きが変更されるので、ガイド部によってガイドされる外気の流れを、よりスムーズな流れとすることができる。すなわち、少なくとも第2パッキン材の上面部およびガイド部の下面に沿って流れる外気の境界流は、湾曲部で連続的にその向きが変更される。このため、結果として外気による床下空気との攪拌作用の向上が図れる。
この発明の実施形態の床下換気装置を示し、(a)は建物に設置された床下換気装置を示す縦断面図、(b)は床下換気装置が変更した外気の流れの向きを説明した図1(a)中に示されたb−b線矢視の平断面図である。 この実施形態の床下換気装置を示し、(a)は全体構成を示す分解斜視図であり、(b)はその設置状態を示す床下換気装置よりも上側の土台および壁体などを省略した平面図である。 この床下換気装置が有したガイド部の下向き傾斜角度を同一にした構成の第2パッキン材を示し、(a)はこの第2パッキン材の平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は斜視図である。 この床下換気装置が有したガイド部の下向き傾斜角度を変化させた構成の第2パッキン材を示し、(a)はこの第2パッキン材の平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は斜視図である。 従来の工法による床下換気する構成を示し、(a)は建物に設置された本構成を示す縦断面図、(b)は本構成による外気の流れの向きを説明した図5(a)中に示されたb−b線矢視の平断面図である。 従来の床下換気装置を示し、(a)は建物に設置された従来の床下換気装置を示す縦断面図、(b)は床下換気装置が変更した外気の流れの向きを説明した図6(a)中に示されたb−b線矢視の平断面図である。
符号の説明
1 土台下パッキン(換気部材) 2 基礎
3 土台 4 床パネル
5 壁体 6 通気孔
7 外壁材 8 第1パッキン材(第1の部材)
9 第2パッキン材(第2の部材) 10 ガイド部
11 上面部 A0 屈折線
α10,α20,α21 上面部を基準としたガイド部の下向きの傾斜角度
O 中心線(ガイド部による変更前の外気の流れ方向を示す)
O10,O20 仮想線(ガイド部によって変更された外気の流れ方向を示す)

Claims (1)

  1. 建物の基礎と土台との間に間隙を形成し、かつこの間隙を空気通路にして床下換気する換気部材を有した床下換気装置であって、
    前記換気部材は、前記基礎の上に互いに所定間隔を設定して複数設置され、前記間隙を複数形成する第1の部材と、これらの第1の部材に支持されて複数設置され、外気の流れ方向を平面方向でそれぞれ変更する第2の部材とを有し、
    前記第2の部材は、前記第1の部材に支持され、前記基礎の外面と平行な長辺と、この長辺の対辺であって長辺に対して同一平面上で所定に傾斜した直線からなる屈折線と、を有して平面視で四辺形状に形成された平坦面からなる上面部と、この上面部の床下側に接合された外気の流れ方向を変更するガイド部とを有し、
    前記ガイド部は、前記上面部と前記屈折線で接合され、前記屈折線から下向きに傾斜して形成され、前記間隙を通過する外気の流れ方向を下向きに傾斜させるとともに、平面方向で変更して、外気の流れ方向を全体としてランダムなものとすることを特徴とする床下換気装置。
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